JP4596207B2 - 酵素によるタンパク質の同位体標識法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンパク質のアミノ酸残基の官能基を同位体標識する方法及びアミノ酸残基の官能基が同位体標識されたタンパク質に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゲノム解析技術の進歩に伴い、さまざまな動植物及び微生物の遺伝子が次々と明らかになってきた。さらに近年では、遺伝子情報を利用した医薬品の開発に代表されるようなポストゲノム解析にも力が注がれるようになっている。特に、得られた遺伝子の役割を解明するために、遺伝子がコードするタンパク質の構造解析や機能解析は精力的に行なわれている。例えばレセプタータンパク質であることがわかれば、リガンドをスクリーニングすることによってアゴニストやアンタゴニストを見つけ出すことができるからである。しかしながら、遺伝子の配列解析とは異なり、タンパク質の機能解析や構造解析には画一的な方法は存在せず、目的に応じて適切な方法を用いる必要がある。そのうち、対象タンパク質を標識する方法は、検出を容易にすることから利用されることが多い。
【0003】
タンパク質を標識するには、2H、13C、15Nをはじめとする同位体を導入する方法と、蛍光試薬やキレート試薬などを化学修飾する方法が挙げられる。2H、13C、15Nといった安定同位体で標識されたタンパク質の登場はNMRの適用範囲を大幅に広げ、NMRによる構造解析に欠かせない手法として広く利用されている(Ikura, M. et al. (1992) Science 256, 632.など)。また、NMRやMSによって検出できることを生かし、機能解析に用いられる場合も多い。一方、蛍光試薬やキレート試薬による化学修飾は、微量試料の検出に適していることから、タンパク質の分布や活性の定量などに幅広く用いられている。
安定同位体標識の特徴として、タンパク質の化学的な性質が基本的には変わらないことが挙げられ、タンパク質の構造解析や機能解析に活用されている。特にNMRによる構造解析においては、2H標識することによってタンパク質中の1Hシグナル数を減少させ解析を容易にする方法(ネガティブ標識法)や、13Cや15Nといった感度の良い核種へと置換して多次元NMRに利用する方法(ポジティブ標識法)がある。現在、分子量が6,000以上のタンパク質のほとんどは、このどちらかの方法を利用して構造解析が行なわれている。
【0004】
安定同位体でタンパク質を標識するには、主に大腸菌による発現系を構築した後、標識化合物を含有する培地で培養することにより行なわれており、標識化合物としては13Cグルコース、15NH4Cl、13Cグリセロール、各種標識アミノ酸などが挙げられる(Kainosho, M. et al. (1982) Biochemistry 21, 6273. Ikura, M. et al. (1990) Biochemistry 29, 4659.など)。大腸菌のほかには酵母や動物細胞などの発現系や、無細胞系によって標識タンパク質を調製する方法も報告されている(Kigawa, T. et al. (1995) J. Biomol. NMR 2, 129.)。これらの方法ではペプチド鎖を生合成する際に標識化合物が取り込まれるため、部位選択的もしくは均一に標識することができる反面、個別のタンパク質について発現系を構築する必要があり多大な労力や時間を要するという問題があった。ペプチドや鎖長の短いタンパク質の場合には、標識アミノ酸から合成することも可能であるが、鎖長の制約のため適用できる対象が限られている。
【0005】
化学修飾法は、調製した任意のタンパク質をそのまま標識することが可能であり、制約は少ない。さらに、グルタミン酸残基、アスパラギン酸残基、ヒスチジン残基など、官能基をもった残基それぞれに適した化学修飾試薬が存在しているため、ペプチド鎖の組成にかかわらず標識が可能であるといった利点がある。しかしながら、化学修飾法は、タンパク質本来のものとは異なる性質をもつ官能基を付加してしまうことなどから、機能や構造が損なわれてしまう場合もあり、機能解析や構造解析への適用には限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは、タンパク質のアミノ酸残基の官能基を同位体標識する方法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、アミノ酸残基の官能基が同位体標識されたタンパク質を提供することである。
アミノ酸残基の官能基が同位体標識されたタンパク質を用いることにより、該タンパク質の機能解析や構造解析を行うことができる。
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酵素の作用により、タンパク質のアミノ酸残基の官能基を同位体標識し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、標識すべきタンパク質、同位体標識化合物および酵素を接触させることを含む、タンパク質を同位体標識する方法である。より詳しくは、本発明は、標識すべきタンパク質、同位体標識化合物および酵素を接触させ、前記酵素の作用により前記タンパク質のアミノ酸残基の官能基を前記同位体標識化合物に由来する同位体標識基で置換すること、を含む、タンパク質を同位体標識する方法である。
特に本発明は、タンパク質のグルタミン残基にトランスグルタミナーゼを作用させ、そのグルタミン残基のカルボキシアミド窒素を標識することを含む、タンパク質を同位体標識する方法である。
また、本発明は、そのような方法により同位体標識されたタンパク質を含む。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる酵素としては、タンパク質のアミノ酸残基の官能基に作用して共有結合の形成もしくは切断に関わるものであればいずれの酵素でも使用できる。好適な例としては、トランスフェラーゼ、特にトランスグルタミナーゼが挙げられる。また、メチルトランスフェラーゼもタンパク質に作用することが報告されており、本発明において使用することが可能である(Clarke, S. et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85, 4643.)。トランスフェラーゼには他にも、ヒドロキシトランスフェラーゼやアミノトランスフェラーゼなどが含まれ、本発明の目的に同様に利用できる。
【0008】
トランスグルタミナーゼは、ゼラチン、チーズ、ヨーグルト、豆腐、蒲鉾、ハム、ソーセージ、麺類などの食品の製造や食肉の肉質改善等に広く利用されている(特開昭64-27471)。また、熱に安定なマイクロカプセルの素材、固定化酵素の担体などの製造に利用されているなど、産業上種々の目的に使用されている酵素である。トランスグルタミナーゼは、タンパク質分子のペプチド鎖内にあるグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転移反応を触媒する。タンパク質分子中のリジン残基のε−アミノ基がアシル受容体として作用すると蛋白質分子中及び分子間においてε−(γ−Glu)−Lys結合が形成される。
トランスグルタミナーゼ触媒反応を利用して、タンパク質のグルタミン残基のカルボキシアミド窒素を同位体標識する方法を図1に模式的に示した。式1、式2はそれぞれグルタミン残基を含むタンパク質を示しており、R1はペプチド鎖、N末端アミノ酸又は水素のいずれか、R2はペプチド鎖、C末端アミノ酸又は水酸基のいずれかを示し、該タンパク質がトランスグルタミナーゼの基質となる限りにおいて特に制限はない。
【0009】
トランスグルタミナーゼとしてはカルシウム非依存性のものとカルシウム依存性のものがあり、何れも本発明に使用することができる。前者の例としては、放線菌、枯草菌等の微生物由来のもの(例えば、特開昭64−27471号公報参照。)を挙げることができる。後者の例としてはモルモット肝臓由来のもの(例えば、特公平1−50382号公報参照。)、ヒト表皮ケラチン細胞トランスグルタミナーゼ(Phillips, M. A. et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 87, 9333.)、ヒト血液凝固因子XIII(Ichinose, A. et al. (1990) Biochemistry 25, 6900.)、卵菌等の微生物由来のもの、牛血液、豚血液等の動物由来のもの、サケ、マダイ等の魚由来のもの(例えば、関信夫等、「日本水産学会誌」56巻125〜132頁、1990年)、カキ由来のもの、等を挙げることができる。この他、遺伝子組み換えにより製造されるもの(例えば、特開平1−300889号公報、特開平6−225775号公報、特開平7−23737号公報参照。)等、を挙げることができる。本発明には何れのトランスグルタミナーゼでも使用することができ、起源及び製法に限定されることはない。
【0010】
但し、より多くのグルタミン残基に作用するトランスグルタミナーゼの方が、多くの部位に同位体原子を導入できる点で好ましい。また、同位体標識するタンパク質の性質によってはカルシウムを含む溶媒中での酵素反応が好ましくない場合もあるため、そのようなタンパク質についてはカルシウム非依存性のトランスグルタミナーゼを使用することが好ましい。例えば、上記微生物由来のトランスグルタミナーゼ(MTG)(例えば、特開昭64−27471号公報参照。)等は何れの条件をも満足するのもであり、現時点では最適と言うことができる。例えば、ストレプトベルチシリウム・グリセオカルネウム(Streptoverticillium griseocarneum )IFO 12776 、ストレプトベルチシリウム・シナモネウム(Streptoverticillium cinnamoneum sub sp. cinnamoneum )IFO 12852 、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス(Streptoverticillium mobaraense)IFO 13819等に由来するトランスグルタミナーゼである。以下、ストレプトベルチシリウム・モバラエンスに由来するトランスグルタミナーゼをMTGと呼ぶ。
【0011】
本発明に使用するトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のようにして測定され、かつ定義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロル酢酸存在下で鉄錯体に変換させた後、525nmの吸光度で、その量を測定する。このようにしてヒドロキサム酸の量より検量線を作成し、1分間に1μモルのハイドロキサメートを生成させる酵素量をトランスグルタミナーゼの活性単位、1ユニットと定義する。この測定法の詳細は既に報告されている通り(例えば、特開昭64−27471号公報等参照。)である。
【0012】
本発明の方法により同位体標識すべきタンパク質としては、アルブミン、イムノグロブリン、血液凝固因子などのヒト血漿成分;プロテアーゼ、トランスフェラーゼなどの酵素;成長ホルモン、エリスロポエチンなどのホルモン;細胞増殖、抑制などの細胞増殖因子;細胞分化、誘導、刺激などの免疫反応調節因子;モノカイン、サイトカイン、リンホカインなどの細胞産性生物学的活性タンパク質;等を広く挙げることができる。これらのタンパク質は、その由来を問わず、動物由来のものであっても、植物由来のものであっても、微生物由来のものであってもよい。また、大腸菌、酵母、動物細胞等にこれらタンパク質の遺伝子を組み込み発現させたタンパク質、あるいは、無細胞タンパク質合成系を利用して発現させたタンパク質であってもよい。
【0013】
同位体標識すべきタンパク質の分子量に制限はないが、NMRを用いて検出するのであれば、分子量が2X10より小さい方が好ましい。分子量2X10以上のタンパク質の場合には、NMRシグナルの広幅化により検出が難しくなるため、マススペクトルを測定することによって検出を行うことになる。
トランスグルタミナーゼによって同位体標識すべきタンパク質は、分子中に少なくても1個のトランスグルタミナーゼの作用を受けるグルタミン残基を有するものである。分子中のグルタミン残基がトランスグルタミナーゼの作用を受けるかどうかは、同位体標識されたタンパク質のNMRスペクトルもしくはマススペクトルを測定すれば確認できる。トランスグルタミナーゼによってグルタミン残基のカルボキシアミド窒素を15N標識する場合であれば、15N核を選択的に編集するNMRスペクトル、例えば1H-15N HSQCスペクトルを測定すればよい。また、マススペクトルを測定し、14Nから15Nへの置換に伴う分子量の増加を検出することで確認することもできる。タンパク質がトランスグルタミナーゼの作用を受けるグルタミン残基を有しない場合には、トランスグルタミナーゼの作用を受けるグルタミン残基を部位特異変異によって導入することも可能である。
【0014】
標識に用いる同位体としては、1Hに対しては2Hあるいは3H、12Cに対しては13C、14Nに対しては15N、16Oに対しては17Oあるいは18O等が挙げられる。天然のタンパク質には1H、12C、14N、16Oが多く含まれているため、これらの核種を同位体で置換する場合が多いが、本方法は水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子の同位体標識に限定されるものではない。また、既存の方法に従って天然存在比の小さい核種である2H、13C、15N等で構築されたタンパク質を調製した後、天然存在比の高い核種である1H、12C、14N等で同位体標識することも可能である。
トランスグルタミナーゼによってタンパク質のグルタミン残基のカルボキシアミド窒素を15N標識する場合、図1に示すように、標識アミンとの交換反応によって同位体が導入される。標識化合物としてはアンモニウム塩であればよく、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなど広く挙げることができる。15N標識するのであればアンモニウム塩の窒素が15Nのものを用い、14N標識するのであればアンモニウム塩の窒素が14Nのものを用いればよい。
【0015】
同位体標識部位の決定には、NMR、MS、中性子散乱等を利用することができる。それらの中で、分析が迅速かつ容易なNMRやMSを用いることが好ましい。NMRの場合、特定の同位体核のみを編集もしくはフィルターする方法が報告されている。また、タンパク質中の個々の原子はNMRスペクトル上でそれぞれ異なる化学シフトをもち、既存の方法によって帰属できることが知られている。例えば、1H-15N HSQC測定は窒素原子のうち15N核のみを編集する方法であり、15N核の導入を確認することができる。さらに、1H-15N HSQCスペクトル上に観測される15N核の化学シフトからタンパク質中のどの位置の窒素であるかを決定することが可能となる。
また、MSを用いて同位体標識部位を決定することも可能である。例えば、標識前後のタンパク質をそれぞれ酵素によって限定分解すると、同位体標識された部位を含むペプチドフラグメントのみ、分子量に差が生じる。ペプチドフラグメントの配列は、例えば、残基ごとにフラグメント化しながらマススペクトルを測定する方法、すなわちMS/MSを測定することによって決定できることから、タンパク質中の同位体標識部位を決定することが可能である。また、分子量が2X104以下のタンパク質であれば、MS/MSのみを使って、酵素による限定分解をせずに同位体標識部位を決定することができる。
【0016】
標識率の定量法としては、NMRを用いることが望ましい。NMRシグナル強度は存在比率と相関があることから、同位体標識部位と非標識部位由来のシグナル強度比から標識率を算出することができる。例えば、カルボキシアミド基に15N核を導入する場合、標識された部位は15N-1H、標識されなかった部位は14N-1Hとなる。このとき、図2aに示すように、15N-1Hの場合には15N核の影響を受け1Hシグナルが2本にスプリットするが、14N-1Hの場合には1本のシグナルとして観測される。その結果、それぞれの強度比から15N標識率を算出することが可能となる(後述の実施例参照)。
【0017】
構造・機能解析を行う場合やトランスグルタミナーゼの基質特異性を解析する場合などは、同位体標識率が90%以上であることが望ましい。トランスグルタミナーゼの作用を受けるグルタミン残基を90%以上の標識率で標識するためには、通常のトランスグルタミナーゼ反応に使用される条件下でトランスグルタミナーゼ、標識すべきタンパク質、同位体標識化合物を保持すればよい。例えば、水性溶媒中で約pH5.0〜約pH9.0の範囲、好ましくは約pH6.0〜約pH8.0の範囲で、温度約4℃〜約55℃の範囲で、更に好ましくは約25℃〜約40℃の範囲で、標識すべきタンパク質、アンモニウム塩及びトランスグルタミナーゼを保持することである。反応時間には特に制限はないが、約30秒〜約2日、より好ましくは約1分〜約2時間とする。この反応において、標識すべきタンパク質の濃度は約1μM〜約40mM、アンモニウム塩の濃度は約10μM〜約10Mの範囲が望ましく、標識すべきタンパク質に対しアンモニウム塩の濃度を約10倍以上、好ましくは約200倍以上とする。また、トランスグルタミナーゼの使用量は、約10nM〜約100μMの範囲が望ましく、これはタンパク質1mmol当り約0.01〜約20ユニットに相当する。
なお、上記の反応条件に制限されるものではなく、用途によっては90%以下の標識率の場合が好ましい場合もある。例えば、同位体標識速度を追跡することによって、各種トランスグルタミナーゼの活性評価を行う場合などが、それに相当する。
【0018】
一方、従来、トランスグルタミナーゼの基質特異性の比較には、トランスグルタミナーゼ反応による架橋重合物を電気泳動によって解析する方法や、反応物をフラグメント化した後に分析する方法が用いられていた。前者は分子間の架橋反応を追跡することには適しているが、結合部位やその数などの詳細な情報を得ることはできないという問題があった。また、後者は多大な時間と労力を要し、種々のトランスグルタミナーゼや多様な基質タンパク質に適用するのには限界があった。
本発明の方法を用いれば、各種トランスグルタミナーゼ(その変異体を含む)の活性評価及び基質特異性の解析を容易に行なえ、用途に適したトランスグルタミナーゼをスクリーニングすることが可能となる。トランスグルタミナーゼの活性評価および基質特異性の解析については、例えば前述の条件下において基質タンパク質と標識アンモニウム塩とをトランスグルタミナーゼの存在下で反応せしめ、NMRを用いて標識率の経時変化を追跡する等、基質タンパク質中の標識されたグルタミン酸残基を検出すればよい。NMR測定法としては、15N核を選択的に編集するNMR測定法、例えば1H-15N HSQCなどが挙げられる。更に、pH、温度、基質濃度による反応速度の変化を観測するなど、広く応用例が考えられる。
【0019】
また、NMRあるいはMSを用いることにより、トランスグルタミナーゼの作用を受けるグルタミン残基を帰属できることを利用し、基質特異性、すなわちトランスグルタミナーゼの作用を受けやすいグルタミン残基と受け難いグルタミン残基を識別することができる。
即ち、本発明の方法は、既存のトランスグルタミナーゼ、新規トランスグルタミナーゼ、トランスグルタミナーゼ改変体の活性及び基質特異性を容易に調べられることから、トランスグルタミナーゼのスクリーニングに応用できるなど、産業上有用である。
また、トランスグルタミナーゼによる食肉の肉質改善には、トランスグルタミナーゼの基質の一つとしてカゼインが用いられている(特公平1-50382)。カゼイン以外のタンパク質によって肉質の改善ができれば、用途の拡大を図れる。種々のタンパク質に対して本発明の方法を適用することによって、トランスグルタミナーゼの基質となるタンパク質をスクリーニングすることができ、カゼインに代わる基質タンパク質の発見へと発展させることが可能である。例えば、前述の条件下において、タンパク質と標識アンモニウム塩とをトランスグルタミナーゼの存在下で反応せしめれば、トランスグルタミナーゼの基質となるタンパク質のみ15N標識される。従って、NMRを用いて容易にトランスグルタミナーゼの基質となるタンパク質を識別することができる。
【0020】
酵素によってタンパク質を同位体標識する本発明は、任意のタンパク質への適用が可能である上、化学修飾とは異なりタンパク質の物性が変わらないという利点がある。さらに、NMRによる同位体編集あるいは同位体フィルター実験や、MSによる分子量測定によって同位体標識されたタンパク質、並びにその標識部位が検出できるため、機能解析あるいは構造解析へと発展させることが可能となる。例えば、レセプタータンパク質を題材としてリガンド存在下と非存在下において本法を適用すると、リガンド存在下におけるリガンド結合部位はリガンドに覆われているため標識されない。リガンド結合部位がわかれば、より強固に結合するリガンドをデザインしていくことも可能であり、新規なアゴニストあるいはアンタゴニストの発見に結びつく。レセプター・リガンド相互作用に関する研究のみならず、広くタンパク質・リガンド相互作用、あるいはタンパク質・タンパク質相互作用の解析などの応用例が考えられる。
【0021】
また、15Nに比べ、14Nに結合したプロトン由来のNMRシグナルは、14N核の性質から広幅化することが多い。そのため、15N標識化はより多くの距離情報を得ることを可能にするなど、NMRから得られる構造情報の増加に結びつく。さらに、タンパク質にはプロトンの数が多いため、プロトンNMRシグナルが重なり合って解析が難しい。このような場合には、同位体標識された試料を用いた、同位体編集あるいは同位体フィルター実験が役立つ。例えば、トランスグルタミナーゼによってタンパク質のグルタミン残基のカルボキシアミド窒素を15N標識した場合、グルタミン残基特異的に構造情報を抽出することが可能となる。その他、広く応用例が考えられる。
【0022】
【実施例】
実施例1(モデル化合物の 15 N 標識及び 15 N 標識率の定量)
同位体標識するモデル化合物としてN-カルボベンゾキシ-L-グルタミニル-L-グリシン(N-carbobenzoxy-L-glutaminyl-glycine)(以下CBZ-Gln-Glyと略す)を取り上げた。 CBZ-Gln-Gly 37.5mM、15NH4Cl 423mM、MTG 40μMとなるように混合し、1H-NMR測定、及び、1H-15N HSQC測定を行った(図2a,b)。混合してから測定までの時間は1H-NMR測定については18分、1H-15N HSQC測定については390分であり、これらの時間がトランスグルタミナーゼ反応時間に相当する。15N標識されたグルタミン残基は 1H-15N HSQCスペクトル上に2本のシグナルを与えることから、グルタミン残基のカルボキシアミド窒素が15N標識されていることが判明した(図2b)。また、1H-NMRスペクトル上には15Nによってスプリットする 15NH2シグナルとシングレットの14NH2シグナルがそれぞれ2組ずつ観測され、その1組を図1aに示してある。このスペクトル上の15NH2シグナルと14NH2シグナルの強度比から、15N標識率67%を算出することができた。以上の結果より、グルタミン残基のカルボキシアミド窒素を15N標識できること、及び、標識率を定量できることが明らかとなった。また、すでに報告されている、タンパク質のNMRシグナルの帰属法、あるいはMSを活用すれば、15N標識される部位が複数存在していてもそれぞれの帰属が可能である。したがって、本法によりトランスグルタミナーゼによる15N標識部位の決定、すなわち、トランスグルタミナーゼ反応部位となるグルタミン残基を決定できる。
【0023】
実施例2(グルタミン残基が 1 つ存在する低分子量タンパク質の 15 N 標識)
インシュリンB鎖 < 0.5mM、15NH4Cl 401mM、MTG 4μMとなるように混合し、69分後に1H-15N HSQC測定を行った(図3)。その結果、インシュリンB鎖に1個存在するグルタミン残基のカルボキシアミド窒素が15N標識されることが判明し、ペプチドあるいは低分子のタンパク質の15N標識が可能であることを示すことができた。
【0024】
実施例3(グルタミン残基が複数存在する低分子量タンパク質の 15 N 標識と構造解析)
インシュリンA鎖 0.5mM、15NH4Cl 401mM、MTG 4μMとなるように混合し、20分後に1H-15N HSQC測定を行った(図4a)。その結果、インシュリンA鎖に2個存在するグルタミン残基のうち一方のカルボキシアミド窒素が15N標識されることが判明した。これは、トランスグルタミナーゼが作用するグルタミン残基のみが15N標識されていることを示している。
さらに、グルタミン残基のカルボキシアミド窒素を15N標識したインシュリンA鎖の15N-edited NOESY測定を行った(図4b)。その結果、グルタミン残基のカルボキシアミドプロトン同士(図4b-B)あるいは水との間(図4b-A)に、NOE・化学交換ピークが観測された。NOEは約0.5nm以内に存在するプロトン原子間に観測される現象であり、また、化学交換とは特定の原子がアミドプロトンと水のように異なる状態間を交換することを意味する。したがって、グルタミン残基のカルボキシアミドプロトン間の距離が近く(図4b-B)、さらに水に露出していること(図4b-A)が示された。以上の結果より、グルタミン残基のカルボキシアミド窒素を15N標識することにより、高次構造に関する知見が得られることがわかった。
【0025】
実施例4(高分子量タンパク質の 15 N 標識)
高分子量タンパク質として、牛血清アルブミン(serum albumin, bovine、以後BSAと略す) を取り上げた。BSA 0.8mM、15NH4Cl 317mM、MTG 4μMとなるように混合し、222分後に1H-15N HSQC測定を行った(図5)。カルボキシアミド窒素が15N標識されると、15Nに2つの1Hが結合しているために、1つの15Nの化学シフトに対して2つのシグナルがペアとして観測される。図5より、BSAに21個存在するグルタミン残基のカルボキシアミド窒素のうち少なくとも一部が15N標識されることが判明し、高分子量タンパク質の15N標識が可能であることを示すことができた。また、トランスグルタミナーゼの反応部位となるグルタミン残基のみが15N標識されることから、BSAのようにグルタミン残基を複数含んでいるタンパク質を用いれば、各種トランスグルタミナーゼの基質特異性を比較可能なことがわかった。
【0026】
実施例5(トランスグルタミナーゼが作用するグルタミン残基をもたないタンパク質)
卵白リゾチーム 1.4mM、15NH4Cl 415mM、MTG 4μMとなるように混合し、722分後に1H-15N HSQC測定を行った。その結果、卵白リゾチームに3個存在するグルタミン残基のすべてが15N標識されず、卵白リゾチームが基質にならないことが判明した。トランスグルタミナーゼを用いた、複数のタンパク質の同位体標識化を試みることによって、トランスグルタミナーゼの基質タンパク質を簡便に選び出すことができると考えられる。
【0027】
実施例6.(各種トランスグルタミナーゼの基質特異性の比較)
トランスグルタミナーゼには、分子量やアミノ酸配列が異なるさまざまな種類が存在する。基質となるグルタミン残基の種類や反応速度は各トランスグルタミナーゼごとに異なり、基質タンパク質の架橋能力の差に結びついている。そこで、本法を用いて簡便かつ迅速に基質特異性を比較することとした。
卵白アルブミン 2.3mM、CaCl2 5mM、15NH4Cl 200mM、MTG 4μMとなるように混合し、180分後に1H-15N HSQC測定を行った(図6a)。同様に、モルモット由来のトランスグルタミナーゼをシグマ社から購入し、トランスグルタミナーゼの種類を変更したことを除き、同一の条件で反応させた後、1H-15N HSQC測定を行った(図6b)。その結果、MTGによって標識されるグルタミン残基▲1▼〜▲6▼のうち、モルモット由来のトランスグルタミナーゼでは▲1▼、▲3▼、▲4▼しか標識されないことが判明した。卵白アルブミンを基質タンパク質とした場合、モルモット由来のトランスグルタミナーゼに比べMTGでは多くのグルタミン残基が基質となり得る、即ち基質特異性が低いことを簡便かつ迅速に証明できた。以上の結果、本法により、より多くの数のグルタミン残基に反応するトランスグルタミナーゼ、あるいはより少ない数のグルタミン残基に反応するトランスグルタミナーゼなど、用途に適したものをスクリーニングできることがわかった。
【0028】
実施例7.(基質タンパク質における任意のグルタミン残基の反応速度の比較)
実施例6に続いて反応速度を比較することとした。MTGには、N末端のアスパラギン酸残基が欠落した変異体がすでに報告されているので(特開平11-075876号)、これと野生型について本法を適用した。N末端のアスパラギン酸が欠落した変異体は、N末端がセリン残基となっていることから、以下Ser型と呼ぶ。
卵白アルブミン 2.3mM、CaCl2 5mM、15NH4Cl 200mM、MTG野生型あるいはSer型 0.4μMとなるように混合し、20分後から136分ごとに20回連続して1H-15N HSQC測定を行った。得られたスペクトルにおいて、図6aに▲6▼と示したシグナルについて強度をプロットした(図7)。その結果、図6a▲6▼にシグナルを与えるグルタミン残基においては、野生型に比べSer型の反応速度が高いことが判明した。基質タンパク質における任意のグルタミン残基の反応速度を追跡できることを証明できた。即ち、本法により簡便かつ迅速に、より反応速度の高い、あるいはより反応速度の低いトランスグルタミナーゼなど、用途に適したものをスクリーニングできることがわかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、任意のタンパク質を同位体標識することが可能となり、機能解析あるいは構造解析を行うことが容易になる。特に、グルタミン残基を有するタンパク質をトランスグルタミナーゼの作用によって同位体標識することができる。更に、トランスグルタミナーゼをはじめとする各種酵素の活性評価、基質特異性の比較、並びに基質の決定に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グルタミン残基のカルボキシアミド窒素の15N標識過程の模式図である。R1はペプチド鎖、N末端のアミノ酸又は水素を表し、R2はペプチド鎖、C末端アミノ酸又は水酸基を表す。
【図2】15N標識したCBZ-Gln-Glyの1H NMRおよびHSQCスペクトルである。
【図3】15N標識したインシュリンB鎖のHSQCスペクトルである。
【図4】15N標識したインシュリンA鎖のHSQCスペクトルおよび15N-edited NOESYスペクトルである。
【図5】15N標識したウシ血清アルブミンのHSQCスペクトルである。
【図6】(a) MTG(微生物由来トランスグルタミナーゼ)を用いて15N標識した卵白アルブミンのHSQCスペクトルである。(b) モルモット由来のトランスグルタミナーゼを用いて15N標識した卵白アルブミンのHSQCスペクトルである。
【図7】15NH4Cl存在下、野生型あるいはSer型を作用させた卵白アルブミンのグルタミン残基のうち、図6aに▲6▼と記したシグナルのピーク強度を反応時間に対してプロットした図である。

Claims (2)

  1. トランスグルタミナーゼを同位体標識アンモニウム塩の存在下でタンパク質に作用させることを含む、タンパク質のグルタミン残基の官能基を同位体標識する方法。
  2. (i)トランスグルタミナーゼを同位体標識アンモニウム塩の存在下でタンパク質に作用させること、
    (ii)(i)で同位体標識された当該タンパク質中のグルタミン残基を検出すること、
    を含む、トランスグルタミナーゼの基質特異性を測定する方法。
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