JP4600915B2 - 生体測定装置 - Google Patents

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本発明は、生体のインピーダンスを測定する装置に関するものであり、詳しくは、生体インピーダンス測定を簡易に、かつ正確に行うことができる装置に関するものである。
生体電気インピーダンス測定法(bioelectrical impedance analysis:BIA)により被験者の生体電気インピーダンスを測定し、その値と測定部位間の長さや周径囲といった情報から、測定部位の体組成を判定することが行われている。その一つに体脂肪計と呼ばれる被験者の体脂肪を測定する装置として体重計と一体型のものがある。これは、生体電気インピーダンス値から被験者の体脂肪を算出する場合、測定したインピーダンス値に加えて体重値を用いるためである。
また、両手間の生体電気インピーダンス測定を行う装置や両手と両足間の測定から体脂肪率のような身体の指標を算出する装置もある。
また、巻帯を用いて測定部位の周長を測定し、その値と電極間の距離及び測定されたインピーダンス値から体脂肪率を演算する体脂肪測定器が開示されている(例えば特許文献1)。
あるいは、最も簡単な体脂肪の測定法としてキャリパー法がある。これは特定の部位の皮下脂肪を摘み、その厚さをキャリパーと呼ばれる道具を用いて測定するものである。
特開平6−114023号公報
従来の体脂肪計においては、体脂肪率の算出に体重を用いるため、体重計が一体となっているか、体重値を入力項目として事前に入力していた。体重計が一体のものでは、装置が大きくなってしまい、体重値を入力する装置では別途、体重の測定が必要であったり、誤入力の恐れもあった。
また、両手間や両足間のインピーダンス測定から体脂肪率を算出する装置では、四肢が健康な健常者であれば問題なく測定できるが、手足の一部が骨折している、あるいは切断してしまったような身障者では測定することが出来なかった。
また、このような体脂肪計では人体を円筒形として捉え、身長と体重から円筒形の体積を推定しているが、必ずしも正確に推定できているものではない。
また、特開平6−114023号公報に記載のものは、巻帯に設けられた目盛りを用いて目視により測定部位の周長を求めるとしているが、巻帯を測定部位に巻きつける際の力が一定の強さとはならず、正確な周長を求めることが難しい。また、目視により読み取った値を装置に入力するため面倒なものである。
あるいは、体脂肪測定を簡単に行う方法としてキャリパー法があるが、この方法では測定者が熟練している必要があり、更には皮下脂肪が厚い被験者ほど測定値がばらつき、また減量による体脂肪の変化が皮脂厚に現れ難いという問題があった。また、この方法では研究対象が20代という比較的若い年代の被験者から得られたデータを解析し、その結果を適用して測定値からの判定に用いているものであるため、測定者が中高年で体脂肪の分布が若者と異なって腹部に多くついているような場合、判定が大きく外れてしまうことがある。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされるものであり、生体電気インピーダンス測定から体脂肪率のような生体の指標を算出する装置において、体重を用いることなく簡単に、かつ精度よく生体の指標を算出することができる装置を提供することである。
本発明の生体測定装置では、被験者の測定部位を挿入する加圧フィルムを備えたカフと、
測定部位に密着するよう加圧フィルム内に気体を流入する加圧手段と、
流入された気体の量を検出する流量検出手段と、
その気体の圧力を検出する圧力検出手段と、
検出された流量と検出された圧力と外気圧とに基づいて加圧フィルム内に入った気体の体積を算出するとともに、この算出した体積をカフ全体の体積から差し引くことにより測定部位の体積を算出する体積測定手段と、
被験者の測定部位の生体電気インピーダンスを測定する生体電気インピーダンス測定手段と、
測定された測定部位の生体電気インピーダンスと測定部位の体積から、被験者の生体指標を算出することとする。
また、本発明の生体測定装置では、前記カフに生体電気インピーダンス測定手段の電極が備えられていることとする。
本発明の生体測定装置であれば、カフを用いて測定部位の体積を算出し、その値と生体電気インピーダンス値とから生体の指標を算出する構成なので、従来の一般的な体脂肪計のように体積の代わりに体重値を用いて体脂肪の指標を算出することはなくなり、実際に測定された体積と長さ及びインピーダンス値を用いて算出される生体の指標は正確なものとなる。
また、本発明の生体測定装置であれば、カフ内に空気を流入して測定部位に密着させた状態とし、流入した空気量から測定部位の体積を算出するので、測定部位が湾曲していても正確に体積を算出することができ、その値と生体電気インピーダンス値とを用いて算出される生体の指標もより正確な値となる。
また、本発明の生体測定装置であれば、カフの表面に生体電気インピーダンス測定用の電極が配置されているので、被験者はカフ内に測定部位を挿入し、測定を開始するだけで生体の指標が算出されるものとなり、面倒な身長や体重の設定も必要なく、使い易いものとなる。
また、本発明の生体測定装置であれば、腕や脚の負傷者や切除した身障者にも利用可能であり、また、健常者であっても上腕や腿といった特定の部位だけの生体指標を算出することが可能である。
或いは本発明の生体測定装置であれば、被験体が犬や猫などの動物であっても、それらを覆うことが可能な程度の大きさに構成すれば、生体電気インピーダンスの測定は可能であり有用なものとなる。
本発明の測定原理を図面を用いて説明する。
図1は、従来のBIAモデルを表す図であるが、生体の部位は電解質である筋肉の周りを非電解質の脂肪が覆っていると仮定される。これは電解質を多く含む体水分が占める割合の高い筋肉は電気を流しやすく、電解質を殆ど含まない脂肪は絶縁体として考えられる。
ある電解質に微弱な交流電流を流したときの抵抗率をρ、電解質の長さをL、電解質の断面積をAとし電解質溶液のインピーダンスをZとすると、
Z=ρL/A
V=ρL/Z
この上記2つの式の関係については後述するが、電解質の体積Vは、電解質の抵抗率ρと長さLとインピーダンスZと関係することを意味しており、次式のように表せる。
ρ=VZ/L
つまり、測定部位の抵抗率ρは測定部位の長さLとインピーダンスZ及び体積Vが解れば算出することが可能である。この抵抗率ρから体脂肪率%FATを算出することが可能となる。
しかし、一般に普及している生体電気インピーダンスを測定して体脂肪率を算出する装置では、この関係を利用して体脂肪率の算出を行ってはいるが、人体の体積は簡単に測定できるものではなく、その値を算出に利用することが困難な為、体積Vを体重Wに置き換えて考え、体重Wを用いることで体脂肪率の算出を行っているのが現状である。
つまり、従来の体脂肪測定の考え方は、測定部位の細かな湾曲や凹凸は無視され、その部位あるいは全身を1つの円筒形として考えた測定法であり、更に測定部位の体積を用いることなく、体重を代用して算出しているものであった。
ところで、実際の生体内における脂肪は図1に示した筋肉層の内部に円筒形のように分布しているものではなく、筋肉に複雑に分散して絡み合うように存在している。ここで生体モデルを図2のように脂肪組織と筋肉組織の混合モデルを単一物質とみなして考える。
被測定部の抵抗率をρ、体積をV、インピーダンス測定距離をL、インピーダンスをZとすると、前述のように次式で表される。
ρ=VZ/L
これは、ある体積VのインピーダンスZが解れば抵抗率ρが解るものであるとしたが、脂肪組織の抵抗率と筋肉組織の抵抗率とは異なることを考慮すると、その体積における脂肪組織と筋肉組織の混合比が解るものである。
本発明はこの原理を応用して、被測定部位の体積を測定し、測定部位の生体電気インピーダンスと体積及び生体電気インピーダンスを測定した際の測定部位の長さから抵抗率を算出し、抵抗率と体脂肪との関係を示す回帰式を用いることにより測定部位の体脂肪率を算出することとする。
尚、実際には、上記のように抵抗率で求めた体脂肪率は脂肪の体積の比率(以下、体積%FATとする)となるため、より一般的な体脂肪率(重量%FAT)を求めるには、下記のように重量%に変換することができる。
重量%FAT=脂肪の密度×脂肪の体積%FAT/{脂肪の密度×
脂肪の体積%FAT+除脂肪の密度×(1−脂肪の体積%FAT)}
(但し、脂肪の密度0.9007、除脂肪の密度1.100)
以上のような原理により、本発明では体脂肪を測定、算出する。
本発明の一実施例を説明する。図3は本発明を用いた体脂肪測定装置1の外観図である。この体脂肪測定装置1は、主に操作及び表示を行う操作部2と測定を行う測定部3からなる。
操作部2と測定部3はチューブ4で繋がれており、そのチューブ4内には後述する複数のエアチューブやコードが存在する。操作部2には電源スイッチ5、測定スイッチ6、表示装置7が設けられている。また、測定部3の内側にはカフ8が設けられている。このカフ8はその内部に空気袋(加圧フィルム)が覆うように設けられ、血圧計におけるカフと同様に、空気の流入により測定部位に密着することができるものである。また、図には示さないが、測定部3の内部にあるカフ8の表面の測定部位を挿入する入口と出口の両端に交流電流印加電極A,Bがそれぞれ設けられ、更にそれらの内側に電位測定電極C,Dが設けられている。
図4は体脂肪測定装置1の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、体脂肪測定装置1は大きく分けて3個のブロックからなる。
ブロック1は、主として生体電気インピーダンス測定に関する制御・演算・データの入出力を行うためのブロックである。定数や装置の制御および演算用プログラムなどを記憶したROM11、測定データや演算結果および外部より読み込んだデータやプログラムを一時的に保持するRAM12、装置の電源をオン/オフする電源スイッチ5や測定を開始するための測定スイッチ6からなるキー入力装置13、装置の動作状態や測定結果を示す表示装置7、装置の各部分に電力を供給するする電源装置14、それら各部を制御する制御部15、各種の演算を行う演算装置16、基準クロックを発生し演算装置16に送る基準クロック発生回路17を備える。
ブロック2は、主として測定部位の体積を測定する制御・演算を行うためのブロックである。測定部位を挿入し圧迫するためのカフ8、カフ8内の空気袋に送り込む空気(エア)が流れるエアチューブ21、カフ8内に流入される空気量に基づき信号を出力するためのフローセンサ22、フローセンサ22からの出力信号からカフ8に送り込まれた空気量を算出する流量検出回路23、空気を排出する急速排気弁24、急速排気弁24を制御する駆動回路25、空気を流入する加圧ポンプ26、加圧ポンプ26を制御する駆動回路27、エアチューブ21内の気圧に基づき信号を出力する圧力センサ28、圧力センサ28からの出力信号からを空気量を算出する出力検出回路29を備える。またカフ8の表面には交流電流印加電極A,Bと電位測定電極C,Dが設けられている。詳しくは、カフ8の内部側面に各電極は配設されており、交流電流印加電極A,Bがカフ8の両端部に配置され、その内側に電位測定電極C,Dが配置される。これら電極に接続された電極用コードと前記エアチューブ21は、パイプ4内に収められている。また、駆動回路25,27および出力検出回路29は演算装置16に接続されている。
ブロック3は、主として生体電気インピーダンス測定のアナログ信号をデジタル信号に変換するブロックである。ROM11またはRAM12に記憶された制御プログラムにより決められた周波数の交流信号を発生させる交流信号発生装置31、この交流信号発生装置31から出力される交流信号をROM11またはRAM12に記憶された制御プログラムにより決められた実効値で被測定対象に流すための交流電流出力装置32、被測定対象に流れる電流を検出し基準電流検出信号として出力する基準電流検出装置33、この基準電流検出装置33を通して交流電流出力装置32より供給される交流信号を被測定対象に流すための出力端子である交流電流印加電極A,B、基準電流検出装置33の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換装置34、被測定者における2箇所の電位信号を検出するための電位測定電極C,D、これら電位測定電極C−D間の電位信号の差分信号を出力する電位差検出装置35、電位差検出装置35の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換装置36を備える。
次に本体脂肪測定装置の動作について説明する。
図5は体脂肪測定装置1の動作を示すフローチャートである。
体脂肪測定装置1の電源スイッチ6が押されると(ステップS1)、体脂肪測定装置1は駆動状態となる。RAM12に記憶されているデータは消去され、表示装置7には図6(a)に示すよう、カフ8内に測定部位を挿入するよう促す初期画面が表示される(ステップS2)。ここで被験者は指示に従い、測定部位をカフ8内に挿入する。
図7は、カフ8に測定部位である左腕の上腕を挿入している状態を示す図である。このように測定部位を測定器3内に貫通させ、その上腕の皮膚表面には、カフ表面に設けられた各電極A,B,C,Dが接触することが出来るようにする。
ここで測定スイッチ7が押されると測定が開始される(ステップS3)。測定スイッチ7が押されるまでは、表示装置7に初期画面が表示され続ける。
測定状態では、まず測定部位の体積を測定する。急速排気弁24を閉弁するよう駆動回路25は制御する。これによりカフ8内は密封状態となり空気が漏れない状態になる(ステップS4)。この時、表示装置7には図6(b)のように、測定部位の体積を測定中であることを示す表示がなされる。
次に加圧ポンプ26を駆動するよう駆動回路27は制御を行う(ステップS5)。この時、加圧ポンプ26からの空気は、フローセンサ22を介してカフ8内の空気袋に流入される。フローセンサ22は空気の流入に応じて信号が発信され、流量検出回路23はフローセンサ22からの信号に基づいて流入された空気の量を算出する(ステップS6)。
更に、カフ8内の空気袋の圧力をチェックする。圧力センサ28は空気袋の気圧に応じた信号を発信し、出力検出回路29は圧力センサ28からの信号に基づき空気袋内の圧力を検出する(ステップS7)。
ここで空気袋内の圧力が、一定気圧P以上であるかをチェックする(ステップS8)。ここで一定気圧P以上の場合には空気袋が充分に膨らみ、測定部位と密着していることを意味するものである。一方、一定気圧P未満の場合には、測定部位とカフは密着している状態とは言えず未だ隙間があるため、ステップS5に戻り加圧ポンプ26による空気の流入が続けられる。尚、一定気圧Pは通常、1気圧以上で測定部位に過剰な負荷がかからない程度に設定される。
一定気圧P以上の場合には測定部位とカフ8が密着しているとし、加圧ポンプ26による空気の流入を停止する(ステップS9)。
ここで流入された空気量を用いて、カフ8内に存在する測定部位の体積を算出する(ステップS10)。これはステップS6で送りこまれた空気の体積をVとし、外気圧をP(一定値)、S7にて求めた空気袋内の気圧をPとする。この時、ボイル・シャルルの法則より、カフ内部の体積(空気袋に入った空気の体積)Vを次の式にて求めることが出来る。
=P/P
つまり、膨らんだ空気袋に入った空気の体積Vは、送りこまれた空気の体積(量)Vと、外気圧Pおよび設定されている空気袋内の気圧Pとから算出することができる。
ここで算出されるカフ内部体積Vは単純に空気量から算出される値である。実際にカフの体積を考えた場合、内部には空気袋が存在するため、それを含めた体積となるが、その空気袋が占める量は流入した空気量に比べ充分に小さな割合であるため、ここでは無視して考えるものとする。従って、この膨張したカフの体積をV´とすると、V´≒Vと置くことができる。
ここで、測定部位の体積=カフ全体(測定部3の内部)の体積−流入された空気の体積と考えると、カフに挿入されている測定部位の体積Vは次のように求めることが出来る。
=(rπ×L)−V´
ここで、カフ内部の半径rと電極間距離Lと、前記膨張したカフの体積V´を用いることで測定部位の体積Vは算出される。
算出された測定部位の体積は表示装置7に表示され(ステップS11)、この体積の値はRAM12に記憶される(ステップS12)。
次いで、生体電気インピーダンスの測定が行われる。この測定は、生体電気インピーダンスの測定を複数回行い、その平均値を算出して体脂肪率の算出に用いることとする。表示装置7には図6(c)に示すようにインピーダンスの測定中であることを示す表示が行われる(ステップS13)。
測定回数iの初期化を行う(ステップS14)。
ROM13に予め記憶された測定制御パラメータを元に、交流信号発生装置31に出力信号周波数を設定し、その出力信号が交流電流出力装置32へ出力される。交流信号出力装置32は電流値が設定可能な定電流出力回路で構成されており、測定制御パラメータを基に出力電流値が設定され、その交流電流出力は基準電流検出装置33を介して交流電流印加電極A,Bに印加される。
この時、被測定者の測定部位に流れる電流を基準電流検出装置33により検出し、その出力のアナログ信号をA/D変換装置34を用いて変換し、その結果をRAM12に記憶する。
同時に、被測定者の測定部位に接触した電位測定電極C−D間の電位差を電位差検出装置35により検出し、その出力のアナログ信号をA/D変換装置36を用いてデジタル信号に変換する。
ここで演算装置16は、交流電流印加電極A−B間に入力された電流値と、電位測定電極C−D間で検出された電位差から生体電気インピーダンスを算出する(ステップS15)。
測定が終わったら測定回数iを+1し、i=i+1とする(ステップS16)。
今回算出されたインピーダンス値が、適正範囲内であるかをチェックする(ステップS17)。この正常範囲は、正常に生体のインピーダンスを測定した場合に得られる値から設定される範囲であり、一般的には250〜2500Ωであれば生体を正しく測定できていると見なす。この範囲外の場合には、電極と生体との接触不良のようなエラーが考えられる。正常範囲内の場合には算出された生体電気インピーダンス値がRAM12に記憶され(ステップS18)、正常範囲外の場合には記憶しないことになる。
ここで今回までの測定回数iが、設定されている回数nを越えたかチェックする(ステップS19)。未だn未満の場合には、ステップS15に戻り、生体電気インピーダンスの測定を続ける。
ステップS19において、今回の測定回数iが、規定の測定回数nを越えている場合には、生体電気インピーダンスの測定は終了となり、急速排気弁24を開弁するよう駆動回路25は制御を行う(ステップS20)。
制御部15は、RAM12に生体電気インピーダンス値の測定データが存在するかをチェックする。ここで少なくとも1つの測定データがあれば、その平均値を算出することが可能となる(ステップS21)。
演算装置16は、RAM12に記憶されている生体電気インピーダンス値の平均値を算出する。この平均インピーダンス値の算出は、生体電気インピーダンス値の合計値を記憶されているデータ数で除した単純平均値である(ステップS22)。
次に平均インピーダンス値を用いて体脂肪率を算出する(ステップS23)。
ここで体脂肪率の算出について説明する。
インピーダンスZは長さに比例し断面積に反比例するので、
Z=ρL/A
(L:長さ,A:断面積、ρ:抵抗率)
とされる。従って、
ρ=ZA/L
ここで右辺にL/Lを掛けると、
ρ=ZAL/L
ここでALは、断面積と長さの積であり、これはカフ8内に挿入されている測定部位の体積Vと近似できるので、この算出されたρは、
ρ=ZV/L
となり、生体電気インピーダンス値Zを用いて、抵抗率ρを算出することができる。
図8は、人体の抵抗率と体脂肪率(%FAT)の一般的な関係を示すグラフである。このグラフからも解るように、抵抗率と体脂肪率はほぼ一次関数の関係があり、抵抗率が解れば体脂肪率を求めることができることを示している。例えばグラフに示すように抵抗率が750ohm・cmであれば、その体脂肪率は30%と算出することができる。
つまり、抵抗率ρと体脂肪率%FATは、
%FAT=aρ+b
の関係があり、生体電気インピーダンスZから算出される抵抗率ρを用いることで体脂肪率を算出することができる。
尚、上述したように、ここで算出される体脂肪率は脂肪の体積の比率(体積%FAT)であるため、一般的に用いられる体脂肪率(重量%FAT)に変換してもよい。
算出された体脂肪率の結果を図6(d)に示すよう表示装置7に表示する(ステップS24)。尚、ステップS21において、RAM12内に測定データが存在しない場合には、平均値の算出も行えないことになり測定はエラーとなる。その時は、図6(e)に示すように測定エラーを表示装置7に表示する(ステップS25)。
全ての測定および表示が行われた後、電源14はオフとなり終了となる(ステップS26)。
以上、本発明の実施例を説明したが、測定する部位は腕に限らず、その部位が挿入可能な大きさのカフからなる測定部を構成すれば、脚や体幹部でも測定可能である。これにより本発明の装置では、片腕や片足の無い身障者でも測定が可能となる。あるいは人体に限らず、犬、猫といった生物であっても、その生物が挿入可能な構成とし、その種類に対応した回帰式を用いれば体脂肪率や筋肉量の算出は可能である。
また、ここではカフ内に設けられた空気袋に一定圧の空気を流入し、測定部位と密着させることで体積を測定する構成として説明したが、空気に限らず他の気体を用いてもよく、また、気体ではなく水のような液体であっても構成することは可能である。
尚、ここでは、生体電気インピーダンス測定から体脂肪率を算出する装置として説明したが、一般的に知られている生体電気インピーダンスから筋肉量、体水分量といった体組成を算出する装置と同様に、本発明の装置でも測定部位の筋肉量や体脂肪と筋肉の割合、体水分量といった体組成を算出することも可能である。
従来のBIAモデル 脂肪組織と筋肉組織の混合モデル 本発明の実施例における体脂肪測定装置の外観図 本発明の実施例における体脂肪測定装置のブロック図 本発明の実施例における体脂肪測定装置のフローチャート 本発明の実施例における体脂肪測定装置の表示内容を示す図 本発明の実施例における体脂肪測定装置の測定状態を示す図 人体の抵抗率と体脂肪率の関係を示すグラフ
符号の説明
1 体脂肪測定装置
2 操作部
3 測定部
4 パイプ
5 電源スイッチ
6 測定スイッチ
7 表示装置
8 カフ
11 ROM
12 RAM
13 キー入力装置
14 電源装置
15 制御部
16 演算装置
17 基準クロック発生回路
21 エアチューブ
22 フローセンサ
23 流量検出回路
24 急速排気弁
25,27 駆動回路
26 加圧ポンプ
28 圧力センサ
29 出力検出回路
31 交流信号発生装置
32 交流電流出力装置
33 電流検出装置
34,36 A/D変換装置
35 電位差検出装置
A,B 交流電流印加電極
C,D 電位測定電極

Claims (2)

  1. 被験者の測定部位を挿入する加圧フィルムを備えたカフと、
    測定部位に密着するよう加圧フィルム内に気体を流入する加圧手段と、
    流入された気体の量を検出する流量検出手段と、
    その気体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    検出された流量と検出された圧力と外気圧とに基づいて加圧フィルム内に入った気体の体積を算出するとともに、この算出した体積をカフ全体の体積から差し引くことにより測定部位の体積を算出する体積測定手段と、
    被験者の測定部位の生体電気インピーダンスを測定する生体電気インピーダンス測定手段と、
    測定された測定部位の生体電気インピーダンスと測定部位の体積から、被験者の生体指標を算出することを特徴とする生体測定装置。
  2. 前記カフに生体電気インピーダンス測定手段の電極が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の生体測定装置。
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