JP4583041B2 - 刈払機用回転刃およびこれを用いた刈払機 - Google Patents

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Description

本発明は、刈払機用回転刃およびこれを用いた刈払機に関する。
田畑の土手等に生育する雑草を除去するための器具として、携帯型動力刈払機がある。この刈払機は、たとえば小型エンジンによって発生させられる回転動力を操作管の先端に支持させた回転刃に伝えるように構成されており、作業者は、スロットルレバーによってエンジンないしこれによって回転させられる回転刃の回転を制御しつつ、操作管を振回して所望の刈り払い作業を行なう。
回転刃としては、中心部分からナイロンコード切断刃を放射状に延出させたものがある(特許文献1,2参照。)。図10および図11は、このような回転刃の一例を示している。図示された回転刃Xは、刈払機Yに取付けられた状態で、保持部材91に保持されたナイロンコード切断刃92が、保持部材91とともにN方向に高速回転することにより、雑草などを切断することが可能な構成とされている。このような構成によれば、石、コンクリート片、またはガードレールの支柱など、雑草と比べて硬質である物体に回転刃Xが接触しても、ナイロンコード切断刃92は、適度な可撓性を有するために、しなやかに撓み大きな衝撃力を生じることがない。したがって、上記物体が粉砕されてその破片が周辺に飛び散ることや、回転刃X自体が損傷することなどを回避することができる。
しかしながら、ナイロンコード切断刃92は、その回転状態において先端に向かうほど周速が速く切断能力が高くなるが、その基端寄りの部分は周速が遅く、先端寄りの部分と比べて切断能力が劣る。図11に示すように、たとえば茎が硬く太い状態に成長した雑草93に向けて、早い動作で刈払いを行うと、雑草93はナイロンコード切断刃92の基端寄りの部分に衝突することとなる。ナイロンコード切断刃92の基端寄りの部分は切断能力が十分でないために雑草93を瞬時に切断することは困難である。一方、この場合においても、ナイロンコード切断刃92の先端寄りの部分は、比較的速い周速を有するために、その慣性により周方向へと回転運動を継続する。その結果、ナイロンコード切断刃92は、雑草93が衝突した部分において中折れ状態となり、先端寄りの部分が雑草93に巻きつくように絡む虞れがある。このようなことを生じると、ナイロンコード切断刃92を介して上記雑草により回転刃Xの回転が妨げられることとなる。携帯型動力刈払機は、作業者が背負って軽快に作業できることが求められるため、その動力源であるエンジンなども小型軽量とされており比較的低出力である。したがって、上記のような雑草93による回転阻害により、回転刃Xの回転が停止される場合がある。回転刃Xの回転が停止されるに至らない場合においても、回転刃X回転速度が低下すると、作業者は回転刃Xの回転数を上昇させようとすることが多い。このような作業が継続されると、上記エンジンに高い負荷がかかることとなり、上記エンジンが正常に作動しなくなるという問題があった。
また、軟質である雑草を刈払いする作業においても、切断された雑草が、周辺に飛散し作業性を低下させるという問題もあった。具体的には、雑草の切断は、主にナイロンコード切断刃92先端寄りの部分によってなされるが、切断された雑草は、ナイロンコード切断刃92の露出部分全体によって振り払われる。切断された雑草は、上記振り払いの動作により周辺に飛散する。これらの雑草が作業者の足元または顔面などに振りかかると、刈払いの作業性が低下する場合があった。
特開昭57−5608号公報 特開2000−262126号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、刈払機の動力源への負荷を低減するとともに、切断能力を向上し、かつ切断された雑草などが周辺に飛散することを抑制することが可能な刈払機用回転刃を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される刈払機用回転刃は、刈払機の回転刃取付軸に取り付けられて回転させられ、長尺のナイロン製コードを巻き取るように収容した保持部材と、この保持部材に、この保持部材から送り出されるようにして基端が保持された、上記ナイロン製コードからなるコード状切断部材と、を備え、雑草等の切断対象を刈払うための刈払機用回転刃であって、上記保持部材と一体的に回転させられ、上記保持部材の周部よりも半径方向外方に延出する円形外周を有し、上記保持部材の回転中、上記円形外周に上記切断対象を接触させてこの切断対象が上記円形外周よりも半径方向内方へ進入することを阻止する保護部材が、上記コード状切断部材の下方に位置するように設けられており、上記コード状切断部材は、半径方向外方に延びる状態において、上記円形外周から半径方向外方に延びる部分の長さが上記円形外周に至るまでの長さよりも短くなるように上記円形外周から突出させられて使用されることを特徴としている。
このような構成によれば、上記刈払機用回転刃が回転状態にあるとき、最も高い周速を有する上記コード状切断部材の先端およびその周辺部分のみが、上記保護部材から突出することとなる。作業者により刈払いの動作がなされると、雑草等の軟質の切断対象は、上記保護部材の周縁部に到達するか、またはそれ以前に、上記のように高速で旋回するコード状切断部材の先端部により、難なく切断される。一方、上記コード状切断部材が切り株やコンクリート壁等の比較的硬質の固定物に衝突した場合には、上記コード状切断部材は、曲げ変形するために、上記回転刃の回転はそのまま継続される。しかも、上記固定物が粉砕されてその破片が周辺に飛び散ることや、上記回転刃自体が損傷を受けることもない。そして上記回転刃の回転はそのまま継続されるので、雑草類に対する切断作用が即座に復活する。このように、軟質の切断対象と、硬質の固定物とが混在する場合にも、刈払い作業を効率よく行うことができる。また、たとえば茎が硬く太い状態に成長した雑草に上記コード状切断部材が衝突した際に、このような雑草を即座に切断するに至らない場合にも、上記コード状切断部材のうち上記保護部材から突出する部分が短いために、この茎に巻きつくように絡むことを抑制することが可能である。したがって、小型エンジンなどの刈払機の動力源への負荷を抑制し、安定して作動させることができる。
また、上記コード状切断部材の基端寄りの部分は、上記保護部材から突出しないために、雑草などの切断対象と衝突することがない。たとえば茎が硬く太い状態に成長した雑草が、コード状切断部材の基端寄りの部分に衝突することにより、この部分において上記コード状切断部材が中折れ状態となり、その先端部が上記茎に巻きつくように絡むことなどを防止可能である。したがって、上記コード状切断部材が上記茎に絡むことに起因して、上記回転刃の回転が妨げられることを防止可能であり、刈払機の動力源であるたとえば小型のエンジンに高い負荷がかかることを回避することができる。
さらに、上記コード状切断部材のうち先端寄りの部分のみが上記保護部材から突出する構成であるために、たとえば切断された雑草が、上記コード状切断部材の全体によって振り払われて、周辺に過大に飛散することを防止することができる。したがって、これらの雑草が作業者の足元または顔面などに振りかかることなどを抑制し、刈払いの作業性を向上させることができる。また、保持部材は、コード送り出し機構を備えるために、切断された雑草などが上記保持部材内に進入すると、上記機構が適切に動作しない虞れがある。本願発明によれば、上記ケースにより切断された雑草などが上記保持部材内に進入することを防止することが可能であり、作業を安定して行うことができる。
さらに、この刈払機用回転刃の回転中に、上記保護部材が地面の小石などに衝突したとしても、上記保護部材がこのような小石を周囲に跳ね飛ばすといったことが少なくなる。さらに、上記回転刃が回転状態にあるときには、上記コード状切断部材のうち上記保護部材から突出する部分の長さが略一定となる。したがって、上記回転刃の周方向において切断能力が均一化され、刈払い作業を安定して行うことができる。
加えて、回転状態にある上記回転刃を地面に近づけていっても、上記保護部材が地面と接触し、高速で旋回する上記コード状切断部材が地面と接触することを回避可能である。したがって、上記コード状切断部材の長寿命化を図ることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記保護部材は、取り外し可能な構造とされている。このような構成によれば、たとえば直径の異なる保護部材を複数個用意し、これらを取り替えて刈払い作業を行うことができる。比較的平坦で広い面積の田畑の刈払い作業には、大径の保護部材を用いる一方、狭小な場所や作業を阻害する固定物が散在する場所などの刈払い作業には、小径の保護部材を用いるなど、刈払場所に適した保護部材を用いるのに有利である。
本発明の第2の側面により提供される刈払機は、駆動源の回転出力が伝達される伝動軸が内挿された操作管と、上記操作管の先端に形成された回転刃取り付け部と、を備える刈払機であって、上記回転刃取り付け部には、上記した本発明の第1の側面に係る回転刃が取り付けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の第1の側面に係る回転刃が取り付けられていることにより、上記したように、たとえば、太く硬い茎に上記コード状切断部材が巻きつくように絡むことや、上記コード状切断部材が損傷することなどの不具合を解消可能である。したがって、このような刈払機を用いることにより、大きな刈払動作により広い面積を迅速に刈払いすることが可能であり、刈払いの作業性の向上を図ることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図3は、本発明に係る刈払機用回転刃およびこれが用いられた刈払機の一例を示している。図1によく表れているように、刈払機Bにおいては、操作管12の基端側には、駆動源としての小型エンジン11が連結されており、その回転出力が、操作管12に内挿された伝動軸13を介して操作管先端部に伝達される構成となっている。小型エンジン11としては、作業者の携帯性を考慮して、たとえば排気量が25cc程度ものが用いられる。操作管12の基端には小型エンジンが直接的に取り付けられる場合もあるし、フレシキブルな伝動軸を介してたとえば背負い枠に搭載されるエンジンが連結される場合もある。図3によく表れているように、操作管12の先端部のギヤケース15には、回転刃取付軸14が支持され、この回転刃取付軸14と伝動軸13とは、ベベルギヤ機構(図示略)によって連携されている。
回転刃取付軸14には、次のようにして特徴づけられた回転刃A1が取り付けられる。本発明に係る回転刃A1は、回転刃取付軸14に固定支持される保持部材1から放射状に延びる2本のナイロンコード切断刃4と、保持部材1を覆うように設けられたケース2と、ケース2からフランジ状に延出する保護部材3とを備える。
保持部材1は、扁平な円柱形状を呈しており、その上端中心に備えられたボルト1aにより回転刃取付軸14に締結されている。保持部材1の寸法については、その直径はたとえば110mm程度、高さはたとえば40mm程度とされる。
2本のナイロンコード切断刃4は、それぞれ保持部材1から半径方向外方に延出するように設けられている。これらのナイロンコード切断刃4は、本発明でいうコード状切断部材の一例に相当するものである。ナイロンコード切断刃4の直径は、たとえば3mm程度とされる。なお、ナイロンコード切断刃4の本数は変更可能であり、1本もしくは3本以上のナイロンコード切断刃4を備える構成としてもよい。
保持部材1の内部には、長尺のナイロンコードが巻き取られて収納されており、保持部材1の外部に引き出された端部が本発明のコード状切断部材としてのナイロンコード切断刃4となっている。保持部材1には、上記ナイロンコードの送り出し機構(図示略)が組み込まれており、作業中に作業者が保持部材1の底部により地面を叩く動作をすると、その衝撃力と遠心力とを利用して、上記ナイロンコードが所定の長さだけ送り出されて、ナ
イロンコード切断刃4が延長される構成となっている。このような保持部材1とナイロンコード切断刃4との組合せ構成は、たとえば従来技術として引用した特許文献1,2に開示されており、公知なものである。
ケース2は、たとえばアルミニウム製の板をプレス加工するなどして形成され、略円形状の上板部2aと略円筒形状の側板部2bとを有しており、保持部材1の上部を覆うように設けられている。側板部2bには、周方向に延びる長穴形状の2つの開口部2cが形成されている。2本のナイロンコード切断刃4は、これらの開口部2cを貫通するように設けられている。ケース2については、その直径はたとえば120mm程度、その高さは30mm程度とされる。
保護部材3は、たとえばケース2と同様にアルミニウム製の板により形成され、略ドーナツ形状であり、ケース2の下端から半径方向外方に延出している。この保護部材3は、ケース2の下端に設けられたフランジ部2dにボルトにより締結されている。このことにより、ケース2と保護部材3とは取り外し可能な構造となっている。ケース2は、保持部材1に固定されており、ケース2および保護部材3は、保持部材1と一体的に回転する構成とされている。保護部材3の直径は、たとえば250mm程度とされる。なお、本発明の回転刃は、保護部材3が保持部材1と一体的に回転する構成に限定されず、保護部材が固定されていることにより回転しない構成としてもよい。
2本のナイロンコード切断刃4は、半径方向に延びた状態において、保護部材3から半径方向外方に向けて突出している。さらに、ナイロンコード切断刃4のうち保護部材3から突出する部分の長さL1は、保護部材3と重なる部分の長さL2よりも短い。本実施形態においては、長さL1は、たとえば50mmとされ、長さL2は、たとえば70mmとされる。
次に、上記の刈払機Bないし回転刃A1の作動について説明する。
たとえば、スロットルレバーを操作するなどしてエンジン11のスロットルの開度を上げると、エンジン11の回転出力により、操作管12の先端の回転刃A1が図2のN方向に回転させられる。エンジン11のスロットルの開度を調節することにより、回転刃A1の回転数を調節することができる。エンジン11の回転出力は、伝動軸13からギヤケース15内のベベルギヤ(図示略)により減速されて回転刃A1へと伝えられる。回転刃A1の回転数は、たとえば5,000〜6,300rpmに達し、回転刃A1の回転中心からナイロンコ
ード切断刃4の先端部4aまでの寸法は、たとえば175mm程度であることから、ナイロンコード切断刃4の先端部4aの周速は400km/hを超える。このように高速で回転する回転刃A1を地面に沿って移動させてゆくと、雑草等の比較的軟質細状の物体は、保護部材3の周縁に接触するか、それ以前に上記のように高速で旋回するナイロンコード切断刃4の先端部4aによる横方向からの強烈な衝突を受け、その衝撃によって難なく切断される。ナイロンコード切断刃4は、上述したように、直径が高々3mm程度、突出する部分の長さが50mm程度であり、かつ軽量であるが、旋回速度が上記のように高速であるため、軟質である雑草等の茎を切断するのには十分な運動エネルギを有しているのである。
保護部材3の直径およびナイロンコード切断刃4の突出部分の長さL1は変更可能であり、たとえば、保護部材3の直径が350mm程度、ナイロンコード切断刃4の突出長さL1が100mm程度である構成とすることも可能である。この場合、ナイロンコード切断刃4の先端部4aの周速は、650km/h程度にまで達することとなる。このような回転刃A1を用いれば、ナイロンコード切断刃4の先端部4aが描く円弧の直径が大きくその周速も速いために、広い面積の田畑の刈払い作業を非常に効率よく行うことができる。たとえば、全体が金属製である回転刃について、その直径を上記回転刃と同等の550mm程度と
し、きわめて高い周速を得ることもできるが、このような回転刃は、相当な重量となるために、携帯型の刈払機に取付けて用いるのには適さない。一方、発明者が行った切断テストなどから得られた知見によれば、たとえば農作業の一環として行われる田畑の雑草除去などの通常の刈払い作業においては、切断対象が比較的軟質である雑草であっても、ナイロンコード切断刃4の先端部4aの周速としては、少なくとも250km/h以上の速度が必要である。先端部4aの周速がこの速度以下では、たとえ軟質である雑草が対象であっても切断能力が不足する場合があり、刈払いの作業性が著しく低下するからである。たとえば保護部材3の直径を120mm程度、ナイロンコード切断刃4の突出長さL1を、50mm程度とすることにより、回転数が6,300rpm程度の状態で、先端部4aの周速として、260km/h程度の速度が得られる。
保護部材3は、ナイロンコード切断刃4の下方に設けられているために、回転刃A1を地面に近づけても、ナイロンコード切断刃4が不当に地面に押し付けられることがない。したがって、ナイロンコード切断刃4の保護に適している。
また、上記のように切断された雑草は、高速で回転するナイロンコード切断刃4により振り払われることとなる。しかしながら、先端部4aを含むナイロンコード切断刃4の先端寄りの部分のみが保護部材3より突出しており、基端部4bを含む基端寄りの部分は保護部材3と重なった構成とされている。このため、切断された雑草は、先端部4aおよびその周辺部により振り払われるのみであり、従来技術のようにナイロンコード切断刃4の全体で振り払われることがない。したがって、切断された雑草が周辺に過大に飛散することを回避することが可能であり、切断された雑草が作業者の足元や顔面に振りかかって作業が妨げられることなどを防止して作業性の向上を図ることができる。
次に、高速回転しながら移動する回転刃A1が小石やボルト等の比較的小型の硬質物体に接触した場合には、上記のように高速で旋回する先端部4aがこれらの小型硬質外物に衝突するが、このような小型外物を過大に弾き飛ばすほどの運動エネルギはない。また、衝突の際の衝撃は図4に示すようにナイロンコード切断刃4が曲げ変形することによって吸収されるので、回転刃A1が衝撃によって破損するということはなく、また、回転刃A1の回転数が瞬間的に低下するということもない。それ故に、いったん曲げ変形したナイロンコード切断刃4は次の瞬間には遠心力によって元の突出状態に復帰する。このように、上記構成の回転刃A1は、小石やボルト等の小型の外物に接触したとしても、これらを高速で弾き飛ばす危険はなく、しかも衝撃によって破損に至ることもなく、さらには、ナイロンコード切断刃4の高速回転が維持されて連続した切断作用が継続されるのである。ケース2には周方向に延びた長穴形状の開口部2cが形成されているために、上記のようにナイロンコード切断刃4が変形しても、ナイロンコード切断刃4がケース2の側板部2bと過大に接触することを回避可能である。したがって、ナイロンコード切断刃4が切断されるなどの不具合を抑制し、ナイロンコード切断刃4の長寿命化を図ることができる。
さらに、茎が硬く太い状態に成長した雑草に向けて回転刃A1が移動させてゆくと、図4によく表れているように先端部4aと雑草9とが衝突する。雑草9の茎が先端部4aによっても切断が困難である程度まで成長している場合には、ナイロンコード切断刃4が変形し、もしくは雑草9が保護部材3の周縁に接触することとなる。このような場合においても、ナイロンコード切断刃4は、保護部材3から突出する部分の長さL1が、保護部材3と重なる部分の長さL2よりも短いために、その先端部4aが雑草9に衝突すると、即座に変形し、この変形により先端部4aは雑草9をかわすように通過していく。したがって、たとえば先端部4a付近の部分が雑草9に巻き付くように絡む虞れがなく、回転刃A1の回転を安定させることができる。そうすると、このようなナイロンコード切断刃4の巻き付きに起因してエンジン11へ過大な負荷が加わることを回避し、エンジン11を正常に作動させることができる。なお、比較的軟質である雑草のみが生えている場所を刈払
いする場合などは、上述したようなナイロンコード切断刃4の巻き付きが発生する虞れが少ないために、ナイロンコード切断刃4の突出する部分の長さL1が、ナイロンコード切断刃4の保護部材3と重なる部分の長さL2よりも長い構成としてもよい。
上記した回転刃A1の切断における効果は、刈払い作業を行う場所の状態に応じて、保護部材3の寸法やナイロンコード切断刃4のうち突出する部分の長さL1を適切に設定することにより、十分に発揮させることができる。ケース2と保護部材3とは、取り外しが可能な構造となっており、寸法の異なる保護部材3を複数個用意して、刈払い作業を行う場所の状態に応じて適宜取り替えることができる。具体的には、比較的平坦で面積の広い場所を刈払いする場合には、上記実施形態とは異なり、直径がたとえば350mm程度の保護部材3を用いることができる。このような構成によれば、広い面積に生えた雑草を迅速に刈払いすることができる。一方、比較的狭小である場所や、硬質な固定物が散在するような場所を刈り払いする場合には、直径がたとえば200mm程度の保護部材3を用いることにより、刈払いの作業性の向上を図ることができる。なお、直径の異なる保護部材3を用いる場合においても、ナイロンコード切断刃4の長さL1は、切断に適した長さとすることが望ましい。本実施形態に用いられた保持部材1は、作業中においても、容易にナイロンコード切断刃4の長さを調整可能な構成とされているために、長さL1を調整して刈払い作業を適切に行うのに便利である。
図5〜図9は、本発明の参考例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図5および図6に示された回転刃A2は、上記した回転刃A1と同様に刈払機Bに取り付けられて用いられるものであるが、保護部材3がナイロンコード切断刃4の上方に設けられている点が回転刃A1と異なっている。
保護部材3は、全体として板状であってケース2と一体的に形成されており、上記実施形態と同様にアルミニウム製である。保護部材3の下面側には、2つの凹部3aが形成されている。これらの凹部3aは、たとえば保護部材3の所定箇所を上方に膨出させるようにエンボス加工を施すことにより形成することができる。このような加工によれば、凹部3aのサイズ、位置、形状などについて高い自由度で加工を施すことができる。図6によく表れているように、2つの凹部3aは、それぞれナイロンコード切断刃4の基端部4bの周辺の部分を収容している。また、各凹部3aは、図5によく表れているように、半径方向外方に向けて平面視末広がり形状とされている。
このような構成によれば、たとえば保護部材3がナイロンコード切断刃4の下方に設けられた構成と比較して、少なくとも保護部材3の厚み分程度ナイロンコード切断刃4を回転刃A2の下端寄りに設けることができる。ナイロンコード切断刃4を回転刃A2の下端寄りに設ければ、刈払いの作業において、ナイロンコード切断刃4を地面に近づけることが容易であり、雑草を根元付近から切断するのに有利である。したがって、刈払いされた後に残る雑草などの背丈を低く抑えて、刈払い作業の効果を向上させることができる。
また、ナイロンコード切断刃4の基端部4b周辺の部分は、凹部3aに収容されている。刈払い作業においては回転刃A2が高速回転させられるために、回転刃A2を地面に近づけると保護部材3の下面3bのうち凹部3a以外の部分が、上記地面に接触することとなる。この際、ナイロンコード切断刃4は高速回転による遠心力により半径方向外方に向けて延びた状態となっており、かつ凹部3a内にあるため、上記地面に不当に接触することを回避可能である。したがって、ナイロンコード切断刃4が地面に接触して切断されるなどの不具合を抑制し、ナイロンコード切断刃4の長寿命化を図ることができる。
さらに、ナイロンコード切断刃4が、硬質の固定物に衝突すると、曲げ変形を受けることとなるが、この変形は平面視末広がり形状とされた凹部3aの範囲内に規制される。したがって、上記固定物との接触などにより、ナイロンコード切断刃4が過大に曲げ変形することを防止可能であり、ナイロンコード切断刃4が永久変形したり切断されたりする虞れが少ない。
図7〜図9に示された回転刃A3においては、保護部材3が第1および第2のプレート31,32により構成されている点が、図1〜図6に示した上記実施形態と異なっている。
図8によく表れているように、保護部材3は、第1および第2のプレート31,32を備えており、これらの第1および第2のプレート31,32は、スペーサ33を介して回転の軸方向において対向している。第1および第2のプレートとスペーサ33とはたとえばボルトにより連結されており、ケース2に形成されたフランジ部2dに対して一体的に固定されている。図9によく表れているように2つのスペーサ33は、それぞれ扇形とされている。第1および第2のプレート31,32および2つのスペーサ33により囲まれた領域が、平面視末広がり形状の2つの空間部3cとなっている。2本のナイロンコード切断刃4は、それぞれの基端部4b周辺の部分が、各空間部3cに収容されている。なお、スペーサ33として、所望の厚みを有する樹脂プレートを加工したものを用いれば、回転刃A3の軽量化に有利である。
このような構成によれば、ナイロンコード切断刃4のうち空間部3c内に収容された部分は、上下方向および周方向において、第1および第2のプレート31,32およびスペーサ33により囲まれている。したがって、刈払い作業においても地面や硬質の固定物に不当に衝突して損傷を受けることを回避するのに好適である。また、上記した回転刃A2において述べたのと同様に、空間部3cが平面視末広がり形状とされていることにより、ナイロンコード切断刃4の変形が規制され、ナイロンコード切断刃4の長寿命化を図ることができる。
なお、第1および第2のプレート31,32とスペーサ33とに相当する部分は、たとえば樹脂成形により一体的に形成した構成としてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る刈払機用回転刃およびこれを用いた刈払機の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
保護部材の材質としては、適度な強度を備えつつ軽量化を図ることができる点において、アルミニウム製であることが有利であるが、これに限定されず、たとえば鉄製や樹脂製としてもよい。凹部の形成は、エンボス加工によれば自由度が高く容易であるが、これに限定されず、たとえばある程度の厚みを有する保護部材の下面側の一部を切削するなどして形成してもよい。
保持部材としては、上記実施形態のようにナイロンコード切断刃の送り出し機構を備えるものが便利であるが、これに限定されず、たとえば円板状の部材に所望の長さのナイロンコード切断刃が固定された構成としてもよい。
本発明に係る刈払機用回転刃およびこれを用いた刈払機の一例の全体斜視図である。 図1の要部拡大図である。 図2のIII−III線に沿う要部断面図である。 本発明に係る刈払機用回転刃の一例の要部平面図である。 本発明に係る刈払機用回転刃の参考例の全体斜視図である。 図5のVI−VI線に沿う要部断面図である。 本発明に係る刈払機用回転刃の他の参考例の全体斜視図である。 図7のVIII−VIII線に沿う要部断面図である。 図8のIX−IX線に沿う要部断面図である。 従来の刈払機用回転刃およびこれを用いた刈払機の一例の全体斜視図である。 従来の刈払機用回転刃の要部平面図である。
A1〜A3 刈払機用回転刃
B 刈払機
N 回転方向
1 保持部材
2 ケース
2a 上板部
2b 側板部
2c 開口部
2d フランジ部
3 保護部材
3a 凹部
3c 空間部
31 第1のプレート
32 第2のプレート
33 スペーサ
4 ナイロンコード切断刃(コード状切断部材)
4a 先端部
4b 基端部
11 エンジン
12 操作管
13 伝動軸
14 回転刃取付軸(回転刃取付部)
15 ギヤケース

Claims (4)

  1. 刈払機の回転刃取付軸に取り付けられて回転させられ、長尺のナイロン製コードを巻き取るように収容した保持部材と、
    この保持部材に、この保持部材から送り出されるようにして基端が保持された、上記ナイロン製コードからなるコード状切断部材と、を備え、雑草等の切断対象を刈払うための刈払機用回転刃であって、
    上記保持部材と一体的に回転させられ、上記保持部材の周部よりも半径方向外方に延出する円形外周を有し、上記保持部材の回転中、上記円形外周に上記切断対象を接触させてこの切断対象が上記円形外周よりも半径方向内方へ進入することを阻止する保護部材が、上記コード状切断部材の下方に位置するように設けられており、
    上記コード状切断部材は、半径方向外方に延びる状態において、上記円形外周から半径方向外方に延びる部分の長さが上記円形外周に至るまでの長さよりも短くなるように上記円形外周から突出させられて使用されることを特徴とする、刈払機用回転刃。
  2. 上記保護部材は、樹脂製の板状である、請求項1に記載の刈払機用回転刃。
  3. 上記保護部材は、上記保持部材を収容するケースに対して着脱可能に設けられている、請求項2に記載の刈払機用回転刃。
  4. 駆動源の回転出力が伝達される伝動軸が内挿された操作管と、
    上記操作管の先端に形成された回転刃取り付け部と、を備える刈払機であって、
    上記回転刃取り付け部には、上記請求項1ないし3のいずれかに記載の回転刃が取り付けられていることを特徴とする、刈払機。
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