JP4600252B2 - 車両用手動変速機の後進変速機構 - Google Patents

車両用手動変速機の後進変速機構 Download PDF

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Description

本発明は、乗用自動車などに用いられる車両用手動変速機の後進変速機構に関するものであり、特に、後進変速時のギヤ鳴り防止およびロック防止に関するものである。
従来の車両用手動変速機における後進変速機構は、主に選択摺動方式と常時噛合い方式とに大別される。選択摺動方式は、たとえば入力軸に設けられたドライブギヤ、出力軸に設けられたドリブンギヤ、およびアイドラギヤによって構成され、アイドラギヤをシフトフォークによって軸心方向に移動させ、ドライブギヤとドリブンギヤとをアイドラギヤを介して噛み合わせることで、入力軸の回転を逆回転させている。
一方、常時噛合い方式は、前述の選択摺動方式と同様の要素によって構成されるが、ドライブギヤ、ドリブンギヤ、およびアイドラギヤは常時噛み合わされており、たとえばアイドラギヤ間に設けられた同期噛合装置を介して、回転が伝達される。特許文献1に記載されている車両用手動変速機の後進変速機構は、この常時噛み合い方式が採用されており、車両用手動変速機の組付性を向上させた技術が開示されている。
特開平9−280347号公報
通常、後進変速時は、たとえば乗用自動車等の車両を停止させたあと、クラッチを切り、ついでエンジンと手動変速機との接続を断ち、シフトレバーを後進に変速させている。その際、前述のアイドラギヤとドリブンギヤおよびドライブギヤとの間でギヤの噛み合わせの際にギヤ同士の衝突音によるギヤ鳴りや変速操作不能になるシフトロックといった現象が起こることがある。
このギヤ鳴りは、エンジンと手動変速機との接続をクラッチによって遮断しても、入力軸は慣性力によって回転しているため、アイドラギヤが摺動してドライブギヤおよびドリブンギヤと噛み合う際に歯車の先端同士が衝突して発生する。
一方、シフトロックは、シフトレバーによってアイドラギヤを摺動させてドライブギヤおよびドリブンギヤと噛み合わせる際、互いのギヤのチャンファ(ギヤの先端に面取を設けて互いのギヤを噛合せ易くしたもの)同士が垂直当たりまたは交差当たりすることによってチャンファ同士がすり抜けることができずロックする現象である。これらの現象は特に前述の選択摺動方式の変速機に発生し易くなっている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、選択摺動方式の車両用手動変速機の後進変速機構において、後進変速時のギヤ鳴りおよびシフトロックが抑制された車両用手動変速機の後進変速機構を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)リバースアイドラシャフトに回転可能且つ軸心方向の移動可能に嵌め付けられ、作動位置に移動させられて、ドライブギヤおよびドリブンギヤに噛み合うことで、後進変速段を成立させる車両用手動変速機のアイドラギヤであって、(b)前記アイドラギヤは、前記作動位置において、前記ドライブギヤと噛み合うためのドライブアイドラギヤと、前記ドリブンギヤと噛み合うためのドリブンアイドラギヤの2つの部材で構成され、(c)該ドリブンアイドラギヤには、該ドリブンアイドラギヤの内周縁より軸心と平行に伸びる円筒状のボス部が設けられ、(d)前記ドライブアイドラギヤは、該ボス部の外周面に軸心方向の移動可能且つ所定の角度相対回転可能にスプライン嵌合され、(e)前記ドライブアイドラギヤを前記ドリブンアイドラギヤ側へ軸心方向に付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1に記載の車両用手動変速機の後進変速機構において、前記ドライブアイドラギヤおよび前記ドリブンアイドラギヤが互いに当接する当接面には、該ドライブアイドラギヤが該ドリブンアイドラギヤに対して相対回転した際には、その相対回転力によって該ドライブアイドラギヤが該ドリブンアイドラギヤから隔離するための傾斜面が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2に記載の車両用手動変速機の後進変速機構において、(a)前記傾斜面は、前記ドリブンアイドラギヤの当接面側から前記ドライブアイドラギヤ側に向かって突き出す傾斜凸部に設けられ、(b)前記ドライブアイドラギヤの当接面側に、該傾斜凸部と略同形状に形成された空間である傾斜凹穴が形成され、(c)前記傾斜凸部と傾斜凹穴とは、前記ドリブンアイドラギヤとドライブアイドラギヤとが前記弾性部材によって当接される際には、互いに嵌り合う位置に位置させられ、(d)前記ドライブアイドラギヤが前記ドリブンアイドラギヤに対して相対回転した際には、その相対回転力によって該ドライブアイドラギヤが前記傾斜面に沿って軸心方向に移動することを特徴とする。
請求項1の手動変速機の後進変速機構によれば、後進変速時において、ドライブアイドラギヤはドライブギヤと噛み合うと共に、ドリブンアイドラギヤはドリブンギヤと噛み合うが、ドリブンアイドラギヤおよびドライブアイドラギヤは所定の角度範囲内で相対回転可能にスプライン嵌合されているので、それぞれのギヤが噛み合い始めると、ドライブアイドラギヤが所定の角度範囲内だけ相対回転させられる。このように、ドライブアイドラギヤがドリブンアイドラギヤに対して所定の角度範囲内だけ相対回転が可能であるため、この相対回転中はドライブギヤの回転開始に拘わらず停止状態のドリブンアイドラギヤがリバースカウンタギヤと噛み合うことができ、変速抵抗が低減され、ギヤ鳴りおよびシフトロックが抑制される。
また、請求項2の車両用手動変速機の後進変速機構によれば、後進変速時において、ドライブアイドラギヤが所定の角度範囲内だけ単独回転する際に、ドライブアイドラギヤおよびドリブンアイドラギヤが互いに当接する当接面に傾斜面が設けられているため、ドライブアイドラギヤがその傾斜面に沿ってドリブンアイドラギヤから隔離する側に軸心方向に移動させられ、ドライブアイドラギヤが強制的にドライブギヤと噛合わされるため、ギヤ鳴りおよびシフトロックが抑制される。
また、請求項3の車両用手動変速機の後進変速機構によれば、ドリブンアイドラギヤ側の当接面に傾斜面を有する傾斜凸部、およびドライブアイドラギヤ側にその傾斜凸部の略同形状に形成された空間である傾斜凹穴は、後進変速段が選択されない際は、互いに嵌り合う位置に位置させられているため、ドリブンアイドラギヤおよびドライブアイドラギヤが互いに当接可能になり、後進変速段が選択されドライブアイドラギヤが相対回転する際には、傾斜面に沿ってドライブアイドラギヤがドリブンアイドラギヤから隔離されることで、ドライブアイドラギヤが強制的にドライブギヤに噛み合わされるため、ギヤ鳴りおよびシフトロックが抑制される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の構成を説明する骨子図である。車両用駆動装置10は、主にFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両に好適に用いられ、走行用駆動源としてエンジン12、クラッチ14、手動変速機16、および終減速機17を備えている。なお、クラッチ14は、たとえば乾式単板式の摩擦クラッチが使用され、エンジン12からの動力が変速などの際に適宜遮断される。
手動変速機16は、乗用自動車の手動変速機などに用いられ、前進5速、後進1速の有段変速機である。手動変速機16は、入力軸18およびカウンタ軸20の2本の回転軸が平行に配置され、入力軸18が軸受22および軸受24によって回転可能に支持され、カウンタ軸20が軸受26および軸受28によって回転可能に支持されている。
入力軸18には、エンジン12側から順番に、第1速メインギヤ34a、リバースメインギヤ36a、第2速メインギヤ38a、第3速メインギヤ40a、第4速メインギヤ42a、および第5速メインギヤ44aが配置されている。ここで、第1速メインギヤ34a、第2速メインギヤ38a、およびリバースメインギヤ36aは、入力軸18に一体成形、圧入、スプライン嵌合などによって相対回転不能に固定されており、第3速メインギヤ40a、第4メインギヤ42a、および第5速メインギヤ44aは、入力軸18に相対回転可能に嵌め付けられている。
カウンタ軸20には、軸受26側から順番に、終減速機17のリングギヤ30と噛み合う出力歯車32、第1速メインギヤ34aと常時噛み合う第1速カウンタギヤ34b、第2速メインギヤと常時噛み合う第2速カウンタギヤ38b、第3速メインギヤ40aと常時噛み合う第3速カウンタギヤ40b、第4速メインギヤ42aと常時噛み合う第4速カウンタギヤ42b、および第5速メインギヤ44aと常時噛み合う第5速カウンタギヤ44bが配置されている。ここで、第1速カウンタギヤ34bおよび第2速カウンタギヤ38bは、カウンタ軸20に対して相対回転可能に嵌め付けられており、出力歯車32および第3速カウンタギヤ40b、第4カウンタギヤ42b、および第5速カウンタギヤ44bは、カウンタ軸20にスプライン嵌合などによって相対回転不能に固定されている。なお、手動変速機16の出力回転は、出力歯車32から終減速機17のリングギヤ30に伝達され減速回転させられる。この終減速機17は傘歯車式のもので、一対のサイドギヤ46Rおよび46Lには、それぞれドライブシャフト48Rおよび48Lがスプライン嵌合などによって連結され、図示しない左右の駆動輪を回転駆動させる。
入力軸18の第3速メインギヤ40aと第4速メインギヤ42aとの間には第1同期噛合装置50が介在され、第5速メインギヤ44aの軸受24側には第2同期噛合装置52が備えられ、カウンタ軸20の第1速カウンタギヤ34bと第2速カウンタギヤ38bとの間には第3同期噛合装置54が介在されている。また、第3同期噛合装置54は、リバースカウンタギヤ36bと一体的に構成されている。
手動変速機16には、後進変速段用のアイドラ軸56が入力軸18およびカウンタ軸20と平行に設けられており、このアイドラ軸56には、この軸に対して相対回転且つ軸心方向の移動可能なアイドラギヤ58が嵌め付けられている。なお、実線で示されているアイドラギヤ58は、後進変速段が選択されていない位置を示しており、一点鎖線で示されているアイドラギヤ58は、後進変速段が選択された際のアイドラギヤ58の位置を示している。なお、アイドラ軸56が本発明のリバースアイドラシャフトに対応する。
第速1変速段が選択されると、第3同期噛合装置54のリバースカウンタギヤ36bと一体となっているスリーブ54sが、図示しないシフトフォークによって第1速カウンタギヤ34b側に移動させられ、噛合クラッチ34cに連結されると、変速比が最も大きい第1速変速段が成立させられる。第2速変速段が選択されると、第3同期噛合装置54のスリーブ54sが、シフトフォークによって第2速カウンタギヤ38b側に移動させられ、噛合クラッチ38cに連結されると、第2速変速段が成立させられる。第3速変速段が選択されると、第1同期噛合装置50のスリーブ50sがシフトフォークによって第3速メインギヤ40a側に移動させられ噛合クラッチ40cに連結されると、第3速変速段が成立させられる。第4速変速段が選択されると、第1同期噛合装置50のスリーブ50sがシフトフォークによって第4速メインギヤ42a側に移動させられ噛合クラッチ42cに連結されると、第4速変速段が成立させられる。第5速変速段が選択されると、第2同期噛合装置52のスリーブ52sがシフトフォークによって第5速メインギヤ44a側に移動させられ噛合クラッチ44cに連結されると、第5速変速段が成立させられる。
また、後進変速段が選択されると、アイドラギヤ58が図示しないシフトフォークによって一点鎖線に示される位置に移動させられる。これにより、アイドラギヤ58の入力アイドラギヤ58aがリバースメインギヤ36aと噛み合わされると共に、出力アイドラギヤ58bがリバースカウンタギヤ36bと噛み合わされる。ここで、アイドラギヤ58の入力アイドラギヤ58aと出力アイドラ58bとは一体的に回転させられているため、入力軸18の回転がアイドラギヤ58を介してカウンタ軸20に伝達される。ここで、図1においては、出力アイドラギヤ58bおよびリバースカウンタギヤ36bは破線で示されるように噛み合いが不可能な位置に配置されているが、実際にはアイドラ軸56およびアイドラギヤ58は、互いの歯車が噛み合い可能な入力軸18とカウンタ軸20との間に配設されている。なお、入力アイドラギヤ58aが本発明のドライブアイドラギヤに対応し、出力アイドラギヤ58bが本発明のドリブンアイドラギヤに対応している。
図2は、図1において後進変速段を成立させるアイドラギヤ58の構成を詳細に説明するための要部断面図である。入力軸18、カウンタ軸20、およびアイドラ軸56は、それぞれ平行に配置され、入力軸18およびカウンタ軸20は軸受22等によって回転可能に支持され、一方、アイドラ軸56は回転不能に固定されている。
入力軸18は、図1に示されるエンジン12から動力が伝達され回転駆動させられる。また、軸受22側から順番に第1速メインギヤ34a、リバースメインギヤ36a、および第2速メインギヤ38aが入力軸18に対して相対回転不能にそれぞれ固定され、第1速メインギヤ34aはカウンタ軸20の第1速カウンタギヤ34bに、第2速メインギヤ38aは第2速カウンタギヤ38bにそれぞれ噛み合わされている。これら第1速カウンタギヤ34bおよび第2速カウンタギヤ38bは、それぞれカウンタ軸20にニードルベアリング59、61を介して相対回転可能に支持されている。また、第1速カウンタギヤ34bと第2速カウンタギヤ38bとの間には、第3同期噛合装置54が介在されており、第1速カウンタギヤ34bおよび第2速カウンタギヤ38bの回転を適宜カウンタ軸20に伝達させている。
この第3同期噛合装置54のスリーブ54sには、リバースカウンタギヤ36bが一体的に設けられている。図2に示されるように、第3同期噛合装置54のハブ54hがカウンタ軸20の外周面にスプライン嵌合されており、リバースカウンタギヤ36bは、カウンタ軸20に対して相対回転不能となっている。
アイドラ軸56は、非回転部材であるミッションケース60に相対回転不能に支持されており、このアイドラ軸56には、アイドラギヤ58がブッシュ62を介して相対回転可能且つ軸心方向の移動可能に嵌め付けられている。また、アイドラギヤ58の軸端部には、アイドラ軸56の軸心方向の移動可能に嵌め付けられ、軸端の鍔部と出力アイドラギヤ58bとの間に外周溝63を備えた円筒状のシフトリング部材64が一体的に連結されており、このシフトリング部材64の外周溝63にシフトフォーク66の先端部が相対回転可能に係合されている。ここで、後進変速段が選択されると、シフトフォーク66によって、アイドラギヤ58が実線に示す元位置から二点鎖線で示される噛合位置に移動させられる。
アイドラギヤ58は、入力軸18に設けられているリバースメインギヤ36aと噛み合う入力アイドラギヤ58a、およびカウンタ軸20に設けられているリバースカウンタギヤ36bと噛み合う出力アイドラギヤ58bの2つの部材で構成されている。なお、これら入力アイドラギヤ58aおよび出力アイドラギヤ58bの外周面に設けられている歯車は、それぞれ平歯車となっている。
出力アイドラギヤ58bの内周縁には、軸心と平行に伸びるボス部68が接続されている。このボス部68の外周面には、スプライン部70が設けられており、そのスプライン部70に入力アイドラギヤ58aの内周面が軸心方向の移動可能にスプライン嵌合されている。また、ボス部68の外周面の軸端部には、スナップリング72が軸心方向の移動不能に嵌め着けられている。このスナップリング72と入力アイドラギヤ58aとの間には、リターンスプリング74が介在されており、リターンスプリング74は入力アイドラギヤ58aを出力アイドラギヤ58b側に付勢させており、入力アイドラギヤ58aの円周面と出力アイドラギヤ58bの円周面とを当接させている。なお、リターンスプリング74は、本発明の弾性部材に対応する。
図3は、図2の入力アイドラギヤ58aおよび出力アイドラギヤ58bを矢印Aの方向から見た矢視図である。図3からも示されるように、出力アイドラギヤ58bは、ブッシュ62を介してアイドラ軸56に相対回転可能に嵌め付けられており、入力アイドラギヤ58aは、出力アイドラギヤ58bのボス部68の外周面にスプライン嵌合されており、それぞれのアイドラギヤは同心軸上に配置されている。また、互いにスプライン嵌合されているスプライン部70の内周側のスプライン歯70aが出力アイドラギヤ58bのスプライン歯70aを示しており、外周側のスプライン歯70bが、入力アイドラギヤ58aのスプライン歯70bを示している。この互いのスプライン歯70a、70bの間には、入力アイドラギヤ58aが出力アイドラギヤ58bに対し所定の角度範囲内だけ相対回転を可能にする間隙78がそれぞれの嵌合部に形成されている。すなわち、この間隙78によって、相対回転できる角度が決定される。また、入力アイドラギヤ58aの円周面と出力アイドラギヤ58bの円周面との間の当接面76には、出力アイドラギヤ58bの内周縁から径方向に伸びると共に、入力アイドラギヤ58a側に突き出した破線で示される傾斜凸部80が等角度間隔に複数個設けられており、この傾斜凸部80の周方向両端には、傾斜面80aおよび傾斜面80bが設けられている。
図4は、図3のアイドラギヤ58を一点鎖線に沿って矢印Bの方向からみた断面図である。図4より、傾斜凸部80は、円周に沿って台形状の形状を有しており、入力アイドラギヤ58aに向かって突き出している。また、入力アイドラギヤ58aには、前記傾斜凸部80に嵌り合う位置に、傾斜凸部80と略同形状の傾斜凹穴84が形成されている。これにより、入力アイドラギヤ58aと出力アイドラギヤ58bとが当接可能となっている。
このように構成される手動変速機16の後進変速機構において、後進変速段が選択されると、図2のシフトフォーク66によってアイドラギヤ58が、二点鎖線で示される位置に移動させられる。この際、入力アイドラギヤ58aがリバースメインギヤ36aに噛み合い始めると同時に、出力アイドラギヤ58bがリバースカウンタギヤ36bに噛み合い始める。なお、互いに噛み合い始める歯車の端部には、互いの歯車が噛み合い易いように面取り(チャンファ)加工されている。
ここで、クラッチ14によってエンジン12と手動変速機16の切断を断った直後は、リバースメインギヤ36a、およびリバースメインギヤ36aに連結されている入力軸18は、慣性力によって一体的に回転している。この慣性力によって、入力アイドラギヤ58aがリバースメインギヤ36aと噛み合い始めると、入力アイドラギヤ58aがスプライン部70の間隙78の分だけ、出力アイドラギヤ58bに対して相対回転させられる。この相対回転の間も入力アイドラギヤ58aはリバースメインギヤ36aと噛み合わされるが、入力アイドラギヤ58aには、大きな変速抵抗がないため、ギヤ鳴りおよびシフトロックはほとんど生じずに互いに噛み合わされる。
一方、出力アイドラギヤ58bとリバースカウンタギヤ36bとの噛み合いについては、前述の入力軸18からの慣性力は入力アイドラギヤ58aが受けるので、出力アイドラギヤ58bとリバースカウンタギヤ36bとの噛合いの際の変速抵抗はほとんど生じないため、ギヤ鳴りおよびシフトロックは抑制される。
さらに、この相対回転によって図3に示されている間隙78分だけ、入力アイドラギヤ58aが、出力アイドラギヤ58bの傾斜凸部80に設けられている傾斜面80aに沿って、図4に示される一点鎖線の位置に移動させられる。この軸心方向の移動によって、入力アイドラギヤ58aは相対回転しながら、強制的にリバースメインギヤ36aと噛み合わされるため、入力アイドラギヤ58aの噛合いが促進され変速がスムーズに行われる。なお、間隙78の大きさは、入力アイドラギヤ58aが傾斜面80aを乗り上げない範囲内に設定されている。
上述のように、前述の実施例によれば、後進変速時において、入力アイドラギヤ58aはリバースメインギヤ36aと噛み合うと共に、出力アイドラギヤ58bはリバースカウンタギヤ36bと噛み合うが、入力アイドラギヤ58aおよび出力アイドラギヤ58bは所定の角度範囲内だけ相対回転可能にスプライン嵌合されているので、それぞれのギヤが噛み合い始めると、入力アイドラギヤ58aが所定の角度範囲内だけ相対回転させられる。このように、入力アイドラギヤ58aが出力アイドラギヤ58bに対して所定の角度範囲内だけ相対回転が可能であるため、入力アイドラギヤ58aの回転開始に拘わらず停止状態の出力アイドラギヤ58bがリバースカウンタギヤ36bと噛み合うことができ、変速抵抗が低減され、ギヤ鳴りおよびシフトロックが抑制される。
また、前述の実施例によれば、入力アイドラギヤ58aが所定の角度範囲内だけ単独回転する際に、入力アイドラギヤ58aおよび出力アイドラギヤ58bが互いに当接する当接面76に傾斜面80aが設けられているため、入力アイドラギヤ58aがその傾斜面80aに沿って出力アイドラギヤ58bから隔離する側に軸心方向に移動させられ、入力アイドラギヤ58aが強制的にリバースメインギヤ36aと噛合わされ、ギヤの噛合わせがスムーズに行われるので、ギヤ鳴りおよびシフトロックが抑制される。
また、前述の実施例によれば、出力アイドラギヤ58b側の当接面76に傾斜面80aを有する傾斜凸部80、および入力アイドラギヤ58a側にその傾斜凸部80の略同形状に形成された空間である傾斜凹穴84は、後進変速段が選択されない際は、互いに嵌り合う位置に位置させられているため、出力アイドラギヤ58bおよび入力アイドラギヤ58aが互いに当接可能になり、後進変速段が選択され入力アイドラギヤ58aが相対回転する際には、傾斜面80aに沿って入力アイドラギヤ58aが出力アイドラギヤ58bから隔離され、入力アイドラギヤ58aとリバースメインギヤ36aとのギヤの噛合わせがスムーズに行われるため、ギヤ鳴りおよびシフトロックが抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例では、手動変速機16は、前進5速、後進1速の変速機であったが、たとえば前進6速、後進1速等の他の形式の変速機でもよく、また、車両の形式も特にFF型の車両に限られず、FR型車両など他の形式の車両に適用することができる。
また、前述の実施例では、入力アイドラギヤ58aおよび出力アイドラギヤ58bの当接面76に傾斜面80aが設けられているが、この傾斜面80aは必ずしも必要ではなく、入力アイドラギヤ58aと出力アイドラギヤ58bとの間に所定の角度範囲内だけ相対回転可能なスプライン部70を設けるだけでも、ギヤ鳴りおよびシフトロックを抑制することができる。
また、前述の実施例では、出力アイドラギヤ58b側に傾斜凸部80が設けられ、入力アイドラギヤ58a側に傾斜凹穴84が形成されているが、出力アイドラギヤ58bに傾斜凹穴、入力アイドラギヤ58a側に傾斜凸部を設け実施することもできる。
また、前述の実施例では、周方向の両側に傾斜面80a、80bを備えた台形形状の傾斜凸部80であったが、傾斜面80a、80bは両側に設ける必要はなく、入力アイドラギヤ58aが相対回転する際に、接触する面だけに傾斜面80aを設ければ本発明は実施することができる。また、傾斜凸部80の形状も、台形形状に限られず、三角形状など傾斜面を設ける範囲で自由に設定することができる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1の後進変速段を成立させるアイドラギヤの構成を説明する要部断面図である。 図2のアイドラギヤを矢印Aの方向からみた矢視図である。 図3のアイドラギヤを矢印Bの方向からみた断面図である。
符号の説明
16:手動変速機 56:アイドラ軸(リバースアイドラシャフト) 58:アイドラギヤ 58a:入力アイドラギヤ(ドライブアイドラギヤ) 58b:出力アイドラギヤ(ドリブンアイドラギヤ) 68:ボス部 70:スプライン部 74:リターンスプリング(弾性部材) 76:当接面 80:傾斜凸部 80a:傾斜面 84:傾斜凹穴

Claims (3)

  1. リバースアイドラシャフトに回転可能且つ軸心方向の移動可能に嵌め付けられ、作動位置に移動させられて、ドライブギヤおよびドリブンギヤに噛み合うことで、後進変速段を成立させる車両用手動変速機のアイドラギヤであって、
    前記アイドラギヤは、前記作動位置において、前記ドライブギヤと噛み合うためのドライブアイドラギヤと、前記ドリブンギヤと噛み合うためのドリブンアイドラギヤの2つの部材で構成され、
    該ドリブンアイドラギヤには、該ドリブンアイドラギヤの内周縁より軸心と平行に伸びる円筒状のボス部が設けられ、
    前記ドライブアイドラギヤは、該ボス部の外周面に軸心方向の移動可能且つ所定の角度範囲内で相対回転可能にスプライン嵌合され、
    前記ドライブアイドラギヤを前記ドリブンアイドラギヤ側へ軸心方向に付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする車両用手動変速機の後進変速機構。
  2. 前記ドライブアイドラギヤおよび前記ドリブンアイドラギヤが互いに当接する当接面には、該ドライブアイドラギヤが該ドリブンアイドラギヤに対して相対回転した際には、その相対回転力によって該ドライブアイドラギヤが該ドリブンアイドラギヤから隔離するための傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用手動変速機の後進変速機構。
  3. 前記傾斜面は、前記ドリブンアイドラギヤの当接面側から前記ドライブアイドラギヤ側に向かって突き出す傾斜凸部に設けられ、
    前記ドライブアイドラギヤの当接面側に、該傾斜凸部と略同形状に形成された空間である傾斜凹穴が形成され、
    前記傾斜凸部と傾斜凹穴とは、前記ドリブンアイドラギヤとドライブアイドラギヤとが前記弾性部材によって当接される際には、互いに嵌り合う位置に位置させられ、
    前記ドライブアイドラギヤが前記ドリブンアイドラギヤに対して相対回転した際には、その相対回転力によって該ドライブアイドラギヤが前記傾斜面に沿って軸心方向に移動することを特徴とする請求項2に記載の車両用手動変速機の後進変速機構。
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