JP4589490B2 - 超音波診断装置及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内に超音波を送波し、反射や散乱等により帰ってくる超音波を受波することにより、生体内の観察画像を抽出することができる超音波診断装置に関し、特に、心臓の左心室等の腔構造の輪郭を抽出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波を用いて生体内の腔構造の輪郭(例えば、左心室の内膜面等)を2次元又は3次元画像として自動的に抽出することができる超音波診断装置が開発されている。
【0003】
この抽出方法は、例えば、図11に示すように、オペレータが閉曲線設定画像(Bモード画像)100上の明らかに心臓の左心室101と思われる部分に閉曲線102を設定すると、自動的に閉曲線102を構成する離散点103が拡張して行き、心腔104と心筋105(又は心室中隔106)の境界面(即ち左心室101の内面膜)を表した2次元又は3次元的形状を抽出し、図12に示すような2次元の輪郭画像をモニタ上に表示するというものである。
【0004】
また、境界面であるか否かの検出は、例えば図13に示すように、左心室101における局所領域間X―Yの輝度差を用いて行っている。具体的には、図13及び図14(a)に示すように、超音波のエコー波に基づいて上記局所領域間X―Yの輝度信号を抽出し、更に図14(b)に示す如く、一定の強度(h)の輝度でスレッシュホールドすることで境界面を検出している。
【0005】
ここで、腔構造の輪郭を自動的に抽出する場合、当該自動抽出が成功するか否か、即ち、左心室101の内膜面の正確な輪郭形状を抽出できるか否かは、当該Bモード画像100の画質に大きく依存する。例えば、心筋105や心室中隔106の輝度が高く、心腔104内のアーティファクトが非常に抑制されているように抽出されれば、輝度値差を用いるだけのような比較的簡単なアルゴリズムで十分な成功を得ることができる。
【0006】
ところが、実際のBモード画像には、以下に示すように、画像抽出の失敗を誘発させる様々な要因が存在するため、単純なアルゴリズムでは十分な成功を得ることができない。
【0007】
かかる失敗の第1の要因として、患者によってアーティファクトの現れ方が異なっているということが挙げられる。人間はそれぞれ体質、肺の位置、肋骨の間隔等により、アーティファクトの発生原因が異なっているからである。また、第2の要因として、心腔内のアーティファクトは比較的高く、特に、超音波プローブに近い部分が顕著であるということが挙げられる。第3の要因として、心尖アプローチから見た側壁部分等の特定部分では、超音波のエコー波が得られない場合が多いということが挙げられる。
【0008】
そこで、従来は、上記画像抽出の失敗を防止するため、ある特定の領域で境界面を検出することができなくても、その近傍で検出できれば、適度な滑らかさを持った境界面を作り出していた(公開特許公報:特開平8−96143等を参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のような方法では、腔構造は閉曲面で、それが滑らかに変化するという仮定を用いているため、この仮定が成立しない部分では、適切な境界面を作り出すことができない。即ち、エコー波信号がないために境界面が検出できなかった場合に、それが肋骨により超音波が届かない等の音響的な理由によるものなのか、或いは、欠損等のように組織自体がその部分に存在しないという理由によるものなのか認識できないため、適切な境界面を作り出すことができない。
【0010】
例えば、左心室の腔構造を検出しようとすると、僧帽弁、大動脈弁等により上記仮定が成立しない場合や、心室中隔が欠損して穴が開いているにも拘らず、上記仮定により欠損していないように検出される場合がある。
【0011】
本発明は上述した事情を鑑みてなされたものであり、腔構造の形状に影響されずに生体内の腔構造の輪郭を適切に抽出することができる超音波診断装置及び記録媒体を提供することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、超音波を送受信することで生体内の腔構造の輪郭を抽出する超音波診断装置において、前記腔構造を閉曲面から成ると仮定して前記輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、前記腔構造における血流を検出する血流検出手段と、前記血流検出手段による検出結果に基づいて前記輪郭抽出手段で用いる前記仮定を変更する仮定変更手段と、を具備したことを特徴とする超音波診断装置である。
【0014】
更に、請求項に記載の発明は、前記仮定変更手段は、前記血流検出手段によって血流が検出された部分において前記輪郭抽出手段による前記仮定を変更することを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置である。
【0015】
更にまた、請求項に記載の発明は、前記仮定変更手段は、前記輪郭抽出手段による前記仮定を解除する手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置である。
【0016】
また、請求項に記載の発明は、前記輪郭抽出手段は、基点からの探索距離を増加させながら前記輪郭を抽出すると共に、予め設定した最大探索距離まで達したときに、前記輪郭抽出を終了する手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置である。
【0017】
更に、請求項に記載の発明は、前記血流検出手段は、カラードプラ診断法を用いて血流の検出を行うことを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置である。
【0018】
更にまた、請求項に記載の発明は、前記血流検出手段は、1心拍内に計測された複数フレームの血流情報に基づいて血流の有無を検出する手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置である。
【0019】
また、請求項に記載の発明は、前記輪郭抽出手段は、前記腔構造の変化に合わせて、前記複数フレームのうちの任意のフレームにおける画素を別のフレームにおいては移動させる手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置である。
【0020】
また、請求項に記載の発明は、前記輪郭抽出手段は、心電図情報に基づいて、前記複数フレームのうちの任意のフレームにおける画素を別のフレームにおいては移動させる手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置である。
【0021】
更に、請求項に記載の発明は、前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の超音波診断装置によって読み取り可能な記録媒体であって、前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の超音波診断装置における各動作が実行可能なプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0022】
ここで、上記「記録媒体」とは、上記超音波診断装置で上記動作を実行するためのプログラムが読み取り可能であればよく、物理的な記録方法には依存しない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本実施形態の超音波診断装置1の全体構成を示すブロック図である。この超音波診断装置1は、圧電振動子を有する超音波プローブ2と、この超音波プローブ2に電気パルスを送信すると共に超音波プローブ2からの電気パルスを受信する装置本体3と、この装置本体3に接続されたECG(心電図)センサ4、操作パネル5、及びTVモニタとしての画像表示装置6を有している。
【0025】
この内、操作パネル5は、オペレータが手動で操作する各種スイッチを備えており、装置の駆動、停止を含め、各種信号を装置本体3に出力できるように構成されている。また、超音波プローブ2は、超音波を送受信することが可能なプローブである。画像表示装置6のモニタ画面には、後述する図4に示すような閉曲線設定画像であるBモード画像又は図9若しくは又は図10に示すような生体内の腔構造の輪郭を示す輪郭画像が表示される。
【0026】
また、図1に示すように、装置本体3は、超音波診断装置1全体の制御を行うCPU(中央処理装置)7と、このCPU6の制御に必要なプログラムが記憶されている制御プログラム記憶部8を備える。この制御プログラム記憶部8に記憶されているプログラムは、後述するアルゴリズムを実行するためのプログラムである。
【0027】
更に、装置本体3は、送受信切替部9を介して超音波プローブ2に接続された送信ビームフォーマー10及び受信ビームフォーマー11を備え、この受信ビームフォーマー11の画像表示装置6側にBモード処理部12及びカラードプラ処理部13を接続した構成を有している。また、装置本体3は、Bモード処理部12及びカラードプラ処理部13にそれぞれ接続されたスキャンコンバータ14、15を介して、共に表示合成部16に接続した構成を有している。更に、装置本体3は、前記表示合成部16に接続されたフレームメモリ17及び境界抽出部18を有している。
【0028】
このうち、表示合成部16は、フレームメモリ17と複数のフレームを送受信可能となるように接続されており、境界抽出部18は、フレームメモリ17から送信された複数フレームに基づいて体腔内の輪郭抽出を行い、表示合成部16に送出するように接続されている。表示合成部16は、最終的に画像表示装置6にBモード画像、輪郭抽出画像を表示できるように、画像表示装置6に接続されている。
【0029】
また、装置本体3は、ECGユニット19を有している。ECGユニット19は、ECGセンサ4によって計測した心電図からR波を検出し、当該R波信号をCPU7に送信するものである。
【0030】
送信ビームフォーマー10は、後述するCPU7の制御の下、送受信切替部9を介して超音波プローブ2から診断対象に超音波を送波することができるように、超音波プローブ2を電気的に駆動させるものである。これにより、超音波パルス信号が超音波プローブ2から診断対象へ送波され、この診断対象から反射してきたエコー波が超音波プローブ2で電気信号に変換され、送受信切替部9を介して受信ビームフォーマー11に供給される。
【0031】
ここで、CPU7では、輪郭抽出モードがオペレータから指令されたときには、ECGユニット19から送信されたR波信号に基づいて、送信ビームフォーマー10及び受信ビームフォーマー11を駆動するように制御している。この制御は、1心拍内でBモード画像及びカラードプラ画像を構成する複数フレームを取得するためのものである。本実施形態では、Bモード画像を構成する1フレームとカラードプラ画像を構成する1フレームの画像データを収集するためのスキャンを、一定期間(例えば、T=200〔msec〕)毎に行うようにしている。よって、1心拍は通常、約1〔sec〕であることを考慮すると、図2に示すように、例えば、1心拍内でT〜Tの期間におけるBモード画像情報とカラードプラ画像情報を取得することができる。T〜Tの期間では、図3(a)に示すように、Bモード画像を構成する5フレーム(B〜B)と、図3(b)に示すカラードプラ画像を構成する5フレーム(C〜C)の取得が可能である。
【0032】
続いて、図1に示すように、受信ビームフォーマー11に供給されたエコー波のエコー信号(電気信号)は、増幅、A/D変換、遅延処理等の信号処理が施され、デジタルエコー信号としてBモード用信号処理部11及びカラードプラ用信号処理部12に供給される。
【0033】
次に、Bモード用信号処理部12及びカラードプラ用信号処理部13では、それぞれBモードの断層像データ及びカラードプラの断層像データに信号処理され、更に、スキャンコンバータ14、15でセクタ走査方式から例えばインターレース走査方式の画像信号に変換される。
【0034】
これらの変換された画像信号は、共に表示合成部16に供給される。表示合成部16に供給されたBモード用画像信号は、CPU7からの命令に基づいて画面拡大、縮小等の加工及びD/A変換等が行われ、画像表示装置5にBモード画像として表示される。一方、表示合成部16に供給されたBモード用画像信号及びカラードプラ用画像信号は、順次フレームメモリ17にも供給され、図3に示す如く複数フレーム(B〜B、C〜C)として記憶される。
【0035】
フレームメモリ17に記憶された上記複数フレーム(B〜B、C〜C)は、境界抽出部18において、以下に示すアルゴリズムに従って信号処理され、表示合成部16を介して画像表示装置6に輪郭画像として表示される。
【0036】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0037】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、心臓の左心室内の2次元輪郭画像を表示する場合を説明する。また、2次元輪郭画像を画像表示装置6に表示するには、まず閉曲線設定画像を表示する必要があるが、この閉曲線設定画像は通常のBモード画像であるため、その表示方法は省略し、閉曲線の設定から説明する。更に、境界があるか否かの判断は、幾つかの方法により行うことが考えられるが、本実施形態では従来と同様に、図14及び図15に示す如く局所領域間X―Yの輝度差を用いて行うこととするため、その説明を省略する。
【0038】
まず、オペレータは図4に示すように画像表示装置6に表示された閉曲線設定画像(Bモード画像)20上の明らかに心臓の左心室21内と思われる適宜な位置(基点)に、操作パネル5を用いて閉曲線22を設定する。この場合、既に左心室21内の心腔23と心筋24(又は心室中隔25)の境界を検出しており、まだ検出されていない部分が存在する場合には、当該検出されていない方向に対して、閉曲線22を拡大する方向に境界の探索範囲を設定する。閉曲線22の設定が終了すると、オペレータは自動輪郭抽出を開始するために、操作パネル5上の図示しない探索開始スイッチをONにする。これにより、装置本体3(特に、境界抽出部18)で図5に示すアルゴリズムに基づいて自動的に2次元の輪郭画像が生成され、画像表示装置6に表示される。そこで、次に、図5に示すアルゴリズムを説明する。
【0039】
まず、オペレータによって設定された閉曲線22のうち、境界位置検出が終了していない離散点を一段階(一定範囲)拡大させる(ステップS1)。次に、当該拡大された離散点のうち任意の離散点において、カラードプラ情報に基づいて、血流があるか否かを判断する(ステップS2)。
【0040】
ここで、血流の有無を判断する場合、1心拍内に計測されたカラードプラ画像情報の複数フレーム(C〜C)から、総合的に判断して行う。即ち、1心拍内には、図2に示すようにほとんど血流が計測できない期間(T〜T)が存在するため、血流を正確に計測するには、少なくとも1心拍内における複数フレームに基づいて行う必要がある。
【0041】
また、このように、複数フレームに基づいて血流を計測する場合、図6に示すように、心臓の収縮及び拡張に伴って、左心室21も収縮及び拡張してしまうため、同じ画素26a(1個の画素自体又は複数の画素の集りをいう。)で血流の有無を計測すると誤ったものとなる。そこで、図6に示すように、あるフレームで画素26aの部分に血流があるか否かを計測した場合には、次のフレームでは計測位置を移動させて画素26bの部分に血流があるか否かを計測することにより、常に、左心室21における同じ部位で血流の有無を計測する。この際、左心室21の重心を基準にして左心室21の外形を相似的に拡大又は縮小する必要がある。また、画素26aから画素26bへの移動は、CPU7から境界抽出部18に送信された命令に基づいて行われ、この命令は、ECGユニット19から得られた心拍に同期したものである。このようにして、あるフレームで欠損等が存在すると判断した場合には、左心室21が拡張又は縮小された他のフレームにおいても、前記欠損が存在している部分は、そのまま欠損が存在しているものとして輪郭抽出を行う。
【0042】
次に、上記ステップS2において血流がないと判断した場合には、更に、Bモード情報に基づいて、境界が存在するか否かを判断する(ステップS3)。境界がないと判断した場合には、腔構造は閉曲面で、それが滑らかに変化するという従来と同様の仮定を採用し、当該離散点の近傍の境界情報から補間的に境界面を作り出して、当該離散点における境界位置検出は終了する(ステップS4)。このケースは、図8に示す離散点27aが該当する。離散点27aでは、Bモードの画質低下により輝度が低くなっているため境界が存在しないと判断されるが、カラードプラ情報により血流が存在しないと検出されるため、実質的に境界面が存在すると判断される。これにより、離散点27aの近傍の情報から補間的に境界面が作り出される。
【0043】
一方、上記ステップS3で境界があると判断した場合には、当該離散点の部分を境界面と判断し、当該離散点における境界位置検出は終了する(ステップS5)。このケースは、図7に示す離散点27bが該当する。離散点27bでは、心腔23と心筋24の境界が存在しており、欠損等は存在していない。
【0044】
これに対して、上記ステップS2で血流があると判断した場合には、閉曲線24上の離散点の判断を全て終了したか、即ち、境界位置検出の判断が閉曲線24上を一周したか否かを判断する(ステップS6)。このケースは、図7に示す離散点27cと図8に示す離散点27dの2つの場合が考えられる。離散点27cのケースでは、左心室21内の血流が検出されるため、境界面まで達しておらず、まだ拡大する余地があると判断される。また、離散点27dのケースでは、心室中隔25に欠損が存在しているため、血流があると判断される。
【0045】
また、同様に、上記ステップS4、5で、当該離散点での境界位置検出が終了した場合も、ステップS6で一周したか否かを判断する。
【0046】
次に、ステップS6で、離散点での境界位置検出の判断に関して閉曲線24上を一周していない、即ち、閉曲線24上の離散点のうちでまだ判断の終了していないものが存在する場合には、上記ステップS2に戻る。一方、ステップS6で、一周した、即ち、当該閉曲線の拡大位置で一通りの判断が終了した場合には、更に、全ての離散点で境界位置検出が終了したか、又は最大探索距離まで達したか否かを判断する(ステップS7)。
【0047】
ここで、最大探索距離は、左心室21の重心を中心として、予め設定されており、余分な探索を行うことによって探索時間が長期化することを防止するためのものである。尚、前記最大探索距離の変更は可能であり、変更する場合には操作パネル5における操作によって行う。
【0048】
続いて、上記ステップS7において、全ての離散点で境界位置検出が終了していないか、又は、最大探索距離まで達していない場合には、当該境界位置検出が終了していない離散点を一段階拡大させて、当該拡大した位置で上記ステップS2〜6の判断を行う。一方、上記ステップS7で、全ての離散点で境界位置検出が終了したか、又は、最大探索距離まで達した場合には、境界位置検出が終了する。
【0049】
ここで、上記ステップS2で、図7に示す離散点27cのケースと図8に示す離散点27dのケースが考えられたが、この2つのケースの違いは、当該ステップ7で明確になる。即ち、離散点27cのケースでは、また拡大する余地があるため、全ての離散点で境界位置検出が終了していないとして、ステップS1に戻る。これに対して、離散点27dのケースでは、当該離散点27dが欠損26を通り抜けるため、境界位置検出が終了しないが、予め設定しておいた最大探索距離まで達すれば、その場所で境界位置検出が終了することになる。尚、この場合、最大探索距離は、当該欠損の位置よりある程度拡大した位置で探索が終了するように、予め設定されている。即ち、たとえ心室中隔25に欠損26が存在しても、離散点が右心室の心筋まで達しないと境界位置検出が終了するという訳ではなく、オペレータが輪郭抽出画像を見たときに、欠損が存在していると認識できる程度に、当該離散点が拡大される。
【0050】
尚、上記のアルゴリズムを用いると、僧帽弁や大動脈弁が開いている場合には、血流があるため、欠損が存在する場合と同様に判断され、左心房や大動脈まで境界位置検出が行われるが、僧帽弁や大動脈弁は輝度が高いので、モニタ上に明確に表示できるので、オペレータは誤認することはない。
【0051】
このように、本実施形態の特有のアルゴリズムによって、最終的に画像表示装置6のモニタ上に、図9に示すような2次元の輪郭抽出画像が表示される。また、本実施形態を3次元に応用すれば、即ち、閉曲線24を球状に展開すれば、図10に示すような3次元の輪郭抽出画像が表示される。これにより、オペレータは、心室中隔25に欠損26が存在していると認識することができる。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、患者によってアーティファクトが異なっている等によりBモード画像の画質が悪い場合でも、上記仮定(腔構造は閉曲面で、それが滑らかに変化すること)を用いることにより画素抽出の失敗を解消し、かつ、前記仮定を用いることによって生じた弊害をカラードップラ情報を用いて除去することで、どのような状況下でも生体内の腔構造の輪郭を適切に抽出することができる。
【0053】
尚、上記アルゴリズムを実行するためのプログラムは、制御プログラム記憶部8に記憶されているが、これに限るものではなく、当該プログラムが記録されているFD、CD−ROM、CD−R、DVD、MD、MO、磁気テープ等の記録媒体を用いて、当該プログラムを制御プログラム記憶部8にインストールし、上記手順と同様に処理させてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、画像表示装置における操作パネル5によって各種設定が行えるようにしているが、これに限るものではなく、画像表示装置6のモニタ上に形成されたタッチパネルによって各種設定を行うようにしてもよい。
【0055】
更に、本実施形態では、画像表示装置6の1つの画面上に、閉曲線設定画像20と2次元輪郭抽出画像28(又は3次元輪郭抽出画像29)を別々に表示したが、これに限るものではなく、2画面表示として、それぞれを同時に表示してもよい。また、画像表示装置6を2つ使用して、一方の画面に閉曲線設定画像20を表示させ、他方の画面に2次元輪郭抽出画像28(又は3次元輪郭抽出画像29)を表示させるようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、腔構造は閉曲面でそれが滑らかに変化するという仮定を用いてBモードの画質の低下を解消し、当該仮定を用いることによって生じた弊害をカラードプラ情報を用いて解消することにより、腔構造の形状に影響されずに、生体内の腔構造の輪郭を適切に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の超音波診断装置1の全体構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態のECGユニット19により計測された心電図を示す図。
【図3】本実施形態のフレームメモリ17に記録されるBモード画像情報及びカラードプラ画像情報を示す概念図。
【図4】本実施形態の画像表示装置6のモニタ上に表示される閉曲線設定画像20を示す図。
【図5】本実施形態の超音波診断装置1で行われる輪郭抽出のためのアルゴリズムを示したフローチャート。
【図6】本実施形態の境界抽出部18で血流の有無を判断する場合に行われる画素26の移動を示す概念図。
【図7】本実施形態の画像表示装置6のモニタ上に表示される閉曲線設定画像20を示す図。
【図8】本実施形態の画像表示装置6のモニタ上に表示される閉曲線設定画像20を示す図。
【図9】本実施形態の画像表示装置6のモニタ上に表示される2次元輪郭抽出画像28を示す図。
【図10】本実施形態の画像表示装置6のモニタ上に表示される3次元輪郭抽出画像29を示す図。
【図11】従来の超音波診断装置のモニタ上に表示される閉曲線設定画像100を示す図。
【図12】従来の超音波診断装置のモニタ上に表示される2次元輪郭抽出画像を示す図。
【図13】従来及び本実施形態における輪郭抽出を行う場合において、一定の強度(h)の輝度でスレッシュホールドする位置(X−Y)を示した概念図。
【図14】従来及び本実施形態における輪郭抽出を行う場合において、上記スラッシュホールドするための位置における輝度を示した図。
【符号の説明】
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 装置本体
4 ECGセンサ
5 操作パネル
6 画像表示装置(モニタ)
7 CPU
8 制御プログラム記憶部
9 送受信切替部
10 送信ビームフォーマー
11 受信ビームフォーマー
12 Bモード処理部
13 カラードプラ処理部
14 スキャンコンバータ
15 スキャンコンバータ
16 表示合成部
17 フレームメモリ
18 境界抽出部
20 閉曲線設定画像(Bモード画像)
21 左心室
22 閉曲線
23 心腔
24 心筋
25 心室中隔
26 画素
27 離散点
28 2次元輪郭抽出画像
29 3次元輪郭抽出画像
100 閉曲線設定画像
101 左心室
102 閉曲線
103 離散点
104 心腔
105 心筋
106 心室中隔

Claims (9)

  1. 超音波を送受信することで生体内の腔構造の輪郭を抽出する超音波診断装置において、
    前記腔構造を閉曲面から成ると仮定して前記輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
    前記腔構造における血流を検出する血流検出手段と、
    前記血流検出手段による検出結果に基づいて前記輪郭抽出手段で用いる前記仮定を変更する仮定変更手段と、
    を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記仮定変更手段は、前記血流検出手段によって血流が検出された部分において前記輪郭抽出手段による前記仮定を変更することを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
  3. 前記仮定変更手段は、前記輪郭抽出手段による前記仮定を解除する手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
  4. 前記輪郭抽出手段は、基点からの探索距離を増加させながら前記輪郭を抽出すると共に、予め設定した最大探索距離まで達したときに、前記輪郭抽出を終了する手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
  5. 前記血流検出手段は、カラードプラ診断法を用いて血流の検出を行うことを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記血流検出手段は、1心拍内に計測された複数フレームの血流情報に基づいて血流の有無を検出する手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記輪郭抽出手段は、前記腔構造の変化に合わせて、前記複数フレームのうちの任意のフレームにおける画素を別のフレームにおいては移動させる手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記輪郭抽出手段は、心電図情報に基づいて、前記複数フレームのうちの任意のフレームにおける画素を別のフレームにおいては移動させる手段であることを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
  9. 前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の超音波診断装置によって読み取り可能な記録媒体であって、前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の超音波診断装置における各動作が実行可能なプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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