JP4599686B2 - 生物汚泥の攪拌装置及びオゾン処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生物汚泥の攪拌装置に係り、特に、生物汚泥含有液を受け入れて、該生物汚泥含有液をタービン翼攪拌機で攪拌する生物汚泥の攪拌装置において、タービン翼への繊維等の絡み付きの問題が殆どなく、長期に亘り安定に運転を継続することができる生物汚泥の攪拌装置に関する。特に、本発明は生物汚泥含有液にオゾン含有ガスを接触させ、生物汚泥を減容化するために用いられる生物汚泥のオゾン処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機性排液の好気性又は嫌気性処理等の生物処理では、活性汚泥、消化汚泥のような生物汚泥が発生する。この汚泥は生物学的に安定であるため、更に生物処理により滅容化することが困難である上に、難脱水性であるため脱水等による処理も困難である。このため、このような生物汚泥を滅容化するために、生物汚泥をオゾン処理して汚泥の細胞を破壊して易生物分解性に改質した後、元の生物処理装置に戻して生物処理することが行われている。
【0003】
従来、この生物汚泥のオゾン処理には、被処理汚泥含有液とオゾン含有ガスとを反応させるための反応槽と、この反応を促進するために槽内を攪拌する攪拌機とを備えたオゾン処理装置が用いられており、特開平11―90496号公報には、このようなオゾン処理装置において、反応効率を高めるために槽内を加圧する加圧手段を設けた装置が提案されている。
【0004】
しかして、従来のオゾン処理装置に設けられている攪拌機は、図2(a)(平面図),(b)(正面図)に示す如く、ディスク1と、このディスク1に立設され、略放射方向に延在した複数の矩形板状の羽根2とを有したディスクタービン翼である。なお、図2中、3は攪拌軸(シャフト)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示す如く、矩形板状の羽根2を設けた従来のディスクタービン翼では、生物汚泥のオゾン処理に当たり、羽根2のディスク1への取付部(図2(b)のS部)に生物汚泥のし渣や繊維等が絡み付き、これによりディスクタービン翼の回転が不安定となるため、定期的に或いは必要に応じて装置の運転を停止して絡み付いた繊維等を除去する必要があった。
【0006】
同様の問題はオゾン処理装置に限らず、生物汚泥含有液を受け入れてタービン翼で攪拌する生物汚泥の攪拌装置でも生じており、特に生物汚泥に繊維などの夾雑物が多く含まれる場合に顕著である。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決し、ディスクタービン翼への繊維等の絡み付きの問題が殆どなく、長期に亘り安定に運転を継続することができる生物汚泥の攪拌装置及びオゾン処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の生物汚泥の攪拌装置は、生物汚泥含有液を受け入れて、該生物汚泥を攪拌する、タービン翼攪拌機を有する生物汚泥の攪拌装置において、該攪拌機としてのタービン翼は、ディスクと、該ディスクに立設され、略放射方向に延在した羽根とを有したディスクタービン翼であって、該羽根のディスク軸心側の辺縁がディスク面に近づくほどディスク軸心に接近するように該軸心に対して傾斜角45〜60°で傾斜していることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の生物汚泥のオゾン処理装置は、生物汚泥含有液を受け入れて、該生物汚泥含有液にオゾン含有ガスを接触させる、タービン翼攪拌機を有する生物汚泥のオゾン処理装置において、該攪拌機としてのタービン翼は、ディスクと、該ディスクに立設され、略放射方向に延在した羽根とを有したディスクタービン翼であって、該羽根のディスク軸心側の辺縁がディスク面に近づくほどディスク軸心に接近するように該軸心に対して傾斜角45〜60°で傾斜していることを特徴とする。
【0010】
本発明の攪拌装置及びオゾン処理装置のディスクタービン翼に設けられた羽根は、ディスク軸心側の辺縁がディスク面に近づくほどディスク軸心に接近するように傾斜している、即ち、繊維等が絡み付き易い、ディスク面への羽根の立設部が傾斜面とされているため、この部分への繊維等の絡み付きが防止される。
【0011】
なお、以下において、本発明に係るディスクタービン翼の羽根の、傾斜しているディスク軸心側の辺縁部分を「傾斜辺」と称する場合がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下にオゾン処理装置について図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
なお、オゾンガスの供給を省略すれば、以下の説明は本発明の生物汚泥の攪拌装置の説明となる。
【0014】
図1(a),(b)は本発明の生物汚泥のオゾン処理装置に設けられる攪拌機としてのディスクタービン翼の実施の形態を示す図であって、(a)図は平面図、(b)図は正面図である。図3はこのようなディスクタービン翼が設けられた本発明の生物汚泥のオゾン処理装置の実施の形態を示す構成図である。
【0015】
このディスクタービン翼は、ディスク1と、このディスク1に立設され、略放射方向に延在した複数枚(図1では4枚)の羽根4とを有し、羽根4のディスク軸心(攪拌軸3)側の辺縁がディスク面に近づくほどディスク軸心に接近するように傾斜した傾斜辺4Aとなっている。
【0016】
このように、羽根4のディスク1への取り付け部の立ち上がり部分が傾斜辺4Aとされたディスクタービン翼であれば、繊維等が引っ掛かり難く、このため繊維等の絡み付きが防止される。
【0017】
本発明に係るディスクタービン翼において、羽根の枚数には特に制限はなく、通常の場合、4〜8枚程度の羽根が均等位置に設けられる。また、各部の寸法等についても特に制限はないが、一般的には、次のような範囲とするのが好ましく、オゾン反応槽内でのディスクタービン翼の回転数は300〜700rpmの範囲とするのが好ましい。
【0018】
なお、本発明の生物汚泥のオゾン処理装置は、攪拌機として、図1に示すようなディスクタービン翼が設けられていること以外は従来のオゾン処理装置と同様の構成とされるが、本発明は特に0.05〜0.5MPa、好ましくは0.1〜0.2MPaの加圧下で生物汚泥含有液にオゾン含有ガスを接触させるオゾン処理装置であることが好ましい。
【0019】
図3に図1の攪拌装置を有する本発明のオゾン処理装置を示す。
【0020】
図3において、生物汚泥含有液は被処理汚泥路11からオゾン反応槽12内に導入される。オゾン反応槽12にはオゾン発生機13からオゾン注入路14を通してオゾンが供給され、生物汚泥含有液はオゾン反応槽12内でモータ15で回転される攪拌装置16により攪拌され、オゾン含有ガスと接触し、処理汚泥路17から排出される。
【0021】
なお、図2に示す攪拌機が設けられた従来の生物汚泥のオゾン処理装置(反応槽内径45cm)の攪拌機を図1に示す本発明に係る攪拌機(各部の寸法は以下の通り)に交換し、回転数500rpmで0.12MPaの加圧下に生物汚泥含有液のオゾン処理を行ったところ、従来にあっては、30〜60日に1回の頻度で装置の運転を停止して攪拌機に絡み付いた繊維等を除去する必要があったが、攪拌機を交換することにより300日以上繊維等の絡み付きの問題もなく、安定に運転を継続することができた。
[攪拌機寸法等]
羽根枚数:4枚
羽根外径D:18cm
ディスク径d:13cm
羽根の板厚=4mm
羽根高さH2:4cm
羽根長さL2:5cm
傾斜角θ:45°
L1/L2=0.5
H1/H2=0.5
【0022】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の生物汚泥のオゾン処理装置は、ディスクタービン翼への繊維等の絡み付きの問題が殆どないため、長期に亘り安定に運転を継続することができ、装置の稼動効率及び処理効率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物汚泥の攪拌装置及びオゾン処理装置に設けられる攪拌機としてのディスクタービン翼の実施の形態を示す図であって、(a)図は平面図、(b)図は正面図である。
【図2】従来のオゾン処理装置のディスクタービン翼を示す図であって、(a)図は平面図、(b)図は正面図である。
【図3】本発明の生物汚泥のオゾン処理装置の実施の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2,4 羽根
3 攪拌軸
11 被処理汚泥路
12 オゾン反応槽
13 オゾン発生機
14 オゾン注入路
15 モータ
16 攪拌装置
17 処理汚泥路
Claims (2)
- 生物汚泥含有液を受け入れて、該生物汚泥を攪拌する、タービン翼攪拌機を有する生物汚泥の攪拌装置において、
該攪拌機としてのタービン翼は、ディスクと、該ディスクに立設され、略放射方向に延在した羽根とを有したディスクタービン翼であって、
該羽根のディスク軸心側の辺縁がディスク面に近づくほどディスク軸心に接近するように該軸心に対して傾斜角45〜60°で傾斜していることを特徴とする生物汚泥の攪拌装置。 - 生物汚泥含有液を受け入れて、該生物汚泥含有液にオゾン含有ガスを接触させる、タービン翼攪拌機を有する生物汚泥のオゾン処理装置において、
該攪拌機としてのタービン翼は、ディスクと、該ディスクに立設され、略放射方向に延在した羽根とを有したディスクタービン翼であって、
該羽根のディスク軸心側の辺縁がディスク面に近づくほどディクス軸心に接近するように該軸心に対して傾斜角45〜60°で傾斜していることを特徴とする生物汚泥のオゾン処理装置。
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