JP4591760B2 - 放電加工装置及び放電加工方法 - Google Patents
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Description
このワイヤ放電加工装置において、被加工体の上方にカメラを取り付け、このカメラで加工部位を撮影し、この撮影された情報を画像処理装置に送信して2値化処理し、処理された情報に基づいて被加工体と電極との相対的な位置を制御するものがある。(下記特許文献1参照)。このワイヤ放電加工装置によれば、カメラで加工部位を撮影し、これを2値化処理し、この処理された情報に基づいて被加工体と電極との相対的な位置を制御し、再度加工するという工程を形状の計測値と目標値が一致するまで繰り返すことで所定の形状(寸法)に仕上げていくことができる。
また、このような画像処理による計測は画像の明暗を基に行なわれるため撮影する加工部位に光を照射する必要がある。従来から、この光を照射するための照明装置がカメラ側に設けられている放電加工装置も知られている(下記特許文献2参照)。この放電加工装置によれば、照明装置から被加工体に光を照射し、被加工体の表面で反射した光(反射光)の像を画像処理装置で得ることで、被加工体の表面および加工状態を観測しながら調整することで正確な加工を行なうことができる。
この反射照明を用いた画像認識方法においては、ワイヤ放電加工により形成された形状のエッジ部の状態によっては照明装置からの光と、照明装置からの光が加工により形成された穴の内面に当たって反射する光とが干渉し合い、穴の内面に干渉縞が発生してしまう場合がある。この干渉縞が発生すると、輝度の高い部分と低い部分が穴のエッジ部分の近傍に発生することになり、画像処理においてエッジ部分を正確に認識することができなくなる問題がある。
また、通常被加工体の表面には一般的に「表面粗さ」と呼ばれる微細な凹凸の加工痕やキズが存在する。この凹凸により反射光量に差ができるため、加工痕の凹部の輝度が低くなり、画像処理においてエッジ部分近傍の輝度の低い部分の影響を受けてエッジ部分を正確に認識することができなくなる問題もある。
このように反射照明により得られた画像情報には、形成された形状を正確に得る際に問題となるノイズ成分が含まれている。
そのために、従来では反射照明により得られた画像情報を画像処理装置により2値化処理することでこれらの影響を解消していた。しかし、2値化処理は元となる画像情報を設定した閾値により白黒情報に変換することになるため画像情報を圧縮することになるとともに、被加工体の表面状態によって計測結果が大きく異なったり、設定した閾値により測定結果が大きく異なる、といった寸法計測に不向きな画像処理方法で処理せざるを得なかった。
ここで、照明手段が被加工体を介して撮像手段とは反対側に設けられているため、被加工体に形成された穴の部位を透過する透過光の輝度が高くなり、被加工体のその他の部位の透過光の輝度との差が大きくなる。この結果、画像処理部における画像処理を容易に行うことができ、かつその処理精度を高めることができるため、被加工体の加工精度を向上させることができる。特に、輝度の差を明確にすることができるため、従来では正確に認識することができなかった被加工体に形成された穴のエッジ部分を正確に認識することができるとともに、被加工体にキズがあったとしてもそれが穴のエッジ部分であると誤認識することはない。
このように、本実施形態のワイヤ放電加工装置10では、計測時には照明装置18が金属板Mを介して撮像装置14と反対側に配置されるように設けられている。より具体的には、照明装置18と、撮像装置14と、金属板Mに形成された穴22とが、加工時に加工液に浸からない、計測時の位置で同一直線上に位置するように構成されている。
加工屑除去後、加工槽40が下降することで金属板Mが加工液Lから引き出された後、エアー洗浄機構39により空気を金属板Mに加工された穴22に吹き付けることにより金属板Mに付着した加工液Lを除去することができる。
選択された加工条件が制御装置24に送信され、送信された加工条件で制御装置24の制御により金属板Mの穴22に対して追込み加工が行なわれる。(ステップ360)
14 撮像装置(撮像手段)
18 照明装置(照明手段)
24 制御装置(制御手段)
30 画像処理部(画像処理手段)
42 ワイヤ電極(加工手段)
M 金属板(被加工体)
Claims (4)
- 被加工体に貫通された所定形状の穴を設ける加工手段と、前記被加工体を撮像する撮像手段と、前記被加工体を介して前記撮像手段とは反対側に設けられ前記被加工体に光を照射させる照明手段と、前記撮像手段により撮像された画像情報を処理する画像処理手段と、前記画像処理手段により処理された情報に基づいて前記被加工体と前記加工手段との相対位置を制御する制御手段と、前記被加工体の前記穴のエッジ部に空気流を吹き付けるエアー洗浄装置と、を有し、
前記被加工体が加工液に浸された状態で、前記加工手段が前記被加工体の前記穴の形状を加工し、前記加工液の内部から引き出された前記被加工体の前記穴のエッジ部に対して前記エアー洗浄装置が前記空気流を吹き付けることにより、前記エッジ部に付着していた前記加工液を除去する放電加工装置であって、
前記加工手段は、前記穴との間に発生する放電パルスにより前記穴の形状を加工するワイヤ電極であり、
前記ワイヤ電極は、前記加工液中で前記穴を貫通する水平方向に移動可能に設けられ、
前記撮像手段と前記照明手段とは、前記加工液の外部で、かつ前記撮像手段と前記照明手段とを結ぶ直線が前記ワイヤ電極の移動方向に対して平行となるように、配置されており、
前記被加工体は、前記撮像手段と前記照明手段とを結ぶ直線上と、前記加工液中と、の間を移動可能に設けられたことを特徴とする放電加工装置。 - 前記照明手段と、前記撮像手段と前記穴とが計測時に同一直線上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
- 被加工体を介して撮像手段とは反対側に配置された照明手段から前記被加工体に向けて光を照射させる光照射工程と、
前記撮像手段により撮像された前記被加工体の画像情報を、前記被加工体を透過する透過光を用いて画像処理する画像処理工程と、
前記被加工体を貫通する所定形状の穴を加工手段により形成する加工工程と、
前記画像処理された情報に基づいて、制御手段により前記被加工体と前記加工手段との相対位置を制御する制御工程と、
前記被加工体の前記穴のエッジ部に対してエアー洗浄装置により空気流を吹き付けるエアー洗浄工程と、
を有し、
前記加工工程では、前記被加工体が加工液に浸された状態で、前記被加工体の前記穴の形状が前記加工手段により加工され、
前記エアー洗浄工程では、前記加工液の内部から引き出された前記被加工体の前記穴のエッジ部に対して前記エアー洗浄装置から前記空気流が吹き付けられることにより、前記エッジ部に付着していた前記加工液が除去される放電加工方法であって、
前記加工手段は、前記穴との間に発生する放電パルスにより前記穴の形状を加工するワイヤ電極であり、
前記ワイヤ電極は、前記加工液中で前記穴を貫通する水平方向に移動可能に設けられ、
前記撮像手段と前記照明手段とは、前記加工液の外部で、かつ前記撮像手段と前記照明手段とを結ぶ直線が前記ワイヤ電極の移動方向に対して平行となるように、配置されており、
前記被加工体は、前記撮像手段と前記照明手段とを結ぶ直線上と、前記加工液中と、の間を移動可能に設けられていることを特徴とする放電加工方法。 - 前記光照射工程では、前記撮像手段及び前記穴と同一直線上に位置している前記照明手段から光が照射されることを特徴とする請求項3に記載の放電加工方法。
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