JP4600168B2 - エンジンのegr冷却装置配設構造 - Google Patents

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Description

本発明は、排気の一部を吸気通路に再循環させるEGRを行うエンジンであって、特にEGRガスを冷却するEGR冷却装置を備えるエンジンのEGR冷却装置配設構造に関する。
従来のエンジンにおいて、燃焼ガス温度の過度の上昇を抑制して窒素酸化物(NOx)の発生を抑えるとともに、吸気時のポンピングロスを低減するために、排気の一部を吸気に再循環させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことがよく知られている。当明細書では、EGRで再循環される排気をEGRガス、EGRを行うために排気通路と吸気通路とを連通させる通路全体をEGRガス通路という。
エンジンの温間時にEGRを行うに際し、EGRガスの温度が高過ぎると吸気の空気充填効率が低下したり、EGRによるNOx削減効果が目減りしたりするので、EGRガスを積極的に冷却することが望ましい。その具体的な手段として、例えばエンジン冷却水の一部を利用した熱交換器構造のEGR冷却装置、いわゆるEGRクーラが知られている。一般的なEGRクーラは、熱伝導率の高い銅合金等からなる長い細管を所定の間隔をもって多数配設し、これらを長い箱状のケースに収めたような構造となっている。ケースには冷却水(冷媒)の給排口が設けられ、ケース内が循環冷却水で満たされる。そして多数の細管にEGRガスを通すことにより、細管内のEGRガスと細管の外側に接する冷却水とで熱交換が行われるようになっている。
一方、排気の浄化を図るために、エンジンの排気通路に排気浄化装置が設けられるのが一般的である。そして、排気浄化装置の温度を早期に適温にまで高めて活性化させるために、これを排気通路のできるだけ上流側、すなわち排気マニホールドの近傍に設ける構造が知られている。
このような構造において、排気通路に設けられるEGRガスの取出し口を、排気浄化装置の上流側に設ける場合と下流側に設ける場合とが考えられるが、いずれも従来構造として公知である。
EGRガスの取出し口を排気浄化装置の上流側に設けた場合、EGR通路は排気マニホールドの直下流と吸気マニホールドの上流側とを接続するように配設されるため、EGRクーラのレイアウトとしては横置き(EGRガスの流れ方向が略水平方向)が自然である。例えば特許文献1には、EGRクーラを吸気マニホールドの下側に横置きに配設したものが示されている。この他に、排気マニホールドの上側やエンジン後端側に横置きに配設されることもある。
一方、EGRガスの取出し口を排気浄化装置の下流側に設けた場合、通常、排気浄化装置の下流側は吸排気マニホールドよりも低い位置にあるので、EGRクーラを縦置き(EGRガスの流れ方向が上下方向)とするのが自然なレイアウトとなる。たとえば、排気浄化装置の下流側であって比較的下方の取出し口から取出したEGRガスを、縦置きのEGRクーラを経由させて上方の吸気マニホールドに導くように配設したものが知られている。
特開2003−74417号公報
しかしながら、上記EGRクーラの上記横置き、または縦置きのレイアウトには、それぞれ次のような問題点がある。
まず上記横置きの場合について説明する。この場合、EGRガスは排気浄化装置を通る前に取出されるので、比較的多くの排気微粒子(以下、当明細書ではPM:Particurate Matter という)を含んでいる。そして実行中のEGRを停止させると、EGRガスの流れが止まり、これに含まれるPMが自重で落下する。EGRクーラの細管内に滞留したPMもそのまま落下し、細管に付着して堆積する。エンジンの長期の使用によってEGRの実行と停止とが多数回繰り返されると、その堆積量が次第に増加し、細管の実質的な通路断面積が減少して行く。通路断面積の減少が著しくなるとEGRガスが細管内を流れ難くなり、EGR量の減少を招いてしまう。結局、充分なEGR量を長期に亘り確保することができなくなる虞がある。
次に上記縦置きの場合について説明する。この場合、EGRガスが排気浄化装置を通った後に取出されるので、PMを捕集するフィルターを内蔵する排気浄化装置とすることにより、EGR冷却装置に流入するPMの量自体を削減することができる。また実行中のEGRを停止することによってPMが自重で落下しても、EGR冷却装置が縦置きであるために細管内にPMが堆積することは殆どない。つまり通路断面積の減少による影響は殆ど無視できる。
しかし自重落下したPMが排気通路側に逆流し、そのまま排出されてしまう可能性がある。元々このEGRガスは排気浄化装置を通ったものなので、そのまま排出されたとしても、EGRを行わない場合に比べて排出されるPMの量が増えるわけではない。しかし、仮にこのPMの逆流を防止することができれば、より排ガス浄化性能を高めることができると考えれば、潜在的な排ガス浄化性能向上の機会を損失していると言える。
また、EGRガスを排気浄化装置の下流側から取出すということは、排気浄化装置の圧損によって圧力低下した排ガスをEGRガスとして取り込むことになるので、EGRガスを排気浄化装置の上流側から取出す場合に比べ、EGR量が少なくなるという不利な点がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、充分なEGR量を長期に亘り確保しつつ、PMの排出量を削減することができるエンジンのEGR冷却装置配設構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の請求項1に係る発明は、排気通路上に排気浄化装置を備えるとともに、排気の一部を吸気通路に再循環させるEGRを行うエンジンのEGR冷却装置配設構造であって、上記排気通路の上記排気浄化装置より上流側と上記吸気通路とを接続するEGRガス通路を備え、上記EGRガス通路は、上下方向に延びるように配置され、EGRガスを下方から上方に通す第1ガス通路と、上記第1ガス通路の一部を含むとともに、EGRガスを下方から上方に通す間に冷媒との熱交換を行わせる縦置きのEGR冷却装置と、一端が上記第1ガス通路の下端部に接続され、EGRガスの流れ方向を上下反転させる反転通路と、上記第1ガス通路よりも上流側に配置され、下端部が上記反転通路の他端に接続されて上下方向に延びるとともに、EGRガスを上方から下方に通す第2ガス通路とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造において、上記排気浄化装置は、排気微粒子(PM)を捕集するフィルターを備えたものであることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造において、吸気を圧縮して吸気マニホールドに送る過給機を備え、上記EGRガス通路と上記吸気通路との合流点が、上記吸気通路における上記過給機の配設位置より下流側であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造において、上記過給機は、上記排気通路に設けられて排気によって回転させられるタービンと、該タービンによって駆動されて吸気を圧縮するコンプレッサとを備える排気タービン過給機であって、上記EGRガス通路が上記排気通路から分岐する分岐点が、上記排気通路における上記タービンの配設位置よりも上流側であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造において、上記EGRガス通路において、少なくとも上記EGR冷却装置の上流側と下流側とを短絡するバイパス通路と、エンジン低温時に上記バイパス通路を開くバイパス開閉弁とを備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造において、上記EGRガス通路の一部を構成し、所定範囲内で軸方向に伸縮自在なフレキシブルパイプ部を備えることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造において、エンジンのタイミングチェーン類を覆うタイミングカバーが設けられ、上記EGR冷却装置が上記エンジンの排気側の側面に沿って上記タイミングカバー近傍に配設され、上記EGR冷却装置を支持するブラケットが、上記タイミングカバーに取付けられていることを特徴とする。
ここで、タイミングチェーン類とは、タイミングチェーン又はこれに相当する、クランクシャフトの回転をカムシャフト等の動弁系に同期させつつ伝達する部材を指し、例えばタイミングベルトやギヤ群(カムシャフトがギヤ駆動の場合)などを含む。
請求項1の発明によると、以下に述べるように充分なEGR量を長期に亘り確保しつつ、PMの排出量を削減することができる。
本発明の構成によると、EGRガス通路が、排気通路の排気浄化装置より上流側と吸気通路とを接続するように構成されているので、排気浄化装置を通ることによって圧力低下する前のEGRガスを取り込むことができる。すなわち高圧のEGRガスを吸気通路に導くことになるので、充分なEGR量を確保することができる。
しかもEGR冷却装置が、EGRガスを下方から上方に通すように縦置きで配設されているので、EGRを停止したとき、PMが自重で落下してもEGR冷却装置の細管内に殆ど堆積しない。したがって、エンジンの長期の使用によってEGRの実行と停止とが多数回繰り返されても、細管の実質的な通路断面積は充分確保され続ける。つまり長期に亘り充分なEGR量を確保することができるのである。
また、EGRガスを、EGR冷却装置を通る方向に対し上下逆方向に(上方から下方に)通す第2ガス通路と、第1ガス通路の下端部と第2ガス通路の下端部とを接続することによってEGRガスの流れ方向を上下反転させる反転通路とを備えているので、EGRが停止されてPMが自重で落下すると、PMは反転通路の最も低い部分近傍に堆積することになる。堆積したPMは下流側のEGR冷却装置に流入することがなく、また第2ガス通路を上昇して逆流することもないので上流側の排気浄化装置に流入することもない。つまり反転通路はPMの捕集作用を有しており、これによってPMの排出量を低減することができるのである。
なお、反転通路の通路断面積を充分大きくしておくことにより、PM堆積による通路断面積の減少の影響を殆ど無視できる程度に抑えることができる。
請求項2の発明によると、以下に述べるように、PMを捕集するフィルターを備えることによってPMの排出量を大幅に削減しつつも、充分なEGR量を確保することができる。
排気浄化装置にPMを捕集するフィルターを備えると、例えばディーゼルエンジンのような、比較的PM発生量の多いエンジンであっても、フィルターによってPMの排出量を大幅に削減することができる。
但し、排気浄化装置にフィルターを備えると排気抵抗が大きくなるので、EGR量を充分確保するという観点からは不利となりがちである。しかし本発明は、EGRガスの取出し口を排気浄化装置より上流側に設け、排気浄化装置によって圧力低下する前のEGRガスを還流させるように構成されているので、上記不利を回避することができる。つまり本発明によると、排気浄化装置にフィルターを備えてPMの排出量を大幅に削減しつつも、充分なEGR量を確保することができるのである。
また、そのようなPM発生量の多いエンジンは、PM排出量低減が特に重要な課題となることが多い。そのような場合に本発明を適用することにより、PM排出量低減という効果をもって、その課題解決に大きく貢献することができる。
請求項3の発明によると、以下に述べるように、過給機によって出力の増大を図りつつも、その際に低減しがちなEGR量を長期に亘り充分に確保することができる。
一般的にEGRを行う場合、気筒内に導かれる吸気には新気と不活性成分(EGRガス)とが混在したものとなる。したがって、EGR量を増やすということは吸気中の新気割合を相対的に小さくすることに他ならない。つまりEGR量を増やせば吸入酸素の絶対量が減少し、出力が低下してしまうのでEGR量の増大には限界がある。
そこで過給機を設けると、新気を圧縮して吸気マニホールドに送り込むので、各気筒における吸入酸素の絶対量が増す。したがってEGR量増大の限界を引き上げることができる。
ところが、圧縮され、高圧となった新気中には、圧縮されない場合(過給機を設けない場合、或いは作動させない場合)に比べ、還流されたEGRガスが混入し難くなってしまう。つまり、EGR量増大の限界が引き上げられているにも拘わらず、その一方でEGR量の増大を抑制するという相反する作用を有するのである。
そこで本発明の構成によると、排気通路の排気浄化装置より上流側から高圧のEGRガスを取り込むので、上記EGRガスが新気に混入し難いという不利な特性を効果的に補い、過給機を用いたときの効果をより顕著に奏することができる。
特に、その過給機を請求項4に示すような排気タービン過給機(いわゆるターボチャージャー)とした場合、タービンより上流の排気圧力が、排気タービン過給機を設けない場合に比べて高くなるので、より高圧のEGRガスを取り込むことができて一層効果的である。
請求項5の発明によると、エンジンの低温時にバイパス開閉弁を開くことによって、EGR冷却装置を通らない高温のEGRガスを吸気側に還流させることができる。こうすることで吸気温度を速やかに上昇させることができ、燃焼性を早期に安定させることができる。
請求項6の発明によると、以下に述べるように、EGRガス通路の支持ブラケットに過大な応力が作用することを効果的に抑制し、さらにEGR冷却装置以外からの放熱を促進し、全体としての冷却性能を高めることができる。
通常、EGRガス通路は金属パイプによって構成され、加熱や冷却によって伸縮する。本発明のフレキシブルパイプ部は、そのような伸縮に対して逆方向に伸縮することにより、全体として通路長を一定に保つ方向に自動調整することができる。つまり、EGRガス通路を形成するパイプを支持する各ブラケットに、パイプの伸縮による過大な応力が作用することを効果的に抑制することができるのである。
通常、EGRガス通路は主にステンレス鋼等の鉄系パイプによって形成されるが、EGR冷却装置には熱伝導率の高い銅合金等のパイプが用いられる。銅の線膨張係数は鉄の約1.4倍なので、このようなEGR冷却装置を用いた場合、EGRガス通路(フレキシブルパイプ部を除く)は一様に伸縮するのではなく、EGR冷却装置の部分だけが特に大きく伸縮する。そのため、特に支持ブラケットに過大な応力が作用しがちである。そこで本発明のようにフレキシブルパイプ部を設けることにより、その過大応力抑制効果を顕著に奏することができる。
なお、フレキシブルパイプ部を設ける箇所は、EGR冷却装置の近傍、望ましくは支持ブラケットを介さずEGR冷却装置と接続する箇所にするのが良い。
また、一般的にフレキシブルパイプは管を蛇腹状に成形したものなので、直管に比べて表面積が大きい。したがって、フレキシブルパイプ部からの放熱による冷却作用の向上も期待することができる。つまりEGR冷却装置を含めた全体としての冷却性能を高めることができるのである。
請求項7の発明によると、以下に述べるようにEGR冷却装置の組付け性を向上することができる。
一般的にエンジンの周囲には様々な補機類や配管系(以下これらを総称して補機類等という)が取付けられており、それらを組付け性を考慮しつつ総合的に適正な位置に配設しなければならない。ところが多くの補機類等がブラケット等を介してエンジン側面に取付けられるので、EGR冷却装置の取付け位置の確保に苦慮することが多い。
そこで本発明のようにEGR冷却装置を配設し、これを支持するブラケットをタイミングカバーに取付けることにより、組付け性の良い箇所にEGR冷却装置の取付け位置を確保することが容易となる。つまりEGR冷却装置の組付け性を向上することができるのである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る実施形態のエンジン1の斜視図である。以下の説明において、特記なく前後上下左右の方向を示す場合は、図1に示す座標軸に準ずる。すなわち、図外のクランクシャフトの軸線と平行な方向を前後方向とし、タイミングチェーンカバー5やクランクシャフトプーリ72が設けられている方を前方とする。またシリンダブロック部3を挟んで、シリンダヘッド部2が設けられている方を上、オイルパン4が設けられている方を下とする。前後軸および上下軸に直交する軸を左右軸とし、後方側から前方側を見た方向で左右を定義する。
従って、図1はエンジン1の前方斜め右方向から見た斜視図となる。同様に、図2はエンジンの右側面図であり、図3はエンジン1の左側面図である。また図4は、エンジン1の吸気通路10、排気通路60およびEGRガス通路20を模式的に示す模式図である。
次に図1〜図4を参照してエンジン1の構造、特に配管系について詳細に説明する。エンジン1はディーゼルエンジンであって、シリンダヘッド部2、シリンダブロック部3及びオイルパン4によって構成されるブロック体部と、周囲の補機類等からなる。なお図1〜図4では、当実施形態の説明において省略可能な補機類等は省略して示している。
まずエンジン1のブロック体部について説明する。図1に示すシリンダヘッド部2は、シリンダヘッド、カムシャフト及びシリンダヘッドカバー等からなる。シリンダブロック部3は、シリンダブロック、ピストン、クランクシャフト等からなる。シリンダブロック部3の内部は周知の構造であるため詳細な説明を省略するが、前後方向に並ぶ複数の気筒(例えば4気筒)のそれぞれに設けられた燃焼室において、所定のタイミングで燃料を燃焼させ、各気筒内でのピストンの上下移動を介してその燃焼エネルギーをクランクシャフトから取出すように構成されている。
エンジン1の前面にはタイミングチェーンカバー5が設けられており、その内部構造は図示を省略するが、クランクシャフトとカムシャフトとを同期を取りつつ接続するタイミングチェーンが設けられている。タイミングチェーンカバー5よりもさらに前面側には、クランクシャフトと同軸で回転するクランクシャフトプーリ72が設けられている。クランクシャフトプーリ72は図外のベルトを介して図外のオルタネータ等の補機を駆動する。
エンジン1の燃料噴射システムは、いわゆるコモンレール式燃料噴射システムであって、エンジン1の吸気側の側面1a(図3に示す左側面)に沿って吸気マニホールド18近傍にコモンレール76が設けられている。コモンレール76は共通の蓄圧室であって、このコモンレール76内で昇圧された燃料が図外の各燃料噴射ノズルに分岐して各気筒内に噴射されるように構成されている。コモンレール式燃料噴射システムによって、高圧、高精度の燃料噴射を安定的に行うことができる。また1回の燃焼に供される燃料を複数回に分割して噴射する多段噴射も含め、噴射タイミング設定の自由度を高めることができる。
シリンダヘッド部2の後端付近にはバキュームポンプ74が設けられている。バキュームポンプ74は、ブレーキの倍力装置のための負圧や、後述するEGRバルブ38を作動させるための負圧を作り出す周知の機構である。
次に、エンジン1の配管系について説明する。各気筒の燃焼室での燃焼に必要な酸素(空気)を供給するための吸気通路10と、燃焼後の排ガスを外部に排出するための排気通路60とが設けられている。またエンジン1は、燃焼ガス温度の過度の上昇を抑制して窒素酸化物(NOx)の発生を抑えるとともに、吸気時のポンピングロスを低減するために、排気の一部を吸気に再循環させるEGRを行うように構成されている。そのために、排気通路60から分岐して吸気通路10に接続されるEGRガス通路20が設けられている。
また、排気タービン過給機50(いわゆるターボチャージャー)が、吸気通路10と排気通路60とに跨って設けられている。すなわち、排気タービン過給機50のハウジングはタービンハウジング51、コンプレッサハウジング52及びこれらを連結するセンターハウジング53からなり、タービンハウジング51が排気通路60の一部を、コンプレッサハウジング52が吸気通路10の一部を、それぞれ構成している。
次に、吸気通路10、排気通路60及びEGRガス通路20について、順次詳しく説明する。
まず吸気通路10について、吸気通路10に設けられる主要な構成要素は、上流側の開口部11から順に、吸気制御弁13と、排気タービン過給機50のコンプレッサハウジング52と、吸気マニホールド18である。これらの構成要素が、通路12,14,15及び16で接続されている(図3、図4参照)。
吸気制御弁13は、EGRと関連させて吸気量を適正に調節する制御弁である。
排気タービン過給機50のコンプレッサハウジング52にはコンプレッサ52aが設けられており、これが回転することによって吸気が圧縮される(図4参照)。
続いて排気通路60について、排気通路60に設けられる主要な構成要素は、上流側の排気マニホールド61から順に、排気タービン過給機50のタービンハウジング51と、排気浄化装置64である。これらの構成要素が、通路62,63,65で接続され、開口部66に至る(図1、図2、図4参照)。開口部66は、より下流側の排気通路に接続されている。
図4に示すように排気タービン過給機50のタービンハウジング51にはタービン51aが設けられている。タービン51aはタービンハウジング51を通る排気のエネルギーで回転する。タービン51aは、センターハウジング53内に設けられたシャフト53aを介して上記コンプレッサ52aと一体回転するように構成されている。つまりタービン51aは、上記コンプレッサ52aを排気のエネルギーを利用して回転駆動する。
排気浄化装置64は、上流側に酸化触媒64aを、下流側にDPF(Diesel Particulate Filter)64bを内蔵する触媒担持型DPFである。排気浄化装置64は、DPF64bによってPMを捕集し、排気を浄化するほか、酸化触媒64aを組み合わせることによって、捕集したPMを燃焼させ、DPF64bを再生する。また酸化触媒64aによってCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)の浄化も行う。
続いてEGRガス通路20について、EGRガス通路20は、排気通路60の分岐点21と吸気通路10の合流点26との間を接続する通路である(図4参照)。図4では模式的に分岐点21が通路62の途中にあるように示しているが、実際には分岐点21は排気マニホールド61の内部にある。すなわち図1に示すように、排気マニホールド61から通路62とガス導入通路31とが並列的に導出されている。
この構造からも明らかなように、分岐点21は排気通路60における排気タービン過給機50(のタービン51a)や排気浄化装置64よりも上流側に設けられている。また合流点26は、吸気通路10における排気タービン過給機50(のコンプレッサ52a)よりも下流側に設けられている。
EGRガス通路20の主経路は、分岐点21→分岐点22→通過点23→通過点24→合流点25→合流点26と辿る経路であって、上流側から順にガス導入通路31、フレキシブルパイプ部33、通路32、反転通路34、EGRクーラ35(EGR冷却装置)、通路36、ガス導出通路37、EGRバルブ38及びガス導出通路39で構成されている。
図1に示すように、EGRガス通路20のうち、EGRクーラ35及び通路36は上下に延びる第1ガス通路20aを形成し、フレキシブルパイプ部33及び通路32は上下に延びる第2ガス通路20bを形成している。
第1ガス通路20aの一部を含むEGRクーラ35は、下方の反転通路34側から導かれたEGRガスを、上方(通路36側)へ通すように縦置きに配置されている。EGRクーラ35は、上下に長い箱状のケース内に、熱伝導率の高い銅合金等からなる長い細管を所定の間隔をもって多数配設した構造となっている。一方ケースには2箇所の冷却水給排口35aが設けられ、ケース内が循環冷却水で満たされるようになっている。
そして、下方から導かれたEGRガスが各細管に分かれて上方に導かれる(図4に「矢印A5で示す」間に、細管内のEGRガスと細管の外側に接する冷却水とで熱交換が行われるように構成されている。
なお、図1、図2に示すように、EGRクーラ35はエンジン1の排気側の側面1b(右側面)に沿ってタイミングチェーンカバー5の近傍に設けられている。そしてEGRクーラ35を支持するブラケット45が、取付けボルト42を介してタイミングチェーンカバー5に取付けられている。
排気側の側面1bには、排気タービン過給機50や排気浄化装置64など、多くの部材が取付けられており、この排気側の側面1bに更にブラケット45を組付け性の良い位置に配設するのは難しい。しかし当実施形態のようにEGRクーラ35をはじめ第1ガス通路20aや第2ガス通路20bを前方に寄せ、ブラケット45をタイミングチェーンカバー5に取付ける構造とすることにより、ブラケット45を組付け性の良い位置に配設することが容易にできる。
第2ガス通路20bの一部を構成するフレキシブルパイプ部33は、図1及び図2に示すようにEGRクーラ35と併行して上下に延びる蛇腹状のパイプである。フレキシブルパイプ部33は、他の通路部分に比べて容易に軸方向に伸縮するように構成されている。
EGRガスは、フレキシブルパイプ部33内を上方から下方に、つまりEGRクーラ35における流れと上下逆方向に通る(図4に矢印A3で示す)。またフレキシブルパイプ部33は直管に比べて表面積が大きいので、ここを通るEGRガスと外部空気との間で熱交換が行われ易くなっている。
反転通路34は、第1ガス通路20aの下端部と第2ガス通路20bの下端部とを接続する通路であって、当実施形態では略水平な通路となっている。第2ガス通路20bを下向きに流れてきたEGRガスは、反転通路34によって上下反転され、第1ガス通路20aを上向きに流れて行く。
EGRバルブ38は、EGRガス通路20の連通を断続することによってEGRの実行有無を切換えるバルブである。EGRバルブ38を開弁すると図4に示す分岐点21と合流点26とが連通し、EGRガスが排気通路60からEGRガス通路20を経由して吸気通路10に導かれる。すなわちEGRが行われる。EGRバルブ38を閉弁するとEGRガス通路20の合流点25と合流点26との間の連通が遮断されるため、EGRガスは吸気通路10に導かれない。すなわちEGRが停止させられる。
EGRガス通路20には、上記主経路とは別に図4に示す分岐点22と合流点25との間を短絡するバイパス通路40が設けられている。バイパス通路40の管路抵抗は第2ガス通路20bから反転通路34を経由して第1ガス通路20aに至る管路抵抗よりも充分小さくなるように構成されている。バイパス通路40上には、その連通を断続するバイパス開閉弁41が設けられている。
バイパス開閉弁41を開弁するとバイパス通路40が連通し、分岐点22まで流れてきたEGRガスの殆どが管路抵抗の小さなバイパス通路40を通る(図4に矢印A6で示す)。すなわち殆どのEGRガスはEGRクーラ35を通ることなく吸気通路10に導かれる。一方、バイパス開閉弁41を閉弁すると、バイパス通路40が遮断されるので、全てのEGRガスはEGRクーラ35を通って吸気通路10に導かれる。
なお、EGRガス通路20を構成する各通路は、EGRクーラ35の細管が銅合金パイプ、それ以外はフレキシブルパイプ部33を含めてステンレス鋼等の鉄系パイプである。
次に、エンジン1の動作について、特に吸気、排ガスおよびEGRガスの流れを中心に説明する。
まず、エンジンが充分暖気された温間状態においてEGRを行う場合(通常のEGRを行う場合)について説明する。
排気系から説明すると、図4に示すように、各気筒で燃焼を行った後の排気68は、排気マニホールド61に集められ、排気通路60に導入される。排気68の一部は分岐点21で分岐してEGRガス通路20に流れ、残りは通路62を経由して排気タービン過給機50のタービンハウジング51に導かれる(矢印A1)。排気68は、タービンハウジング51内のタービン51aを回転させた後、通路63を経由して排気浄化装置64に導かれる(矢印A10)。
排気浄化装置64では、内蔵する酸化触媒64aによってCOとHCがCO(二酸化炭素)やHO(水)となり、無害化される。またDPF64bによってPMが捕集され、排気68から除去される。捕集されたPMは、酸化触媒64aによって生成されたNO(二酸化窒素)と反応して燃焼(酸化)し、除去される。つまりPMは捕集されるとともに燃焼するので、DPF64bは連続的に自動再生される。
また、排気浄化装置64の上流側と下流側とに圧力センサを設ける等してDPF64bへのPM堆積量を推定し、その推定値が一定値を越えた場合、燃焼制御によって排気68の温度を上昇させ、強制的にDPF64bでのPMの燃焼を行わせるようにしても良い。
こうしてPMその他が除去され、浄化した排気68が通路65,開口部66を経由してさらに下流側に送られる。開口部66の下流側では、図外のマフラーを経由して排気68をそのまま大気に放出しても良いし、さらなる浄化装置を設けて排気68の一層の浄化を図っても良い。
次にEGRについて説明する。EGRガス通路20において、通常のEGRではEGRバルブ38が開弁され、バイパス開閉弁41が閉弁されている。分岐点21で排気68から分岐したEGRガス(矢印A2)は、バイパス開閉弁41が閉弁されているのでバイパス通路40には流入せず、全て第2ガス通路20bのフレキシブルパイプ部33及び通路32に導かれ、流下する(矢印A3)。
フレキシブルパイプ部33で外部空気と熱交換してある程度冷却されたEGRガスは、反転通路34で流れ方向を略水平方向に変え(矢印A4)、さらに上昇に転じさせる。そしてEGRガスは第1ガス通路20a中を上昇する(矢印A5)。
第1ガス通路20aに設けられたEGRクーラ35によってEGRガスは充分冷却され、通路36及び合流点25を経由してガス導出通路37に導かれる。EGRバルブ38が開弁しているのでEGRガスはガス導出通路39を経由して合流点26に導かれる(矢印A7)。
EGRガスがEGRガス通路20を通る際、ある程度の圧力損失があるものの、EGRガスの取出し口(分岐点21)を、排気タービン過給機50や排気浄化装置64よりも上流側に設定しているので、合流点26直前のEGRガス圧力は充分高圧となっている。
当実施形態では排気浄化装置64にDPF64bを備えるが、これによる圧力損失は比較的大きい。従って、分岐点21を排気浄化装置64の上流に設定していることは特に効果的である。
また、高温のEGRガスがEGRガス通路20を通ることにより、EGRガス通路20を構成する各金属パイプは熱膨張し、長くなる。しかも当実施形態では、EGRクーラ35の細管が銅合金パイプ、他の部分が鉄系のパイプと異なる材質のパイプが直列に配設されているので、膨脹度合が一様ではない。銅合金パイプ(EGRクーラ35の細管)の方が鉄系パイプの約1.4倍伸びる。しかしフレキシブルパイプ部33が他の部分の伸びを打ち消すように縮んで、全体の長さを一定に保つように自動調整する。逆にEGRを停止し、冷却によって他の通路部分の長さが短くなったときには伸びて、やはり全体の長さを一定に保つように自動調整する。こうすることにより、ブラケット45その他の支持ブラケットに過大な応力が作用することが効果的に抑制される。
次に吸気系について説明する。図4に示すように、吸気通路10において、開口部11から通路12に導入された吸気8は、吸気制御弁13で適正に調節され、通路14を経て排気タービン過給機50のコンプレッサハウジング52に導かれる(矢印A8)。コンプレッサハウジング52内のコンプレッサ52aがシャフト53aを介してタービン51aに回転駆動されているので、吸気8は圧縮され、高密度となって通路15に導かれる。
なお、この圧縮(過給)によって吸気8の温度が上昇し、密度の上昇を目減りさせてしまうので、それを抑制するために通路15上にインタークーラー等を設けて吸気8を冷却しても良い。
その後、合流点26で吸気8は冷却されたEGRガスと合流する。通路15を通った吸気8は圧縮されて高圧となっているが、ガス導出通路39から合流するEGRガスも上流の分岐点21から取り込まれた高圧のガスなので、必要量の合流が充分可能となっている。つまり充分なEGR量が確保される。また、EGRガスがEGRクーラ35によって冷却されているので、合流によって吸気8の温度が上昇して密度が低下することが可及的に抑制されている。
合流点26で合流した吸気8は通路16を経て吸気マニホールド18に導入される。吸気マニホールド18に導入された吸気8は、各気筒における吸気行程で気筒内に導入される。その際、排気タービン過給機50による過給とEGRとによって高圧となった吸気8が導入されるので、気筒への吸入抵抗が削減される。つまりポンピングロスが低減される。また、過給を行って新気の体積あたりの酸素量が増大しているので、過給を行わない場合に比べて同じEGR率でも酸素の絶対量が多くなる。すなわち必要な出力(燃焼エネルギー)を確保するためのEGR限界が引き上げられており、EGR量の増大を可能としている。
各気筒に吸入行程で吸入された吸気8は圧縮行程で圧縮される。そして圧縮上死点付近で燃料噴射がなされる。この燃料噴射はコモンレール式噴射システムによって高圧、高精度でコントロールされる。また1回の燃焼に供される燃料を複数回に分割して噴射する多段噴射が行われる。
圧縮行程で高温高圧となった吸気8に燃料が噴射されることによって、燃料が着火し、燃焼する。その際、EGRガスの混入によって吸気8中の不活性成分が多くなっていることや、燃料が多段噴射されていることによって燃焼温度の過度の上昇が抑制され、NOxの発生量が格段に低減される。また、燃焼によってある程度のPMが発生する。PMを含んだ燃焼後の排ガスは、その後の排気行程において排気マニホールド61に排出される。
以上、通常のEGRを行う場合の作動について説明したが、次に、そのEGRを停止した場合(エンジンの運転自体を停止した場合も同様)について説明する。
EGRバルブ38を閉弁するとEGRガス通路20の連通が遮断されるので、EGRガス通路20中を流れていたEGRガスの流れが止まり、EGRは停止する。そしてEGRガス通路20には残留したEGRガスが滞留し、その中に含まれていたPMが自重で落下する。第1ガス通路20aや第2ガス通路20bは上下方向に延びているので、殆どのPMは途中で堆積することなく、最下端まで落下する。そして反転通路34の最低位置付近に堆積する。反転通路34は充分な通路断面積が確保されているので、PMの堆積による通路断面積の減少の影響は殆ど無視できる程度である。
特に、EGRクーラ35内の細管は1本あたりの通路断面積が小さいので、PMが堆積するとEGRガスの円滑な流れに支障をきたし易いところ、EGRクーラ35が縦置きとされているので細管内にPMが堆積することが殆どなく、この問題が効果的に解決されている。従って、エンジンの長期の使用によってEGRの実行と停止とが多数回繰り返されても、細管の実質的な通路断面積は充分確保され続ける。つまり長期に亘り充分なEGR量を確保することができる。
また、第1ガス通路20aや第2ガス通路20bに滞留したPMが排気通路60側に逆流することも殆どないので、PMの排出量も低減される。
次に、エンジン1が未だ充分暖気されていない、低温状態におけるEGRについて説明する。この場合、EGRバルブ38が開弁されるとともにバイパス開閉弁41も開弁される。するとEGRガス通路20の分岐点22で、殆どのEGRガスは管路抵抗の小さいバイパス通路40の方に流入する(矢印A6)。つまりEGRガスは殆ど冷却されることなく合流点26で吸気8と合流する。従って、吸気マニホールド18を経由して各気筒に導かれる吸気8の温度が上昇し、燃焼性を早期に安定させることができる。エンジン1が充分暖気され、温間状態となったらバイパス開閉弁41を閉弁して上記通常のEGRに移行する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば上記実施形態では、EGRガス通路20の第1ガス通路20aを通るEGRガスは上昇し、第2ガス通路20bを通るEGRガスは降下するように構成しているが、これを例えば図5に示すように逆にしても良い。
図5は、上記実施形態の変形例であって、図4に示す第1ガス通路20aと第2ガス通路20bとの接続状態を交換させたものである。すなわち、EGRガス通路20’において、分岐点22と通過点23との間にEGRクーラ35を含む第1ガス通路20a’を設け、通過点24と合流点25との間にフレキシブルパイプ部33を含む第2ガス通路20b’を設けている。このようにしても、充分なEGR量を長期に亘り確保しつつ、PMの排出量を削減することができるという本発明の効果を得ることができる。
図4に戻って、排気タービン過給機50は必ずしも必要ではないが、排気タービン過給機50とEGRとを併用することにより、双方の利点をより顕著に奏させることができて望ましい。
過給機として、排気タービン過給機50以外のもの、例えば機械式のいわゆるスーパーチャージャー等を用いていも良い。但し排気タービン過給機50を用いると、タービン51aが排気抵抗となって、その上流側の排ガス圧力が高くなる。すなわち分岐点21から取り込むEGRガスがより高圧となるので、一層EGR量を増大させることができるという利点がある。
フレキシブルパイプ部33は必ずしも第2ガス通路20bに設ける必要はないが、EGRクーラ35の近傍に設けるのが望ましい。さらに双方が支持ブラケットで隔てられていないように構成すると、伸縮度合の大きいEGRクーラ35の伸縮をより直接的に吸収することができるので一層効果的である。
反転通路34は、当実施形態では略水平な通路であるが、これに限定するものではなく、EGRガスの流れを下降から上昇に反転させるための通路であれば任意の形状であって良い。例えばU字形状やV字形状の通路としても良い。また、第1ガス通路20aや第2ガス通路20bと反転通路34との間に明確な境界がなくても良い。例えば第1ガス通路20aと第2ガス通路20bとを下窄まりに次第に接近させ、接合させるような構造としても良い。その場合、その接合部が反転通路34となる。
EGRクーラ35は、当実施形態では冷却水を冷媒とする水冷式のものとしたが、必ずしもこのような水冷式のものでなくても良い。例えばEGRガスを通す細管に放熱用フィンを設けた空冷式のものであっても良い。但し水冷式とした場合、空冷式のように空気(走行風)が澱みなく細管の周囲に流れるようなレイアウト上の配慮をする必要がなく、またエンジンの冷却水を利用して容易に冷媒を循環させることができる等の利点がある。
排気浄化装置64は、必ずしも触媒担持型DPFでなくても良い。例えば単に酸化触媒或いは三元触媒等としても良い。その場合排気通路60の開口部66より下流にDPF等のPM捕集手段を設けることが望ましい。
上記実施形態では、ブラケット45がタイミングチェーンカバー5に取付けられているとしたが、タイミングチェーンを使用しない場合には、これに相当するタイミングチェーン類のカバーに取付ければ良い。タイミングチェーン類とは、クランクシャフトの回転をカムシャフト等の動弁系に同期させつつ伝達する部材を指し、タイミングチェーンの他に例えばタイミングベルトやギヤ群(カムシャフトがギヤ駆動の場合)などを含む。
エンジン1は、必ずしもディーゼルエンジンである必要はなく、例えばガソリンエンジンであっても良い。但し一般的にPMはディーゼルエンジンの排気に多く含まれるので、本発明をディーゼルエンジンに適用した場合に、その効果が顕著なものとなる。
本発明に係る実施形態のエンジンの斜視図である。 図1に示すエンジンの右側面図である。 図1に示すエンジンの左側面図である。 図1に示すエンジンの吸気通路、排気通路およびEGRガス通路を模式的に示す模式図である。 上記実施形態の変形例における、図4に相当する模式図である。
符号の説明
1 エンジン
1b エンジンの排気側の側面
5 タイミングチェーンカバー(タイミングカバー)
10 吸気通路
18 吸気マニホールド
20 EGRガス通路
20a 第1ガス通路
20b 第2ガス通路
21 (排気通路とEGRガス通路との)分岐点
26 (EGRガス通路と吸気通路との)合流点
33 フレキシブルパイプ部
34 反転通路
35 EGRクーラ(EGR冷却装置)
40 バイパス通路
41 バイパス開閉弁
45 ブラケット
50 排気タービン過給機
51a タービン
52a コンプレッサ
60 排気通路
64 排気浄化装置
64b DPF(フィルター)

Claims (7)

  1. 排気通路上に排気浄化装置を備えるとともに、排気の一部を吸気通路に再循環させるEGRを行うエンジンのEGR冷却装置配設構造であって、
    上記排気通路の上記排気浄化装置より上流側と上記吸気通路とを接続するEGRガス通路を備え、
    上記EGRガス通路は、
    下方向に延びるように配置され、EGRガスを下方から上方に通す第1ガス通路と、
    上記第1ガス通路の一部を含むとともに、EGRガスを下方から上方に通す間に冷媒との熱交換を行わせる縦置きのEGR冷却装置と
    端が上記第1ガス通路の下端部に接続され、EGRガスの流れ方向を上下反転させる反転通路と
    上記第1ガス通路よりも上流側に配置され、下端部が上記反転通路の他端に接続されて上下方向に延びるとともに、EGRガスを上方から下方に通す第2ガス通路とを備えることを特徴とするエンジンのEGR冷却装置配設構造。
  2. 上記排気浄化装置は、排気微粒子を捕集するフィルターを備えたものであることを特徴とする請求項1記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造。
  3. 吸気を圧縮して吸気マニホールドに送る過給機を備え、
    上記EGRガス通路と上記吸気通路との合流点が、上記吸気通路における上記過給機の配設位置より下流側であることを特徴とする請求項1または2記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造。
  4. 上記過給機は、上記排気通路に設けられて排気によって回転させられるタービンと、該タービンによって駆動されて吸気を圧縮するコンプレッサとを備える排気タービン過給機であって、
    上記EGRガス通路が上記排気通路から分岐する分岐点が、上記排気通路における上記タービンの配設位置よりも上流側であることを特徴とする請求項3記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造。
  5. 上記EGRガス通路において、少なくとも上記EGR冷却装置の上流側と下流側とを短絡するバイパス通路と、
    エンジン低温時に上記バイパス通路を開くバイパス開閉弁とを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造。
  6. 上記EGRガス通路の一部を構成し、所定範囲内で軸方向に伸縮自在なフレキシブルパイプ部を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造。
  7. エンジンのタイミングチェーン類を覆うタイミングカバーが設けられ、
    上記EGR冷却装置が上記エンジンの排気側の側面に沿って上記タイミングカバー近傍に配設され、
    上記EGR冷却装置を支持するブラケットが、上記タイミングカバーに取付けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のエンジンのEGR冷却装置配設構造。
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