JP4594267B2 - 抗真菌物質の製造方法 - Google Patents

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本発明は抗真菌物質の製造方法に関し、詳しくはストレプトミセス属に属する放線菌を培地に培養し、培養物からジヒドロフェニルアラニンを採取することを特徴とする抗真菌物質の製造方法に関する。
HIVや癌の治療、そして臓器移植において問題とされているのが、微生物による感染症である。細菌の感染症に対する抗生物質の開発は、すでに確立されている。MRSAやVRE等の薬剤耐性菌の出現という問題もあるが、それ以上に深刻であるのが真菌による感染症である。特に、カンジダ・アルビカンスによるカンジダ症やアスペルギルス属菌によるアスペルギルス症は、移植手術において大きな妨げとなっている(非特許文献1参照)。
酵母および糸状菌は真核生物であり、原核生物である細菌に対して真菌と称されている。ある種の真菌はヒトや動物に対して病原性を示し、真菌感染症の起因菌とされている。これら真菌の病原性は概ね弱いものであるが、抵抗力の低下した状態の患者には、重篤な症状を来すことがある。
真菌による種々の病気は、ヒトや動物の健康に甚大な影響を与えているため、それらの治療に有用な新規薬剤の開発が期待されている。
また、ある種の真菌は植物病原菌として知られており、農業に甚大な被害を与えている。さらに、最近の住宅事情を反映した結露等による住宅への糸状菌の進入は、ヒトにアレルギー等の症状をもたらし、ヒトや動物の健康に悪影響を及ぼしている。これらの有効な対策として、新規抗真菌剤の開発並びに植物防御の面から新たな農園芸用抗真菌剤の開発が期待されている。
従来、これらの問題点を克服すべく、種々の抗真菌剤が開発されており、一応の成果が得られているが、前述のように、真菌はヒトと同様に真核生物であり、強い抗真菌作用を示す物質はヒトに対しても毒性を示す場合が多く、実用面で解決すべき多くの課題が残されている。
また、従来から知られている抗真菌剤は殆どのものが疎水性の性質を示し、ハンドリング、商品形態、商品設計等の理由により、扱いやすい水溶性の抗真菌剤が求められていた。
一方、ジヒドロフェニルアラニンは水溶性を示し、本物質がシュードモナス属やミクロスポラン属等の細菌や一部の酵母、糸状菌に対して抗菌活性を有することが報告されている(非特許文献2、3参照)が、カンジダ属やアスペルギルス属等の真菌に対する抗菌活性は認められていなかった。
J.W.ディーコン、「現代真菌学入門」培風館発行、1990年 Tatuo Yamasitaら、ジャーナル オブ アンチバイオティクス 23,537,(1970) Dorothy S.Genghof,カナディアン ジャーナル オブ アンチバイオティクス 16,545,(1970)
本発明は、優れた抗真菌剤を探索、開発することを目的とし、特にカンジダ・アルビカンスやアスペルギルス・ニガー等の真菌に有効な抗生物質の探索を行い、抗真菌剤を開発することを課題とするものである。
また、本発明は、抗真菌物質を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、カンジダ・アルビカンスやアスペルギルス・ニガー等の真菌に有効な抗生物質の探索を行なった。その結果、L−2,5−ジヒドロフェニルアラニン(以下、DHPAと略すことがある。)が、ある一定の条件下でこれらの真菌に対し抗菌活性を有することを見出した。
特に、アスペルギルス・ニガーに対して、DHPAは非常に低い濃度で生育を阻害する作用があること、および無機塩の存在下では、DHPAの抗真菌活性がさらに向上することを見出した。
さらに、本発明者は、ストレプトミセス属に属する放線菌(FERM P−17418)を培地に培養して得られた培養物から、DHPAを採取できることを見出した。
本発明は、ストレプトミセス属に属する放線菌(FERM P−17418)を培地に培養し、培養物からジヒドロフェニルアラニンを採取することを特徴とする抗真菌物質の製造方法である。
本発明により、ストレプトミセス属に属する放線菌の培養物から、抗真菌物質であるDHPAを製造する方法が提供される。DHPAは、特にアスペルギルス・ニガーに対しては非常に低濃度で抗菌活性を示し、また、無機塩の存在下では、DHPAの単独使用では十分な効果が奏されない酵母などに対する抗菌活性が著しく改善される。
しかも、DHPAは水に対する溶解度が比較的高いため、真菌感染症の治療剤として様々な投与形態で臨床に応用することができる。さらに、DHPAは、農園芸用分野、工業分野、養殖漁業分野などにおいて、効率的な抗真菌活性の発現が期待される。
本発明におけるジヒドロフェニルアラニンは、正式には、前記したように、DHPAである。
DHPAは、発酵法や化学合成法あるいはこれらの組み合わせにより製造することができる。また、発酵法による場合、生産菌はカビ、放線菌、酵母などのいずれでもよい。1例として、ストレプトミセス属に属する放線菌を使用する場合について説明する。
ストレプトミセス属に分類される放線菌(Streptomyces sp.) は、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されており、その受託番号はFERM P−17418である。
上記の放線菌を培養してDHPAを生産させるために用いる培地は、本菌が生育し、DHPAを生産することができるものであればよく、特に制限はない。
例えば、蒸留水、イオン交換水、井戸水、水道水などに炭素源、窒素源を含有し、所望により、さらにミネラル類、ビタミン類などを含有する培地を利用することができる。培地の形状としては液状が望ましい。
炭素源としては、炭水化物、糖質類、有機酸塩、アルコール類などが利用できる。具体的には、グルコース、フラクトース、マンノース、ガラクトース、乳酸、酒石酸などが用いられ、特にグルコースが好ましく用いられる。これら炭素源は単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
窒素源としては、アンモニア塩類、硝酸塩類などの無機窒素化合物、またはペプトン、酵母エキス、カゼイン、肉エキス、コーン・スチープ・リカー、SVP(ソリュブル・ベジタブル・プロテイン)、尿素、大豆粕、魚粉、発酵廃棄物などの有機窒素化合物を挙げることができ、これら窒素源も単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
培地は、通常オートクレーブや発酵槽内で蒸気などを用いて滅菌処理を行なった後に用いることが好ましい。通常は、別に培養した種菌を培地に接種して培養を行なう。この場合、種菌の培養条件は、本培養の培養条件と同一の条件を採用することができるが、これに限定されるものではない。
本発明において、微生物を培養するための培養条件には特に制限はない。培養方式に関しても、例えば静置培養方式、通気攪拌培養方式及び振とう培養方式のいずれも用いられる。培養温度としては、20〜40℃の間ならばいずれでも構わないが、好ましくは30℃前後の温度で培養する。攪拌または振とう培養方式で培養する場合、攪拌回転数は通常の微生物培養に適用される範囲ならばよく、400rpm程度の条件が適当である。
培養終了後、培養液からDHPAを分離、精製する方法についても特に制限はなく、1例を示すと、培養液に硫酸、塩酸、酢酸等の酸を加えて酸性にしてから濾過する。濾過の方法は特に制限されず、濾過助剤を用いてヌッチェにて濾過しても良いし、膜による濾過を行なっても良いが、好ましくは濾過助剤を用いてヌッチェを用いで濾過することができる。
次いで、得られた培養濾液から陽イオン交換樹脂でDHPAを吸着する。このとき用いる陽イオン交換樹脂に制限はないが、好ましくはDowex 50W−X2を使用する。その後、樹脂を水にて洗浄するが、好ましくは蒸留水を用いて行う。洗浄後、陽イオン交換樹脂に吸着したDHPAを溶離させるため、弱塩基性の溶液、例えばアンモニア水(NH4 OH溶液) 、炭酸水素ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液等で、好ましくはアンモニア水を用いて溶離する。
しかる後、活性フラクションを高速液体クロマトグラフィー等の方法で確認して収集する。この活性フラクションは、陰イオン交換樹脂等にて吸着する。陰イオン交換樹脂は、任意のもの用いることができるが、好ましくはDowex 1−X2を使用することができる。
この後、水にて洗浄してから弱酸性溶液にて溶出する。このとき使用する水についても特に制限はないが、より好ましくは蒸留水を用いる。また、弱酸性溶液としては、酢酸、リン酸、希塩酸等を用いることができるが、好ましくは0.05Mの酢酸を用いる。活性フラクションは、前述と同様に、高速液体クロマトグラフィー等の方法で確認して収集する。収集した活性フラクションは濃縮、結晶化を行なうことでDHPAを得ることができる。この場合の濃縮、結晶化の方法には特に制限はないが、より好ましくはロータリーエバポレーターを用いて減圧下で濃縮し、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールを用い、より好ましくはメタノールを使用して溶解後、さらに濃縮、攪拌することにより結晶を得ることができる。
DHPAは、アスペルギルス属などの糸状菌に対しては単独で抗菌活性を示すが、無機塩を共存させると、その活性は増強される。特に、酵母などの真菌に対しては、DHPAと無機塩を併用すると、優れた抗菌活性が奏される。
無機塩としては、アルカリ金属やマンガン族金属の塩を用いることができ、より好ましくは塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化リチウム、塩化マンガン等が挙げられる。また、その濃度は対象の真菌の種類などを考慮して決定すればよいが、好ましくは0.01M〜2.0M、より好ましくは0.1M〜1.5Mである。
無機塩の添加方法は特に制限がなく、DHPAと該塩が共存するように添加すれば良い。例えば、該塩溶液をDHPAあるいは該塩とDHPA溶液を混合し、両者を共存させることにより優れた抗菌作用が発揮される。また、DHPAまたはその溶液を抗真菌剤として使用する直前に、無機塩又はその溶液と混合しても良い。
抗真菌作用を有するDHPAは、上記の如く、無機塩と共存させ、さらには他の有効成分も配合して、様々な用途において様々な形態にて使用することができる。例えば、ヒトや動物用医薬品、植物病治療剤(例えば抗カビ剤など)、工業用抗菌剤、養殖漁業用抗菌剤等の用途へ幅広く展開できる可能性を有するものである。
DHPAを有効成分とする本発明の薬剤を真菌感染症の治療剤として使用するには、種々の投与形態に合わせて、該薬剤を既知の医薬品用担体と適宜組み合わせて製剤化すればよい。このような投与形態としては、例えば皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、座薬等による非経口投与、あるいは錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等による経口投与の全身投与の他、軟膏剤、ローション剤、膣座薬等の局所投与の形態を例示することができる。
以下、実施例等より本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 ジヒドロフェニルアラニンの調製
ストレプトミセス属に属する放線菌(FERM P−17418)の凍結乾燥菌体を50mLのYMG培地(0.5% 酵母エキス,0.5% 麦芽エキス,1% グルコース)を含む500mL容の坂口フラスコにて30℃で1日振盪培養した。これを5000mLのYMG培地を含む7000mL容のミニジャーファーメンターACD−I0を用い、通気量は3L/minで30℃で培養した。培養は、撹拌回転数400rpmで48時間行なった。
この方法にて、ジャーファーメンターで5000mL培養し、これを2回行なった。得られた培養液をpH3に調節してから濾過した。それをDowex 50W−X2に吸着し、蒸留水200mLで洗浄してから0.1MのNH4 OH溶液3Lで溶出した。活性フラクションを高速液体クロマトグラフィーで判定することによって集めた。次に、該活性フラクションをDowex 1−X2に吸着して、同様に蒸留水200mLで洗浄してから0.05Mの酢酸水溶液3Lで溶出した後、活性フラクションを同じようにして集めた。
しかる後、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下で濃縮し、メタノールに溶解した。次に、結晶が晶出する寸前までメタノールを濃縮し、その溶液を一晩撹拌することにより結晶化を行なった。この結果、培養液10Lに対し98%の結晶末を780g得た。
(1)活性フラクションの判定
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)の条件の検討
移動相は0.1Mのリン酸二水素ナトリウム(pH3.0)を用いた。カラムはYMC社のODS−AMを、ポンプは島津製作所のLC−6Aを用い、流速は毎分1mlで行なった。検出器には島津製作所のUV−10Aを用いた。検出波長は、210nmで行なった。その結果、DHPAのリテンションタイムは約6分であった。
(2)ジヒドロフェニルアラニンの同定
DHPAはD2 O(重水)に溶かし、NMRで分析を行なった。 1H NMR、13C NMR、 1H− 1H COSY、 1H−13C COSY、HMBC、HMQCのスペクトラムを得、さらにFAB−MSも行なった。これらで得たスペクトルデータから2,5−ジヒドロフェニルアラニンであると同定した。
さらに、DHPAのD体、L体の決定は以下のようにして行なった。はじめに、1mg/Lの試料溶液を調製し、その液10μLに0.4%トリエチルアミンを含むアセトニトリル溶液を10L加え、よく混合した。次に、この混合液に0.2%の2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソシアネートを含むアセトニトリル溶液20Lを加えてよく混合し、室温で20分間放置した。10Lを光学異性体分割カラムL−カラムODSで分析した。溶出には、10mM リン酸二水素カリウム(pH2.8):メタノール(1:1,v/v)を用いた。また、検出器は前述の機器を使用し、検出は250nmの吸光を観察した結果、本物質はL−2,5−ジヒドロフェニルアラニンであると同定した。
参考例1 DHPAの抗菌スペクトラム
DHPAの抗菌スペクトラムは液体培地希釈法によって調べた。
培地としては、細菌には3%ブイヨン培地を、酵母・糸状菌には2.5%麦芽汁培地を用いた。DHPAは30mg/mLになるように滅菌した蒸留水に溶解し、希釈して各試験培地に最終濃度1.0mg/mL〜0.97g/mLとなるように添加した。
DHPAの抗菌スペクトラムを表1に示す。最小生育阻止濃度(以下、MICと略す。)の判定は、細菌は30℃で、酵母は25℃で培養し、判定は24時間後に肉眼で行ない、糸状菌については25℃で培養し、判定は48時間後に行なった。
その結果、表から明らかなように、細菌に対してはDHPAは抗菌活性を示さず、酵母に対しては一部を除いてDHPAは抗菌活性を示した。一方、糸状菌に対しては低い濃度でDHPAは抗菌活性を示した。
このDHPAがアスペルギルス・ニガー ATCC6275に対し、低い濃度で抗菌活性を示すことは初めて明らかとなった。
Figure 0004594267
参考例2 合成培地におけるDHPAの抗菌スペクトラム
DHPAは、フェニルアラニンと拮抗することが報告されており(Tatuo Yamasitaら、 ジャーナル オブ アンチバイオティクス、23,537(1970)、Dorothy S.Genghof、 カナディアン ジャーナル オブ アンチバイオティクス、16,545(1970)、MaryLou Snowら,ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー、33,1774(1968))、培地のアミノ酸成分によって抗菌活性が低くなっている可能性が考えられた。よって、培地にフェニルアラニンを含まないような合成培地においてDHPAのMICを判定した。
細菌のMIC測定に用いた培地としては、1% グルコース,0.5% グルタミン酸ナトリウム,0.1% リン酸水素二カリウム,0.02% 硫酸マグネシウム7水和物を用いた。酵母・糸状菌のMIC測定には、ツアペック−ドックス培地(3% グルコース,0.3% 硝酸ナトリウム,0.1% リン酸二水素カリウム,0.05% 硫酸マグネシウム7水和物,0.05% 塩化カリウム,0.001% 硫酸鉄7水和物,pH7.3)を用いた。判定は、参考例1に記載したMIC測定方法と同様にしてDHPAの抗菌スペクトラムを測定して行なった。結果を表2に示した。
表から明らかなように、細菌や酵母に対しては、DHPAが高濃度で抗菌活性を示した。一方、アスペルギルス・ニガー ATCC6275等の糸状菌に対して、DHPAは低濃度で抗菌活性を示した。
Figure 0004594267
参考例3 アスペルギルスに対するジヒドロフェニルアラニンのMIC
培地として、2.5%麦芽汁培地と前述のツアペック−ドックス培地の2種を用い、アスペルギルスに対するDHPAのMICを調べた。判定は、参考例1に記載した方法と同様にして行なった。結果を表3に示した。
表3から分かるように、2.5%麦芽汁培地においては、DHPAは低い濃度で抗菌活性を示した。しかし、アスペルギルス・フラバス IFO6343、アスペルギルス・フミガツス IFO5840に対しては、DHPAは弱い抗菌活性を示した。一方、ツアペック−ドックス培地を使用すると、アスペルギルス・ニガーに対しては低い濃度のDPHAが抗菌活性を示した。しかし、アスペスギルス・フラバス IFO6343とアスペスギルス・フミガツス IFO5840に対してはDHPAの抗菌活性は認められなかった。
したがって、DHPAはアスペルギルス・ニガーに特異的に抗菌活性を示すことが分かった。
Figure 0004594267
参考例4 サッカロミセス・セレビシエに対するDHPAの抗菌活性
各種塩との共存下でDHPAの抗菌活性を測定した。測定に用いた培地は、酵母ニトロゲンベース、アミノ酸不含(ディフコ社、アメリカ)0.67%とグルコース2.0 %からなるものを使用した。この培地に表4に示す各種塩をそれぞれ添加し、サッカロミセス・セレビシエに対するDHPAのMICを測定した。その結果、サッカロミセス・セレビシエに対しては、DHPAをNa+ 、Li+ 、Mn2+等のイオンを生じる無機塩と共存した状態で用いたときに、抗菌活性は上昇した(表4参照)。すなわち、DHPAは1.2M 塩化ナトリウム、0.6M 硫酸ナトリウム、140mM 塩化リチウム、10mM 塩化マンガンと共存させたときに、抗菌活性が上昇した。しかし、1.2M 塩化カリウムや1.2M ソルビトールと共存した場合には、抗菌活性の上昇は認められなかった。
Figure 0004594267

Claims (2)

  1. ストレプトミセス属に属する放線菌(FERM P−17418)を培地に培養し、培養物からL−2,5−ジヒドロフェニルアラニンを採取することを特徴とする抗真菌物質の製造方法。
  2. ストレプトミセス属に属する放線菌FERM P−17418株。
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