JP4599769B2 - Rolling bearing - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外輪と内輪との間が導電状態となっている転がり軸受に係り、特に、複写機,レーザービームプリンタ等の事務機器や情報機器における高温となる部分(感光ドラム(定着部),ヒートローラ支持部等)に好適に使用される転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の事務機器や情報機器、例えば複写機においては、その可動部分には多数の転がり軸受が使用されている。このような転がり軸受の内外輪の軌道面と転動体との間には回転中は油膜が形成されていて、前記軌道面と前記転動体とは非接触となっている。このような転がり軸受においては回転に伴って静電気が発生するため、その放射ノイズが複写機の複写画像に歪み等の悪影響を及ぼす等の不都合が生じる場合がある。
【0003】
このような不都合が生じることを防止するため、導電性グリースを転がり軸受内部に封入することにより、内外の軌道輪及び転動体を導電状態にするとともに、前記内外の軌道輪のうち一方を接地することにより、静電気を該転がり軸受から除去するという対策が取られている。
そして、導電性グリースとしては、カーボンブラックを増ちょう剤及び導電性付与添加剤として添加したものが主流であった(例えば、特公昭63−24038号公報に記載のもの)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような導電性グリースを封入した転がり軸受は、初期においては優れた導電性を示す(内外の軌道輪及び転動体が導電状態となっている)ものの、導電性が経時的に低下して転がり軸受の内外輪間の抵抗値(以降は軸受抵抗値と記す)が大きくなることがあるという問題点があった。そして、このような現象の原因としては、以下のようなことが考えられた。
【0005】
すなわち、導電性グリースは当初は転がり軸受の軌道輪の軌道面と転動体との接触面に十分に存在していて、その導電性グリース中のカーボンブラックにより、前記軌道輪と前記転動体との間の導電性が確保されるが、前記軌道輪と前記転動体との相対運動により、時間の経過と共に前記導電性グリースが前記接触面から排除されたり、また、カーボンブラック粒子のチェーンストラクチャーが破壊されたりするため、導電性が低下して軸受抵抗値が経時的に大きくなるという現象が生じるのである。
【0006】
また、複写機,レーザービームプリンタ等の事務機器のヒートローラ支持部や定着部などは、約200℃の高温となる場合がある。よって、該部分に使用される転がり軸受に用いる導電性グリースは、通常の潤滑油を基油として用いたものでは耐熱性が十分ではないため、長期にわたって十分な導電性を確保することは困難であった。
【0007】
通常、導電性グリースの基油として使用される潤滑油としては、例えば、鉱油,ポリα−オレフィン,エーテル油,エステル油などがあげられるが、これらの基油の使用限界温度はせいぜい160℃である。
そのため、上記のような高温となる部分に用いられる転がり軸受においては、導電ブラシを用いて静電気を除去するという旧来の方法が依然として用いられている。
【0008】
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、高温下においても優れた導電性を示す転がり軸受を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち本発明の転がり軸受は、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記外輪と前記内輪との間に形成され前記転動体が内設された空間に充填された導電性グリースと、を備えた転がり軸受において、前記導電性グリースは、基油と、シリコン化合物及びフッ素化合物の少なくとも一方を主成分とする増ちょう剤と、0.2〜10質量%のカーボンブラックと、を備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成であれば、該転がり軸受は200℃以上の高温下においても導電性が優れており、前記内外輪間の導電状態が良好に維持される。
前記基油としては、例えば、パーフルオロポリエーテル(直鎖型,側鎖型),フルオロホスファゼン油などのフッ素油、メチルフェニルシリコン,ジメチルシリコンなどのシリコーン油、及びフルオロシリコーンがあげられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、パーフルオロポリエーテルは、末端基にカルボキシル基,イソシアネート基を導入したものや、エステル変性,アルコール変性したものでもよい。
【0011】
また、基油の粘度は特に限定されるものではないが、40℃における動粘度が15〜700mm2 /sであることが適当である。700mm2 /sを超えると、転がり軸受の軌道輪の軌道面と転動体との間に形成される油膜の厚さが高温時でも比較的厚くなるので、適当な導電性を保てなくなる。また、15mm2 /s未満であると、潤滑性が不十分となり適当ではない。
【0012】
ただし、基油の40℃における動粘度が245mm2 /s未満であると、ヒートローラ等の作動環境である高温,低速,高荷重という条件下での転がり軸受の焼付き寿命が低下するおそれがあるので、基油の40℃における動粘度は245〜700mm2 /sとすることがより好ましい。
さらに、前記増ちょう剤のうちフッ素化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン,ポリ三フッ化エチレンなどのフッ素樹脂があげられ、シリコン化合物としては、微粉末シリカや、合成マイカ(フッ素四ケイ素雲母)、すなわち雲母,スメクタイト等の固体潤滑性能を有する層状化合物(粘土鉱物)などがあげられる。
【0013】
ただし、フッ素化合物やシリコン化合物のみを増ちょう剤として使用するのではなく、その量を制限し、後述するカーボンブラックを前記増ちょう剤と共存させることにより、カーボンブラックの分散状態を経時的に良好に保つことができる。
なお、本発明の目的を妨げない限り、前記増ちょう剤に公知の増ちょう剤を併用してもよい。併用される公知の増ちょう剤としては、例えば、Li石けん,シリカ,Ca石けん,Al石けん,Liコンプレックス石けん,Alコンプレックス石けん,Caコンプレックス石けん,ポリウレア,ベントナイト等があげられる。
【0014】
さらに、導電性付与添加剤であるカーボンブラックの添加量は、導電性グリース全体に対して0.2〜10質量%である必要がある。0.2質量%未満であると十分な導電性が得られず、また、10質量%超過であると、導電性グリースのちょう度が大きくなりすぎる(導電性グリースが硬くなりすぎる)。カーボンブラックの種類は特に限定されるものではないが、分散性の点から吸油性に富むもの(DBP吸油量が180ml/100g以上)が望ましい。また、親油性を有し比表面積が250m2 /g以上と大きいカーボンブラックを使用することが好ましい。比表面積が250m2 /g未満であると、十分な導電性が得られないおそれがある。
【0015】
導電性グリースにおける基油と増ちょう剤との配合比率は、転がり軸受の用途やその使用温度に適したちょう度となるようなものであればよく、特に限定されるものではないが、通常はNLGI混和ちょう度のちょう度番号がNo.1〜No.3番の範囲が選択される。
なお、前記導電性グリースには、摩耗防止添加剤,極圧剤,油性剤の各添加剤のうち少なくとも1種をさらに添加してもよい。そうすれば、前記転がり軸受は200℃以上の高温下において、長期にわたってより安定した導電性を示す。
【0016】
これらの添加剤が有する官能基は、軌道面等を構成する金属に対して吸着作用を有していて、そのため前記添加剤が軌道面等に吸着される。このことにより潤滑性が高められるので、軌道面等に金属接触による微小な損傷が生じることが防止されて、導電性を維持する効果が発揮される。
使用可能な添加剤(摩耗防止添加剤,極圧剤,油性剤)は、その耐熱性や基油に対する溶解性により限定される。ただし、例えば、末端基にカルボキシル基,イソシアネート基を導入したもの(パーフルオロポリエーテルやフッ素油等)や、エステル変性,アルコール変性したもの(同前)を、基油として使用すれば、添加剤との親和性が高くなるため好ましい。
【0017】
使用される摩耗防止添加剤としては、有機リン系化合物等があげられる。有機リン系化合物としては、例えば、一般式(RO)3 POで示される正リン酸エステル(リン酸トリクレジル(TCP),リン酸トリオクチル(TOP)等)、一般式(RO)2 P(O)Hで示される亜リン酸ジエステルや一般式(RO)3 Pで示される亜リン酸トリエステルのような亜リン酸エステル等があげられる。なお、上記のRはアルキル基,アリール基,アルキルアリール基を示す。
【0018】
また、極圧剤としては、Zn−DTP(ジチオリン酸亜鉛),Mo−DTP(ジチオリン酸モリブデン)等のDTP金属化合物、Ni−DTC(ニッケルジチオカーバメイト),Mo−DTC(モリブデンジチオカーバメイト)等のDTC金属化合物、イオウ,リン,塩素等を含む有機金属化合物などがあげられる。
さらに、油性剤としては、アミン系化合物やオレイン酸,コハク酸エステル等の有機脂肪酸化合物などがあげられる。
【0019】
また、これらの添加剤以外に、亜硝酸塩,ベンゾトリアゾール・MgO,Caスルホネート,フルオロホスファゼン誘導体,マイカ等の層状化合物,MoS2 等の固体潤滑剤を併用することができる。ただし、前記フッ素油とのなじみ性,溶解性が乏しいため、10質量%以上用いても効果が乏しい。
さらに、前記導電性グリースには、平均粒径2μm以下の無機化合物の微粒子を、前記導電性グリース全体に対して0.05〜7質量%添加することが好ましい。そうすれば、前記内輪及び前記外輪の軌道面や前記転動体の転動面に、酸化皮膜が生成したり前記導電性グリースの分解物等の有機物が吸着,固着したりしたとしても、前記内輪及び前記外輪の軌道面や前記転動体の転動面が前記無機化合物の微粒子によってミクロ的に研磨されるので、換言すれば前記無機化合物の微粒子によって超仕上げを施された状態となるので、前記内輪及び前記外輪の軌道面や前記転動体の転動面に常に新生面が現れることとなって、長期にわたって低い電気抵抗値が維持される。
【0020】
無機化合物の微粒子の粒径は、転がり軸受用グリース組成物として支障をきたさない程度の粒径である必要がある。転がり軸受においては、一般的に粒径が約2μmを超える粒子は異物(ゴミ)として作用し、硬い粒子の場合には軌道面や転動面の摩耗を促進し、軸受の早期損傷の原因となる。また、軸受の音響特性を劣化させる場合もある。したがって、無機化合物の微粒子は、平均粒径が2μm以下である必要がある。
【0021】
平均粒径の下限値は特に限定されるものではないが、現在の入手可能な無機化合物の微粒子のなかで最小の平均粒径は0.05μmであり、0.05μmまでは上記の作用が十分に発現することを確認している。
さらに、潤滑寿命と酸化皮膜形成の抑制とを考慮すれば、粒径は基油の油膜の膜厚と同程度であることが望ましい。また、粒子の形状は球形に近いほど好ましいが、上記粒径の範囲内であれば多面体(立方体や直方体等)や極端には針状であってもよい。
【0022】
導電性グリース全体に対する無機化合物の微粒子の添加量は、0.05〜7質量%であることが好ましい。0.05質量%未満であると酸化皮膜生成の抑制効果が小さく、7質量%超過であると摩耗が増大して転がり軸受の音響特性や回転性能が低下するおそれがある。
無機化合物の種類は、金属表面に生成した酸化皮膜や固着した有機物を上記のようにミクロ的に研磨することができるならば、特に限定されるものではない。具体例としては、SiO2 ,Al2 O3 ,MgO,TiO2 ,ZnO,ZrO2 ,チタン酸ジルコン酸鉛(PZT、部分安定化ジルコニアの一種)等の金属酸化物、ベントナイト,スメクタイト,雲母等の(合成)粘土鉱物、Si3 N4 ,ZrN,CrN,TiAlN等の金属窒化物、SiC,TiC,WC等の金属炭化物をあげることができる。
【0023】
なお、基油や増ちょう剤との親和性を改善するために、無機化合物の微粒子の表面を親油性に改質したものを用いてもよい。
さらに、高温下における軌道面,転動面への酸化皮膜形成や発錆を抑制するため、軌道面,転動面に防錆剤を塗布してもよい。そうすれば、200℃以上の高温下においても、転がり軸受の導電性がより安定して維持される。使用される防錆剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系の防錆油全般や、フッ素系誘導体(末端基をヒドロキシル基,イソシアネート基,エステル基,カルボキシル基等に変性したパーフルオロポリエーテルなど)を含有する油等があげられる。
【0024】
なお、本発明の転がり軸受に、カーボンブラック等を含有する導電性ゴムなどで構成される接触シールを内外輪間に配設すれば、さらに導電性を高めることができるので好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る転がり軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る転がり軸受の一実施形態である玉軸受10の構造を示す部分縦断面図である。
この玉軸受10は、外輪11と、内輪12と、外輪11と内輪12との間に転動自在に配設された複数の玉13と、複数の玉13を保持する保持器14と、外輪11のシールドみぞ11b,11bに取り付けられたシールド15,15と、で構成されている。
【0026】
また、外輪11と内輪12とシールド15,15とで囲まれた空間16内には導電性グリースGが充填され、シールド15により玉軸受10内部に密封されている。
そして、この導電性グリースGによって、前記両輪11,12の軌道面11a,12aと玉13との接触面が潤滑されるとともに、外輪11と内輪12と玉13とが導電状態とされている。さらに、外輪11又は内輪12が接地されていて(図示せず)、玉軸受10の回転により発生する静電気が除去されるようになっている。
【0027】
この導電性グリースGは、パーフルオロポリエーテルを基油、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を増ちょう剤とし、さらに、カーボンブラックが導電性付与添加剤として添加されて(導電性グリース全体の0.2〜10質量%)、導電性を有している。なお、基油,増ちょう剤の種類は上記のものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、増ちょう剤はシリコン化合物でもよい。
【0028】
このような導電性グリースGは、導電性とともに優れた潤滑性を有しているので、玉軸受10の軌道面11a,12aと玉13との金属接触が生じにくく、軌道面11a,12aに酸化膜が生成しにくい。その結果、導電性の経時的な低下が生じにくい。また、増ちょう剤としてPTFEのようなフッ素化合物が添加されているので、導電性グリースGの耐熱性が高く、高温下においても優れた導電性を長期間にわたって維持できる。
【0029】
なお、シールド15を、導電性を有する弾性ゴムで構成された接触式のシールとしてもよい。そうすれば、シールが導電性を有しており、また、シールのリップ部が内輪12の外周面に摺接するので、外輪11と内輪12との間はシールを介して導電状態となり好ましい。
このような玉軸受10は、両輪11,12間の導電性が良好で帯電が生じにくく、且つその状態が長期間にわたって良好に維持される。特に、200℃以上の高温下においても導電性が優れていて、その状態を長期間にわたって良好に維持することができる。
【0030】
したがって、玉軸受10が帯電しにくいから、静電気の放射ノイズが生じて玉軸受10が使用されている機器に悪影響を与えるおそれが小さい。よって、複写機,レーザービームプリンタ等の事務機器、ハードディスクドライブ等の情報機器、その他のモータなどに、好適に使用することができる。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0031】
例えば、本実施形態においては、転がり軸受として深みぞ玉軸受を例示して説明したが、本発明の転がり軸受は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
【0032】
次に、上記の玉軸受10とほぼ同様な構成の数種の玉軸受(実施例1,2及び比較例1〜3)について、各種試験を行った結果について説明する。
試験軸受の寸法は、内径30mm,外径42mm,幅7mmで、外輪と内輪とシールドとで囲まれた空間に、空間容積の28〜41%の量の導電性グリースが封入されている。そして、この導電性グリースは、表1に示す基油,増ちょう剤,カーボンブラック(導電性付与添加剤)から構成されるものである。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例1,2の軸受は、導電性グリースの増ちょう剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びカーボンブラック(CB)を用いたものである。CBの使用量は、導電性グリース全体の5質量%である。実施例1は基油がパーフルオロポリエーテルで、実施例2は基油がフルオロシリコーンである。
また、比較例1の軸受は実施例1とほぼ同様であるが、グリースはCBを含有しておらず、導電性を有していない。さらに、比較例2の軸受は、導電性グリースの増ちょう剤としてシリコン化合物やフッ素化合物を使用しておらず、従来公知の増ちょう剤を使用した例である。さらに、比較例3の軸受は、導電性グリースの増ちょう剤としてCBのみを使用した例である。
【0035】
このような玉軸受を、180℃の高温下、Fr=19.6Nの荷重のもと、100min-1の回転速度にて400時間回転させた。そして、回転終了後、アンデロメータにより音響試験を行い、玉軸受の損傷をチェックした。その結果を表1に示す。表1においては、音響試験の結果が良好であったものを○、不良であったものを×で示している。
【0036】
また、軸受が回転している際の内外輪間の電気抵抗値(軸受抵抗値)を測定した。軸受抵抗値は、上記の高温における回転を200時間及び400時間行ったものについて測定し、導電性が経時変化する程度を評価した。
まず、軸受抵抗値を測定する装置について、図2の概略構成図を参照しながら説明する。
【0037】
図2中、符号1は測定対象の玉軸受を表し、その内輪1aに取付けられた軸部材2をモータ3によって回転駆動することによって、軸受1を回転するように構成されている。そして、内輪1aと一体となっている軸部材2と外輪1bとの間に、定電圧電源4によって、所定の定電圧が印加されるとともに、当該定電圧電源4と並列に抵抗測定装置5が接続されている。
【0038】
抵抗測定装置5は、測定した電圧値(アナログ値)を、A/D変換回路6に出力する。A/D変換回路6は、予め設定されたサンプリング周期でデジタル値に変換し、当該変換したデジタル信号を演算処理装置7に出力する。本実施形態では、サンプリング周期を50kHz(サンプリング時間間隔=0.02ms)に設定してある。
【0039】
演算処理装置7は、最大抵抗値演算部7Aと、閾値処理部7Bと、波数カウント部7Cとを備える。最大抵抗値演算部7Aは、入力したデジタル信号に基づき最大抵抗値を演算する。閾値処理部7Bは、入力したデジタル信号について所定閾値で閾値処理を行い雑音を除去する。波数カウント部7Cは、閾値処理部7Bからのパルスカウントについて、経時的なパルス値の増減変化によって、所定時間単位毎の変動回数つまり波山の波数をカウントし、その単位時間当たりの波数の平均値を求める。また演算処理装置7は、求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示装置8に出力する。
【0040】
本実施形態では、上記波数をカウントする単位時間を0.328秒に設定してある。
表示装置8は、ディスプレイなどから構成され、演算処理装置7が求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示する。
次に、上記構成の装置を使用して玉軸受1の電気抵抗値を評価する方法について説明する。
【0041】
モータ3を駆動して軸部材2つまり内輪1aを所定回転速度で回転させた状態で、定電圧電源4から軸受1の内外輪1a,1b間に所定の定電圧を印加する。このとき、内外輪1a,1b間に電流が流れるが、スパーク等によって、電圧が変動する。その電圧が抵抗測定装置5で測定され、続いてA/D変換回路6によってデジタル値に変換され、そのデジタル信号に基づいて、演算処理装置7が、最大抵抗値及び所定単位時間当たりの波数を求め、その値が表示装置8に表示される。
【0042】
5種類の軸受(実施例1,2及び比較例1〜3)について、上記構成の装置を使用して、回転中の内外輪1a,1b間の電気抵抗値(最大値)を測定した。
測定条件を以下に示す。
・軸部材2の回転速度:100rpm
・軸受1に与えるラジアル荷重(Fr):19.6N
・印加電圧 :6.2V
・最大電流 :100μA
・シリーズ抵抗:62kΩ
・雰囲気温度 :40℃
・雰囲気湿度 :50%RH
・サンプリング周期:50kHz、0.328秒
そして、測定結果を図3のグラフに示す。なお、図3のグラフにおいては、実施例1を◆印、実施例2を■印、比較例1を▲印、比較例2を×印、比較例3を○印で示してある。
【0043】
図3のグラフから分かるように、カーボンブラックを含有するものはいずれも、初期(回転時間0h)における軸受抵抗の最大値が小さい。これに対して、カーボンブラックを含まないグリースを用いた比較例1は、軸受抵抗の最大値が大きい。このような軸受は回転に伴って発生した静電気が帯電しやすいので、該軸受を複写機やプリンタに使用すると、前記静電気の放射ノイズが画像系(複写機の複写画像等)に歪み等の悪影響を及ぼすおそれがある。
【0044】
また、比較例2は、増ちょう剤としてシリコン化合物やフッ素化合物を使用していないため、導電性グリースの耐熱性が不十分で、環境温度が180℃に達すると導電性グリースの劣化が激しく、軸受軌道面の損傷,酸化膜形成により軸受抵抗値が上昇した。また、音響試験の結果も不良であった。
さらに、比較例3のように増ちょう剤を導電性の元となるカーボンブラックのみに依存すると、導電性は良好であるものの、カーボンブラックは網目構造が破壊されやすいので、グリース漏れや、油分離を引き起こしやすくなる。また、カーボンブラックの粒子が固体であるために、軸受軌道面を損傷させやすく音響寿命が短いという欠点がある。
【0045】
次に、各種添加剤を添加した導電性グリースを用いた場合の玉軸受について、軸受抵抗値を測定した結果について説明する。上記と同様に高温下で200時間回転させ、その後に上記と同様に軸受抵抗の最大値を測定した。
使用した添加剤は、亜硝酸ナトリウム(NaNO2 ),MoS2 ,合成マイカ,フルオロホスファゼン誘導体である。添加量は導電性グリース全体の2.5質量%である。なお、試験軸受の構成は、このような添加剤を添加した以外は、実施例1の軸受と同様である。
【0046】
結果を図4のグラフに示す。グラフから分かるように、添加剤を添加した場合は、添加していないものと比較して軸受抵抗の最大値が小さかった。特に、フルオロホスファゼン誘導体が、軸受抵抗の最大値が小さかった。
そこで、フルオロホスファゼン誘導体の添加量を変化させて、軸受抵抗の最大値を評価した。その結果を図5のグラフに示す。添加量は特に制限されるものではないが、溶解性などの問題から10質量%以下が適当である。
【0047】
次に、カーボンブラックの添加量を変化させて、軸受抵抗の最大値を評価した結果について説明する。上記と同様に高温下で200時間回転させ、その後に上記と同様に軸受抵抗の最大値を測定した。なお、試験軸受の構成は、カーボンブラックの添加量が異なること以外は、実施例1の軸受と同様である。
結果を図6のグラフに示す。グラフから分かるように、カーボンブラックはごく少量の添加でも効果がある。そのため、本来の増ちょう剤(シリコン化合物やフッ素化合物)と共存させることができ、この共存によりカーボンブラックの分散状態を経時的に良好に保つことができると考えられる。
【0048】
また、グリースのちょう度を適度なものとするためには、カーボンブラックの添加量は10質量%以下が適当である。それより多くなると、グリースが硬くなりすぎる。なお、十分な導電性を確保するには、0.2質量%以上添加する必要がある。
次に、使用するカーボンブラックの比表面積(窒素吸着法による値)を変化させて、軸受抵抗の最大値を評価した結果について説明する。上記と同様に高温下で200時間回転させ、その後に上記と同様に軸受抵抗の最大値を測定した。なお、試験軸受の構成は、カーボンブラックの比表面積が異なること以外は、実施例1の軸受と同様である。
【0049】
結果を図7のグラフに示す。グラフから分かるように、カーボンブラックの比表面積は250m2 /g以上であることが好ましい。
次に、使用するカーボンブラックのDBP吸油量(ジブチルフタレートアプソープメータによる値)を変化させて、軸受抵抗の最大値を評価した結果について説明する。上記と同様に高温下で200時間回転させ、その後に上記と同様に軸受抵抗の最大値を測定した。なお、試験軸受の構成は、カーボンブラックのDBP吸油量が異なること以外は、実施例1の軸受と同様である。
【0050】
結果を図8のグラフに示す。グラフから分かるように、カーボンブラックのDBP吸油量は、180ml/100g以上であることが好ましい。
次に、使用する基油の40℃における動粘度を変化させて、軸受抵抗の最大値を評価した結果について説明する。上記と同様に高温下で200時間回転させ、その後に上記と同様に軸受抵抗の最大値を測定した。なお、試験軸受の構成は、40℃における基油の動粘度が異なること以外は、実施例1の軸受と同様である。
【0051】
結果を図9のグラフに示す。グラフから分かるように、40℃における基油の動粘度は、15〜700mm2 /sであることが好ましい。
次に、玉軸受10とほぼ同様な構成であり、上記(実施例1,2及び比較例1〜3)とは異なる導電性グリースを封入した数種の玉軸受(実施例3〜6及び比較例4)を用意して、各種試験を行った。この導電性グリースは、表2に示す基油,増ちょう剤,カーボンブラック(導電性付与添加剤)から構成されるものである。
【0052】
【表2】
【0053】
すなわち、実施例3〜6の軸受は、導電性グリースの増ちょう剤として合成マイカ及びカーボンブラック(CB)を用いたものである。また、比較例4の軸受は、導電性グリースの増ちょう剤としてCBのみを使用した例である。なお、実施例5の軸受の導電性グリースには、無機化合物の微粒子であるマグネシア(MgO)が研磨剤として添加されている。このマグネシアの平均粒径は0.1μmで、添加量は導電性グリース全体に対して0.5質量%である。また、実施例4の軸受の軌道面及び転動面には防錆剤が塗布してある。
【0054】
まず、これらの玉軸受の焼付き寿命を評価した。試験軸受の寸法は、内径30mm,外径42mm,幅7mmで、外輪と内輪とシールドとで囲まれた空間に、空間容積の25%の量の導電性グリースが封入されている。そして、このような玉軸受を、230℃の高温下、Fa=490N,Fr=98Nの荷重のもと、150min-1の回転速度にて回転させた(以降は、この試験条件を条件1と称する)。そして、昇温とトルクの増大を基準として、焼付き寿命を評価した。その結果を表2に併せて示す。なお、表2における焼付き寿命の数値は、実施例3の焼付き寿命を1とした場合の相対値で示してある。
【0055】
表2から分かるように、実施例3〜6の玉軸受は比較例4の玉軸受と比べて、焼付き寿命が優れていた。
次に、実施例3〜6及び比較例4の軸受について、導電性が経時変化する程度を評価した。すなわち、軸受を前述の条件1の条件下で所定の時間回転させながら、図2の軸受抵抗値を測定する装置を使用して軸受抵抗値を測定した。なお、前記装置による軸受抵抗値の測定条件は、雰囲気温度,回転速度,ラジアル荷重以外は前述のものと全く同様である。測定結果を図10のグラフに示す。
【0056】
なお、図10のグラフにおいては、実施例3の結果を◆印、実施例4の結果を■印、実施例5の結果を▲印、実施例6の結果を○印、比較例4の結果を×印で示してある。また、図10のグラフにおける軸受抵抗値は、実施例3の初期(回転時間0hr)の軸受抵抗値を1とした場合の相対値で示してある。
図10のグラフから分かるように、実施例3〜6の玉軸受は増ちょう剤として合成マイカを有しているので、比較例4の玉軸受と比べて、軸受抵抗値の経時的な上昇が小さい。
【0057】
次に、実施例3の玉軸受について導電性グリースの基油の動粘度を種々変更して、焼付き寿命を評価した。その結果を図11のグラフに示す。なお、図11のグラフにおける■印は前述の条件1での試験結果を示し、●印は後述の条件2での試験結果を示す。
条件2は、条件1とほぼ同様であるが、試験軸受の寸法が、内径25mm,外径62mm,幅17mmである点と、回転速度が3000min-1である点が異なっている。
【0058】
なお、図11のグラフにおける焼付き寿命の数値は、基油の動粘度が390mm2 /sで、条件1で試験した結果を1とした場合の相対値で示してある。
図11のグラフから分かるように、回転速度が高速である条件2では、基油の40℃における動粘度が15〜700mm2 /sの範囲において、焼付き寿命が優れていた。また、回転速度が低速である条件1では、動粘度が245〜700mm2 /sの範囲において、焼付き寿命が優れていた。
【0059】
次に、実施例3の玉軸受についてカーボンブラックの添加量を変化させて、軸受抵抗値を評価した。
この試験における玉軸受の寸法は、内径8mm,外径22mm,幅7mmで、外輪と内輪とシールドとで囲まれた空間に、空間容積の25%の量の導電性グリースが封入されている。
【0060】
このような玉軸受を、200℃の高温下、Fr=19.6Nの荷重のもと、150min-1の回転速度にて100時間回転させながら、図2の軸受抵抗値を測定する装置を使用して軸受抵抗値を測定した(軸受抵抗値の測定条件は、雰囲気温度以外は前述のものと全く同様である)。その結果を図12のグラフに示す。なお、図12のグラフにおける100時間回転後の軸受抵抗値は、実施例3の玉軸受の初期の軸受抵抗値(図12においては■印で示してある)を1とした場合の相対値で示してある。
【0061】
グラフから分かるように、カーボンブラックは極少量の添加でも効果があり、添加が0.2質量%以上であれば、100時間回転させた後も良好な軸受抵抗値を示した。
次に、実施例3の玉軸受についてカーボンブラックの比表面積(窒素吸着法による値)を変化させて、軸受抵抗値を評価した。
【0062】
玉軸受を前述の条件1の条件下で200時間回転させながら、図2の軸受抵抗値を測定する装置を使用して軸受抵抗値を測定した(軸受抵抗値の測定条件は、雰囲気温度,回転速度,ラジアル荷重以外は前述のものと全く同様である)。その結果を図13のグラフに示す。なお、図13のグラフにおける200時間回転後の軸受抵抗値は、実施例3の玉軸受の初期の軸受抵抗値(図13においては■印で示してある)を1とした場合の相対値で示してある。
グラフから分かるように、この実施例においては、カーボンブラックの比表面積が125m2 /g以上であれば、200時間回転させた後も良好な軸受抵抗値を示した。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明の転がり軸受は、200℃以上の高温下においても導電性が優れており、内外輪間の導電状態が長期間にわたって良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転がり軸受の一実施形態である玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。
【図2】軸受の電気抵抗値を測定する装置の概略構成図である。
【図3】軸受の回転時間と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図4】グリース中の添加剤の種類による軸受抵抗の最大値を示すグラフである。
【図5】フルオロホスファゼン誘導体の添加量と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図6】カーボンブラックの添加量と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図7】カーボンブラックの比表面積と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図8】カーボンブラックのDBP吸油量と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図9】基油の動粘度と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図10】軸受の回転時間と軸受抵抗値との相関を示すグラフである。
【図11】基油の動粘度と焼付き寿命との相関を示すグラフである。
【図12】カーボンブラックの添加量と軸受抵抗値との相関を示すグラフである。
【図13】カーボンブラックの比表面積と軸受抵抗値との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
10 玉軸受
11 外輪
12 内輪
13 玉
16 玉が内設された空間
G 導電性グリース[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rolling bearing in which a conductive state is established between an outer ring and an inner ring, and in particular, a high temperature part (photosensitive drum (fixing part)) in office equipment and information equipment such as a copying machine and a laser beam printer. It is related with the rolling bearing used suitably for a heat roller support part etc.).
[0002]
[Prior art]
In general office equipment and information equipment such as a copying machine, a large number of rolling bearings are used for the movable parts. An oil film is formed between the raceway surfaces of the inner and outer rings of the rolling bearing and the rolling elements during rotation, and the raceway surfaces and the rolling elements are not in contact with each other. In such a rolling bearing, static electricity is generated along with the rotation, so that there are cases where the radiation noise has an adverse effect such as distortion on a copy image of the copying machine.
[0003]
In order to prevent the occurrence of such inconvenience, the inner and outer race rings and the rolling elements are made conductive by encapsulating conductive grease inside the rolling bearing, and one of the inner and outer race rings is grounded. Thus, a measure is taken to remove static electricity from the rolling bearing.
As the conductive grease, those in which carbon black is added as a thickener and a conductivity-imparting additive have been mainstream (for example, those described in JP-B-63-24038).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, rolling bearings filled with such conductive grease initially show excellent conductivity (the inner and outer races and rolling elements are in a conductive state), but the conductivity decreases with time. As a result, the resistance value between the inner and outer rings of the rolling bearing (hereinafter referred to as the bearing resistance value) may increase. And, as the cause of such a phenomenon, the following was considered.
[0005]
That is, the conductive grease is initially sufficiently present on the contact surface between the raceway surface of the bearing ring and the rolling element of the rolling bearing, and the carbon black in the conductive grease causes the raceway and the rolling element to contact each other. However, due to the relative movement between the race and the rolling elements, the conductive grease is removed from the contact surface over time, and the chain structure of carbon black particles is destroyed. As a result, the conductivity decreases and the bearing resistance value increases with time.
[0006]
In addition, the heat roller support portion and the fixing portion of office equipment such as a copying machine and a laser beam printer may become as high as about 200 ° C. Therefore, the conductive grease used for the rolling bearing used in this part is not sufficient in heat resistance when a normal lubricating oil is used as a base oil, so it is difficult to ensure sufficient conductivity over a long period of time. there were.
[0007]
Usually, examples of the lubricating oil used as the base oil of the conductive grease include mineral oil, poly α-olefin, ether oil, ester oil, etc., but the use limit temperature of these base oils is 160 ° C. at most. is there.
Therefore, the conventional method of removing static electricity using a conductive brush is still used in the rolling bearings used in the high temperature part as described above.
[0008]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, it is an object of the present invention to provide a rolling bearing that solves the above-described problems of the prior art and exhibits excellent conductivity even at high temperatures.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the present invention has the following configuration. That is, the rolling bearing according to the present invention is formed between the outer ring, the inner ring, a plurality of rolling elements that are freely rollable between the outer ring and the inner ring, and between the outer ring and the inner ring. In a rolling bearing comprising a conductive grease filled in a space in which a moving body is provided, the conductive grease comprises a base oil and a thickener mainly composed of at least one of a silicon compound and a fluorine compound. 0.2 to 10% by mass of carbon black.
[0010]
With such a configuration, the rolling bearing has excellent conductivity even at a high temperature of 200 ° C. or higher, and the conductive state between the inner and outer rings is well maintained.
Examples of the base oil include perfluoropolyether (linear type, side chain type), fluorine oil such as fluorophosphazene oil, silicone oil such as methylphenyl silicone and dimethyl silicone, and fluorosilicone. These can be used alone or in combination of two or more. The perfluoropolyether may be one obtained by introducing a carboxyl group or an isocyanate group into the terminal group, or ester-modified or alcohol-modified.
[0011]
The viscosity of the base oil is not particularly limited, but the kinematic viscosity at 40 ° C. is 15 to 700 mm. 2 / S is appropriate. 700mm 2 If it exceeds / s, the thickness of the oil film formed between the raceway surface of the bearing ring of the rolling bearing and the rolling element becomes relatively thick even at high temperatures, so that appropriate conductivity cannot be maintained. 15mm 2 If it is less than / s, the lubricity becomes insufficient, which is not suitable.
[0012]
However, the kinematic viscosity at 40 ° C. of the base oil is 245 mm. 2 If it is less than / s, the seizure life of the rolling bearing under the conditions of high temperature, low speed, and high load, which is the operating environment of a heat roller, etc., may be reduced, so the kinematic viscosity of the base oil at 40 ° C. is 245 ~ 700mm 2 / S is more preferable.
Further, among the thickeners, examples of the fluorine compound include fluorine resins such as polytetrafluoroethylene and polytrifluoroethylene, and examples of the silicon compound include fine powder silica, synthetic mica (fluorine tetrasilicon mica), That is, a layered compound (clay mineral) having solid lubricating performance such as mica and smectite can be used.
[0013]
However, instead of using only a fluorine compound or silicon compound as a thickener, the amount is limited, and by making the carbon black described later coexist with the thickener, the dispersion state of the carbon black is good over time. Can be kept in.
In addition, as long as the object of the present invention is not hindered, a known thickener may be used in combination with the thickener. Examples of known thickeners used in combination include Li soap, silica, Ca soap, Al soap, Li complex soap, Al complex soap, Ca complex soap, polyurea, bentonite and the like.
[0014]
Furthermore, the addition amount of carbon black, which is a conductivity-imparting additive, needs to be 0.2 to 10% by mass with respect to the entire conductive grease. If it is less than 0.2% by mass, sufficient conductivity cannot be obtained, and if it exceeds 10% by mass, the consistency of the conductive grease becomes too large (the conductive grease becomes too hard). The type of carbon black is not particularly limited, but a carbon black rich in oil absorption (DBP oil absorption is 180 ml / 100 g or more) is desirable from the viewpoint of dispersibility. Also, it has lipophilicity and specific surface area is 250m 2 It is preferable to use carbon black as large as / g or more. Specific surface area is 250m 2 If it is less than / g, sufficient conductivity may not be obtained.
[0015]
The mixing ratio of the base oil and the thickener in the conductive grease is not particularly limited as long as the blending ratio is suitable for the application of the rolling bearing and the use temperature thereof. NLGI consistency consistency number is No. 1-No. The third range is selected.
In addition, you may further add at least 1 sort (s) among each additive of an anti-wear additive, an extreme pressure agent, and an oil-based agent to the said conductive grease. If it does so, the said rolling bearing will show more stable electroconductivity over a long period of time at the high temperature of 200 degreeC or more.
[0016]
The functional group which these additives have has an adsorption | suction effect | action with respect to the metal which comprises a track surface etc., Therefore, the said additive is adsorb | sucked to a track surface etc. As a result, the lubricity is enhanced, so that minute damage due to metal contact is prevented from occurring on the raceway surface and the like, and the effect of maintaining conductivity is exhibited.
Usable additives (antiwear additives, extreme pressure agents, oily agents) are limited by their heat resistance and solubility in base oils. However, for example, if a terminal group is introduced with a carboxyl group or an isocyanate group (perfluoropolyether, fluorine oil, etc.), or ester-modified or alcohol-modified (same as above) as a base oil, the additive This is preferable because of its high affinity.
[0017]
Examples of the antiwear additive used include organic phosphorus compounds. Examples of the organic phosphorus compound include a general formula (RO) Three Orthophosphate represented by PO (tricresyl phosphate (TCP), trioctyl phosphate (TOP), etc.), general formula (RO) 2 Phosphite diester represented by P (O) H and general formula (RO) Three And phosphites such as phosphorous acid triesters represented by P. In addition, said R shows an alkyl group, an aryl group, and an alkylaryl group.
[0018]
Moreover, as extreme pressure agents, Zn-DTP (zinc dithiophosphate), DTP metal compounds such as Mo-DTP (molybdenum dithiophosphate), Ni-DTC (nickel dithiocarbamate), Mo-DTC (molybdenum dithiocarbamate), etc. Examples thereof include DTC metal compounds, organometallic compounds containing sulfur, phosphorus, chlorine and the like.
Furthermore, examples of the oily agent include amine compounds and organic fatty acid compounds such as oleic acid and succinic acid ester.
[0019]
In addition to these additives, layered compounds such as nitrite, benzotriazole / MgO, Ca sulfonate, fluorophosphazene derivatives, mica, MoS 2 Such a solid lubricant can be used in combination. However, since the compatibility and solubility with the fluorine oil are poor, the effect is poor even when used in an amount of 10% by mass or more.
Furthermore, it is preferable that 0.05 to 7% by mass of fine particles of an inorganic compound having an average particle size of 2 μm or less are added to the conductive grease with respect to the entire conductive grease. Then, even if an oxide film is formed or an organic substance such as a decomposition product of the conductive grease is adsorbed and fixed on the raceway surface of the inner ring and the outer ring or the rolling surface of the rolling element, the inner ring And since the raceway surface of the outer ring and the rolling surface of the rolling element are microscopically polished by the fine particles of the inorganic compound, in other words, a state of being superfinished by the fine particles of the inorganic compound, A new surface always appears on the raceway surface of the inner ring and the outer ring and the rolling surface of the rolling element, and a low electrical resistance value is maintained over a long period of time.
[0020]
The particle size of the fine particles of the inorganic compound needs to be a particle size that does not hinder the rolling bearing grease composition. In rolling bearings, particles with a particle size exceeding about 2 μm generally act as foreign matter (dust), and hard particles promote wear on the raceway and rolling surface, causing early damage to the bearing. Become. In addition, the acoustic characteristics of the bearing may be deteriorated. Therefore, the fine particles of the inorganic compound need to have an average particle size of 2 μm or less.
[0021]
The lower limit of the average particle diameter is not particularly limited, but the smallest average particle diameter among the currently available inorganic compound fine particles is 0.05 μm, and the above action is sufficient up to 0.05 μm. It has been confirmed that
Furthermore, considering the lubrication life and the suppression of oxide film formation, it is desirable that the particle size be approximately the same as the film thickness of the base oil film. The shape of the particles is preferably closer to a sphere, but may be a polyhedron (such as a cube or a rectangular parallelepiped) or extremely acicular as long as it is within the above particle size range.
[0022]
The amount of the inorganic compound fine particles added to the entire conductive grease is preferably 0.05 to 7% by mass. If it is less than 0.05% by mass, the effect of suppressing the formation of an oxide film is small, and if it exceeds 7% by mass, wear increases and the acoustic characteristics and rotational performance of the rolling bearing may be degraded.
The kind of the inorganic compound is not particularly limited as long as the oxide film formed on the metal surface or the organic substance adhered thereto can be microscopically polished as described above. As a specific example, SiO 2 , Al 2 O Three , MgO, TiO 2 , ZnO, ZrO 2 , Metal oxides such as lead zirconate titanate (PZT, partially stabilized zirconia), (synthetic) clay minerals such as bentonite, smectite, mica, Si Three N Four , ZrN, CrN, TiAlN and other metal nitrides, SiC, TiC, WC and other metal carbides.
[0023]
In addition, in order to improve the affinity with the base oil or the thickener, the surface of the fine particles of the inorganic compound may be modified to be lipophilic.
Furthermore, a rust inhibitor may be applied to the raceway surface and the rolling surface in order to suppress formation of an oxide film and rusting on the raceway surface and the rolling surface at a high temperature. By doing so, the conductivity of the rolling bearing is more stably maintained even at a high temperature of 200 ° C. or higher. The type of rust inhibitor used is not particularly limited. For example, fluorine-based rust preventive oils in general and fluorine derivatives (terminal groups modified to hydroxyl groups, isocyanate groups, ester groups, carboxyl groups, etc.) Perfluoropolyether etc.) and the like.
[0024]
In addition, it is preferable that a contact seal made of conductive rubber containing carbon black or the like is disposed between the inner and outer rings in the rolling bearing of the present invention because the conductivity can be further increased.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of a rolling bearing according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a partial longitudinal sectional view showing the structure of a
The
[0026]
A
The conductive grease G lubricates the contact surfaces of the
[0027]
In this conductive grease G, perfluoropolyether is used as a base oil, polytetrafluoroethylene (PTFE) is used as a thickener, and carbon black is added as a conductivity-imparting additive. 2 to 10% by mass) and has conductivity. The types of base oil and thickener are not limited to those described above, and can be changed as appropriate. For example, the thickener may be a silicon compound.
[0028]
Since such a conductive grease G has excellent lubricity as well as conductivity, metal contact between the raceway surfaces 11a and 12a of the
[0029]
The
Such a
[0030]
Therefore, since the
In addition, this embodiment shows an example of this invention and this invention is not limited to this embodiment.
[0031]
For example, in the present embodiment, a deep groove ball bearing has been described as an example of a rolling bearing. However, the rolling bearing of the present invention can be applied to various types of rolling bearings. For example, radial ball bearings, cylindrical roller bearings, tapered roller bearings, needle roller bearings, self-aligning roller bearings and other radial type rolling bearings, and thrust type ball bearings and thrust roller bearings such as thrust roller bearings.
[0032]
Next, the results of various tests performed on several types of ball bearings (Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 to 3) having substantially the same configuration as the above-described
The dimensions of the test bearing are an inner diameter of 30 mm, an outer diameter of 42 mm, and a width of 7 mm. In a space surrounded by the outer ring, the inner ring and the shield, conductive grease in an amount of 28 to 41% of the space volume is enclosed. And this electrically conductive grease is comprised from the base oil shown in Table 1, a thickener, and carbon black (conductivity provision additive).
[0033]
[Table 1]
[0034]
The bearings of Examples 1 and 2 use polytetrafluoroethylene (PTFE) and carbon black (CB) as a thickener for conductive grease. The amount of CB used is 5% by mass of the entire conductive grease. In Example 1, the base oil is perfluoropolyether, and in Example 2, the base oil is fluorosilicone.
The bearing of Comparative Example 1 is almost the same as that of Example 1, but the grease does not contain CB and does not have conductivity. Further, the bearing of Comparative Example 2 is an example using a conventionally known thickener without using a silicon compound or a fluorine compound as a thickener for the conductive grease. Furthermore, the bearing of Comparative Example 3 is an example in which only CB is used as a thickener for conductive grease.
[0035]
Such a ball bearing is subjected to 100 min at a high temperature of 180 ° C. under a load of Fr = 19.6 N. -1 And rotated for 400 hours. And after completion | finish of rotation, the acoustic test was done with the andrometer and the damage of the ball bearing was checked. The results are shown in Table 1. In Table 1, the result of the acoustic test was good, and the bad one was shown as x.
[0036]
Moreover, the electrical resistance value (bearing resistance value) between the inner and outer rings when the bearing was rotating was measured. The bearing resistance value was measured for 200 hours and 400 hours of rotation at the above-mentioned high temperature, and the degree of change in conductivity with time was evaluated.
First, an apparatus for measuring a bearing resistance value will be described with reference to the schematic configuration diagram of FIG.
[0037]
In FIG. 2,
[0038]
The
[0039]
The
[0040]
In this embodiment, the unit time for counting the wave number is set to 0.328 seconds.
The
Next, a method for evaluating the electrical resistance value of the
[0041]
A predetermined constant voltage is applied between the inner and
[0042]
With respect to the five types of bearings (Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 to 3), the electrical resistance value (maximum value) between the rotating inner and
The measurement conditions are shown below.
・ Rotational speed of shaft member 2: 100 rpm
・ Radial load applied to the bearing 1 (Fr): 19.6 N
・ Applied voltage: 6.2V
・ Maximum current: 100μA
・ Series resistance: 62kΩ
・ Atmosphere temperature: 40 ℃
-Atmospheric humidity: 50% RH
・ Sampling period: 50 kHz, 0.328 seconds
The measurement results are shown in the graph of FIG. In the graph of FIG. 3, Example 1 is indicated by ♦, Example 2 is indicated by ■, Comparative Example 1 is indicated by ▲, Comparative Example 2 is indicated by ×, and Comparative Example 3 is indicated by ◯.
[0043]
As can be seen from the graph of FIG. 3, the maximum value of the bearing resistance in the initial stage (rotation time 0 h) is small for any one containing carbon black. On the other hand, Comparative Example 1 using grease containing no carbon black has a large maximum value of bearing resistance. Such a bearing is easily charged with static electricity generated by rotation, so that when the bearing is used in a copying machine or printer, the radiation noise of the static electricity has an adverse effect such as distortion on an image system (copy image of a copying machine, etc.). May cause effects.
[0044]
Moreover, since the comparative example 2 does not use a silicon compound or a fluorine compound as a thickener, the heat resistance of the conductive grease is insufficient, and when the environmental temperature reaches 180 ° C., the conductive grease is severely deteriorated. The bearing resistance increased due to damage to the bearing raceway surface and oxide film formation. Moreover, the result of the acoustic test was also poor.
In addition, if the thickener depends only on the carbon black that is the source of conductivity as in Comparative Example 3, the conductivity is good, but the network structure of carbon black is easily broken, so that grease leakage and oil separation occur. It is easy to cause. Further, since the carbon black particles are solid, the bearing raceway surface is liable to be damaged and the acoustic life is short.
[0045]
Next, the result of measuring the bearing resistance value of the ball bearing in the case of using conductive grease added with various additives will be described. It was rotated at a high temperature for 200 hours as described above, and then the maximum value of the bearing resistance was measured as described above.
The additive used was sodium nitrite (NaNO 2 ), MoS 2 , Synthetic mica and fluorophosphazene derivatives. The amount added is 2.5% by mass of the entire conductive grease. The configuration of the test bearing is the same as that of Example 1 except that such an additive is added.
[0046]
The results are shown in the graph of FIG. As can be seen from the graph, when the additive was added, the maximum value of the bearing resistance was smaller than that without the additive. Particularly, the fluorophosphazene derivative had a small maximum value of bearing resistance.
Therefore, the maximum value of the bearing resistance was evaluated by changing the amount of the fluorophosphazene derivative added. The results are shown in the graph of FIG. The addition amount is not particularly limited, but is preferably 10% by mass or less from the viewpoint of solubility.
[0047]
Next, the result of evaluating the maximum value of bearing resistance by changing the amount of carbon black added will be described. It was rotated at a high temperature for 200 hours as described above, and then the maximum value of the bearing resistance was measured as described above. The configuration of the test bearing is the same as that of Example 1 except that the amount of carbon black added is different.
The results are shown in the graph of FIG. As can be seen from the graph, carbon black is effective even with a very small amount. Therefore, it can be made to coexist with the original thickener (silicon compound or fluorine compound), and it is considered that the coexistence state of carbon black can be kept good with time.
[0048]
Further, in order to make the consistency of the grease moderate, the addition amount of carbon black is suitably 10% by mass or less. Beyond that, the grease becomes too hard. In addition, in order to ensure sufficient electroconductivity, it is necessary to add 0.2 mass% or more.
Next, the result of evaluating the maximum value of the bearing resistance by changing the specific surface area (value by nitrogen adsorption method) of the carbon black to be used will be described. It was rotated at a high temperature for 200 hours as described above, and then the maximum value of the bearing resistance was measured as described above. The configuration of the test bearing is the same as that of the bearing of Example 1 except that the specific surface area of carbon black is different.
[0049]
The results are shown in the graph of FIG. As can be seen from the graph, the specific surface area of carbon black is 250m. 2 / G or more is preferable.
Next, the result of evaluating the maximum value of the bearing resistance by changing the DBP oil absorption amount (value by dibutyl phthalate upsorbometer) of the carbon black to be used will be described. It was rotated at a high temperature for 200 hours as described above, and then the maximum value of the bearing resistance was measured as described above. The configuration of the test bearing is the same as that of the bearing of Example 1 except that the carbon black has a different DBP oil absorption.
[0050]
The results are shown in the graph of FIG. As can be seen from the graph, the DBP oil absorption of carbon black is preferably 180 ml / 100 g or more.
Next, the result of evaluating the maximum value of the bearing resistance by changing the kinematic viscosity at 40 ° C. of the base oil to be used will be described. It was rotated at a high temperature for 200 hours as described above, and then the maximum value of the bearing resistance was measured as described above. The configuration of the test bearing is the same as that of Example 1 except that the kinematic viscosity of the base oil at 40 ° C. is different.
[0051]
The results are shown in the graph of FIG. As can be seen from the graph, the kinematic viscosity of the base oil at 40 ° C. is 15 to 700 mm. 2 / S is preferable.
Next, it is the structure substantially the same as the
[0052]
[Table 2]
[0053]
That is, the bearings of Examples 3 to 6 use synthetic mica and carbon black (CB) as a thickener for conductive grease. The bearing of Comparative Example 4 is an example in which only CB is used as a thickener for conductive grease. Note that magnesia (MgO), which is a fine particle of an inorganic compound, is added as an abrasive to the conductive grease of the bearing of Example 5. The average particle size of this magnesia is 0.1 μm, and the amount added is 0.5 mass% with respect to the entire conductive grease. Further, a rust preventive agent is applied to the raceway surface and the rolling surface of the bearing of Example 4.
[0054]
First, the seizure life of these ball bearings was evaluated. The dimensions of the test bearing are an inner diameter of 30 mm, an outer diameter of 42 mm, and a width of 7 mm. In a space surrounded by the outer ring, the inner ring and the shield, conductive grease having an amount of 25% of the space volume is enclosed. And such a ball bearing is made for 150 min at a high temperature of 230 ° C. under a load of Fa = 490 N and Fr = 98 N. -1 (Hereinafter, this test condition is referred to as condition 1). The seizure life was evaluated based on the temperature rise and the torque increase. The results are also shown in Table 2. In addition, the numerical value of the seizure life in Table 2 is shown as a relative value when the seizure life of Example 3 is 1.
[0055]
As can be seen from Table 2, the ball bearings of Examples 3 to 6 had a better seizure life than the ball bearing of Comparative Example 4.
Next, for the bearings of Examples 3 to 6 and Comparative Example 4, the degree of change in conductivity over time was evaluated. That is, the bearing resistance value was measured using the apparatus for measuring the bearing resistance value shown in FIG. 2 while rotating the bearing for a predetermined time under the
[0056]
In the graph of FIG. 10, the results of Example 3 are marked with ♦, the results of Example 4 are marked with ■, the results of Example 5 are marked with ▲, the results of Example 6 are marked with ◯, and the results of Comparative Example 4 are shown. Is indicated by a cross. Further, the bearing resistance value in the graph of FIG. 10 is shown as a relative value when the initial bearing resistance value in Example 3 (
As can be seen from the graph of FIG. 10, since the ball bearings of Examples 3 to 6 have synthetic mica as a thickener, the bearing resistance value increases with time as compared with the ball bearing of Comparative Example 4. small.
[0057]
Next, with respect to the ball bearing of Example 3, the kinematic viscosity of the base oil of the conductive grease was changed variously to evaluate the seizure life. The result is shown in the graph of FIG. In the graph of FIG. 11, the ▪ mark indicates the test result under the above-mentioned
[0058]
In addition, the numerical value of the seizure life in the graph of FIG. 11 is that the kinematic viscosity of the base oil is 390 mm. 2 The relative value when the result of testing under
As can be seen from the graph of FIG. 11, under
[0059]
Next, with respect to the ball bearing of Example 3, the amount of carbon black added was changed to evaluate the bearing resistance value.
The dimensions of the ball bearing in this test are an inner diameter of 8 mm, an outer diameter of 22 mm, and a width of 7 mm. In a space surrounded by the outer ring, the inner ring and the shield, 25% of the volume of conductive grease is enclosed.
[0060]
Such a ball bearing is subjected to 150 min at a high temperature of 200 ° C. under a load of Fr = 19.6 N. -1 The bearing resistance value was measured using the apparatus for measuring the bearing resistance value shown in FIG. 2 while rotating at a rotational speed of 100 hours. Is). The result is shown in the graph of FIG. In addition, the bearing resistance value after 100 hours rotation in the graph of FIG. 12 is a relative value when the initial bearing resistance value of the ball bearing of Example 3 (indicated by ■ in FIG. 12) is 1. It is shown.
[0061]
As can be seen from the graph, carbon black was effective even when added in a very small amount, and when the addition was 0.2% by mass or more, a good bearing resistance value was exhibited even after rotation for 100 hours.
Next, for the ball bearing of Example 3, the bearing resistance value was evaluated by changing the specific surface area of carbon black (value by nitrogen adsorption method).
[0062]
While the ball bearing was rotated for 200 hours under the
As can be seen from the graph, in this example, the specific surface area of carbon black is 125 m. 2 / G or more, a good bearing resistance value was exhibited even after 200 hours of rotation.
[0063]
【The invention's effect】
As described above, the rolling bearing of the present invention has excellent conductivity even at a high temperature of 200 ° C. or higher, and the conductive state between the inner and outer rings is well maintained over a long period of time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial longitudinal sectional view showing a structure of a ball bearing which is an embodiment of a rolling bearing according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram of an apparatus for measuring an electrical resistance value of a bearing.
FIG. 3 is a graph showing the correlation between the rotation time of a bearing and the maximum value of bearing resistance.
FIG. 4 is a graph showing the maximum value of bearing resistance depending on the type of additive in grease.
FIG. 5 is a graph showing the correlation between the addition amount of a fluorophosphazene derivative and the maximum value of bearing resistance.
FIG. 6 is a graph showing the correlation between the amount of carbon black added and the maximum value of bearing resistance.
FIG. 7 is a graph showing the correlation between the specific surface area of carbon black and the maximum value of bearing resistance.
FIG. 8 is a graph showing the correlation between the DBP oil absorption of carbon black and the maximum value of bearing resistance.
FIG. 9 is a graph showing the correlation between the kinematic viscosity of the base oil and the maximum value of bearing resistance.
FIG. 10 is a graph showing a correlation between a bearing rotation time and a bearing resistance value.
FIG. 11 is a graph showing the correlation between the kinematic viscosity of a base oil and the seizure life.
FIG. 12 is a graph showing the correlation between the amount of carbon black added and the bearing resistance value.
FIG. 13 is a graph showing the correlation between the specific surface area of carbon black and the bearing resistance value.
[Explanation of symbols]
10 Ball bearing
11 Outer ring
12 inner ring
13 balls
16 Space with balls
G conductive grease
Claims (4)
前記導電性グリースは、パーフルオロポリエーテル及びフルオロシリコーンの少なくとも一方からなる基油と、雲母,スメクタイト,及びフッ素化合物のうちの少なくとも1種からなる増ちょう剤と、カーボンブラック0.2〜10質量%と、前記内輪及び前記外輪の軌道面並びに前記転動体の転動面を研磨して新生面を出現させ低い電気抵抗値を維持するための平均粒径2μm以下の無機化合物の微粒子0.05〜7質量%と、を備えることを特徴とする転がり軸受。An outer ring, an inner ring, a plurality of rolling elements that are freely rollable between the outer ring and the inner ring, and a space that is formed between the outer ring and the inner ring and in which the rolling elements are installed. In a rolling bearing provided with filled conductive grease,
The conductive grease comprises a base oil composed of at least one of perfluoropolyether and fluorosilicone, a thickener composed of at least one of mica, smectite, and a fluorine compound, and carbon black of 0.2 to 10 mass. %, An inorganic compound fine particle having an average particle diameter of 2 μm or less for polishing a raceway surface of the inner ring and the outer ring and a rolling surface of the rolling element to make a new surface appear and maintain a low electric resistance value. A rolling bearing comprising 7% by mass .
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