以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
なお、トランジスタはゲート、ソース、ドレインの3端子を有するが、ソース電極端子(ソース電極)、ドレイン電極端子(ドレイン電極)に関しては、トランジスタの構造上、明確に区別が出来ない。よって、素子間の接続について説明する際は、ソース電極、ドレイン電極のうち一方を第1の電極、他方を第2の電極と表記することもできる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、昇圧回路(以下チャージポンプと呼ぶ)の構成と動作について説明する。なお、チャージポンプは、複数段設けられた回路により、複数倍に電圧を昇圧することができる。例えば図13に示すように、ディクソン型のチャージポンプを4段設ければ、理想的には出力電圧を4倍に昇圧することができるが、本実施の形態では、当該回路のうち一段目に用いることができる回路構成について説明する。
図1(A)に示すように、チャージポンプは、第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、第1の容量素子103、第2の容量素子104、インバータ105、及びダイオード106等の素子を有する。図1(A)において、容量素子103が図13の容量素子C1に相当する。また、ダイオード106が図13のダイオードD2に相当する機能を奏する。また第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、容量素子104を用いて、図13におけるダイオードD1に相当する機能を奏することができる。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そのため、インバータ105へはHighの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが入力され、インバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタ101、及び第2のトランジスタ102の極性は、N型となるようにする。なお、ダイオード106は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。ダイオード接続のトランジスタを用いる場合、極性はN型であっても、P型であってもよい。またダイオード106は、どのような素子構成や回路構成を有してもよい。例えば以下の実施の形態4乃至7に記載される回路構成を用いて、ダイオード106としての機能を奏することができる。また第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、容量素子104を用いて、図13におけるダイオードD1に相当する機能を実現している。
次いで、各素子の接続関係を説明する。
第1のトランジスタ101の一方の電極は、高電位側の電位Vddに保持されるように電源へ接続される。インバータ105の出力側(点S)は、第2の容量素子104を介して第1のトランジスタ101のゲート電極及び第2のトランジスタ102の一方の電極(点R)に接続される。またインバータ105の入力側(点Q)は、第1の容量素子103を介して第1のトランジスタ101の他方の電極及びダイオード106の入力側(点P)に接続され、かつ第2のトランジスタ102のゲート電極に接続される。また第2のトランジスタ102の他方の電極は、ダイオード106の出力側に接続される。すなわちダイオードは、順方向となるように、第1のトランジスタの他方の電極及び第2のトランジスタの他方の電極間に接続される。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作について説明する。
インバータ105の入力側(点Q)へ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力する。例えば、インバータの入力側(点Q)へ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第2の容量素子104へ入力され、また第2のトランジスタ102のゲート電極及び第1の容量素子103には、Lowの信号が入力される。このとき、第1のトランジスタ101は、他方の電極(点P)が0V、ゲート電極がVddとなっており、ゲート電極には、第2の容量素子104を介して高電圧が加えられるため、オンとなる。また第1のトランジスタ101がオンとなるため、点Pの電位は上昇し、第1の容量素子103には、所定の電荷が蓄積される。第2のトランジスタ102のゲート電極が0Vとなっているため、オフとなる。そのため、第2の容量素子104の両端の電圧は保持される。
次のクロックの波形、つまりHighが点Qへ入力されると、第2のトランジスタ102のゲート電極及び第1の容量素子103には、Highの信号が入力され、またLowの信号が第2の容量素子104へ入力される。すると、第1の容量素子103へはHighの信号が入力されるため、Highの信号に相当するVdd分だけ、点Pの電圧が高くなり、ダイオード106を介してVoutも高くなる。そして、第2のトランジスタ102は、ゲート電極がVddとなっているため、オンとなる。それに伴い、Voutから点Rへ電流が流れる。そして、点Qと点Rとの間の電圧が第2のトランジスタ102のしきい値電圧(Vth)に等しくなると、第2のトランジスタ102はオフとなる。従って、点Rは点QよりもVth分だけ低い電圧となる。すなわち第1のトランジスタ101のゲート電極の電位は低く、第1のトランジスタ101がオフとなっているため、第1の容量素子に蓄積された電荷が第1のトランジスタ101を介して漏れることがなく、確実にVoutへ出力することができる。その結果、ダイオードの入力側(点P)の電位が、出力側Voutの電位より高くなるため、所定の電流をVoutへ出力することができる状態となって、Voutが昇圧される。なおこのとき、点Sは0Vなので、第2の容量素子104の両端の電圧は(Vdd−Vth)となっている。
さらに次のクロックの波形、つまりLowが点Qへ入力されると、Highの信号が第2の容量素子104へ入力され、第2のトランジスタ102のゲート電極及び第1の容量素子103には、Lowの信号が入力される。上述したように既に、第2の容量素子104は、所定の電荷が蓄積され、点Rは(Vdd−Vth)となっている。そこに、High信号に相当するVdd分が加えられるため、第1のトランジスタ101のゲート電極は高くなる。このとき、第2のトランジスタ102はオフとなっているため、第2の容量素子104に蓄積された電荷は保持され、点Rの電位はVdd分上昇する。従って上述したように、第1のトランジスタ101はオンとなる。このとき、第1のトランジスタ101のゲート電極は(Vdd+Vth)よりも高いため、点Pの電位はVddと等しくなる。このとき、ダイオード106の入力側(点P)の電位Qが、出力側の電位より低くなることが懸念されるが、ダイオードの特性上、電流が流れることはない。よってVoutは高電圧を維持することができる。
次のクロックの波形、つまりHighが点Qへ入力されると、上述したように、第2のトランジスタ102のゲート電極及び第1の容量素子103には、Highの信号が入力され、またLowの信号が第2の容量素子104へ入力される。すると、第1の容量素子103へはHighの信号が入力されるため、Highの信号に相当するVdd分だけ、点Pの電圧が高くなり、ダイオード106を介してVoutも高くなる。そして、第2のトランジスタ102は、ゲート電極がVddとなっているため、オンとなる。それに伴い、Voutから点Rへ電流が流れる。そして、点Qと点Rとの間の電圧が第2のトランジスタ102のしきい値電圧(Vth)に等しくなると、第2のトランジスタ102はオフとなる。従って、点Rは点QよりもVth分だけ低い電圧となる。すなわち第1のトランジスタ101のゲート電極の電位は低く、第1のトランジスタ101がオフとなっているため、第1の容量素子に蓄積された電荷が、第1のトランジスタ101を介して漏れることなく、確実にVoutへ出力することができる。その結果、ダイオードの入力側点Pの電位が、出力側Voutの電位より高くなるため、所定の電流をVoutへ出力することができる状態となって、Voutが昇圧される。なおこのとき、点Sは0Vなので、第2の容量素子104の両端の電圧は(Vdd−Vth)となっている。
以上を繰り返すことにより、Voutの電位は(2×Vdd)とすることができる(図1(B)参照)。
なお、Voutが(2×Vdd)となるのは、Voutに負荷が接続されていない場合である。負荷(抵抗、容量、トランジスタ、回路等)がある場合は、そこで電流が消費されるため、Voutは(2×Vdd)よりも低くなってしまうことも考えられる。
また本実施の形態のチャージポンプは、第2の容量素子104によって、第1のトランジスタ101のゲート電極電圧を(Vdd+Vth)よりも高くすることができる。すなわち、第1のトランジスタ101のしきい値電圧による電圧降下、つまりVoutの電位が第1のトランジスタ101のVth分だけ低くなってしまうことを防止することができる。点QがHighのとき、第2のトランジスタ102によって点Rが(Vdd−Vth)となるが、第1のトランジスタ101をオフすることにより、電荷が漏れてしまうことを防ぐことができる。
本実施の形態は、図1に示す接続関係に限定されない。例えば点Sと、点Qとは、インバータ105を介して接続されているが、これに限定されない。
またインバータ105の代わりに、点Qと点Sとに、別々に信号を加えてもよい。その場合、点Qに加える信号と点Sに加える信号とは、反転した信号であることが望ましい。但し正常に動作する範囲であれば、点Qに加える信号と点Sに加える信号とが、反転していないときがあっても構わない。
なお、点Qに加える信号のHighの信号は、Vddでなくても構わない。Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、点Qに加える信号のLowの信号は、0Vでなくても構わない。0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、点Sに加える信号のHighの信号は、Vddでなくても構わない。Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、点Sに加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、または、0Vよりも高い電圧であってもよい。また、点Sに加える信号のHighの信号と、点Qに加える信号のHighの信号とは、電位が異なっていてもよい。同様に、点Sに加える信号のLowの信号と、点Qに加える信号のLowの信号とは、電位が異なっていてもよい。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したように第2の容量素子104によって、しきい値電圧による電圧降下を防止することができる。その結果、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、及び第2の容量素子104のいずれか一が、半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置と一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、半導体装置と一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子104よりも大きな容量値を持つ必要があるため、小さな容量値で構わない第2の容量素子104は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
以上、本実施の形態では第1及び第2のトランジスタ102の極性がN型である場合で説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1及び第2のトランジスタ102の極性をP型とし、第1のトランジスタ101の一方の電極が低電位側の電位(本実施の形態では0V)に保持される回路構成であってもよい。その場合ダイオード106は、図1(A)に示す向きと逆向きとなることが望ましい。すなわち、本実施の形態において、第1のトランジスタ101の一方の電極の電位を高電位又は低電位に設定することにより、トランジスタの極性を選択することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお本実施の形態では、上記実施の形態1と同様に一段目に用いることができる回路構成について説明する。
図2に示すチャージポンプは、図1(A)と同様に第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、第1の容量素子103、第2の容量素子104、インバータ105、及びダイオード106等の素子を有する。図2において、容量素子103が図13の容量素子C1に相当する。また、ダイオード106が図13のダイオードD2に相当する機能を奏する。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そしてインバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1及び第2のトランジスタの極性は、N型となるように決定する。なお、ダイオード106は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。またダイオード106は、どのような素子構成や回路構成を有してもよい。例えば実施の形態4乃至7に記載の回路構成を用いることができる。また第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、容量素子104を用いて、図13におけるダイオードD1に相当する機能を奏することができる。
次いで、各素子の接続関係を説明すると、図1(A)と異なり、図2に示すチャージポンプにおいて、第2のトランジスタの他方の電極は、ダイオードの入力側(点P)に接続される。その他の接続関係は、図1(A)と同様である。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作は、実施の形態1で示したとおりである。
そして実施の形態1と同様に、動作を繰り返すことにより、(2×Vdd)分に相当する電圧をVoutへ出力することができる(図1(B)参照)。
また本実施の形態のチャージポンプは、第2の容量素子104によって、第1のトランジスタ101のしきい値電圧による電圧降下を防止することができる。点QがHighのとき、第2のトランジスタ102によって点Rが(Vdd−Vth)となるが、第1のトランジスタ101をオフすることにより、電荷が漏れてしまうことを防ぐことができる。
本実施の形態は、図2に示す接続関係に限定されないことは、実施の形態1で述べたとおりである。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したように第2の容量素子104によって、しきい値電圧による電圧降下を防止することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置に一体形成することができる。
以上、本実施の形態では第1及び第2のトランジスタ102の極性がN型である場合で説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1及び第2のトランジスタ102の極性をP型とし、第1のトランジスタ101の一方の電極が低電位側の電位、本実施の形態では0Vに保持される回路構成であってもよい。その場合ダイオード106は、図2に示す向きと逆向きとなることが望ましい。すなわち、本実施の形態において、第1のトランジスタ101の一方の電極の電位を高電位又は低電位に設定することにより、トランジスタの極性を選択することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお本実施の形態では、上記実施の形態1、2と同様に一段目に用いることができる回路構成について説明する。
図3に示すように、チャージポンプは、第1のトランジスタ111、第2のトランジスタ112、第3のトランジスタ113、容量素子103、インバータ105、及びダイオード106等の素子を有する。図3において、容量素子103が図13の容量素子C1に相当する。また、ダイオード106が図13のダイオードD2に相当する機能を奏する。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そのためインバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタ111及び第2のトランジスタ112の極性はP型であり、第3のトランジスタ113の極性はN型となるように設定する。なお、ダイオード106は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。またダイオード106は、どのような素子構成や回路構成を有してもよい。例えば実施の形態4乃至7に記載の回路構成を用いることができる。また第1のトランジスタ111、第2のトランジスタ112、第3のトランジスタ113を用いて、図13におけるダイオードD1に相当する機能を奏することができる。
次いで、各素子の接続関係を説明する。
第1のトランジスタ111の一方の電極及び第2のトランジスタ112のゲート電極は、高電位側の電位Vddに保持されるように電源へ接続される。インバータ105の出力側は、第3のトランジスタ113のゲート電極に接続される。第3のトランジスタ113の一方の電極は、第1のトランジスタ111のゲート電極及び第2のトランジスタ112の一方の電極(点R)に接続される。第1のトランジスタ111の他方の電極は、第2のトランジスタ112の他方の電極に接続される。インバータ105の入力側(点Q)は、容量素子103を介してダイオード106の入力側(点P)に接続される。すなわちダイオードは、順方向となるように、第1のトランジスタの他方の電極に接続される。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作について説明する。
インバータ105の入力側(点Q)へ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力する。例えば、インバータ105の入力側(点Q)へ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第3のトランジスタ113へ入力され、また容量素子103へLowの信号が入力される。このとき第3のトランジスタ113は、他方の電極、つまりドレイン電極が0V、ゲート電極がVddとなっているため、オンとなる。すると、第1のトランジスタ111のゲート電極が0Vとなり、一方の電極がVddであるため、第1のトランジスタ111はオンとなる。それに伴い、点PはVddとなり、容量素子103には、所定の電荷が蓄積される。この状態において、第2のトランジスタ112は、一方の電極、つまり第2のトランジスタ112のソース電極(点P)がVdd、ゲート電極がVddとなっているため、オフとなる。
次のクロックの波形、つまりHighが点Qへ入力されると、Lowの信号が第3のトランジスタ113へ入力され、また容量素子103へHighの信号が入力される。すると、容量素子103へはHighの信号が入力されるため、先に蓄積された電荷へ、Highの信号に相当するVdd分が加えられ、点Pの電圧が高くなり、ダイオード106を介してVoutも高くなる。このとき、第3のトランジスタ113は、他方の電極、つまりソース電極(点R)が0V、ゲート電極が0Vとなっているため、オフとなる。また、第2のトランジスタ112の他方の電極、つまりソース電極(点P)は、容量素子103の一方と同電位となるため、(2×Vdd)となり、このときゲート電極がVddであるため、第2のトランジスタ112はオンとなる。すると、点Rが上昇し、点Pと同電位となる。そして第1のトランジスタ111のゲート電極(点R)と、ソース電極(点P)とが同電位となり、第1のトランジスタ111はオフとなる。その結果、ダイオード106の入力側(点P)の電位が、出力側の電位より高くなるため、所定の電圧をVoutへ出力することができる状態となる。ここで、第1のトランジスタ111がオフとなっているため、容量素子103に蓄積された電荷が、第1のトランジスタ111へ流れることがないため、確実にVoutへ出力することができる。
以上を繰り返すことにより、Voutの電位は(2×Vdd)とすることができる。
また本実施の形態のチャージポンプは、Voutへ所定の電圧を出力するとき、つまり点QがHighのとき、第2のトランジスタ112がオン、第1のトランジスタ111がオフとなっている。そのため、容量素子103へ蓄積された(2×Vdd)分の電圧を損失することがなく、好ましい。また本実施の形態のチャージポンプは、点QへLowが入力されたとき、点Rが0Vとなるので、第1のトランジスタ111がオンとなり、点Pの電圧をVddとすることができる。つまり、点Pの電圧が(Vdd−Vth)とならない。従って、第1のトランジスタ111のしきい値電圧(Vth)によらない所定の電圧をVoutへ出力することができる。すなわち、第1のトランジスタ111のしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を蓄積することができる。
本実施の形態は、図3に示す接続関係に限定されない。例えば点Sは、点Qと接続されていてもよい。また点Qと、第3のトランジスタ113のゲート電極は、インバータ105を介して接続されているがこれに限定されない。
インバータ105の代わりに、点Qと第3のトランジスタ113のゲート電極とに、別々に信号を加えてもよい。その場合、点Qに加える信号と第3のトランジスタ113のゲート電極に加える信号とは、反転した信号であることが望ましい。正常に動作する範囲であれば、点Qに加える信号と第3のトランジスタ113のゲート電極に加える信号とが、反転していないときがあっても構わない。なお、点Qに加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、点Qに加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、第3のトランジスタ113のゲート電極に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、第3のトランジスタ113のゲート電極に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。また、第3のトランジスタ113のゲート電極に加える信号のHighの信号と、点Qに加える信号のHighの信号とは、電位が異なっていてもよい。同様に、第3のトランジスタ113のゲート電極に加える信号のLowの信号と、点Qに加える信号のLowの信号とは、電位が異なっていてもよい。なお、点Sに加える信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したように点QへLowが入力されたとき、点Pの電圧をVddとすることができるため、しきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を出力することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。また点QがHighのとき、第2のトランジスタ112によって第1のトランジスタ111をオフとすることができるので、電荷が第1のトランジスタ111を介して漏れることがなく好ましい。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置に一体形成することができる。
以上、本実施の形態では第1のトランジスタ111、及び第2のトランジスタ112の極性がP型であり、第3のトランジスタ113の極性がN型である場合を説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1のトランジスタ111、第2のトランジスタ112の極性をN型とし、第3のトランジスタ113の極性をP型とし、第1のトランジスタ111の一方の電極が低電位側の電位0Vに保持される回路構成であってもよい。その場合ダイオード106は、以下の実施の形態9に示すように図3に示す向きと逆向きとなることが望ましい。すなわち、本実施の形態において、第1のトランジスタ111の一方の電極の電位を高電位又は低電位に設定することにより、トランジスタの極性を選択することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお上述したとおり、チャージポンプは、複数段設けられた回路により、複数倍に電圧を昇圧することができる。本実施の形態では、当該回路のうち二段目以降に用いることができる回路構成について説明する。
図4(A)に示すように、チャージポンプは、第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、第1の容量素子103、第2の容量素子123、インバータ105、及びダイオード116等の素子を有する。図4(A)において、容量素子103が図13の容量素子C1に相当する。また、ダイオード116が図13のダイオードD1に相当する機能を奏する。また第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、第2の容量素子123を用いて、図13におけるダイオードD2に相当する機能を奏する。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そのため、インバータ105へはHighの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが入力され、インバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタ121の極性はN型となり、第2のトランジスタ122の極性はP型となるように設定する。なお、ダイオード116は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。ダイオード接続のトランジスタを用いる場合、極性はN型であっても、P型であってもよい。またダイオード116は、どのような素子構成や回路構成を有してもよく、例えば実施の形態1乃至3に記載の回路構成を用いることができる。
次いで、各素子の接続関係を説明する。
第1のトランジスタ121の一方の電極、及びダイオード116の入力側は、高電位側の電位Vddに保持されるように電源へ接続される。インバータ105の出力側は、第2の容量素子123を介して第2のトランジスタ122のゲート電極及び第1のトランジスタ121の他方の電極(点R)に接続される。インバータ105の入力側(点Q)は、第1の容量素子103を介して第1のトランジスタ121のゲート電極及び第2のトランジスタの一方の電極に接続される。ダイオード116の出力側(点P)は、第1のトランジスタ121のゲート電極に接続される。すなわちダイオードは、順方向となるように、第1のトランジスタのゲート電極と接続される。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作について説明する。
インバータ105の入力側(点Q)へ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力する。例えば、インバータ105の入力側(点Q)へ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103へLowの信号が入力される。すると、ダイオード116がオンとなり、点PがVddとなる。また、第1のトランジスタ121のゲート電極はVddとなり、一方の電極、つまりソース電極もVddとなるため、第1のトランジスタ121はオフとなる。すなわち、ダイオード116から点PにVddが出力されるため、第1の容量素子103の一方がVdd、Lowの信号が入力される他方(点Q)は0Vとなるため、第1の容量素子103はVddに相当する電荷が蓄積される。このとき、第2のトランジスタ122のゲート電極は、高電位となっているため、第2のトランジスタ122はオフとなる。
次のクロックの波形、つまりHighの信号が点Qに入力されると、Lowの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103へHighの信号が入力される。このとき、点Pは(2×Vdd)となっている。すると、第1のトランジスタ121は、ゲート電極が(2×Vdd)となるため、オンとなる。それに伴い、第2のトランジスタ122のゲート電極、つまり点RはVddとなる。そして、第2のトランジスタ122の一方の電極、つまり点Pが(2×Vdd)となるため、第2のトランジスタ122はオンとなる。その結果、所定の電圧をVoutへ出力することができる状態となる。また、第2の容量素子123は、点RがVddであり、インバータ105がLowを出力しているため、Vdd分の電荷が蓄積される。
さらに次のクロックの波形、つまりLowが点Qへ入力されると、Highの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103へLowの信号が入力される。すると、ダイオード116がオンとなり、第1の容量素子103に電荷が供給され、点PがVddとなる。すなわち、ダイオード116からVddが出力されるため、第1の容量素子103の一方がVdd、Lowの信号が入力される他方(点Q)は0Vとなり、点PがVddとなるため、第1の容量素子103はVddに相当する電荷が蓄積される。また、第1のトランジスタ121のゲート電極はVddとなり、一方の電極、つまりソース電極もVddとなるため、第1のトランジスタ121はオフとなる。そのため、第2の容量素子123の電荷は保持される。このとき、第2のトランジスタ122のゲート電極は、(2×Vdd)となっているため、第2のトランジスタ122はオフとなる。従って、Voutの電荷が第2のトランジスタ122を介して、点Pへ漏れることを防ぐことができる。
以上を繰り返すことにより、Voutの電位を(2×Vdd)とすることができる。
また本実施の形態のチャージポンプにおいて、点QにHighが入力されたとき、第1のトランジスタ121を用いて、点R、つまり第2のトランジスタ122のゲート電極の電位を低くできる(Vddとなる)ので、点PとVoutの電位を等しくすることができる。すなわち、Voutが(2×Vdd−Vth)とならない。従って、第2のトランジスタ122のしきい値電圧(Vth)によらない所定の電圧をVoutへ出力することができる。すなわち本実施の形態のチャージポンプは、第2のトランジスタ122のしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電圧をVoutへ出力することができる。また点QにLowを入力したとき、第2の容量素子123を介して点R、つまり第2のトランジスタ122のゲート電極の電位を(2×Vdd)とすることができる。そのため、第2のトランジスタ122を介して電流が漏れることによってVoutの電位が低くなってしまうことを防ぐことができる。
本実施の形態は、図4(A)に示す接続関係に限定されない。例えば第2の容量素子123は、インバータ105を介して点Qと接続されているが、これに限定されない。
インバータ105の代わりに、点Qと容量素子123とに、別々に信号を加えてもよい。その場合、点Qに加える信号と容量素子123に加える信号とは、反転した信号であることが望ましいが、これに限定されない。正常に動作する範囲であれば、点Qに加える信号と容量素子123に加える信号とが、反転していないときがあっても構わない。なお、点Qに加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、点Qに加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。
また本実施の形態では、図4(A)に示す回路を、2段目に適用した場合を説明したが、3段目以上に適用しても構わない。例えば図4(B)に示すように3段目に適用することができる。図4(B)に示すダイオード150は図13に示すダイオードD1、容量素子153は図13に示す容量素子C1に相当する。
なお、インバータ105の代わりに、容量素子153と容量素子123と容量素子103に、別々に信号を加えてもよい。その場合、容量素子153や容量素子123に加える信号と容量素子103に加える信号とは、反転した信号であることが望ましいが、これに限定されない。正常に動作する範囲であれば、反転していないときがあっても構わない。また、容量素子153と容量素子123とに加える信号は、同じ信号であることが望ましいが、これに限定されない。正常に動作する範囲であれば、タイミングがずれていたり、電圧が異なっていても構わない。なお、容量素子153に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子153に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子103に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子103に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したように、しきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を出力することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、第1の容量素子103、第2の容量素子123は、いずれか一が半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置と一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子123よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さい容量値ですむ第2の容量素子123は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らしてコストダウンを実現し、大きい容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置、及びその他の表示装置に一体形成することができる。
以上、本実施の形態では第1のトランジスタ121の極性がN型であり、第2のトランジスタ122の極性がP型となる場合で説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1のトランジスタ121の極性をP型とし、第2のトランジスタ122の極性をN型とし、ダイオードの入力側が電位0Vに保持される回路構成であってもよい。その場合ダイオード116は、図4(A)に示す向きと逆向きとなることが望ましい。すなわち、本実施の形態においてダイオードの入力側の電位を高電位又は低電位に設定することにより、トランジスタの極性を選択することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお本実施の形態では、上記実施の形態4と同様に二段目以降に用いることができる回路構成について説明する。
図5に示すように、チャージポンプは、第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、第1の容量素子103、第2の容量素子123、インバータ105、及びダイオード116等の素子を有する。図5において、容量素子103が図13の容量素子C1に相当する。また、ダイオード116が図13のダイオードD1に相当する機能を奏する。また第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、第2の容量素子123を用いて、図13におけるダイオードD2に相当する機能を実現している。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そのため、インバータ105へはHighの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが入力され、インバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタ121の極性はN型であり、第2のトランジスタ122の極性はP型となるように設定する。なお、ダイオード116は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。ダイオード接続のトランジスタを用いる場合、極性はN型であっても、P型であってもよい。またダイオード116は、どのような素子構成や回路構成を有してもよい。例えば実施の形態1乃至3に記載の回路構成を用いることができる。
次いで、各素子の接続関係を説明する。
ダイオード116の入力側は、高電位側の電位Vddに保持されるように電源へ接続される。インバータ105の出力側(点Q)は、第2の容量素子123を介して第2のトランジスタ122のゲート電極及び第1のトランジスタ121の他方の電極(点R)に接続される。インバータ105の入力側は、第1のトランジスタ121のゲート電極及び第1の容量素子103を介してダイオード116の出力側並びに第1のトランジスタ121の一方の電極(点P)に接続される。すなわち、ダイオードは、順方向となるように、第1の容量素子、及び第1のトランジスタの一方の電極に接続される。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作について説明する。
インバータ105の入力側(点Q)へ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力する。例えば、インバータ105の入力側(点Q)へ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103及び第1のトランジスタ121のゲート電極へLowの信号が入力される。このとき、ダイオード116がオンとなるため、Vddが出力され、点Pの電位がVddとなり、第1の容量素子103には、所定の電荷が蓄積される。すると、第1のトランジスタ121は、ゲート電極が0V、点Pの電位はVddとなるため、オフとなる。従って、第2の容量素子123の両端の電圧は保持される。また、第2のトランジスタ122は、ゲート電極が高電位となっているため、オフとなる。
次のクロックの波形、つまりHighの信号が点Qへ入力されると、Lowの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103及び第1のトランジスタ121のゲート電極へHighの信号が入力される。すると、第1の容量素子103へはHighの信号が入力されるため、Highの信号に相当するVdd分だけ、点Pの電位が高くなる。それに伴い、第2のトランジスタ122は、ソース電極、つまり点Pの電位が(2×Vdd)、ゲート電極が0Vとなっているため、オンとなる。その結果、点Pの電位に相当する所定の電流をVoutへ出力することができる状態となって、Voutが昇圧される。このとき、第1のトランジスタ121は、ゲート電極がVdd、一方の電極の電位、つまり点Rの電位が低くなっているため、オンとなる。それに伴い、点Pから点Rへ電流が流れる。そして、点Rと点Qとの間の電圧、つまり第1のトランジスタ121のゲート電極・ソース電極間電圧が、第1のトランジスタ121のしきい値電圧(Vth)と等しくなると、第1のトランジスタ121はオフとなる。オフとなったとき、点Rの電位は(Vdd−Vth)となる。そして、インバータ105は0Vを第2の容量素子123へ出力しているため、第2の容量素子123の両端の電圧は、(Vdd−Vth)となっている。
さらに次いで、インバータ105の入力側、つまり点Qへ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103及び第1のトランジスタ121のゲート電極へLowの信号が入力される。すると上述したように、第1のトランジスタ121は、ゲート電極が0V、一方の電極の電位、つまり点Pの電位がVddとなっているため、オフとなる。そのため、第2の容量素子123の電荷は保持される。また第2の容量素子123の一方の電極の電位がVddと高くなるため、点Rの電位が(Vdd−Vth)+Vdd=2×Vdd−Vthとなる。その結果、第2のトランジスタ122は、ゲート電極が2×Vdd−Vth、点PがVddとなるため、オフとなる。従って、Voutから点Pへ第2のトランジスタ122を介して電荷が漏れることを防ぐことができる。また、第1の容量素子103は上述したように、ダイオード116がオンとなり、Vddに相当する所定の電荷が蓄積される。
ここで、第2のトランジスタ122を確実にオフとするには、第1のトランジスタ121のしきい値電圧Vthの絶対値が、第2のトランジスタ122のしきい値電圧の絶対値よりも小さくなるように設定する必要がある。なぜなら、点QにLowが入力されたとき、第2のトランジスタ122のゲート電極は(2×Vdd−Vth)となり、第2のトランジスタ122は、ゲート電極(点R)の電位が高い方がオフとなりやすいからである。ここで、Vthは第1のトランジスタ121のしきい値電圧である。一方、第2のトランジスタ122のしきい値電圧(Vth)の絶対値の方が第1のトランジスタ121のしきい値電圧Vthの絶対値より小さいときは、その差分だけ、Voutの電位が低くなってしまう。
また第2のトランジスタ122が確実にオフとなることにより、第1の容量素子103蓄積された電荷を損失することがなく好ましい。
以上を繰り返すことにより、Voutの電位を(2×Vdd)とすることができる。
また本実施の形態のチャージポンプにおいて、点QにHighが入力されたとき、第2のトランジスタ122のゲート電極(点R)の電位を、第1のトランジスタ121を用いて低くすることができるため、点PとVoutの電位を等しくすることができる。すなわち、Voutが(2×Vdd−Vth)とならない。従って、第2のトランジスタ122のしきい値電圧(Vth)によらない所定の電圧をVoutへ出力することができる。すなわち本実施の形態のチャージポンプは、第2のトランジスタ122のしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電圧をVoutへ出力することができる。
また点QにLowが入力されたとき、第2の容量素子123を用いて、点R(第2のトランジスタ122のゲート電極)の電位を高くすることができるため、第2のトランジスタ122を介してVoutの電位が低下してしまうことを防止できる。
本実施の形態は、図5に示す接続関係に限定されない。インバータ105の代わりに、点Qと容量素子123とに、別々に信号を加えてもよい。その場合、点Qに加える信号と容量素子123に加える信号とは、反転した信号であることが望ましいが、これに限定されない。正常に動作する範囲であれば、点Qに加える信号と容量素子123に加える信号とが、反転していないときがあっても構わない。なお、点Qに加える信号のHighの信号は、Vddでなくても構わない。Vddよりも低い電圧であってもよく、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、点Qに加える信号のLowの信号は、0Vでなくても構わない。0Vよりも低い電圧であってもよく、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のHighの信号は、Vddでなくても構わない。Vddよりも低い電圧であってもよく、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のLowの信号は、0Vでなくても構わない。0Vよりも低い電圧であってもよく、0Vよりも高い電圧であってもよい。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したようにしきい値電圧による電圧降下を防止することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置、及びその他の表示装置の画素部に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、第2の容量素子123は、いずれか一つが表示装置と一体形成されていてもよいし、両方が表示装置と一体形成されてもよい。表示装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子123よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さな容量値で構わない第2の容量素子123は、表示装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、表示装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
以上、本実施の形態では第1のトランジスタの極性がN型であり、第2のトランジスタの極性がP型となる場合で説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1のトランジスタの極性をP型とし、第2のトランジスタの極性をN型とし、ダイオードの入力側が電位0Vに保持される回路構成であってもよい。その場合、ダイオード116は、図5に示す向きと逆向きとなることが望ましい。すなわち、本実施の形態において、ダイオードの入力側の電位を高電位又は低電位に設定することにより、トランジスタの極性を選択することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお本実施の形態では、上記実施の形態4、5と同様に二段目以降に用いることができる回路構成について説明する。
図6に示すように、チャージポンプは、第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、第1の容量素子103、第2の容量素子123、インバータ105、及びダイオード116等の素子を有する。図6において、容量素子103が図13の容量素子C1に相当する。また、ダイオード116が図13のダイオードD1に相当する機能を奏する。また第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、第2の容量素子123を用いて、図13におけるダイオードD2に相当する機能を奏することができる。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そのためインバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタの極性はN型であり、第2のトランジスタの極性はP型となるように設定する。なお、ダイオード116は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。ダイオード接続のトランジスタを用いる場合、極性はN型であっても、P型であってもよい。またダイオード116は、どのような素子構成や回路構成を有してもよい。例えば実施の形態1乃至3に記載の回路構成を用いることができる。
次いで、各素子の接続関係を説明する。
ダイオード116の入力側は、高電位側の電位Vddに保持されるように電源へ接続される。インバータ105の出力側は、第2の容量素子123を介して第2のトランジスタ122のゲート電極及び第1のトランジスタ121の一方の電極(点R)に接続される。インバータ105の入力側(点Q)は、第1のトランジスタ121のゲート電極に接続され、かつ第1の容量素子103を介して第2のトランジスタ122の一方の電極及びダイオード116の出力側(点P)に接続される。すなわちダイオードは、第1の容量素子、及び第2のトランジスタの一方の電極に接続される。なお本実施の形態に示すチャージポンプは、実施の形態5に記載の回路構成とは、第1のトランジスタ121の他方の電極と、第2のトランジスタ122の他方の電極とが接続している点が異なっている。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作について説明する。
インバータ105の入力側(点Q)へHighの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力する。例えば、インバータ105の入力側(点Q)へ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103及び第1のトランジスタ121のゲート電極へLowの信号が入力される。すると、ダイオード116がオンとなり、点PへVddが出力され、点Qへ0Vが入力されるため、第1の容量素子103には、Vddに相当する所定の電荷が蓄積される。また、第2のトランジスタ122は、ゲート電極(点R)は高電位となっているため、オフとなる。このとき、第1のトランジスタ121は、ゲート電極が0V、一方の電極、つまり点Rの電位はVddとなるため、オフとなる。
次のクロックの波形、つまりHighの信号が点Qへ入力されると、Lowの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103及び第1のトランジスタ121のゲート電極へHighの信号が入力される。第1のトランジスタ121は、ゲート電極、つまり点QがVdd、他方の電極、つまり点Rが低電位となっているため、オンとなる。そしてVoutから点Rへ電流が流れる。その後、点Qと点Rの間の電圧、つまり第1のトランジスタ121のゲート電極・ソース電極間電圧がVthに等しくなると、第1のトランジスタ121がオフとなる。そのとき、点QはVddであるため、点Rは(Vdd−Vth)となる。それに伴い、第2の容量素子123は、第1のトランジスタ121のVgs、つまり(Vdd−第1のトランジスタ121のVth)に相当する分の電荷が蓄積される。すると、第1の容量素子103へは、Highの信号が入力されるため、Highの信号に相当するVdd分だけ点Pの電圧が高くなる。このとき第2のトランジスタ122は、一方の電極、つまり点Pが(2×Vdd)、ゲート電極が(Vdd−Vth)となっているため、オンとなる。その結果、所定の電流、つまり(2×Vdd)分の電流をVoutへ出力することができる状態となって、Voutが昇圧される。
さらに次いで、インバータ105の入力側、つまり点Qへ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第2の容量素子123へ入力され、また第1の容量素子103及び第1のトランジスタ121のゲート電極へLowの信号が入力される。すると上述したように、第1のトランジスタ121は、ゲート電極が0V、一方の電極の電位、つまり点Pの電位がVddとなっているため、オフとなる。そのため、第2の容量素子123の電荷は保持される。また第2の容量素子123の一方の電極の電位がVddと高くなるため、点Rの電位が(Vdd−Vth)+Vdd=2×Vdd−Vthとなる。その結果、第2のトランジスタ122は、ゲート電極が2×Vdd−Vth、Voutが(2×Vdd)となるため、オフとなる。また、ダイオード116がオンとなり、点Pの電位がVddとなるため、第1の容量素子103は上述したように、Vddに相当する所定の電荷が蓄積される。
ここで、第2のトランジスタ122を確実にオフとするには、第1のトランジスタ121のしきい値電圧Vthの絶対値が、第2のトランジスタ122のしきい値電圧の絶対値よりも小さくなるように設定する必要がある。なぜなら、点QにLowが入力されたとき、第2のトランジスタ122のゲート電極は(2×Vdd−Vth)となり、第2のトランジスタ122は、ゲート電極(点R)の電位が高い方がオフとなりやすいからである。ここで、Vthは第1のトランジスタ121のしきい値電圧である。一方、第2のトランジスタ122のしきい値電圧(Vth)の絶対値の方が第1のトランジスタ121のしきい値電圧Vthの絶対値より小さいときは、その差分だけ、Voutの電位が低くなってしまう。
第2のトランジスタ122が確実にオフとなることにより、蓄積された(2×Vdd)分の電圧を損失することがなく好ましい。
以上を繰り返すことにより、Voutの電位を(2×Vdd)とすることができる。
また本実施の形態のチャージポンプにおいて、第2のトランジスタ122のしきい値電圧(Vth)によらない所定の電荷をVoutへ出力することができる。すなわち本実施の形態のチャージポンプは、第2のトランジスタ122のしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を蓄積することができる。
本実施の形態は、図6に示す接続関係に限定されない。インバータ105の代わりに、点Qと容量素子123とに、別々に信号を加えてもよい。その場合、点Qに加える信号と容量素子123に加える信号とは、反転した信号であることが望ましいが、これに限定されない。正常に動作する範囲であれば、点Qに加える信号と容量素子123に加える信号とが、反転していないときがあっても構わない。なお、点Qに加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、点Qに加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子123に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したようにしきい値電圧による電圧降下を防止することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置の画素部に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、及び第2の容量素子123のいずれか一が半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置と一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子123よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さな容量値で構わない第2の容量素子123は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
以上、本実施の形態では第1のトランジスタの極性がN型であり、第2のトランジスタの極性がP型である場合を説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1のトランジスタの極性をP型とし、第2のトランジスタの極性をN型とし、ダイオードの入力側が電位0Vに保持される回路構成であってもよい。その場合、ダイオード116は図6に示す向きと逆向きとなることが望ましい。すなわち、本実施の形態において、ダイオードの入力側の電位を高電位又は低電位に設定することにより、トランジスタの極性を選択することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお本実施の形態では、上記実施の形態4乃至6と同様に二段目以降に用いることができる回路構成について説明する。
図7(A)に示すように、チャージポンプは、第1のトランジスタ131、第2のトランジスタ132、第3のトランジスタ133、容量素子103、及びダイオード116等の素子を有する。すなわち、本実施の形態ではインバータを有さない。図7(A)において、容量素子103が図13の容量素子C1に相当する。また、ダイオード116が図13のダイオードD1に相当する機能を奏する。また第1のトランジスタ131、第2のトランジスタ132、第3のトランジスタ133を用いて、図13におけるダイオードD2に相当する機能を奏する。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そのため点Qへは、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタ131及び第2のトランジスタ132の極性はP型であり、第3のトランジスタ133の極性はN型となるように設定する。なお、ダイオード116は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。ダイオード接続のトランジスタを用いる場合、極性はN型であっても、P型であってもよい。またダイオード116は、どのような素子構成や回路構成を有してもよい。例えば実施の形態1乃至3に記載の回路構成を用いることができる。
次いで、各素子の接続関係を説明する。
ダイオード116の入力側は、高電位側の電位Vddに保持されるように電源へ接続される。ダイオード116の出力側(点P)は、第1のトランジスタ131のゲート電極及び第2のトランジスタ132の一方の電極に接続され、かつ容量素子103を介して第3のトランジスタ133のゲート電極(点Q)に接続される。すなわちダイオードは、第1の容量素子、第1のトランジスタのゲート電極、及び第2のトランジスタの一方の電極に接続される。第1のトランジスタ131の一方の電極は、第2のトランジスタ132の他方の電極に接続される。第1のトランジスタ131の他方の電極は、第3のトランジスタ133の一方の電極(点R)に接続される。また第3のトランジスタ133の他方の電極は、0Vとする。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作について説明する。
点Qへ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力する。例えば、点Qへ、Highの信号が入力されると、Highの信号が容量素子103及び第3のトランジスタ133のゲート電極へ入力される。このとき、第3のトランジスタ133は、ゲート電極がVdd、一方の電極が0Vとなっているため、オンとなる。このとき、第2のトランジスタ132は、ゲート電極(点R)が0Vとなっているため、オンとなる。それに伴い、第2のトランジスタ132の他方の電極、つまりVoutは、点Pと同電位となる。その結果、容量素子103に蓄積された所定の電流をVoutへ出力することができる状態となって、Voutが昇圧される。なお、第1のトランジスタ131は、Voutと点Pが同電位となっているため、オフとなる。
次のクロックの波形、つまりLowの信号が点Qへ入力されると、Lowの信号が容量素子103及び第3のトランジスタ133のゲート電極へ入力される。このとき、第3のトランジスタ133は、ゲート電極、つまり点Qが0V、一方の電極が0Vとなっているため、オフとなる。また、ダイオード116から点PへVddが出力されるため、容量素子103は、Vddに相当する電荷が蓄積される。第1のトランジスタ131は、ゲート電極(点P)がVdd、一方の電極が(2×Vdd)となっているため、オンとなる。その結果、Voutと点Rとは同電位となる。そのため第2のトランジスタ132は、オフとなる。従って、Voutから点Pへ第2のトランジスタ132を介して電荷が漏れることを防止できる。
さらに次のクロックの波形、つまりLowが点Qへ入力されると、Highの信号が容量素子103及び第3のトランジスタ133のゲート電極へ入力される。このとき、第3のトランジスタ133は、ゲート電極がVdd、一方の電極が0Vとなっているため、オンとなる。このとき、第2のトランジスタ132は、ゲート電極(点R)が0Vとなっているため、オンとなる。それに伴い、第2のトランジスタ132の他方の電極、つまりVoutは、点Pと同電位、つまり(2×Vdd)となる。その結果、容量素子103に蓄積された所定の電流をVoutへ出力することができる状態となって、Voutが昇圧される。なお、第1のトランジスタ131は、Voutと点Pが同電位となっているため、オフとなる。
以上を繰り返すことにより、Voutの電位を(2×Vdd)とすることができる。
また本実施の形態のチャージポンプにおいて、容量素子103へ蓄積される電荷は、第2のトランジスタ132のしきい値電圧(Vth)によらない所定の電荷をVoutへ出力することができる。すなわち本実施の形態のチャージポンプは、第2のトランジスタ132のしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を蓄積することができる。
容量素子103と第3のトランジスタ133のゲート電極とに、別々に信号を加えてもよい。その場合、容量素子103に加える信号と第3のトランジスタ133のゲート電極に加える信号とは、同じ信号であることが望ましいが、これに限定されない。正常に動作する範囲であれば、タイミングがずれていたり、電圧が異なっていても構わない。なお、容量素子103に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子103に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、第3のトランジスタ133のゲート電極に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、第3のトランジスタ133のゲート電極に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。また、第3のトランジスタ133のゲート電極に加える信号のHighの信号と、容量素子103に加える信号のHighの信号とは、電位が異なっていてもよい。同様に、第3のトランジスタ113のゲート電極に加える信号のLowの信号と、容量素子103に加える信号のLowの信号とは、電位が異なっていてもよい。なお、第3のトランジスタ133のソース電極に加える信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。
また本実施の形態では、図7(A)に示す回路を、2段目に適用した場合を説明したが、3段目以上に適用しても構わない。例えば図7(B)に示すように3段目に適用することができる。ダイオード150は図13に示すダイオードD1、容量素子153は図13に示す容量素子C1に相当する。
なお、インバータ105の代わりに、容量素子153と容量素子103に、別々に信号を加えてもよい。その場合、容量素子153に加える信号と容量素子103に加える信号とは、反転した信号であることが望ましいが、これに限定されない。正常に動作する範囲であれば、反転していないときがあっても構わない。なお、容量素子153に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子153に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子103に加える信号のHighの信号は、Vddよりも低い電圧であってもよいし、Vddよりも高い電圧であってもよい。同様に、容量素子103に加える信号のLowの信号は、0Vよりも低い電圧であってもよいし、0Vよりも高い電圧であってもよい。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したようにしきい値電圧による電圧降下を防止することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置の画素部に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、及び第2の容量素子153のいずれか一は半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置と一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、半導体装置と一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子153よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さな容量値で構わない第2の容量素子153は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
以上、本実施の形態では第1のトランジスタ131及び第2のトランジスタ132の極性がP型であり、第3のトランジスタ133の極性がN型である場合を説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1のトランジスタ131及び第2のトランジスタ132の極性をN型とし、第3のトランジスタ133の極性をP型とし、ダイオードの入力側が低電位側の電位0Vに保持される回路構成であってもよい。その場合、ダイオード116は、図7(A)に示す向きと逆向きとなることが望ましい。すなわち、本実施の形態において、ダイオードの入力側の電位を高電位又は低電位に設定することにより、トランジスタの極性を選択することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態1に記載の一段目に用いることができる回路構成と、上記実施の形態4に記載の二段目以降に用いることができる回路構成とを組み合わせた場合のチャージポンプの構成と動作について説明する。
図8に示すように、チャージポンプは、第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、第3のトランジスタ121、第4のトランジスタ122、第1の容量素子103、第2の容量素子104、第3の容量素子123、インバータ105等の素子を有する。図8は図1(A)と、図4(A)とを組み合わせた形態に相当する。本実施の形態のように組み合わせたチャージポンプの場合、インバータを共有することができる。図8において、容量素子103が図13の容量素子C1、第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、及び第2の容量素子104が図13のダイオードD1にそれぞれ相当する。また第3のトランジスタ121、第4のトランジスタ122、第3の容量素子123が図13のダイオードD2に相当する。なお、高電位側の電位をVddとする。また、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。そのためインバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1乃至第3のトランジスタの極性はN型であり、第4のトランジスタの極性はP型となるように設定する。
次いで、各素子の接続関係を説明する。
第1のトランジスタ101の一方の電極(点S)は、高電位側の電位Vddに保持されるように電源へ接続され、かつ第3のトランジスタ121の一方の電極に接続される。インバータ105の出力側は、第2のトランジスタ102のゲート電極に接続され、かつ第1の容量素子103を介して第3のトランジスタ121のゲート電極、及び第4のトランジスタ122の一方の電極(点R)に接続される。インバータ105の入力側(点Q)は、第2の容量素子104を介して第1のトランジスタ101のゲート電極、第2のトランジスタ102の一方の電極(点P)、及び第3の容量素子123を介して第4のトランジスタ122のゲート電極及び第3のトランジスタ121の他方の電極(点T)に接続される。第1のトランジスタ101の他方の電極は、第3のトランジスタのゲート電極及び第4のトランジスタ122の一方の電極に接続される。第2のトランジスタ102の他方の電極は、第4のトランジスタ122の他方の電極に接続される。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作については、実施の形態1及び7と同様であるため説明を省略する。
このように、実施の形態1乃至3に記載の回路構成と、実施の形態4乃至7に記載の回路構成とは、自由に組み合わせることができる。
図18には、図8に示したチャージポンプを実現するためのレイアウト例を示す。第1のトランジスタ101、及び第4のトランジスタ122のチャネル幅は大きく、第2のトランジスタ102、及び第3のトランジスタ121のチャネル幅はそれに対して小さくなるようにする。
第1の容量素子103、第2の容量素子104、第3の容量素子123といった容量素子は、N型の不純物が添加された半導体膜、ゲート絶縁膜等の絶縁膜、ゲート電極となる導電膜により構成したり、ゲート電極となる導電膜、層間絶縁膜等の絶縁膜、配線となる導電膜により構成することができる。第1の容量素子103では、当該導電膜がくし状となっている。これは、半導体膜中の電荷の移動は、導電膜と比べて低いため、半導体膜の中心部であっても正確に電荷の移動を行わせるためである。そして、層間絶縁膜及びゲート絶縁膜に設けられた多くのコンタクトホールにより、半導体膜と配線とを接続している。その結果、ゲート電極となる導電膜を共通とした容量素子が並列に接続された構造となり、多くの容量を蓄積することができる。
図18に示したA−A’、B−B’、さらに一体形成された画素部の断面図を、図19に示す。容量素子103、第1のトランジスタ101、画素部において、絶縁基板600上に、下地膜を介し低、半導体膜602、半導体膜を覆ったゲート絶縁膜603、ゲート電極604、ゲート電極を用いて自己整合的に形成された不純物領域、当該不純物領域に接続された配線606を有する薄膜トランジスタ601、101を形成する。第1のトランジスタ101として、薄膜トランジスタを用いる構成である。また平坦性を高めるため、層間絶縁膜605を形成する。層間絶縁膜605は、無機材料又は有機材料から形成し、単層構造又は積層構造を有する。
配線606に接続された第1の電極607、電界発光層609、第2の電極610を形成し、これらからなる発光素子612を作成する。このとき、電界発光層609を画素毎に作り分けるため、絶縁膜からなる隔離層608を形成する。当該絶縁膜は、無機材料又は有機材料から形成し、単層構造又は積層構造を有する。このとき、容量素子103領域では、配線606は、層間絶縁膜605、及びゲート絶縁膜603に形成されたコンタクトホールを介して、半導体膜602に接続されている。このようにして、多くの容量を蓄積できる容量素子103を作製することができる。なお、容量素子103を形成する半導体膜は、ゲート電極を用いて自己整合的に不純物領域を形成しなくとも、半導体膜全体に不純物領域を形成してもよい。
その後、対向基板615を張り合わせる。対向基板615を張り合わせることにより、空間613が生じる場合があるが、発光素子の劣化原因である水分等の侵入を防ぐため、窒素等のガスを充填するとよい。また空間613に、樹脂等の接着剤を充填して対向基板615を張り合わせてもよい。このようにして発光装置が完成する。
また本実施の形態のチャージポンプにおいて、第1のトランジスタ101や第2のトランジスタ102のしきい値電圧(Vth)によらない所定の電荷をVoutへ出力することができる。すなわち本実施の形態のチャージポンプは、第1のトランジスタ101や第2のトランジスタ102のしきい値電圧による電圧降下によらずに、電圧をVoutへ出力することができる。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したようにしきい値電圧による電圧降下を防止することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置の画素部に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、及び第2の容量素子104のいずれか一が、半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置と一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、半導体装置と一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子104よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さな容量値で構わない第2の容量素子104は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
以上、本実施の形態では第1乃至第3のトランジスタの極性がN型であり、第4のトランジスタの極性がP型である場合を説明したが、トランジスタの極性は限定されない。例えば、第1乃至第3のトランジスタの極性をP型とし、第4のトランジスタの極性をN型とし、第1のトランジスタの一方の電極が低電位側の電位0Vに保持される回路構成であってもよい。すなわち、本実施の形態において、第1のトランジスタの一方の電極であって、低電位側の電位を、高電位又は低電位のどちらに設定するかにより、トランジスタの極性を選択することができる。
また上記実施の形態に記載の昇圧用回路は組み合わせることができ、当該昇圧用回路を有するチャージポンプを構成することができる。例えば以下のようなチャージポンプとすることができる。図20は、図1に示した初段に用いることができる回路と、図5に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図21は、図1に示した初段に用いることができる回路と、図6に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図22は、図1に示した初段に用いることができる回路と、図7に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図23は、図2に示した初段に用いることができる回路と、図4に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図24は、図2に示した初段に用いることができる回路と、図5に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図25は、図2に示した初段に用いることができる回路と、図6に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図26は、図2に示した初段に用いることができる回路と、図7に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図27は、図3に示した初段に用いることができる回路と、図4に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図28は、図3に示した初段に用いることができる回路と、図5に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図29は、図3に示した初段に用いることができる回路と、図6に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
図30は、図3に示した初段に用いることができる回路と、図7に示した二段目以降に用いることができる回路とからなるチャージポンプの回路構成を示す。
このように初段に用いる回路と、二段目以降に用いる回路とを自由に組み合わせてチャージポンプを形成することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお本実施の形態では、上記実施の形態1と同様に一段目に用いることができる回路構成であって、第1のトランジスタの一方の電極が低電位側の電位0Vに保持される回路構成の場合について説明する。
また図14には、ディクソン型のチャージポンプを4段設けた回路構成を示す。図14は、図13に示したディクソン型のチャージポンプとダイオードの向きが異なっている。これにより、マイナス側に高圧下電位を作ることができる。
図9は、図1のトランジスタの極性を逆にし、ダイオード106の向きを逆にしたものに相当する。図9に示すチャージポンプは、図1(A)と同様に、第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、第1の容量素子103、第2の容量素子104、インバータ105、及びダイオード106等の素子を有する。また第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、容量素子104を用いて、図13におけるダイオードD1に相当する機能を奏することができる。図9において、容量素子103が図14の容量素子C1に相当する。また、ダイオード106が図14のダイオードD2に相当する機能を奏する。なお、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。また、高電位側の電位をVddとする。そのため、インバータ105へはHighの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが入力され、インバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタ101及び第2のトランジスタ102の極性は、P型となるように決定する。なお、ダイオード106は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。ダイオード接続のトランジスタを用いる場合、極性はN型であっても、P型であってもよい。またダイオード106は、どのような回路構成を有してもよい。
次いで、各素子の接続関係及び動作について説明すると、図1(A)と、第1のトランジスタ101の一方の電極が低電位側の電位0Vに保持されように電源へ接続される点、及びダイオードの接続方向が異なるのみであり、その他は同様である。このような接続関係とすることにより、Voutへ−Vddを出力することが可能となる。
このような回路構成を有するチャージポンプの動作について説明する。
インバータ105の入力側(点Q)へ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力する。例えば、インバータの入力側(点Q)へ、Lowの信号が入力されると、Highの信号が第2の容量素子104へ入力され、また第2のトランジスタ102のゲート電極及び第1の容量素子103には、Lowの信号が入力される。すると、第2の容量素子104へ、Highの信号が入力されるため、点Rの電位が上昇する。すると、第2のトランジスタ102は、ゲート電極が0Vとなっているため、オンとなり、点RからVoutへ電流が流れる。そして、点Qと点Rとの間の電圧、つまり第2のトランジスタ102のゲート電極・ソース電極間電圧が、第2のトランジスタ102のVthに等しくなると、第2のトランジスタ102がオフとなる。従って、点Rは、点QよりもVth分低い(|Vth|分高い)電位となる。なお、Vthは第2のトランジスタ102の極性がP型であるため、マイナス値で表記する。よって、点Rの電位は、|Vth|(―Vth)となる。よって第1のトランジスタ101は、一方の電極が0V、ゲート電極が|Vth|となっているため、オフとなる。このとき、ダイオード106はオンとなり、Voutと点Pとが同電位となる。
次のクロックの波形、つまりHighが点Qへ入力されると、第2のトランジスタ102のゲート電極及び第1の容量素子103には、Highの信号が入力され、またLowの信号が第2の容量素子104へ入力される。すると、第2の容量素子104には、先に蓄積された所定の電荷に加えて、Lowの信号に相当する−Vdd分の電荷が蓄積される。また、第1の容量素子103は、先に蓄積された所定の電荷に加えて、Highの信号に相当するVdd分の電荷が蓄積される。このとき、第2のトランジスタ102は、ゲート電極がVddとなっているため、オフとなる。従って、第2の容量素子104の電荷は保持される。また点Sは0Vが入力されるので、点Rの電位はVdd分だけ低くなり、|Vth|−Vddとなる。よって、第1のトランジスタ101のゲート電極、つまり点Rは|Vth|−Vddとなり、オンとなる。それに伴い、点Pの電位は0Vと等しくなり、点QにはVddが入力されているので、第1の容量素子103は−Vdd分の電荷が蓄積される。
さらに次のクロックの波形、つまりLowが点Qへ入力されると、Highの信号が第2の容量素子104へ入力され、また第2のトランジスタ102のゲート電極及び第1の容量素子103には、Lowの信号が入力される。そして、第2のトランジスタ102は、一方の電極、つまりVoutが−Vdd、ゲート電極が0Vとなっているため、オンとなる。そして、第2の容量素子104へ、第2のトランジスタ102のしきい値電圧Vthと等しくなるまで所定の電荷が蓄積され、点Rは|Vth|となる。また、第1のトランジスタ101は、一方の電極が0V、ゲート電極が|Vth|となっているため、オフとなる。また第1の容量素子103(点P)は、Lowの信号に相当する−Vdd分だけ低くなる。このとき、ダイオード106の出力側の電位(点P)が、入力側(Vout)の電位より低くなるため、所定の電流、つまり−Vdd分の電流をVoutへ出力する状態となって、Voutが降圧される。
以上を繰り返すことにより、Voutの電位を(−Vdd)とすることができる。
また本実施の形態のチャージポンプでも、第2の容量素子104と第2のトランジスタ102によって、第1のトランジスタ101のしきい値電圧による電圧降下(又は電圧上昇)を防止することができる。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したように第2の容量素子によって、しきい値電圧による電圧降下を防止することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置の画素部に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、及び第2の容量素子104のいずれか一が、半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置と一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、半導体装置と一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子104よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さな容量値で構わない第2の容量素子104は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
このように、Voutの電位を昇圧する回路に対して、トランジスタの極性と、ダイオード106の向きを変えることにより、簡便にVoutの電圧を降圧する回路を構成することができる。よって、図2から図3も同様に降圧する回路構成とすることができる。例えば、図31には、図2に対応した降圧する回路構成を示す。また図32には、図3に対応した降圧する回路構成を示す。
なおこのような回路構成は、トランジスタの極性とダイオードの向きを変えただけであるので、実施の形態1乃至3で説明した回路を降圧する回路構成とすることが可能である。
(実施の形態10)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるチャージポンプの構成と動作について説明する。なお本実施の形態では、上記実施の形態1と同様に二段目以降に用いることができる回路構成であって、第1のトランジスタの一方の電極が低電位側の電位0Vに保持される回路構成の場合について説明する。
図10は、図4のトランジスタの極性を逆にし、ダイオード116の向きを逆にしたものに相当する。図10に示すチャージポンプは、図4と同様に、第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、第1の容量素子103、第2の容量素子123、インバータ105、及びダイオード116等の素子を有する。図10において、容量素子103が図14の容量素子C1に相当する。また、ダイオード116が図14のダイオードD2に相当する機能を奏する。また第1のトランジスタ121、第2のトランジスタ122、容量素子123を用いて、図14におけるダイオードD1に相当する機能を奏することができる。なお、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。また、高電位側の電位をVddとする。そのため、インバータ105へはHighの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが入力され、インバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1のトランジスタ121の極性はP型となり、第2のトランジスタ122の極性はN型となるように設定する。なお、ダイオード116は、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタであってもよい。ダイオード接続のトランジスタを用いる場合、極性はN型であっても、P型であってもよい。またダイオード116は、どのような素子構成や回路構成を有してもよい。
次いで、各素子の接続関係及び動作について説明すると、図4と第1のトランジスタ121の一方の電極が低電位側の電位0Vに保持されるように電源へ接続される点、及びダイオード116の接続方向が異なるのみであり、その他は同様である。そのため、本実施の形態での説明は省略する。
この場合、インバータの入105力側へ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力すると、Voutへ出力される電圧は−Vddとなる。
また本実施の形態のチャージポンプでも、しきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を出力することができる。すなわち、第2のトランジスタ122のしきい値電圧による電圧降下を防止することができる。なお本回路の動作については、図4の場合と同様であるため、説明を省略する。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したようにしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を出力することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置の画素部に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、第2の容量素子123は、いずれか一つが半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、半導体装置と一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子123よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さな容量値で構わない第2の容量素子123は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
このように、Voutの電位を昇圧する回路に対して、トランジスタの極性と、ダイオード106の向きを変えることにより、簡便にVoutの電圧を降圧する回路を構成することができる。よって、図5から図7も同様に降圧する回路構成とすることができる。例えば、図33には、図5に対応した降圧する回路構成を示す。また図34には、図7に対応した降圧する回路構成を示す。
なおこのような回路構成は、トランジスタの極性とダイオードの向きを変えただけであるので、実施の形態1乃至3で説明した回路を降圧する回路構成とすることが可能である。
(実施の形態11)
本実施の形態では、上記実施の形態9に記載の一段目に用いることができる回路構成と、上記実施の形態10に記載の二段目以降に用いることができる回路構成とを組み合わせた場合のチャージポンプの構成と動作について説明する。
図11に示すチャージポンプは、図8と同様に、第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、第3のトランジスタ121、第4のトランジスタ122、第1の容量素子103、第2の容量素子104、第3の容量素子123、インバータ105等の素子を有する。なお本実施の形態のように組み合わせたチャージポンプの場合、インバータを共有することができる。図11において、容量素子103が図14の容量素子C1に相当する。また、第1のトランジスタ101、第2のトランジスタ102、及び第2の容量素子104が図14のダイオードD1に相当する機能を奏する。また第3のトランジスタ121、第4のトランジスタ122、第3の容量素子123が図13のダイオードD2に相当する。なお、低電位側の電位を簡単のため0Vとするが、それ以外であっても構わない。また、高電位側の電位をVddとする。そのため、インバータ105へはHighの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが入力され、インバータ105から、Highの信号としてVdd、Lowの信号として0Vが出力される。本実施の形態において、第1乃至第3のトランジスタの極性はP型となり、第4のトランジスタの極性はN型となるように設定する。
次いで、各素子の接続関係及び動作について説明すると、図8と第1のトランジスタ101の一方の電極が低電位側の電位0Vに保持されるように電源へ接続される点が異なるのみであり、その他は同様である。そのため、本実施の形態での説明は省略する。
この場合、インバータ105の入力側へ、Highの信号をVdd、Lowの信号を0Vとするクロック信号を入力すると、Voutへ出力される電圧は−Vddとなる。すなわち、第1の容量素子103へは−Vddに相当する電荷が蓄積され、−Vdd分の電流をVoutへ出力する状態となって、Voutが降圧される。
以上のように、実施の形態1乃至7に記載の回路構成を、トランジスタの極性等を変更することによって降圧用の回路構成することができる。このような降圧用の回路構成において、一段目に用いることができる回路構成と、二段目以降に用いることができる回路構成とは自由に組み合わせることができる。例えば以下のようなチャージポンプとすることができる。
図35は、図1に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図5に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図36は、図1に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図6に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図37は、図1に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図7に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図38は、図2に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図4に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図39は、図2に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図5に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図40は、図2に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図6に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図41は、図2に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図7に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図42は、図3に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図4に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図43は、図3に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図5に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図44は、図3に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図6に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
図45は、図3に示した初段に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更し、これに図7に示した二段目以降に用いることができる回路のトランジスタの極性等を変更したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
このように初段に用いる回路と、二段目以降に用いる回路とを自由に組み合わせることができる。
図46は、図8に示したチャージポンプの回路構成であって、降圧用の回路構成を示す。
また本実施の形態のチャージポンプにおいて、第1の容量素子103へ蓄積される電荷は、第1のトランジスタ101と、第4のトランジスタ122のしきい値電圧(Vth)によらずに、所定の電荷をVoutへ出力することができる。すなわち本実施の形態のチャージポンプは、第1のトランジスタ101と、第4のトランジスタ122のしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を蓄積することができる。
また上述したチャージポンプは、トランジスタとして薄膜トランジスタを形成することができる。その結果、表示装置、又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリに一体形成することができる。しかしチャージポンプにおいて薄膜トランジスタを用いると、しきい値電圧が大きいため、所定の電位へ昇圧することは難い。加えて、しきい値電圧は各薄膜トランジスタでばらつくため、出力される電位がばらついてしまう恐れがある。そこで、本実施の形態のチャージポンプを用いると、上述したようにしきい値電圧による電圧降下によらずに、所定の電荷を出力することができる。そのため、本実施の形態のチャージポンプは、シリコンウェハから形成されるトランジスタと比較してしきい値電圧の大きな薄膜トランジスタを用いる場合に、顕著な効果を奏する。
また、薄膜トランジスタにより形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置といった半導体装置の画素部に一体形成することができる。そのとき、第1の容量素子103、及び第2の容量素子104のいずれか一が半導体装置と一体形成されていてもよいし、両方が半導体装置と一体形成されてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。一方、半導体装置と一体形成しない場合であれば、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。第1の容量素子103の方が第2の容量素子104よりも大きな容量値を持つ必要がある。よって、小さな容量値で構わない第2の容量素子104は、半導体装置と一体形成して、部品点数を減らし、コストダウンを実現し、大きな容量値である第1の容量素子103は、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量を配置することが可能となる。
また上記実施の形態に記載の降圧用回路は組み合わせることができる。そして、それを有するチャージポンプを構成することができる。
(実施の形態12)
本実施の形態では、チャージポンプを有する半導体装置の一例として、液晶表示装置や自発光素子を有する発光装置を代表とする表示装置の構成について説明する。
図12に示す表示装置のパネル部は、基板200上に、画素部201、レベルシフタ202、ゲート電極ドライバ203、ソース電極ドライバ204、及びチャージポンプ205を有する。そして電源から入力される電源電圧が、画素部201の素子が必要とする電圧に満たない場合、チャージポンプ205により電源電圧を増幅したのち、レベルシフタ202へ供給することができる。
薄膜トランジスタを用いてチャージポンプを形成する場合、チャージポンプが有する容量は、ゲート絶縁膜を介して設けられる不純物添加された半導体膜と、ゲート電極とで形成することができる。
また薄膜トランジスタを用いて形成されたチャージポンプは、液晶表示装置、発光装置、及びその他の表示装置の画素部に一体形成することができる。その結果、チャージポンプを用いたスイッチング素子のクロック周波数を、表示モードに合わせて選択が可能となり、表示装置の消費電力の低減を図ることができる。
また薄膜トランジスタを用いる場合、半導体は、非晶質半導体、非晶質状態と結晶状態とが混在したセミアモルファス半導体(SASとも表記する)、非晶質半導体中に0.5nm〜20nmの結晶粒を観察することができる微結晶半導体、及び結晶性半導体から選ばれたいずれの状態を有してもよい。特に、0.5nm〜20nmの結晶を粒観察することができる微結晶状態はいわゆるマイクロクリスタル(μc)と呼ばれている。
また本実施の形態において、薄膜トランジスタはゲート電極が半導体膜上方に設けられたトップゲート電極構造であっても、ゲート電極が半導体膜下方に設けられたボトムゲート電極構造であってもよい。
(実施の形態13)
本実施の形態では、チャージポンプからの出力電位を安定化させる回路、つまり、安定化電源回路(レギュレータ)について説明する。
まず、もっとも簡単な安定化回路の構成は、大きな容量素子をチャージポンプの出力部に配置する、というものである。この大きな容量素子により、電位の変化が抑制され、安定化される。
そのとき、この大きな容量素子は、半導体装置と一体形成されていてもよいし、別の素子に形成されていてもよい。半導体装置と一体形成することにより、部品点数を減らすことが出来る。一方、半導体装置と一体形成しないことにより、大きな容量値をもつ容量を配置することが可能となる。
上記安定化電源回路と異なる構成として、チャージポンプからの出力電位をモニタして、一定の電圧になるように、チャージポンプに供給するクロック信号の動作を制御する場合について述べる。
つまり、チャージポンプに入力するクロックパルス(CLK)やクロック反転パルス(CLKB)は常に入力する必要はなく、例えば、出力端子の電位がある電位となったら入力しないように制御してもよい。
上記のようにクロックパルス(CLK)やクロック反転パルス(CLKB)を常に入力しない場合の構成を、図16に示す模式図を用いて説明する。
チャージポンプ1801の入力端子には定電圧源1800からVddの電圧が供給され、出力端子から昇圧された電位を得ることができる。ここで、電位検出回路1803は、出力端子の電位を検出し、ある電位となったら制御信号を出力し、クロックパルス発生回路1802からクロックパルス(CLK)やクロック反転パルス(CLKB)をチャージポンプに入力しないように制御する。
そしてクロックパルスを供給すれば、チャージポンプの出力電位が上昇し、供給をとめれば、チャージポンプの電位上昇が止まる。これを利用して、出力電位を制御することができる。
このような安定化電源回路を用いると、電位を安定化させることができ、所定の電位を出力することができるようになる。
次に、別の構成を有する安定化電源回路を説明する。図17(a)示す安定化電源回路1504は、容量素子1502、ツェナーダイオード1503といった整流素子を有する。
また、容量素子1502は静電容量が大きいものを用いる。容量素子1502の電極間の電圧を一定に保つことができ、安定化電源回路1504からの出力端子からは、一定の電位を得ることができるからである。
また、ツェナーダイオード1503は一つに限られず、直列に複数配置してもよい。複数に配列することによって、電位を調整することができるからである。例えば、電位に合わせてツェナーダイオードを複数配置することができる。また、ツェナーダイオードの降伏電位が異なるものを直列につないで電位を調整することもできる。
このような安定化電源回路1504において、出力端子の直前にツェナーダイオード1503を接続する。すなわち出力端子とツェナーダイオードの一方の端子と接続し、ツェナーダイオードの他方の端子をGNDに接続する。すると、出力の電位がある電位を超えるとツェナーダイオードに電流が流れ、出力端子の電位を調整することができる。
次に、図17(b)に示す安定化電源回路1517について説明する。
安定化電源回路1517は、容量素子1512、アンプ1513、第1の抵抗1515、第2の抵抗1516を有する。
この容量素子1512の電極間の電圧を、アンプ1513の電源として用いる。アンプ1513の非反転入力端子には基準電源1514から一定の電圧が入力される。また、アンプ1513の反転入力端子は第2の抵抗1516を介して、出力端子と接続され、さらに反転入力端子は抵抗1515を介して、接地電源GNDと接続されている。なお、アンプ1513は高利得増幅器を用いることができる。
アンプ1513は、基準電源1514の電圧が非反転入力端子に入力され、アンプ1513の出力電圧を第2の抵抗1516と第1の抵抗1515とで抵抗分割した電圧が反転入力端子に入力され、これらの電圧値を比較する機能を奏する。
アンプ1513の出力電圧V
0は、基準電源1514の電圧をV
r、第1の抵抗1515の抵抗値をR
1、第2の抵抗1516の抵抗値をR
2とすると、以下のような式(1)で表される。
式(1)からもわかるように、第1の抵抗1515と第2の抵抗1516の抵抗値の比R2/R1によってアンプ1513の出力電位を調整することができる。すなわち、安定化電源回路1517の出力端子の電位は、基準電源1514の電位以上、且つ安定化電源回路1517の入力端子に入力されるHレベルの電位以下の電位であれば任意に設定することができる。
また、安定化電源回路の代わりに、平滑回路を通して電位を得るようにしてもよい。
また、安定化電源回路の出力端子から出力を得る前に出力電位を検出する手段を設けてもよい。そして、ある設定された電位を超えると、容量素子の第2の電極に入力されるクロック信号(CLK)やクロック反転信号(CLKB)の入力を遮断するように制御することができる。
(実施の形態14)
本発明のチャージポンプを用いた表示装置を有する電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されているため、表示装置を用いることが望ましい。それら電子機器の具体例を図15に示す。
図15(A)は表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明のチャージポンプを表示部2003の電源回路に用いた表示装置は、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、表示装置を長時間動作させることができる。表示装置は液晶表示装置又は発光装置とすることができる。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図15(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明のチャージポンプを表示部2102の電源回路に用いたデジタルスチルカメラは、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、デジタルスチルカメラを長時間動作させることができる。
図15(C)はノート型コンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明のチャージポンプを表示部2203の電源回路に用いたノート型コンピュータは、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、ノート型コンピュータを長時間動作させることができる。
図15(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明のチャージポンプを表示部2302の電源回路に用いたモバイルコンピュータは、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、モバイルコンピュータを長時間動作させることができる。
図15(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示することができる。本発明のチャージポンプを表示部A2403や表示部B2404の電源回路に用いた画像再生装置は、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、画像再生装置を長時間動作させることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
図15(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明のチャージポンプを表示部2502の電源回路に用いたヘッドマウントディスプレイは、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、ヘッドマウントディスプレイを長時間動作させることができる。
図15(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609等を含む。本発明のチャージポンプを表示部2602の電源回路に用いたビデオカメラは、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、ビデオカメラを長時間動作させることができる。
図15(H)は携帯電話機であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。本発明のチャージポンプを表示部2703の電源回路に用いた携帯電話機は、低消費電力化を図ることができる。その結果、バッテリー寿命がのび、携帯電話機を長時間動作させることができる。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話機の消費電流を抑えることができる。
このように本発明のチャージポンプは、あらゆる電子機器に適用することが可能である。