JP4590198B2 - 葉酸誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、葉酸誘導体、特に抗癌剤とのコンジュゲートを形成するのに適する葉酸誘導体の製造方法および合成中間体に関する。
近年、分子生物学の著しい進歩に伴い、種々の疾病メカニズムが分子レベルで明らかにされてきており、癌化学療法は新たな時代を迎えている。すなわち、テーラーメード治療と言われる個々の患者に特化した治療法が求められているが、その達成には分子論的なメカニズムの解明をもとに副作用の軽減を狙ったドラッグデザインや薬物投与に関する方法論の確立が必要となる。一般に抗癌剤を用いる化学療法は放射線療法の治療が不十分な場合や白血病のように手術が適用できない場合に必要不可欠な治療法として知られている。しかしながら、癌化学療法ではペニシリン、ストレプトマイシンに代表される抗微生物治療の成功に比べて多くの問題点を抱えているのが現状である。その最大の理由として、抗癌剤のほとんどが人体に対して強い毒性を有するため、投与量の増大による治療効果向上の試みは副作用の併発を伴い薬物治療への限界が指摘されている。このような状況の中で、いかにして抗癌剤自身の毒性を軽減させ治療効果を上げていくかが重要なポイントになっている。最近の癌化学療法における傾向として、これら背景をもとに癌細胞への選択性向上を狙ったドラッグターゲティングが注目されている。
葉酸は、様々な生理活性を有することが知られているビタミンB郡の一種であり、細胞表面に存在する葉酸レセプターを介したエンドサイトーシスあるいはポトサイトーシスと呼ばれる機構を経て細胞内へ輸送される。したがって、ドラッグに葉酸を結合(葉酸−ドラッグコンジュゲート)させることができれば、これらメカニズムによって細胞内へ能動的な輸送が可能となる。さらに、癌細胞においては、この葉酸を認識するレセプターが過剰に発現していることが知られており葉酸−ドラッグコンジュゲートは癌細胞へのターゲティングを行える点で期待される。例えば、ドキソルビシン(DOX、慣用名:アドリアマイシン)あるいはアンチセンスオリゴデオキシヌクレオタイド(ODN)と葉酸を結合させた系が既に検討されておりドラッグターゲティングとしての効果が示されている(例えば、非特許文献1および2参照。)。
このように、葉酸を用いた生物学的なアプローチには非常に興味深い点が多く、その葉酸誘導体の重要性は広く認識されている。しかし、非特許文献1及び2に記載のコンジュゲートとは異なり、これまでの葉酸−ドラッグを直接共有結合して得られるコンジュゲートは合成面において多くの問題点が指摘されている。すなわち、葉酸とドラッグを共有結合させる場合、DCCなどの縮合剤を用いて結合させる場合がほとんどであるが、このときの生成物はα体とγ体の両方の混在物として得られてしまうことがよくある。しかし、これら混在物の精製は非常に困難であるだけでなく、α体の葉酸誘導体はレセプターの認識能がないため生化学領域でのアプリケーションにとって全く意味をもたないと考えられる。また、γ体のみを得る葉酸誘導体の合成方法もいくつか報告されてはいるが総じて反応工程が長く汎用性に欠けている。
これらの中で、ある程度有望な製造方法も提案されている。例えば、葉酸の構造の一部であるプテロイル部に対応するプテロイン酸からプテロイルアジドを形成し、次いでグルタミン酸γ−メチルを反応させ、キー中間体としての葉酸γ−メチルエステルを提供し、さらにかような中間体をエチレンジアミンと反応させた後、エチレンジアミンに由来する遊離のアミノ基を介して腫瘍特異性金属バインディングリガンド(DTPA)を結合させた方法およびこうしてえられる化合物が提供されている(例えば、非特許文献3参照)。しかし、かかる製造方法は上記のキー中間体に至るまでに多くの反応段階を経る必要があり、また、キー中間体それ自体は有機合成反応に常用される有機溶媒に殆ど不溶性である。他方、Nomura M. et al., は上記のキー中間体は有機溶媒に対する溶解性が低いことのみならず、γ−メチルエステル部の求核剤との反応性が相対的に低いことを指摘した上で、まず、プテロイン酸におけるプテリジン環の2位のアミノ基を親油基で保護し、次いで、カルボキシル基をイミダゾリドへ転化した後、該イミダゾリドをグルタミン酸のγ−カルボキシル基を遊離のまま保持し、α−カルボキシル基を親油性基で保護したグルタミン酸誘導体と反応させて、上記キー中間体に対応する中間体を得る方法を提案している(例えば、非特許文献4参照。)。Nomura et al., は縮合剤を用い、かような中間体の遊離のγ−カルボキシル基とドラッグのアミノ基との間で共有結合を形成したコンジュゲートを得ている。しかし、γ−カルボキシル基を遊離のまま保持し、α−カルボキシル基を親油性基で保護したグルタミン酸誘導体を取得するためには多段階の工程を必要とする。
Lee, R. J. et al., J. Biol. Chem. 1994,269,3198−3204 Wang, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1995, 92, 3318−3322 Luo, J. et al., J. Am. Chem. Soc. 1997,119,10004−10013 Nomura M. et. al., J. Org. Chem. 2000,65,5016−5021
以上に述べた従来法に比べ、より短い反応工程で葉酸のγ−位カルボキシル基部のみに選択的に目的とする反応性基を導入できる方法を入手することが望まれる。
本発明は、このような従来法が有していた問題を解決しようとするものであり、より短い反応工程にて達成できる新規なγ−位選択的な葉酸誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
上述したとおり、非特許文献3に記載されたキー中間体である葉酸γ−メチルエステルは有機溶媒に対する溶解性が低く、また、求核剤との反応性も低いことが非特許文献4(特に、5016頁右欄下から2行〜5017頁左欄本文4行参照。)において指摘されている。しかし、非特許文献4に記載された該キー中間体に対応する化合物の前駆体である2−アミノ保護プテロイン酸のイミダゾリドから得られる2−アミノ保護葉酸のγ−低級アルキルエステルは、Nomura M. et. al., が示唆するのとは異なり、α−カルボキシル基が遊離であっても、有機合成反応に常用される有機溶媒に溶解し、しかも該エステル基とアミノ化合物との反応により容易にアミノ化合物残基を葉酸に共有結合できることを本発明者らは見出した。
したがって、上記課題を解決するべき手段として、
a) 式(A)
Figure 0004590198
(式中、Rはアミノ基の保護基を表す。)
で表されるイミダゾリドを有機溶媒中、塩基の存在下でL−グルタミン酸γ−低級アルキルと反応させ、式(B)
Figure 0004590198
(式中、Rは式(A)について定義したのと同義であり、そしてR′は低級アルキル基を表す。)
で表される2−アミノ保護葉酸γ−低級アルキルを生成する工程、
b) 式(B)で表される2−アミノ保護葉酸γ−低級アルキルを有機溶媒の存在下または不存在下で、式(C)
R″−L−NH (C)
(式中、R″は有機化合物の官能基と容易に反応することができる反応性基を表し、Lは結合、C−Cアルキレンまたは式
−(CH2CH(Rc)−O−)nCH2CH(Rc)−
(ここで、Rcは水素原子またはメチル基を表し、nは1〜10,000の整数である。)
のオリゴ−もしくはポリ(オキシアルキレン)を表す。)
のアミン化合物と反応させて、式(D)
Figure 0004590198
(式中、Rは式(A)について定義したのと同義であり、LおよびR″は式(C)について定義したのと同義である。)
の葉酸誘導体を生成する工程
を含んでなる葉酸誘導体の製造方法を提供する。
また、本発明者らが知る限り、上記の式(B)で表される、プテリジン環の2位アミノ基が保護されており、そしてγ位カルボキシル基が低級アルキルエステル基の化合物は従来技術文献未載の化合物である。したがって、このような化合物も本発明の一態様として提供される。
以下、本発明の具体的な態様について説明する。
本発明に関して使用する「低級アルキル」基の語は、炭素原子数1〜6(C−C)、好ましくはC−Cのアルキル基を意味し、具体的な基としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、等が挙げられる。
式(A)におけるアミノ基の保護基(R)は、目的に応じて容易に脱離できる基であって、例えば、ペプチド合成に際してアミノ酸のアミノ基の保護に用いられる保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アセチル基、等)またはトリフルオロトリフルオロメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、有機シリル残基、等を包含する多種多様な基であることができるが、好ましくは、式
Figure 0004590198
(式中、R、RおよびRは、相互に独立して低級アルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。)
で表される基である。これらの基としては、トリメチルシリルメトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、3−トリメチルシリルプロポキシカルボニル、2−エチルジメチルシリルエトキシカルボニル、2−tert−ブチルジメチルシリルエトキシカルボニル、トリエチルシリルメトキシカルボニル、2−トリエチルシリルエトキシカルボニル、等を挙げることができる。
かようなアミノ基の保護基(特に、トリメチルシリルエトキシカルボニル基)を有する式(A)で表される化合物は、非特許文献4に記載されているように、プロテイン酸をN,N′−カルボニルジイミダゾール(CDI)および2−(トリメチルシリル)エタノールと反応させること、またはこれらに類似する方法により得ることができる。本発明に従う工程a)は、式(A)の化合物を有機溶媒、好ましくは極性非プロトン性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等に溶解させ、塩基、好ましくは、有機強塩基、例えば、N−メチル−1,5,9−トリアザビシクロ[4.4.0]デセン(MTBD)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、等の存在下でグルタミン酸のγ−低級アルキルエステルと反応させることによって実施する。反応温度、反応時間は、使用する塩基等によって最適条件は変動するが、グルタミン酸のラセミ化が起こらない温度を選ぶことを優先する。通常、室温で約20時間前後反応させるのがよい。こうして、式(B)の化合物が高収率で得られる。
工程b)は、ドラッグ、特に抗癌剤(必要により機能化した)と共有結合を形成しうる反応性基を導入する段階である。この工程は、式(B)の化合物を有機溶媒(好ましくは、上記の工程a)で使用する溶媒または溶媒の不存在下(特に、式(B)の化合物と反応させる下記のアミノ化合物が室温で液体である場合)で、式(C)
R″−L−NH (C)
で表されるアミノ化合物と反応させて、γ−低級アルキルエステルのアルコキシ基が式(C)の化合物に由来する R″−L−NH− 基で置換した上記の式(D)で表される化合物を提供する。
式(C)のR″についていう、有機化合物、特に、抗癌剤の官能基(本来の抗癌剤の構造中に,必要により、本発明の目的に沿うようにまたは本発明の反応に供することができるように導入された官能基を包含する)と容易に反応することができる反応性基とは、葉酸が、例えば癌細胞において発現されている葉酸を認識するレセプターに結合する能力に悪影響を及ぼすことなく有機化合物の官能基と反応して共有結合を形成しうる基を意味する。
このような反応性基としては、(i)アミノ基(−NH)、(ii)置換ジスルフィド基、例えば、
Figure 0004590198
(iii)エチニル基:
−C≡CH
および (iv) アジド基(−N3)を挙げることができる。これらの反応性基は、式(C)の化合物のアミノ基に直接結合しているか、または連結基(L):C1−C5アルキレン、例えば、メチレン、ジー、トリー、テトラ−もしくはペンタ(メチレン)、あるいは

−(CH2CH(RC)O)nCH2CH(RC)−
(式中、Rcは水素原子またはメチル基を表し、nは1〜10,000の整数である。)
で表されるオリゴ−もしくはポリ(オキシアルキレン)鎖を介して該アミノ基に結合している。
かような反応性基を有する式(D)の化合物は、それ自体公知の温和な反応条件により、該反応性基と反応しうるドラッグ、特に、抗癌剤の官能基と反応して共有結合を形成し、葉酸−ドラッグコンジュゲートを提供できる。
限定されるものでないが、上記(i)〜(iv)の反応性基は、それぞれ、以下の官能基と反応して共有結合を形成することができる。
(i) アミノ基の場合には、例えば、ドキソルビシンの13位炭素カルボニル基とシッフ塩基を介して容易に葉酸とドラッグを結合させることができる。注目すべきは、ヒドラジド基にて形成されたシッフ塩基がエンドソーム内の酸性条件下でその結合を再び切断することである(例えば、Angew. Chem. Int. Ed., 42.4640(2003)参照)。一般に強固な共有結合にて得られた葉酸−ドラッグコンジュゲートが細胞内に取り込まれたときの1つの問題点は、細胞内エンドソームからレセプターの回収機構に伴いドラッグを再び細胞外に排出してしまうことである。このとき、細胞内エンドソーム内で葉酸とドラッグを切断させることができれば、更に薬物効果を上げることが可能となる。したがって、例えば、ヒドラジドのアミノ基とカルボニル基から形成されるシッフ塩基を介して葉酸とドキソルビシンを結合させpHに応答できるよう設計すると癌細胞に過剰に発現している葉酸レセプターを介してエネルギー依存的に効率よく細胞内に取り込まれるだけでなく、細胞内のエンドソームからリソソーム移行する過程でシッフ塩基が開裂して葉酸レセプターからドキソルビシンをリリースすることができる。こうして、レセプターが細胞表面へ回収される際にドキソルビシンが細胞外へ排出されることなく効率的な細胞内薬物リリースの達成が期待される。また、適する場合にはドラッグを予めスクシンイミジル化等により機能化した活性エステルとしておき、アミド結合を形成することもできる。
(ii) 置換ジスルフィド基の場合には、必要があれば、ドラッグの一部へ既知の方法でチオール基を導入しておき、該チオール基と置換ジスルフィド基の開裂を伴うジスルフィド結合を形成することができる。
(iii) アセチレン基の場合には、必要があればドラッグの一部へ既知の方法でアジド基を導入しておき、アセチレン基とアジド基との間での、所謂、ヒュースゲンの1,3−双極環化付加反応(Huisegen 1,3−dipolar cycloadditions)によるトリアゾール環の形成を介して葉酸−ドラッグコンジュゲートを形成することができる(該双極環化付加反応については,例えば、Angew. Chem. ,2002,114,p.2708-2711参照)。
(iv) アジド基の場合には、必要があればドラッグの一部へ既知の方法でアセチレン基を導入しておき、上記(iii)と同様に葉酸−ドラッグコンジュゲートを形成することができる。
こうして、本発明によれば、ドラッグと葉酸とのコンジュゲートを形成するのに適する葉酸誘導体の製造方法が提供できる。なお、上記の工程a)および工程b)における生成物は、必要により、それ自体既知のクロマトグラフィー、溶媒抽出、再結晶、等により単離できる。
以下、具体例を挙げて本発明を説明するが、本発明をこれらに限定することを意図するものでない。
製造例1(参考例)
1−[2−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル]プテロイル]イミダゾールの合成
プテロイン酸3.0gとトリエチルアミン(TEA)5.35mLを混ぜたところへDMSO 50mLに溶解させたCDI 6.24gを加え、室温で3.5時間反応させた。そして、2−(トリメチルシリル)エタノール(9.63mL)を加え、更に室温中で5時間反応させた。精製としては、水(10mL)−酢酸(0.32mL)とジエチルエーテル(6.4mL)に反応溶液を滴下してしばらくの間、強く撹拌した後、吸引ろ過を行い固体として回収した。そして、カラム精製(シリカゲルカラム;溶離液クロロホルム中10%メタノール)を行い、最後に、減圧乾燥にて2.67g(収率54.8%)の目的化合物を回収した。
製造例2(実施例)
2−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル]葉酸γ−メチルエステルの合成
DMSO 10mLに1−[2−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル]プテロイル]イミダゾール1.0g(1.97mmol)とMTBD 0.7ml(4.88mmol)を溶解させたものをグルタミン酸γ−メチルエステル0.477g(2.96mmol)へ滴下して室温中で21時間反応させた。精製として、酢酸水(1M,30mL)−メタノール(15mL)とCHCl(30mL)に反応溶液を滴下し有機層を酢酸(1M)メタノール(1:1,20mL)と水−メタノール(2:1,30mL、2回)で洗浄。そして、NaSOで脱水、ろ過、エバポレーションを行った。最後にCHClジエチルエーテル洗浄にて1.05g(収率88.5%)の目的化合物を回収した。この化合物はH NMRの測定から目的化合物が得られたことを同定した[イミダゾール基に由来するピークの1つ(7.1ppm)が完全に消失し、新たに、グルタミン酸のメチルエステル基に由来するピーク(3.6ppm)が観察された。]
製造例3(実施例)
葉酸γ−ヒドラジト゛の合成
無水ヒドラジン10mL中に2−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル]葉酸γ−メチルエステル0.21gを溶解させて50℃、3時間反応させた。反応終了後、溶液を減圧下で除去しpH1.0塩酸水溶液10mLに再溶解させて室温にて1時間撹拌した。次にNaOH水溶液で中和後に凍結乾燥し、純水に再溶解させて遠心操作を2回行うことによって脱塩した。最後に、凍結乾燥にて黄色い粉体として回収した。
上述したように本発明の方法は、ドラッグ、特に抗癌剤と葉酸−ドラッグコンジュゲートを提供するための葉酸誘導体を提供できる。

Claims (3)

  1. 下記の工程を含んでなる葉酸誘導体の製造方法:
    a) 式(A)
    Figure 0004590198
    (式中、Rはアミノ基の保護基を表す。)
    で表されるイミダゾリドを有機溶媒中塩基の存在下でL−グルタミン酸γ−C1−C6アルキルと反応させ、式(B)
    Figure 0004590198
    (式中、Rは式(A)について定義したのと同義であり、そしてR′はC1−C6アルキル基を表す。)
    で表される2−アミノ保護葉酸γ−C1−C6アルキルを生成する工程、
    b) 式(B)で表される2−アミノ保護葉酸γ−C1−C6アルキルを有機溶媒の存在下または不存在下で、式(C)
    R″−L−NH2 (C)
    [式中、R″は有機化合物の官能基と容易に反応することができる反応性基であって、かつ、
    (i)アミノ基、
    (ii)
    Figure 0004590198
    で表される置換ジスルフィド基、
    (iii)エチニル基、および
    (iv)アジド基
    よりなる群から選ばれる反応性基を表し、そして
    Lは結合、C1−C5アルキレンまたは式
    −(CH2CH(Rc )−O−) nCH2CH(Rc )−
    (ここで、Rcは水素原子またはメチル基を表し、nは1〜10,000の整数である。)
    のオリゴ−もしくはポリ(オキシアルキレン)を表す。]
    のアミン化合物と反応させて、式(D)
    Figure 0004590198
    (式中、Rは式(A)について定義したのと同義であり、LおよびR″は式(C)について定義したのと同義である。)
    の葉酸誘導体を生成する工程。
  2. 式(A)中のRが式
    Figure 0004590198
    (式中、R1、R2およびR3は相互に独立してC1−C6アルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。)
    で表される基であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 式(B−1)
    Figure 0004590198
    (式中、R1、R2およびR3は相互に独立してC1−C6アルキル基を表し、mは1〜4の整数を表し、そしてR′はC1−C6アルキル基を表す。)
    で表される2−アミノ保護葉酸γ−C1−C6アルキル。
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