JP4587900B2 - 二線式信号伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、受信部側に接続した電源部から送信部に対して給電を行うとともに、送信部側のデータを直流電流信号により受信部に伝送する二線式信号伝送装置に関する。
従来、受信部と送信部を二本の伝送線により接続し、受信部側に接続した電源部から送信部に対して給電を行うとともに、送信部側のデータを直流電流信号により受信部に伝送する二線式信号伝送装置は知られている。
例えば、特開平5−225484号公報には、負荷側から二本の伝送線を介して電源の供給を受けて測定すべき物理量を電気信号に変換し、これをマイクロプロセッサにより信号処理して前記伝送線を介して前記負荷側に電流信号として伝送する二線式伝送器であって、前記伝送線に直列に接続され、所定の電圧降下を発生させる電圧降下素子と、この電圧降下素子の両端にバックライト用の発光素子を接続するために設けられた接続端子と、前記マイクロプセッサにより表示素子が駆動され前記発光素子によりバックライトが与えられる液晶表示素子とを具備する二線式伝送器が開示されている。
特開平5−225484号
しかし、上述した従来の二線式伝送器は、次のような問題点があった。
第一に、発光素子の明るさは、伝送路に流れる最低電流により設定し、この最低電流よりも増えた電流分をツェナーダイオード側に流して、発光素子の明るさを一定にするため、ツェナーダイオードの存在が伝送路に直接影響を及ぼしやすい。したがって、伝送路に対して悪影響を回避する観点から発光素子を増やすにも限界があり、特に、大型表示部に用いる場合には十分な明るさを確保できない。
第二に、発光素子及びツェナーダイオードにおける特性のバラツキ、即ち、発光素子の順電圧及びツェナーダイオードのツェナー電圧のバラツキがそのまま明るさのバラツキとして現れるため、通常、複数の発光素子の配列により構成する発光部における発光部位に明るさのムラを生じやすい。
第三に、ツェナーダイオードの存在は、伝送器に直接影響を及ぼしやすいことに加え、動作初期における動作抵抗値が大きくなるため、特に、この電圧降下の影響により、伝送器の性能低下を招く。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した二線式信号伝送装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、受信部2と送信部3を二本の伝送線4p,4nにより接続し、受信部2側に接続した電源部5から送信部3に対して給電を行うとともに、送信部3側のデータを直流電流信号Isにより受信部2に伝送する二線式信号伝送装置1を構成するに際して、送信部3に、表示部6と、この表示部6に付設するとともに、一又は直列接続した二以上の発光素子Daa…,Dxa…を有し、かつ一つの発光回路La…に代わる一つのダミー回路Lxを含む複数の発光回路La…,Lxを並列接続して構成することにより、直流電流信号Isを流して点灯させる発光部7と、少なくとも発光部7に流れる直流電流信号Isを所定の周波数によりスイッチング制御する制御部8を備えることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、制御部8は、ダミー回路Lxを含む発光回路La…にそれぞれ直列接続したスイッチング回路Ca…,Cxと、このスイッチング回路Ca…,Cxにパルス制御信号Pa…,Pxを付与して、各スイッチング回路Ca…,Cxを時分割方式により順次通電制御する制御回路11により構成できる。なお、制御部8は、発光回路La…にそれぞれ直列接続したスイッチング回路Ca…と、ダミー回路Lxに直列接続し、かつスイッチング回路Caにおける通電時の電圧降下よりも大きい電圧降下を生じる回路素子(Dxx)と、スイッチング回路Ca…にパルス制御信号Pa…を付与して、各スイッチング回路Ca…を時分割方式により順次通電制御する制御回路11により構成することもでき、回路素子としては、一又は二以上のダイオードDxxを用いることができる。制御回路11には、各スイッチング回路Ca…を順次通電制御するための相前後するパルス制御信号Pa…のパルス時間Ta…を相互にオーバラップさせる機能を設けることが望ましい。また、制御回路11は、発光回路La…の明るさが均一になるように、直流電流信号Isの大きさに対応してパルス制御信号Pa…のデューティ比を可変制御するデューティ比制御機能を備えることができるとともに、このデューティ比制御機能は、発光回路La…に付与するパルス制御信号Pa…のパルス時間Ta…を変更することなく可変制御することができる。
このような構成を有する本発明に係る二線式信号伝送装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 従来のようなツェナーダイオードを使用しないため、ツェナーダイオードの存在が伝送装置1に直接影響を及ぼす不具合を回避できる。したがって、発光素子Daa…の使用数量もより増加させることができ、全体の明るさを高めたり大型表示部の明るさを十分に確保できる。
(2) ツェナーダイオードによる伝送装置1への影響を防止できることに加え、動作初期における動作抵抗値に基づく電圧降下の影響を解消できるため、伝送装置1の性能低下を回避できる。
(3) 発光部7に流れる直流電流信号Isを所定の周波数によりスイッチング制御するようにしたため、例えば、好適な態様のように、直流電流信号Isの大きさに対応してパルス制御信号Pa…のデューティ比を可変するようにすれば、複数の発光素子Daa…を配列させて構成する発光部7の発光部位に生じる明るさのムラを解消、即ち、明るさの均一化を図ることができる。
(4) 発光回路La…に、一つの発光回路La…に代わる一つのダミー回路Lxを含ませたため、発光部7の明るさを一定にするとともに、電圧降下の変動を回避してスイッチングノイズの発生を防止することができる。
(5) 好適な態様により、制御部8を、発光回路La…にそれぞれ直列接続したスイッチング回路Ca…と、ダミー回路Lxに直列接続し、かつスイッチング回路Caにおける通電時の電圧降下よりも大きい電圧降下を生じるダイオードDxx等を用いた回路素子と、スイッチング回路Ca…にパルス制御信号Pa…を付与して、各スイッチング回路Ca…を時分割方式により順次通電制御する制御回路11により構成すれば、部品点数の削減と省配線化を実現できるとともに、制御回路11の負荷を低減することができる。
(6) 好適な態様により、ダミー回路Lxを含む発光回路La…を時分割方式により順次通電制御するとともに、順次通電制御する相前後するパルス制御信号Pa…のパルス時間Ta…を相互にオーバラップさせれば、直流電流信号Isの遮断を回避できるため、ノイズ発生防止及び安定性向上に寄与できる。
(7) 好適な態様により、デューティ比制御機能により、パルス制御信号Pa…のデューティ比を可変制御する際に、発光回路La…に付与するパルス制御信号Pa…のパルス時間Ta…を変更することなく可変制御すれば、制御の煩雑化を回避できるとともと制御の安定化に寄与できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る二線式信号伝送装置1の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、二線式信号伝送装置1全体のブロック回路構成を示す。二線式信号伝送装置1は、離間して設置した受信部2と送信部3を備え、この受信部2と送信部3は、正側と負側となる二本(二線)の伝送線4p,4nにより接続する。
受信部2は、直流電源(24〔V〕)により構成する電源部5を備え、この電源部5の正極は、正側の伝送線4pに接続するとともに、電源部5の負極は、負側の伝送線4nに接続する。これにより、送信部3には、電源部5から伝送線4p,4nを通して給電が行われる。また、受信部2は、伝送線4nに直列に接続した受信抵抗21を備えるとともに、この受信抵抗21の両端電圧を検出し、送信部3側から伝送されるデータを直流電流信号Isの大きさにより検出する受信回路22を備える。
一方、送信部3は、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)を利用した制御回路11を備える。マイコンには、CPU,RAM,ROM等のコンピュータ処理を実行するための各種ハードウェアを含む。また、制御回路11の入力ポートpsには、圧力センサや温度センサ等のセンサ31を接続する。この場合、センサ31から得る検出信号は、通常、アナログ信号のため、制御回路11には、このアナログ信号をデジタル信号に変換してマイコンに付与するA/D変換部を内蔵する。さらに、制御回路11は、伝送線4p,4nに接続する接続ポートpp,pnを有しており、一方の接続ポートpnは、負側の伝送線4nに接続するとともに、他方の接続ポートppは、バックライトとなる発光部7を介して正側の伝送線4pに接続する。この接続ポートppからは受信部2に伝送するデータが直流電流信号Isとして出力するため、制御回路11には、ディジタルデータをアナログ信号である直流電流信号Isに変換して接続ポートppから出力させるD/A変換部を内蔵する。したがって、制御回路11は、少なくともセンサ31から得る検出信号を直流電流信号Isに変換する機能を備えている。
また、制御回路11は、表示出力ポートpdを有しており、この表示出力ポートpdにはLCD(液晶表示器)32を利用した表示部6を接続する。上述した発光部7は、この表示部6に付設することによりバックライトとして機能する。このLCD32は、図4に示すように、6桁の7セグメント数値表示部Eaと上下に配した四つの1セグメント単位表示部Eu,Edを有し、セグメントがON状態において、発光部7からの光を透過させるいわゆるネガタイプを用いる。なお、LCD32は、セグメントがON状態において、発光部7からの光を遮断するいわゆるポジタイプであってもよい。
図2には、発光部7の具体的回路構成を示す。発光部7は、直列接続した二つの発光素子(LED)DaaとDab,DbaとDbb,DxaとDxbをそれぞれ有する三つの発光回路La,Lb,Lxを備える。この三つの発光回路La,Lb,Lxのうち、一つの発光回路はダミー回路Lxとなる。ダミー回路Lxを用いる理由は、直流電流信号Isの一部を分流して発光部7の明るさを一定にすることと、複数の発光回路La…を順次切換えた際における電圧降下の変動を回避してスイッチングノイズの発生を防止するためである。したがって、ダミー回路Lxとしては、一つの発光回路Laと同一構成となる発光素子Dxa,Dxbを用いることが同一特性を確保できることから最も望ましい。ダミー回路Lxは、その他、シリコンダイオード等を用いて構成してもよいし、短絡接続(導線のみによる接続)することも可能である。なお、短絡接続の場合は、スイッチングノイズをバイパスする比較的容量の大きいコンデンサを別途接続するなどの対策を施すことが望ましい。
さらに、各発光回路La…及びダミー回路Lxには、発光素子Dab,Dbb,Dxbに対してそれぞれ直列接続したスイッチング回路Ca,Cb,Cxを有する。スイッチング回路Caには、スイッチング素子としてPNPトランジスタQaを用いる。なお、スイッチング回路CaにおけるRab,Raeは、トランジスタQaに接続したバイアス抵抗である。この場合、使用するトランジスタとして、バイアス電流が小さくかつ電流増幅率の大きいダーリントントランジスタ或いはFETを使用することにより、スイッチング回路Ca…を追加したことに伴う消費電流の増加を無視できる。他のスイッチング回路Cb,Cxもそれぞれ同様に構成し、Qb,QxはPNPトランジスタ、Rbb,Rbe,Rxb,Rxeはバイアス抵抗を示す。
そして、各トランジスタQa,Qb,Qxのコレクタは、共通接続して制御回路11の接続ポートppに接続するとともに、各発光素子Daa,Dba,Dxaにおける受信部2側は、共通接続して正側の伝送線4pに接続する。これにより、各発光回路La,Lb及びダミー回路Lxは、並列接続される。また、各トランジスタQa,Qb,Qxのベースには、制御回路11からパルス制御信号Pa,Pb,Pxがそれぞれ付与される。この場合、制御回路11と各スイッチング回路Ca…は制御部8を構成する。この制御部8の機能は、後述する伝送装置1の動作において具体的に説明する。
一方、33は、定電圧レギュレータであり、この定電圧レギュレータ33の入力部は、受信部2側に接続される伝送線4pに対して、発光部7を介することなく直接接続するとともに、定電圧レギュレータ33の出力部は、制御回路11の電源ポートpcに接続する。これにより、電源部5からの給電によって直ちに制御回路11を動作させることができ、送信部3全体を初期段階から確実に動作させることができる。
他方、図3及び図4は、送信部3のメカニカル構成を示す。41は、円盤状に形成した制御回路基板であり、この制御回路基板41の表面(おもて面)には、前述したLCD32を実装する。LCD32は、左右両端から突出したピンコネクタ32c,32cを有しており、このピンコネクタ32c,32cを制御回路基板41の表面にハンダ付等により固定接続する。これにより、制御回路基板41の表面とLCD32の裏面間に、空間Fを設けることができるため、この空間Fを利用して、発光回路La,Lbを構成する四つの発光素子Daa,Dab、Dba,Dbbを制御回路基板41上に実装する。この場合、LCD32の裏面が均一に照射されるように、各発光素子Daa…の配列を考慮するとともに、発光素子Daa…の周りを覆う遮光ホルダ42及び発光素子Daa…の光を拡散させる光拡散シート43を付設する。また、制御回路基板41の裏面には、マイコンを構成するICチップ44を実装するとともに、ダミー回路Lxを構成する二つの発光素子Dxa,Dxbを実装する。これにより、発光素子Dxa,Dxbからの光は、制御回路基板41により遮断される。
次に、本実施形態に係る二線式信号伝送装置1の動作について、図5に示す信号のタイミングチャート及び図1,図2を参照して説明する。
まず、電源部5から送信部3に給電されれば、定電圧レギュレータ33が作動し、定電圧が制御回路11に付与されることにより、制御回路11が作動する。この場合、定電圧レギュレータ33の入力部は、伝送線4pに直接接続するため、前述したように、電源部5からの給電によって直ちに制御回路11を動作させることができ、送信部3全体を初期段階から確実に動作させることができる。
そして、制御回路11の初期動作では、数秒間、LCD32に、モデル番号やプログラムバージョン等のイニシャル表示が行われる。イニシャル表示が終了すれば、計測モードに移行する。計測モードでは、センサ31から得る検出信号が入力ポートpsから制御回路11に入力し、A/D変換部によりデジタル信号に変換されてマイコンに付与される。マイコンでは必要なデータ処理が行われ、得られた計測値(検出値)は、LCD32によりデジタル表示されるとともに、D/A変換部によりアナログ信号(直流電流信号Is)に変換されて、接続ポートpp,pnから伝送線4p,4nに出力する。この際、計測値(検出値)の大きさに対応したImin(最小電流)〜Imax(最大電流)の直流電流信号Isが得られる。
この場合、図5に示すように、電源部5から送信部3に給電された最初の時点をtoとすれば、この時点toから、制御回路11の動作によりスイッチング回路CxがONし、ダミー回路Lxに最小電流Iminが流れるように設定されている(図5(c))。そして、イニシャル表示の開始により、1サイクルの周期Tcsが約2.5〔ms〕に設定された図5(a)に示すパルス制御信号Paがスイッチング回路Caに付与される。パルス制御信号Paのパルス期間Taは、1〔ms〕に設定されており、最初に、スイッチング回路Caが1〔ms〕だけONし、発光回路Laに最小電流Iminが流れる。次いで、パルス制御信号Paと同一周期に設定された図5(b)に示すパルス制御信号Pbがスイッチング回路Cbに付与される。パルス制御信号Pbのパルス期間Tbも、1〔ms〕に設定されており、スイッチング回路Cbは、1〔ms〕だけONし、発光回路Lbに最小電流Iminが流れる。次いで、パルス制御信号Paと同一周期に設定された図5(c)に示すパルス制御信号Pxがスイッチング回路Cxに付与される。パルス制御信号Pxのパルス期間Txは、1サイクルの周期Tcsにおけるパルス制御信号Paのパルス期間Taが終了し、続くパルス制御信号Pbのパルス期間Tbが終了した後、次の1サイクルのパルス期間Taが開始するまでの無パルス期間が設定され、例示の場合は、0.5〔ms〕に設定されている。したがって、スイッチング回路Cxは、0.5〔ms〕だけONし、ダミー回路Lxに最小電流Iminが流れる。以後、同様の動作が繰り返され、各スイッチング回路Ca,Cb,Cxは時分割方式により順次通電制御(スイッチング制御)され、最小電流Iminが流れる動作が繰り返される。1サイクルの周期Tcsが約2.5〔ms〕に設定されるため、各パルス制御信号Pa…の周波数は、約400〔Hz〕となる。また、この基本的動作は、以後、計測モードにおいても同様に繰り返される。
ところで、制御回路11は、各パルス制御信号Pa…を設定するに際し、各スイッチング回路Ca,Cb,Cxを順次通電制御するための相前後するパルス制御信号Pa…,Pxのパルス時間Ta…,Txを相互にオーバラップさせる機能を備える。即ち、図5(a),(b)に示すように、パルス制御信号Paのパルス期間Taが終了する時点よりもオーバラップ時間Toだけ手前の時点で、パルス制御信号Pbのパルス期間Tbを開始する。パルス期間Tbとパルス期間Tx、パルス期間Txとパルス期間Taの場合も同様である。これにより、直流電流信号Isの遮断を回避できるため、ノイズ発生防止及び安定性向上に寄与できる。
なお、計測モードが開始するまでは、直流電流信号Isの大きさが不定になるため、上述したように、給電時から計測モードが開始するまでは、疑似的にIminの直流電流信号Isを出力して電流不足を回避している。
一方、計測モードでは、センサ31から得る検出信号の大きさに対応して直流電流信号Isの大きさがImin〜Imaxの間で変化するため、制御回路11におけるデューティ比制御機能により、直流電流信号Isの大きさに対応してパルス制御信号Pa…,Pxのデューティ比が可変され、各発光回路La…の明るさが均一になるように制御される。この場合、デューティ比制御機能は、ダミー回路Lxを除く発光回路La…に付与するパルス制御信号Pa…のパルス時間Ta…を変更することなく、ダミー回路Lxに付与するパルス制御信号Pxのパルス時間Txを可変する。即ち、図5(d),(e)に示すように、発光回路La,Lbに対するパルス制御信号Pa,Pbのパルス期間Ta,Tbは、1〔ms〕のまま変更せず、ダミー回路Lxに対するパルス制御信号Pxのパルス期間Txを可変する。具体的には、直流電流信号Isが大きくなった場合、図5(f)に示すように、パルス制御信号Pxのパルス期間Txを長くする。このような制御を行うことにより、制御の煩雑化が回避されるとともと制御の安定化にも寄与できる。
例示の場合、パルス期間Txは、約10〔ms〕であり、Imaxを設定している。したがって、この場合、1サイクルの周期Tcwは、約12〔ms〕となり、周波数は約83〔Hz〕となる。なお、図5(c)に示したパルス期間Txは、0.5〔ms〕であり、Iminの場合を示している。このような直流電流信号Isの大きさに対応したパルス期間Txの関係(変換データ)は、予めマイコンに設定(記憶)しておく。これにより、直流電流信号Isが大きくなった場合、パルス期間Txが長くなるため、図5(d),(e)に示すように、発光回路La,Lbにおける無パルス期間が長くなり、明るさが抑制されるとともに、直流電流信号Isが小さくなった場合、パルス期間Txが短くなるため、図5(a),(b)に示すように、発光回路La,Lbにおける無パルス期間が短くなり、明るさが高められる。この結果、発光回路La,Lbの明るさは、直流電流信号Isの大きさに左右されることなく、均一に維持される。即ち、複数の発光素子Daa…を配列させて構成する発光部7の発光部位に生じる明るさのムラが解消され、明るさの均一化が図られる。
このように、本実施形態に係る二線式信号伝送装置1によれば、従来のようなツェナーダイオードを使用しないため、ツェナーダイオードの存在が伝送装置1に直接影響を及ぼす不具合を回避できる。したがって、発光素子Daa…の使用数量もより増加させることができ、全体の明るさを高めたり大型表示部の明るさを十分に確保できる。また、ツェナーダイオードによる伝送装置1への影響を防止できることに加え、動作初期における動作抵抗値に基づく電圧降下の影響を解消できるため、伝送装置1の性能低下を回避することができる。
他方、図6には、本発明の変更実施形態に係る二線式信号伝送装置1を示す。図6に示す二線式信号伝送装置1は、図2に示した制御部8におけるダミー回路Lxに直列接続したスイッチング回路Cxの代わりに、スイッチング回路Ca(又はCb)における通電時の電圧降下よりも大きい電圧降下を生じる回路素子、具体的には、シリコンダイオード等のダイオードDxxを接続したものである。したがって、ダイオードDxxは、ダミー回路Lxに対して常時直列接続した状態となり、パルス制御信号Pxによるスイッチング制御は行わない。
これにより、図2に示した制御部8と近似する制御を行うことができる。即ち、発光回路La,Lbに対するスイッチング回路Ca,Cbのいずれかが通電状態(ON)になれば、スイッチング回路Ca(又はCb)における通電時の電圧降下よりも大きい電圧降下を生じるダイオードDxxを直列接続したダミー回路Lxは、実質的に無通電状態(OFF)となる。他方、発光回路La,Lbに対する全てのスイッチング回路Ca,Cbが無通電状態(OFF)になると、ダイオードDxxを直列接続したダミー回路Lxは、実質的に通電状態(ON)となる。
したがって、図6に示す制御部8を用いれば、部品点数の削減と省配線化を実現できるとともに、制御回路11の負荷を低減できる利点がある。図6における他の構成は図2と同じであり同様の動作を行う。このため、図6において、図2と同一部分には、同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。なお、回路素子として、ダイオードDxxを例示したが、同様の機能を発揮する他の回路素子により置換することができる。また、必要により複数のダイオードDxx…(回路素子)を直列又は並列に接続することにより電圧降下の大きさを調整することもできる。
以上、最良の実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、送信部3側のデータとして、センサ31から得る検出信号を例示したが、他の任意のデータを適用することができる。また、発光部7は、表示部6のバックライトとして用いる場合を示したが、広くは一般的な照明をはじめ、他の同様の用途、即ち、直流電流信号Isを利用し、かつ直流電流信号Isの大きさに影響を受けないことが要求される用途に応用可能である。さらに、デューティ比制御機能は、ダミー回路Lxに付与するパルス制御信号Pxのパルス時間Txを可変する場合を示したが、他のパルス制御信号Pa,Pbのパルス時間Ta,Tbを可変する場合を排除するものではない。一方、このようなデューティ比制御機能により、発光部7の明るさを容易に変更できるため、例えば、明るさを0.5〔s〕毎に変えることにより、異常時の警報(アラーム表示)等に利用することも可能である。
本発明の最良の実施形態に係る二線式信号伝送装置のブロック回路図、 同二線式信号伝送装置の発光部及び制御部の具体的回路図、 同二線式信号伝送装置の送信部のメカニカル構成を示す断面側面図、 同送信部のメカニカル構成を示す正面図、 図2における各部の信号のタイミングチャート、 本発明の変更実施形態に係る二線式信号伝送装置の発光部及び制御部の具体的回路図、
符号の説明
1 二線式信号伝送装置
2 受信部
3 送信部
4p 伝送線
4n 伝送線
5 電源部
6 表示部
7 発光部
8 制御部
11 制御回路
Is 直流電流信号
Daa… 発光素子
Dxa… 発光素子
Dxx ダイオード
La… 発光回路
Lx 発光回路
Ca… スイッチング回路
Cx スイッチング回路
Pa… パルス制御信号
Px パルス制御信号
Ta… パルス時間
Tx パルス時間

Claims (7)

  1. 受信部と送信部を二本の伝送線により接続し、前記受信部側に接続した電源部から前記送信部に対して給電を行うとともに、前記送信部側のデータを直流電流信号により前記受信部に伝送する二線式信号伝送装置において、前記送信部に、表示部と、この表示部に付設するとともに、一又は直列接続した二以上の発光素子を有し、かつ一つの発光回路に代わる一つのダミー回路を含む複数の発光回路を並列接続して構成することにより、前記直流電流信号を流して点灯させる発光部と、少なくとも前記発光部に流れる前記直流電流信号を所定の周波数によりスイッチング制御する制御部を備えることを特徴とする二線式信号伝送装置。
  2. 前記制御部は、前記ダミー回路を含む前記発光回路にそれぞれ直列接続したスイッチング回路と、このスイッチング回路にパルス制御信号を付与して、各スイッチング回路を時分割方式により順次通電制御する制御回路を備えることを特徴とする請求項1記載の二線式信号伝送装置。
  3. 前記制御部は、前記発光回路にそれぞれ直列接続したスイッチング回路と、前記ダミー回路に直列接続し、かつ前記スイッチング回路における通電時の電圧降下よりも大きい電圧降下を生じる回路素子と、前記スイッチング回路にパルス制御信号を付与して、各スイッチング回路を時分割方式により順次通電制御する制御回路を備えることを特徴とする請求項1記載の二線式信号伝送装置。
  4. 前記回路素子は、一又は二以上のダイオードを用いることを特徴とする請求項3記載の二線式信号伝送装置。
  5. 前記制御回路は、各スイッチング回路を順次通電制御するための相前後するパルス制御信号のパルス時間を相互にオーバラップさせる機能を有することを特徴とする請求項2又は3記載の二線式信号伝送装置。
  6. 前記制御回路は、前記発光回路の明るさが均一になるように、前記直流電流信号の大きさに対応して前記パルス制御信号のデューティ比を可変制御するデューティ比制御機能を備えることを特徴とする請求項2,3又は5記載の二線式信号伝送装置。
  7. 前記デューティ比制御機能は、前記発光回路に付与するパルス制御信号のパルス時間を変更することなく可変制御することを特徴とする請求項6記載の二線式信号伝送装置。
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