JP4592659B2 - 電力系統の連系システム - Google Patents

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Description

本発明は、基幹電力系統と、基幹連系線により連携する小規模電力系統とを有し、前記小規模電力系統は、複数の子小規模電力系統がそれぞれ子連系線により直列に連係された電力系統の連系システムに関する。
近年、複数の分散電源により構築される小規模電力系統を、電力会社などが提供する大規模の基幹電力系統と連携し、安定運用させる電力系統連系システムが用いられるようになってきた。すなわち、分散電源の低価格、汎用化、電力自由化の進展に伴い、デーゼル、ガス、太陽光、風力等の小型分散電源により発電力をまかなう、小規模電力系統(マイクログリッドとも呼ばれる)が増加しつつある。
この小規模電力系統は、前述のように、電力会社の商用電力系統である基幹電力系統と通常一点で連系(一点連系)されている。このため、基幹電力系統側で事故等による停電等の電力供給障害が発生すると、無対策の場合、小規模電力系統も全停電となる場合が生じる。また、小規模電力系統も、更に幾つかの小規模電力系統で構成されるケースも今後増え、小規模電力系統への波及停電を防止する制御が困難となりつつある。
このような分散電源を用いた電力系統における連系制御やそれらの運用に関する提案もいくつか見られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1は、自家発系統の重要負荷を瞬低から防止するもので、商用系統で瞬低が発生するとこれを検知し、重要負荷を自家発系統側に切り替えている。すなわち、商用系統の瞬低を対象にし、重要負荷を自家発系統側に切り替えてはいるが、小規模電力系統の停電拡大防止のアルゴリズムについては考慮されていない。また、特許文献2は、小規模電力系統内の分散電源をもつ需要家の管理に関するもので、所定条件に合致した需要家を組み合わせ、経済電力融通を行っている。しかし、小規模電力系統の停電拡大防止のアルゴリズムについては、やはり考慮されていない。
一方、電力会社の基幹電力系統においては、連系線によって連系される部分電力系統がある場合、連系線事故等による連系線遮断時に部分電力系統内の発電機を緊急遮断もしくは負荷を緊急遮断させ、全停電を防止する安定化装置(SSC: System Stabilizing ControllerまたはTSC: Transient Stability Controller)が実用化されている。
しかし、このような方式では、多くの発電機や負荷の情報を、伝送系を通じて監視する必要があり、非常に多くの伝送系や端末、監視するための複雑なオンライン演算、多数の制御端末、遮断器が必要となる。このため、群管理型の小規模電力系統へ適用するには効率的ではない。
特開2004−15883号公報 特開2004−15882号公報
小規模電力系統は、前述のように、電力会社の基幹電力商用系統と一点連系されているため、基幹電力系統側で停電等の電力供給障害が発生すると、無対策の場合、小規模電力系統も全停電となることがある。また、幾つかの小規模電力系統で構成される群管理型の小規模電力系統も今後予想されるが、この様な群管理型の小規模電力系統の場合、これまで、停電波及による全停電を防止する効率的な制御方法はなかった。
本発明の目的は、基幹電力系統側で停電等の電力供給障害が発生すると、これと連係する群管理型の小規模電力系統では、前記電力供給障害を検知し、少ない伝送系や端末、簡単なオンライン演算、僅かな制御端末、遮断器を用いて、小規模電力系統側での停電を最小限に抑え、全停電を防止する機能を備えた電力系統の連系システムを提供することにある。
本発明にかかる電力系統の連系システムは、基幹電力系統と、基幹連系線遮断器を有する基幹連系線により連系する小規模電力系統を有し、前記小規模電力系統は、複数の子小規模電力系統が、それぞれ子連系線遮断器を有する子連系線により直列に連系され、これら直列連系された複数の子小規模電力系統の両端に位置する子小規模電力系統を、それぞれ子連系線遮断器を有する子連系線により前記基幹連系線との連系点に接続した電力系統の連系システムであって、前記各子連系線に設けられ、対応する子連系線の潮流の大きさを検出する潮流検出装置と、これら各潮流検出装置が検出した潮流の大きさを入力し、各子連系線について、互いに異なる2つの子連系線の潮流の和をそれぞれ算出し、この和の絶対値に基き、遮断される2つの子連系線の組み合わせを選定する遮断連系線計算手段と、この遮断連系線計算手段により選定された2つの子連系線の子連系線遮断器を前記基幹連系線遮断器の遮断に伴い遮断させる連系線遮断手段とを備えたことを特徴とする。
本発明では、遮断連系線計算手段には、予め特定の子小規模電力系統が設定されており、この特定の子小規模電力系統を含む2つの子連系線の組み合わせについて、それぞれ潮流の和を算出し、この和の絶対値に基き、遮断される2つの子連系線の組み合わせを選定する。
また、本発明では、遮断連系線計算手段は、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が最小となる2つの子連系線の組み合わせを選定する。
また、本発明では、遮断連系線計算手段は、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせを選定する構成でもよい。
また、本発明では、遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数ある場合、各組み合わせによる2つの子連系線のうち、最も多くの子小規模電力系統が含まれる2つの子連系線の組み合わせを選定する。
また、本発明では、遮断連系線計算手段には、予め特定の子小規模電力系統が設定されており、この特定の子小規模電力系統を含む2つの子連系線の組み合わせについて、それぞれ潮流の和を算出し、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせを選定し、前記基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせがない場合は、2つの子連系線の組み合わせの全てにつき潮流の和を求め、これらの組み合わせのうち、和の絶対値が予め指定した基準値以下で、最も多くの子小規模電力系統が含まれる2つの子連系線の組み合わせを選定するように構成してもよい。
また、本発明では、遮断連系線計算手段には、各子小規模電力系統の電力需要がそれぞれ入力されており、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数ある場合、これら複数の組み合わせのうち、2つの子連系線間に含まれる子小規模電力系統の需要電力の合計値がもっとも大きな2つの子連系線の組み合わせを選定する構成でもよい。
また、本発明では、遮断連系線計算手段には、予め特定の子小規模電力系統が設定されており、この特定の子小規模電力系統を含む2つの子連係系統の組み合わせについて、それぞれ潮流の和を算出し、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせを選定し、前記基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせがない場合は、2つの子連系線の組み合わせの全てにつき潮流の和を求め、これらの組み合わせのうち、和の絶対値が予め指定した基準値以下で、2つの子連系線間に含まれる子小規模電力系統の需要電力の合計値がもっとも大きな2つの子連系線の組み合わせを選定するように構成してもよい。
また、本発明では、遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数ある場合、各組み合わせによる2つの子連系線間に存在する子小規模電力系統が重複しない2つの子連系線の組み合わせを選定する。
また、本発明では、遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数あり、かつこれら複数の組み合わせによる2つの子連系線間に存在する子小規模電力系統が重複する場合は、最も多くの子小規模電力系統が含まれる2つの子連系線の組み合わせを選定する。
さらに、本発明では、遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数あり、かつこれら複数の組み合わせによる2つの子連系線間に存在する子小規模電力系統が重複する場合は、2つの子連系線間に含まれる子小規模電力系統の需要電力の合計値がもっとも大きな2つの子連系線の組み合わせを選定するように構成してもよい。
本発明によれば、基幹電力系統の停電に伴い、小規模電力系統を構成する複数の子小規模電力系統を連係する子連系線のうち、遮断潮流が最も少なくなる、あるいは指定された基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせで選んで遮断するので、遮断された子小規模電力系統での周波数、電圧変動が小さくなり、小規模電力系統側における停電範囲を最小限に抑えことができる。また、上記2つの子連系線の組み合わせの選定は、遮断潮流が最も少なくなる、あるいは指定された基準値以下となる、という簡単なアルゴリズムで実現できるので、少ない伝送系や端末、簡単なオンライン演算などが可能となり、システム構成を簡素化できる。
以下、本発明による電力系統の連系システムの一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
先ず、図1により本発明が適用される電力系統を説明する。図1において、2は基幹電力系統で、電力会社などが提供する大規模な商用系統である。この基幹電力系統は、基幹連系線遮断器4を有する基幹連系線3により、小規模電力系統1と連系する。前記小規模電力系統(以下、マイクログリッドと呼ぶ)1は、複数(図の例では、5つ)の子小規模電力系統(以下、子マイクログリッドと呼ぶ)5を有する。これら、複数の子マイクログリッド5は、図示のようにそれぞれ分散電源を有し、子連系線遮断器7を有する子連系線6により直列に連系されている。これら直列連系された複数の子マイクログリッド5のうち両端に位置する子マイクログリッド5は、それぞれ子連系線遮断器7を有する子連系線6により、基幹連系線3との連系点に接続している。
ここで、上述したマイクログリッド1は、電力会社の電力系統である基幹電力系統2と、連系線3を介して接続された小規模な電力系統であり、前述のように、子ともいうべき幾つかの小規模電力系統、すなわち、子マイクログリッド5によって構成される。各子マイクログリッド5は、前述のように分散電源と呼ばれる小規模発電機を有し、マイクログリッド1内の需要家負荷には、連系された電力会社の基幹電力系統2及び、マイクログリッド1内の分散電源により電力が供給されている。
次に、図2により、図1で示した電力系統に対する連係システムの実施形態を、具体的な構成図により説明する。
図1に示したマイクログリッド1は、5つの子マイクログリッド5から構成される。図2では、これらの子マイクログリッド5を、子マイクログリッド51、子マイクログリッド52、子マイクログリッド53、子マイクログリッド54、子マイクログリッド55と記す。また、それぞれの子マイクログリッド51〜55は連系線6によって接続されている。これら連系線6を子連系線と呼び、連系線3と子マイクログリッド51を結ぶ子連系線を601、子マイクログリッド51と子マイクログリッド52を結ぶ子連系線を612、子マイクログリッド52と子マイクログリッド54を結ぶ子連系線を624、子マイクログリッド54と子マイクログリッド55を結ぶ子連系線を645、子マイクログリッド55と子マイクログリッド53を結ぶ子連系線を653と、子マイクログリッド53と連系線3を結ぶ子連系線を603とする。また、各子連系線6を入り切りする遮断器7を子連系線遮断器とする。そして、子連系線601に設けられた子連系線遮断器を701とし、子連系線612に設けられた子連系線遮断器を712とし、子連系線624に設けられた子連系線遮断器を724とし、子連系線645に設けられた子連系線遮断器を745とし、子連系線653に設けられた子連系線遮断器を753とし、子連系線603に設けられた子連系線遮断器を703とする。
また、各子マイクログリッド5の電力需要は、例えば、図2に示すとおりとする。すなわち、子マイクログリッド51は4MW、子マイクログリッド52は6MW、子マイクログリッド53は1MW、子マイクログリッド54は2MW、子マイクログリッド55は3MWとする。これら、需要電力は、マイクログリッド1内の分散電源や、基幹電力系統2からの供給電力によりまかなわれる。
ここで、本発明では、基幹電力系統2で停電が生じ、基幹連系線3の連系線遮断器4が遮断動作したとき、マイクログリッド1内の各子連系線601,612,624,645,653,603のうち、後述する条件を満足する2つの子連系線6を選定し、これら選定された2つの子連系線6に設けられた子連系線遮断器7を遮断させる。このことにより、この2つの遮断点間に含まれる子マイクログリッド6を切り離し、全停電を防止するものである。上記選定条件は、各子連系線601,612,624,645,653,603における潮流値に基いて決定される。したがって、各子連系線601,612,624,645,653,603には、対応する子連系線の潮流の大きさを検出する潮流検出装置9が設けられる。
この潮流検出装置9は、CT、PT等の計器用変成器15、監視端末23、伝送装置16などにより構成される。連系線6の潮流は、対応する連系線(ここでは624とする)に設置されたCT、PT等の計器用変圧器15によって測定点の電圧、電流等の電気量を抽出することにより求められる。すなわち、連系線624から抽出された電圧、電流等の電気量は監視端末23に入力され、監視端末23に内蔵されるAD変換装置25によりアナログ量からデジタル量に変換される。電圧、電流から潮流は計算され、デジタル量に変換された電気量は、伝送装置16により、伝送系24を通じて、制御システム8のサーバ17に蓄えられる。
なお、図2では、図の煩雑化を防ぐため、連系線624の潮流検出装置9のみを図示しているが、実際には同じ構成の潮流検出装置9が他の連系線601,612,645,653,603にも設けられており、各連系線6の潮流値は、図示しないが、対応する潮流検出装置9から監視端末23、伝送系24を通して、制御システム8に周期的に取り込まれ、サーバ17にそれぞれ蓄えられる。
制御システム8は、図3で示すように、上記サーバ17により実現されるデータ収集手段12、遮断連系線を求める遮断連系線計算手段13、停電発生により遮断対象の連系線に遮断指令20を出力する連系線遮断手段14を有する。すなわち、制御システム8は、図2で示したように、連系線遮断器4の遮断信号により、マイクログリッド1が基幹電力系統2から分断されたことを認知し、マイクログリッド1が全停電に至るのを防止するため緊急制御(図3で示した遮断指令20の出力)を行う。図2の例は、緊急制御により、子マイクログリッド52と子マイクログリッド54の間の子連系線遮断器724と、子マイクログリッド54と子マイクログリッド55の間の子連系線遮断器745を遮断した例である。この例では、子連系線遮断器724と745を遮断したことにより、この遮断点間に含まれる子マイクログリッド54の停電を防止することになり、停電波及によるマイクログリッド1の全停電は免れる。
制御システム8の処理は、図3で示すように、停電発生前の処理10と停電発生後の処理11に分類される。停電発生前の処理10は、停電発生前において、データ収集手段12により、連系線3及び各子連系線6の潮流を周期的に取り込み、記録する。また、各子マイクログリッド5の電力需要を把握するため、図示していないが、分散電源の出力等も入力する。また、遮断連系線計算手段13により、記録された連系線3、各子連系線6の停電発生前の最も新しい潮流の情報から、全停電を防止するために遮断するに適切な子連系線6を選定する。
停電発生後の処理11は、連系線遮断器4の遮断信号により停電発生と判断した後の処理で、連系線遮断手段14により、前記遮断連系線計算手段13が選定した子連系線6の子連系線遮断器7に対し緊急制御(遮断指令20の出力)を行う。
なお、停電発生の判断は、上記連系線遮断器4の遮断信号のほか、基幹電力系統2の電圧と、潮流の向きによる保護リレー動作信号による方法等があり、これらいずれを用いてもよい。
また、制御システム8の処理として、停電発生前の処理10と停電発生後の処理11に分類し、図3で示すように、停電発生前の処理10では、データ収集手段12による各子連系線6の潮流などの周期的な取り込み及び記録と、遮断連系線計算手段13による、全停電を防止するための適切な遮断対象子連系線6の選定とを示したが、図4で示すように、遮断連系線計算手段13による、全停電を防止するための適切な遮断対象子連系線6の選定は、停電発生後の処理11としてもよい。
上記構成において、電力会社などによる基幹電力系統2で停電が発生すると、基幹電力系統2の電圧は零となり、そのままでは小規模電力系統1側から基幹電力系統2へ潮流が逆向きに流れてしまう(逆潮と呼ばれる)。この逆潮を防止するため、連系線遮断器4が遮断される。すなわち、連系線遮断器4は、通常、基幹電力系統2の電圧と、潮流の向きにより、図示しない保護リレーが動作することにより遮断される。
この連系線遮断器4の遮断後、放置すると、マイクログリット1内の周波数や電圧が急変し、マイクログリット1内に設置された図示しない電圧リレーまたは周波数リレーが連鎖動作し、全停電に及ぶ場合が多い。
このような基幹電力系統2の停電に伴うマイクログリット1内の全停電を防止するため、制御システム8内の遮断連系線計算手段13は、各子連系線601,612,624,645,653,603における潮流値に基き、遮断対象として適切な2つの子連系線6の組み合わせを選定し、これら選定された2つの子連系線6に設けられた子連系線遮断器7を遮断させて、この2つの遮断点間に含まれる子マイクログリッド5を切り離し、全停電を防止する。
すなわち、図2及び図3で示すように、各子連系線6に設けられた潮流検出装置9は、CT、PT等の計器用変圧器15によって測定点の電圧、電流等の電気量18を抽出し、これを監視端末23において内蔵されるAD変換装置25によりデジタル量に変換し、伝送装置16により、伝送系24を通じて、制御システム8のサーバ17に送っている。この電圧、電流から潮流は計算されるので、制御システム8は、サーバ17により実現されるデータ収集手段12により、停電発生前に、各子連系線6の潮流を周期的に取り込んで記録している。遮断連系線計算手段13は、遮断するに適切な2つの子連系線6を周期的に選定している。そして、停電発生を検知後、連系線遮断手段14によって、上記の選定された子連系線6の子連系遮断器7に遮断指令20を出す。
以下、遮断連系線計算手段13による、適切な遮断対象の2つの子連系線6を選択するアルゴリズムを述べる。
このアルゴリズムの基本として、遮断連系線計算手段13は、各子連系線6の中から、遮断潮流が少ない(この例では、最も遮断潮流が少なくなる)2つの子連系線6の組み合わせで選ぶものとする。なぜなら、遮断潮流が少ないほど、遮断された子マイクログリッド5の周波数、電圧変動が小さく、停電防止できる確率が大きいからである。
ここで、子マイクログリッド51を起点とした場合、遮断する2つの子連系線6の組み合わせは、子連系線601に対し、子連系線612、子連系線624、子連系線645、子連系線653、子連系線603のうちのどれか一つの組み合わせである。よって、子マイクログリッド51に入る潮流の向きを正とすると以下の5つの式のうち、合計潮流の絶対値が最も小さくなる組み合わせがこの中では最適な組み合わせである。
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線612の潮流 (1−1)
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線624の潮流 (1−2)
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線645の潮流 (1−3)
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線653の潮流 (1−4)
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線603の潮流 (1−5)
次に、子マイクログリッド52を起点とすると、遮断対象となる子連系線6の2つの組み合わせは、子連系線612に対し、子連系線624、子連系線645、子連系線653、子連系線603のうちのどれか一つである。よって、マイクログリッド51の場合と同様に、以下の4つの式の内、合計潮流の絶対値が最も小さくなる組み合わせがこの中では最適な組み合わせとなる。
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線624の潮流 (1−6)
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線645の潮流 (1−7)
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線653の潮流 (1−8)
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線603の潮流 (1−9)
同様に、子マイクログリッド54、子マイクログリッド55、子マイクログリッド53を起点とすると以下の組み合わせの式がある。
子マイクログリッド54を起点とした場合は以下の式である。
合計潮流=子連系線624の潮流 + 子連系線645の潮流 (1−10)
合計潮流=子連系線624の潮流 + 子連系線653の潮流 (1−11)
合計潮流=子連系線624の潮流 + 子連系線603の潮流 (1−12)
マイクログリッド55を起点とした場合は以下の式である。
合計潮流=子連系線645の潮流 + 子連系線653の潮流 (1−13)
合計潮流=子連系線645の潮流 + 子連系線603の潮流 (1−14)
マイクログリッド53を起点とした場合は以下の式である。
合計潮流=子連系線653の潮流 + 子連系線603の潮流 (1−15)
これらの関係をまとめたのが図5である。図5では、組み合わせ番号と、上述した式番号(関連式)、各子連系線6の番号と、組み合わされた連系線間に含まれる子マイクログリッドの数を示しており、2つの子連系線6の組み合わせは丸印により示している。
上述した、式(1−1)から式(1−15)の内、合計潮流の絶対値が最も小さくなる組み合わせが最適な組み合わせとなる。例えば、式(1−11)で表される2つの子連絡線624と653の組み合わせでの合計潮流の絶対値が最も小さかった場合、最適遮断点は連系線624と連系線653となる。そして、この場合、遮断点間に含まれる子マイクログリッドは54,55の2つとなる。これらの子マイクログリッド54,55は、他の子マイクログリッドから切り離され、これらマイクログリッド内の分散電源により、安定した電圧・周波数を維持して継続して運用される。すなわち、基幹電力系統2の停電波及により、マイクログリッド1内が全停電することを有効に防止できる。
また、例えば、合計潮流の絶対値が式(1−5)で表される組み合わせが最も小さかった場合は、このマイクログリッド1全体が、その内部に設けられた各子マイクログリッド5の分散電源により電力の供給と需要が安定していることを意味するので、マイクログリッド1を基幹電力系統2から切り離せばよい。このとき、既に基幹電力系統2と連系する連系線3が遮断されている。したがって、連系線601と連系線603を遮断するのと同じであるから、改めて連系線601と連系線603を遮断する必要もない。
このように、本実施の形態によれば、式(1−1)から式(1−15)の内、合計潮流の絶対値が最も小さくなる組み合わせを最適な組み合わせとして選定するという、簡単なアルゴリズムで実現できる。これにより、少ない伝送系や端末、簡単なオンライン演算、僅かな制御端末、遮断器を用い、群管理型の小規模電力系統、すなわち、マイクログリッド1の全停電を防止し、最小限の停電のみとすることができる。
次に、遮断点となる2つの子連系線6を選定する他のアルゴリズムを説明する。このアルゴリズムでは、遮断点となる2つの子連系線6の間に、予め設定した特定の子マイクログリッド5が必ず含まれるように2つの子連系線6を選定するものである。
例えば、図2において、特定の子マイクログリッド52を必ず含めるものとすると、組み合わせ判定式は、遮断後に特定の子マイクログリッド52が含まれる以下の式となる。
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線624の潮流 (1−2)再掲
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線645の潮流 (1−3)再掲
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線653の潮流 (1−4)再掲
合計潮流=子連系線601の潮流 + 子連系線603の潮流 (1−5)再掲
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線624の潮流 (1−6)再掲
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線645の潮流 (1−7)再掲
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線653の潮流 (1−8)再掲
合計潮流=子連系線612の潮流 + 子連系線603の潮流 (1−9)再掲
上記関係をまとめたのが図6であり、子マイクログリッド52を含む上記8つの組み合わせについて、図6の右端欄に丸印を付している。この8つの組み合わせ式のうち、合計潮流の絶対値が最も小さくなる組み合わせが2つの遮断点の最適な組み合わせとなる。
すなわち、遮断連系線計算手段13には、予め特定の子マイクログリッド(ここでは52とする)が設定されており、遮断連系線計算手段13は、この子マイクログリッド52を含む2つの子連系線6の組み合わせ(上述した8つの組み合わせ)について、それぞれ潮流の和を算出し、この和の絶対値に基き、この和の絶対値が最小となる2つの子連系線6の組み合わせを選定する。
上記アルゴリズムによると、最も停電を防止させたい子マイクログリッド5を残すことが可能であり、より現実的な機能をもつ連系システムを提供できる。
次に、遮断連系線計算手段13による、2つの遮断対象となる子連系線6を選択するための別のアルゴリズムを説明する。この遮断連系線計算アルゴリズムでは、合計潮流の絶対値が、指定された基準値以下の組み合わせを選定する。この場合、複数の組み合わせが生じる可能性があるので、この場合は、複数の組み合わせのうち、遮断される2点間に、最も多くの子マイクログリッド5が含まれる組み合わせを選択するものとする。
図5には、遮断する2つの子連系線6の組み合わせと、これら2つの遮断点間に含まれる子マイクログリッド5の数の関係が示されている。このアルゴリズムでは、図5における式(1−1)から式(1−15)によって計算される合計潮流の絶対値が、下式(2)で示すように、予め指定された基準値以下であり、しかも含まれる子マイクログリッド5の数が最も多い組み合わせを選択する。
合計潮流の絶対値 ≦ 指定された基準値 (2)
指定された基準値とは、2つの連系線6の遮断後において、この間に含まれる子マイクログリッド5が、周波数や電圧の変化によって停電することなく、安定に運用されるようにあらかじめ設定される値である。この値は、子マイクログリッド5の電力需要と、子マイクログリッド5間の子連系線6の潮流、子マイクログリッド5内の分散電源の出力や容量等をもとに計算する。
ここで、下式(3)で表される比率を子連系線潮流比率とする。
子連系線潮流比率=子連系線6の潮流÷子連系線で遮断される全子マイクログリッド5内の分散電源の合計出力 (3)
通常、連系線潮流比率が大きいほど、遮断後の子マイクログリッド5における周波数や電圧の変動が大きく、これら変動が一定値以上となると、子マイクログリッド5内部の保護リレーシステムが動作する。このため、前記基準値は、保護リレーシステムが動作しない領域で設定することが望ましい。また、これら周波数や電圧の変動は、発電機の定数、制御系、負荷の電圧、周波数特性等の電力系統特性によっても変わるため、電力系統の動特性シミュレーションを用いることも多い。
このようなアルゴリズムを用いれば、より多くの子マイクログリッド5の停電を防止することが可能であり、より機能的な小規模分散電源システムを提供できる。例えば、図5において、式(1−4)及び式(1−8)の組み合わせにおける合計潮流の絶対値が予め指定された基準値以下であれば、これら組み合わせによる2つの子連系線6間に含まれる子マイクログリッド5の数は、式(1−4)が「4」であるのに対し式(1−8)では「3」
であるため、式(1−4)の組み合わせによる2つの子連系線601,653の子連系線遮断器701,753を遮断するように選定する。
すなわち、遮断連系線計算手段13は、それぞれ算出された2つの子連系線6の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線6の組み合わせを選定するとともに、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線6の組み合わせが複数ある場合、各組み合わせによる2つの子連系線6間のうち、最も多くの子マイクログリッド5が含まれる2つの子連系線6の組み合わせを選定する。したがって、前述のように、より多くの子マイクログリッド5の停電を防止することができる。
次に、遮断連系線計算手段13による、2別のアルゴリズムを説明する。この遮断連系線計算アルゴリズムでは、上述した合計潮流値が基準値以下となる2つの子連系線6間に、特定の子マイクログリッド5を含めるものとする。そして、特定の子マイクログリッド5を含み、基準値以下となる組み合わせが複数ある場合は、複数の組み合わせのうち、遮断される2点間に、最も多くの子マイクログリッド5が含まれる組み合わせを選択するものとする。つまり、合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件と、特定の子マイクログリッド5が含まれる条件のAND条件のもとで、最も多くの子マイクログリッド5が含まれる組み合わせを選択するものとする。
図6は遮断する子連系線6の組み合わせと、含まれる子マイクログリッド5の数と、特定の子マイクログリッド(例として52)が含まれる組み合わせを表にしている。このように2つの遮断点間に子マイクログリッド52を必ず含めるものとすると、子マイクログリッド52が含まれる組み合わせは、図6において、組合せ番号「2」から「9」までとなる。この組み合わせの中で、式(1−2)から式(1−9)で計算される合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件で、最も多くの子マイクログリッド5が含まれる組み合わせを選択するものとする。例えば、上記式(1−2)から式(1−9)の組み合わせのうち、合計潮流の絶対値が予め指定された基準値以下となる組み合わせが式(1−4)及び式(1−8)の組み合わせであるとする。この場合、これら組み合わせによる2つの子連系線6間に含まれる子マイクログリッド5の数は、式(1−4)が「4」であるのに対し式(1−8)では「3」であるため、式(1−4)の組み合わせによる2つの子連系線601,653の子連系線遮断器701,753を遮断するように選定する。
すなわち、遮断連系線計算手段13では、予め特定の子マイクログリッド(例では52)を含む2つの子連系線6の組み合わせについて、それぞれ潮流の和を算出し、それぞれ算出された2つの子連系線6の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線6の組み合わせを選定する。そして、前記基準値以下となる2つの子連系線6の組み合わせが複数の場合は、これらの組み合わせの中から、遮断される2つの連系線6間に含まれる子マイクログリッド5の数がもっとも多い組み合わせを選定する。
このアルゴリズムによれば、最も停電を防止したい子マイクログリッド5を残すことが可能であり、また、より多くの子マイクログリッド5の停電を防止することができる。
なお、上記アルゴリズムにおいて、特定の子マイクログリッドを含む2つの子連系線6の組み合わせについて、それらの潮流の和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる組み合わせがない場合は、再度、2つの子連系線の組み合わせの全てにつき潮流の和を求め、これらの組み合わせのうち、和の絶対値が予め指定した基準値以下で、最も多くの子小規模電力系統が含まれる2つの子連系線の組み合わせを選定する。すなわち、基本的には合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件と、特定の子マイクログリッド5が含まれる条件のAND条件のもとで、最も多くの子マイクログリッド5が含まれる組み合わせを選択することで、特定の子マイクログリッド5を可能な限り含めるものとするが、もし、この3つのAND条件を満たす組み合わせが無い場合、特定の子マイクログリッド5が含まれる条件をはずすものとする。
このアルゴリズムによれば、最も停電防止させたい子マイクログリッド5を可能な限り選択することが可能であり、また、より多くの子マイクログリッド5を停電防止することも可能であり、より現実的かつ機能的な連系システムを提供できる。
次に、遮断連系線計算手段13による、別のアルゴリズムを説明する。この遮断連系線計算アルゴリズムでは、合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件のもとで、合計電力需要が最も大きくなる子マイクログリッド5が含まれる組み合わせを選択する。各子マイクログリッド5における需要電力は、図2で示したように、子マイクログリッド51は4MW、子マイクログリッド52は6MW、子マイクログリッド53は1MW、子マイクログリッド54は2MW、子マイクログリッド5は3MWであり、各遮断点の組み合わせでの合計電力需要は図7のように表される。
例えば、図7において、連系線612と連系線653を遮断する組合せ番号「8」と、連系線624と連系線645を遮断する組合せ番号「10」の合計潮流の絶対値が、指定された基準値以下であるとする。この場合、図7から合計電力需要は、組合せ番号「10」の2MWに対し、組合せ番号「8」は11MWとなる。このように、組合せ番号「8」の方が、子マイクログリッド5の需要電力が大きいため、組合せ番号「8」による2つの子連系線612,653が遮断対象の連系線6として選択される。
このアルゴリズムによれば、より多くの電力需要をもつ子マイクログリッド5の停電を防止することが可能であり、より機能的な連系システムを提供できる。
次に、遮断連系線計算手段13による、さらに別のアルゴリズムを述べる。この遮断連系線計算アルゴリズムでは、特定の子マイクログリッド5を含めるものとする。つまり、合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件と、特定の子マイクログリッド5が含まれる条件のAND条件のもとで、合計電力需要が最も大きくなる子マイクログリッド5が含まれる組み合わせを選択するものとする。
例えば、特定の子マイクログリッドを54とし、図7における組合せ番号「8」と組合せ番号「10」が、合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件と、特定の子マイクログリッド54が含まれる条件のAND条件を満たしているとする。組合せ番号「8」の合計需要は11MWに対し、組合せ10の合計電力需要は2MWである。よって、合計電力需要が最も大きくなる組合せ番号「8」による2つの連系線612,653が遮断対象として選択される。
このアルゴリズムによれば、最も停電防止させたい子マイクログリッド5を残すことが可能であり、また、より多くの電力需要をもつ子マイクログリッド5の停電を防止することが可能であり、より現実的かつ機能的な連系システムを提供できる。
なお、上記アルゴリズムにおいて、特定の子マイクログリッドを含む2つの子連系線6の組み合わせについて、それらの潮流の和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる組み合わせがない場合は、再度、2つの子連系線の組み合わせの全てにつき潮流の和を求め、これらの組み合わせのうち、和の絶対値が予め指定した基準値以下で、合計電力需要が最も大きくなる2つの子連系線6の組み合わせを選定する。すなわち、当初は、特定の子マイクログリッド5を可能な限り含めようとする。しかし、特定の子マイクログリッド5を含むという条件の下では合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件を満足する連系線の組み合わせが得られない場合は、特定の子マイクログリッド5が含まれる条件をはずすものとする。
このアルゴリズムによれば、最も停電防止させたい子マイクログリッド5を可能な限り選択することが可能であり、また、より多くの電力需要を持つ子マイクログリッド5の停電を防止することが可能であり、より現実的かつ機能的な連系システムを提供できる。
次に、遮断連系線計算手段13による別のアルゴリズムを説明する。この遮断連系線計算アルゴリズムでは、合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件のもとで、重複しない組み合わせ(重複する子マイクログリッド5を持たない組み合わせ)を全て選択するものとする。
例えば、図7おける組合せ番号「14」、組合せ番号「8」、組合せ番号「6」のそれぞれの合計潮流の絶対値が、指定された基準値以下とする。この場合、図8で示すように、組合せ番号「14」と組合せ番号「8」とはマイクログリッド55が重複する。また、組合せ番号「8」と組合せ番号「6」とはマイクログリッド52が重複している。これに対し、組合せ番号「14」と組合せ番号「6」は重複していない。よって、重複していない組合せ番号「14」と組合せ番号「6」による連系線の組み合わせが選定される。
このアルゴリズムによれば、より多くの子マイクログリッド5の停電を防止することが可能であり、より現実的かつ機能的な連系システムを提供できる。
次に説明する遮断連系線計算手段13の遮断連系線計算アルゴリズムは、合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件が成立する組み合わせを選択するものとするが、子マイクログリッド5が重複した場合、それぞれの組み合わせに含まれる子マイクログリッド5の数が多い組み合わせを選択するものとする。例えば、図8における組合せ番号「14」、組合せ番号「8」、組合せ番号「6」のそれぞれの合計潮流の絶対値が、指定された基準値以下の場合、これらの組み合わせのうちの一部の子マイクログリッド5が重複している。すなわち、前述のように組合せ番号「14」と組合せ番号「8」、組合せ番号「8」と組合せ番号「6」はそれぞれ重複している。組合せ番号「14」と組合せ番号「8」では、含まれる子マイクログリッド5の数は、組合せ番号「14」が2に対し、組合せ番号「8」では3であり、よって組合せ番号「8」が選択される。また、組合せ番号「8」と組合せ番号「6」とでは、含まれる子マイクログリッド5の数は組合せ番号「8」が3に対し、組合せ番号「6」は2であり、よって組合せ番号「8」が選択される。よって、最終的には組合せ番号「8」が選択される。
このアルゴリズムによれば、より多くの子マイクログリッド5の停電を防止することが可能であり、より現実的かつ機能的な連系システムを提供できる。
次に説明する遮断連系線計算手段13の遮断連系線計算アルゴリズムでは、合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の条件が成立する組み合わせを選択するものとするが、子マイクログリッド5の一部が重複した場合、合計電力需要が大きい方の組み合わせを選択するものとする。
図8の例では、組合せ番号「14」、組合せ番号「8」、組合せ番号「6」のそれぞれの合計潮流の絶対値が指定された基準値以下の場合、重複条件で選定される。組合せ番号「14」と組合せ番号「8」、組合せ番号「8」と組合せ番号「6」はそれぞれ子マイクログリッド5が重複している。組合せ番号「14」と組合せ番号「8」の合計電力需要は、組合せ番号「14」が4MWに対し、組合せ番号「8」は11MWであり、よって組合せ番号「8」の合計電力需要の方が多く、合計電力需要が多い組み合わせ番号「14」が選択される。また、組合せ番号「8」と組合せ番号「6」の合計電力需要は、組合せ番号「8」が11MWに対し、組合せ番号「6」は6MWであり、よって組合せ番号「8」が選択される。
このアルゴリズムによれば、より多くの電力需要をもつ子マイクログリッド5を停電防止することが可能であり、より現実的かつ機能的な小規模分散電源システムを提供できる。
本発明の対象となる電力系統の構成例を示す模式図である。 本発明による電力系統の連系システムの一実施の形態を示すブロック構成図である。 同上一実施の形態における制御システムの処理を説明するフローチャートである。 同上一実施の形態における制御システムの処理例を説明するフローチャートである。 同上一実施の形態における2つの切断対象連系線の組み合わせ例を示す図表である。 同上一実施の形態において特定の子マイクログリッドを含むように選定する際の組み合わせを指定した図表である。 同上一実施の形態において選定された子マイクログリッドの合計需要電力値を加えた図表である。 重複した子マイクログリッドを含む場合の、選定処理を説明するブロック構成図である。
符号の説明
1 小規模電力系統(マイクログリッド)
2 基幹電力系統
3 連系線
4 連系線遮断器
5 子小規模電力系統(子マイクログリッド)
6 子連系線
7 子連系線遮断器
8 制御システム
12 データ収集手段
13 遮断連系線計算手段
14 連系線遮断手段

Claims (11)

  1. 基幹電力系統と、基幹連系線遮断器を有する基幹連系線により連系する小規模電力系統を有し、前記小規模電力系統は、複数の子小規模電力系統が、それぞれ子連系線遮断器を有する子連系線により直列に連系され、これら直列連系された複数の子小規模電力系統の両端に位置する子小規模電力系統を、それぞれ子連系線遮断器を有する子連系線により前記基幹連系線との連系点に接続した電力系統の連系システムであって、
    前記各子連系線に設けられ、対応する子連系線の潮流の大きさを検出する潮流検出装置と、
    これら各潮流検出装置が検出した潮流の大きさを入力し、各子連系線について、互いに異なる2つの子連系線の潮流の和をそれぞれ算出し、この和の絶対値に基き、遮断される2つの子連系線の組み合わせを選定する遮断連系線計算手段と、
    この遮断連系線計算手段により選定された2つの子連系線の子連系線遮断器を前記基幹連系線遮断器の遮断に伴い遮断させる連系線遮断手段と
    を備えたことを特徴とする電力系統の連系システム。
  2. 遮断連系線計算手段には、予め特定の子小規模電力系統が設定されており、この特定の子小規模電力系統を含む2つの子連系線の組み合わせについて、それぞれ潮流の和を算出し、この和の絶対値に基き、遮断される2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項1に記載の電力系統の連系システム。
  3. 遮断連系線計算手段は、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が最小となる2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力系統の連系システム。
  4. 遮断連系線計算手段は、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力系統の連系システム。
  5. 遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数ある場合、各組み合わせによる2つの子連系線のうち、最も多くの子小規模電力系統が含まれる2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項4に記載の電力系統の連系システム。
  6. 遮断連系線計算手段には、予め特定の子小規模電力系統が設定されており、この特定の子小規模電力系統を含む2つの子連系線の組み合わせについて、それぞれ潮流の和を算出し、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせを選定し、前記基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせがない場合は、2つの子連系線の組み合わせの全てにつき潮流の和を求め、これらの組み合わせのうち、和の絶対値が予め指定した基準値以下で、最も多くの子小規模電力系統が含まれる2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項1に記載の電力系統の連系システム。
  7. 遮断連系線計算手段には、各子小規模電力系統の電力需要がそれぞれ入力されており、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数ある場合、これら複数の組み合わせのうち、2つの子連系線間に含まれる子小規模電力系統の需要電力の合計値がもっとも大きな2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項4に記載の電力系統の連系システム。
  8. 遮断連系線計算手段には、予め特定の子小規模電力系統が設定されており、この特定の子小規模電力系統を含む2つの子連係系統の組み合わせについて、それぞれ潮流の和を算出し、それぞれ算出された2つの子連系線の潮流の和のうち、この和の絶対値が、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせを選定し、前記基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせがない場合は、2つの子連系線の組み合わせの全てにつき潮流の和を求め、これらの組み合わせのうち、和の絶対値が予め指定した基準値以下で、2つの子連系線間に含まれる子小規模電力系統の需要電力の合計値がもっとも大きな2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項1に記載の電力系統の連系システム。
  9. 遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数ある場合、各組み合わせによる2つの子連系線間に存在する子小規模電力系統が重複しない2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項4に記載の電力系統の連系システム。
  10. 遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数あり、かつこれら複数の組み合わせによる2つの子連系線間に存在する子小規模電力系統が重複する場合は、最も多くの子小規模電力系統が含まれる2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項4に記載の電力系統の連系システム。
  11. 遮断連系線計算手段は、予め指定した基準値以下となる2つの子連系線の組み合わせが複数あり、かつこれら複数の組み合わせによる2つの子連系線間に存在する子小規模電力系統が重複する場合は、2つの子連系線間に含まれる子小規模電力系統の需要電力の合計値がもっとも大きな2つの子連系線の組み合わせを選定することを特徴とする請求項4に記載の電力系統の連系システム。
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