JP4583064B2 - 波形発生回路及び半導体試験装置 - Google Patents
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Description
しかし、近年の半導体集積回路の高集積化に伴うピン数の増加、及び、半導体集積回路の動作速度の高速化により、各配線長を均一にすることが困難となってきた。
タイミング補正回路は、複数段の遅延回路により構成されており、これら遅延回路により、パフォーマンスボードへ出力される信号に所望の遅延時間を与えることができる。その結果、配線長に関係なく、配線長のばらつきを補償することができる。
そこで、従来は、パフォーマンスボード上の配線の遅延時間をTDR法により測定していた(例えば、特許文献1参照。)。
なお、同図においては、半導体試験装置の主要構成以外の構成要素の図示を省略する。また、同図においては、タイミング補正回路内の詳細な配線、及び、遅延回路の内部構造等の図示を省略する。
また、テストヘッド10内の経路IIIには、タイミング補正回路30の第一遅延回路(SET)31が設けられている。これは、既存のタイミング補正回路30における遅延回路の一つを利用して帰還ループ回路を構成することにより、遅延時間の測定精度の向上を図るためである。
なお、第一〜第四遅延回路31〜34の遅延時間は、いずれも8[ns]とする。
「LOOP START」信号が入力された第一遅延回路31において、遅延後に「SET」信号が出力される(同(22))。
SRフリップフロップ11で「SET」信号が入力される。その結果、SRフリップフロップ11の出力Q(「TDR OUTPUT」信号)が立ち上がる(同(26))。
続いて、パフォーマンスボード20の配線ケーブル22を往復したパルス波が帰還信号として戻ってくると、往路ゲート14の出力ノードの信号レベル(DR出力)は、さらに一段高いレベルとなる。
また、テストヘッド10は、パフォーマンスボード20の外部端子に直接接続される。このため、テストヘッド10とパフォーマンスボード20との間で生じる遅延時間は、実用上無視することができる。
そうすると、例えば、DR出力における経過時間(2Δt)が出力Qのパルス波の幅(ΔT)よりも短い場合には、その経過時間2Δtの測定が可能となるものの、長い場合には、その経過時間(2Δt)の測定が不可能となっていた。これにより、TDR測定できるケーブル長が制限されるという弊害が生じていた。
ところが、遅延回路(TE(Timing Edge))は、Gate Delayを利用した遅延回路であるため、例えば、1Gateで100psの遅延のものを利用して8nsTEを作成しようとすると、単純に考えて80Gateが必要となる。さらに、16nsTEや24nsTEを作成しようとすると、160Gateや240Gateのように非常に多くのGate Delayが必要となってしまう。
つまり、遅延回路を増やすこのような方法では、発生させたいパルス幅が大きくなるほどGateが増えるため、コストがかかるとともに、回路面積が大きくなり、しかも回路構成が複雑化するという問題があった。
しかも、カウンタは、通常IC化されており占有面積が小さい。また、カウンタ自体、回路構成が簡易である。したがって、「TDR OUTPUT」信号のパルス波の幅(ΔT)を可変する回路の主要構成としてカウンタを用いることにより、その可変用回路を簡易な構成で実現でき、回路面積の縮小化、低コスト化を図ることができる。
波形発生回路をこのような構成とすれば、カウンタの設定値を扱い易い数とすることができる。
例えば、カウントの分解能を定める遅延回路を備えない場合は、カウンタが自ら有する分解能にもとづきカウントを行う。この場合、そのカウント数は短時間で膨大な数になるが、このカウント数がすなわち「TDR OUTPUT」信号のパルス波の幅を決める数となるため、カウンタの「Count Data」には、その膨大な数を入力しなければならなくなる。このため、取り扱いが不便となる。
これに対し、カウンタの分解能を定める遅延回路を備えることとすれば、カウンタでのカウント数を非常に少なくできる。これにより、カウンタの「Count Data」に入力される設定値も扱い易い数とすることができる。
波形発生回路や半導体試験装置内で発生するパルスの幅は、カウンタでのカウントの分解能よりも短くしなければならない。例えば、カウントの分解能を定める遅延回路を備えない場合は、カウンタが自ら有する分解能にもとづきカウントが行われるが、カウンタの有する分解能は非常に微小な時間であるため、パルスの幅をそれよりも短くすることは事実上困難である。
これに対し、カウンタの分解能を定める遅延回路を備えることとすれば、カウンタにおけるカウントの間隔を長くすることができる。そして、波形発生回路内で発生するパルスの幅は、その長くなったカウントの間隔、すなわち遅延回路により定められた分解能よりも短くすればよいことになる。これにより、そのパルスの幅の制約を緩和できる。
波形発生回路をこのような構成とすると、カウントの分解能を定める遅延回路を一つだけ備えて、この遅延回路に繰り返し遅延動作を行わせればよいことになる。したがって、波形発生回路の回路構成を簡易にでき、回路面積を小さくして、低コスト化を図ることができる。
しかも、この「TDR OUTPUT」信号のパルス波の幅(ΔT)の可変を、多数のGate Delayではなく、カウンタなど少数の素子で実現しているため、回路構成の簡素化、回路面積の縮小化、低コスト化を図ることができる。
同図は、本実施形態の半導体試験装置の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、半導体試験装置1は、テストヘッド10と、パフォーマンスボード20とを備えており、テストヘッド10は、SRフリップフロップ(SRFF)11と、第一OR回路12と、パルサー13と、第一遅延回路31と、リセット側回路40とを有している。
なお、SRフリップフロップ11とリセット側回路40とセット側回路(SRフリップフロップ11へセット信号を送る回路)とを少なくとも有して波形発生回路が構成される。
第一OR回路12は、「LOOP START」信号を入力する。また、テストヘッド10から経路IIIを介して帰還信号を入力する。そして、パルサー13を介して第一遅延回路31へ出力信号を送る。
なお、パルサー13により形成されるパルス幅は、分解能設定遅延回路42における遅延時間よりも短い時間とする必要がある。
この第一遅延回路31は、遅延時間を例えば8[ns]とすることができる。
なお、この第一遅延回路31は、SRフリップフロップ11へセット信号を送ることからセット側回路を構成する。
ダウンカウンタ41は、カウントデータ(Count Data)端子と、カウント端子と、出力端子(Borrow)とを有している。カウントデータ端子は、カウント値の上限となる設定値を入力する。カウント端子は、第一AND回路44の出力に接続されており、カウント信号を入力する。出力端子は、第一AND回路44の入力の一方及び第二AND回路45の入力の一方に接続されており、カウント完了信号を出力する。
本実施形態の半導体試験装置(波形発生回路)においては、次の式により出力Qのパルス波の幅を求めることができる。
SRフリップフロップ11の出力Qのパルス波の幅TDR_PW(TDR_Pulse Width)={(ダウンカウンタ41における設定値Count Data)+1}×{分解能設定遅延回路42における遅延時間(SkewAdjuster値)} ・・・(式1)
TDR_PW=(3+1)×8[ns]=32[ns]
・・・(式2)
なお、本実施形態においては、カウンタとしてダウンカウンタを用いるが、ダウンカウンタに限るものではなく、アップカウンタを用いることもできる。
この分解能設定遅延回路42は、遅延時間を例えば8[ns]とすることができる。この分解能設定遅延回路42の遅延時間が、ダウンカウンタ41におけるカウントの分解能となる。
また、図2に示すように、タイミング補正回路30には、分解能設定遅延回路42と第一遅延回路31とが含まれる。
なお、第二OR回路43は、第一遅延回路31からのセット信号に代えて、第一OR回路12で出力された信号を入力することもできる。
なお、第二OR回路43と第一AND回路44とは、ダウンカウンタ41でカウントが行われるたびに、分解能設定遅延回路42に遅延動作を行わせることから、「遅延ループ回路」を構成する。
なお、ダウンカウンタ41においては、設定値が「3」とされているものとする。
「LOOP START」信号が第一OR回路12に入力され、さらにパルサー13を介して第一遅延回路31へ送られる(図2及び図3の(11))。
「LOOP START」信号が入力された第一遅延回路31において、遅延後、「SET」信号が出力され、SRフリップフロップ11及びリセット側回路40(第二OR回路43)へ送られる(同(12))。
一方、リセット側回路40の第二OR回路43において「SET」信号が入力されると、この第二OR回路43から分解能設定遅延回路42へ遅延開始信号が送られる。
なお、分解能設定遅延回路42において遅延開始信号が入力されてから遅延後出力信号が出力されるまでの時間(例えば、8[ns])が、ダウンカウンタ41におけるカウントの分解能となる。
一方、第一AND回路44においては、分解能設定遅延回路42からの遅延後出力信号が入力されると、ダウンカウンタ41からのカウント完了信号はNOTで入力されるため、カウント信号が出力され、ダウンカウンタ41及び第二OR回路43へ送られる(同(17))。
この遅延開始信号を受けて、分解能設定遅延回路42で、遅延後、遅延後出力信号が出力され、第一AND回路44及び第二AND回路45へ送られる(同(15))。
カウント信号が受け取られたダウンカウンタ41においてカウントダウンが行われる。ここでは「2」から1ダウンされ「1」となる。この値は「0」ではないため、Borrowからはカウント完了信号は出力されない。
第一AND回路44からダウンカウンタ41へカウント信号が送られると、そのダウンカウンタ41でカウントダウンが行われる。ここでは「1」から1ダウンされ「0」となる。この値は「0」であるため、Borrowからカウント完了信号が出力され、第一及び第二AND回路44、45へ送られる(同(16))。
一方、カウント完了信号を受けた第二AND回路45においては、分解能設定遅延回路42から遅延後出力信号が受け取られると、リセット信号が出力される(同(13))。
この出力されたリセット信号が、SRフリップフロップ11へ送られる。これにより、SRフリップフロップ11において、出力Q(「TDR OUTPUT」信号)が立ち下がる(同(14))。
例えば、ダウンカウンタ41での設定値が「3」であり、分解能設定遅延回路42の遅延時間が8[ns]であるとすると、出力Qのパルス波の幅は32[ns]となる。そして、ダウンカウンタ41の設定値を変えていくことにより、出力Qのパルス波の幅を可変することができる。
こうして得られたDR出力から、TDR法では、配線ケーブル22の往復による遅延時間2Δtを検出する。
例えば、上述した実施形態では、ダウンカウンタのカウントの分解能を決める遅延回路(第二遅延回路)を一つのみ備えているが、第二遅延回路は一つに限るものではなく、二つ以上備えることもできる。
10 テストヘッド
11 SRフリップフロップ
12 第一OR回路
20 パフォーマンスボード
30 タイミング補正回路
31 第一遅延回路
40 リセット側回路
41 ダウンカウンタ
42 分解能設定遅延回路
43 第二OR回路
44 第一AND回路
45 第二AND回路
Claims (5)
- セット信号を入力してからリセット信号を入力するまで出力信号を出力するフリップフロップと、このフリップフロップへ前記セット信号を送るセット側回路と、前記フリップフロップへ前記リセット信号を送るリセット側回路とを備えた波形発生回路であって、
前記リセット側回路は、
前記セット信号が前記フリップフロップへ送られた後にカウントを開始し、所定の設定値に基づいてカウントを行い、このカウントの終了後に前記リセット信号を送出させるカウンタと、
前記カウンタに入力されるカウント信号を、当該カウンタでカウントが行われるごとに入力し、入力したカウント信号を遅延させる遅延回路と、を備え、
前記フリップフロップの出力信号のパルス波の幅が、前記カウンタの設定値×前記遅延回路の遅延時間となる
ことを特徴とする波形発生回路。 - 前記遅延回路の遅延時間が、
前記カウンタにおけるカウントの分解能を定める所定の遅延時間に設定される
ことを特徴とする請求項1記載の波形発生回路。 - 前記リセット側回路が、
前記カウンタでカウントが行われるごとに前記遅延回路に対して遅延動作を行わせる遅延ループ回路を備えた
ことを特徴とする請求項1又は2記載の波形発生回路。 - 前記リセット側回路が、
前記遅延回路から遅延後の出力信号を受けると、前記カウンタへカウント信号を出力する第一AND回路と、
前記カウント信号を入力するとともに、前記遅延回路へ遅延開始信号を送るOR回路と、
前記遅延回路からの遅延後出力信号と前記カウンタからのカウント完了信号とを入力すると、前記リセット信号を前記フリップフロップへ送る第二AND回路とを備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の波形発生回路。 - 試験信号を出力するフリップフロップと、
半導体集積回路が搭載されたパフォーマンスボードへ前記試験信号を出力する往路ゲートと、
前記パフォーマンスボードから帰還信号を受ける復路ゲートと、
前記半導体集積回路の外部端子に接続された前記パフォーマンスボード上の配線による遅延時間をTDR法により測定するために、前記帰還信号を前記フリップフロップにセット信号として入力する帰還ループ回路とを備えた半導体試験装置であって、
前記フリップフロップに入力されるリセット信号の入力タイミングを調整する請求項1〜請求項4のいずれかに記載のリセット側回路を備えた
ことを特徴とする半導体試験装置。
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