JP4581972B2 - 荷重変位算出装置および荷重変位算出方法 - Google Patents
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Description
第一に、対象物に互いに直交する三つの軸(X軸、Y軸、Z軸)の軸線方向および該三つの軸の周方向の変形(振動)を付与する場合には、通常は該三つの軸の軸線方向にそれぞれ並進運動する三つのアクチュエータおよび該三つの軸の周方向にそれぞれ回転運動する三つのアクチュエータを必要する。従って、装置が具備するアクチュエータの数が少なくとも六個以上となり、装置が大型化・複雑化するとともに高価なものとなる。
第二に、六分力計で互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸の周方向の変形量に係る情報、および該互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および該三つの軸の周方向の荷重に係る情報に基づいて変形量から荷重を算出するための変換行列を生成する場合、同時に取得される情報量が多くなるために高性能の演算装置を必要とするため、設備コストが増大したり、あるいは演算に要する時間が長くなる。
第三に、従来の方法や特許文献1に記載の方法は、通常は演算の負担を軽減して所要時間を短縮するために互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の成分が互いに干渉しない、あるいは一部の成分のみが互いに干渉すると仮定して変換行列を生成するが、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)には、生成された変換行列の信頼性が低くなる、すなわち当該変換行列を用いて変形量から荷重を算出した場合の算出結果の精度が良くない。
対象物を第一の姿勢、該第一の姿勢から互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に90度回転した第二の姿勢、および該第二の姿勢から互いに直交する三つの軸の残り二つの軸のいずれか一方の軸の周方向に90度回転した第三の姿勢で支持する支持手段と、
前記対象物を互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させる変形手段と、
前記対象物の互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出する変形量検出手段と、
前記対象物の互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する荷重検出手段と、
前記変形量検出手段により経時的に検出された対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における変形量に係る情報および前記荷重検出手段により経時的に検出された対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における荷重に係る情報に基づいて、前記対象物の荷重から変形量を算出するための変換行列を生成する変換行列生成手段と、
を具備するものである。
前記変形手段は、並進アクチュエータおよび該並進アクチュエータの伸長運動および収縮運動を回転運動に変換するリンク機構により、前記対象物を互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させるものである。
前記変換行列生成手段により生成された変換行列に基づいて、前記対象物の変形量から荷重を算出するための逆変換行列を生成する逆変換行列生成手段を具備するものである。
対象物を第一の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する第一荷重変位検出工程と、
前記対象物を前記第一の姿勢から互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に90度回転した第二の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する第二荷重変位検出工程と、
前記対象物を前記第二の姿勢から互いに直交する三つの軸の残り二つの軸のいずれか一方の軸の周方向に90度回転した第三の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する第三荷重変位検出工程と、
前記第一荷重変位検出工程、前記第二荷重変位検出工程および前記第三荷重変位検出工程において経時的に検出された対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における変形量に係る情報および対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における荷重に係る情報に基づいて、前記対象物の荷重から変形量を算出するための変換行列を生成する変換行列生成工程と、
を具備するものである。
前記変換行列生成工程において生成された変換行列に基づいて、前記対象物の変形量から荷重を算出するための逆変換行列を生成する逆変換行列生成工程を具備するものである。
また、互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の干渉成分を考慮した信頼性の高い(荷重から変形量を算出した場合の算出結果の精度が良い)変換行列を生成することが可能である。特に、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)に効果が大き
い。
また、互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の干渉成分を考慮した信頼性の高い(荷重から変形量を算出した場合の算出結果の精度が良い)変換行列を生成することが可能である。特に、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)に効果が大きい。
荷重変位算出装置1は、ゴムブッシュ2の荷重変位算出試験を行うための装置であり、加振装置3および制御装置4を具備する。
なお、以下では便宜上、互いに直交する荷重変位算出装置1の前後方向(図1における紙面に垂直な方向)をX1方向、左右方向をY1方向、上下方向をZ1方向とする右手系の三次元座標を定義し、これを用いて説明を行うこととする。
ゴムブッシュ2は本発明に係る対象物の実施の一形態である。ここで、本発明に係る「対象物」は、荷重変位算出(受けた荷重と変形量の関係の算出)の対象となるものである。
ゴムブッシュ2は、制振のために自動車のエンジンとフレームの間や自動車のサスペンションとフレームの間等に介装される部材であり、ブッシュ部2a、内筒2b、外筒2cを具備する。
ブッシュ部2aはゴムからなる略円柱形状の部材である。ブッシュ部2aの略中央部には上下の平面を貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔に内筒2bが貫装される。また、ブッシュ部2aには外筒2cが外嵌される。さらに、ブッシュ部2aには上下の平面を貫通する空洞2d・2eが形成される。
内筒2bおよび外筒2cは鉄鋼材料からなる略円筒形状の部材である。
なお、本実施例のブッシュ部2aはゴムで構成されるが、弾性変形し得る他の材料、例えばエラストマーや樹脂等で構成しても良い。
また、本実施例の内筒2bおよび外筒2cは鉄鋼材料で構成されるが、ブッシュ部2aよりも高い強度を有する他の材料、例えばチタン合金やアルミニウム合金等で構成しても良い。
なお、以下では便宜上、ゴムブッシュ2の内筒2bの軸線方向をX2方向、X2方向と直交する方向をY2方向、X2方向およびY2方向の両方と直交する方向をZ2方向とする右手系の三次元座標を定義し、これを用いて説明を行うこととする。
加振装置3は、主として支持脚10・10・10・10(図1において紙面奥側の支持脚10は紙面手前側の支持脚10に隠れている)、メインフレーム11、加振台12、X軸並進シリンダ13、Y軸並進シリンダ14、回転盤15、加振台側固定治具16、Z軸並進シリンダ17・17・17・17、アッパーフレーム18、六分力計19、六分力計側固定治具20、リンク機構21、Z軸回転シリンダ22等を具備する。
なお、図5においては説明の便宜上、加振台側固定治具16、紙面手前側のZ軸並進シリンダ17、アッパーフレーム18、六分力計19、六分力計側固定治具20を省略している。
Z軸並進シリンダ17・17・17・17が伸長および収縮を行うことにより、アッパーフレーム18、六分力計19および六分力計側固定治具20はZ1方向に並進運動(振動)する。
六分力計19は専用品でも良く、市販の六分力計で構成しても良い。
を具備する。
ロッド21aおよびロッド21bは棒状の部材であり、その一端はそれぞれ回転盤15の周縁部に回動可能に枢着される。
回動アーム21cは背の低い二等辺三角形状の部材であり、回動アーム21cの底辺の長さは回転盤15の直径と略同じである。回動アーム21cの底辺の両端部にはロッド21aおよびロッド21bの他端が回動可能に枢着される。回動アーム21cの底辺の略中央部は加振台12の上面の周縁部にZ1軸の周方向に回転可能に軸支される。
Z軸回転シリンダ22が伸長および収縮を行うことにより、回動アーム21cがZ1軸の周方向に往復回動し、これに連動して回転盤もZ1軸の周方向に往復回動する。
本実施例のX軸並進センサ23は光学式のリニアスケールで構成されるが、電磁気式の差動トランス、電磁気式のリニアスケール、電磁気式のマグネスケール、直動型のポテンショメータ、光学式のリニアエンコーダ等、直線運動の変位量を検出可能な別のセンサで構成しても良い。
また、本実施例ではX軸並進シリンダ13の伸長量を検出することによりゴムブッシュ2のX1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としているが、メインフレーム11に対する加振台12のX1軸の軸線方向の移動量を検出することによりゴムブッシュ2のX1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としても良い。
本実施例のY軸並進センサ24は光学式のリニアスケールで構成されるが、電磁気式の差動トランス、電磁気式のリニアスケール、電磁気式のマグネスケール、直動型のポテンショメータ、光学式のリニアエンコーダ等、直線運動の変位量を検出可能な別のセンサで構成しても良い。
また、本実施例ではY軸並進シリンダ14の伸長量を検出することによりゴムブッシュ2のY1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としているが、メインフレーム11に対する加振台12のY1軸の軸線方向の移動量を検出することによりゴムブッシュ2のY1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としても良い。
本実施例のZ軸並進センサ25は光学式のリニアスケールで構成されるが、電磁気式の差動トランス、電磁気式のリニアスケール、電磁気式のマグネスケール、直動型のポテンショメータ、光学式のリニアエンコーダ等、直線運動の変位量を検出可能な別のセンサで構成しても良い。
また、本実施例ではZ軸並進シリンダ17・17・17・17の伸長量を検出することによりゴムブッシュ2のZ1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としているが、メインフレーム11に対するアッパーフレーム18のZ1軸の軸線方向の移動量を検出することによりゴムブッシュ2のZ1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としても良い。
本実施例のZ軸回転センサ26は光学式のリニアスケールで構成されるが、電磁気式の差動トランス、電磁気式のリニアスケール、電磁気式のマグネスケール、直動型のポテンショメータ、光学式のリニアエンコーダ等、直線運動の変位量を検出可能な別のセンサで構成しても良い。
また、本実施例ではZ軸回転シリンダ22の伸長量を検出することによりゴムブッシュ2のZ1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としているが、加振台12に対する回転盤15のZ1軸の周方向の回転量(回転角)を検出することによりゴムブッシュ2のZ1軸の軸線方向の変形量を検出する構成としても良い。この場合、Z軸回転センサ26の他の実施例としては電磁気式のシンクロやレゾルバ、回転型のポテンショメータ、光学式のエンコーダやポテンショメータ等が挙げられる。
本実施例の加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20は、ゴムブッシュ2を「第一の姿勢」、「第二の姿勢」および「第三の姿勢」の三つの姿勢で固定することが可能である。以下、「第一の姿勢」、「第二の姿勢」および「第三の姿勢」について説明する。
図6に示す如く、ゴムブッシュ2の内筒2bは、六分力計側固定治具20に対して、X1軸、Y1軸およびZ1軸の軸線方向に相対移動不能、かつZ1軸の周方向に相対回転不能に固定される。また、ゴムブッシュ2の外筒2cは、加振台側固定治具16に対して、X1軸、Y1軸およびZ1軸の軸線方向に相対移動不能、かつZ1軸の周方向に相対回転不能に固定される。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、X1軸およびY1軸の軸線方向、より厳密にはゴムブッシュ2のX2軸およびY2軸の軸線方向に変形する。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、Z1軸の軸線方向、より厳密にはゴムブッシュ2のZ2軸の軸線方向に変形する。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、Z1軸の周方向、より厳密にはゴムブッシュ2のZ2軸の周方向に捻り変形する。
すなわち、本実施例における「第二の姿勢」は、本実施例における「第一の姿勢」にあったゴムブッシュ2を加振装置3のX1軸の周方向に90度回転した姿勢である。
図8に示す如く、ゴムブッシュ2の内筒2bは、六分力計側固定治具20に対して、X1軸、Y1軸およびZ1軸の軸線方向に相対移動不能、かつZ1軸の周方向に相対回転不能に固定される。また、ゴムブッシュ2の外筒2cは、加振台側固定治具16に対して、X1軸、Y1軸およびZ1軸の軸線方向に相対移動不能、かつZ1軸の周方向に相対回転不能に固定される。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、X1軸およびY1軸の軸線方向、より厳密にはゴムブッシュ2のX2軸およびZ2軸の軸線方向に変形する。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、Z1軸の軸線方向、より厳密にはゴムブッシュ2のY2軸の軸線方向に変形する。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、Z1軸の周方向、より厳密にはゴムブッシュ2のY2軸の周方向にこじり変形する。
すなわち、本実施例における「第三の姿勢」は、本実施例における「第二の姿勢」にあったゴムブッシュ2を加振装置3のY1軸の周方向に90度回転した姿勢である。
図10に示す如く、ゴムブッシュ2の内筒2bは、六分力計側固定治具20に対して、X1軸、Y1軸およびZ1軸の軸線方向に相対移動不能、かつZ1軸の周方向に相対回転不能に固定される。また、ゴムブッシュ2の外筒2cは、加振台側固定治具16に対して、X1軸、Y1軸およびZ1軸の軸線方向に相対移動不能、かつZ1軸の周方向に相対回転不能に固定される。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、X1軸およびY1軸の軸線方向、より厳密にはゴムブッシュ2のY2軸およびZ2軸の軸線方向に変形する。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、Z1軸の軸線方向、より厳密にはゴムブッシュ2のX2軸の軸線方向に変形する。
その結果、ゴムブッシュ2(特にブッシュ部2a)は、Z1軸の周方向、より厳密にはゴムブッシュ2のX2軸の周方向にこじり変形する。
また、加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20の形状は特に限定されず、対象物の形状等に応じて適宜選択される。
制御装置4は加振装置3の種々の動作の制御を行うとともに、後で詳述する荷重変位算出を行うものである。制御装置4は主として制御部4a、入力部4b、表示部4c等を具備する。
また、制御部4aは専用品でも良いが、市販のパソコンやワークステーション等を用いて達成することも可能である。
制御部4aは、Y軸並進センサ24に接続され、Y軸並進センサ24が検出したY軸並進シリンダ14の伸長量(または収縮量)、ひいては、加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20に支持されたゴムブッシュ2のY1軸の軸線方向の変形量に係る情報を取得することが可能である。
制御部4aは、Z軸並進センサ25に接続され、Z軸並進シリンダ17・17・17・17の伸長量(または収縮量)、ひいては、加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20に支持されたゴムブッシュ2のZ1軸の軸線方向の変形量に係る情報を取得することが可能である。
制御部4aは、Z軸回転センサ26に接続され、Z軸回転センサ26が検出したZ軸回転シリンダ22の伸長量(または収縮量)、ひいては、加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20に支持されたゴムブッシュ2のZ1軸の周方向の変形量に係る情報を取得することが可能である。
制御部4aは、六分力計19に接続され、六分力計19が検出したゴムブッシュ2に加わるX1軸、Y1軸およびZ1軸の軸線方向の荷重(並進荷重)、並びにX1軸、Y1軸およびZ1軸の周方向の荷重(回転荷重)の計六つの荷重に係る情報を取得する。
制御部4aは、加振装置3のY軸並進シリンダ14(より厳密には、Y軸並進シリンダ14に作動油を供給する油圧配管に設けられた切替弁)に接続され、Y軸並進シリンダ14に供給される作動油の方向および量、ひいてはY軸並進シリンダ14の伸長量(収縮量)を調整することが可能である。なお、本実施例の場合、Y軸並進シリンダ14の伸長量(収縮量)の調整には、Y軸並進センサ24から制御部4aが取得したY軸並進シリンダ14の伸長量(収縮量)に係る情報が用いられる。
制御部4aは、加振装置3のZ軸並進シリンダ17・17・17・17(より厳密には、Z軸並進シリンダ17・17・17・17に作動油を供給する油圧配管に設けられた切替弁)に接続され、Z軸並進シリンダ17・17・17・17に供給される作動油の方向および量、ひいてはZ軸並進シリンダ17・17・17・17の伸長量(収縮量)を調整することが可能である。なお、本実施例の場合、Z軸並進シリンダ17・17・17・17の伸長量(収縮量)の調整には、Z軸並進センサ25から制御部4aが取得したZ軸並進シリンダ17・17・17・17の伸長量(収縮量)に係る情報が用いられる。
制御部4aは、加振装置3のZ軸回転シリンダ22(より厳密には、Z軸回転シリンダ22に作動油を供給する油圧配管に設けられた切替弁)に接続され、Z軸回転シリンダ22に供給される作動油の方向および量、ひいてはZ軸回転シリンダ22の伸長量(収縮量)を調整することが可能である。なお、本実施例の場合、Z軸回転シリンダ22の伸長量(収縮量)の調整には、Z軸回転センサ26から制御部4aが取得したZ軸回転シリンダ22の伸長量(収縮量)に係る情報が用いられる。
入力部4bは専用品でも良いが、市販のキーボードやタッチパネル等を用いて達成することも可能である。
表示部4cは専用品でも良いが、市販のモニターや液晶ディスプレイ等を用いて達成することも可能である。
図12に示す如く、本実施例の荷重変位算出方法は、第一荷重変位検出工程100、第二荷重変位検出工程200、第三荷重変位検出工程300、変換行列生成工程400、逆変換行列生成工程500等を具備する。
第一荷重変位検出工程100において、まず、ゴムブッシュ2が「第一の姿勢」(図6、図7参照)で加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20に固定されて支持される。
次に、制御部4aはX軸並進シリンダ13、Y軸並進シリンダ14、Z軸並進シリンダ17・17・17・17およびZ軸回転シリンダ22を作動(伸長および収縮)させることにより、ゴムブッシュ2を互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向および互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に所定の時間変形させる。
本実施例の場合、ゴムブッシュ2には、実質的にはX2軸、Y2軸およびZ2軸の軸線方向およびZ2軸の周方向の変形が付与される。
例えば、大きな変形のみを付与することによりゴムブッシュ2が具備される自動車に大きな外力が付与された場合(自動車が障害物と衝突した場合等)のゴムブッシュ2の変形挙動を調べたり、小さな変形のみを付与することによりゴムブッシュ2が具備される自動車の通常の走行時の変形挙動を調べることも可能である。
本実施例の場合、制御部4aは、実質的にはゴムブッシュ2のX2軸、Y2軸、Z2軸の軸線方向およびZ2軸の周方向の変形量に係る情報と、X2軸、Y2軸、Z2軸の軸線方向およびX2軸、Y2軸、Z2軸の周方向の荷重に係る情報と、を取得する。
所定の時間経過後、第一荷重変位検出工程100は終了し、第二荷重変位検出工程200に移行する。
第二荷重変位検出工程200において、まず、ゴムブッシュ2が「第二の姿勢」(図8、図9参照)で加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20に固定されて支持される。
次に、制御部4aはX軸並進シリンダ13、Y軸並進シリンダ14、Z軸並進シリンダ17・17・17・17およびZ軸回転シリンダ22を作動(伸長および収縮)させることにより、ゴムブッシュ2を互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向および互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に所定の時間変形させる。
本実施例の場合、ゴムブッシュ2には、実質的にはX2軸、Y2軸およびZ2軸の軸線方向およびY2軸の周方向の変形が付与される。
本実施例の場合、制御部4aは、実質的にはゴムブッシュ2のX2軸、Y2軸、Z2軸の軸線方向およびY2軸の周方向の変形量に係る情報と、X2軸、Y2軸、Z2軸の軸線方向およびX2軸、Y2軸、Z2軸の周方向の荷重に係る情報と、を取得する。
所定の時間経過後、第二荷重変位検出工程200は終了し、第三荷重変位検出工程300に移行する。
第三荷重変位検出工程300において、まず、ゴムブッシュ2が「第三の姿勢」(図10、図11参照)で加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20に固定されて支持される。
次に、制御部4aはX軸並進シリンダ13、Y軸並進シリンダ14、Z軸並進シリンダ17・17・17・17およびZ軸回転シリンダ22を作動(伸長および収縮)させることにより、ゴムブッシュ2を互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向および互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に所定の時間変形させる。
本実施例の場合、ゴムブッシュ2には、実質的にはX2軸、Y2軸およびZ2軸の軸線方向およびX2軸の周方向の変形が付与される。
本実施例の場合、制御部4aは、実質的にはゴムブッシュ2のX2軸、Y2軸、Z2軸の軸線方向およびX2軸の周方向の変形量に係る情報と、X2軸、Y2軸、Z2軸の軸線方向およびX2軸、Y2軸、Z2軸の周方向の荷重に係る情報と、を取得する。
所定の時間経過後、第三荷重変位検出工程300は終了し、変換行列生成工程400に移行する。
変換行列生成工程400において、制御部4aは、第一荷重変位検出工程100においてX軸並進センサ23、Y軸並進センサ24、Z軸並進センサ25およびZ軸回転センサ26から取得したゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量に係る経時的な情報および一つの軸の周方向の変形量に係る経時的な情報と、六分力計19から取得したゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重に係る経時的な情報および三つの軸の周方向の荷重に係る経時的な情報と、に基づいて、以下の数1で表される第一変換行列を作成する。
また、ゴムブッシュ2の第一の姿勢におけるY2軸方向の変形量DyとY2軸方向の荷重Fyとの関係は一本の曲線(図14中の太い実線)となっておらず、複数の曲線が重なった状態である(図14中の点線)ことから、DyをFyの関数(Dy=b2×Fy+b8×(Fy)2+b14×d(Fy))として表した場合に信頼性が低いのは明らかである。
従って、本実施例では、ゴムブッシュ2の変形量を、X2軸、Y2軸、Z2軸の軸線方向および周方向の荷重の一次成分、高次成分および微分成分の和として求めるべく第一変換行列を規定している。
このとき、第一変換行列中の各成分(a1〜a18、b1〜b18、c1〜c18、d1〜d18)は、ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量に係る経時的な情報および一つの軸の周方向の変形量に係る経時的な情報と、ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重に係る経時的な情報および三つの軸の周方向の荷重に係る経時的な情報に基づき、最小二乗法を用いて求められる。
このとき、第二変換行列中の各成分(a1〜a18、b1〜b18、c1〜c18、e1〜e18)は、ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量に係る経時的な情報および一つの軸の周方向の変形量に係る経時的な情報と、ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重に係る経時的な情報および三つの軸の周方向の荷重に係る経時的な情報に基づき、最小二乗法を用いて求められる。
このとき、第三変換行列中の各成分(a1〜a18、b1〜b18、c1〜c18、f1〜f18)は、ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量に係る経時的な情報および一つの軸の周方向の変形量に係る経時的な情報と、ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重に係る経時的な情報および三つの軸の周方向の荷重に係る経時的な情報に基づき、最小二乗法を用いて求められる。
なお、本実施例では変換行列Hを生成するための成分として、荷重の一次成分と、荷重の二次成分と、荷重の微分成分とを用いたが、対象物の材質や形状に応じて三次以上の高次成分や二回微分以上の微分成分、あるいは定数を用いることにより、変換行列Hの信頼性を向上することが可能である。
また、本実施例では第一変換行列(数1参照)、第二変換行列(数2参照)および第三変換行列(数3参照)でそれぞれゴムブッシュ2のX2軸、Y2軸およびZ2軸の軸線方向の変形量を算出するための成分(a1〜a18、b1〜b18、c1〜c18)が重複して求められることとなるが、変換行列H(数4参照)におけるこれらの成分としては、第一変換行列、第二変換行列および第三変換行列のいずれかで求めたものを用いても良く、あるいは平均値を用いても良い。
逆変換行列生成工程500において、制御部4aは、変換行列生成工程400において生成されたゴムブッシュ2の荷重から変形量を算出するための変換行列H(数4参照)に基づいて、ゴムブッシュ2の変形量から荷重を算出するための逆変換行列H-1を生成する。
逆変換行列H-1は以下の数5で表される。
ゴムブッシュ2を第一の姿勢、該第一の姿勢から互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)のいずれか一つの軸(本実施例の場合、X1軸)の周方向に90度回転した第二の姿勢、および該第二の姿勢から互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の残り二つの軸(Y1軸、Z1軸)のいずれか一方の軸(本実施例の場合、Y1軸)の周方向に90度回転した第三の姿勢で支持する支持手段(本実施例の場合、加振台側固定治具16および六分力計側固定治具20が支持手段に相当する)と、
ゴムブッシュ2を互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に変形させる変形手段(本実施例の場合、加振台12、X軸並進シリンダ13、Y軸並進シリンダ14、回転盤15、Z軸並進シリンダ17・17・17・17、リンク機構21およびZ軸回転シリンダ22がこれに相当する)と、
ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の変形量(Dx、DyおよびDz)および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向の変形量(Ax、AyまたはAz)を経時的に検出する変形量検出手段(本実施例の場合、X軸並進センサ23、Y軸並進センサ24、Z軸並進センサ25およびZ軸回転センサ26が変形量検出手段に相当する)と、
ゴムブッシュ2の互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の荷重(Fx、FyおよびFz)および周方向の荷重(Mx、MyおよびMz)を経時的に検出する荷重検出手段(本実施例の場合、六分力計19が荷重検出手段に相当する)と、
前記変形量検出手段により経時的に検出されたゴムブッシュ2の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における変形量に係る情報および前記荷重検出手段により経時的に検出されたゴムブッシュ2の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における荷重に係る情報に基づいて、ゴムブッシュ2の荷重から変形量を算出するための変換行列Hを生成する変換行列生成手段(本実施例の場合、荷重変位算出プログラムが格納された制御装置4の制御部4aが変換行列生成手段に相当する)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、ゴムブッシュ2を互いに直交する三つの軸の周方向に変形させるためのアクチュエータを一つとすることが可能である。従って、装置の小型化・簡素化を図ることが可能であり、ひいては設備コストの削減に寄与する。
また、互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の干渉成分を考慮した信頼性の高い(荷重から変形量を算出した場合の算出結果の精度が良い)変換行列を生成することが可能である。特に、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)に効果が大きい。
なお、本実施例の変形手段の実施例であるX軸並進シリンダ13、Y軸並進シリンダ14、Z軸並進シリンダ17・17・17・17、Z軸回転シリンダ22はいずれも油圧シリンダであるが、本発明に係る変形手段は伸長運動および収縮運動が可能なアクチュエータであれば別の構成でも良い。例えば、空圧シリンダで構成しても良く、ボールネジとモータを組み合わせたもので構成しても良い。
並進アクチュエータ(伸長および収縮するアクチュエータであり、本実施例ではZ軸回転シリンダ22が並進アクチュエータに相当する)および該並進アクチュエータの伸長運動および収縮運動を回転運動に変換するリンク機構21により、ゴムブッシュ2を互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に変形させるものである。
このように構成することにより、簡便な構成でゴムブッシュ2に周方向の変形(捻り変形またはこじり変形)を付与することが可能であり、設備コストの削減に寄与する。
前記変換行列生成手段により生成された変換行列Hに基づいて、ゴムブッシュ2の変形量から荷重を算出するための逆変換行列H-1を生成する逆変換行列生成手段(本実施例の場合、荷重変位算出プログラムが格納された制御装置4の制御部4aが逆変換行列生成手段に相当する)を具備するものである。
このように構成することにより、互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の干渉成分を考慮した信頼性の高い(変形量から荷重を算出した場合の算出結果の精度が良い)逆変換行列を生成することが可能である。特に、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)に効果が大きい。
対象物を互いに直交する複数の姿勢で支持可能な支持手段と、
前記対象物を少なくとも一方向に並進変形させるとともに少なくとも一方向に捻り変形させる変形手段と、
前記変形手段により対象物が並進変形する方向の並進変形量および捻り変形する方向の捻り変形量を経時的に検出する変形量検出手段と、
前記変形手段により対象物が並進変形する方向の並進荷重および捻り変形する方向の捻り荷重を経時的に検出する荷重検出手段と、
前記変形量検出手段により経時的に検出された対象物の各姿勢における並進変形量および捻り変形量に係る情報、および、前記荷重検出手段により経時的に検出された対象物の各姿勢における並進荷重および捻り荷重に係る情報、に基づいて、前記対象物の並進荷重および捻り荷重から並進変形量および捻り変形量を算出するための変換行列を生成する変換行列生成手段と、
を具備する荷重変位算出装置としても良い。
例えば、対象物を三つの軸(X1軸、Y1軸およびZ1軸)の軸線方向に並進変形させるとともに、二つの軸(Y1軸およびZ1軸)の周方向に捻り変形させる構成の荷重変位算出装置の場合、少なくとも二つの姿勢において対象物を並進変形および捻り変形させれば良い。
また、対象物を一つの軸(Z1軸)の軸線方向に並進変形させるとともに、一つの軸(Z1軸)の周方向に捻り変形させる構成の荷重変位算出装置の場合、少なくとも三つの姿勢において対象物を並進変形および捻り変形させれば良い。
また、互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の干渉成分を考慮した信頼性の高い(荷重から変形量を算出した場合の算出結果の精度が良い)変換行列を生成することが可能である。特に、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)に効果が大きい。
ゴムブッシュ2を第一の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の変形量(Dx、Dy、Dz)および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向の変形量(Az)を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の荷重(Fx、Fy、Fz)および周方向の荷重(Mx、My、Mz)を経時的に検出する第一荷重変位検出工程100と、
ゴムブッシュ2を前記第一の姿勢から互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、X1軸)の周方向に90度回転した第二の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の変形量(Dx、Dy、Dz)および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向の変形量(Ay)を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の荷重(Fx、Fy、Fz)および周方向の荷重(Mx、My、Mz)を経時的に検出する第二荷重変位検出工程200と、
ゴムブッシュ2を前記第二の姿勢から互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の残り二つの軸(本実施例の場合、Y1軸およびZ1軸)のいずれか一方の軸(本実施例の場合、Y1軸)の周方向に90度回転した第三の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の変形量(Dx、Dy、Dz)および該三つの軸のいずれか一つの軸(本実施例の場合、Z1軸)の周方向の変形量(Ax)を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸(X1軸、Y1軸、Z1軸)の軸線方向の荷重(Fx、Fy、Fz)および周方向の荷重(Mx、My、Mz)を経時的に検出する第三荷重変位検出工程300と、
第一荷重変位検出工程100、第二荷重変位検出工程200および第三荷重変位検出工程300において経時的に検出されたゴムブッシュ2の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における変形量に係る情報および対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における荷重に係る情報に基づいて、ゴムブッシュ2の荷重から変形量を算出するための変換行列Hを生成する変換行列生成工程400と、
を具備するものである。
このように構成することにより、ゴムブッシュ2を互いに直交する三つの軸の周方向に変形させるためのアクチュエータを一つとすることが可能である。従って、当該荷重変位算出方法を行う装置の小型化・簡素化を図ることが可能であり、ひいては設備コストの削減に寄与する。
また、互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の干渉成分を考慮した信頼性の高い(荷重から変形量を算出した場合の算出結果の精度が良い)変換行列を生成することが可能である。特に、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)に効果が大きい。
変換行列生成工程400において生成された変換行列に基づいて、ゴムブッシュ2の変形量から荷重を算出するための逆変換行列H-1を生成する逆変換行列生成工程500を具備するものである。
対象物の姿勢を互いに直交する複数の姿勢で支持し、前記複数の姿勢の各姿勢について、少なくとも一方向に並進変形させるとともに少なくとも一方向に捻り変形させ、前記対象物が並進変形する方向の並進変形量および捻り変形する方向の捻り変形量を経時的に検出するとともに、前記対象物が並進変形する方向の並進荷重および捻り変形する方向の捻り荷重を経時的に検出することを行う荷重変位検出工程と、
前記荷重変位検出工程において経時的に検出された対象物の各姿勢における並進変形量および捻り変形量に係る情報、および、前記対象物の各姿勢における並進荷重および捻り荷重に係る情報に基づいて、前記対象物の並進荷重および捻り荷重から並進変形量および捻り変形量を算出するための変換行列を生成する変換行列生成工程と、
を具備する荷重変位算出方法としても良い。
例えば、対象物を三つの軸(X1軸、Y1軸およびZ1軸)の軸線方向に並進変形させるとともに、二つの軸(Y1軸およびZ1軸)の周方向に捻り変形させる構成の荷重変位算出方法の場合、少なくとも二つの姿勢において対象物を並進変形および捻り変形させれば良い。
また、対象物を一つの軸(Z1軸)の軸線方向に並進変形させるとともに、一つの軸(Z1軸)の周方向に捻り変形させる構成の荷重変位算出方法の場合、少なくとも三つの姿勢において対象物を並進変形および捻り変形させれば良い。
また、互いに直交する三つの軸の軸線方向および周方向の干渉成分を考慮した信頼性の高い(荷重から変形量を算出した場合の算出結果の精度が良い)変換行列を生成することが可能である。特に、対象物の変形量が大きい場合や、対象物を構成する材料が非線形性の強いものである場合(変形挙動にヒステリシスを有するものである場合)に効果が大きい。
2 ゴムブッシュ(対象物)
4a 制御部(変換行列生成手段)
12 加振台(変形手段)
13 X軸並進シリンダ(変形手段)
14 Y軸並進シリンダ(変形手段)
15 回転盤(変形手段)
16 加振台側固定治具(支持手段)
17 Z軸並進シリンダ(変形手段)
19 六分力計(荷重検出手段)
20 六分力計側固定治具(支持手段)
21 リンク機構(変形手段)
22 Z軸回転シリンダ(変形手段)
23 X軸並進センサ(変形量検出手段)
24 Y軸並進センサ(変形量検出手段)
25 Z軸並進センサ(変形量検出手段)
26 Z軸回転センサ(変形量検出手段)
Claims (5)
- 対象物を第一の姿勢、該第一の姿勢から互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に90度回転した第二の姿勢、および該第二の姿勢から互いに直交する三つの軸の残り二つの軸のいずれか一方の軸の周方向に90度回転した第三の姿勢で支持する支持手段と、
前記対象物を互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させる変形手段と、
前記対象物の互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出する変形量検出手段と、
前記対象物の互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する荷重検出手段と、
前記変形量検出手段により経時的に検出された対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における変形量に係る情報および前記荷重検出手段により経時的に検出された対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における荷重に係る情報に基づいて、前記対象物の荷重から変形量を算出するための変換行列を生成する変換行列生成手段と、
を具備する荷重変位算出装置。 - 前記変形手段は、並進アクチュエータおよび該並進アクチュエータの伸長運動および収縮運動を回転運動に変換するリンク機構により、前記対象物を互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させる請求項1に記載の荷重変位算出装置。
- 前記変換行列生成手段により生成された変換行列に基づいて、前記対象物の変形量から荷重を算出するための逆変換行列を生成する逆変換行列生成手段を具備する請求項2または請求項2に記載の荷重変位算出装置。
- 対象物を第一の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する第一荷重変位検出工程と、
前記対象物を前記第一の姿勢から互いに直交する三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に90度回転した第二の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する第二荷重変位検出工程と、
前記対象物を前記第二の姿勢から互いに直交する三つの軸の残り二つの軸のいずれか一方の軸の周方向に90度回転した第三の姿勢で支持し、互いに直交する三つの軸の軸線方向および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向に変形させ、互いに直交する三つの軸の軸線方向の変形量および該三つの軸のいずれか一つの軸の周方向の変形量を経時的に検出するとともに、互いに直交する三つの軸の軸線方向の荷重および周方向の荷重を経時的に検出する第三荷重変位検出工程と、
前記第一荷重変位検出工程、前記第二荷重変位検出工程および前記第三荷重変位検出工程において経時的に検出された対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における変形量に係る情報および対象物の第一の姿勢、第二の姿勢および第三の姿勢における荷重に係る情報に基づいて、前記対象物の荷重から変形量を算出するための変換行列を生成する変換行列生成工程と、
を具備する荷重変位算出方法。 - 前記変換行列生成工程において生成された変換行列に基づいて、前記対象物の変形量から荷重を算出するための逆変換行列を生成する逆変換行列生成工程を具備する請求項4に記載の荷重変位算出方法。
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