JP4586279B2 - 送信装置および方法、受信装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

送信装置および方法、受信装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信装置および方法、受信装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、再配信された情報の不正利用を容易に防止することができるようにした送信装置および方法、受信装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、従来のデジタル衛星放送の再配信システムの構成例を示している。
【0003】
衛星放送事業者Aが管理するセンタ局1は、番組供給事業者(図示せず)から供給された、MPEG(Moving Picture Coding Experts Group)2の規格に準拠して圧縮された番組素材を、電子番組案内情報(EPG(Electronic Program Guide))、および視聴者管理情報等のサービス情報とともに多重化して、トランスポートストリームを生成する。センタ局1は、生成したトランスポートストリームにスクランブルを施し、それを、デジタル衛星放送信号(直線偏波のCS波)としてCS衛星2に向けて送信する。
【0004】
センタ局1はまた、トランスポートストリームに施されたスクランブルを解除するためのデスクランブル情報を記憶するICカード12を発行する。
【0005】
センタ局1はさらに、受信システム5から、電話回線6を介して送信される視聴情報に基づいて視聴料を計算し、その計算結果を、CATV局3に、電話回線6を介して送信する。
【0006】
CATV事業者Aが管理するCATV局3は、CS衛星2から送信されてきた(配信されてきた)デジタル衛星放送信号を受信するとともに、受信したデジタル衛星放送信号(トランスポートストリーム)から、ケーブルテレビ網4を介して再配信するためのトランスポートストリームを生成し、それをCATV放送信号として、ケーブルテレビ網4を介して、受信システム5に送信する。
【0007】
CATV局3はまた、センタ局1から、電話回線網6を介して送信されてきた視聴料に応じて、電話回線6を介して、受信システム5に視聴料の請求を行う。
【0008】
受信システム5は、例えば、視聴者A宅に設けられ、受信機11、ICカード12、およびテレビジョン受像機13により構成される。受信機11は、ケーブルテレビ網4を介して送信されてきたCATV放送信号に対して、復調、誤り訂正等を施すとともに、トランスポートストリームに施されているスクランブルを、CATV放送の視聴が可能であると判定された場合に出力される、ICカード12からのデスクランブル情報に基づいてデスクランブルする。
【0009】
受信機11は、スクランブルが解除されたトランスポートストリームから、所定の番組情報を抽出し、それをMPEG2の規格に準拠して伸張し、その結果得られたビデオ信号およびオーディオ信号を、テレビジョン受像機13に供給して出力させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CATV事業者Aを含む、衛星放送事業者Aから配信されるデジタル衛星放送を再配信するCATV事業者は、規格化された方式で、再配信信号(CATV放送信号)を生成する。すなわち、受信機11は、CATV事業者Aから貸し出されるが、その受信機11で、CATV事業者Aでない他のCATV事業者(例えば、CATV事業者B(図示せず))からのCATV放送信号を受信することができる。
【0011】
ICカード12は、衛星放送事業者Aにより発行され、CATV事業者Aがそれを借り受け、受信機11とともに、視聴者Aに貸し出す。すなわち、ICカード12が行う、CATV放送の視聴が可能か否かの判定は、衛星放送事業者Aのデジタル衛星放送が適切に視聴されるか否かに基づいて行われる。従って、衛星放送事業者Aからのデジタル衛星放送であれば、それがCATV事業者Bから再配信されたものであっても、ICカード12でスクランブルを解除することができる。
【0012】
このようなことから、例えば、視聴者Aが、CATV事業者Aから借りた受信機11およびICカード12を持って、CATV事業者Bのサービス地域内に移転した場合、視聴者Aは、CATV事業者BからのCATV放送信号を受信機11で受信することができるとともに、ICカード12を利用して、その信号にかけられているスクランブルを解除することができる。
【0013】
また、CATV事業者Aから借りたICカード12だけをもって移転した場合でも、視聴者Aは、CATV事業者BからのCATV放送信号を、CATV事業者Bから別に貸し出された受信機(図示せず)で受信し、そしてICカード12を利用して、スクランブルを解除することができる。
【0014】
なお、CATV事業者Aから貸し出されたICカード12を利用して、CATV事業者BからのCATV放送信号を視聴すると、視聴者Aの視聴料は、CATV事業者Aに支払われる。従って、CATV事業者Bは、視聴者Aにサービスを提供しているにもかかわらず、その視聴料を得ることができない。
【0015】
このように、従来のデジタル衛星放送の再配信システムでは、再配信されるサービスが不正利用される課題があった。
【0016】
なお、アナログ放送信号の再配信システムにおいては、再配信信号の配信方式が、各事業者により異なっているので、所定の事業者から借り受けた受信装置で、他の事業者からの再配信信号を受信することはできない。
【0017】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、デジタル衛星放送の再配信システムにおいて、再配信されるサービスの不正利用を防止するものである。
【課題を解決するための手段】
本発明の送信装置は、受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置において、衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得する受信手段と、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換える変換手段と、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信する送信手段とを備える。
【0018】
前記受信装置においては、前記ケーブルテレビ網を介して送信されてきた前記トランスポートストリームのNITに設定された前記第2のディスクリプタに含まれる前記コードが、前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと一致する場合、前記ICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて、前記番組のデータにかけられているスクランブルが解除される。
【0019】
前記変換手段には、前記トランスポートストリームのNITに前記他の送信装置により設定された、伝送路としての衛星放送に関する情報を含む第3のディスクリプタを、前記ケーブルテレビ網に関する情報を含む第4のディスクリプタに変換させ、前記送信手段には、前記第2のディスクリプタと前記第4のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを前記受信装置に送信させることができる。
【0020】
本発明の送信方法は、受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置の送信方法において、衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信するステップを含む。
【0021】
本発明の第1の記録媒体は、受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体において、衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信するステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている。
【0022】
本発明の第1のプログラムは、受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0023】
本発明の受信装置は、衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置において、前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信する受信手段と、8ビットのコードを記憶するメモリと、受信された前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記メモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生する制御手段とを備える。
【0024】
前記制御手段には、前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記メモリに記憶されている8ビットのコードが一致しない場合、前記受信装置を使用することができない旨を表示させることができる。
【0025】
本発明の受信方法は、衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置の受信方法において、前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信し、受信した前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記受信装置内に設けられるメモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生するステップを含む。
【0026】
本発明の第2の記録媒体は、衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体において、前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信し、受信した前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記受信装置内に設けられるメモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生するステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている。
【0027】
本発明の第2のプログラムは、衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信し、受信した前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記受信装置内に設けられるメモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0028】
本発明の送信装置、送信方法、第1の記録媒体に記録されているプログラム、および第1のプログラムにおいては、衛星放送が受信され、番組のデータを含むトランスポートストリームが取得される。また、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタが、前記任意のデータに代えて、受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードが設定されることによって第2のディスクリプタに書き換えられ、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームが、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信される。
【0029】
本発明の受信装置、受信方法、第2の記録媒体に記録されているプログラム、および第2のプログラムにおいては、送信装置から送信されてきたトランスポートストリームが受信され、受信された前記トランスポートストリームのNITに含まれる第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、受信装置内に設けられるメモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルが解除され、前記番組のデータが再生される。
【0034】
図2は、本発明を適用したデジタル衛星放送の再配信システムの構成例を示している。
【0035】
衛星放送事業者Xが管理するセンタ局21は、番組供給事業者(図示せず)から供給された、MPEG2の規格に準拠して圧縮された番組素材を、EPGおよび視聴者管理情報等のサービス情報とともに多重化してトランスポートストリームを生成する。センタ局21はこのとき、詳細は後述するが、CATV事業者Xが再配信時に利用できる領域を、トランスポートストリームの、データ記述のために予め確保されている領域内に設定する。
【0036】
センタ局21は、生成したトランスポートストリームにスクランブルを施し、それを、デジタル衛星放送信号(直線偏波のCS波)としてCS衛星22に向けて送信する。
【0037】
センタ局21はまた、トランスポートストリームに施されたスクランブルを解除するためのデスクランブル情報を記憶するICカード32を発行する。
【0038】
センタ局21はさらに、受信システム25から、電話回線26を介して送信される視聴情報に基づいて視聴料を計算し、その計算結果を、CATV局23に、電話回線26を介して送信する。
【0039】
図3は、センタ局21から送出されるトランスポートストリームを構成するトランスポートパケット(正確には、誤り訂正符号が付加される前のトランスポートパケット)の構造を示している。
【0040】
188バイトのトランスポートパケットの先頭の4バイトは、パケットヘッダである。パケットヘッダには、パケット内の同期バイト、およびパケットの個別ストリーム(データ列)の属性を示すPID(Packet Identification)等が格納されている。
【0041】
残りのバイト184バイトは、データ部であり、そこには、ビデオデータやオーディオデータが、それを構成するPES(Packetized Elementary Stream)が再分割されて格納されているか、または簡便な選局操作を実現するための情報であるプログラム仕様情報(PSI(Program Specific Information))若しくは簡便なプログラム選択操作を実現するために必要な情報であるSI(Service Information))が格納される。
【0042】
例えば、PSIには、プログラム・アソシエーション・テーブル(PAT(Program Association Table))、プログラム・マップ・テーブル(PMT(Program Map Table))、ネットワーク・インフォメーション・テーブル(NIT(Network Information Table))等のテーブル類がセクション形式で配置される。
【0043】
図4は、PATのデータ構造を示す。テーブルID(8ビット)は、PATであることを表し、例えば、”0x0000”(”0x”は、16進表記であることを示す)とされる。
【0044】
セクション・シンクタクス・インジケータ(1ビット)は、セクションのヘッダがロングフォームであるかショートフォームであるかを示す。リザーブ(2ビット)は、将来意味付けされるフラグである。
【0045】
セクション長(12ビット)は、この直後からセクションの最後まで(CRC(Cyclic Redundancy code)符号があるときはそれを含む)のセクション長をバイト単位で示す。TSID(16ビット)は、トランスポートストリームを識別するものであり、衛星の場合には、これによりトランスポンダが識別される。
【0046】
バージョン番号(5ビット)は、PATのバージョンを示し、PATの内容が更新される毎に1だけインクリメントされる。カレント・ネクスト・インジケータ(1ビット)は、PATの新旧バージョンを同時に伝送する際に、何れのバージョンのものであるかを示す。
【0047】
セクション番号(8ビット)は、セクション番号を示し、最初のセクションのセクション番号は、”0x00”とされ、それ以降のセクションのセクション番号は、1づつインクリメントされる。最後セクション番号(8ビット)は、同一サブテーブルの最後のセクションのセクション番号を示す。
【0048】
プログラム番号(16ビット)は、チャンネルを表し、ネットワークPID(13ビット)は、プログラム番号が”0x0000”の場合、NITのPIDを示す。プログラム・マップPID(13ビット)は、PMTに対応するPIDを示す。
【0049】
なお、図4中、2重線で囲まれている、プログラム番号、リザーブ、ネットワークPID、およびプログラム・マップPIDは、繰り返し記述される。
【0050】
CRC(32ビット)は、セクション全体の誤り検出コードである。
【0051】
図5は、PMTのデータ構造を示している。なお、PATにおける場合と重複する部分については、その説明は省略する。
【0052】
テーブルID(8ビット)は、PMTであることを表し、例えば、”0x02”とされる。
【0053】
プログラム番号(16ビット)は、チャンネルを示す。PCRPIDは、PCR(Program Clock Reference)を格納するパケットのPIDを示す。プログラム情報長(12ビット)は、直後のループでこのサービスに共通する情報である。
【0054】
ディスクリプタは、セクションの内容を補完する情報が記述される記述子である。
【0055】
ストリーム・タイプ(8ビット)は、映像、音声、またはデータ等、ストリームが伝送される信号の種類を示す。エレメンタリPID(13ビット)は、エレメンタリストリームのPIDを示す。
【0056】
ES情報長(12ビット)は、直後のループであり、そのエレメンタリストリームの情報である。
【0057】
図5中、2重線で囲まれているディスクリプタ、ストリーム・タイプ、リザーブ、エレメンタリPID、およびES情報長は、繰り返し記述される。
【0058】
図6は、伝送路の物理的特性に関する情報を示すNITのデータ構造を示している。テーブルID(table _id)は、NITであることを表す。ネットワークID(network _id)は、ネットワークを識別するためのもので、衛星の場合には、これにより、衛星が識別される。
【0059】
バージョン番号(version _number)は、テーブル内容が更新される毎に、1だけインクリメントされる。カレント・ネクスト・インジケータ(current _next _indicator)は、新旧バージョンを同時に伝送する際に、何れのパージョンのものであるかを示す。
【0060】
NITにはまた、ネットワーク全体に関するネットワーク・ディスクリプタを含む第1のループと、トランスポートストリームに関するトランスポートストリーム・ディスクリプタを含む第2のループが設けられている。
【0061】
図7は、ネットワーク・ディスクリプタとして、第1のループに含まれるスタッフィング・ディスクリプタ(stuffing _descriptor)の構造を示している。このスタッフィング・ディスクリプタは、トランスポートストリームの送信側が、自由に利用することができるデータ領域として設けられているものである。
【0062】
記述タグ(descriptor _tag)(8ビット)は、スタッフィング・ディスクリプタであることを表し、例えば、“0x42”とされる。記述長(descriptor _length)(8ビット)は、これの直後に続く記述子のデータ部分の全バイト数を示す。
【0063】
スタッフィング・バイト(stuffing _byte)(8ビット)は、任意のデータである。
【0064】
すなわち、センタ局21は、CATV事業者が利用できるデータ領域として、このスタッフィング・ディスクリプタを、NITに設けるようにして、トランスポートストリームを生成する。
【0065】
このスタッフィング・ディスクリプタは、CATV局23において書き換えられる(後述)。
【0066】
図8は、トランスポートストリーム・ディスクリプタとして、第2のループに記述されるサテライト・デリバリ・システム・ディスクリプタ(Satellite delivery system descriptor)の構造を示している。このディスクリプタは、トランスポートストリーム・ディスクリプタのうち、第1番目に使用されものである。
【0067】
記述タグ(descriptor _tag)(8ビット)は、サテライト・デリバリ・システム・ディスクリプタであることを表し、例えば、“0x43”とされる。周波数(frequency)は、衛星(例えば、CS衛星22)のトランスポンダの伝送周波数を示す。軌道(orbital _position )、西経/東経フラグ(west _east _flag)、偏波(polarization)は、衛星(例えば、CS衛星22)の軌道および偏波を示す。変調(modulation)、シンボルレート(symbol _rate)、および内側誤り訂正符号化率(FEC _inner)は、衛星(例えば、CS衛星22)を介する伝送方式に関する仕様を示す。
【0068】
このディスクリプタは、CATV局23において、書き換えられる(後述)。
【0069】
図9は、トランスポートストリーム・ディスクリプタとして、第2のループに記述されるサービス・リスト・ディスクリプタ(service _list _descriptor)の構造を示している。このディスクリプタは、トランスポートストリーム・ディスクリプタのうち、第2番目以降として使用される。
【0070】
サービスID(service _id)は、サービスを識別するものである。通常、サービスIDは、視聴者が選局するチャンネルと一致する。サービスタイプ(service _type)は、図10に示すようなサービスタイプの内容を示すものである。例えば、“0x01”は、デジタルTVサービスを意味する。
【0071】
図3に戻り、トランスポートパケットのデータ部にはまた、アダプテーションフィールドとして、PCRが格納される。
【0072】
図2に戻り、CATV局23は、アンテナ23Aにより受信された、CS衛星22から送られてきたデジタル衛星放送信号(トランスポートストリーム)から、再配信用のトランスポートストリームを生成するが、このときNITのスタッフィング・ディスクリプタ(図7)およびサテライト・デリバリ・システム・ディスクリプタ(図8)を書き換える。
【0073】
スタッフィング・ディスクリプタは、図11に示すような、オペレータ・コード・ディスクリプタ(Operator _code _descriptor)に書き換えられる。
【0074】
オペレータ・コード・ディスクリプの記述タグ(descriptor _tag)(8ビット)は、オペレータ・コード・ディスクリプタを識別するものであり、記述長(8ビット)は、この直後に続くディスクリプタのデータ部分の全バイト数を示す。
【0075】
オペレータ・コード(Operator _code)(8ビット)は、CATV事業者(例えば、CATV局23を管理するCATV事業者X)に固有のコードである。
【0076】
また、サテライト・デリバリ・システム・ディスクリプタは、図12に示すような、ケーブル・デリバリ・システム・ディスクリプタに書き換えられる。
【0077】
ケーブル・デリバリ・システム・ディスクリプタの記述タグ(descriptor _tag)(8ビット)は、ケーブル・デリバリ・システム・ディスクリプタであることを表し、例えば、“0x44”とされる。周波数(frequency)は、再配信される伝送路(例えば、ケーブルテレビ網24)の物理チャンネル毎の伝送周波数を示している。変調(modulation)、シンボルレート(symbol _rate)、および内側誤り訂正符号化率(FEC _inner)は、伝送路(例えば、ケーブルテレビ網24)を介する伝送方式に関する仕様を示す。
【0078】
図2に再度戻り、CATV局23は、センタ局21からの視聴料情報に基づいて、視聴者Xに視聴料の請求を行う。
【0079】
受信システム25は、例えば、視聴者X宅に設けられ、受信機31、ICカード32、およびテレビジョン受像機33から構成されている。
【0080】
受信機31は、衛星放送事業者Xにより発行されたICカード32とともに、CATV事業者Xにより貸し出されるが、受信機31には、貸し出し時に設定された、CATV事業者Xのオペレータ・コードが記憶されている。
【0081】
受信機31は、ケーブルテレビ網24を介して送信されたCATV放送信号に対して、復調、誤り訂正等を施すとともに、そのNITに含まれるオペレータ・コードを読み出し、自分自身が記憶するオペレータ・コード(CATV事業者Xのオペレータ・コード)と一致するか否かを判定する。受信機31は、読み出したオペレータ・コードが、記憶するCATV事業者Xのオペレータ・コードと一致すると判定した場合、CATV放送の視聴が可能であると判定されたときにICカード32から出力されるデスクランブル情報に基づいて、トランスポートストリームに施されているスクランブルを、デスクランブルする。
【0082】
図13は、センタ局21の構成例を示している。
【0083】
番組統合管理システム(PMS(Program Management System)/BDPS(Broadcast Data Processing System))41は、番組供給事業者が担当する番組素材等の番組編成表を登録して、管理するとともに、その番組編成表に基づく情報(EPG、PSI、SI等)を、放送ネットワーク管理データベース(NMD)42に供給する。
【0084】
NMD42は、PMS/BDPS41からの番組編成表に基づく情報の中から、顧客管理システム(SMS(Subscriber Management System))44に対応する情報を抽出し、顧客視聴許可システム(SAS(Subscriber Authorization System))43、関連情報送出装置47、およびエンコーダ48に供給するとともに、抽出された情報に対応する、図示せぬベースバンドシステムから供給される、放送素材のベースバンド信号(ビデオ信号やオーディオ信号)を、エンコーダ48に供給する。
【0085】
SAS43は、SMS44から送出された鍵個別情報(EMM(Entitlement Management Message))を受け取り、そのEMMを暗号化して、パケット化し、マルチプレクサ49に送出する。
【0086】
SMS44は、データベース45に格納されている顧客登録情報や料金徴収情報、およびビューログ収集システム46からの視聴情報などの情報に基づいてEMMを生成し、SAS43に供給する。
【0087】
関連情報送出装置47は、鍵共通情報(ECM(Entitlement Control Message)情報)を生成し、マルチプレクサ49およびスクランブラ50に供給する。
【0088】
エンコーダ48は、NMD42からの、ベースバンド信号や番組編成表に基づく情報(EPG、PSI、SI等)を、MPEG2の規格に準拠してエンコードし、マルチプレクサ49に送出する。
【0089】
マルチプレクサ49は、エンコーダ48からのデータ、SAS43からのEMM、および関連情報送出装置47からのECMを、図3に示したように、188バイトの固定長のトランスポートパケットに組み込み、スクランブラ50に送出する。マルチプレクサ49はこのとき、NITにスタッフィング・ディスクリプタ(図7)を設けるようにして、トランスポートパケットを生成する。
【0090】
スクランブラ50は、関連情報送出装置47からのECMに基づいて、マルチプレクサ49からのトランスポートパケットにスクランブルを施し、伝送路符号化装置51に出力する。
【0091】
図14は、CATV局23の構成例を示している。CATV局23は、送信装置61および顧客データベース管理部62から構成されている。
【0092】
送信装置61は、アンテナ23Aを介して受信されたCS衛星22からのデジタル衛星放送信号(CS波)を復調する。
【0093】
送信装置61は、デジタル衛星放送信号を復調して得られたトランスポートパケットのNITに設けられているスタッフィング・ディスクリプタ(図7)を、CATV事業者Xのオペレータ・コードが記述されたオペレータ・コード・ディスクリプタ(図11)に書き換え、サテライト・デリバリ・システム・ディスクリプタ(図8)を、ケーブル・デリバリ・システム・ディスクリプタ(図12)に書き換える。
【0094】
送信装置61は、このようにして生成した、再配信用のトランスポートストリームを、64値QAM変調し、周波数変換等を行って、ケーブルテレビ網24を介して受信システム25に送出する。
【0095】
顧客データベース管理部62は、CATV事業者Xが運営するデジタル衛星放送の再配信システムに加入している顧客(例えば、視聴者X)に関する情報を管理し、センタ局21からの視聴料情報に基づいて、視聴者Xに視聴料を請求するための処理を行う。
【0096】
図15は、送信装置61の構成例を示している。
【0097】
復調回路71は、入力されたデジタル放送信号をQPSK復調して、誤り訂正回路72に出力する。誤り訂正回路72は、入力された信号を誤り訂正し、その結果得られたトランスポートストリームを、NIT変換回路73に出力する。
【0098】
NIT変換回路73は、入力されたトランスポートストリームのNITを変換する。すなわち、スタッフィング・ディスクリプタ(図7)が、CATV事業者Xのオペレータ・コードが記述されたオペレータ・コード・ディスクリプタ(図11)に書き換えられ、サテライト・デリバリ・システム・ディスクリプタ(図8)は、ケーブル・デリバリ・システム・ディスクリプタ(図12)に書き換えられる。
【0099】
NIT変換回路73は、NITを変換したトランスポートストリームを、変調回路74に出力する。変調回路74は、入力された信号を64値QAM変調して、周波数変換回路75に出力する。周波数変換回路75は、入力された信号の周波数を所定の値に変換し、増幅器76に出力する。増幅器76は、入力された信号を増幅して、ケーブルテレビ網24を介して受信システム25に供給する。
【0100】
図16は、受信システム25の受信機31の構成例を示している。
【0101】
チューナ81は、コントローラ98により指定されたチャンネルの放送信号を抽出し、復調回路82に出力する。復調回路83は、入力された放送信号を64値QAM復調し、誤り訂正回路83に出力する。誤り訂正回路83は、入力されたトランスポートストリームの誤り情報を訂正し、デスクランブラ84に出力する。
【0102】
なお、チューナ81乃至誤り訂正回路83は、フロントエンド部80を構成する。
【0103】
デスクランブラ84は、コントローラ98から供給される、デスクランブル情報を用いて、トランスポートストリームに施されているスクランブルをデスクランブルし、デマルチプレクサ85に出力する。
【0104】
デマルチプレクサ85は、複数の番組が多重化されたトランスポートストリームから、コントローラ98により指定された番組のビデオデータやオーディオデータ、または付加データが格納されているパケットを、デスクランブラ84からのトランスポートストリームから分離する。
【0105】
デマルチプレクサ85は、分離したパケットに格納されているデータを、バッファメモリ86に記憶させるとともに、適宜読み出し、ビデオデータをビデオ処理回路87に、オーディオデータをオーディオ処理回路88に、そして付加データをコントローラ98にそれぞれ出力する。
【0106】
ビデオ処理回路87は、デマルチプレクサ85からのビデオデータを、例えばMPEG2の規格に準拠して伸張し、その結果得られた信号を、合成器90に出力する。
【0107】
オーディオ処理回路88は、デマルチプレクサ85からのオーディオデータを、MPEG2の規格に準拠して伸張し、その結果得られた信号を、テレビジョン受像機33に出力する。
【0108】
OSD回路89は、画像上に文字表示するための文字表示信号を生成し、合成器90に出力する。
【0109】
合成器90は、ビデオ処理回路87からのビデオ信号に、OSD回路89からの文字信号を合成して、テレビジョン受像機33に出力する。
【0110】
インタフェース(I/F)部91は、そこに接続されるICカード32とコントローラ98とのインタフェース処理を行う。
【0111】
ICカード32は、デスクランブラ84が、トランスポートストリームにかけられているスクランブルを解除するための鍵(デスクランブラ情報)を記憶している。
【0112】
ICカード32は、コントローラ98から、インタフェース部91を介して限定受信情報が供給されたとき、それに基づいて、番組の視聴が可能であるか否かを判定する。ICカード32は、番組の視聴が可能であると判定した場合、記憶している鍵情報を、インタフェース部91を介してコントローラ98に供給する。
【0113】
モデム92は、電話回線26に接続され、センタ局21やCATV局23と通信する。
【0114】
ROM93には、コントローラ98が実行する各種プログラムが記憶されている。ROM93にはまた、CATV事業者Xのオペレータ・コードが記憶されている。
【0115】
EEPROM94には、取得されたNIT等が記憶される。RAM95には、コントローラ98が処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0116】
表示部96は、装置の動作状態等を表示するための、例えば、液晶表示素子等で構成されている。操作部97は、コントローラ98に所定の指令を入力するとき、ユーザ(視聴者)により適宜操作される。
【0117】
コントローラ98は、各部を制御する。
【0118】
次に、受信機31の動作を、図17のフローチャートを参照して説明する。
【0119】
ステップS1において、ユーザの、操作部97に対する操作により、所定のチャンネル(以下、チャンネルMと称する)が指定され、その旨が、コントローラ98に通知されると、ステップS2において、コントローラ98は、NITのオペレータ・コード・ディスクリプタ(図11)の内容を確認する。
【0120】
なお、コントローラ98は、デマルチプレクサ85を介して、所定のトランスポートパケットに格納されているPSIに記述されたNITのバージョン番号を適宜監視し、その番号の変更があったとき、すなわち、NITの更新があったとき、NITの内容を読み取り、EEPROM94に記憶させる。すなわち、コントローラ98は、ステップS2で、EEPROM94を参照して、NITの内容を確認する。
【0121】
次に、ステップS3において、コントローラ98は、ステップS2で確認した、オペレータ・コード・ディスクリプタのオペレータ・コードと、ROM93に記憶されているオペレータ・コード(CATV事業者Xのオペレータ・コード)が一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合、ステップS4に進む。
【0122】
ステップS4において、コントローラ98は、NITから、チャンネルMに対応するサービスIDが記述されているサービス・リスト・ディスクリプタ(図9)を検出する。
【0123】
ステップS5において、コントローラ98は、ステップS4で検出したサービス・リスト・ディスクリプタの前に組合わされているケーブル・デリバリ・システム・ディスクリプタ(図12)を取得して、チャンネルMの放送信号の周波数を認知するとともに、現在の、フロントエンド部80における受信周波数が、認知した周波数であるか否かを判定する。すなわち、チャンネルMの放送信号が受信されているか否かが判定される。
【0124】
ステップS5で、現在の受信周波数が、チャンネルMの周波数ではないと判定された場合、すなわち、チャンネルMの放送信号が受信されていないと判定された場合、ステップS6に進み、コントローラ98は、ステップS5で認知した周波数を、受信周波数としてフロントエンド部80に設定する。これにより、チャンネルMの放送信号が受信される。
【0125】
ステップS5で、チャンネルMの放送信号が受信されていると判定された場合、またはステップS6での処理で、チャンネルMの放送信号が受信されるようになったとき、ステップS7に進む。
【0126】
ステップS7において、コントローラ98は、デマルチプレクサ85を介して、所定のトランスポートパケットに格納されているPSIから、そこに記述されているPAT(図4)のプログラム・マップPIDを読み取る。
【0127】
次に、ステップS8において、コントローラ98は、デマルチプレクサ85を制御して、PATから読み取ったプログラム・マップPIDと一致するPIDを有するPMT(図5)を検出し、さらに、そのPMTに記述されているプログラム番号に対応するストリーム・タイプ(映像、音声等)毎のエレメンタリPIDを検出する。
【0128】
ステップS9において、コントローラ98は、ステップS8で読み取ったプログラム番号に対応するストリーム・タイプにより、トランスポートストリームが、放送のためのものであるか否かを判定し、放送のためのものであると判定した場合、ステップS10に進む。
【0129】
ステップS10において、コントローラ98は、デマルチプレクサ85を介して、所定のトランスポートパケットに格納されているSIから、ECMを読み取る。
【0130】
次に、ステップS11において、コントローラ98は、ECMの内容を、インタフェース部91を介してICカード32に供給し、それに基づいて、チャンネルMを視聴することができるか否かを判定させる。
【0131】
ステップS11で、ICカード32が、チャンネルMを視聴することができると判定し、ICカード32から、インタフェース部91を介してデスクランブル情報の供給を受けると、コントローラ98は、ステップS12に進み、映像および音声を再生する処理を行う。具体的には、コントローラ98は、インタフェース部91を介してICカード32から供給されるデスクランブル情報を、デスクランブラ84に供給するとともに、デスクランブラ84を制御して、トランスポートパケットに施されているスクランブルを解除させる。そしてコントローラ98は、デマルチプレクサ85を制御して、ステップS8で検出したエレメンタリPIDと一致するPIDを有するトランスポートパケットを分離させる。
【0132】
これにより、分離されたパケットに格納されているビデオデータまたはオーディオデータは、ビデオ処理回路87またはオーディオ処理回路88に供給され、そこで伸張されて、テレビジョン受像機33に供給される。
【0133】
ステップS11で、ICカード32により、チャンネルMを視聴することができないと判定され、デスクランブル情報の供給を受けることができなかったとき、ステップS13に進み、コントローラ98は、表示部96を制御して、チャンネルMを視聴することができない旨を表示させる。
【0134】
ステップS9で、トランスポートストリームが放送のためのものではないと判定された場合、コントローラ98は、ステップS14に進み、トランスポートストリームの種類に応じた処理を実行する。
【0135】
ステップS3で、CATV事業者Xのオペレータ・コードと一致しないと判定された場合、ステップS15に進み、コントローラ98は、例えば、受信機31を使用することができない旨を、表示部96に表示させる。すなわち、受信機31が、例えば、CATV事業者X以外の事業者から借り受けたものである場合、受信機31には、その事業者のオペレータ・コードが記憶されているので、ステップS3で、NOの判定がなされ、結局、放送を視聴することができない。
【0136】
なお、以上においては、受信機31に予め記憶された、受信機31を貸し出したCATV事業者Xのオペレータ・コードと、NITから読み出されたオペレータ・コードとが一致するか否かを判定し、その判定結果に基づいて受信機31における受信動作が制御される場合を例として説明したが、ICカード32のID番号を利用して、受信動作を制御することもできる。
【0137】
具体的には、ICカード32のID番号の一部または全部を、CATV事業者Xのオペレータ・コードに対応させておき、そのICカード32のID番号から、オペレータ・コードを認識することができるようにする。そしてICカード32のID番号から認識されたオペレータ・コードと、NITから読み出されたオペレータ・コードが一致しているか否かを判定するようにする。
【0138】
例えば、ICカード32のID番号が、16桁の数字である場合、CATV事業者Xが貸し出すICカード32には、”××××0100××××××××”乃至”××××0199××××××××”の範囲のID番号を割り当て、そしてCATV事業者X以外のCATV事業者Yが貸し出すICカード32には、”××××0200××××××××”乃至”××××0299××××××××”の範囲のID番号を割り当てる。
【0139】
すなわち、CATV事業者Xが貸し出すICカード32のID番号は、共通して、5桁の数字が0で、6桁の数字が1とされ、CATV事業者Yが貸し出すICカード32のID番号は、共通して、5桁の数字が0で、6桁の数字が2とされるので、CATV事業者Xのオペレータ・コードを、”01”とし、CATV事業者Yのオペレータ・コードを、”02”とする。
【0140】
このように、ICカード32のID番号とオペレータ・コードを割り振れば、受信機31において、ID番号の5桁および6桁から、CATV事業者Xのオペレータ・コードが認識され、そしてそれがNITに記述されているオペレータ・コードと一致するか否かを判定することができる。
【0141】
また、以上においては、CATV事業者Xのオペレータ・コードが、受信機31に予め設定されている場合を例として説明したが、受信機31における、ユーザが通常使用しない特別なモードにおいて、オペレータ・コードを設定することができるようにすることもできる。
【0142】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実現させることもできるが、ソフトウエアにより実現させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実現する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムがコンピュータにインストールされ、そのプログラムがコンピュータで実行されることより、上述したセンタ局21、CATV局23、受信機31が機能的に実現される。
【0143】
図18は、上述のようなセンタ局21、CATV局23、受信機31として機能するコンピュータ101の一実施の形態の構成を示すブロック図である。CPU111にはバス115を介して入出力インタフェース116が接続されており、CPU111は、入出力インタフェース116を介して、ユーザから、キーボード、マウスなどよりなる入力部118から指令が入力されると、例えば、ROM112、ハードディスク114、またはドライブ120に装着される磁気ディスク131、光ディスク132、光磁気ディスク133、若しくは半導体メモリ134などの記録媒体に格納されているプログラムを、RAM113にロードして実行する。これにより、上述した各種の処理が行われる。さらに、CPU111は、その処理結果を、例えば、入出力インタフェース116を介して、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる表示部117に必要に応じて出力する。なお、プログラムは、ハードディスク114やROM112に予め記憶しておき、コンピュータ101と一体的にユーザに提供したり、磁気ディスク131、光ディスク132、光磁気ディスク133,半導体メモリ134等のパッケージメディアとして提供したり、衛星、ネットワーク等から通信部119を介してハードディスク114に提供することができる。
【0144】
なお、本明細書において、記録媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0145】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0146】
【発明の効果】
本発明によれば、再配信装置から再配信されるデジタル多チャンネル放送信号の不正利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデジタル衛星放送の再配信システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明を適用したデジタル衛星放送の再配信システムの構成例を示す図である。
【図3】トランスポートパケットの構成を説明する図である。
【図4】PATを説明する図である。
【図5】PMTを説明する図である。
【図6】NITを説明する図である。
【図7】スタッフィング・ディスクリプタを説明する図である。
【図8】サテライト・デリバリ・システム・ディスクリプタを説明する図である。
【図9】サービス・リスト・ディスクリプタを説明する図である。
【図10】サービス・タイプを示す図である。
【図11】オペレータ・コード・ディスクリプタを説明する図である。
【図12】ケーブル・デリバリ・システム・ディスクリプタを説明する図である。
【図13】図2のセンタ局21の構成例を示すブロック図である。
【図14】図2のCATV局23の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14の送信装置61の構成例を示すブロック図である。
【図16】図2の受信機31の構成例を示すブロック図である。
【図17】受信機31の動作を説明するフローチャートである。
【図18】コンピュータ101の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 センタ局, 22 CS衛星, 23 CATV局, 24 ケーブルテレビ網, 25 受信システム, 31 受信機, 32 ICカード, 33 テレビジョン受像機, 41 PMS/BDPS, 42 NMD, 43SAS, 44 SMS, 45 データベース, 46 ビューログ収集システム, 47 関連情報送出装置, 48 エンコーダ, 49 マルチプレクサ, 50 スクランブラ, 51 伝送路符号化装置, 61 送信装置,62 顧客データベース管理部, 71 復調回路, 72 誤り訂正回路,73 NIT変換回路, 74 変調回路, 75 周波数変換回路, 76増幅器, 80 フロントエンド部, 81 チューナ, 82 復調回路,83 誤り訂正回路, 84 デスクランブラ, 85 デマルチプレクサ,86 バッファメモリ, 87 ビデオ処理回路, 88 オーディオ処理回路, 89 OSD回路, 90 合成器, 91 インタフェース部, 92モデム, 93 ROM, 94 EEPROM, 95 RAM, 96 表示部, 97 操作部, 98 コントローラ

Claims (11)

  1. 受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置において、
    衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得する受信手段と、
    ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換える変換手段と、
    前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信する送信手段と
    を備える送信装置。
  2. 前記受信装置においては、前記ケーブルテレビ網を介して送信されてきた前記トランスポートストリームのNITに設定された前記第2のディスクリプタに含まれる前記コードが、前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと一致する場合、前記ICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて、前記番組のデータにかけられているスクランブルが解除される
    請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記変換手段は、前記トランスポートストリームのNITに前記他の送信装置により設定された、伝送路としての衛星放送に関する情報を含む第3のディスクリプタを、前記ケーブルテレビ網に関する情報を含む第4のディスクリプタに変換し、
    前記送信手段は、前記第2のディスクリプタと前記第4のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを前記受信装置に送信する
    請求項1に記載の送信装置。
  4. 受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置の送信方法において、
    衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、
    ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、
    前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信する
    ステップを含む送信方法。
  5. 受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体において、
    衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、
    ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、
    前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信する
    ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
  6. 受信装置に対して衛星放送の番組の再配信を行う送信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    衛星放送を受信し、前記番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、
    ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリとは異なる前記受信装置内のメモリに記憶されているコードと同じ前記送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、
    前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを、ケーブルテレビ網を介して前記受信装置に送信する
    ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
  7. 衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置において、
    前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信する受信手段と、
    8ビットのコードを記憶するメモリと、
    受信された前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記メモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生する制御手段と
    を備える受信装置。
  8. 前記制御手段は、前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記メモリに記憶されている8ビットのコードが一致しない場合、前記受信装置を使用することができない旨を表示させる
    請求項7に記載の受信装置。
  9. 衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置の受信方法において、
    前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信し、
    受信した前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記受信装置内に設けられるメモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生する
    ステップを含む受信方法。
  10. 衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体において、
    前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信し、
    受信した前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記受信装置内に設けられるメモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生する
    ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
  11. 衛星放送を受信して衛星放送の番組のデータを含むトランスポートストリームを取得し、ネットワーク全体に関するディスクリプタとして前記トランスポートストリームのNITに衛星放送の送信を行う他の送信装置により設定された8ビットの任意のデータを含む第1のディスクリプタを、前記任意のデータに代えて送信装置に固有の8ビットのコードを設定することによって第2のディスクリプタに書き換え、前記第2のディスクリプタが設定されたNITを含む前記トランスポートストリームを送信する前記送信装置とケーブルテレビ網を介して接続される受信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記送信装置から送信されてきた前記トランスポートストリームを受信し、
    受信した前記トランスポートストリームのNITに含まれる前記第2のディスクリプタに設定されている前記送信装置に固有の8ビットのコードと、前記受信装置内に設けられるメモリに記憶されている8ビットのコードが一致する場合、前記受信装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶されている鍵を用いて前記番組のデータにかけられているスクランブルを解除し、前記番組のデータを再生する
    ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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