JP4588789B2 - 胃チューブ挿入用ガイドを備えたラリンジアルマスク - Google Patents
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Description
そこで、このような気管の閉塞の問題に対処するため、吸引により、胃や食道に存在する内容物を外部へ排出するための排出管を有するラリンジアルマスクが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、特許文献1に記載のラリンジアルマスクでは、インフレーションカフと共に患者の体内に挿入される排出管の一方の端部が、インフレーションカフの先端部に位置するものと、インフレーションカフの先端部よりも先まで伸びていて、インフレーションカフが喉頭部に装着されたとき、一方の端部が食道内へ挿入されるようになっているものがある。
また、胃や食道に存在する内容物がインフィレーションカフの内部に侵入することを防止する観点からは、後者の排出管の一方の端部が食道内へ挿入されるものの方が効果的であると考えられるが、これには下記のような問題点がある。
ラリンジアルマスクを用いる場合において最も重要なことは、例えば、自力呼吸停止状態に置かれた患者に対して、迅速、確実にラリンジアルマスクを装着して、呼吸停止状態を脱することである。しかし、後者のラリンジアルマスクを用いて、インフレーションカフを迅速に患者の喉頭部に装着することは、非常に困難であると考えられる。なぜならば、インフレーションカフを患者の口から喉頭部に挿入して装着する作業だけでも、困難性の高い作業であるのに、それに加えて、インフレーションカフの挿入と同時に、インフレーションカフから先に伸びた排出管を、食道括約筋を越えて食道内部に挿入させなければならず、両者の挿入作業を同時に行なうことは、更に困難性を増すことになる。
従って、本発明の目的は、上述の問題を解決して、緊急性を要するインフレーションカフの喉頭部への装着を迅速に行なうことができ、かつ、マスク使用中に、胃や食道に存在する内容物が、喉頭部に装着されたインフレーションカフの内部に進入することを効果的に防ぐことができるラリンジアルマスクを提供することにある。
肺の換気と呼吸を確保するために用いるラリンジアルマスクであって、
(1)内部に気体を充填することにより膨張可能な中空環状部と、
前記中空環状部の内径側空間の一方の端部を覆うように、前記中空環状部に気密的に接合された背板と、
前記中空環状部の内径側曲面と前記背板の内面とに囲まれ、前記背板の反対側が開口したカフ内部空間と、
を有し、
口から喉頭部に挿入されて、膨張した前記中空環状部の開口側曲面が、全周において気管入口周辺部と密着することが可能なインフレーションカフと、
(2)前記インフレーションカフに接続され、
一方の端部が前記カフ内部空間に開口し、
前記インフレーションカフが喉頭部に挿入された状態で、もう一方の端部が、口腔外の空間に開口するように配置される気道チューブと、
(3)前記インフレーションカフが喉頭部に挿入された状態で、胃チューブを、口から先端部が胃または食道の領域に到達するまで挿入するための誘導面が、喉頭部に位置する前記インフレーションカフから口腔外まで連続的または断続的に配置される胃チューブ挿入ガイドと、
を備えたラリンジアルマスクが考えられる。
全般的な説明
本発明のラリンジアルマスクの1つの実施態様は、肺の換気と呼吸を確保するために用いるラリンジアルマスクであって、(1)内部に気体を充填することにより膨張可能な中空環状部と、前記中空環状部の内径側空間の一方の端部を覆うように、前記中空環状部に気密的に接合された背板と、前記中空環状部の内径側曲面と前記背板の内面とに囲まれ、前記背板の反対側が開口したカフ内部空間と、を有し、口から喉頭部に挿入されて、膨張した前記中空環状部の開口側曲面が、全周において気管入口周辺部と密着することが可能なインフレーションカフと、(2)前記インフレーションカフに接続され、一方の端部が前記カフ内部空間に開口し、前記インフレーションカフが喉頭部に挿入された状態で、もう一方の端部が、口腔外の空間に開口するように配置される気道チューブと、(3)前記インフレーションカフが喉頭部に挿入された状態で、胃チューブを、口から先端部が胃または食道の領域に到達するまで挿入するための誘導面が、喉頭部に位置する前記インフレーションカフから口腔外まで連続的または断続的に配置される胃チューブ挿入ガイドと、を備えたことを特徴とする。
もし、特別な胃チューブ挿入用のガイドがない場合には、インフレーションカフを喉頭部に装着後、胃チューブ単体を口から胃や食道まで挿入しなければならないが、人の口腔から喉頭部に至る構造が解剖学的に湾曲しているので、挿入中に胃チューブの先端が咽喉の内壁等に接触して座屈し、挿入は極めて困難である。また、仮に、咽喉の内壁等に引っかかっても座屈することなく挿入できるような強度を有する胃チューブを用いる場合には、咽喉の内壁等を損傷させる恐れが高いので、実現は困難である。
ここで、「インフレーションカフ」は、可撓性を有する材料からなり、中空環状部と、この中空環状部の内径側空間の一方の端部を覆うように気密的に接合された背板とを有し、中空環状部の内径側曲面と背板の内面とに囲まれ、背板の反対側が開口したカフ内部空間を形成している。
また、インフレーションカフは、気管入口周辺部と密着して密封状態を形成することができるように、略長円形状を有しており、挿入を容易にするため、先端部側がやや細くなった形状にすることができる。また、患者の性別、年齢等に応じて、最適な形状、大きさを定めることができる。
具体的には、誘導面が、食道の入口に近接したインフレーションカフの先端部から、口腔外に出た気道チューブの端部まで、連続的または断続的に設けられることが考えられ、例えば、インフレーションカフの背板の外面と、気道チューブの外面とに誘導面を設ける構造が考えられる。この場合、胃チューブを両側から保持するため、2個の誘導面を、胃チューブの外径に対応した間隔で配置することが考えられる。更に、挿入中に胃チューブがガイドから外れないように、誘導面を、胃チューブの外径に合わせた円弧状にすることも考えられる。誘導面を円弧状にする場合には、2個の誘導面が結合されて、所定の中心角度の一体的な円弧形状を有するようにすることもできる。
その他、インフレーションカフや気道チューブとは別途に、独立した部材で胃チューブ挿入ガイドを設けることができ、例えば、下記に示すような管状の部材を用いることが考えられる。
また、インフレーションカフ、気道チューブ、及び胃チューブ挿入ガイドで同一の材料を用いることもできるし、異なる材料を用いることもできる。材料の硬度についても、例えば、インフレーションカフには柔軟性樹脂を用い、気道チューブには、やや硬質の樹脂を用いることが考えられ、胃チューブ挿入ガイドも、気道チューブと同様な硬度を有するようにすることができる。また、胃チューブ挿入ガイドを、インフレーションカフや気道チューブと一体的に形成することも考えられる。
次に、胃チューブ挿入ガイドの口腔外の端部から胃チューブを挿入する。胃チューブは、胃チューブ挿入ガイドの誘導面に支持されながら、湾曲した咽喉の中を通過し、インフレーションカフの位置を通過して、インフレーションカフの先端部から、更に食道へ進む。そして、状況に応じて、胃チューブの先端部が、食道内の所定位置または胃の中に到達するまで、胃チューブを挿入させることができる。
ここで、食道の入口以降には、胃チューブ挿入ガイドが設けられていないが、食道から胃にかけては、口腔から喉頭部のような湾曲部分はないので、特別なガイドが無くとも、胃チューブを、比較的スムーズに挿入することができる。
なお、誘導面を粗面化する方法としては、例えば、母材と異なる外部粒子とを混合して、この外部粒子と共に押し出し成型する方法が考えられ、その他にも、微粒子を析出させる方法や、化学処理により凹凸を形成する方法を始めとする、様々な方法を用いることができる。
また、同時に、胃チューブの挿入抵抗を減らして、胃チューブをスムーズに挿入できることも重要な要素であるが、インフレーションカフが喉頭部に挿入された状態では、胃チューブ挿入ガイドの管状の部材は湾曲しており、誘導面と胃チューブの外面との間の摩擦抵抗を減らすため、液性潤滑剤を胃チューブ全体に塗り付けて、管状の部材に挿入することが望ましい。
以上のように、胃チューブの外径と、胃チューブ挿入用ガイドの管状の部材の内径との差が少ない状態で、胃チューブを挿入することが望まれる。しかし、胃チューブの外径と、胃チューブ挿入用ガイドの管状の部材の内径との間で隙間の少ない状態で、潤滑剤を塗った胃チューブを挿入させると、胃チューブと管状の部材の内面(誘導面)との間で気密状態が生じ、内圧により胃チューブの挿入が困難となる恐れがある。
この切り欠き領域は、挿入用ガイドの長手方向に沿って連続的または断続的に設けられている。切り欠き領域が連続的に設けられているとは、長手方向に連続的なスリットが切られていることを意味する。このスリットの幅は、用途に応じて任意の幅を有するようにできるが、胃チューブが外れることを防ぐため、管状の部材の断面形状は半円を越えるようにすることが望ましい。
具体的な構造としては、胃チューブ挿入ガイドの管状の部材が、インフレーションカフの外部(例えば、背板の外面上)に固定される場合には、管状の部材に切り欠き領域が設けられていたとしても、気密シール性が保たれる。
また、仮に、胃チューブ挿入ガイドの管状の部材がインフレーションカフの内部を貫通している場合には、管状の部材の内部とカフ内部空間との間での気密シール性を保つため、管状の部材と、中空環状部及び/または背板との間はシール接合を行ない、中空環状部の内部及びカフ内部空間では、管状の部材に切り欠き領域を設けないようにする必要がある。
以上のように、本発明の胃チューブ挿入用ガイドを備えたラリンジアルマスクによれば、従来のラリンジアルマスクと同様に、すばやくインフレーションカフを喉頭部に装着して呼吸を確保することができ、かつ、その後、胃チューブ挿入ガイド゛によって、胃チューブを容易かつ確実に胃や食道へ挿入することができるので、胃または食道に存在する液体や内容物を排出して、気管の方へ侵入することを未然に防ぐことができ、ラリンジアルマスクを長時間使用する場合にも適している。
本発明の胃チューブ挿入用ガイドを備えたラリンジアルマスクの実施形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。
(本発明の胃チューブ挿入用ガイドを備えたラリンジアルマスクの1つの実施形態の説明)
<全体構造の説明>
まず、本発明の胃チューブ挿入用ガイドを備えたラリンジアルマスクの1つの実施形態に関して、図1〜図3を用いてその全体構造を説明する。図1は、本実施形態のラリンジアルマスクの全体構造を示す斜視図(図1(a)参照)、及び図1(a)の矢印Bから見た断面図(図1(b)参照)である。また、図2は、図1の矢印Aから見た側面断面図であり、図3は、図2の矢印Cから見た平(底)面図である。なお、以下の説明においては、ラリンジアルマスクの挿入方向を先端といい、その反対側を後端という。
中空環状部4aは長円の環状形状を有しており、インフレーティングチューブ12が、中空環状部4aの内部4dと連通可能に接続されており、インフレーティングチューブ12の給排気用端部12aから気体を充填して、中空環状部4aを膨張させ、中空環状部4aの開口側曲面24を、その全周において、気管入口周辺部と密着させることができる。同様に、インフレーティングチューブ12の給排気用端部12aから、中空環状部4aの内部に充填された気体を排出して、膨張していた中空環状部4aを収縮させることができる。
なお、気道チューブ6は、インフレーションカフ4が喉頭部に挿入された状態で、接続用コネクタ10aを含むもう一方の端部10が口腔外に出ている配置が取れるだけの、充分な長さを有している。
また、胃チューブ挿入用ガイド8の管状の部材8aには、角に丸みを帯びた長方形の切り欠き領域14が一定間隔で複数設けられており、管状の部材8aの内部と外部とが連通可能になっている。この構造によって、管状の部材8aの中に胃チューブ(図示せず)を挿入したとき、胃チューブにより押し出される管状の部材8aの内部の空気を、この切り欠き領域14から外側に逃がすことができるので、胃チューブの挿入抵抗を大きく減らすことができる。
例えば、変曲点が2箇所以上ある場合には、1つ目の曲がりを通過して、2つ目の曲がりに入るところで、胃チューブの先端が、管状の部材8aの内面(誘導面)と強く接触して、挿入が非常に困難になる恐れが高いが、本実施形態のような構造を取ることによって、インフレーションカフ4を通過する領域においても、胃チューブのスムーズな挿入を確保することができる。なお、本実施形態では、曲率の非常に大きな曲線をなしているが、略直線状で伸びている場合には、胃チューブの挿入抵抗を更に低減することができる。
また、気道チューブ6または胃チューブ挿入ガイド8と、インフレーションカフ4とを接合する手段としては、接着材を用いることもできるし、溶着(溶接)させることもできるし、その他のあらゆる接合手段を用いることができる。
以上により、胃や食道に存在する内容物を効果的に排出できる大きさの胃チューブを用いると同時に、胃チューブ挿入ガイド8の管状の部材8aの管径をなるべく小さくして、その分、気道チューブ6の管径を大きく取ることができる。
次に、図1〜図3に示すラリンジアルマスク2を使用する方法を説明する。まず、中空環状部4aが収縮した状態のまま、インフレーションカフ4を、口から咽喉を通過させて、喉頭部の所定位置まで挿入する。次に、口腔外に出たインフレーションチューブ12の給排気用端部12aから気体を供給して、中空環状部4aを膨張させて、中空環状部4aの開口側曲面24を、その全周において、気管入口周辺部と密着させる。これにより、気管とカフ内部空間4cが連通し、周囲の咽喉や食道から密封された状態を形成することができる。以上の作業により、緊急を要する気道の確保が行なわれ、例えば、気道チューブの口腔外に出たコネクタ10aに、人口呼吸装置を接続して、人工呼吸を開始することができる。
なお、胃チューブ挿入のための特別のガイドを有さないラリンジアルマスクを喉頭部に挿入した状態で、胃チューブ単体を口から挿入することは、人の口腔から喉頭部に至る構造が解剖学的に湾曲しているため、非常に困難な作業である。
特に、胃チューブの先端を、インフレーションカフが装着された喉頭部から充分に離れた位置まで挿入できるので、内容物が気管に侵入することをより効果的に防ぐことができる。
なお、構造的には、胃チューブ挿入ガイド8を、インフレーションカフ4の先端部よりも先まで伸ばして設けることも可能である。しかし、先に延長された部分の長さが長いと、インフレーションカフ4を喉頭部に挿入するときの障害となる恐れが高い。従って、胃チューブ挿入ガイド8は、上述の実施形態のように、インフレーションカフ4の先端部までとするか、仮に先端部を伸ばしたとしても、インフレーションカフ4を喉頭部に装着したときに、上方食道括約筋に達しない程度の長さに留めるのが望ましい。
次に、図4を用いて、本発明の胃チューブ挿入ガイドを備えたラリンジアルマスクのその他の実施形態の説明を行なう。本実施形態では、図1〜図3に示す実施形態に比べて、胃チューブ挿入ガイド8の管状の部材8aが、インフレーションカフ4の外部に配置されているところが大きな相違点である。また、管状の部材8aに設けられた切り欠き領域14の形状も異なる。しかし、その他の点については、図1〜図3に示す実施形態と基本的に同一である。
以上の構造により、管状の部材8aは、インフレーションカフ4の外形から外に飛び出さないようになっているので、インフレーションカフ4の挿入を妨げる恐れがない。
なお、本実施形態では、管状の部材8aが全てインフレーションカフ4の外側に配置されているが、インフレーションカフ4の一部において、例えば、インフレーションカフ4の先端部近傍において、管状の部材8aがインフレーションカフ4の内部を通過するように配置することもできる。
次に、図5〜図8を用いて、本発明に係る胃チューブ挿入ガイドのその他の実施形態の説明を行なう。
<切り欠き領域のその他の実施形態の説明>
まず、図5を用いて、本発明に係る胃チューブ挿入ガイド8の管状の部材8aに設けられた切り欠き領域14のその他の実施形態の説明を行なう。図5(a)及び(b)は、何れも胃チューブ挿入ガイド8の管状の部材8aの外形を示す斜視図である。図5(a)には、長孔状の切り欠き領域14が複数設けられた実施形態を示し、インフレーションカフの内部に入る領域には、切り欠き領域14が設けられていない。
なお、このスリットが連続的に切られた形状の管状部材8aは、押し出し成型加工において中子に突起部を設けることによって、容易に製造することができる。
次に、図6を用いて、本発明に係る胃チューブ挿入ガイド8の誘導面8dのその他の実施形態の説明を行なう。ここで、図6(a)〜(d)は、何れも胃チューブ挿入ガイド8の管状の部材8aの断面形状を示す断面図である。
図6(a)に示す管状の部材8aは、三角形状または鋸歯形状の凹凸が設けられた異形断面を有する。この形状によって、誘導面8d(管状の部材8aの内面)と中を通過する胃チューブとの間の摩擦面積を大幅に低減することができ、これによって、胃チューブを挿入したときの挿入抵抗を大幅に低減することができる。
また、凹凸形状は、上述の形状だけではなく、更に丸みを帯びた形状や、台形に近似した形状、波形の形状を始めとするあらゆる凹凸形状を用いることができる。
また、図6(b)では、図6(a)と同様の凹凸形状を有する断面を有し、更に連続的または断続的な切り欠き領域14が設けられているところを示す。
また、図6(d)では、図6(c)と同様の2層構造の凹凸形状有する断面を有し、更に連続的または断続的な切り欠き領域14が設けられているところを示す。
次に、図7及び図8を用いて、管状部材を有さない胃チューブ挿入ガイド8の実施形態の説明を行なう。
まず、図7に示す管状の部材を有さない胃チューブ挿入ガイドの1つの実施形態を説明する。ここで、図7(a)は、ラリンジアルマスク全体を示す斜視図であり、図7(b)は、図7(a)の矢印Dから見た断面図であり、図7(c)は、(a)の矢印Eから見た断面図である。
この凹部により形成された誘導面8dの形状に関して、インフレーションカフ4における誘導面8dの形状が、図7(b)に示され、気道チューブ6における誘導面8dの形状が、図7(c)に示されている。何れの場所においても、胃チューブを挿入するときに、胃チューブが、インフレーションカフ4や気道チューブ6の外形の外にはみ出さないので、挿入抵抗の少ないスムーズな挿入を行なうことができる。
本実施形態では、胃チューブを挿入するときに、胃チューブが、インフレーションカフ4や気道チューブ6の外形の外に出る形になるが、誘導面8dの取り付け位置を適切に定めることによって、インフレーションカフ4や胃チューブのスムーズな挿入を実現することができる。
なお、図7及び図8に示す実施形態について、胃チューブの挿入方向において、誘導面8dを連続的に備えることも、断続的に備えることもできる。
本発明の胃チューブ挿入用ガイドを備えたラリンジアルマスクには、上述の実施形態だけでなく、その他の様々な実施形態が含まれる。
2 ラリンジアルマスク
4 インフレーションカフ
4a 中空環状部
4b 背板
4c カフ内部空間
6 気道チューブ
6a 開口部
8 胃チューブ挿入用ガイド
8a 管状の部材
8b 開口部
8c 端部
8d 誘導面
10 端部
10a 接続用コネクタ
12 インフレーティングチューブ
12a 給排気用端部
14 切り欠き領域
20 内径側空間
20a 端部
20b 端部
22 内径側曲面
24 開口側曲面
Claims (9)
- 肺の換気と呼吸を確保するために用いるラリンジアルマスクであって、
(1)内部に気体を充填することにより膨張可能な中空環状部と、
前記中空環状部の内径側空間の一方の端部を覆うように、前記中空環状部に気密的に接合された背板と、
前記中空環状部の内径側曲面と前記背板の内面とに囲まれ、前記背板の反対側が開口したカフ内部空間と、
を有し、
口から喉頭部に挿入されて、膨張した前記中空環状部の開口側曲面が、全周において気管入口周辺部と密着することが可能なインフレーションカフと、
(2)前記インフレーションカフに接続され、
一方の端部が前記カフ内部空間に開口し、
前記インフレーションカフが喉頭部に挿入された状態で、もう一方の端部が、口腔外の空間に開口するように配置される気道チューブと、
(3)前記インフレーションカフが喉頭部に挿入された状態で、胃チューブを、口から先端部が胃または食道の領域に到達するまで挿入するための誘導面が、喉頭部に位置する前記インフレーションカフから口腔外まで連続的または断続的に配置される胃チューブ挿入ガイドと、
を備えたラリンジアルマスク。 - 前記インフレーションカフを通過する領域において、前記胃チューブ挿入ガイドが略直線状に伸びているか、または、変曲が一様または変曲点が1カ所以内で伸びている請求項1に記載のラリンジアルマスク。
- 前記インフレーションカフが喉頭部に装着された状態において、食道の入口に近接した前記インフレーションカフの先端部に、前記誘導面が設けられている請求項1に記載のラリンジアルマスク。
- 前記誘導面と、前記胃チューブの外面との間の接触面積を減少させるため、前記誘導面に凹凸が設けられている請求項1に記載のラリンジアルマスク。
- 前記誘導面と、前記胃チューブの外面との間の接触面積を減少させるため、前記誘導面が粗面化されている請求項1に記載のラリンジアルマスク。
- 前記誘導面の硬度が、プラスチック硬度60度以上である請求項1に記載のラリンジアルマスク。
- 前記胃チューブ挿入ガイドが、内面が前記誘導面となる管状の部材を有し、前記管状の部材の少なくとも一部に、管内外での通気が可能な切り欠き領域が、長手方向に沿って連続的または断続的に設けられている請求項1から6の何れか1項に記載のラリンジアルマスク。
- 前記管状の部材の内側の空間と前記カフ内部空間とが、気密シール状態にある請求項7に記載のラリンジアルマスク。
- 前記管状の部材の内径が、前記胃チューブの外径の1.2倍以内であることを特徴とする請求項7に記載のラリンジアルマスク。
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