JP4602358B2 - 集塵フィルタ - Google Patents
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Description
この従来の技術では、ダストバッグ装置は布等を袋状に形成したダストバッグを備え、ダストバッグ内には集塵フィルタ(一般的には、紙製のペーパーフィルタが用いられる)が収容される。集塵フィルタには筒体挿入口が設けられ、この筒体挿入口にダストバッグに取付けられた筒体の一端が挿入される。そして、筒体の他端は集塵機等の粉塵排出口に着脱可能となっている。
かかるダストバッグ装置では、集塵機から排出される粉塵を含んだ空気は筒体を介して集塵フィルタ内に排出され、集塵フィルタによって粉塵が回収される。そして、集塵フィルタに回収された粉塵を廃棄する場合には、ダストバッグを開いて集塵フィルタを取出し、集塵フィルタごと廃棄される。
本発明は、上述した実情に鑑みなされたものであり、その目的は、複数回にわたって再利用するのに適した集塵フィルタを実現する。
上記の集塵フィルタでは、貫通口がフィルタ部材にコネクタ部材が接着された部分に設けられる。また、フィルタ部材に接着されたコネクタ部材は、テープによってフィルタ部材からの剥離が防止される。したがって、フィルタ部材とコネクタ部材との剥離強度が高まり、集塵フィルタを複数回に渡って良好な状態で使用することができる。また、コネクタ部材の非接着部とフィルタ部材との間に指を差し込むことができるため、集塵フィルタの貫通口に集塵装置等を容易に装着することができる。
図1はダストバッグの一部を破断した正面図と右側面図とを併せて示す図面である。図1に示すようにダストバッグは、円筒形状に形成されたメッシュバッグ30と、メッシュバッグ30の一端面に取付けられたダストバッグジョイント10とで構成される。
側面部32は、長方形状に裁断されたメッシュ状の布(本実施形態では、非導電性のポリプロピレン)の対向する辺(図6の縫製部32aに相当)を縫製することにより円筒状に形成されたものである。この側面部32には、縫製部32aに平行して複数本の縫付部32b(本実施形態では3本;ただし図6には1本のみが示されている)が設けられている。縫付部32bは、側面部32にミシン等を用いて糸を縫付けることで形成される。
ここで、縫製部32aの縫製用の糸及び縫付部32bの縫付用の糸には、有機系導電性繊維糸が使用される。有機系導電性繊維糸は、有機系繊維(例えば、アクリル繊維、ナイロン繊維等)に金属化合物(例えば、硫化銅等)を化学結合させた導電性繊維からなる糸である。この有機系導電性繊維は、金属繊維や炭素繊維と比較して柔軟性があって折れ難く切断し難い性質を有し、耐久性に優れている。また、有機系繊維に化学結合される金属化合物の量に応じ、その抵抗値を調整することができる。本実施形態では、アクリル繊維に硫化銅を化学結合させたものを用い、その比抵抗は1×10−1〜1×10−2Ω・cmとされている。
なお、側面部32には、図1に示すようにバッグファスナ33とフック31が取付けられている。これらバッグファスナ33及びフック31を取付けるための縫製にも、上記の有機系導電性繊維が用いられている。
ジョイント側端面部36の中心に形成される開口部にはジョイント固定部38が縫製されている。ジョイント固定部38は、上述の側面部32と同様に、長方形状に裁断したメッシュ状の布(側面部32と同一素材の布)の対向する辺を縫製(図6の縫製部38aに相当)することで円筒状に形成されている。ジョイント側端面部36とジョイント固定部38の縫製部36bと、ジョイント固定部38の縫製部38aには、上述した導電性繊維糸が用いられるとともに、この縫製部36bと縫製部38aは接続されている。
また、ジョイント側端面部36には、その外周上に形成される縫製部36aと、中心に形成される縫製部36bとを接続する2本の縫付部36cが形成されている。さらに、ジョイント固定部38には、縫製部38aに平行して縫付部38b(本実施形態では1本;ただし図6では図示省略)が設けられ、縫製部36bと接続されている。これら縫付部36c及び縫付部38bにも、上述した導電性繊維糸が用いられる。
したがって、全ての縫製部32a,34a,36a,36b,38a及び縫付部32b,36c,38bは、導電性繊維糸が用いられて電気的に接続されることとなる。
この円筒部12の集塵機60側の端部には、その内面に結合ピン16が突設されている。この結合ピン16は、集塵機60の排出口62に形成された溝(図示省略)と係合し、これによりダストバッグジョイント10と集塵機60が結合される。
円筒部12にバルブ24が取付けられた状態では、傘状突片26が取付孔28の横幅より長くされているため、バルブ24が取付孔28から抜け落ちることが防止される。また、バルブ24の径は、円筒部12の外径と同一であるため、バルブ24によって円筒部12の一端が隙間無く塞がれることとなる。
なお、上述の説明から明らかなように、バルブ24はその上端部分のみが円筒部12に取付けられ、かつ、ゴム製で製作されて可撓性を有する。このため、図1に示す矢印の方向にのみ変形することができ、これによって円筒部12が開口するようになっている。
さらに、円筒部12には、コネクタ受け18と結合ピン16との略中間の位置にメッシュバッグ30のジョイント固定部38がワイヤ14により固定されている(図2参照)。したがって、メッシュバッグ30の各縫製部32a,34a,36a,36b,38a及び縫付部32b,36c,38bは、ダストバッグジョイント10に電気的に接続されることとなる。
図7に示すようにペーパフィルタアッセンブリ40は、粉塵が回収されるペーパフィルタ42(請求項でいうフィルタ部材)と、ペーパフィルタ42の中間に接着されるコネクタ46とで構成される。
ペーパフィルタ42は、図8、図10に示すように、通常時は折り畳まれた状態(図10に示される断面形状となるように折り畳まれた状態)とされている。このペーパフィルタ42の一端50aは接着剤により接着されて常時閉じられており、その他端50bはフィルタファスナ52により開閉可能に閉じられている。フィルタファスナ52は、図10に示すように、先端が折り畳まれたペーパフィルタ42の開口部の全体を閉じるために、その開口部の長さと略同一の長さに形成されている。
上述したペーパフィルタ42の中央には、厚紙で製作されたコネクタ46が接着されている。コネクタ46は、図9に示すように、斜線部分46b(以下、接着部という)のみがペーパフィルタ42に接着され、接着部46bの左右はペーパフィルタ42に接着されない非接着部46aとされる。コネクタ46の中央にはダストバッグジョイント10が差し込まれるジョイント取付口48(請求項でいう筒体挿入孔)が形成されており、このジョイント取付口48の内周面にはゴム製のシールリング50が取付けられている。コネクタ46の上下の辺は、補強部材44(本実施形態では紙テープ)によってペーパフィルタ42から剥がれないように補強されている。
ダストバッグ装置内に粉塵を回収するためには、ダストバッグ装置を集塵機に接続する前に、ダストバッグにペーパフィルタアッセンブリ40を取付けなければならない。ペーパフィルタアッセンブリ40を取付けるためには、ダストバッグのバッグファスナ33を開いて、ダストバッグジョイント10のバルブ24側にペーパフィルタアッセンブリ40を取付ける(図1参照)。具体的には、ペーパフィルタアッセンブリ40のジョイント取付口48に、ダストバッグジョイント10のバルブ24側の端部を挿入し、ダストバッグジョイント10のコネクタ受け18がコネクタ46に当接するまで押し込む。この際、作業者はコネクタ46の非接着部46aとペーパフィルタ42の間に指を差し込んだ状態でダストバッグジョイント10をペーパフィルタ42内に押し込むことができるので、力をいれやすくその作業を容易に行なうことができる。
なお、コネクタ受け18がコネクタ46に当接すると、円筒部12に形成された溝20にコネクタ46が入り込むため、ダストバッグジョイント10にペーパフィルタアッセンブリ40が安定した状態で取付けられる。また、ダストバッグジョイント10とジョイント取付口48の隙間はシールリング50によってシールされるため、ペーパフィルタアッセンブリ40内の粉塵がジョイント取付口48とダストバッグジョイント10の隙間から漏れることは無い。
ダストバッグジョイント10にペーパフィルタアッセンブリ40が取付けられると、メッシュバッグ30内にペーパフィルタアッセンブリ40を収容してバッグファスナ33を閉じる。なお、ペーパフィルタアッセンブリ40の他端50bはフィルタファスナ52により閉じられた状態とされている。
ダストバッグが取付けられた集塵機は、図11に示されるように肩掛けベルト68によって作業者の肩に担がれる。集塵機60の吸入口67には集塵ホース72の一端が連結され、集塵ホース72の他端には電動工具(サンダー)70の粉塵吸引部74が接続される。集塵機60には、電源ケーブル64を介して電力が供給され、サンダー70には集塵機60に供給された電力が電源ケーブル66を介して供給される。
集塵機60のモータが回転した状態でサンダー70による作業が開始されると、サンダー70により発生した粉塵は、粉塵吸引部74から吸い込まれる空気とともに、集塵ホース72,集塵機60,ダストバッグジョイント10を介してペーパフィルタアッセンブリ40内に吹き込まれる。そして、空気中に含まれる粉塵はペーパフィルタアッセンブリ40の内部に回収され、ペーパフィルタアッセンブリ40内に吹き込まれた空気はフィルタ面を通って外部に排出される。これにより、ペーパフィルタアッセンブリ40の内部に粉塵が回収される。
ここで、ペーパフィルタアッセンブリ40の内部に粉塵が回収されるに伴ってダストバッグに静電気が帯電するが、この静電気の一部はメッシュバッグ30の各縫製部32a,34a,36a,36b,38a及び縫付部32b,36c,38bを介してダストバッグジョイント10に流れ、ダストバッグジョイント10から集塵機60のアース線に流れて除去される。また、ダストバッグに帯電した静電気の一部は、メッシュバッグ30の各縫製部32a,34a,36a,36b,38a及び縫付部32b,36c,38bからコロナ放電によって空気中に放電されて除去されることとなる。
粉塵が廃棄される際は、ペーパフィルタ42にダストバッグジョイント10が差し込まれた状態のまま行われるが、ダストバッグジョイント10の開口はバルブ24により閉じられているため、ペーパフィルタ42内の粉塵がダストバッグジョイント10から外部にこぼれることが防止される。したがって、床等を汚すことなくペーパフィルタ42内の粉塵を捨てることができる。
なお、ペーパフィルタ42への粉塵の回収と粉塵の廃棄が繰り返されると、ダストバッグとペーパフィルタアッセンブリ40との結合部分であるコネクタ46に繰返し力(ペーパフィルタ42からコネクタ46を剥離しようとする力)が作用する。しかしながら、コネクタ46の上下の辺は、補強部材44(本実施形態では紙テープ)によってペーパフィルタ42から剥がれないように補強されている。このため、ペーパフィルタ42の耐久性が向上し、ペーパフィルタ42を再利用できる回数が多くなる。
さらに、本実施形態では、ダストバッグジョイント10が差込まれる部分が、ペーパフィルタ42にコネクタ46を接着することで強度が上げられるとともに、補強部材44によってコネクタ46がペーパフィルタ42から剥離することが防止される。このため、複数回の使用によってもペーパフィルタアッセンブリ40とダストバッグジョイント10の結合状態を良好な状態に保つことができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
18:コネクタ受け
20:溝
24:バルブ
30:メッシュバッグ
33:バッグファスナ
32:側面部
32a:縫付部
34:ファスナ側端面部
34a:縫付部
36:ジョイント側端面部
36a,36c:縫付部
38:ジョイント固定部
38a:縫付部
40:ペーパフィルタアッセンブリ
44:補強部材
46:コネクタ
46a:非接着部
46b:接着部
48:ジョイント取付口
52:フィルタファスナ
60:集塵機
62:排出口(排出筒)
70:電動工具(サンダー)
Claims (1)
- 袋状に形成されたフィルタ部材と、フィルタ部材に接着されたコネクタ部材と、コネクタ部材がフィルタ部材から剥離することを防止するテープと、を有し、
コネクタ部材には、フィルタ部材に接着された接着部とフィルタ部材に接着されない非接着部が設けられており、
前記接着部にはコネクタ部材及びフィルタ部材を貫通する貫通口が設けられており、
前記非接着部は、前記貫通口を挟んで対向する2辺に設けられており、
前記テープは、前記貫通口を挟んで対向する両側のそれぞれにおいて、コネクタ部材の非接着部の一部とフィルタ部材とに跨って貼り付けられていることを特徴とする集塵フィルタ。
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