JP4586687B2 - 運転支援装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載の技術では、建物等があることで接近車両との通信が困難な交差点を検出し、そのような交差点を検出した場合に自車両の前後方向の車両の存在を送信することで、車車間通信が困難な交差点での情報通信を可能にしている。
ところが、一般に車車間通信システムでは、
(1)車車間通信システムが直進性の高いギガヘルツ帯の電波を使用した場合、建物等で見通しの利かないような交差点では、その直前に近づくまでデータの送受信ができない場合がある。
(2)車車間通信システムでは、自車位置をGPS(Global Positioning System)で検出し、その検出結果を車車間で送受信して相手の車両位置を検出している。一方、一般的に商品化されているGPSは、データ更新周期(自車両位置更新周期)が約1秒になっている。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、GPSにおけるデータ更新周期の影響を受けることなく、他車両の接近の注意喚起を行うことができる運転支援装置の提供を目的とする。
この運転支援装置は、前記他車両との通信により、前記車両位置検出手段が検出した他車両の位置を受信する通信手段と、前記通信手段が受信した前記他車両の位置に基づいて、自車両の運転者に情報提供を行う情報提供手段と、を備え、自車両の位置を自車両位置検出手段により検出し、交差点における自車両周囲の走行環境を自車両周囲走行環境検出手段により検出し、前記自車両位置検出手段が検出した自車両の位置と、前記自車両周囲走行環境検出手段が検出した自車両周囲の走行環境とに基づいて、前記通信手段の通信可能範囲を通信可能範囲算出手段により算出し、前記通信手段が受信した前記他車両の位置を、前記通信可能範囲算出手段が算出した通信可能範囲に基づいて補正している。
本実施形態は、本発明に係る運転支援装置を搭載した車両である。図1に示すように、車両には、運転支援装置として、車車間通信機1、自車位置検出部2、走行環境検出部3、通信可能範囲演算部4、他車位置補正部5及び情報提供装置6が搭載されている。
自車位置検出部2は、GPS(Global Positioning System)を搭載しており、GPS衛星からの信号を受信して自車両の位置座標(以下、自車位置座標という。)と自車両の進行方向(以下、自車進行方向という。)を検出する。そして、自車位置検出部2は、検出した自車両位置座標を所定周期で更新している。ここで、所定周期は、GPSにおいてデータ更新周期(自車両位置更新周期)である約1秒になる。この自車位置検出部2は、検出データを走行環境検出部3、通信可能範囲演算部4及び情報提供装置6に出力する。
ここで、検出データは例えば次のようになる。
例えば図2に示すような道路周辺の線形データ(道路形状データ)である。ここで、線形データには、例えば自車両が走行している道路及びその周辺の道路の番号(リンク番号)Ln(n=0,1,2,3,・・・)、そのリンク番号に対応された、当該リンクに含まれる(他のリンクとを結ぶ)ノードの番号(ノード番号)Nn、当該ノードの座標(xn,yn)、並びに当該ノードにおける道路のなす角度(ノードに接続されるリンク同士でなす角度)θ及び分岐路の数等が含まれている。
通信可能範囲演算部4は、自車位置検出部2からの自車位置座標データ及び自車進行方向データと、走行環境検出部3からの各種データに基づいて、自車両の車車間通信機1による通信可能範囲を演算する。そして、通信可能範囲演算部4は、演算結果を他車位置補正部5に出力する。
情報提供装置6は、他車位置補正部5が補正した他車位置(情報提供演算用他車距離)、自車位置検出部2からの自車位置及び自車速に応じて運転支援情報を乗員に提供する。
ここで、特定の走行シーンを想定して説明する。例えば、図4のような走行シーンを想定する。図4に示すように、自車両100の前方がT字路となっており、その手前には一時停止マークMがある。そして、自車両100が走行する道路は非優先道路(支線道路)200であり、自車両100からみて、優先道路201の右側からT字路に接近車両(他車両)101が接近している。また、交差点付近には、自車両100の走行路(支線道路)200の両側、及び自車両100からみて優先道路201の向こう側に建物が存在している。そして、自車両100の運転者は、T字路を左折したいと思っている。よって、このような走行シーンでは、左折後に自車両と同一車線を走行することになる前記接近車両101との車車間通信が必要になる。
このような走行シーンで、先ずステップS1において、通信可能範囲演算部4が、自車位置検出部2が検出した自車位置座標(xn,yn)を取得して、その自車位置座標(xn,yn)をPh(xh,yh)として記憶する。
図6は、リンクL2上の車両との車車間通信に着目した場合に、右側建造物有無データKR(Ln)及び左側建造物有無データKL(Ln)と建造物A,Bの有無との関係を示す表である。
例えば、図4に示すように、交差点中央(同図中のS点)からxの距離に自車両100を止めて、他車両101をゆっくりと走行させていったときに、自車両100が他車両101と通信できたときの他車両101の座標を予め実験、或いは計算で求める。そして、その求めた他車両101の座標と、交差点中央(同図中のS点)の座標との距離ΔRRを、ここでいう通信可能範囲にしている。なお、後述の図7の通信可能範囲も同様な定義により決定している。
自車両が右折する場合、リンクL2上及びリンクL3上の車両を検出する必要がある。このようなことから、自車両が右折する場合、リンクL2に隣接する建造物A,Bの他に、リンクL3に隣接する建造物C,Dを検出する必要があり、図7は、建造物C,Dの有無に対応したものになっている。
以上のように、交差点周囲の建造物の有無に基づいて、車車間通信の通信電波の届き難さを判断して、通信可能範囲を設定している。
ここで、自車両から交差点中央までの距離Lphは下記(1)式により算出できる。
Lph={(x1−x2)2+(y1−y2)2}0.5 ・・・(1)
よって、情報提供装置6は、この(1)式により算出した距離Lphが距離判定用しきい値Lcr以下であり、かつ自車速Vhが車速判定用しきい値Vstp以下であれば、自車両が交差点直前で一時停止していると判定する。そして、このように自車両が交差点直前で一時停止したと判定した場合、情報提供フラグfINFを1に設定し、そして情報提供を開始する。そして、その後、所定距離を走行したとき、自車両が交差点を通過したとして情報提供フラグfINFをクリアにする(fINF=0)。
続いてステップS5において、他車位置補正部5が、他車位置を補正する。図8は、その補正処理の処理手順の詳細を示すフローチャートである。なお、ここでも、運転者が左折しようとしているから、他車両(リンクL2上の車両)が右側から接近してくる走行シーンを想定して説明する。
なお、kは、処理(マイクロコンピュータ)のサンプリング回数を示す(k=1,2,3,・・・)。
Lpt={(x1−xt(k))2+(y1−yt(k))2}0.5 ・・・(2)
ここで、(x1,y1)は交差点のノードの座標になる。
ステップS17では、情報提供演算用他車距離Lptiに、前記距離Lptよりも小さい通信可能範囲ΔRRを設定する(Lpti=ΔRR)。そして、ステップS19に進む。
ステップS19では、現在の他車位置座標Pt(xt(k),yt(k))と前回のサンプリング時の他車位置座標Pt(xt(k−1),yt(k))とが一致するか否か、すなわち、他車両のGPS座標(自車両が保持する他車位置データ)が更新されたか否か(他車位置に変化があるか否か)を判定する。ここで、現在の他車位置座標Pt(xt(k),yt(k))と前回のサンプリング時の他車位置座標Pt(xt(k−1),yt(k))とが一致する場合、他車両のGPS座標が更新されていないとして、ステップS23に進み、そうでない場合、すなわち他車両のGPS座標が更新されたとして、ステップS20に進む。
続いてステップS21において、前記ステップS20で算出した距離Lptが情報提供演算用他車距離Lpti未満か否かを判定する。ここで、情報提供演算用他車距離Lptiは、他車両との通信が不可能な状態から可能な状態となった場合には、前記ステップS17で設定した値(Lpti=ΔRR)又はステップS18で設定した値(Lpti=Lpt)であり、他車両との通信が不可能な状態から可能な状態になり、その後、その通信可能状態が維持されている場合には、後述のステップS23で設定した値である。
ステップS22では、情報提供演算用他車距離Lptiに前記ステップS20で算出した距離Lpt、すなわち前記ステップS21で比較に用いた情報提供演算用他車距離Lptiよりも小さい値Lptを設定する(Lpti=Lpt)。
Lpti=Lpti−ΔT・Vt ・・・(3)
ここで、ΔTは、サンプリング時間である。
これにより、他車両でGPS座標が更新されるまでの間、当該他車両の位置を当該他車両の速度を用いて補間して得る。
他車両との通信が不可能な状態の場合、通信状態判定フラグfCMN(k)を0に設定する(前記ステップS11、ステップS13)。一方、他車両との通信が可能な状態の場合、通信状態判定フラグfCMN(k)を1に設定する(前記ステップS11、ステップS12)。
他車両との通信が可能になったタイミングで取得した他車位置座標Pt(xt(k),yt(k))に基づいて得た前記距離Lptと通信可能範囲ΔRRとで小さい方の値を初期値(同図中、○印)として、他車速度を用いた補間により情報提供演算用他車距離Lptiが更新されていく。そして、通信可能状態が維持されている状態で、他車両のGPS座標が更新されると、その更新された他車位置座標Pt(xt(k),yt(k))に基づいて得た前記距離Lptと、その時点での情報提供演算用他車距離Lptiとで小さい方の値を初期値として、他車速度を用いた補間により情報提供演算用他車距離Lptiが更新されていく。すなわち、常に、より小さくなる値として情報提供演算用他車距離Lptiが更新されていく。
続いてステップS6において、情報提供装置6が、運転者に警報するか否かの警報判定を行う。ここで、警報判定では、例えば、前記ステップS5で得た情報提供演算用他車距離Lptiと他車両の車速Vtとから、他車両の交差点までの到達時間TTC(=Lpti/Vt)を算出し、その到達時間TTCが所定時間(例えば3秒)以下で、かつ自車両が動いている場合(Vh≠0)、警報を行う。警報は、例えば、図示しないブザーを駆動することで、運転者に交差点に他の車両が接近していることを注意喚起する。
先ず、通信可能範囲演算部4は、自車位置検出部2が検出した自車位置座標(xn,yn)を取得して、その自車位置座標をPh(xh,yh)として記憶する(前記ステップS1)。さらに通信可能範囲演算部4は、走行環境検出部3から自車両前方の道路形状データ、道路種別データ、道路幅データ及び建造物データを取得する。そして、通信可能範囲演算部4は、そのようにして取得した情報に基づいて、自車両前方の交差点の有無を判定し(前記ステップS2)、その交差点近傍の建造物の有無に基づいて、他車両との通信可能範囲を設定する(前記ステップS3)。
前述したように、車車間通信機1が受信した他車両の位置(情報提供演算用他車距離Lpti)を、交差点における自車両周囲の走行環境を考慮して得た当該車車間通信機1の通信可能範囲ΔRRに基づいて補正している。これにより、車車間通信機1が受信した他車両の位置を補正する場合でも、より正確度が増す方向にその補正をすることができるようになる。
また、前述したように、走行環境検出部3は、自車両周囲の走行環境の情報として、道路形状や建造物に関する情報を取得して、通信可能範囲演算部4では、その取得情報に基づいて通信可能範囲ΔRRを算出している。よって、算出された通信可能範囲ΔRRはより正確なデータとなる。この結果、さらに正確度が増す方向に車車間通信機1が受信した他車両の位置の補正を行うことができる。
すなわち、前記実施形態では、特定の走行シーン(図4等)に基づく説明を行った。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、本発明が適用可能である限り、他の走行シーンであっても良い。
2 自車位置検出部
3 走行環境検出部
4 通信可能範囲演算部
5 他車位置補正部
6 情報提供装置
Claims (5)
- 車両位置を検出して、所定周期で前記車両位置を更新していく車両位置検出手段を備える他車両と通信し、交差点で自車両の運転者に前記他車両の情報を提供する運転支援装置において、
前記他車両との通信により、前記車両位置検出手段が検出した他車両の位置を受信する通信手段と、
前記通信手段が受信した前記他車両の位置に基づいて、自車両の運転者に情報提供を行う情報提供手段と、
自車両の位置を検出する自車両位置検出手段と、
前記交差点における自車両周囲の走行環境を検出する自車両周囲走行環境検出手段と、
前記自車両位置検出手段が検出した自車両の位置と、前記自車両周囲走行環境検出手段が検出した自車両周囲の走行環境とに基づいて、前記通信手段の通信可能範囲を算出する通信可能範囲算出手段と、
前記通信手段が受信した前記他車両の位置を、前記通信可能範囲算出手段が算出した通信可能範囲に基づいて補正する他車両位置補正手段と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。 - 前記自車両周囲走行環境検出手段は、前記自車両周囲の走行環境として、自車両周囲の道路形状及び建造物の少なくとも一方を検出することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
- 前記他車両位置補正手段は、前記通信手段の前記他車両との通信状態が不可能な状態から可能な状態に変化した場合、当該通信手段が受信した他車両の位置が前記通信可能範囲外になる場合、前記他車両の位置を前記通信可能範囲内の値に補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援装置。
- 前記他車両で前記車両位置検出手段による他車両の位置の更新がなされるまで、前記車両位置検出手段で直近に更新された他車両の位置を初期値とし、前記他車両の速度を用いて補間により当該他車両の位置を予測するとともに更新していく他車両位置予測更新手段を備えており、前記他車両位置予測更新手段は、前記他車両位置補正手段が前記他車両の位置を前記通信可能範囲内の値に補正した場合、当該補正値を前記初期値として他車両の位置を更新していくことを特徴とする請求項3記載の運転支援装置。
- 前記他車両位置予測更新手段は、前記補正値を前記初期値として他車両の位置を更新している最中に、前記車両位置検出手段が更新した新たな他車両の位置を前記通信手段が受信した場合、当該新たな他車両の位置と前記補正値を前記初期値として更新して得た他車両の位置とのうち、自車両に近い位置を用いて他車両の位置の更新をしていくことを特徴とする請求項4記載の運転支援装置。
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