JP4594888B2 - 低温用照明器具 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、蛍光ランプの温度低下を防ぎ、低温域での光出力の低下を抑えることを目的とする。また、蛍光ランプの径によらず、管壁外面に伝熱度の高い材料を密着させることを目的とする。
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1では、低温用照明器具100の全体構成について説明する。
したがって、蛍光ランプと第1保温カバー3−1との間には第1空気層がある。また、第1保温カバー3−1と第2保温カバー3−2との間には、第2空気層がある。また、第2保温カバー3−2と第3保温カバー3−3との間には、第3空気層がある。
さらに、第1パッキン5−1は、蛍光ランプの軸方向端部において、蛍光ランプと第1保温カバー3−1との間の空間を埋める。蛍光ランプに伝熱部材4が取り付けられている場合、第1パッキン5−1は、伝熱部材4の軸方向端部において、蛍光ランプに取り付けられた伝熱部材4と第1保温カバー3−1との間の空間を埋める。また、第2パッキン5−2は、蛍光ランプの軸方向端部において、第1保温カバー3−1と第2保温カバー3−2との間の空間を埋める。また、通常、第1パッキン5−1と第2パッキン5−2とは、蛍光ランプの軸方向両端部に設けられる。
また、実施の形態1にかかる低温用照明器具100によれば、伝熱部材4を備えることにより、高温部の熱を最冷点である蛍光ランプの口金部近傍に伝えることができる。したがって、蛍光ランプの口金部近傍の温度を高めることが可能である。
さらに、実施の形態1にかかる低温用照明器具100によれば、第1パッキン5−1と第2パッキン5−2とを備えることにより、各保温カバーの密閉性が高まる。したがって、保温力がより高くなる。
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、伝熱部材4について説明する。
伝熱部材4は、周方向の両端部が所定の幅だけ重なる重畳部15を有する略円筒形である。つまり、伝熱部材4には、重畳部15において外側となる外側部10と、内側となる内側部11とがある。また、伝熱部材4は、蛍光ランプの少なくとも最冷点部から高温部までの管外面に弾性により略密着して、管外面を少なくとも1周覆う。ここで、直管型の蛍光ランプ6の最冷点は一般に直管型の蛍光ランプ6の中央近傍であるが、低温環境下では熱伝導率の高い金属製の口金部が外気により冷えるのでガラス管最端部7となる。また、最冷点よりも高温になる高温部はフィラメント部8付近である。伝熱部材4は、例えば、熱伝導性の高い材料からなる1枚の板を円筒形に丸めて形成されたものである。丸めた形状を記憶させることにより、記憶した形状よりも周を広げると周を縮める方向への弾性が発生する。
返し部13は、略円筒形に形成された伝熱部材4の軸方向の片端を周の外方向へ折り返して形成される。また、伝熱部材テーパー部14は、略円筒形に形成された伝熱部材4の外壁が軸方向の返し部13と逆端へ向かってラッパ状に広がり形成される。伝熱部材凸部16は、外壁の所定の位置に凸状に設けられる。
伝熱部材4は、片端側に軸方向の片端から所定の本数有するスリット部17を備える。ここでは、スリット部17には、スリット17a,17b,17cが設けられる。スリット17a,17b,17cの長さは、ソケット部に取り付けされる蛍光ランプの少なくとも最冷点部から高温部までの長さ以上の所定の長さである。
また、スリット部17に設けられる各スリットの軸方向終端部であるスリット終端部18から、スリット部17の軸方向他端側の部分はスリットが設けられていない接続部19である。図7に示すように、接続部19の断面の半径R2は、スリット部17の断面の半径R1よりも大きい。
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、第1パッキン5−1について説明する。
上述したように、第1パッキン5−1は、蛍光ランプの軸方向端部において、蛍光ランプと第1保温カバー3−1との間の空間を埋める。蛍光ランプに伝熱部材4が取り付けられている場合、第1パッキン5−1は、伝熱部材4の軸方向端部において、蛍光ランプに取り付けられた伝熱部材4と第1保温カバー3−1との間の空間を埋める。つまり、第1パッキン5−1は、略円筒形に形成され、蛍光ランプの管外面の軸方向端部、又は、伝熱部材4の外壁の軸方向端部に略密着して取り付けられる。また、第1パッキン5−1は第1保温カバー3−1の内壁と略密着して取り付けられる。そして、伝熱部材4に取り付けられる場合には、返し部13と伝熱部材凸部16との間に取り付けられる。また、第1パッキン5−1は、例えば、伝熱部材4に粘着又は接着して取り付けられる。さらに、第1パッキン5−1は、蛍光ランプの径の公差があっても密閉度が保たれるように単独(独立)気泡系のスポンジ素材で形成される。
図9に示すように、パッキン凹部20は、第1パッキン5−1の周方向の片端に凹状に設けられる。パッキン凸部21は、第1パッキン5−1の周方向のパッキン凹部20が設けられた他端に凸状に設けられる。また、第1パッキン5−1は、パッキン凹部20とパッキン凸部21とを嵌合させて蛍光ランプ又は伝熱部材4の周を覆うように取り付けられる。さらに、第1パッキン5−1は、パッキン凹部20が設けられた片端とパッキン凸部21が設けられた他端とを略密着させて蛍光ランプ又は伝熱部材4に取り付けられる。
さらに、図10に示すように、伝熱部材4は、外側部10の周方向の端部に周方向に切欠いて設けられた凹状の伝熱部材凹部12を有する。第1パッキン5−1は、外側部10の周方向の端部と、パッキン凹部20が設けられた片端とパッキン凸部21が設けられた他端とを略密着する密着位置とが略一致して取り付けられる。また、第1パッキン5−1は、伝熱部材凹部12とパッキン凹部20とが略一致して取り付けられ、伝熱部材凹部12を介して重畳部15において内側となる内側部11にパッキン凸部21が取り付けられる。
また、実施の形態3にかかる第1パッキン5−1によれば、蛍光ランプに誤差があり、径が大きくなる場合に、パッキン凹部20が設けられた片端とパッキン凸部21が設けられた他端との密着度が弱くなっても、パッキン凹部20とパッキン凸部21とを有するため、蛍光ランプ又は伝熱部材4と第1保温カバー3−1との密閉性が落ちることはない。つまり、パッキン凹部20が設けられた片端とパッキン凸部21が設けられた他端との密着度が弱くなっても、パッキン凹部20とパッキン凸部21とにより、軸方向へ連続した空間ができることがない。
さらに、実施の形態3にかかる第1パッキン5−1によれば、伝熱部材凹部12を介して重畳部15において内側となる内側部11にパッキン凸部21が取り付けられる。したがって、第1パッキン5−1は伝熱部材4の周が広がることを妨げない。つまり、パッキン凹部20とパッキン凸部21とを有し、伝熱部材4に粘着又は接着して取り付けられている場合であっても、蛍光ランプの誤差を吸収可能である。
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、第2パッキン5−2について説明する。
上述したように、第2パッキン5−2は、蛍光ランプの軸方向端部において、第1保温カバー3−1と第2保温カバー3−2との間の空間を埋める。つまり、第2パッキン5−2は、略円筒形に形成され、第1保温カバー3−1の外壁の軸方向端部に略密着して取り付けられる。また、第2パッキン5−2は第2保温カバー3−2の内壁と略密着して取り付けられる。
ここで、AからBへラッパ状に広がるとは、AからBへ向かうほどに周が広がることであり、広がる角度が一定であってもなくても構わない。また、AからBへ逆ラッパ状に狭まるとは、AからBへ向かうほどに周が狭まることであり、狭まる角度が一定であってもなくても構わない。つまり、ラッパ状とは、言い換えると、ハ字状、八字状、ベル状、フレア状、テーパー状である。
つまり、図12において示す径の長さは、R3<R4<R5であり、R6<R7であり、R8<R9<R10である。
また、第2パッキン5−2は、第1保温カバー3−1、第2保温カバー3−2を押し込み取り付けするため、その圧力に耐えられるようゴムなどにより形成されることが望ましい。
また、実施の形態4にかかる第2パッキン5−2によれば、パッキン係止部27を有するため、第2保温カバー3−2の内部に第2パッキン5−2が入り込むことを防止できる。
さらに、実施の形態4にかかる第2パッキン5−2によれば、パッキン第3テーパー部29を有することにより、第1保温カバー3−1に第2パッキン5−2を取り付ける場合に、パッキン第3テーパー部29側から第1保温カバー3−1へ挿入することで、容易に取り付けすることができる。
また、さらに、実施の形態4にかかる第2パッキン5−2によれば、パッキン第2テーパー部28を有することにより、第2保温カバー3−2に第2パッキン5−2を取り付ける場合に、パッキン第2テーパー部28側から第2保温カバー3−2へ挿入することで、容易に取り付けすることができる。
次に、実施の形態5について説明する。実施の形態5では、上記実施の形態で説明した保温カバー3−1,3−2,3−3及び伝熱部材4を装着した場合の保温力と光出力について測定した結果について説明する。
図13において、試験No(試No)1は、ダブルカバーを装着した場合の結果である。ダブルカバーを装着した場合とは、器具本体1に、第1保温カバー3−1と第2保温カバー3−2とを装着した場合である。試験No2は、ダブルカバーと伝熱部材4とを装着した場合の結果である。つまり、伝熱部材4と第1保温カバー3−1と第2保温カバー3−2とを装着した場合である。試験No3は、トリプルカバーと伝熱部材4とを装着した場合の結果である。トリプルカバーを装着した場合とは、第1保温カバー3−1と第2保温カバー3−2と第3保温カバー3−3とを装着した場合である。つまり、伝熱部材4と第1保温カバー3−1と第2保温カバー3−2と第3保温カバー3−3とを装着した場合である。
また、図13では、試験毎に、初期点灯時、再点灯時、光出力最大値の3つについて、5箇所の温度と、所定の条件の下での光出力の実測値(ルクス)及び光出力最大値に対する割合を示す。温度を測定した5箇所とは、口金のガラス管反対側の端部である口金角、ガラス管最端部7、フィラメント部8、ランプ中央から端部方向へ200mm離れた部分(ランプ中央→200)、及びランプ中央である。
また、ここでは、まず蛍光ランプを常温(25℃)で保管し、その後冷却する(−30℃)。そして、点灯させて光安定に入り消灯する。この点灯から消灯までを初期点灯と呼ぶ。次に、再び冷却する(−30℃)。そして、点灯させて光安定に入り消灯する。この点灯から消灯までを再点灯と呼ぶ。
試験No1の場合には、最冷点の温度は、初期点灯時で4.8℃、再点灯時で4.1℃であった。そして、光出力最大値に対する光出力は、初期点灯時で15.9%、再点灯時で14.7%であった。試験No2の場合には、最冷点の温度は、初期点灯時で20.0℃、再点灯時で20.4℃であった。そして、光出力最大値に対する光出力は、初期点灯時で62.4%、再点灯時で64.2%であった。試験No3の場合には、最冷点の温度は、初期点灯時で31.5℃、再点灯時で31.0℃であった。そして、光出力最大値に対する光出力は、初期点灯時で85.8%、再点灯時で85.1%であった。
ダブルカバーを装着した場合に比べ、ダブルカバーと伝熱部材4とを装着した場合には、光出力が約4倍になっている。また、ダブルカバーと伝熱部材4とを装着した場合に比べ、トリプルカバーと伝熱部材4とを装着した場合には、光出力が約1.3倍になっている。
蛍光ランプ内の水銀は、蛍光ランプが冷えると液状化し、最冷点部分に集まる。つまり、常温時には(a)に示すように水銀は常温時の最冷点である蛍光ランプのガラス管中央よりにある。しかし、蛍光ランプが冷却され保温が十分でないと、口金部分が特に冷え最冷点が口金よりに移動するため、(b)に示すように水銀は蛍光ランプのガラス管口金よりに移動する。
水銀の液状化が進むと蛍光ランプの光出力が落ちる。そこで、液状化した水銀が多く集まる最冷点部分の温度を上げる必要がある。図13、図14に示す各試験においても、最冷点は、蛍光ランプのガラス管最端部である。そのため、図13、図14に示す各試験において、蛍光ランプのガラス管最端の温度は蛍光ランプの光出力と密接に関連している。
図16に示すように、ダブルカバーを装着した場合には、約20分経過した場合に、温度は約0℃、光出力は約15%となる。その後、温度は約4〜5℃まで上昇するが、光出力は約15%で安定する。図17に示すように、ダブルカバーと伝熱部材4とを装着した場合には、約20分経過した場合に、温度は約15℃、光出力は約40%となる。その後、約40分経過した場合に、温度は約20℃、光出力は約63%となり安定する。図18に示すように、トリプルカバーと伝熱部材4とを装着した場合には、約20分経過した場合に、温度は約20℃、光出力は約50%となる。その後、約40分経過した場合に、温度は約31℃、光出力は約85%となり安定する。
Claims (10)
- 器具本体と、
上記器具本体に設けられ、直管形の蛍光ランプが着脱自在に取り付けされるソケット部と、
周方向の両端部が所定の幅だけ重なる重畳部を有する略円筒形であり、上記ソケット部に取り付けされる蛍光ランプの少なくとも上記蛍光ランプの口金部近傍から高温部までの管外面に弾性により略密着して、上記管外面を少なくとも1周覆う伝熱部材と、
蛍光ランプとの間に所定の空間を設けつつ、蛍光ランプを内部に収容する透明性を有する筒状の第1保温カバーと、
上記伝熱部材の軸方向端部において、上記伝熱部材と上記第1保温カバーとの間の空間を埋めるパッキンであり、周方向の片端に凹状のパッキン凹部を有し、周方向の他端に凸状のパッキン凸部を有し、上記パッキン凹部と上記パッキン凸部とが嵌合するとともに、上記片端と上記他端とが略密着して上記伝熱部材の周を覆い取り付けられる第1パッキンと
を備えることを特徴とする低温用照明器具。 - 上記伝熱部材は、
上記略円筒形の軸方向の片端を周の外方向へ折り返す返し部と、
外壁の所定の位置に凸状に設けられる伝熱部材凸部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の低温用照明器具。 - 上記伝熱部材は、外壁が上記略円筒形の軸方向の片端へ向かってラッパ状に広がる伝熱部材テーパー部
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低温用照明器具。 - 上記伝熱部材は、上記重畳部において外側となる外側部の周方向の端部に凹状の伝熱部材凹部を備え、
上記第1パッキンは、上記外側部の周方向の端部と、上記片端と上記他端とが略密着する密着位置とが略一致して取り付けられるとともに、上記伝熱部材凹部と上記パッキン凹部とが略一致して取り付けられ、上記伝熱部材凹部を介して上記重畳部において内側となる内側部に上記パッキン凸部が取り付けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の低温用照明器具。 - 上記低温用照明器具は、さらに、
上記第1保温カバーとの間に所定の空間を設けつつ、上記第1保温カバーを内部に収容する透明性を有する筒状の第2保温カバーと、
上記第1保温カバーの軸方向端部において、上記第1保温カバーと上記第2保温カバーとの間の空間を埋める第2パッキンと
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の低温用照明器具。 - 上記第2パッキンは、内壁を周方向に一周するフリンジと、外壁が軸方向端部へ向かってラッパ状に広がるパッキン第1テーパー部とを有し、上記フリンジと上記第1保温カバーの外壁とが略密着して上記第1保温カバーに取り付けられるとともに、上記パッキン第1テーパー部が上記第2保温カバーの内壁と略密着して上記第2保温カバーに取り付けられる
ことを特徴とする請求項5記載の低温用照明器具。 - 上記第2パッキンは、軸方向片端の外壁に凸状のパッキン係止部を有する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の低温用照明器具。 - 上記第2パッキンは、外壁が軸方向端部へ向かって逆ラッパ状に狭まるパッキン第2テーパー部を有する
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の低温用照明器具。 - 上記第2パッキンは、内壁が軸方向端部へ向かってラッパ状に広がるパッキン第3テーパー部を有する
ことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに記載の低温用照明器具。 - 上記低温用照明器具は、さらに、
上記第2保温カバーとの間に所定の空間を設けつつ、上記第2保温カバーを内部に収容する透明性を有する第3保温カバー
を備えることを特徴とする請求項5から請求項9のいずれかに記載の低温用照明器具。
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