JP4599647B2 - Multilayer film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イージーピール性を示すにもかかわらず、耐熱性、透明性に優れたものとなる多層フィルムに関するものである。
【0002】
ここで、本発明においてイージーピール性とは、ヒートシール時の溶着条件を変化することにより、実質的に剥離開封が困難な強シール部分と容易に剥離開封ができる弱シール部分とを選択的に形成できる性質をいう。
【0003】
【従来の技術】
1つのプラスチック製容器内に隔離手段を設け、複数の薬液及び/又は薬剤を使用直前に前記隔離手段を開放し容器内で無菌的に混合して使用できる医療用容器は、高カロリー輸液剤等に多用されている。これらは、輸液剤等の互いに反応する成分を隔離でき、混合する薬品の種類や量を誤らないこと、混合時の汚染を防止できること等の利点より、複室容器として多数の製品が市販されている。
【0004】
そして、医療用複室容器の隔離手段としては、隔離部の密封性が良く、剥離操作が容易であり、万が一に隔離手段が破損しても発見が容易であり、かつ、生産性に優れることから、イージーピール性のヒートシール部が広く採用されている。
【0005】
イージーピール性のヒートシール部としては、内層により引張強度の低いポリエチレン樹脂を使用する方法(特開昭63−19419号公報)、少なくとも溶融開始温度が異なる2種類以上のポリオレフィン系の樹脂からなる樹脂組成物を使用する方法(特開平2−4671号公報)、ミクロ層分離構造を有する可撓性合成樹脂を使用する方法(特開平5−31153号公報)等が提案されている。
【0006】
そして、その中でも直鎖状低密度ポリエチレン及びポリプロピレンからなる組成物は、強度および耐熱性にも優れるため、イージーピール性のヒートシール部材として広く採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のいずれの方法に於いても、高温加熱時の耐熱性と透明性およびイージーピール性をバランス良く備えたものは提案されていないのが現状であり、高温加熱処理を行ってもイージーピール性を示し、透明性が損なわれず、耐熱性に優れ、シワや変形が生じたりないような多層フィルムの出現が望まれていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、これらの従来の欠点を解消したものであり、高温加熱処理を行ってもシワや変形がなく耐熱性に優れ、しかも、透明性に優れた多層フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題に関し鋭意検討した結果、内層が特定のエチレン・α−オレフィン共重合体とポリプロピレン系樹脂からなる樹脂組成物からなり、外層の少なくとも一層が特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と特定の高圧法低密度ポリエチレンからなる樹脂組成物からなるインフレーション成形によって得られた多層フィルムが優れたイージーピール性を示し、耐熱性および透明性を付与することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明は、内層がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合してなる下記(1)〜(4)の特性を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)90〜50重量%とポリプロピレン系樹脂(B)10〜50重量%からなる樹脂組成物からなり、外層の少なくとも一層がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合してなる下記(5)〜(8)の特性を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(C)95〜50重量%と下記(9)〜(12)の特性を満足する高圧法低密度ポリエチレン(D)5〜50重量%からなる樹脂組成物からなることを特徴とするチューブ状の多層フィルムに関するものである。
【0011】
(1)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.945g/cm3、
(2)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜20g/10分、
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜5、
(4)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(5)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.960g/cm3、
(6)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜10g/10分、
(7)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜5、
(8)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(9)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.935g/cm3、
(10)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜30g/10分、
(11)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜8、
(12)190℃で測定した溶融張力が3〜20g
である。
【0012】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の多層フィルムは、内層がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合してなる下記(1)〜(4)の特性を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)90〜50重量%とポリプロピレン系樹脂(B)10〜50重量%からなる樹脂組成物からなり、外層の少なくとも一層がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合してなる下記(5)〜(8)の特性を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(C)95〜50重量%と下記(9)〜(12)の特性を満足する高圧法低密度ポリエチレン(D)5〜50重量%からなる樹脂組成物からなるものである。
【0014】
(1)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.945g/cm3、
(2)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜20g/10分、
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜5、
(4)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(5)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.960g/cm3、
(6)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜10g/10分、
(7)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜5、
(8)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(9)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.935g/cm3、
(10)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜30g/10分、
(11)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜8、
(12)190℃で測定した溶融張力が3〜20g
ここで、本発明の多層フィルムの成形方法としては、特に制限はなく一般的に知られている方法でよく、例えば水冷式または空冷式インフレーション成形、ブロー成形、チューブ成形、回転成形、射出成形、射出(2軸延伸)ブロー成形等の成形法が用いられる。そして、特に衛生性、透明性などに優れることから水冷インフレーション成形が好ましい。
【0015】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)及び(C)を構成する炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、3−メチル−ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1などが挙げられ、これらの2種類以上を併用しても差し支えない。
【0016】
また、本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)及び(C)は、前記に示した特性を満足していればその製造方法等については特に制限はなく、例えば触媒系として、チタン系の遷移金属を主体とするチーグラー型触媒、クロム系触媒を主体とするフィリップス触媒、メタロセン等を主体とするカミンスキー型触媒などのいずれの触媒系を使用して製造することがでる。そして、本発明において用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)および(C)としては、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(以下、Mw/Mnという。)が1.5〜5の範囲であるエチレン・α−オレフィン共重合体が得やすく、特にエチレンとα−オレフィンの組成分布が均一であることから得られるインフレーション多層フィルムの機械的強度が優れることからメタロセン等を主体とするカミンスキー型触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。また、特に50℃におけるn−ヘプタン抽出量の少ないエチレン・α−オレフィン共重合体が得やすいことから、特開平4−309505号公報に記載の触媒系により製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
【0017】
そして、カミンスキー型触媒としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属を主体とする遷移金属化合物(メタロセン)と有機金属化合物あるいは遷移金属化合物と反応して安定アニオンとなるイオン化合物との組み合わせからなる一般的に知られている物を用いることができる。また、カミンスキー型触媒は、1種または2種以上を混合して使用しても差し支えない。具体的なカミンスキー型触媒を挙げると、遷移金属化合物として、例えばビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド等、有機金属化合物として、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等、遷移金属化合物と反応して安定アニオンとなるイオン化合物として、例えばリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等からなるものが挙げられる。
【0018】
また、その際の重合方法としては特に制限はなく、一般的な重合方法である気相法、スラリー法、溶液法、高圧法などいずれでも差し支えない。そして、特に50℃におけるn−ヘプタン抽出量を抑えたエチレン・α−オレフィン共重合体を得やすいことからスラリー法が好ましい。また、1段または2段以上の多段重合されたものでも、2種類以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を機械的にブレンドすることによっても製造できる。
【0019】
本発明の多層フィルムの内層は、前記(1)〜(4)の特性を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)90〜50重量%とポリプロピレン系樹脂(B)10〜50重量%からなる樹脂組成物よりなるものである。
【0020】
そして、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、JIS K6760−1981を準拠し測定したその密度範囲が0.920〜0.945g/cm3の範囲であり、0.925〜0.945g/cm3の範囲が好ましく、0.925〜0.940g/cm3の範囲であることがより好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度が0.920g/cm3未満である場合、得られる多層フィルムの耐熱性が悪くなり、加熱処理を行った際にブロッキングや変形、肌荒れが生じるという問題がある。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度が、0.945g/cm3を超える場合、得られる多層フィルムの透明性が悪くなる。
【0021】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、JIS K7210−1976を準拠して190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレート(以下、MFRという。)が0.1〜20g/10分の範囲である。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMFRが0.1g/10分未満の場合、樹脂組成物とした際の流動性が悪く、多層フィルムを製造する際の加工性が悪くなる。一方、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMFRが20g/10分を超える場合、溶融張力が低下するため同様に加工性が悪くなる。
【0022】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定したMw/Mnが1.5〜5の範囲である。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMw/Mnが5を超える場合、分子量分布が広くなり耐熱性に劣る低分子量成分が増加するため得られる多層フィルムの耐熱性が悪化したり、加熱処理を行った後の失透が大きくなり透明性が悪化する。一方、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMw/Mnが1.5より小さい場合、分子量分布が狭く流動性に劣るため、多層フィルムを成形する際の成形性に劣る。そして、本発明におけるMw/Mnの測定条件としては、ゲル・パーミエーション・クラマトグラフィーとして、カラムに東ソー(株)製(商品名GMHHR−H(S))を設置したウオーターズ製(商品名150C ALC/GPC)を用い、溶媒として1,2,4−トリクロロベンゼンを使用し、標準ポリスチレン換算より求めた重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より求めたものである。
【0023】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、50℃におけるn−ヘプタン抽出分量は0.2wt%以下である。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%を超える場合、耐熱性に劣る低分子量成分が増加するため、得られた多層フィルムの加熱処理を行った際に表面へのブリードが起こり透明性が悪化したりブロッキングが発生するという問題を有する。
【0024】
本発明の多層フィルムの内層に用いる樹脂組成物を構成するポリプロピレン系樹脂(B)としては、一般的にポリプロピレン系樹脂と称されているものであればいかなるものも用いることが可能であり、例えばプロピレン単独重合体(ホモポリマー)、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体(ランダムコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマー等)等が挙げられ、さらに、ポリプロピレン系樹脂と50重量%以下の結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・ブタジエン・ラバー(EBR),エチレン・プロピレン・ラバー(EPR)等のエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SEBS),水添スチレンブロックコポリマー(HSBC),スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEPS)等の水素添加スチレン系エラストマーなどのゴム系化合物との混合物を挙げることができる。
【0025】
また、本発明における多層フィルムの内層を構成する樹脂組成物は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)90〜50重量%とポリプロピレン系樹脂(B)10〜50重量%、好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)90〜60重量%とポリプロピレン系樹脂(B)10〜40重量%からなるものである。そして、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の含有量が50重量%未満である場合、ポリプロピレン系樹脂の含有量が多くなるため均一分散を有する樹脂組成物とならないため、安定した強シール性を有する多層フィルムを得ることができない。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の含有量が90重量%を超える場合、ヒートシール強度が高くなり安定した弱シール性を有する多層フィルムを得ることが出来ない。
【0026】
本発明の多層フィルムを構成する外層の少なくとも一層は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合してなる前記(5)〜(8)の特性を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(C)95〜50重量%と前記(9)〜(12)の特性を満足する高圧法低密度ポリエチレン(D)5〜50重量%からなる樹脂組成物よりなるものである。
【0027】
エチレン・α−オレフィン共重合体(C)は、JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.960g/cm3の範囲であり、0.925〜0.955g/cm3の範囲が好ましく、0.930〜0.955g/cm3の範囲であることが特に好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体(C)の密度が0.920g/cm3未満である場合、得られる多層フィルムの耐熱性が劣り、加熱処理を行った際に、変形、肌荒れ等の問題が生じる。一方、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)の密度が0.960g/cm3を超える場合、得られる多層フィルムの透明性が悪くなる。
【0028】
エチレン・α−オレフィン共重合体(C)は、JIS K7210−1976を準拠して190℃、2160gの荷重下で測定したMFRが0.1〜10g/10分の範囲である。エチレン・α−オレフィン共重合体(C)のMFRが0.1g/10分未満の場合、エチレン・α−オレフィン共重合体の流動性が悪く、多層フィルムを成形する際の加工性が悪くなる。一方、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)のMFRが10g/10分を超える場合、エチレン・α−オレフィン共重合体の溶融張力が低下し、多層フィルムを成形する際の加工性が悪くなる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(C)は、Mw/Mnが1.5〜5の範囲である。エチレン・α−オレフィン共重合体(C)のMw/Mnが5を超える場合、エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布が広くなり耐熱性の劣る低分子量成分が増加するため多層フィルムの耐熱性が悪化する。また、得られた多層フィルムの加熱処理を行った後の失透が大きくなり透明性が悪化する。一方、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)のMw/Mnが1.5より小さい場合、多層フィルムを成形する際の成形性が悪くなる。
【0029】
エチレン・α−オレフィン共重合体(C)は、50℃におけるn−ヘプタン抽出分量が0.2wt%以下である。50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%を超える場合、耐熱性の劣る低分子量成分が増加するために、得られた多層フィルムの加熱処理を行う際に表面へのブリードが発生し透明性が悪化したりブロッキングが発生するという問題を有する。
【0030】
また、本発明における多層フィルムの外層の少なくとも一層を構成する樹脂組成物の高圧法低密度ポリエチレン(D)は、前記(9)〜(12)の特性を満足する高圧法低密度ポリエチレンであり、そのような高圧法低密度ポリエチレンは高圧ラジカル重合によって得られる分岐状低密度ポリエチレンであり、一般的には槽型反応器もしくは管状反応器を用いて、ラジカル開始剤の存在下に、500〜3000kgf/cm2、重合温度150〜350℃でエチレンを重合することによって得られるものでよい。
【0031】
高圧法低密度ポリエチレン(D)は、JIS K6760−1981を準拠して測定した密度が0.920〜0.935g/cm3の範囲である。高圧法低密度ポリエチレンの密度が0.920g/cm3未満の場合、得られる多層フィルムの耐熱性が悪くなる。一方、高圧法低密度ポリエチレンの密度が0.935g/cm3を超えるものは、プラント製造上、実質的な製造は困難である。
【0032】
高圧法低密度ポリエチレン(D)は、JIS K7210−1976を準拠して190℃、2160gの荷重下で測定したMFRが0.1〜30g/10分の範囲である。高圧法低密度ポリエチレンのMFRが0.1g/10分未満の場合、高圧法低密度ポリエチレンの流動性が悪く、多層フィルムの成形の際に肌荒れを起こすなどの問題が生じる。一方、高圧法低密度ポリエチレンのMFRが30g/10分を超える場合、高圧法低密度ポリエチレンの溶融張力が低下し多層フィルムを成形する際の成形性が悪くなる。
【0033】
高圧法低密度ポリエチレン(D)は、Mw/Mnは3〜8である。高圧法低密度ポリエチレンのMw/Mnが3未満のものは実質的には製造が困難である。また、Mw/Mnが8を超える場合、高圧法低密度ポリエチレンの分子量分布が広くなり耐熱性の劣る低分子量成分が増加するため得られる多層フィルムの耐熱性が悪化する。
【0034】
高圧法低密度ポリエチレン(D)は、190℃で測定した溶融張力が3〜20gである。高圧法低密度ポリエチレンの溶融張力が3g未満の場合、多層フィルムを成形する際の成形性が悪化する。また、溶融張力が20gを超える場合には、成形時にフィルムの肌が悪化する。
【0035】
また、本発明における多層フィルムの外層の少なくとも一層を構成する樹脂組成物は、前記のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)95〜50重量%と前記の高圧法低密度ポリエチレン(D)5〜50重量%、好ましくは前記のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)90〜50重量%と前記の高圧法低密度ポリエチレン(D)10〜50重量%からなる。ここで、高圧法低密度ポリエチレン(D)成分が5重量%未満である場合、樹脂組成物の溶融張力が低下し、多層フィルムを成形する際の成形性が悪くなるとともに、溶融混練時の吐出安定性が悪化するなどの問題が生じる。一方、高圧法低密度ポリエチレン(D)成分が50重量%を越える場合、得られる多層フィルムの耐熱性が劣る。
【0036】
また、本発明でいう加熱処理とは、121℃以上の条件下での高温加熱処理であり、透明性とは、水を対照として測定したときの波長450nmの光線透過率をいう。
【0037】
本発明の多層フィルムに於いて、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)と該高圧法低密度ポリエチレン(D)よりなる樹脂組成物からなる層は、外層の少なくとも1層として用いられる。そして、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)と高圧法低密度ポリエチレン(D)よりなる樹脂組成物からなる層を2層以上で用いる場合には、最外層を最も高耐熱にするのが望ましく、中間層としては、本発明の多層フィルムを加熱処理の際の変形等を考慮してエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とポリプロピレン系樹脂(B)よりなる樹脂組成物からなる内層のイージーピール層より耐熱を高めることが望ましい。
【0038】
本発明の多層フィルムの厚みは0.05〜2mmが好ましく、0.1〜0.8mmが更に好ましく、0.15〜0.6mmが最も好ましい。そして、多層フィルムの最外層は、透明性および耐熱性に優れることから0.005〜0.1mmの厚みを有することが好ましく、0.01〜0.05mmであることがさらに好ましい。
【0039】
本発明の多層フィルムを構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とポリプロピレン系樹脂(B)よりなる樹脂組成物およびエチレン・α−オレフィン共重合体(C)と該高圧法低密度ポリエチレン(D)よりなる樹脂組成物には、本発明の目的を本質的に損なわない範囲において、必要に応じて酸化防止剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、滑剤、耐候剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機・有機充填剤、造核剤、透明化剤、着色剤、有機過酸化物、触媒中和剤、可塑剤、防曇剤、有機・無機顔料、分散剤などの公知の添加剤を含んでいてもよい。
【0040】
本発明の多層フィルムは、イージーピール性を有し、耐熱性、高温加熱処理後の透明性に優れる物であることから特に容器内混合用容器に用いるフィルムとして適した物である。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
〜密度の測定〜
JIS K6760−1976に準拠して、100℃の熱水に1時間浸し、その後、室温まで放冷した試料について、23℃に保った密度勾配管を用いて測定した。
【0043】
〜エチレン・α−オレフィン共重合体および高圧法低密度ポリエチレンのMFRの測定〜
JIS K6760−1981に従って190℃、2160gの荷重下で測定した。
【0044】
〜ポリプロピレン系樹脂のMFRの測定〜
JIS K6758−1981に従って230℃、2160gの荷重下で測定した。
【0045】
〜Mw/Mnの測定〜
ウオーターズ製 150C ALC/GPC(カラム:東ソー製 GMHHR−H(S)、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン)を使用して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、MwおよびMnを測定し、Mw/Mnを算出した。なお、東ソー製標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブレーション法によりカラム溶出体積は校正した。
【0046】
〜n−ヘプタン抽出量の測定〜
200メッシュパスの粉砕試料約10gを精秤し、400mlのn−ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行い、抽出液から溶媒を蒸発させて、乾燥固化させて得た抽出物の重量の初期重量に対する割合を求めることによって算出した。
【0047】
〜溶融張力(MT)の測定
東洋精機製(商品名キャピログラフ1B)を用い、長さ=8.00mm、オリフィス径=2.095mmのオリフィスを使用して、樹脂温度190℃、ピストン押出速度=10mm/分、引取速度=10m/分で、オリフィス出口後に保温チャンバーを取り付けた状態で張力を測定した。
【0048】
〜耐熱性の評価〜
オートクレーブ内にフィルムサンプルをセットした後、121℃の温度で30分間加熱処理した後、室温まで冷却後、フィルムサンプルを取り出し、外観を以下の項目について観察して評価した。
【0049】
変形:フィルムの波打ち状態を観察した。
【0050】
○:ほとんど波打ちが見られなかったもの。
【0051】
△:わずかにフィルムの波打ちが見られたもの。
【0052】
×:フィルムの波打ちが大きかったもの。
【0053】
肌荒れ:フィムル表面の荒れ状態を観察した。
【0054】
○:フィルムの表面に斑点状の模様が見られなかったもの。
【0055】
△:わずかにフィルム表面に斑点状の模様が見られたの。
【0056】
×:フィルム表面に多数の斑点状の模様が見られたもの。
【0057】
〜透過率の測定〜
日立製作所製、紫外可視分光光度計(商品名220A)を用いて、加熱処理後のフィルムから幅9.5mm、長さ50mmのサンプル片を切り出し、純水中で波長450nmの透過率を測定した。
【0058】
〜イージーピール性の評価〜
弱シール性の評価
加熱処理後のフィルムの弱シール部から、幅15mm、長さ100mmのサンプル片を切り出し、(株)島津製作所製オートグラフ(商品名DCS−500)を用いて、引張速度=300mm/minで引張試験を実施した。シール強度が、1.5kg/15mm幅以下であれば、シール部の剥離が容易に可能である。
強シール性の評価
加熱処理後のフィルムの強シール部から、幅15mm、長さ100mmのサンプル片を切り出し、(株)島津製作所製オートグラフ(商品名DCS−500)を用いて、引張速度=300mm/minで引張試験を実施した。シール強度が、3.0kg/15mm幅以上であれば、人の手で引張った程度では容易に剥離するようなことはない。
【0059】
実施例1
{固体触媒成分Xの合成}
200mlのシュレンク管に、シリカ(ダビソン948、200℃、5時間減圧焼成)5.30g、トルエン100mlおよび(p−N,N−ジメチルアルミノフェニル)トリメトキシシラン2.0g(9.1mmol)を加え、110℃で16時間攪拌した。反応終了後、トルエンで4回洗浄した。得られたシラン化合物で修飾したシリカ中の炭素含量は4.3wt%であった。このシラン化合物で修飾したシリカ1.87gをエーテル50mlに懸濁させ、塩化水素ガスを室温で30分間吹き込んだ後、ヘキサンにて洗浄し、減圧乾燥させた。これをさらに塩化メチレン60mlに懸濁させた後、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.6g(0.87mmol)の塩化メチレン(40ml)溶液を加え、室温で3時間攪拌した。塩化メチレンで3回洗浄した後、真空乾燥し、固体触媒成分Xを得た。得られた固体触媒成分X中の炭素含量は11.1wt%であった。
【0060】
{固体触媒成分Xを用いたエチレン・α−オレフィン共重合体の重合}
[内層用エチレン・αオレフィン共重合体の重合]
予め乾燥し、乾燥窒素でパージした2lのオートクレーブに、ヘキサン500ml、トリイソブチルアルミニウム(0.25mmol)およびエチレンビスインデニルジルコニウムジクロライド(0.0005mmol)を加え、5分間攪拌した後、前記のように合成した固体触媒成分X(9.2mg)を添加してから水素濃度が45ppmとなるように水素、ブテン−1濃度が5.2mol%となるようにエチレンおよびブテン−1を導入し、内圧を30kg/cm2に保ったまま85℃で30分間重合を行った。オートクレーブを冷却し、得られたポリエチレンを濾過した後に減圧下で乾燥した、エチレン・ブテン−1共重合体のパウダーを得た。さらに、このパウダーをプラコー製50mmΦ単軸押出機で造粒し、エチレン・ブテン−1共重合体のペレット(A1)を得た。
【0061】
得られたエチレン・ブテン−1共重合体(A1)は、密度=0.935g/cm3、MFR=2.8g/10分、Mw/Mn=1.9、n−ヘプタン抽出量が0.06wt%であった。
【0062】
[外層用エチレン・α−オレフィン共重合体の重合]
〜触媒成分Yの調整〜
攪拌装置を備えた1lのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末7.0g(0.288モル)およびチタンテトラブトキシド49.0g(0.144モル)を入れ、ヨウ素0.35gを溶解したn−ブタノール44.8g(0.60モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下、140℃で2時間攪拌した。これを110℃とした後に、テトラエトキシシラン18g(0.086モル)とテトラメトキシシラン13.2g(0.086モル)を加え、さらに140℃で2時間攪拌した。
【0063】
次いで、ヘキサン490mlを加えて、Mg−Ti溶液を得た。このMg−Ti溶液96.8g(Mgとして0.058モル相当)を別途用意した500mlガラスフラスコに入れ、45℃でジエチルアルミニウムクロライド0.07モルとi−ブチルアルミニウムジクロライド0.023モルを含むヘキサン溶液69mlを加え、さらに1時間攪拌した。次いで、i−ブチルアルミニウムジクロライド0.17モルを含むヘキサン溶液63mlを加え、70℃で1時間攪拌を行い、ヘキサンに懸濁した触媒成分Yを得た。
【0064】
〜触媒成分Yを用いたエチレン・α−オレフィン共重合体のヘキサンスラリー重合〜
内容積370lの攪拌機を備えた重合器を十分窒素置換した後、ヘキサン200kgを仕込み、内温を85℃、内圧30kg/cm2Gに調整した。その後、ヘキサンを80kg/hr、エチレンを50kg/hr、水素を160nl/hr、ブテン−1を5.2kg/hr、前記の触媒成分Yを1.5g/hr、触媒成分としてトリ−i−ブチルアルミニウムをヘキサン中のAL濃度が40mg/kgになるように連続的に供給して重合を行い、エチレン・ブテン−1共重合体のヘキサンスラリーを得た。該スラリーよりヘキサンを分離し、乾燥した後、エチレン・ブテン−1共重合体(C1)のパウダーを得た。
【0065】
前記のエチレン・ブテン−1共重合体(C1)のパウダーを、プラコー製50mmφ単軸押出機でペレット化し、エチレン・ブテン−1共重合体C1のペレットを得た。得られたエチレン−ブテン−1共重合体(C1)は、密度=0.939g/cm3、MFR=2.7g/10分、Mw/Mn=3.6、n−ヘプタン抽出量=0.06重量%であった。
【0066】
[内層用樹脂組成物の調整]
前記のエチレン・ブテン−1共重合体(A1)を7kgとMFR=1.0g/10分のホモポリプロピレン(チッソ(株)製、商品名チッソポリプロHT0011)(B1)を3kg計量後、75lのヘンシェルミキサーに投入し、1分間混合した。その後、プラコー50mmΦ単軸押出機にて造粒し、エチレン・ブテン−1共重合体(A1)とポリプロピレン(B1)の組成物のペレットを得た。
【0067】
[外層用組成物の調整]
前記で得られたエチレン−ブテン−1共重合体(C1)を8kgと密度=0.932g/cm3、MFR=3.0g/10分、Mw/Mn=4.1、溶融張力=3.8gの高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン219)(D1)を2kg計量後、75lのヘンシェルミキサーに投入し、1分間混合し、組成物を得た。
【0068】
[多層フィルムの製造]
前記で作成した、各層用組成物を用いてプラコー製多層水冷インフレーション成形機にて、下記の条件で、折り径135mm、内層30μm、外層170μmトータル厚みが200μmのチューブ状フィルムを成形した。
【0069】
多層水冷インフレの成形条件
内層
シリンダー温度C11:210℃、シリンダー温度C12:220℃
アダプター温度AD1:220℃、ジョイント温度J1:220℃
外層
シリンダー温度C31:170℃、シリンダー温度C32:180℃、シリンダー温度C33:180℃、
アダプター温度AD3:180℃、ジョイント温度J3:180℃
ダイス温度D1:220℃、ダイス温度D2:220℃、ダイス温度D3:220℃
イージーピールシールおよび加熱処理
前記で得たチューブ状多層フィルムより長さ200mmのサンプルを2個切り出し、一方のサンプルの中心部をテスター産業株式会社製ヒートシーラーにて150℃で10秒間10mm幅で0.7kg/15mm幅になるように弱シールをした。また、もう一方のサンプルは、中心部を富士インパルス製インパルスシーラーで10mm幅で4.0kg/15mm幅になるように強シールした。次に、これらの多層フィルムのシールサンプルを日阪製作所製高温調理殺菌機により、121℃で30分間加熱処理を行い、サンプルを室温まで冷却した。
【0070】
耐熱性の評価
加熱処理後の物性評価を行ったところ、変形および肌荒れは見られず外観は良好であり耐熱性は良好であった。また、透過率は58%であり、弱シールサンプルのシール強度は1.2kg/15mm幅であり、容易に剥離できた。また強シールサンプルのシール強度は3.8kg/15mm幅であり、剥離するようなことはなかった。
【0071】
実施例2
合成例1で製造した触媒成分Xを用いて、攪拌機を備えた7lの高圧重合用重合器を用いて反応温度210℃、反応圧力900kg/cm2、エチレンを170kg/hで連続的にフィードし、コモノマーとしてヘキセン−1を用いて重合器中のヘキセン−1濃度が15mol%になるように連続的にフィードし、密度=0.931g/cm3、MFR=1.9g/10分、Mw/Mn=1.9、n−ヘプタン抽出量が0.15wt%のエチレン・ヘキセン−1共重合体(A2)を20kg/hで得た。実施例1のエチレン・ブテン−1共重合体(A1)のかわりに該エチレン・ヘキセン−1共重合体(A2)を用いた以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作成し、加熱後のフィルムの評価を行った。その結果、変形、肌荒れは見られず耐熱性は良好であった。また、透過率は60%であった。また、弱シール部のシール強度は1.1kg/15mm幅であり、強シール部のシール強度は4.3kg/15mm幅であった。
【0072】
比較例1
実施例1のエチレン・ブテン−1共重合体(A1)のかわりに密度=0.920g/cm3、MFR=2.0g/10分、Mw/Mn=3.8、n−ヘプタン抽出量が1.1wt%の三井化学(株)製 ウルトゼックス2022L(A3)を内層に用いた以外は、実施例1と同様にして加熱後のフィルムの評価を行った。その結果、フィルム表面にあばた状の肌荒れが見られ、フィルムが大きく変形を起こし耐熱性は不良であった。また、透過率は48%で透明性が劣っていた。また、イージーピール性については、弱シール部のシール強度は2.2kg/15mm幅であり、弱シール部の剥離がやや困難であった。また、強シール部のヒートシール強度は2.5g/15mm幅であり、強シール性が劣っていた。
【0073】
比較例2
実施例1のエチレン・ブテン−1共重合体(A1)のかわりに密度=0.935g/cm3、MFR=2.1g/10分、Mw/Mn=3.3、n−ヘプタン抽出量が0.4wt%の三井化学(株)製 ウルトゼックス3520L(A4)を内層に用い、外層のエチレン・ブテン−1共重合体C1のかわりに密度=0.963g/cm3、MFR=5.3g/10分の日本ポリオレフィン(株)製 ジェイレクスHDE750C(C2)を用い、高圧法低密度ポリエチレンD1のかわりに密度=0.918g/cm3、MFR=10.5g/10分、Mw/Mn=10.7、溶融張力=1.7gの旭化成工業(株)製 サンテックLDL6810(D2)を用いた以外は実施例1と同様にして加熱後のフィルムの評価を行った。その結果、フィルム表面にあばた状の肌荒れが見られ、フィルムが大きく変形を起こし耐熱性は不良であった。また、透過率は46%で透明性が劣っていた。また、イージーピール性については、弱シール部のヒートシール強度は2.0kg/15mm幅であり、弱シール部の剥離がやや困難であった。また、強シール部のヒートシール強度は2.5g/15mm幅であり、強シール性が劣っていた。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
【発明の効果】
本発明によって得られる多層フィルムは、イージーピール性、耐熱性、透明性に優れ、液体溶液・薬剤、粉体薬剤、血液等を入れる医療用容器、医薬部外品、食品、工業薬品等の容器として好適なものとなる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a multilayer film having excellent heat resistance and transparency despite showing easy peel properties.
[0002]
Here, the easy peel property in the present invention is to selectively select a strong seal portion that is substantially difficult to peel open and a weak seal portion that can be easily peeled open by changing the welding conditions during heat sealing. A property that can be formed.
[0003]
[Prior art]
Medical containers that can be used by providing isolation means in a single plastic container and opening the isolation means immediately before use with a plurality of drug solutions and / or drugs aseptically mixed in the container are high calorie infusions, etc. Is often used. Many of these products are marketed as multi-chamber containers because they can isolate components that react with each other, such as infusions, and are not mistyped or mixed, and can prevent contamination during mixing. Yes.
[0004]
And as a means for isolating the medical multi-chamber container, the sealing part has a good sealing property, the peeling operation is easy, it is easy to detect even if the isolating means is damaged, and the productivity is excellent. Therefore, an easy peel heat seal part is widely adopted.
[0005]
As an easy peel heat seal part, a method using a polyethylene resin having a lower tensile strength due to the inner layer (Japanese Patent Laid-Open No. 63-19419), a resin comprising at least two types of polyolefin resins having different melting start temperatures A method using a composition (JP-A-2-4671), a method using a flexible synthetic resin having a micro-layer separation structure (JP-A-5-31153), and the like have been proposed.
[0006]
Of these, compositions composed of linear low density polyethylene and polypropylene are excellent in strength and heat resistance, and are widely used as easy peel heat seal members.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in any of the above-mentioned methods, there is currently no proposal that has a good balance between heat resistance at high temperature heating, transparency, and easy peel properties. There has been a demand for the appearance of a multilayer film that exhibits peel properties, does not impair transparency, has excellent heat resistance, and does not cause wrinkles or deformation.
[0008]
Therefore, an object of the present invention is to eliminate these conventional drawbacks, and to provide a multilayer film excellent in heat resistance and free from wrinkles and deformation even when subjected to high-temperature heat treatment. It is in.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the above problems, the present inventors have found that the inner layer is composed of a resin composition comprising a specific ethylene / α-olefin copolymer and a polypropylene resin, and at least one of the outer layers is a specific ethylene / α-olefin. It was found that a multilayer film obtained by inflation molding comprising a resin composition comprising a copolymer and a specific high-pressure method low-density polyethylene exhibits excellent easy peel properties and imparts heat resistance and transparency. It came to complete.
[0010]
That is, the present invention provides an ethylene / α-olefin copolymer (A) 90 that satisfies the following characteristics (1) to (4), wherein the inner layer is a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms. (50) and a polypropylene resin (B) comprising a resin composition consisting of 10 to 50% by weight, and at least one outer layer is obtained by copolymerizing ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms (5) To 50% by weight of ethylene / α-olefin copolymer (C) satisfying the characteristics of (8) and high pressure low density polyethylene (D) of 5 to 50 satisfying the characteristics of the following (9) to (12) The present invention relates to a tubular multilayer film characterized by comprising a resin composition comprising% by weight.
[0011]
(1) Density measured according to JIS K6760-1981 is 0.920-0.945 g / cmThree,
(2) The melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 20 g / 10 min.
(3) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 1.5 to 5,
(4) The amount of n-heptane extracted at 50 ° C. is 0.2 wt% or less,
(5) Density measured according to JIS K6760-1981 is 0.920-0.960 g / cmThree,
(6) The melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 10 g / 10 min.
(7) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 1.5 to 5,
(8) The amount of n-heptane extracted at 50 ° C. is 0.2 wt% or less,
(9) Density measured according to JIS K6760-1981 is 0.920 to 0.935 g / cmThree,
(10) A melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 30 g / 10 min.
(11) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 3 to 8,
(12) The melt tension measured at 190 ° C. is 3 to 20 g.
It is.
[0012]
The present invention is described in detail below.
[0013]
The multilayer film of the present invention is an ethylene / α-olefin copolymer (A) satisfying the following characteristics (1) to (4), wherein the inner layer is a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms. The resin composition comprising 90 to 50% by weight and polypropylene resin (B) 10 to 50% by weight, wherein at least one outer layer is obtained by copolymerizing ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms (5 )-(8) ethylene / α-olefin copolymer (C) 95-50% by weight and high-pressure low-density polyethylene (D) 5-5 satisfying the following characteristics (9)-(12) It consists of a resin composition comprising 50% by weight.
[0014]
(1) Density measured according to JIS K6760-1981 is 0.920-0.945 g / cmThree,
(2) The melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 20 g / 10 min.
(3) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 1.5 to 5,
(4) The amount of n-heptane extracted at 50 ° C. is 0.2 wt% or less,
(5) Density measured according to JIS K6760-1981 is 0.920-0.960 g / cmThree,
(6) The melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 10 g / 10 min.
(7) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 1.5 to 5,
(8) The amount of n-heptane extracted at 50 ° C. is 0.2 wt% or less,
(9) Density measured according to JIS K6760-1981 is 0.920 to 0.935 g / cmThree,
(10) A melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 30 g / 10 min.
(11) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 3 to 8,
(12) The melt tension measured at 190 ° C. is 3 to 20 g.
Here, the method for forming the multilayer film of the present invention is not particularly limited and may be a generally known method. For example, water-cooled or air-cooled inflation molding, blow molding, tube molding, rotational molding, injection molding, A molding method such as injection (biaxial stretching) blow molding is used. And since it is especially excellent in hygiene, transparency, etc., water cooling inflation molding is preferable.
[0015]
Examples of the α-olefin having 3 to 20 carbon atoms constituting the ethylene / α-olefin copolymers (A) and (C) include propylene, butene-1,4-methyl-pentene-1, and 3-methyl-butene. -1, pentene-1, hexene-1, heptene-1, octene-1, nonene-1, decene-1, undecene-1, dodecene-1, tridecene-1, tetradecene-1, pentadecene-1, hexadecene-1 , Heptadecene-1, octadecene-1, nonadecene-1, eicosene-1, and the like, and two or more of these may be used in combination.
[0016]
In addition, the ethylene / α-olefin copolymers (A) and (C) used in the present invention are not particularly limited as long as the above-described characteristics are satisfied. The catalyst can be produced using any catalyst system such as a Ziegler type catalyst mainly composed of a titanium-based transition metal, a Phillips catalyst mainly composed of a chromium-based catalyst, and a Kaminsky catalyst mainly composed of a metallocene. In the ethylene / α-olefin copolymers (A) and (C) used in the present invention, the ratio of the weight average molecular weight (Mw) to the number average molecular weight (Mn) (hereinafter referred to as Mw / Mn) is 1. It is easy to obtain an ethylene / α-olefin copolymer in the range of 5 to 5, especially metallocene because of the excellent mechanical strength of the blown multilayer film obtained from the uniform composition distribution of ethylene and α-olefin. An ethylene / α-olefin copolymer produced using a Kaminsky-type catalyst mainly composed of is preferable. In particular, since an ethylene / α-olefin copolymer having a small n-heptane extract amount at 50 ° C. is easily obtained, the ethylene / α-olefin copolymer produced by the catalyst system described in JP-A-4-309505 is used. It is preferably a coalescence.
[0017]
As a Kaminsky catalyst, a combination of a transition metal compound (metallocene) mainly composed of a transition metal such as titanium, zirconium or hafnium and an ionic compound which reacts with an organometallic compound or a transition metal compound to become a stable anion. A generally known product can be used. The Kaminsky catalyst may be used alone or in combination of two or more. Specific examples of the Kaminsky catalyst include transition metal compounds such as bis (cyclopentadienyl) titanium dichloride, bis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (cyclopentadienyl) hafnium dichloride, and bis (indenyl). ) Titanium dichloride, bis (indenyl) zirconium dichloride, bis (indenyl) hafnium dichloride, ethylenebis (indenyl) titanium dichloride, ethylenebis (indenyl) zirconium dichloride, ethylenebis (indenyl) hafnium dichloride, for example, trimethyl Ion compounds that react with transition metal compounds such as aluminum, triethylaluminum, and triisopropylaluminum to form stable anions. As, for example, lithium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, N, N-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) include those consisting of borate.
[0018]
In addition, the polymerization method at that time is not particularly limited, and any of a general polymerization method such as a gas phase method, a slurry method, a solution method, and a high pressure method may be used. In particular, the slurry method is preferable because it is easy to obtain an ethylene / α-olefin copolymer in which the amount of n-heptane extracted at 50 ° C. is suppressed. In addition, even those obtained by multistage polymerization of one stage or two stages can be produced by mechanically blending two or more kinds of ethylene / α-olefin copolymers.
[0019]
The inner layer of the multilayer film of the present invention is composed of 90 to 50% by weight of the ethylene / α-olefin copolymer (A) satisfying the characteristics (1) to (4) and 10 to 50% by weight of the polypropylene resin (B). It consists of the resin composition which consists of.
[0020]
The ethylene / α-olefin copolymer (A) has a density range of 0.920 to 0.945 g / cm as measured in accordance with JIS K6760-1981.ThreeIn the range of 0.925 to 0.945 g / cm.ThreeA range of 0.925 to 0.940 g / cm is preferable.ThreeMore preferably, it is the range. The density of the ethylene / α-olefin copolymer (A) is 0.920 g / cm.ThreeIf it is less than 1, the heat resistance of the resulting multilayer film is deteriorated, and there is a problem that blocking, deformation, and rough skin occur when heat treatment is performed. The density of the ethylene / α-olefin copolymer (A) is 0.945 g / cm.ThreeIf it exceeds 1, transparency of the resulting multilayer film will be poor.
[0021]
The ethylene / α-olefin copolymer (A) has a melt flow rate (hereinafter referred to as MFR) measured at 190 ° C. under a load of 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 of 0.1 to 20 g / 10 min. Range. Here, when the MFR of the ethylene / α-olefin copolymer (A) is less than 0.1 g / 10 minutes, the fluidity when the resin composition is obtained is poor, and the processability when producing the multilayer film is poor. Become. On the other hand, when the MFR of the ethylene / α-olefin copolymer (A) exceeds 20 g / 10 min, the melt tension is lowered, so that the workability is similarly deteriorated.
[0022]
The ethylene / α-olefin copolymer (A) has a Mw / Mn value of 1.5 to 5 as measured by gel permeation chromatography. Here, when Mw / Mn of the ethylene / α-olefin copolymer (A) exceeds 5, the molecular weight distribution becomes wide and low molecular weight components inferior in heat resistance increase, resulting in deterioration of the heat resistance of the obtained multilayer film. Or devitrification after heat treatment is increased and transparency is deteriorated. On the other hand, when Mw / Mn of the ethylene / α-olefin copolymer (A) is smaller than 1.5, the molecular weight distribution is narrow and the fluidity is inferior. And as a measurement condition of Mw / Mn in this invention, the product made from Waters (brand name 150C ALC) which installed the Tosoh Co., Ltd. product (brand name GMHHR-H (S)) in the column as a gel permeation chromatography. / GPC), 1,2,4-trichlorobenzene is used as a solvent, and the weight average molecular weight (Mw) and number average molecular weight (Mn) determined from standard polystyrene conversion are used.
[0023]
The ethylene / α-olefin copolymer (A) has an n-heptane extraction amount at 50 ° C. of 0.2 wt% or less. Here, when the extraction amount of n-heptane at 50 ° C. of the ethylene / α-olefin copolymer (A) exceeds 0.2 wt%, the low molecular weight component inferior in heat resistance increases, When heat treatment is performed, bleeding occurs on the surface, resulting in a problem that transparency is deteriorated and blocking occurs.
[0024]
As the polypropylene resin (B) constituting the resin composition used for the inner layer of the multilayer film of the present invention, any material generally referred to as a polypropylene resin can be used. Examples include propylene homopolymers (homopolymers), propylene-ethylene copolymers, copolymers of propylene and α-olefins having 4 or more carbon atoms (random copolymers, terpolymers, block copolymers, etc.), and polypropylene. Resin and crystalline ethylene / α-olefin copolymer of 50% by weight or less, ethylene / α-olefin copolymer elastomer such as ethylene / butadiene rubber (EBR), ethylene / propylene rubber (EPR), styrene / Ethylene / butadiene / styrene copolymer (SEBS), hydrogenated styrene Lock copolymer (HSBC), and a mixture of rubber-based compounds such as hydrogenated styrene elastomers such as styrene-ethylene-propylene-styrene copolymer (SEPS).
[0025]
Further, the resin composition constituting the inner layer of the multilayer film in the present invention is composed of 90 to 50% by weight of ethylene / α-olefin copolymer (A) and 10 to 50% by weight of polypropylene resin (B), preferably ethylene / α-olefin copolymer. The α-olefin copolymer (A) is 90 to 60% by weight and the polypropylene resin (B) is 10 to 40% by weight. And, when the content of the ethylene / α-olefin copolymer (A) is less than 50% by weight, the content of the polypropylene resin is increased, so that the resin composition does not have uniform dispersion, so that a stable strong seal is obtained. A multilayer film having properties cannot be obtained. On the other hand, when the content of the ethylene / α-olefin copolymer (A) exceeds 90% by weight, the heat seal strength becomes high and a multilayer film having a stable weak sealing property cannot be obtained.
[0026]
At least one of the outer layers constituting the multilayer film of the present invention is an ethylene / α-olefin copolymer satisfying the characteristics (5) to (8) obtained by copolymerizing ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms. The polymer (C) is composed of a resin composition composed of 95 to 50% by weight and a high-pressure low-density polyethylene (D) 5 to 50% by weight satisfying the characteristics (9) to (12).
[0027]
The ethylene / α-olefin copolymer (C) has a density of 0.920 to 0.960 g / cm as measured in accordance with JIS K6760-1981.ThreeIn the range of 0.925 to 0.955 g / cm.ThreeIs preferable, 0.930-0.955 g / cmThreeIt is particularly preferable that the range is The density of the ethylene / α-olefin copolymer (C) is 0.920 g / cm.ThreeIf it is less than 1, the heat resistance of the resulting multilayer film is poor, and problems such as deformation and rough skin occur when heat treatment is performed. On the other hand, the density of the ethylene / α-olefin copolymer (C) is 0.960 g / cm.ThreeIf it exceeds 1, transparency of the resulting multilayer film will be poor.
[0028]
The ethylene / α-olefin copolymer (C) has an MFR measured under a load of 2160 g at 190 ° C. in accordance with JIS K7210-1976 in the range of 0.1 to 10 g / 10 min. When the MFR of the ethylene / α-olefin copolymer (C) is less than 0.1 g / 10 min, the fluidity of the ethylene / α-olefin copolymer is poor, and the workability when forming a multilayer film is poor. . On the other hand, when the MFR of the ethylene / α-olefin copolymer (C) exceeds 10 g / 10 min, the melt tension of the ethylene / α-olefin copolymer is lowered, and the workability when forming a multilayer film is poor. Become.
The ethylene / α-olefin copolymer (C) has Mw / Mn in the range of 1.5 to 5. When Mw / Mn of the ethylene / α-olefin copolymer (C) exceeds 5, the molecular weight distribution of the ethylene / α-olefin copolymer is widened and the low molecular weight component having poor heat resistance is increased, so that the heat resistance of the multilayer film is increased. Sex worsens. Moreover, the devitrification after heat-processing the obtained multilayer film becomes large, and transparency deteriorates. On the other hand, when Mw / Mn of the ethylene / α-olefin copolymer (C) is smaller than 1.5, the moldability at the time of molding the multilayer film is deteriorated.
[0029]
The ethylene / α-olefin copolymer (C) has an n-heptane extract amount of 0.2 wt% or less at 50 ° C. When the amount of n-heptane extracted at 50 ° C. exceeds 0.2 wt%, low molecular weight components with poor heat resistance increase, so that when the obtained multilayer film is subjected to heat treatment, bleeding occurs on the surface and is transparent. It has the problem that property deteriorates or blocking occurs.
[0030]
Moreover, the high-pressure method low-density polyethylene (D) of the resin composition constituting at least one of the outer layers of the multilayer film in the present invention is a high-pressure method low-density polyethylene that satisfies the characteristics (9) to (12), Such a high-pressure process low-density polyethylene is a branched low-density polyethylene obtained by high-pressure radical polymerization, and is generally 500 to 3000 kgf in the presence of a radical initiator using a tank reactor or a tubular reactor. / Cm2It may be obtained by polymerizing ethylene at a polymerization temperature of 150 to 350 ° C.
[0031]
The high-pressure low-density polyethylene (D) has a density measured according to JIS K6760-1981 of 0.920 to 0.935 g / cm.ThreeRange. The density of the high-pressure low-density polyethylene is 0.920 g / cmThreeIf it is less than 1, the heat resistance of the resulting multilayer film will deteriorate. On the other hand, the density of the high pressure method low density polyethylene is 0.935 g / cm.ThreeIn the case of a plant exceeding this, it is difficult to substantially manufacture the plant.
[0032]
The high pressure method low density polyethylene (D) has a MFR measured in accordance with JIS K7210-1976 at 190 ° C. under a load of 2160 g in the range of 0.1 to 30 g / 10 min. When the MFR of the high-pressure method low-density polyethylene is less than 0.1 g / 10 min, the fluidity of the high-pressure method low-density polyethylene is poor, causing problems such as rough skin during the formation of the multilayer film. On the other hand, when the MFR of the high-pressure method low-density polyethylene exceeds 30 g / 10 minutes, the melt tension of the high-pressure method low-density polyethylene is lowered and the moldability at the time of molding the multilayer film is deteriorated.
[0033]
The high pressure method low density polyethylene (D) has a Mw / Mn of 3-8. High pressure method low density polyethylene having Mw / Mn of less than 3 is substantially difficult to produce. On the other hand, when Mw / Mn exceeds 8, the molecular weight distribution of the high-pressure process low-density polyethylene is widened, and the low molecular weight component having poor heat resistance is increased, so that the heat resistance of the resulting multilayer film is deteriorated.
[0034]
The high pressure method low density polyethylene (D) has a melt tension of 3 to 20 g measured at 190 ° C. When the melt tension of the high-pressure method low-density polyethylene is less than 3 g, the moldability at the time of molding the multilayer film is deteriorated. Moreover, when melt tension exceeds 20g, the skin of a film deteriorates at the time of shaping | molding.
[0035]
The resin composition constituting at least one of the outer layers of the multilayer film in the present invention is 95 to 50% by weight of the ethylene / α-olefin copolymer (C) and the high-pressure low-density polyethylene (D) 5 described above. -50% by weight, preferably 90-50% by weight of the ethylene / α-olefin copolymer (C) and 10-50% by weight of the high-pressure low-density polyethylene (D). Here, when the high-pressure low-density polyethylene (D) component is less than 5% by weight, the melt tension of the resin composition is lowered, the moldability at the time of molding the multilayer film is deteriorated, and the discharge at the time of melt-kneading Problems such as deterioration of stability occur. On the other hand, when the high-pressure method low-density polyethylene (D) component exceeds 50% by weight, the resulting multilayer film has poor heat resistance.
[0036]
In addition, the heat treatment referred to in the present invention is a high-temperature heat treatment under a condition of 121 ° C. or higher, and the transparency refers to a light transmittance at a wavelength of 450 nm when measured using water as a control.
[0037]
In the multilayer film of the present invention, a layer composed of a resin composition comprising the ethylene / α-olefin copolymer (C) and the high pressure method low density polyethylene (D) is used as at least one outer layer. And when using the layer which consists of a resin composition which consists of an ethylene-alpha-olefin copolymer (C) and a high-pressure method low-density polyethylene (D) by two or more layers, the outermost layer is made to have the highest heat resistance. Desirably, as the intermediate layer, an inner layer comprising a resin composition comprising an ethylene / α-olefin copolymer (A) and a polypropylene resin (B) in consideration of deformation during the heat treatment of the multilayer film of the present invention. It is desirable to increase heat resistance than the easy peel layer.
[0038]
The thickness of the multilayer film of the present invention is preferably 0.05 to 2 mm, more preferably 0.1 to 0.8 mm, and most preferably 0.15 to 0.6 mm. And since the outermost layer of a multilayer film is excellent in transparency and heat resistance, it is preferable to have a thickness of 0.005-0.1 mm, and it is more preferable that it is 0.01-0.05 mm.
[0039]
Resin composition comprising ethylene / α-olefin copolymer (A) and polypropylene resin (B) constituting the multilayer film of the present invention, and ethylene / α-olefin copolymer (C) and the high-pressure low-density polyethylene In the resin composition comprising (D), an antioxidant, an antiblocking agent, an antistatic agent, a lubricant, a weathering agent, a light stabilizer, an ultraviolet ray, and the like, as long as the object of the present invention is not essentially impaired. Known additives such as absorbents, inorganic / organic fillers, nucleating agents, clearing agents, colorants, organic peroxides, catalyst neutralizing agents, plasticizers, antifogging agents, organic / inorganic pigments, dispersants, etc. May be included.
[0040]
The multi-layer film of the present invention is particularly suitable as a film used in a container for mixing in a container because it has easy peel properties and is excellent in heat resistance and transparency after high-temperature heat treatment.
[0041]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to these Examples.
[0042]
~ Measurement of density ~
Based on JIS K6760-1976, the sample which was immersed in hot water at 100 ° C. for 1 hour and then allowed to cool to room temperature was measured using a density gradient tube kept at 23 ° C.
[0043]
-Measurement of MFR of ethylene / α-olefin copolymer and high-pressure low-density polyethylene-
According to JIS K6760-1981, it measured under the load of 190 degreeC and 2160g.
[0044]
-Measurement of MFR of polypropylene resin-
The measurement was performed at 230 ° C. under a load of 2160 g according to JIS K6758-1981.
[0045]
~ Measurement of Mw / Mn ~
Mw and Mn are measured by gel permeation chromatography (GPC) using Waters 150C ALC / GPC (column: GMHHR-H (S), solvent: 1,2,4-trichlorobenzene) Mw / Mn was calculated. In addition, column elution volume was calibrated by the universal calibration method using Tosoh standard polystyrene.
[0046]
-Measurement of n-heptane extract amount-
About 10 g of a 200 mesh pass crushed sample is precisely weighed, 400 ml of n-heptane is added, extraction is performed at 50 ° C. for 2 hours, the solvent is evaporated from the extract, and the weight of the extract obtained by drying and solidifying is measured. It was calculated by determining the ratio to the initial weight.
[0047]
~ Measurement of melt tension (MT)
Using Toyo Seiki (trade name Capillograph 1B), length = 8.00 mm, orifice diameter = 2.095 mm, resin temperature 190 ° C., piston extrusion speed = 10 mm / min, take-off speed = 10 m / In minutes, the tension was measured with the insulation chamber attached after the orifice exit.
[0048]
~ Evaluation of heat resistance ~
After setting the film sample in the autoclave, the film was heat-treated at 121 ° C. for 30 minutes, cooled to room temperature, then taken out, and the appearance was observed and evaluated for the following items.
[0049]
Deformation: The wavy state of the film was observed.
[0050]
○: Wavy was hardly seen.
[0051]
Δ: Slight film waviness was observed.
[0052]
X: The film was corrugated greatly.
[0053]
Rough skin: The rough state of the fimur surface was observed.
[0054]
○: No spotted pattern was observed on the film surface.
[0055]
Δ: Slightly spotted pattern was observed on the film surface.
[0056]
X: Many spotted patterns were observed on the film surface.
[0057]
~ Measurement of transmittance ~
Using a UV-visible spectrophotometer (trade name 220A) manufactured by Hitachi, a sample piece having a width of 9.5 mm and a length of 50 mm was cut out from the heat-treated film, and the transmittance at a wavelength of 450 nm was measured in pure water. .
[0058]
-Easy peel evaluation-
Weak seal evaluation
A sample piece having a width of 15 mm and a length of 100 mm was cut out from the weakly sealed portion of the film after the heat treatment, and was pulled at a tensile speed of 300 mm / min using an autograph (trade name DCS-500) manufactured by Shimadzu Corporation. The test was conducted. When the seal strength is 1.5 kg / 15 mm width or less, the seal portion can be easily peeled off.
Evaluation of strong sealing performance
A sample piece having a width of 15 mm and a length of 100 mm was cut out from the strong seal portion of the film after the heat treatment, and was pulled at a tensile speed of 300 mm / min using an autograph (trade name DCS-500) manufactured by Shimadzu Corporation. The test was conducted. If the seal strength is 3.0 kg / 15 mm width or more, it will not be peeled off easily as long as it is pulled by a human hand.
[0059]
Example 1
{Synthesis of solid catalyst component X}
To a 200 ml Schlenk tube, 5.30 g of silica (Davison 948, 200 ° C., 5 hours under reduced pressure), 100 ml of toluene and 2.0 g (9.1 mmol) of (pN, N-dimethylaluminophenyl) trimethoxysilane were added. , And stirred at 110 ° C. for 16 hours. After completion of the reaction, it was washed 4 times with toluene. The carbon content in the silica modified with the obtained silane compound was 4.3 wt%. 1.87 g of silica modified with this silane compound was suspended in 50 ml of ether, hydrogen chloride gas was blown in at room temperature for 30 minutes, washed with hexane, and dried under reduced pressure. This was further suspended in 60 ml of methylene chloride, a solution of 0.6 g (0.87 mmol) of lithium tetrakis (pentafluorophenyl) borate in methylene chloride (40 ml) was added, and the mixture was stirred at room temperature for 3 hours. After washing with methylene chloride three times, the solid catalyst component X was obtained by vacuum drying. The carbon content in the obtained solid catalyst component X was 11.1 wt%.
[0060]
{Polymerization of ethylene / α-olefin copolymer using solid catalyst component X}
[Polymerization of ethylene / α-olefin copolymer for inner layer]
To a 2 liter autoclave previously dried and purged with dry nitrogen was added 500 ml of hexane, triisobutylaluminum (0.25 mmol) and ethylenebisindenylzirconium dichloride (0.0005 mmol) and stirred for 5 minutes, as described above. After adding the synthesized solid catalyst component X (9.2 mg), hydrogen and ethylene and butene-1 were introduced so that the hydrogen concentration was 45 ppm and the butene-1 concentration was 5.2 mol%. 30 kg / cm2The polymerization was carried out at 85 ° C. for 30 minutes. The autoclave was cooled, and the obtained polyethylene was filtered, and then dried under reduced pressure to obtain an ethylene / butene-1 copolymer powder. Further, this powder was granulated with a Plako 50 mmφ single screw extruder to obtain an ethylene / butene-1 copolymer pellet (A1).
[0061]
The resulting ethylene butene-1 copolymer (A1) had a density = 0.935 g / cm.ThreeMFR = 2.8 g / 10 min, Mw / Mn = 1.9, and the amount of n-heptane extracted was 0.06 wt%.
[0062]
[Polymerization of ethylene / α-olefin copolymer for outer layer]
-Adjustment of catalyst component Y-
N-butanol 44 in which 7.0 g (0.288 mol) of metal magnesium powder and 49.0 g (0.144 mol) of titanium tetrabutoxide were dissolved in a 1 l glass flask equipped with a stirrer and 0.35 g of iodine was dissolved. 0.8 g (0.60 mol) was added at 90 ° C. over 2 hours, and the mixture was further stirred at 140 ° C. for 2 hours under a nitrogen seal while eliminating the generated hydrogen gas. After the temperature was adjusted to 110 ° C., 18 g (0.086 mol) of tetraethoxysilane and 13.2 g (0.086 mol) of tetramethoxysilane were added, and the mixture was further stirred at 140 ° C. for 2 hours.
[0063]
Next, 490 ml of hexane was added to obtain an Mg—Ti solution. 96.8 g of this Mg—Ti solution (corresponding to 0.058 mol as Mg) is placed in a separately prepared 500 ml glass flask and hexane containing 0.07 mol of diethylaluminum chloride and 0.023 mol of i-butylaluminum dichloride at 45 ° C. 69 ml of solution was added and stirred for an additional hour. Next, 63 ml of a hexane solution containing 0.17 mol of i-butylaluminum dichloride was added, and the mixture was stirred at 70 ° C. for 1 hour to obtain catalyst component Y suspended in hexane.
[0064]
-Hexane slurry polymerization of ethylene / α-olefin copolymer using catalyst component Y-
A polymerizer equipped with a stirrer with an internal volume of 370 l was sufficiently purged with nitrogen, then charged with 200 kg of hexane, and adjusted to an internal temperature of 85 ° C. and an internal pressure of 30 kg / cm 2 G. Then, 80 kg / hr of hexane, 50 kg / hr of ethylene, 160 nl / hr of hydrogen, 5.2 kg / hr of butene-1, 1.5 g / hr of the catalyst component Y, and tri-i-butyl as the catalyst component Polymerization was performed by continuously supplying aluminum so that the AL concentration in hexane was 40 mg / kg, to obtain a hexane slurry of an ethylene / butene-1 copolymer. Hexane was separated from the slurry and dried, and then an ethylene / butene-1 copolymer (C1) powder was obtained.
[0065]
The powder of the ethylene / butene-1 copolymer (C1) was pelletized with a Plako 50 mmφ single screw extruder to obtain pellets of the ethylene / butene-1 copolymer C1. The resulting ethylene-butene-1 copolymer (C1) had a density = 0.939 g / cm.ThreeMFR = 2.7 g / 10 min, Mw / Mn = 3.6, n-heptane extract amount = 0.06 wt%.
[0066]
[Adjustment of resin composition for inner layer]
7 kg of the above-mentioned ethylene / butene-1 copolymer (A1) and MFR = 1.0 g / 10 min homopolypropylene (manufactured by Chisso Corporation, trade name Chisso Polypro HT0011) (B1) after weighing 3 kg, 75 l It put into the Henschel mixer and mixed for 1 minute. Then, it granulated with the Placo 50mm (PHI) single screw extruder, and obtained the pellet of the composition of the ethylene butene-1 copolymer (A1) and the polypropylene (B1).
[0067]
[Adjustment of composition for outer layer]
8 kg of the ethylene-butene-1 copolymer (C1) obtained above and density = 0.932 g / cmThree, MFR = 3.0 g / 10 min, Mw / Mn = 4.1, melt tension = 3.8 g of high pressure method low density polyethylene (manufactured by Tosoh Corporation, trade name Petrocene 219) (D1) after weighing 2 kg, The mixture was put into a 75 l Henschel mixer and mixed for 1 minute to obtain a composition.
[0068]
[Manufacture of multilayer films]
A tube-shaped film having a folding diameter of 135 mm, an inner layer of 30 μm, and an outer layer of 170 μm and a total thickness of 200 μm was formed using the composition prepared for each layer using a Plako multilayer water-cooled inflation molding machine under the following conditions.
[0069]
Molding conditions for multilayer water-cooled inflation
Inner layer
Cylinder temperature C11: 210 ° C, Cylinder temperature C12: 220 ° C
Adapter temperature AD1: 220 ° C, joint temperature J1: 220 ° C
Outer layer
Cylinder temperature C31: 170 ° C, cylinder temperature C32: 180 ° C, cylinder temperature C33: 180 ° C,
Adapter temperature AD3: 180 ° C, joint temperature J3: 180 ° C
Die temperature D1: 220 ° C, Dice temperature D2: 220 ° C, Die temperature D3: 220 ° C
Easy peel seal and heat treatment
Two samples with a length of 200 mm were cut out from the tubular multilayer film obtained above, and the center of one sample was adjusted to 0.7 kg / 15 mm width at 10 mm width for 10 seconds at 150 ° C. with a heat sealer manufactured by Tester Sangyo Co., Ltd. We made a weak seal. The other sample was strongly sealed with an impulse sealer manufactured by Fuji Impulse Co., Ltd. at 10 mm width to 4.0 kg / 15 mm width. Next, these multilayer film seal samples were subjected to heat treatment at 121 ° C. for 30 minutes using a high-temperature cooking sterilizer manufactured by Nisaka Manufacturing Co., Ltd., and the samples were cooled to room temperature.
[0070]
Evaluation of heat resistance
When the physical properties after the heat treatment were evaluated, deformation and rough skin were not observed, the appearance was good, and the heat resistance was good. Further, the transmittance was 58%, and the seal strength of the weakly sealed sample was 1.2 kg / 15 mm width and could be easily peeled off. Further, the seal strength of the strong seal sample was 3.8 kg / 15 mm width, and no peeling occurred.
[0071]
Example 2
Using the catalyst component X produced in Synthesis Example 1, a reaction temperature of 210 ° C. and a reaction pressure of 900 kg / cm using a 7 l high-pressure polymerization reactor equipped with a stirrer2, Ethylene is continuously fed at 170 kg / h, hexene-1 is used as a comonomer, and continuously fed so that the concentration of hexene-1 in the polymerization vessel is 15 mol%, density = 0.931 g / cmThree, MFR = 1.9 g / 10 min, Mw / Mn = 1.9, and an n-heptane extract amount of 0.15 wt% was obtained as an ethylene-hexene-1 copolymer (A2) at 20 kg / h. A multilayer film was prepared in the same manner as in Example 1 except that the ethylene / hexene-1 copolymer (A2) was used in place of the ethylene / butene-1 copolymer (A1) in Example 1, and heating was performed. Later films were evaluated. As a result, no deformation and rough skin were observed, and the heat resistance was good. Further, the transmittance was 60%. Moreover, the seal strength of the weak seal part was 1.1 kg / 15 mm width, and the seal strength of the strong seal part was 4.3 kg / 15 mm width.
[0072]
Comparative Example 1
Instead of the ethylene butene-1 copolymer (A1) of Example 1, density = 0.920 g / cmThreeMFR = 2.0 g / 10 min, Mw / Mn = 3.8, n-heptane extracted amount 1.1 wt% Mitsui Chemicals Co., Ltd. made Ultra Zex 2022L (A3) was used for the inner layer The film after heating was evaluated in the same manner as in Example 1. As a result, flapping skin roughness was observed on the film surface, the film was greatly deformed, and the heat resistance was poor. Further, the transmittance was 48% and the transparency was poor. As for easy peel properties, the seal strength of the weak seal portion was 2.2 kg / 15 mm width, and it was somewhat difficult to peel off the weak seal portion. Moreover, the heat seal strength of the strong seal portion was 2.5 g / 15 mm width, and the strong seal property was inferior.
[0073]
Comparative Example 2
Instead of the ethylene butene-1 copolymer (A1) of Example 1, density = 0.935 g / cmThree, MFR / 2.1 g / 10 min, Mw / Mn = 3.3, n-heptane extract amount 0.4 wt% made by Mitsui Chemicals, Inc., Ultrazex 3520L (A4) was used for the inner layer, Density = 0.963 g / cm instead of butene-1 copolymer C1ThreeJFREX HDE750C (C2) manufactured by Nippon Polyolefin Co., Ltd., MFR = 5.3 g / 10 min, density = 0.918 g / cm instead of high pressure method low density polyethylene D1ThreeAfter heating in the same manner as in Example 1 except that Suntech LDL6810 (D2) manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd. with MFR = 10.5 g / 10 min, Mw / Mn = 10.7, and melt tension = 1.7 g was used. The film was evaluated. As a result, flapping skin roughness was observed on the film surface, the film was greatly deformed, and the heat resistance was poor. Further, the transmittance was 46% and the transparency was poor. As for easy peel properties, the heat seal strength of the weak seal portion was 2.0 kg / 15 mm width, and it was somewhat difficult to peel off the weak seal portion. Moreover, the heat seal strength of the strong seal portion was 2.5 g / 15 mm width, and the strong seal property was inferior.
[0074]
[Table 1]
[0075]
[Table 2]
[0076]
[Table 3]
[0077]
[Table 4]
[0078]
[Table 5]
[0079]
【The invention's effect】
The multilayer film obtained by the present invention is excellent in easy peel properties, heat resistance and transparency, and is a container for medical solutions, quasi-drugs, foods, industrial chemicals, etc. for storing liquid solutions / drugs, powder drugs, blood, etc. It becomes suitable as.
Claims (1)
(1)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.945g/cm3、
(2)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜20g/10分、
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜5、
(4)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(5)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.960g/cm3、
(6)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜10g/10分、
(7)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜5、
(8)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(9)JIS K6760−1981を準拠し測定した密度が0.920〜0.
935g/cm3、
(10)JIS K7210−1976を準拠し190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが0.1〜30g/10分、
(11)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜8、
(12)190℃で測定した溶融張力が3〜20gEthylene · alpha-olefin copolymer inner layer satisfies the following properties obtained by copolymerizing the alpha-olefin ethylene and 3 to 20 carbon atoms (1) ~ (4) ( A) 90~ 60 % by weight of polypropylene The following characteristics (5) to (8), comprising a resin composition comprising 10 to 40 % by weight of the resin (B), wherein at least one of the outer layers is copolymerized with ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms Composition of 95 to 50% by weight of ethylene / α-olefin copolymer (C) satisfying the following and high pressure method low density polyethylene (D) satisfying the following characteristics (9) to (12): 5 to 50% by weight A tubular multilayer film characterized by comprising a product.
(1) A density measured in accordance with JIS K6760-1981 is 0.920 to 0.945 g / cm 3 ,
(2) The melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 20 g / 10 min.
(3) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 1.5 to 5,
(4) The amount of n-heptane extracted at 50 ° C. is 0.2 wt% or less,
(5) The density measured in accordance with JIS K6760-1981 is 0.920-0.960 g / cm 3 ,
(6) The melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 10 g / 10 min.
(7) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 1.5 to 5,
(8) The amount of n-heptane extracted at 50 ° C. is 0.2 wt% or less,
(9) The density measured according to JIS K6760-1981 is 0.920-0.
935 g / cm 3 ,
(10) A melt flow rate measured under a load of 190 ° C. and 2160 g in accordance with JIS K7210-1976 is 0.1 to 30 g / 10 min.
(11) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography is 3 to 8,
(12) The melt tension measured at 190 ° C. is 3 to 20 g.
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