JP4600984B2 - 制振方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子材料に磁性体を分散し、該磁性体を磁性化して得られる磁性化複合材料を用いた制振方法に関する。
一般に、制振材料に用いられる高分子材料の制振機構は高分子材料のガラス転移領域のエネルギー損失が用いられている。そのため、高分子材料を用いた制振材料においてその使用温度範囲は高分子材料のガラス転移温度領域にのみ制振効果が期待できるものであった。
そのため、高分子材料における制振性は高分子材料自身のガラス転移温度領域以外での温度における制振性は期待できないものであった。単一材料では制振性の温度依存性が大きく、広い温度範囲での使用には難があった。また、使用に際し室温領域にガラス転移温度を合わせた高分子型制振材料では制振材料自身の弾性率が小さく、加工や施工が困難であった。
高分子材料に磁性体を分散して得られる複合型制振材料として、高分子材料の層に磁性体を含む層を積層、もしくは高分子材料中に磁性体を練り込み、磁化後、鋼板などに制振材を磁着させることで施工性を改善させた制振材料が開示されている(特許文献1、特許文献2参照。)。また、鋼板と磁性体層間での振動に対するすべり摩擦によって振動エネルギーを熱エネルギーに変換、減衰させ、制振材料の温度依存性を改善した制振材料が開示されている(特許文献3、特許文献4参照。)。
しかしながら、上述の様な高分子材料に磁性体を分散して得られる複合型制振材料を用いた場合の制振性温度依存性改善効果は鋼板等に磁着することによる制振材料と鋼板の間でのすべり摩擦に依存しているため,施工する基材は鋼板など磁着するものに限られており、制振材料内部の磁力を利用していないため,得られる制振効果は限られたものであった。
また、樹脂中に磁性体と外表面に導電性薄膜を有する球殻状粒体とを配合し、方向を揃えて磁化させることにより、磁性体と球殻状粒体間での磁気制動作用により振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、制振効果を得る制振材料が開示されている(特許文献5参照。)。しかしながら、樹脂中に球殻状粒体と磁性体を均一に分散させる際に、球殻状粒体の破壊を防ぐため、混合方法がきわめて限られたものになる。また、球殻状粒体に導電性薄膜を付与させる、もしくはセラミックス、金属などの導電体を球殻状へと加工することに多くの工程を必要とする。
特開昭62−48732号公報 特開2001−165238号公報 特公平7−51339号公報 特開平11−132273号公報 特許第2546892号公報
本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであって、高分子材料自身のガラス転移温度領域より低い温度領域においても高い制振性を発現させることが可能である、高分子材料に磁性体を分散して得られる複合材料を用いた制振方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上述の目的を達成するため鋭意検討した結果、高分子材料自身のガラス転移温度領域より低い温度領域においても高い制振性を発現させることが可能であることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、下記工程(1)および工程(2)により得られる磁性化複合材料を用い、振動の伝播方向と磁性化方向を同方向にすることを特徴とする制振方法に関するものである。
工程(1) 高分子材料に磁性体を分散し複合材料を得る分散工程
工程(2) 該複合材料中の該磁性体を一方向に磁性化し磁性化複合材料を得る磁性化工程
本発明の制振方法は様々な高分子材料を用いることが可能であり、高分子型制振材料の欠点であった温度依存性を改善することが可能であり、優れた制振性を有するため多種多様な用途に使用可能である。
本発明で使用される磁性化複合材料は、上記工程(1)で得られる複合材料を用い、上記工程(2)で得られるものであり、本発明の制振方法は振動の伝播方向と磁性化方向を同方向にすることを特徴とする。
本発明において工程(1)で用いられる高分子材料としてはいずれのものも適用できる。中でも、メタクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ−4−メチルペンテン、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、セルロース、フェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。高分子材料が、ポリスチレンまたはポリアミドであることがさらに好ましい。
また、上記高分子材料のガラス転移温度は20℃以上であることが好ましい。本発明においては高分子材料のガラス転移温度以下の温度領域にて制振性の改善効果を得ることができるため、広い温度域で制振性能を得るためにはガラス転移温度は実使用温度以上であることが好ましい。
また、本発明において工程(1)で使用される磁性体としては、既知のいずれの磁性体も使用できる。磁性体としては例えば、Fe、Co、Ni、希土類コバルト合金、ネオジム鉄ボロン系合金、マンガン−アルミニウム磁石、Al,Ni,Co,Cu等の金属を含有するアルニコ磁石、センダスト(Fe−Si−Al合金)、パーマロイ(Ni−Fe合金)、マンガン−ビスマス磁石、カーボニル鉄、Fe基またはCo基を有するアモルファス合金等の金属磁性体、スピネル型フェライト(MnFe24、Fe34、γ−Fe23、NiZnFe46、ZnFe24等)、ガーネット型フェライト(Y3Fe2(FeO43、Sm3Fe2(FeO4)3等)、マグネトプランバイト型フェライト(BaO・6Fe23、SrO・6Fe23、PbO・6Fe23等)などのフェライト系金属酸化物磁性体、フェライト以外の金属酸化物磁性体(CrO2、EuO等)、また最近、盛んに開発研究が行われている有機化合物、有機金属、有機金属錯体等からなる強磁性体などが挙げられる。中でもスピネル型、ガーネット型、マグネトプランバイト型などのフェライト系金属酸化物磁性体、希土類コバルト合金磁性体、およびネオジム鉄ボロン系合金磁性体からなる群から選ばれる一種以上が好ましい。磁性体の粒径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは80μm以下、特に好ましくは0.1〜30μmである。
本発明の工程(1)において、磁性体の添加量は、高分子材料100重量部に対して10〜300重量部が好ましく、30〜100重量部がより好ましい。磁性体添加量が少なすぎると制振性能が低下する。また、磁性体添加量が多すぎると制振材内部における磁性化後の磁性体間での磁気的結合力が強固になってしまい、振動に対する磁性体の磁束解離再結合に伴う摩擦による振動エネルギーの減衰効果が期待できない。
本発明の工程(1)で得られる複合材料は上記各種高分子材料に磁性体を分散することを特徴とするが、他の樹脂とのブレンド、分散剤、相溶化剤、界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候剤、耐熱剤、加工助剤、光沢剤、着色剤(顔料、染料)発泡剤、発泡助剤等の添加、または成型後の表面処理などは、本発明の効果を阻害しない範囲で行うことができる。また、振動エネルギー吸収を向上させる目的で、マイカ鱗片、ガラス片、ガラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、バライト、沈降硫酸バリウムなどのフィラーを充填することもできる。
本発明の工程(1)で得られる複合材料は、上記各種高分子材料、磁性体並びに必要に応じてフィラー、各種添加剤を混合することで得られる。混合の際には、熱ロール、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、二軸混練機、押出機などの既知の溶融混合する装置を用いることができる。さらに、上記各種高分子材料を溶剤に溶解あるいは膨潤させ、磁性体並びに必要に応じてフィラーを混入させた後乾燥する方法、各成分を微粉末状で混合する方法などの方法も採用することができる。
本発明の工程(2)における複合材料の磁性化方法としては既知の磁性化方法を採用することができる。例えば、永久磁石を組み込んだ磁気回路や電磁石などの持続磁場発生装置による磁性化、オイルコンデンサー、ケミカルコンデンサーなどを利用した瞬間磁場発生装置による磁性化、磁場中における磁場配向押出し、射出、圧縮成形などによる磁性化が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。本発明で使用される高分子材料に磁性体を分散して得られる複合材料の磁性化方法としては上記の方法を用いて、一方向にのみ磁場をかけることにより一方向に磁性化することができる。
磁性化複合材料の磁化率は残留磁束密度によって表され、本発明における磁性化複合材料の振動の伝播方向の残留磁束密度は好ましくは0.05〜100mT、更に好ましくは0.1〜50mTである。残留磁束密度の値が小さすぎると制振性能が低下する。また、残留磁束密度の値が大きすぎると制振材料内部における磁性化後の磁性体間での磁気的結合力が強固になってしまい、振動に対する磁性体の磁束解離再結合に伴う摩擦による振動エネルギーの減衰効果が期待できない。
本発明で用いる高分子材料に磁性体を分散して得られる複合材料は、高分子材料および磁性体を含む組成物を射出成形、押出成形、プレス成形、カレンダー成形等により成形し、成形部品、シート、フィルム、繊維、発泡体のいずれかに成形することができる。その後、磁性化して磁性化複合材料を得ることができる。
上記高分子材料に磁性体を分散して得られる複合材料を成形した後、一方向に磁性化し複合材料に異方的制振性を持たせた磁性化複合材料を作製し、その磁性化複合材料を、振動の伝播方向と磁性化方向を同方向にするように振動する場所に設置することにより制振効果が得られる。このように設置することにより、効率よく振動エネルギーを吸収・減衰することができる。
ここで振動する場所とは、振動を発生する部分より振動が伝播して、それ自身振動する場所をいう。例えば、振動を発生する部分がモーターであれば、モーターから振動が伝播して振動するものの一つとしてモーターを内蔵した機器の筐体があり、磁性化複合材料は、振動の伝播方向と磁性化方向を同方向にするように筐体に貼り付けることによりそれ自身が振動し、振動エネルギーを吸収・減衰することができる。
また、高分子材料に磁性体を分散して得られる複合材料を振動する場所に設置後、磁性体の磁化方向が振動の伝播方向と同方向となるように一方向に磁性化し、該複合材料に異方的制振性を持たせた磁性化複合材料とすることによって制振することもできる。
また、本発明で用いられる複合材料を、接着剤、塗料の形態より接着、塗布することにより、振動する部品の上に作製することができる。その際は、接着もしくは塗布した後に磁性化することによって一方向に磁性化することにより、異方的制振性を持たせた磁性化複合材料として使用できる。
本発明で用いられる磁性化複合材料を、そのまま制振効果を必要とする部品の材料としても良いし、制振効果を必要とする部品を構成する他の材料の中に混合しても良い。また、制振効果を必要とする部品とは別に作製し、制振効果を必要とする部品に接触して設置してもよい。本発明で部品とは機械、機器、家具、建築物、日用品など人造固体物品を構成する物の一部または全体をいい、独立した部品となっている物には限らない。
本発明で用いられる磁性化複合材料を、振動する部品に接触して設置し、振動する部品に密着させることにより制振効果を得ることができる。密着方法としては、機械的に密着させる、接着するなどの方法を用いることができる。
磁性化複合材料と振動する部品を接着させる場合の接着方法は、接着剤を介する方法、熱可塑性樹脂が複合されているならば、融点以上に加熱溶融して接着させる方法、部品が磁着可能であれば複合材料自身の磁力によって磁着させる方法等がある。
磁性化複合材料と振動する部品を接着剤を用いて接着させ使用する際に用いる接着剤としては、溶剤型ゴム系、水系型ゴム系、溶剤型アクリル系、水系型アクリル系、シリコーン系、ホットメルト型、液状硬化型、等の感圧型接着剤系のものか、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系、シアノアクリレート系、ポリウレタン系、α―オレフィン―無水マレイン酸樹脂系、水性高分子―イソシアネート系、反応型アクリル樹脂系、変性アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型、酢ビ共重合樹脂系エマルジョン型、EVA樹脂系エマルジョン型、アクリル樹脂系エマルジョン型、EVAホットメルト型、エラストマー系ホットメルト型、ポリアミド系ホットメルト型、合成ゴム系ラテックス型等の接着剤を用いることができる。
上記の制振方法は、自動車、鉄道、建築資材、電気機器、精密機器、靴、スポーツ用品などの制振方法として使用することができる。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
高分子材料に磁性体を分散して得られる複合材料の磁性体を一方向に磁性化した磁性化複合材料を作製し、単独で磁性化複合材料そのものを部品として用いる場合を想定して制振性を測定した。物性の測定などは以下の方法にて行った。
(1)制振性(損失弾性率)
磁性化複合材料の制振性は動的粘弾性における損失弾性率にて評価を行った。損失弾性率が高いほど制振性が高い。磁性化複合材料として,厚さ約1mmのシートを5mm×25mmに切り出し試験片とし、動的粘弾性測定装置(株式会社東洋精機製作所製、レオログラフソリッドS−1)を用いて、引張振動法により、昇温速度2℃/分、周波数13Hzの条件で測定し、損失弾性率を求めた。
(2)残留磁束密度
残留磁束密度はテスラメーター(TESLAMETER MODEL TM−601、カネテック株式会社)により、動的粘弾性測定時における測定試料内の磁化方向を測定時振動方向に対して、同じ方向を伝播方向、振動方向に対して直交関係にある方向を直交方向と規定して測定、評価を行った。動粘弾性測定試料における振動伝播方向と残留磁束密度の測定方向の関係を図1に示す。
(3)ガラス転移温度
乾燥した試料をアルミニウム製非密封容器に入れ、示差走査熱量計で窒素ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分で270℃まで昇温、昇温後270℃で3分間保持した後、急冷、昇温速度10℃/分で再昇温した時にガラス転移温度を測定する。その際、ベースラインに不連続的部分が現れる領域の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
(4)制振性温度特性改善効果(損失弾性率比)
動的粘弾性の測定結果より、動的粘弾性の損失弾性率ピーク値(P1)に対するピーク値を示す温度よりも20℃低い温度における損失弾性率の値(P2)の比(P2/P1)を求め,制振性温度特性改善効果を評価した。この値が0.5以上であれば、温度特性の改善効果があるとした。
(実施例1)
高分子材料として、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンとアゼライン酸を重縮合して得られたポリ(2−メチルペンタメチレンアゼラミド)(ガラス転移温度:42℃)100重量部に対して、Mn−Zn系フェライト(FDK株式会社製、商品名:NB45、キュリー温度:180℃)70重量部を二軸押出機を用いて220℃で混練した。得られた樹脂組成物を200℃で熱プレスにより成形し、厚さ約1mmのシート状複合材料とした。得られたシート状複合材料を磁性化装置(電気磁気工業株式会社製 ES−0910−15型)を用いて一方向にのみ磁場をかけて一方向に磁性化し(磁性化複合材料)、シート状複合材料内の磁性化方向が試験における振動の伝播方向と同方向に揃うように損失弾性率測定用の試験片を切り出した。得られた磁性化複合材料の損失弾性率測定結果を図2に示す。得られた磁性化複合材料の残留磁束密度を表1に示す。また、制振性の温度特性改善効果の検討評価を表2に示す。
(比較例1)
実施例1と同様の配合・方法にて厚さ1mmのシート状複合材料を作製後、得られたシート状複合材料を磁性化装置(電気磁気工業株式会社製 ES−0910−15型)を用いて一方向にのみ磁場をかけて一方向に磁性化し(磁性化複合材料)、シート状複合材料内の磁性化方向が試験における振動の伝播方向と直交方向になるように損失弾性率測定用の試験片を切り出した。得られた磁性化複合材料の損失弾性率測定結果を図2に示す。得られた磁性化複合材料の残留磁束密度を表1に示す。また、制振性の温度特性改善効果の検討評価を表2に示す。
(比較例2)
実施例1と同様の配合で二軸押出機を用いて220℃で混練後、得られた樹脂組成物を磁性体のキュリー温度以上の200℃で熱プレス成形を行いシート状複合材料中の磁性体の磁性を消失させ、厚さ1mmのシート状複合材料を成形し試料とした。得られた試料の残留磁束密度を表1に示す。また、得られた試料の損失弾性率測定結果を図2に示す。また、制振性の温度特性改善効果の検討評価を表2に示す。
(実施例2)
高分子材料として、ポリスチレン(日本ポリスチ株式会社製、商品名:ポリスチレンG899 ガラス転移温度:100℃)100重量部に対してMn−Zn系フェライト(FDK株式会社製、商品名:NB45)50重量部を二軸押出機を用いて250℃で混練した。得られた樹脂組成物を250℃で熱プレスにより成形し、厚さ1mmのシート状複合材料とした。得られたシート状複合材料を磁性化装置(電気磁気工業株式会社製 ES−0910−15型)を用いて一方向にのみ磁場をかけて一方向に磁性化し(磁性化複合材料)、シート状複合材料内の磁性化方向が試験における振動の伝播方向と同方向に揃うように損失弾性率測定用の試験片を切り出した。得られた磁性化複合材料の損失弾性率測定結果を図3に示す。得られた磁性化複合材料の残留磁束密度を表1に示す。また、制振性の温度特性改善効果の評価結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例2と同様の配合・方法にて厚さ1mmのシート状複合材料を作製後、得られたシート状複合材料を磁性化装置(電気磁気工業株式会社製 ES−0910−15型)を用いて一方向にのみ磁場をかけて一方向に磁性化し(磁性化複合材料)、シート状複合材料内の磁性化方向が試験における振動の伝播方向と直交方向になるように損失弾性率測定用の試験片を切り出した。得られた磁性化複合材料の損失弾性率測定結果を図3に示す。得られた磁性化複合材料の残留磁束密度を表1に示す。また、制振性の温度特性改善効果の評価結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例2と同様の配合で二軸押出機を用いて250℃で混練後、得られた樹脂組成物を磁性体のキュリー温度以上の250℃で熱プレス成形を行いシート状複合材料中の磁性体の磁性を消失させ、厚さ1mmのシート状複合材料を成形し試料とした。得られた試料の残留磁束密度を表1に示す。また、得られた試料の損失弾性率測定結果を図3に示す。また、制振性の温度特性改善効果の評価結果を表2に示す。
Figure 0004600984
Figure 0004600984
実施例1、2及び比較例1、2、3、4の動的粘弾性測定試料における試料残留磁束密度の方向性を規定した図である。 実施例1及び比較例1、2の動的粘弾性(損失弾性率)の温度依存性を示したグラフである。 実施例2及び比較例3、4の動的粘弾性(損失弾性率)の温度依存性を示したグラフである。

Claims (6)

  1. 下記工程(1)および工程(2)により得られる磁性化複合材料を用い、振動の伝播方向と磁性化方向を同方向にすることを特徴とする制振方法。
    工程(1) 高分子材料に磁性体を分散し複合材料を得る分散工程
    工程(2) 該複合材料中の該磁性体を一方向に磁性化し磁性化複合材料を得る磁性化工程
  2. 該高分子材料が、メタクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ−4−メチルペンテン、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、セルロース、フェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の制振方法。
  3. 該高分子材料が、ポリスチレンまたはポリアミドである請求項1〜2のいずれかに記載の制振方法。
  4. 該高分子材料のガラス転移温度が20℃以上である請求項1〜3のいずれかに記載の制振方法。
  5. 該磁性体が、フェライト系金属酸化物磁性体、希土類コバルト合金磁性体、およびネオジム鉄ボロン系合金磁性体からなる群から選ばれる一種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の制振方法。
  6. 該複合材料を成形部品、シート、フィルム、繊維、発泡体のいずれかに成形後、磁性化することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の制振方法。
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