図1〜図7は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用灯具の構成について説明する。図において、符号1は、この実施例1にかかる車両用灯具であって、この例は、たとえば、自動車用前照灯である。前記車両用灯具1は、前側の第1リフレクタ(メインリフレクタ、遮光部材兼リフレクタ)2と、後側の第2リフレクタ(サブリフレクタ、シェード兼リフレクタ)3と、半導体型光源4と、シェード5と、投影レンズ(凸レンズ、集光レンズ)6と、平面反射面7と、ヒートシンク部材(図示せず)と、遮光部材8と、図示しない自動車用前照灯のランプハウジングおよびランプレンズ(たとえば、素通しのアウターレンズなど)と、から構成されている。
前記第1リフレクタ2および前記第2リフレクタ3および前記半導体型光源4および前記シェード5および前記投影レンズ6および前記平面反射面7および前記ヒートシンク部材および前記遮光部材8は、ランプユニットを構成する。前記ランプユニットは、図に示すように、縦型のプロジェクタタイプであって、ユニット構造をなす。1個もしくは複数個の前記ランプユニットは、自動車用前照灯のランプハウジングおよびランプレンズにより区画されている灯室内に、たとえば光軸調整機構を介して配置されている。なお、前記灯室内に前記ランプユニット以外の他のランプユニットが配置されていてこの発明にかかる車両用灯具を構成する場合もある。
前記第1リフレクタ2および前記第2リフレクタ3は、光不透過性の樹脂部材などから構成されており、ケーシングやハウジングやホルダなどの保持部材と兼用である。また、前記第1リフレクタ2および前記第2リフレクタ3は、後記第1反射面9の垂直な光軸Z2−Z2に沿って垂直に前後に2分割してなるものである。前記第1リフレクタ2と前記第2リフレクタ3と前記ヒートシンク部材とは、図示しない固定部材(たとえば、ボルトナット、スクリュー、加締め、クリップなど、この例では、スクリュー)により、一体に固定されている。なお、前記第1リフレクタ2と前記第2リフレクタ3とを一体に形成しても良い。
前記第1リフレクタ2は、図2に示すように、上側半分が下側に半円形に開口し、また、下側半分の後側の部分が開口し、さらに、下側半分の前側の部分が閉塞している。前記第1リフレクタ2の下側半分の前側の部分の閉塞部は、外側( 後側から前側)に膨らんだ凸形状をなす。前記第1リフレクタ2の下側半分の前側の部分の閉塞部の凹内面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて第1反射面9が設けられている。前記第1リフレクタ2の4隅部には、前記固定部材のスクリューがねじ込まれるねじ孔10(もしくは、前記固定部材のスクリューが通過する透孔)がそれぞれ 設けられている。
前記第1反射面9は、楕円反射面、すなわち、楕円もしくは楕円を基本とする反射面である。前記第1反射面9の楕円反射面は、たとえば、回転楕円面、または、楕円を基本とした自由曲面(NURBS曲面)などの反射面(図1、図5〜図8の垂直断面が楕円面をなし、かつ、図示しない水平断面が放物面ないし変形放物面をなす反射面)、からなる。このために、前記第1反射面9は、第1焦点F1と、第2焦点または水平断面上の焦線(すなわち、前(正面)から見て両端が上側に位置し中央が下側に位置するような湾曲した焦線)F2と、を有する。なお、前記の「第2焦点または水平断面上の焦線F2」を以下単に「第2焦点F2」と称する。また、この明細書および特許請求の範囲において、楕円反射面の第2焦点および第1反射面の第2焦点は、前記の「第2焦点または水平断面上の焦線F2」を言う。
前記第2リフレクタ3は、図3に示すように、垂直な板部からなり、前記板部の上側の部分が上側に半円形に開口し、かつ、前記板部の下側の部分には凹部11が設けられている。前記第2リフレクタ3の前記板部の前面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて、前記第1反射面9の光軸Z2−Z2に沿う平面もしくはほぼ平面をなす第2反射面12が設けられている。前記第2反射面12は、前記第1反射面9の第2焦点F2(すなわち、第2焦点F2もしくはその近傍)と前記半導体型光源4との間に設けられている。前記第2リフレクタ3の前記板部の4隅部には、前記固定部材のスクリューがねじ込まれるねじ孔(もしくは前記固定部材のスクリューが通過する透孔)13がそれぞれ設けられている。
前記半導体型光源4は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。前記半導体型光源4は、基板14と、前記基板14の一面に固定された微小な矩形形状(正方形形状)の光源チップ(半導体チップ)の発光体(図示せず)と、前記発光体を覆う光透過部材15と、電源(図示せず)に接続されるコネクタもしくはハーネス(図示せず)と、から構成されている。前記半導体型光源4は、前記第2リフレクタ3の前記凹部11の底に固定されている。なお、前記第2リフレクタ3の前記凹部11に開口部を設けて、前記半導体型光源4を前記ヒートシンク部材に固定しても良い。前記半導体型光源4の前記発光体(発光部)は、前記第1反射面9の前記第1焦点F1(すなわち、第1焦点もしくはその近傍)に位置する。
前記シェード5は、前記第2リフレクタ3と一体に設けられている。すなわち、前記シェード5は、前記第2リフレクタ3の前記板部と兼用するものである。この結果、前記シェード5には、前記第2反射面12が設けられている。なお、前記第2リフレクタ3と前記シェード5とを別個に設けて固定手段により一体に固定しても良い。前記シェード5は、前記第1反射面9の第2焦点F2(すなわち、第2焦点F2もしくはその近傍)と前記半導体型光源4との間に配置されている。前記シェード5のうち前記第1反射面9の第2焦点F2(すなわち、第2焦点F2もしくはその近傍)の部分には、エッジ16が前記第1反射面9の第2焦点(第2焦線)F2に沿って設けられている。
前記シェード5は、前記半導体型光源4から放射されて前記第1反射面9で反射された反射光L4の一部をカットオフして残りの反射光でカットオフラインCLを有する所定の配光パターンP、たとえば、すれ違い用配光パターンや高速道路用配光パターンなどを形成する(図4参照)。前記シェード5の前記エッジ16は、前記所定の配光パターンPのカットオフラインCLおよびエルボー点Eを形成する(図4参照)。また、前記第2反射面12は、前記シェード5でカットオフされた反射光L4を、反射光L9として所定の方向すなわち前記平面反射面7側に反射させて所定の補助配光パターン(図示せず)を形成する。
前記投影レンズ6は、前記第1リフレクタ2の下側の半円を形成する半円形開口の縁部と、前記第2リフレクタ3の上側の半円を形成する半円形開口の縁部と、に取り付けられている。なお、前記投影レンズ6を前記第1リフレクタ2および前記第2リフレクタ3に、この例のように直接取り付けても良いし、または、リング部材(図示せず)などを使用して取り付けても良い。前記投影レンズ6は、非球面レンズの凸レンズである。前記投影レンズ6の前方側(外部側)は、曲率が大きい(曲率半径が小さい)凸非球面をなし、一方、前記投影レンズ6の後方側(前記平面反射面7側)は、曲率が小さい(曲率半径が大きい)凸非球面をなす。このような投影レンズ6を使用することにより、前記投影レンズ6の焦点距離が小さくなるので、その分、この実施例1にかかる車両用灯具1の前記投影レンズ6の水平なレンズ光軸Z1−Z1方向の寸法がコンパクトとなる。なお、前記投影レンズ6の後方側は、平非球面(平面)をなすものであっても良い。
前記投影レンズ6は、前記投影レンズ6からフロントフォーカス(前側焦点距離)FFの位置に位置する前側焦点(前記平面反射面7側の焦点)であるレンズ焦点FL1と、前記投影レンズ6からバックフォーカス(後側焦点距離)の位置に位置する後側焦点(外部側の焦点)と、前記前側焦点のレンズ焦点FL1と前記後側焦点とを結ぶ水平なレンズ光軸Z1−Z1と、を有する。垂直な前記第1反射面9の光軸Z2−Z2と水平な前記投影レンズ6のレンズ光軸Z1−Z1とは、直交する。前記投影レンズ6のレンズ焦点FL1は、物空間側の焦点面であるメリジオナル像面である。なお、前記半導体型光源4の光は、高い熱を持たないので、前記投影レンズ6として樹脂製のレンズを使用することができる。前記投影レンズ6は、この例ではアクリルを使用する。前記投影レンズ6は、前記平面反射面7で反射されたカットオフラインCLを有する前記所定の配光パターンP、および、後記補助配光パターンP1、P2、P3、P4、P5を前方に投影する(図4参照)。なお、図示しない前記補助配光パターンも前記平面反射面7から前記投影レンズ6を透過して前方に投影される。
前記平面反射面7は、平面板形状をなしていて、前記第2リフレクタ3の上側の半円形開口と前記シェード5の前記エッジ16との間に一体に設けられている。なお、前記第2リフレクタ3および前記シェード5と前記平面反射面7とを別個に設けて固定手段により一体に固定しても良い。前記平面反射面7の表面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されている。前記平面反射面7は、前記投影レンズ6と前記投影レンズ6のレンズ焦点FL1との間に前記レンズ光軸Z1−Z1に45°もしくはほぼ45°で交差して配置されている。前記平面反射面7は、カットオフラインCLを有する前記所定の配光パターンPおよび前記補助配光パターンP1、P2、P3、P4、P5および図示しない前記補助配光パターンを前記投影レンズ6側に反射させるものである。
前記投影レンズ6のレンズ焦点FL1は、図5〜図7に示すように、前記平面反射面7により、前記平面反射面7に対して対称である位置に擬似レンズ焦点FL2として存在する。前記擬似レンズ焦点FL2は、前記第1反射面9の第2焦点F2(すなわち、第2焦点F2もしくはその近傍)に位置する。また、水平な前記投影レンズ6のレンズ光軸Z1−Z1は、同じく図5〜図7に示すように、前記平面反射面7により、水平な前記レンズ光軸Z1−Z1に対して直交する垂直な擬似レンズ光軸Z3−Z3として存在する。垂直な前記擬似レンズ光軸Z3−Z3は、前記第1反射面9の光軸Z2−Z2に一致もしくはほぼ一致する。
この結果、図5に示すように、外来光の平行光L1が外側から前記投影レンズ6に入射して前記投影レンズ6を透過して前記投影レンズ6から出射すると、前記投影レンズ6のレンズ焦点FL1に集束しようとする。この集束しようとする前記投影レンズ6からの出射光が前記平面反射面7で反射し、その反射光L2が前記擬似レンズ焦点FL2、すなわち、前記第1反射面9の第2焦点F2に集束する。また、図5〜図7に示すように、水平な前記レンズ光軸Z1−Z1は、前記平面反射面7により、直角に折り曲げられた垂直な擬似レンズ光軸Z3−Z3、すなわち、前記第1反射面9の光軸Z2−Z2となる。
前記ヒートシンク部材は、平板の後面(背面、裏面)に複数枚のフィンを適宜間隔を開けて垂直方向に一体に設けたものである。前記ヒートシンク部材は、垂直置きすなわち縦置きに設けられている。前記ヒートシンク部材の平板の前面(正面、表面)を前記第2リフレクタ3の前記板部の後面(背面、裏面)に取り付ける。前記ヒートシンク部材は、前記半導体型光源4において発生する熱を外部に放射させる。
前記遮光部材8は、前記第1リフレクタ2に一体に設けられていて、光不透過性の部材からなる。なお、前記遮光部材8と第1リフレクタ2とを別個に設けて固定手段により一体に固定しても良い。前記遮光部材8は、図1、図5〜図7に示すように、前記半導体型光源4と前記投影レンズ6との間に配置されている。すなわち、前記遮光部材8は、前記投影レンズ6側から前記平面反射面7側にかけて、前記半導体型光源4からの直射光L6および前記第2反射面12からの反射光L7および後記第2追加反射面23(25〜27)からの反射光L8が前記投影レンズ6に入射するのを遮り、かつ、前記第1反射面9からの反射光L4および前記第2反射面12からの反射光L9および第2追加反射面23(25〜27)からの反射光L12、L14、L16が前記平面反射面7に入射することができると共に、前記平面反射面7からの反射光L10が前記投影レンズ6に入射することができる範囲に、設けられている。すなわち、前記遮光部材8は、一端が前記第1リフレクタ2の半円形開口の縁部と下側半分の前側閉塞部との付け根部に固定されていて、かつ、他端が前記シェード5および前記第2反射面12、もしくは、前記第1反射面9の第2焦点F2、もしくは、前記平面反射面7側に延びている。前記遮光部材8は、平板形状であっても、曲板形状やその他の形状であっても良い。
前記遮光部材8には、前記半導体型光源4からの光L3を所定の方向に反射させる第1追加反射面17、18、19、20、21が設けられている。前記第1追加反射面は、図1に示すように、第1部分17と、第2部分18と、第3部分19と、第4部分20と、第5部分21と、から構成されている。前記導光部材8には、透孔22が設けられている。前記透孔22は、前記第4部分20と前記第5部分21との間に設けられている。
前記第1追加反射面の第1部分17は、前記第1反射面9と同様の楕円反射面からなり、前記第1反射面9の第1焦点F1もしくはその近傍に位置する第1焦点F11と、前記第1焦点F11よりも上方に位置する第2焦点21と、を有する。また、前記第1追加反射面の第2部分18は、前記第1反射面9と同様の楕円反射面からなり、前記第1反射面9の第1焦点F1もしくはその近傍に位置する第1焦点F12と、前記第1部分17の前記第2焦点F21よりも上方に位置する第2焦点22と、を有する。さらに、前記第1追加反射面の第3部分19は、前記第1反射面9と同様の楕円反射面からなり、前記第1反射面9の第1焦点F1もしくはその近傍に位置する第1焦点F13と、前記第2部分18の第2焦点F22もしくはその近傍に位置する第2焦点23と、を有する。さらにまた、前記第1追加反射面の第4部分20は、前記第1反射面9と同様の楕円反射面からなり、前記第1反射面9の第1焦点F1もしくはその近傍に位置する第1焦点F14と、前記第2部分18の前記第2焦点F22および前記第3部分19の前記第2焦点F23よりも上方に位置する第2焦点24と、を有する。さらにまた、前記第1追加反射面の第5部分21は、前記第1反射面9と同様の楕円反射面からなり、前記第1反射面9の第1焦点F1もしくはその近傍に位置する第1焦点F15と、前記遮光部材8を挟んで前記第1焦点よりも上方斜め前方に位置する第2焦点25と、を有する。
前記シェード5には、前記シェード5によりカットオフされた前記反射光L4を反射光L9として所定の方向に反射させる前記第2反射面12と、前記第2追加反射面23(25〜27)と、がそれぞれ設けられている。前記第2追加反射面23(25〜27)は、前記第2反射面12の中間に位置する。前記シェード5には、前記透孔24が設けられている。前記透孔24は、前記平面反射面7と上側の前記第2反射面12との間、および、上側の前記第2反射面12と前記第2追加反射面23(25〜27)との間に設けられている。前記第2追加反射面23(25〜27)は、下側から上側にかけて前側から後側に傾斜している。
前記第2追加反射面は、図3に示すように、第1部分25と、第2部分26と、第3部分27と、から構成されている。前記第2追加反射面23の第1部分25は、前記第1追加反射面の第1部分17からの反射光L11を反射光L12として所定の方向すなわち前記平面反射面7側に反射させるものである。また、前記第2追加反射面23の第2部分26は、前記第1追加反射面の第2部分18からの反射光L13を反射光L14として所定の方向すなわち前記平面反射面7側に反射させ、かつ、前記第1追加反射面の第3部分19からの反射光L15を反射光L16として所定の方向すなわち前記平面反射面7側に反射させるものである。さらに、前記第2追加反射面23の第3部分27は、前記第1追加反射面の第4部分20からの反射光L17を反射光L18として所定の方向すなわち前記透孔24を通過させて前記平面反射面7側に反射させるものである。前記第2追加反射面の第1部分25および第2部分26および第3部分27は、楕円反射面もしくはその他の曲面反射面もしくは平面反射面からなる。
前記第1追加反射面の第1部分17からの反射光L11であって、前記第2追加反射面23の第1部分25からの反射光L12は、所定の第1補助配光パターンP1として、前記平面反射面7で前記投影レンズ6側に反射し、前記投影レンズ6を透過して前方に投影される。また、前記第1追加反射面の第2部分18からの反射光L13であって、前記第2追加反射面23の第2部分26からの反射光L14は、所定の第2補助配光パターンP2として、前記平面反射面7で前記投影レンズ6側に反射し、前記投影レンズ6を透過して前方に投影される。さらに、前記第1追加反射面の第3部分19からの反射光L15であって、前記第2追加反射面23の第2部分26からの反射光L16は、所定の第3補助配光パターンP3として、前記平面反射面7で前記投影レンズ6側に反射し、前記投影レンズ6を透過して前方に投影される。さらにまた、前記第1追加反射面の第4部分20からの反射光L17であって、前記第2追加反射面23の第3部分27からの反射光L18は、所定の第4補助配光パターンP4として、前記平面反射面7で前記投影レンズ6側に反射し、前記投影レンズ6を透過して前方に投影される。
前記第1追加反射面の第5部分21は、前記半導体型光源4からの光L3を反射光L20として、前記透孔22において所定の方向すなわち前記投影レンズ6側に反射させるものである。前記第1追加反射面の第5部分21からの反射光L20は、所定の第5補助配光パターンP5として、前記投影レンズ6を透過して前方に投影される。
この実施例1にかかる車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
まず、車両用灯具1の半導体型光源4の発光体を点灯発光させる。すると、図6に示すように、半導体型光源4の発光体から光L3が放射される。この光L3の一部は、第1反射面9で反射され、この反射光L4が第1反射面9の第2焦点F2および擬似レンズ焦点FL2に集束する。第2焦点F2および擬似レンズ焦点FL2に集束する反射光L4の一部は、シェード5によりカットオフされる。このシェード5によりカットオフされた反射光L4は、シェード5と一体である第2反射面12により反射されて、反射光L9として所定の方向すなわち平面反射面7側に反射される。この反射光L9は、所定の補助配光パターン(図示せず)を形成する。一方、残りの反射光L4でカットオフラインCLを有する所定の配光パターンPが形成される。
所定の補助配光パターンを形成する反射光L9と、カットオフラインCLを有する所定の配光パターンPを形成する反射光L4とは、平面反射面7で反射されて反射光L10として、あたかも投影レンズ6のレンズ焦点FL1から放射された光として、投影レンズ6を透過して合成され、所定の配光パターン(投影レンズ6から投影される光L5)として自動車(車両)前方に投影されて路面などを照明する。
また、図1に示すように、半導体型光源4の発光体からの光L3の一部は、第1追加反射面の第1部分17で反射光L11として反射され、かつ、第2追加反射面12の第1部分25で反射光L12として反射されて、所定の第1補助配光パターンP1を形成する。この所定の第1補助配光パターンP1を形成する反射光L12は、平面反射面7で反射されて投影レンズ6を透過して前方に投影される。
同じく、図1に示すように、半導体型光源4の発光体からの光L3の一部は、第1追加反射面の第2部分18で反射光L13として反射され、かつ、第2追加反射面12の第2部分26で反射光L14として反射されて、所定の第2補助配光パターンP2を形成する。この所定の第2補助配光パターンP2を形成する反射光L14は、平面反射面7で反射されて投影レンズ6を透過して前方に投影される。
同じく、図1に示すように、半導体型光源4の発光体からの光L3の一部は、第1追加反射面の第3部分19で反射光L15として反射され、かつ、第2追加反射面12の第2部分26で反射光L16として反射されて、所定の第3補助配光パターンP3を形成する。この所定の第3補助配光パターンP3を形成する反射光L16は、平面反射面7で反射されて投影レンズ6を透過して前方に投影される。
同じく、図1に示すように、半導体型光源4の発光体からの光L3の一部は、第1追加反射面の第4部分20で反射光L17として反射され、かつ、第2追加反射面12の第3部分27で反射光L18として反射されて、所定の第4補助配光パターンP4を形成する。この所定の第4補助配光パターンP4を形成する反射光L18は、シェード5の透孔24を通過して平面反射面7で反射されて反射光L19として投影レンズ6を透過して前方に投影される。
同じく、図1に示すように、半導体型光源4の発光体からの光L3の一部は、遮光部材8の透孔22を通過して第1追加反射面の第5部分21で反射光L20として反射されて、所定の第5補助配光パターンP5を形成する。この所定の第5補助配光パターンP5を形成する反射光L20は、投影レンズ6を透過して前方に投影される。
このようにして、図4に示すように、カットオフラインCLを有する所定の配光パターンP、および、第1補助配光パターンP1、および、第2補助配光パターンP2、および、第3補助配光パターンP3、および、第4補助配光パターンP4、および、第5補助配光パターンP5、および、図示しない補助配光パターンが、投影レンズ6を透過して、自動車(車両)前方に投影されて路面などを照明する。第1補助配光パターンP1および第2補助配光パターンP2および第3補助配光パターンP3は、図4に示すように、所定の配光パターンPの中央でカットオフラインCLから下方に位置する高光度帯の配光パターンを形成する。また、第4補助配光パターンP4および第5補助配光パターンP5は、図4に示すように、所定の配光パターンPのカットオフラインCLよりも上方に位置するオーバーヘッドサイン用の配光パターンを形成する。
一方、図7に示すように、半導体型光源4からの光L3のうち、投影レンズ6に直接入射しようとする直射光L6は、遮光部材8により投影レンズ6への入射が遮られる。ここで、遮光部材8が無く、半導体型光源4からの直射光L21(破線で示す反射光)、すなわち、配光制御されていない直射光L21が投影レンズ6に入射すると、投影レンズ6から前に斜め上に抜けてしまい、グレアとなる場合がある。ところが、この実施例1の車両用灯具1は、遮光部材8により前記のグレアを防止することができる。なお、図7において、投影レンズ6から抜けていく直射光L21が一直線で図示されているが、実際には、投影レンズ6に入射するときと出射するときに屈折する。また、半導体型光源4からの光L3のうち、遮光部材8に遮られずに平面反射面7に直接入射する光(図示せず)もある。この光は、平面反射面7で所定の方向すなわち投影レンズ6側に反射され、配光制御された光として投影レンズ6を透過して前方に投影される。
同じく、図7に示すように、第2反射面12からの反射光のうち、投影レンズ6に直接入射しようとする反射光L7は、遮光部材8により投影レンズ6への入射が遮られる。ここで、遮光部材8が無く、第2反射面12からの反射光L22(破線で示す反射光)、すなわち、配光制御されていない反射光L22が投影レンズ6に入射すると、投影レンズ6から前に斜め上に抜けてしまい、グレアとなる場合がある。ところが、この実施例1の車両用灯具1は、遮光部材8により前記のグレアを防止することができる。なお、図7において、投影レンズ6から抜けていく反射光L22が一直線で図示されているが、実際には、投影レンズ6に入射するときと出射するときに屈折する。
同じく、図7に示すように、第2追加反射面23からの反射光のうち、投影レンズ6に直接入射しようとする反射光L8は、遮光部材8により投影レンズ6への入射が遮られる。ここで、遮光部材8が無く、第2追加反射面23からの反射光L23(破線で示す反射光)、すなわち、配光制御されていない反射光L23が投影レンズ6に入射すると、投影レンズ6から前に斜め上に抜けてしまい、グレアとなる場合がある。ところが、この実施例1の車両用灯具1は、遮光部材8により前記のグレアを防止することができる。なお、図7において、投影レンズ6から抜けていく反射光L23が一直線で図示されているが、実際には、投影レンズ6に入射するときと出射するときに屈折する。
ここで、半導体型光源4の発光体の点灯発光により、半導体型光源4に熱が発生すると、その熱は、ヒートシンク部材に伝達され、かつ、そのヒートシンク部材を介して外気(外部)に発散される。また、外交が投影レンズ6から半導体型光源4側の第1反射面9および第2反射面12および第1追加反射面17〜21および第2追加反射面23側に入射しようとすると、遮光部材8により遮蔽される。これにより、半導体型光源4の疑似点灯を防止することができる。
この実施例1にかかる車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4からの光L3を所定の方向に反射させる追加反射面としての第1追加反射面17〜21を遮光部材8に設けるので、この第1追加反射面17〜21により、半導体型光源4からの光L3を有効に活用することができる。すなわち、この実施例1にかかる車両用灯具1は、第1追加反射面17〜21により、半導体型光源4からの光L3を、所定の配光パターンPに対して、補助配光パターンP1〜P5として有効に活用することができる。特に、この実施例1にかかる車両用灯具1は、シェード5に設けられている第2追加反射面23の第1部分25および第2部分26および第3部分27により、第1追加反射面の第1部分17および第2部分18および第3部分19および第4部分20からの反射光L11、L13、L15、L17を反射光L12、L14、L16、L18として所定の方向に反射させることができる。これにより、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4からの光をさらに有効にさらに確実に利用することができる。
また、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4からの直射光L6および第2反射面12からの反射光L7および第2追加反射面23(25〜27)からの反射光L8が投影レンズ6に入射するのを遮る遮光部材8を半導体型光源4と投影レンズ6との間に配置する。このために、この実施例1にかかる車両用灯具1は、投影レンズ6から投影される所定の配光パターンP以外の光L21、L22、L23、すなわち、配光制御されていない光L21、L22、L23が投影レンズ6から出射されるのを防止することができる。これにより、この実施例1にかかる車両用灯具1は、交通安全に貢献することができる。
さらに、この実施例1にかかる車両用灯具1は、投影レンズ6とその投影レンズ6のレンズ焦点FL1との間に平面反射面7を投影レンズ6のレンズ光軸Z1−Z1に対して交差させて配置するものである。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具1は、投影レンズ6のレンズ焦点FL1が平面反射面7によりその平面反射面7に対して対称である位置に擬似レンズ焦点FL2として存在し、その擬似レンズ焦点FL2が楕円反射面の第1反射面9の第2焦点F2に位置し、また、水平な投影レンズ6のレンズ光軸Z1−Z1が平面反射面7により水平なレンズ光軸Z1−Z1に対して直交する垂直な擬似レンズ光軸Z3−Z3として存在し、その垂直な擬似レンズ光軸Z3−Z3が楕円反射面の第1反射面9の光軸Z2−Z2に一致する(すなわち、一致もしくはほぼ一致する)。これにより、この実施例1にかかる車両用灯具1は、投影レンズ6と平面反射面7とを水平方向に配置し、かつ、その投影レンズ6および平面反射面7と第1リフレクタ2および第2リフレクタ3および半導体型光源4およびシェード5とを垂直方向に配置することができる。したがって、この実施例1にかかる車両用灯具1は、水平方向の奥行き寸法Wおよび垂直方向の高さ寸法Hを小さくすることができ、奥行き寸法Wおよび高さ寸法Hを小さくするというニーズに対応することができる。なお、図6に示す奥行き寸法Wは、投影レンズ6の前端から第2リフレクタ3の後端までの寸法である。前記第2リフレクタ3の後面にヒートシンク部材が固定されていれば、奥行き寸法は、投影レンズ6の前端からヒートシンク部材の後端までの寸法となる。
特に、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4から投影レンズ6に直接入射する配光制御されていない直射光L6を遮光部材8により遮るものであるから、高さ寸法Hをさらに小さくすることができる。すなわち、遮光部材8が無い場合において、配光制御されていない直射光L6を半導体型光源4から投影レンズ6に直接入射するのを防ぐためには、半導体型光源4と投影レンズ6とを垂直方向に離す(高さ寸法Hを大きくする)必要がある。これに対して、この実施例1にかかる車両用灯具1は、遮光部材8を設けるので、この遮光部材8により配光制御されていない直射光L6を半導体型光源4から投影レンズ6に直接入射するのを防ぐことができ、高さ寸法Hを小さくすることができる。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4と投影レンズ6との間に配置した遮光部材8により、外光(図示せず)が投影レンズ6から半導体型光源4側の第1反射面9および第2反射面12および第1追加反射面17〜21および第2追加反射面23(25〜27)側に入射するのを遮蔽することができる。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具1は、外光が第1反射面9および第2反射面12および第1追加反射面17〜21および第2追加反射面23(25〜27)で反射して再び投影レンズ6から外部に出射して半導体型光源4が点灯していなくても恰も半導体型光源4が点灯しているかのように見える疑似点灯を防止することができる。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具1は、遮光部材8が投影レンズ6側から平面反射面7側にかけての所定の範囲に設けられているので、半導体型光源4からの直射光L6および第2反射面12からの反射光L7および第2追加反射面23(25〜27)からの反射光L8が投影レンズ6に入射するのを遮り、かつ、第1反射面9からの反射光L4および第2反射面12からの反射光L9および第2追加反射面23(25〜27)からの反射光L12、L14、L16が平面反射面7に入射することができると共に平面反射面7からの反射光L10、L19が投影レンズ6に入射することができる。このために、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4からの直射光L6および第2反射面12からの反射光L7および第2追加反射面23(25〜27)からの反射光L8のうち投影レンズ6に入射するのを遮られた光の一部を有効に利用することができ、光の利用効率が良い灯具を提供することができる。しかも、この実施例1にかかる車両用灯具1は、第1反射面9からの反射光L4および第2反射面12からの反射光L9および第2追加反射面23(25〜27)からの反射光L12、L14、L16を遮光部材8で遮ることなく平面反射面7に確実に入射させることができ、また、平面反射面7からの反射光L10、L19を遮光部材8で遮ることなく投影レンズ6に確実に入射させることができる。これにより、この実施例1にかかる車両用灯具1は、配光制御された光を損失することなく確実に利用することができる灯具を提供することができる。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具1は、楕円反射面の第1反射面9の第2焦点F2と半導体型光源4との間に配置されているシェード5により、半導体型光源4から放射されて第1反射面9で反射された反射光L4の一部をカットオフして残りの反射光L4でカットオフラインCLを有する所定の配光パターンPを形成することができる。しかも、この実施例にかかる車両用灯具1は、シェード5に設けられている第2反射面12により、シェード5でカットオフされた反射光L4を反射光L9として所定の方向すなわち平面反射面7に反射させることができるので、光の利用効率が良い。その上、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4からの光のうち、遮光部材8に遮られずに平面反射面7に直接入射する光(図示せず)を平面反射面7で所定の方向すなわち投影レンズ6側に反射させて、配光制御された光として投影レンズ6を透過させて前方に投影するので、半導体型光源4からの光のうち、第1反射面9および第1追加反射面17〜21に入射しない光の一部を有効に利用することができ、光の利用効率が良い。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具1は、第1追加反射面17〜21が5個の反射面からなり、また、第2追加反射面23(25〜27)が3個の反射面からなるので、5個の補助配光パターンP1〜P2を、高光度帯の配光パターンやオーバーヘッドサインの配光パターンなどの所望の補助配光パターンに、設計することが容易である。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具1は、平面反射面7とシェード5とが一体構造をなし、第1リフレクタ2と遮光部材8とが一体構造をなすので、部品点数を軽減することができ、その分、製造コストを安価にすることができる。しかも、この実施例1にかかる車両用灯具1は、投影レンズ6の擬似焦点FL2を形成する平面反射面7と所定の配光パターンPのカットオフラインCLを形成するシェード5とが一体構造をなすので、カットオフラインCLを有する所定の配光パターンPの精度を向上させることができる。また、この実施例1にかかる車両用灯具1は、第1反射面9を有する第1リフレクタ2と第1反射面9からの反射光L4を平面反射面7に入射させる遮光部材8とが一体構造をなすので、第1反射面9からの反射光L4を平面反射面7に確実に入射させることができ、配光制御された光を損失することなく確実に利用することができる。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4が第2リフレクタ3の凹部11に、半導体型光源4の基板14の平面が垂直となるように、取り付けられており、その第2リフレクタ3の後面にヒートシンク部材が垂直置きに設けられている。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4とヒートシンク部材とが水平(前後)に配置されるので、半導体型光源4において発生した熱を垂直置きのヒートシンク部材を介して効率よく発散させることができる。しかも、この実施例1にかかる車両用灯具1は、第1リフレクタ2および第2リフレクタ3および半導体型光源4およびシェード5および投影レンズ6および平面反射面7とヒートシンク部材とを水平(前後)に配置することができるので、ヒートシンク部材の上方を外気に開放させることができる。これにより、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4の熱を下から上にさらに効率よく外気に発散させることができる。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4からの光L3を所定の方向に通過させる透孔22を遮光部材8に設けるので、この遮光部材8の透孔22により、半導体型光源4からの光L3を有効に活用することができる。しかも、この実施例1にかかる車両用灯具1は、透孔22を形成する面に設けられた第1追加反射面の第5部分21により、半導体型光源4からの光L3をオーバーヘッドサイン用の配光パターンP5として有効に活用することができる。その上、この実施例1にかかる車両用灯具1は、第1追加反射面の第5部分21が楕円反射面からなるので、オーバーヘッドサイン用の配光パターンP5を均一に配光することができ、視認性が優れたオーバーヘッドサイン用の配光パターンP5が得られる。
さらにまた、この実施例にかかる車両用灯具1は、半導体型光源4からの光L3をシェード5側に反射させる第1追加反射面の第4部分20を遮光部材8に設け、かつ、第1追加反射面の第4部分20からの反射光L17を平面反射面7側に通過させる透孔24をシェード5に設けるので、この遮光部材8の第1追加反射面の第4部分20とこのシェード5の透孔24により、半導体型光源4からの光L3を有効に活用することができる。しかも、この実施例にかかる車両用灯具1は、第1追加反射面の第4部分20からの反射光L17を透孔24を通過させて平面反射面7に反射させる第2追加反射面23の第3部分27をシェード5に設けるので、この第1追加反射面の第4部分20および第2追加反射面23の第3部分27により、半導体型光源4からの光L3をオーバーヘッドサイン用の配光パターンP4として有効に活用することができる。その上、この実施例にかかる車両用灯具1は、第1追加反射面の第4部分20が楕円反射面からなるので、オーバーヘッドサイン用の配光パターンP4を均一に配光することができ、視認性が優れたオーバーヘッドサイン用の配光パターンP4が得られる。
図10〜図12は、この発明にかかる車両用灯具の実施例3を示す。図中、図1〜図9と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例3にかかる車両用灯具1Bについて説明する。
この実施例3にかかる車両用灯具1Bは、遮光部材8に半導体型光源4からの光L3を所定の方向に反射させる第1追加反射面29を設ける。前記第1追加反射面29は、図10に示すように、楕円反射面からなり、第1反射面9の第1焦点F1もしくはその近傍に位置する第1焦点F17と、前記第1焦点F17よりも上方に位置する第2焦点27と、を有する。一方、シェード5に追加第2反射面30を設ける。前記第2追加反射面30を前記第2焦点27の近傍に位置させる。また、前記第2追加反射面30を、第1反射面9の第2焦点F2と半導体型光源4の頂点とを結ぶ線31よりも前記シェード5側に位置させる。前記第2追加反射面30は、楕円反射面もしくはその他の曲面反射面もしくは平面反射面からなる。
この実施例3にかかる車両用灯具1Bは、以上のごとき構成からなるので、半導体型光源4からの光L3が第1追加反射面29で反射されて、反射光L27として第2焦点F27に進む。この反射光L27は、第2焦点F27において第2追加反射面30で反射されて、反射光L28として平面反射面7に進む。この反射光L28は、平面反射面7で反射されて、反射光L29として投影レンズ6を透過して前方に第7補助配光パターンP7として投影される。この第7配光パターンP7は、図12中の破線を施した部分に示すように、所定の配光パターンPの中央でカットオフラインCLから手前にかけて位置する拡散タイプの配光パターンを形成する。
この実施例3にかかる車両用灯具1Bは、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1、2にかかる車両用灯具1、1Aと同様もしくはほぼ同様の効果を達成することができる。
特に、この実施例3にかかる車両用灯具1Bは、第2追加反射面30が第1反射面9の第2焦点F2と半導体型光源4の頂点とを結ぶ線31よりもシェード5側に位置するので、図11に示すように、第1反射面9からの反射光L4が、シェード5に沿って第1反射面9の第2焦点F2に進む際に、シェード4に設けられている第2追加反射面30により遮られるようなことはない。このように、この実施例3にかかる車両用灯具1Bは、半導体型光源4からの光を損失することなく確実に利用することができる灯具を提供することができる。
なお、前記の実施例1、2、3においては、車両用灯具として自動車用前照灯について説明するものである。ところが、この発明においては、車両用灯具として自動車用前照灯以外の灯具、たとえば、リヤコンビネーションランプのテールランプやブレーキランプやテール・ブレーキランプやバックアップランプなどであっても良い。
また、前記の実施例1、2、3においては、第1反射面9と第2反射面12と第1追加反射面17〜21、29と第2追加反射面23(25〜27)、28、30とを有する例について説明するものである。ところが、この発明においては、リフレクタに設けた楕円反射面(第1反射面9)と遮光部材に設けた追加反射面とを有するものでも良い。すなわち、この発明においては、第2反射面12と第2追加反射面23(25〜27)、28、30とを設けなくても良い。この場合においては、第2反射面からの反射光と第2追加反射面からの反射光とが発生しないので、遮光部材は、第2反射面からの反射光と第2追加反射面からの反射光とを遮る必要がない。
さらに、前記の実施例1、2、3においては、カットオフラインCLを有する所定の配光パターンPと補助配光パターンP1〜P7とが照射されるものである。ところが、この発明においては、所定の配光パターンとしては、カットオフラインを有しない配光パターン、たとえば、フォグランプ用配光パターン、濡路用配光パターン、ディタイムランプ用配光パターン、テールランプ用配光パターン、ブレーキランプ用配光パターン、テール・ブレーキランプ用配光パターン、バックアップランプ用配光パターンなどであっても良い。
さらにまた、前記の実施例1、2、3においては、第1リフレクタ2と第2リフレクタ3とを別個に形成して固定部材によりヒートシンク部材と共に一体に固定するものである。ところが、この発明においては、第1リフレクタ2と第2リフレクタ3とを一体に形成しても良い。
さらにまた、前記の実施例1、2、3においては、投影レンズ6と第1リフレクタ2および第2リフレクタ3とを別個に形成して相互に取り付けるものである。ところが、この発明においては、投影レンズ6と第1リフレクタ2および第2リフレクタ3とを一体に形成しても良い。この場合、リング部材や取付部などが不要である。
さらにまた、前記の実施例1、2、3においては、遮光部材8が投影レンズ6に直接入射する半導体型光源4からの直射光L6と投影レンズ6に直接入射する第2反射面12からの反射光L7と投影レンズ6に直接入射する第2追加反射面23(25〜27)、28、30からの反射光L8とを遮るものである。ところが、この発明においては、少なくとも、投影レンズ6に直接入射する半導体型光源4からの直射光L6のみを遮るものであれば良い。
さらにまた、前記の実施例1、2、3においては、第1追加反射面17〜21、29が第1反射面9と同様の楕円反射面からなるものである。ところが、この発明においては、第1追加反射面がその他の曲面もしくは平面からなるものでも良い。