JP4600578B2 - 回折格子素子 - Google Patents

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Description

本発明は、透過型の回折格子素子に関するものである。
回折格子素子は、一般に、互いに平行な第1面および第2面を有する透明平板において第1面に回折格子が形成されたものである(例えば、小舘香椎子、「回折光学の発展と新展開」、日本女子大学紀要、理学部、第10号、pp.7-24, (2002)を参照)。この回折格子素子では、例えば、第1面に接する媒質から該第1面に光が一定入射角で入射すると、その光は、第1面に形成された回折格子により回折され、透明平板の内部を通過して、第2面に接する媒質へ出射される。透明平板の第2面から出射されるときの光の回折角は、波長によって異なる。
このように、この回折格子素子は、入射した光を分波して出射する光分波器として用いられ得る。また、この回折格子素子は、上記の場合とは逆の方向に光を導く場合には、入射した光を合波して出射する光合波器として用いられ得る。さらに、回折格子素子と他の光学素子とを組み合わせることで、例えば、波長に応じて光の群遅延時間を調整する分散調整器を構成することもできる。したがって、回折格子素子は、多波長の信号光を多重化して伝送する波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)光通信システムにおいて重要な光デバイスの1つとなっている。
このような回折格子素子では回折効率が高いことが要求される。そして、回折効率向上の為の構造上の工夫が幾つか提案されており、95%程度の回折効率が報告されている(例えば、米国特許出願公開第2002/0135876号明細書や、Hendrick J. Gerritsen, et al., "Rectangular surface-relief transmission gratings with a very large first-order diffraction efficiency(〜95%) for unpolarized light", Applied Optics, Vol.37, No.25, pp.5823-5829 (1998)、を参照)。
米国特許出願公開第2002/0135876号明細書
小舘香椎子、「回折光学の発展と新展開」、日本女子大学紀要、理学部、第10号、pp.7-24, (2002) Hendrick J. Gerritsen, et al., "Rectangular surface-relief transmission gratings with a very large first-order diffraction efficiency(〜95%) for unpolarized light", Applied Optics, Vol.37, No.25, pp.5823-5829 (1998)
しかしながら、回折格子素子に入射する入射光の入射角、または、回折格子素子により回折されて出射する回折光の回折角は、0度(回折格子が形成された透明平板の第1面または第2面に垂直)では無く、反射による偏波依存性が発生する。また、回折格子は、一方向のみに周期的に屈折率が変化するという構造であるから、特に格子周期が短い(例えば2λ以下)ときに、周期方向と偏波方向との角度とが変わると、回折効率が変化する。このように、一般に、回折格子素子の回折効率は偏波依存性を有しており、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率は互いに異なる。特に、回折角の角分散が大きい(合分波における波長分解能が高い)ときに、周期が短くなるから、偏波依存性は顕著になる。
TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率の差を低減するには、反射による偏波依存性と構造による偏波依存性とをキャンセルするように、回折格子の断面形状(格子の高さや幅など)を適切に設計することにより可能である。しかし、そのように設計した場合であっても、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することはできない。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、反射による偏波依存性と構造による偏波依存性とを個別にキャンセルすることで、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することができる回折格子素子を提供することを目的とする
発明に係る回折格子素子は、複数の波長を含む光を分波又は合波する透過型の回折格子素子であって、第1平面を画成する第1媒質(屈折率n1)と、第1平面に平行な第3平面を画成する第4媒質(屈折率n 4 )と、第1平面と第3平面との間において第1平面に平行な第2平面を画成する第2媒質(屈折率n 2 )および第3媒質(屈折率n 3 、ただし、n 3 <n 2 )であって、第2平面と第3平面との間において、第3平面に接して、第1平面に平行な所定方向に交互に設けられて回折格子を形成している第2媒質および第3媒質と、第1平面と第2平面との間に、第1平面および第2平面に接して設けられた第5媒質(平均屈折率n5)と、を備える。そして、第2平面と第3平面との間における平均屈折率をnavとしたときに、第5媒質の平均屈折率n5が「n1<n5<nav」または「nav<n5<n1」なる関係式を満たすことを特徴とする。また、第5媒質の平均屈折率n 5 が「(n 1 av ) 1/2 −0.2<n 5 <(n 1 av ) 1/2 +0.2」なる関係式を満たし、第2媒質、第3媒質および第4媒質それぞれの屈折率n 2 〜n 4 が「n 3 <n 4 <n 2 」なる関係式を満たし、第4媒質の屈折率n 4 が「n av −0.2≦n 4 ≦n av +0.2」なる関係式を満たし、第2媒質の屈折率n 2 と第3媒質の屈折率n 3 との差が0.7以上である。
発明に係る回折格子素子では、第4媒質と第5媒質との間において、第2媒質と第3媒質とが交互に設けられて回折格子が形成されている。第1媒質から回折格子へ入射した光は、第5媒質を経て、回折格子部において回折され、第4媒質へ出射される。或いは、第4媒質から回折格子へ入射した光は、回折格子部において回折され、第5媒質を経て、第1媒質へ出射される。この回折格子素子は、各媒質の屈折率が上記関係式を満たしていることから、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することができる。
回折格子の周期をΛとし、第1平面に垂直な方向についての第5媒質の厚みをh5とし、波長λの光が回折格子に入射するとしたときに、「λΛ/4(4n5 2Λ2−λ2)1/2<h5<3λΛ/4(4n5 2Λ2−λ2)1/2」なる関係式を満たす光の波長λが波長帯域1.26μm〜1.675μm内に存在するのが好適である。また、第1平面に垂直な方向についての第4媒質の厚みが5μm以上であるのが好適である。これらの場合には、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現する上で更に好ましい。
第5媒質が所定方向に交互に設けられた複数の媒質からなるのが好適である。この場合には、回折特性の向上を図ることができるとともに、回折格子素子を製造する上で好都合である。
第2媒質がTiO2,Ta25およびNb25の何れかであるのが好適であり、第3媒質が気体であるのが好適である。こられの場合には、回折格子部の高さを低くすることができることから、回折格子素子の製造が容易である。
発明に係る回折格子素子は、第2媒質または第3媒質がエネルギ線照射により屈折率が変化し得る所定材料からなるのが好適であり、所定材料がダイヤモンド様炭素であるのが好適である。これらの場合には、所望の特性を有する回折格子素子を容易に製造することができる。
発明に係る回折格子素子は、第1媒質または第4媒質が、第2媒質または第3媒質よりエッチングレートが遅い所定材料からなるのが好適である。発明に係る回折格子素子は、第5媒質が、第2媒質または第3媒質よりエッチングレートが遅い所定材料からなるのが好適である。このように、エッチング層に接する非エッチング層のエッチングレートが遅い材料を用いるのが好ましく、例えば、エッチングレート比が2倍以上であるのが好適である。ここで、上記所定材料がAl23,MgO,Nd23およびフッ素系化合物の何れかであるのが好適であり、また、第2媒質または第3媒質がTiO2,Nb25,Ta25,SiN,SiO2,SiO,ZrO2,Sb23の何れかであるのが好適である。これらの場合には、回折格子素子をエッチング法により製造する上で好ましい。
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することができる。
図1は、第1参考形態に係る回折格子素子10の説明図である。 図2は、参考例1の回折格子素子10の回折特性を示すグラフである。 図3は、比較例1の回折格子素子の回折特性を示すグラフである。 図4は、参考例1の回折格子素子10の回折効率と第4媒質14の屈折率n4との関係を示すグラフである。 図5は、参考変形例1の回折格子素子10Aの説明図である。 図6は、参考変形例2の回折格子素子10Bの説明図である。 図7は、第2参考形態に係る回折格子素子20の説明図である。 図8は、参考例2の回折格子素子20の回折特性を示すグラフである。 図9は、参考変形例の回折格子素子20Aの説明図である。 図10は、参考例3の回折格子素子20Bの説明図である。 図11は、参考例3の回折格子素子20Bの回折特性を示すグラフである。 図12は、実施形態に係る回折格子素子30の説明図である。 図13は、実施例の回折格子素子30Aの説明図である。 図14は、実施例の回折格子素子30Aの回折特性を示すグラフである。 図15は、第3参考形態に係る回折格子素子40の説明図である。 図16は、第3参考形態に係る回折格子素子の反射0次回折効率と等価モデルの反射0次回折効率の特性を示すグラフである。 図17は、参考に係る回折格子素子40Aの説明図である。 図18は、参考に係る回折格子素子40Bの説明図である。 図19は、第3参考形態に係る回折格子素子の回折効率を示すグラフである。 図20は、第3参考形態に係る回折格子素子における回折格子部の溝のアスペクト比を示すグラフである。 図21は、第3参考形態に係る回折格子素子の溝深さトレランスを示すグラフである。 図22は、変形態様に係る回折格子素子30Bの説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1参考形態)
先ず、回折格子素子の第1参考形態について説明する。図1は、第1参考形態に係る回折格子素子10の説明図である。この図は、格子に垂直な面で切断したときの回折格子素子10の断面を示している。この図に示される回折格子素子10は、第1媒質11、第2媒質12、第3媒質13および第4媒質14を備えて構成されている。
この回折格子素子10において、互いに平行な第1平面P1および第2平面P2を仮想する。このとき、第1媒質11は、第1平面P1より外側(図では上側)に第1平面P1に接して設けられている。第2媒質12および第3媒質13は、第1平面P1と第2平面P2との間に、第1平面P1および第2平面P2に接して、第1平面P1に平行な所定方向に交互に設けられていて、回折格子を形成している。また、第4媒質14は、第2平面P2より外側(図では下側)に第2平面P2に接して設けられている。第2媒質12および第3媒質13の双方が固体であり、或いは、第1媒質11または第4媒質14が等方性材料からなる。
この回折格子素子10では、第1媒質11と第4媒質14との間において、第2媒質12と第3媒質13とが交互に設けられて回折格子が形成されている。第1媒質11から回折格子へ入射した光Li(入射角θ)は、回折格子部において回折され、第4媒質14へ出射される(図1には、0次光Ld、1次回折光Ldが示されている)。或いは、第4媒質14から回折格子へ入射した光は、回折格子部において回折され、第1媒質11へ出射される。
第2媒質12の各領域および第3媒質13の各領域は、何れも断面が長方形である。第2媒質12および第3媒質13が所定方向に交互に設けられることによって回折格子が形成された回折格子部において、その回折格子の周期をΛとし、その周期Λにおける第2媒質12が占める割合(デューティ比)をfとする。第1平面P1と第2平面P2との間の距離(すなわち、格子の高さ)をHとする。第1媒質11の屈折率をn1とし、第2媒質12の屈折率をn2とし、第3媒質13の屈折率をn3(ただし、n3<n2)とし、第4媒質14の屈折率をn4とする。
このとき、第1平面P1と第2平面P2との間の回折格子部の平均屈折率navは、
Figure 0004600578
なる式で表される。また、この平均屈折率navは、第2媒質12の屈折率n2および第3媒質13の屈折率n3との間で、
Figure 0004600578
なる関係式を満たす。
そして、回折格子の周期Λが入射光の波長λのオーダー以下(例えば2λ以下)であれば、第1平面P1および第2平面P2それぞれでの光の反射を考える際に、第1平面P1と第2平面P2との間を屈折率navの均質な媒質で置き換えことができる。このとき、第1媒質11の屈折率n1または第4媒質14の屈折率n4が回折格子部の平均屈折率navに近いほど、第1平面P1または第2平面P2における反射が低減され、回折特性が向上する。
そこで、本参考形態では、各媒質の屈折率n1〜n4は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たすものとされている。さらに、各媒質の屈折率n1〜n4は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たすのが好適である。
上記(3)式または(4)式に従って各媒質の屈折率n1〜n4が決定され、その後、厳密結合波解析法(RCWA: Rigorous Coupled-Wave Analysis)により回折格子素子10の回折特性の解析が行なわれる。そして、最適化手法(例えば、非線形計画法、シミュレーティドアニーリング法、遺伝アルゴリズムなど)により、デューティ比f、格子周期Λおよび格子高さHが最適化されることで、回折特性が優れた回折格子素子10が設計される。
次に、第1参考形態に係る回折格子素子10の参考例について、比較例とともに説明する。参考例1の回折格子素子10は、第1媒質11および第4媒質14それぞれが石英ガラス(n1=n4=1.45)であり、第2媒質12の屈折率n2が1.75であり、第3媒質13が空気(n3=1)であり、デューティ比fが0.70であり、格子周期Λが1.01μmであり、格子高さHが2.26μmである。比較例1の回折格子素子は、第1媒質および第3媒質それぞれが空気(n1=n3=1)であり、第2媒質および第4媒質それぞれが石英ガラス(n2=n4=1.45)であり、デューティ比fが0.84であり、格子周期Λが1.01μmであり、格子高さHが6.02μmである。
図2は、参考例1の回折格子素子10の回折特性を示すグラフである。図3は、比較例1の回折格子素子の回折特性を示すグラフである。これらの図には、光の入射角θが波長1.55μmにおけるブラッグ入射角であるときの回折効率の波長依存性がTE偏波光およびTM偏波光それぞれについて示されている。なお、ブラッグ入射角は、0次光および1次光それぞれの角度が等しくなる入射角をいう。また、これら参考例1および比較例1それぞれにおいては、波長帯域1.52μm〜1.57μmにおいて、回折効率の偏波依存性および波長依存性ができる限り小さく、回折効率ができる限り大きくなるように、各パラメータが設計された。
これらの図を対比して判るように、比較例1の場合(図3)と比較して、参考例1の場合(図2)には、広い波長域で、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率が高く95%以上であり、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率の差が2%以下であった。このように、本参考形態に係る回折格子素子10は、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することができる。
図4は、参考例1の回折格子素子10の回折効率と第4媒質14の屈折率n4との関係を示すグラフである。ここでは、波長λは1.55μmに固定された。この図から判るように、第4媒質14の屈折率n4が上記(4b)式の関係式を満たす場合には、回折効率が大きく、偏波依存性が小さい。
次に、第1参考形態に係る回折格子素子10を製造する方法について幾つか説明する。
第1の製造方法では、第4媒質14の面上に第2媒質12からなる層を形成し、その層に対して所定の空間的パターンでエッチングにより溝を形成し、その上に第1媒質11を貼り合わせる。この場合、エッチングにより形成された溝の領域が、空気からなる第3媒質13となる。或いは、エッチングにより形成された溝の領域にCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により第3領域13となるべき他の材料を埋め込み、研磨等により第2領域12および第3領域13それぞれの高さを揃えて、その上に第1媒質11を設けてもよい。ここで、第2領域12および第3領域13の双方が固体であれば、第1媒質11に貼り合わせる際の圧力による溝形状の変形を抑制することができ、また、CVD法等で第1媒質11を設ける際にも溝への第1媒質11の入り込みを抑制することができて、好適である。なお、第4媒質14の面上に第2媒質12からなる層を形成するのでは無く、第3媒質13からなる層を形成してもよい。
第2媒質12または第3媒質13からなる層がエッチングされる際に、第4媒質14が、第2媒質12または第3媒質13よりエッチングレートが遅い所定材料からなるのが好ましく、この場合には、第4媒質14の上面(第2平面P2)でエッチングを終了させることができる。このような観点から、例えば、第4媒質14は、Al23,MgO,Nd23およびフッ素系化合物(AlF3,MgF2,CaF2,NdF3など)の何れかであるのが好ましい。また、第2媒質12または第3媒質13は、TiO2,Nb25,Ta25,SiN,SiO2,SiO,ZrO2,Sb23の何れかであるのが好ましい。
なお、上記のエッチングに替えてリフトオフ等により第2媒質12および第3媒質13が交互に形成されてもよい。
エッチングおよびリフトオフの何れの場合にも、格子高さHが低いほど溝形成が容易である。第1参考形態では、各媒質の屈折率n1〜n4それぞれを独立に設定することができるから、第2媒質12の屈折率n2と第3媒質13の屈折率n3との差(n2−n3)を大きくすることができ、したがって、格子高さHを低くすることができる。このような観点から、第2媒質12の屈折率n2と第3媒質13の屈折率n3との差(n2−n3)が0.7以上であれは、格子高さHを3μm以下とすることができ製造が容易となるので好適である。また、その為には、第2媒質12がTiO2,Ta25およびNb25の何れかであるのが好適であり、第3媒質13が気体であるのが好適である。また、第2媒質、第3媒質ともに固体の場合、第3媒質としてMgF2(屈折率1.35)のような低屈折率材料を用い、第2媒質として半導体、例えばSi(屈折率3.5)のような高屈折率材料を用いれば、さらに好適である。
第2の製造方法では、第4媒質14の面上に、エネルギ線(例えばX線や粒子線など)の照射により屈折率が変化し得る所定材料からなる層を形成し、その層に対してエネルギ線を所定の空間的強度変調パターンで照射して、その層において互いに屈折率が異なる第2媒質12および第3媒質13が交互に設けられた回折格子を形成し、その上に第1媒質11を設ける。或いは、所定材料からなる層の上に第1媒質11を設け、その後に、その層に対してエネルギ線を所定の空間的強度変調パターンで照射して、その層において互いに屈折率が異なる第2媒質12および第3媒質13が交互に設けられた回折格子を形成するのも好適である。
エネルギ線照射により屈折率が変化し得る所定材料としてダイヤモンド様炭素(DLC: Diamond-Like Carbon)が好適に用いられる。この場合、このダイヤモンド様炭素の屈折率を変化させる為に照射されるエネルギ線として、シンクロトロン放射光(SR光: Synchrotron Radiation)や水素イオンビームが用いられ、エネルギ線が照射されたダイヤモンド様炭素の領域の屈折率が大きくなる。すなわち、エネルギ線が照射されていない領域が第3媒質13(屈折率n3)となり、エネルギ線が照射された領域が第2媒質12(屈折率n2)となる。
この第2の製造方法は、第1の製造方法と比較して、回折格子素子10の製造が簡略である点で好適である。また、第1の製造方法では、エッチングにより形成される溝の断面形状を完全な長方形とするのは困難であるが、これに対して、第2の製造方法では、第2媒質12および第3媒質13それぞれの各領域の断面形状がより完全な長方形となり得る点でも好適である。
次に、第1参考形態に係る回折格子素子10の変形例について説明する。図5は、参考変形例1の回折格子素子10Aの説明図である。この図に示される参考変形例1の回折格子素子10Aは、上述した回折格子素子10の構成に対して、第1媒質11(屈折率n1)の外側(図では上側)に反射低減膜11aが形成され、更に反射低減膜11aの外側に媒質11b(屈折率n0)が存在し、また、第4媒質14(屈折率n4)の外側(図では下側)に反射低減膜14aが形成され、更に反射低減膜14aの外側に媒質14b(屈折率n5)が存在するものである。例えば、外側の媒質11bおよび媒質14bは、空気であり、或いは、回折格子素子10A全体の線膨張係数を調整して光学特性の温度依存性を低減する為の光学ガラスである。
この参考変形例1の回折格子素子10Aでは、回折格子において発生するエバネセント波が充分に減衰するように、第1媒質11および第4媒質14それぞれの厚み(第1平面P1に垂直な方向についての厚み)は、波長λより充分に厚いのが好ましい。例えば、波長λが1.55μmであれば、第1媒質11および第4媒質14それぞれの厚みは5μm以上であるのが好適である。また、第1媒質11と外側の媒質11bとの間に反射低減膜11aが設けられ、また、第4媒質14と外側の媒質14bとの間に反射低減膜14aが設けられていることにより、これらの界面での反射が低減されて、回折特性の低下が抑制される。
ここで、第1媒質11または第4媒質14が異方性材料からなる場合、偏波モード分散が発生し又は偏波状態が変化するので、光通信に影響を及ぼす。しかし、第1媒質11および第4媒質14を等方性材料のものとすることで、これらの影響を抑制することができ、また、反射低減膜11aや反射低減膜14aにおける反射低減の為の設計も容易になる。
図6は、参考変形例2の回折格子素子10Bの説明図である。図6においては、入射光Li、第4媒質14と媒質14bとの境界からの反射光Lr、回折光Ldそれぞれの軌跡が例示されている。この図に示される参考変形例2の回折格子素子10Bは、上述した回折格子素子10の構成に対して、第1媒質11(屈折率n1)の外側(図では上側)に媒質11b(屈折率n0)が存在し、また、第4媒質14(屈折率n4)の外側(図では下側)に媒質14b(屈折率n5)が存在するものである。例えば、外側の媒質11bおよび媒質14bは、空気であり、或いは、回折格子素子10A全体の線膨張係数を調整して光学特性の温度依存性を低減する為の光学ガラスである。特に、この参考変形例2の回折格子素子10Bでは、回折格子部での反射光・透過光・回折光が再び回折格子部に入射しないように、第1媒質11および第4媒質14それぞれは充分な厚みを有している。このことにより、回折特性の低下が抑制される。
(第2参考形態)
次に、本発明に係る回折格子素子の第2参考形態について説明する。図7は、第2参考形態に係る回折格子素子20の説明図である。この図は、格子に垂直な面で切断したときの回折格子素子20の断面を示している。この図に示される回折格子素子20は、第1媒質21、第2媒質22、第3媒質23、第4媒質24、第5媒質25および第6媒質26を備えて構成されている。
この回折格子素子20において、互いに平行で順に並んだ第1平面P1、第2平面P2、第3平面P3および第4平面P4を仮想する。このとき、第1媒質21は、第1平面P1より外側(図では上側)に第1平面P1に接して設けられている。第2媒質22および第3媒質23は、第2平面P2と第3平面P3との間に、第2平面P2および第3平面P3に接して、第1平面P1に平行な所定方向に交互に設けられて、回折格子を形成している。第4媒質24は、第4平面P4より外側(図では下側)に第4平面P4に接して設けられている。第5媒質25は、第1平面P1と第2平面P2との間に、第1平面P1および第2平面P2に接して設けられている。第6媒質26は、第3平面P3と第4平面P4との間に、第3平面P3および第4平面P4に接して設けられている。
この回折格子素子20では、第5媒質25と第6媒質26との間において、第2媒質22と第3媒質23とが交互に設けられて回折格子が形成されている。第1媒質21から回折格子へ入射した光は、第5媒質25を経て、回折格子部において回折され、第6媒質26を経て、第4媒質24へ出射される。或いは、第4媒質24から回折格子へ入射した光は、第6媒質26を経て、回折格子部において回折され、第5媒質25を経て、第1媒質21へ出射される。
第2媒質22の各領域および第3媒質23の各領域は、何れも断面が長方形である。第2媒質22および第3媒質23が所定方向に交互に設けられることによって回折格子が形成された回折格子部において、その回折格子の周期をΛとし、その周期Λにおける第2媒質22が占める割合(デューティ比)をfとする。第1平面P1と第2平面P2との間の距離(すなわち、第5媒質25の厚み)をh5とする。第2平面P2と第3平面P3との間の距離(すなわち、格子の高さ)をHとする。第3平面P3と第4平面P4との間の距離(すなわち、第6媒質26の厚み)をh6とする。第1媒質21の屈折率をn1とし、第2媒質22の屈折率をn2とし、第3媒質23の屈折率をn3(ただし、n3<n2)とし、第4媒質24の屈折率をn4とし、第5媒質25の屈折率をn5とし、第6媒質26の屈折率をn6とする。
このとき、第2平面P2と第3平面P3との間の回折格子部の平均屈折率navは上記(1)式で表される。また、この平均屈折率navは、第2媒質22の屈折率n2および第3媒質23の屈折率n3との間で、上記(2)式の関係式を満たす。
第5媒質25および第6媒質26それぞれは、反射低減の為の多層膜であってもよいし、単層の膜であってもよい。単層膜であるとき、第5媒質25の屈折率n5は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たし、第6媒質26の屈折率n6は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たす。本参考形態に係る回折格子素子20は、このように設定されていることにより、各界面での反射が低減されて、回折特性の低下が抑制される。
さらに、第5媒質25の屈折率n5は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たすのが好適である。また、第6媒質26の屈折率n6は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たすのが好適である。
また、界面での反射を広い波長帯域で低減する為には、第5媒質25の高さh5および第6媒質26の高さh6それぞれは、波長オーダー以下であることが好ましく、例えば5μm以下であるのが好適である。
特に、第5媒質25中における波長λの光の角度をθ5とすると、第5媒質25の厚みh5は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たすのが好適である。また、第6媒質26中における波長λの光の角度をθ6とすると、第6媒質26の厚みh6は、
Figure 0004600578
なる関係式を満たすのが好適である。
また、光がブラッグ角で入射するとすれば、上記(9)式は、
Figure 0004600578
なる式で表され、上記(10)式は、
Figure 0004600578
なる式で表される。なお、上記(11)式および(12)式それぞれは、ブラッグ入射角を仮定した場合に導出されるものであるが、ブラッグ入射角で無い場合にも近似的に当てはまる。
上記(5)式〜(12)式の何れかに従って各媒質の屈折率n1〜n6および厚みh5,h6が決定され、その後、RCWA法により回折格子素子20の回折特性の解析が行なわれる。そして、最適化手法により、デューティ比f、格子周期Λおよび格子高さHが最適化されることで、回折特性が優れた回折格子素子20が設計される。
なお、以上では第5媒質25および第6媒質26それぞれが均一な単層膜であるとして説明してきたが、第5媒質25または第6媒質26が反射低減の為の多層膜であってもよい。後者の場合、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの反射が抑制されて回折効率が向上し、多層膜の偏波依存性を利用することにより回折効率の偏波依存性を低減することができ、また、高次回折光やエバネセント波に対しても反射低減効果を期待することができる。
次に、第2参考形態に係る回折格子素子20の参考例について説明する。参考例2の回折格子素子20は、第1媒質21が空気(n1=1)であり、第2媒質22がDLCのSR光照射部(n2=2.15)であり、第3媒質23がDLCのSR光非照射部(n3=1.55)であり、第4媒質24が石英ガラス(n4=1.45)であり、第5媒質25が石英ガラス(n5=1.45)であり、第6媒質26がMgO(n6=1.70)であった。デューティ比fが0.74であり、格子周期Λが1.01μmであり、格子高さHが3.35μmであり、第5媒質25の厚みh5が0.30μmであり、第6媒質26の厚みh6が0.23μmであった。
図8は、参考例2の回折格子素子20の回折特性を示すグラフである。この図には、光の入射角θが波長1.55μmにおけるブラッグ入射角であるときの回折効率の波長依存性がTE偏波光およびTM偏波光それぞれについて示されている。波長帯域1.52μm〜1.57μmにおいて、回折効率の偏波依存性および波長依存性ができる限り小さく、回折効率ができる限り大きくなるように、各パラメータが設計された。この図から判るように、参考例2の場合にも、広い波長域で、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率が高く95%以上であり、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率の差が2%以下であった。このように、本参考形態に係る回折格子素子20は、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することができる。
次に、第2参考形態に係る回折格子素子20を製造する方法について説明する。第1参考形態の場合と略同様に、第2参考形態に係る回折格子素子20は、エッチング法やリフトオフ法を用いる第1の製造方法や、エネルギ線の照射により屈折率が変化し得る所定材料を用いる第2の製造方法により、製造することができる。ただし、第2参考形態では、第6媒質26は、第2媒質22または第3媒質23よりエッチングレートが遅い所定材料からなるのが好ましく、Al23,MgO,Nd23およびフッ素系化合物(AlF3,MgF2,CaF2,NdF3など)の何れかであるのが好ましい。
次に、第2参考形態に係る回折格子素子20の参考変形例について説明する。回折格子素子20の参考変形例では、第5媒質25および第6媒質26の双方または何れか一方が所定方向に交互に設けられた複数の媒質からなる。
図9は、参考変形例の回折格子素子20Aの説明図である。この図に示される参考変形例の回折格子素子20Aは、上述した回折格子素子20の構成に対して、第5媒質25および第6媒質26の双方が所定方向に交互に設けられた複数の媒質からなるものである。ここで、所定方向は、第2媒質22および第3媒質23が交互に設けられている方向と同じである。
第5媒質25は、媒質25a(屈折率n5a)と媒質25b(屈折率n5b)とがΛ5で交互に設けられている。第6媒質26は、媒質26a(屈折率n6a)と媒質26b(屈折率n6b)とがΛ6で交互に設けられている。第5媒質25の周期Λ5における媒質25aが占める割合(デューティ比)をf5とし、第6媒質26の周期Λ6における媒質26aが占める割合(デューティ比)をf6とする。なお、第5媒質25の周期Λ5および第6媒質26の周期Λ6それぞれは、第2媒質22および第3媒質23からなる回折格子部の周期Λと等しいのが好適であり、或いは、周期Λの整数分の1であるのが好適である。また、第5媒質25の周期Λ5および第6媒質26の周期Λ6それぞれは、入射光の波長λと比べて充分に小さいのが好適であり、例えば波長λの1/5以下であるのが好適である。
このとき、第5媒質25の平均屈折率n5は、
Figure 0004600578
なる式で表され、第6媒質26の平均屈折率n6は、
Figure 0004600578
なる式で表される。上記(13)式,(14)式で表される平均屈折率n5,n6を用いることで、既述した回折格子素子20(図7)と同様の議論が可能となる。
次に、この参考変形例の回折格子素子20の参考例について説明する。図10は、参考例3の回折格子素子20Bの説明図である。この参考例3の回折格子素子20Bでは、第5媒質25は所定方向に交互に設けられた2つの媒質25a,25bからなり、第6媒質26は均一である。参考例3の回折格子素子20Bは、第1媒質21が空気(n1=1)であり、第2媒質22がTa25(n2=2.0)であり、第3媒質23が空気(n3=1)であり、第4媒質24が石英ガラス(n4=1.45)であり、第5媒質25のうち媒質25aが石英ガラス(n5a=1.45)であって媒質25bが空気(n5b=1)であり、第6媒質26がAl23(n6=1.60)であった。デューティ比fおよびf5が0.66であり、格子周期Λが1.01μmであり、格子高さHが1.49μmであり、第5媒質25の厚みh5が0.36μmであり、第6媒質26の厚みh6が0.34μmであった。
図11は、参考例3の回折格子素子20Bの回折特性を示すグラフである。この図には、光の入射角θ(図10参照)が波長1.55μmにおけるブラッグ入射角であるときの回折効率の波長依存性がTE偏波光およびTM偏波光それぞれについて示されている。波長帯域1.52μm〜1.57μmにおいて、回折効率の偏波依存性および波長依存性ができる限り小さく、回折効率ができる限り大きくなるように、各パラメータが設計された。この図から判るように、参考例3の場合にも、広い波長域で、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率が高く95%以上であり、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率の差が2%以下であった。このように、本参考形態に係る回折格子素子20は、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することができる。
また、参考例3では、第2媒質22および第5媒質25を同時にエッチングすることができるので、製造が容易である。この際、第6媒質26として第2媒質22および第5媒質25よりエッチングレートが遅い所定材料を用いることで、製造する上で更に好都合である。また、第2媒質22、第5媒質25および第6媒質26を同時にエッチングすることも可能であり、この場合には、第4媒質24のエッチングレートが遅いのが好適である。
(実施形態)
次に、本発明に係る回折格子素子の実施形態について説明する。図12は、実施形態に係る回折格子素子30の説明図である。この図は、格子に垂直な面で切断したときの回折格子素子30の断面を示している。この図に示される回折格子素子30は、第1媒質31、第2媒質32、第3媒質33、第4媒質34および第5媒質35を備えて構成されている。
この回折格子素子30において、互いに平行で順に並んだ第1平面P1、第2平面P2および第3平面P3を仮想する。このとき、第1媒質31は、第1平面P1より外側(図では上側)に第1平面P1に接して設けられている。第2媒質32および第3媒質33は、第2平面P2と第3平面P3との間に、第2平面P2および第3平面P3に接して、第1平面P1に平行な所定方向に交互に設けられて、回折格子を形成している。第4媒質34は、第3平面P3より外側(図では下側)に第3平面P3に接して設けられている。第5媒質35は、第1平面P1と第2平面P2との間に、第1平面P1および第2平面P2に接して設けられている。
この回折格子素子30では、第4媒質34と第5媒質35との間において、第2媒質32と第3媒質33とが交互に設けられて回折格子が形成されている。第1媒質31から回折格子へ入射した光は、第5媒質35を経て、回折格子部において回折され、第4媒質34へ出射される。或いは、第4媒質34から回折格子へ入射した光は、回折格子部において回折され、第5媒質35を経て、第1媒質31へ出射される。
第2媒質32の各領域および第3媒質33の各領域は、何れも断面が長方形である。第2媒質32および第3媒質33が所定方向に交互に設けられることによって回折格子が形成された回折格子部において、その回折格子の周期をΛとし、その周期Λにおける第2媒質32が占める割合(デューティ比)をfとする。第1平面P1と第2平面P2との間の距離(すなわち、第5媒質35の厚み)をh5とする。第2平面P2と第3平面P3との間の距離(すなわち、格子の高さ)をHとする。第1媒質31の屈折率をn1とし、第2媒質32の屈折率をn2とし、第3媒質33の屈折率をn3(ただし、n3<n2)とし、第4媒質34の屈折率をn4とし、第5媒質35の屈折率をn5とする。
このとき、第2平面P2と第3平面P3との間の回折格子部の平均屈折率navは上記(1)式で表される。また、この平均屈折率navは、第2媒質32の屈折率n2および第3媒質33の屈折率n3との間で、上記(2)式の関係式を満たす。
第5媒質35は、第2参考形態の場合と同様に、反射低減の為の多層膜であってもよいし、単層の膜であってもよい。単層膜であるとき、第5媒質35の屈折率n5は上記(5)式の関係式を満たす。本実施形態に係る回折格子素子30は、このように設定されていることにより、この界面での反射が低減されて、回折特性の低下が抑制される。さらに、第5媒質35の屈折率n5は上記(7)式の関係式を満たすのが好適である。
また、界面での反射を広い波長帯域で低減する為には、第5媒質35の高さh5は、波長オーダー以下であることが好ましく、例えば5μm以下であるのが好適である。特に、第5媒質35中における波長λの光の角度をθ5とすると、第5媒質35の厚みh5は上記(9)式の関係式を満たすのが好適である。また、光がブラッグ角で入射するとすれば、上記(9)式は上記(11)式で表される。なお、上記(11)式は、ブラッグ入射角を仮定した場合に導出されるものであるが、ブラッグ入射角で無い場合にも近似的に当てはまる。
一方、第4媒質34の屈折率n4については、第1参考形態の場合と同様に、上記(3)式または(4)式を満たすのが好適である。本実施形態に係る回折格子素子30は、このように設定されていることにより、この界面での反射が低減されて、回折特性の低下が抑制される。
上記の各式に従って各媒質の屈折率n1〜n3および厚みh5が決定され、その後、RCWA法により回折格子素子30の回折特性の解析が行なわれる。そして、最適化手法により、デューティ比f、格子周期Λおよび格子高さHが最適化されることで、回折特性が優れた回折格子素子30が設計される。
なお、以上では第5媒質35が均一な単層膜であるとして説明してきたが、第5媒質35が反射低減の為の多層膜であってもよい。後者の場合、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの反射が抑制されて回折効率が向上し、多層膜の偏波依存性を利用することにより回折効率の偏波依存性を低減することができ、また、高次回折光やエバネセント波に対しても反射低減効果を期待することができる。
また、第2参考形態の参考変形例と同様に、本実施形態でも、第5媒質35は所定方向に交互に設けられた複数の媒質からなるものであってもよい。このとき、第5媒質35の平均屈折率n5は上記(13)式で表される。上記(13)式で表される平均屈折率n5を用いることで、既述した回折格子素子30と同様の議論が可能となる。
次に、実施形態に係る回折格子素子30を製造する方法について説明する。第1参考形態の場合と同様に、実施形態に係る回折格子素子30は、エッチング法やリフトオフ法を用いる第1の製造方法や、エネルギ線の照射により屈折率が変化し得る所定材料を用いる第2の製造方法により、製造することができる。第4媒質34は、第2媒質32または第3媒質33よりエッチングレートが遅い所定材料からなるのが好ましく、Al23,MgO,Nd23およびフッ素系化合物(AlF3,MgF2,CaF2,NdF3など)の何れかであるのが好ましい。
次に、実施形態に係る回折格子素子30の実施例について説明する。図13は、実施例の回折格子素子30Aの説明図である。この実施例の回折格子素子30Aでは、第5媒質35は所定方向に交互に設けられた2つの媒質35a,35bからなる。実施例の回折格子素子30Aは、第1媒質31が空気(n1=1)であり、第2媒質32がTa25(n2=1.98)であり、第3媒質33が空気(n3=1)であり、第4媒質34が石英ガラス(n4=1.45)であり、第5媒質35のうち媒質35aが石英ガラス(n5a=1.45)であって媒質35bが空気(n5b=1)であった。デューティ比fおよびf5が0.60であり、格子周期Λが1.01μmであり、格子高さHが1.45μmであり、第5媒質35の厚みh5が0.33μmであった。
図14は、実施例の回折格子素子30Aの回折特性を示すグラフである。この図には、光の入射角θ(図13を参照)が波長1.55μmにおけるブラッグ入射角であるときの回折効率の波長依存性がTE偏波光およびTM偏波光それぞれについて示されている。波長帯域1.52μm〜1.57μmにおいて、回折効率の偏波依存性および波長依存性ができる限り小さく、回折効率ができる限り大きくなるように、各パラメータが設計された。この図から判るように、実施例の場合にも、広い波長域で、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率が高く95%以上であり、TE偏波光およびTM偏波光それぞれの回折効率の差が2%以下であった。このように、本実施形態に係る回折格子素子30は、回折効率の向上および回折効率の偏波依存性の低減を広い波長域で実現することができる。また、実施例では、第2媒質32および第5媒質35を同時にエッチングすることができるから、製造が容易である。
(第3参考形態)
本発明に係る回折格子素子の第3参考形態について説明する。図15は、第3参考形態に係る回折格子素子40の説明図である。この図は、格子に垂直な面で切断したときの回折格子素子40の断面を示している。この図に示される回折格子素子40は、ベース板41、第1の反射抑制部42、回折格子部43、及び第2の反射抑制部44を備えて構成されている。
この回折格子素子40では、ベース板41上に第1の反射抑制部42が設けられており、第1の反射抑制部42上に回折格子部43が設けられており、回折格子部43上に第2の反射抑制部44が設けられている。第2の反射抑制部44は、第1媒質45に接している。回折格子部43では、ベース板41に実質的に平行な所定方向において第2媒質43aと第3媒質43bとが交互に設けられることによって回折格子が形成されている。第2の反射抑制部44においては、第2媒質43a上に媒質44a、第3媒質43b上に媒質44bが設けられている。この回折格子素子40は、反射率が10%以下となるように設計されたものである。
この回折格子素子40では、第1媒質45から回折格子へ入射した光は、第2の反射抑制部44を経て、回折格子部43において回折され、第1の反射抑制部42を経て、ベース板41へ出射される。或いは、ベース板41から第1の反射抑制部42を経て回折格子へ入射した光は、回折格子部43において回折され、第2の反射抑制部44を経て、第1媒質45へ出射される。
ここで回折格子部43は、以下のように定義される。すなわち、第2媒質43a及び第3媒質43bが交互に設けられた方向をx方向とし、第1の反射抑制部42、回折格子部43、及び第2の反射抑制部44が順に並ぶ方向をz方向とし、回折格子の周期をΛとし、周期Λにおける第2媒質43aが占める割合(デューティ比)をf、z方向における第1の反射抑制部42の長さ(すなわち、第1の反射抑制部42の高さ)をhar1、z方向における第2の反射抑制部44の長さ(すなわち、第2の反射抑制部44の高さ)をhar2、z方向における回折格子部43の長さ(すなわち、格子の高さ)をHとする。
そして、平均屈折率nav(z)
Figure 0004600578
屈折率変調Δn(z)を
Figure 0004600578
z方向における位置z1から位置z2までの回折能力P(z1,z2)を
Figure 0004600578
とした場合に、回折格子部43は、その回折能力が、第1の反射抑制部42、回折格子部43、及び第2の反射抑制部44の全体の回折能力の50%より大きいものと定義される。また、反射抑制部での回折による特性悪化が小さくなるので、回折格子部43の屈折率変調は、第1の反射抑制部42及び前記第2の反射抑制部44の屈折率変調より大きいことが好ましい。更に、回折格子部の屈折率変調を容易に大きくできるので、回折格子部43の最大屈折率が、ベース板41及び第1媒質45の屈折率より大きいことが好ましい。また、更に、回折格子部43における回折格子の周期Λは、光の波長以下であれば、反射が低減されるだけでなく高次の回折が発生しなくなるので、1.675μm以下であることが好ましい。
回折格子素子40では、ベース板41が石英ガラス(屈折率:1.444)、回折格子部43の第2媒質43aがTa(屈折率:2.107)、第2の反射抑制部44の媒質44aがSiO、第1媒質45,第3媒質43b,及び媒質44bが空気(屈折率:1)であるものとして、RCWA法により回折格子部43のf,Hが設計され、以下に述べる等価モデルによる解析法で反射抑制部のhar1、har2が設計されている。
等価モデルによる解析法とは、第1の反射抑制部42、回折格子部43、第2の反射抑制部44のそれぞれを、各々に含まれる媒質の平均屈折率をもつ単層膜と仮定し、かつ、回折格子部43での回折に伴う光の位相変化を90度と仮定し、回折格子素子40を多層膜に置き換えて、透過1次の回折効率、及び反射0次の回折効率を解析する方法である。この多層膜の透過率、反射率が、それぞれ回折格子素子40の透過1次回折効率、及び反射0次回折効率に相当する。よって、この等価モデルを用いることで、光学フィルタに代表される多層膜の設計理論が適用可能となり、回折格子素子40の反射0次回折効率の抑制設計が容易にできる。最終的に解析精度の高いRCWA法を用いて、回折格子素子40全体で、f,H,har1、har2の設計の微調整を行うとなお好適である。
図16は、第3参考形態に係る回折格子素子の反射0次回折効率と等価モデルの反射0次回折効率の特性を示すグラフである。このグラフは、周期Λ=1.0μm、f=0.579、H=1.164μm、har2=0.252μm、har1=−0.2μm、光の波長帯が1550nm帯(Cバンド帯)、光の入射角θ=50.58度の条件において、実際に製造された回折格子素子40と上記等価モデルの両者の反射0次回折効率の特性を示している。ここで、har1は負の値となっているが、この絶対値が第1の反射抑制部の厚みを表し、符号は後述のように反射抑制部の構造を表している。図16において、実線で示される特性は実際に製造された回折格子素子40によるものであり、点線で示される特性は上記等価モデルを用いた解析結果によるものである。このグラフから明確なように、中心波長に微小な差があるものの、この等価モデルを用いた設計方法によれば、本参考形態の回折格子素子40の特性を正確に得ることができる。
回折格子素子40は、上記の等価モデルを用いた設計方法を用い、f,H,har1,har2の最適化が行われることによって設計されている。この設計においては、光の波長帯が1550nm帯(Cバンド帯)、光の入射角θ=50.58度の条件において、har1が−0.5μm〜0.3μmの範囲(0.1μm間隔)で最適化が行われている。
ここで、har1が正であることは、第1の反射抑制部42が、回折格子部43の媒質43aと同じ媒質によって構成されていることを示す。また、har1が負であることは、第1の反射抑制部42が、ベース板41の媒質と同じ媒質によって構成されていることを示す。図17は、参考の回折格子素子40Aの説明図であり、図18は、参考の回折格子素子40Bの説明図である。図17及び図18は共に、格子に垂直な面で切断した場合の回折格子素子の断面を示している。
回折格子素子40Aは、har1が正の場合の第3参考形態の回折格子素子40の例である。回折格子素子40Bは、har1が負の場合の第3参考形態の回折格子素子40の例である。回折格子素子40Aは、例えば、ベース板41上の一面に設けられた第2媒質43aをエッチングし、当該エッチングをベース板41に到達する前に停止させた場合に製造される。したがって、第2媒質43aと同一の媒質が第1の反射抑制部42を構成している。
一方、回折格子素子40Bは、har1が負の場合の第3参考形態の回折格子素子40の例である。回折格子素子40Bは、例えば、ベース板41上の一面に設けられた第2媒質43aをエッチングし、ベース板41の一部が削られるまで当該エッチングを行った場合に製造される。したがって、回折格子素子40Bは、交互に設けられた媒質42aと媒質42bとによって構成されており、媒質42aはベース板41と同一の媒質であり、媒質42bは空気となっている。
上記最適化の結果を表1、及び図19〜図21に示す。
Figure 0004600578
図19は、第3参考形態に係る回折格子素子の回折効率を示すグラフである。図19は、表1に示す最小回折効率及び最大回折効率をそれぞれプロットしたものである。ここで、最大回折効率,最小回折効率とは、TE偏波光およびTM偏波光を含めて、Cバンド帯で最大の回折効率と最小の回折効率を示している。表1及び図19によれば、回折格子素子40は、90%以上の回折効率を有し、偏波依存性が小さいことがわかる。なお、第1〜第2参考形態及び上記実施形態では、第2媒質及び第3媒質からなる回折格子部の上下にAR層、すなわち、回折格子部の外側の媒質と回折格子部との屈折率の差を吸収する層が設けられることによって、反射戻り光が抑制されている。これに対して、回折格子素子40の反射抑制部は第1〜第2参考形態及び上記実施形態におけるAR層とは異なる条件の平均屈折率を有している。しかしながら、第1の反射抑制部42、回折格子部43、第2の反射抑制部44の多層膜によってベース板41と第1媒質45間のAR層が構成されることによって、回折格子素子40全体としての反射が抑制されている。
図20は、第3参考形態に係る回折格子素子における回折格子部のアスペクト比を示すグラフである。図20によれば、har1が−0.2μmまたは0.1μmの場合に、特にアスペクト比が小さいので、回折格子部43の製造が容易であることがわかる
図21は、第3参考形態に係る回折格子素子の溝深さトレランスを示すグラフである。ここで、溝深さトレランスとは、回折効率の変化を1%許容した場合にのhar1の変化の許容値、すなわち、溝深さ誤差を示している。図21によれば、har1が約−0.2μmの場合に溝深さ誤差の許容値が大きく、回折格子素子40の製造が容易であることがわかる。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、回折格子部を形成する第2媒質および第3媒質の各領域の断面形状は、上記の実施形態では長方形であるとしたが、必ずしも長方形である必要はなく、例えば台形であってもよい。デューティ比f,f5およびf6は、上記の実施例では等しいとしたが、互いに異なっていてもよく、後者のようにすることにより回折特性が更に向上し得る。また、実施形態の回折格子素子において、第1媒質の側から光が入射してもよいし、第4媒質の側から光が入射してもよい。
また、上記実施形態においては、第2媒質と第3媒質が互いに接し、かつ、交互に設けられることによって、回折格子部が形成されているが、第2媒質と第3媒質との間に異なる媒質が設けられていても良い。かかる態様を、実施形態の実施例に係る回折格子素子30Aの変形態様を例として説明する。図22は、変形態様に係る回折格子素子の説明図である。図22は、格子に垂直な面で切断したときの回折格子素子の断面を示している。図22に示す回折格子素子30Bは、回折格子素子30Aと同様の構成を有し、第2媒質32と第3媒質33との間に、媒質36が設けられている。例えば、媒質35aがSiOによって構成されており、エッチング時の媒質35aの側面の削れを補うために、第2媒質32のエッチング時にSiOを付着させるプロセスを導入した場合には、媒質36がSiOによって構成される回折格子素子30Bが製造される。また、第2媒質32がTaによって構成されており、エッチング時の第2媒質32の側面の削れを補うために、第2媒質32のエッチング時にTaを付着させるプロセスを導入した場合には、媒質36がTaによって構成される回折格子素子30Bが製造される。
実施例は、波長帯域1.5μm〜1.6μmで設計を行なったものであるが、これに限定されるものではない。回折格子の設計では、相似則が成立するので、例えば中心波長を1.55μmから1.3μmに変更する場合、長さの単位を持つ設計パラメータ(周期や厚み)を全て1.3/1.55倍にすればよい。このようにして、光通信で用いられる波長帯域1.26μm〜1.675μm内の何れかの波長を中心波長とした回折格子を容易に設計することができる。
10,10A,10B、20,20A,20B、30,30A,30B,40,40A,40B、43…回折格子素子、11,21,31…第1媒質、11a…反射低減膜、11b…媒質、12,22,32…第2媒質、13,23,33…第3媒質、14,24,34…第4媒質、14a…反射低減膜、14b…媒質、25,35…第5媒質、25a…媒質、25b…媒質、26…第6媒質、26a…媒質、26b…媒質、36…媒質、41…ベース板、42…反射抑制部、42a…媒質、42b…媒質、43a…媒質、43b…媒質、44…反射抑制部、44a…媒質、44b…媒質。

Claims (12)

  1. 複数の波長を含む光を分波又は合波する透過型の回折格子素子であって、
    第1平面を画成する第1媒質(屈折率n1)と、
    前記第1平面に平行な第3平面を画成する第4媒質(屈折率n 4 )と、
    前記第1平面と前記第3平面との間において前記第1平面に平行な第2平面を画成する第2媒質(屈折率n 2 )および第3媒質(屈折率n 3 、ただし、n 3 <n 2 )であって、前記第2平面と前記第3平面との間において、前記第3平面に接して、前記第1平面に平行な所定方向に交互に設けられて回折格子を形成している第2媒質および第3媒質と、
    前記第1平面と前記第2平面との間に、前記第1平面および前記第2平面に接して設けられた第5媒質(平均屈折率n5)と、
    を備え、
    前記第2平面と前記第3平面との間における平均屈折率をnavとしたときに、前記第5媒質の平均屈折率n5が「n1<n5<nav」または「nav<n5<n1」なる関係式を満た
    前記第5媒質の平均屈折率n 5 が「(n 1 av ) 1/2 −0.2<n 5 <(n 1 av ) 1/2 +0.2」なる関係式を満たし、
    前記第2媒質、前記第3媒質および前記第4媒質それぞれの屈折率n 2 〜n 4 が「n 3 <n 4 <n 2 」なる関係式を満たし、
    前記第4媒質の屈折率n 4 が「n av −0.2≦n 4 ≦n av +0.2」なる関係式を満たし、
    前記第2媒質の屈折率n 2 と前記第3媒質の屈折率n 3 との差が0.7以上である、
    回折格子素子。
  2. 前記回折格子の周期をΛとし、前記第1平面に垂直な方向についての前記第5媒質の厚みをh5とし、波長λの光が前記回折格子に入射するとしたときに、「λΛ/4(4n5 2Λ2−λ2)1/2<h5<3λΛ/4(4n5 2Λ2−λ2)1/2」なる関係式を満たす光の波長λが波長帯域1.26μm〜1.675μm内に存在する、請求項1記載の回折格子素子。
  3. 前記第5媒質が前記所定方向に交互に設けられた複数の媒質からなる、請求項1記載の回折格子素子。
  4. 前記第1平面に垂直な方向についての前記第4媒質の厚みが5μm以上である、請求項記載の回折格子素子。
  5. 前記第2媒質がTiO2,Ta25およびNb25の何れかであり、前記第3媒質が気体である、請求項記載の回折格子素子。
  6. 前記第2媒質または前記第3媒質がエネルギ線照射により屈折率が変化し得る所定材料からなる、請求項1に記載の回折格子素子。
  7. 前記所定材料がダイヤモンド様炭素である、請求項記載の回折格子素子。
  8. 前記第1媒質または前記第4媒質が、前記第2媒質または前記第3媒質よりエッチングレートが遅い所定材料からなる、請求項1に記載の回折格子素子。
  9. 前記第5媒質が、前記第2媒質または前記第3媒質よりエッチングレートが遅い所定材料からなる、請求項1記載の回折格子素子。
  10. 前記所定材料がAl23,MgO,Nd23およびフッ素系化合物の何れかである、請求項又はに記載の回折格子素子。
  11. 前記第2媒質または前記第3媒質がTiO2,Nb25,Ta25,SiN,SiO2,SiO,ZrO2,Sb23の何れかである、請求項又はに記載の回折格子素子。
  12. 前記第2の媒質と前記第3の媒質とは互いに接している、請求項1に記載の回折格子素子。
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