JP2006071605A - 6軸材料試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 材料試料、特に脊椎などの生体試料に対し6軸の試験力を負荷し、その機械的強度などを精度よく測定することのできる6軸材料試験機を提供する。
【解決手段】 試料に対し最大で6軸の試験力を負荷し機械的特性を試験する6軸材料試験機であって、並列に配置された6個の駆動源をそれぞれ独立に駆動させ、該駆動源とリンクを介して連結されたエンドエフェクタ部の運動を制御する6軸並列機構と、エンドエフェクタ部に付設される6軸力センサおよび試料の一端部を把持する試料上部把持具と、静止状態で試料の他端部を把持する試料下部把持具とを備えてなり、上記6軸並列機構により、試料上部把持具と試料下部把持具とにより固定把持された試料に対し力または変位等を与えたときに、6軸力センサおよび駆動源に付属するエンコーダにより、試料に発生する力または変位などを計測することで試料の機械的特性を試験することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は6軸材料試験機に関し、特に脊椎などの生体材料や、複数方向からの負荷を受ける構造物などに対して6軸力の試験を行なう6軸材料試験機に関する。
3次元形状の物体に外力が加わる時には、物体の空間座標のX,Y,Z軸方向の並進3自由度とそれぞれ各軸周りの回転3自由度の合計6自由度(6軸)の運動による変形が発生し、それに伴う内部応力が発生する。従来、機械的強度の測定などを行なう材料試験機としては、1軸方向の引張・圧縮、またはねじり等の2軸目を負荷した材料試験機が一般的であり、3軸以上の多軸な力学特性を同時に測定する試験機は特殊な専用機のみしか存在しなかった。従来6軸の材料試験機としては、6軸モーション機構などを利用して、人工関節の動作を再現し、その摩擦、摩耗状態の試験をするもの(特許文献1参照)などがある。
一方、人間の脊椎(首から腰に至る背骨)は、硬い骨(椎)と柔らかい椎間板が層状に積層した円柱状の構造物であり、6軸の運動自由度を持つことが知られている。また、脊椎は、その形状の影響からある方向に曲げモーメントを負荷すると、入力した以外の方向への曲げ負荷が発生するカップリング現象が生ずることが知られている。
人間は加齢や外的衝撃により、脊椎に変形や損傷を生じ、社会的生活が著しく困難になる場合などの問題があり、上述のような脊椎の多軸力学特性を知ることは医学的に重要な課題であるにもかかわらず、従来、定量的な解析ができないという問題があった。
前述のように生体材料や構造物の材料試験機は、1軸または2軸の材料試験機が一般的であり、上記特許文献1に示す人工関節用などの特定専用機を除いては、多軸な力学特性を同時に測定する汎用的な試験機は存在しなかった。このため、6軸の運動自由度を持つ脊椎についても、一方向の圧縮負荷やモーメント負荷など、1軸の試験による強度評価しかされていなかった。
また、6軸の力を負荷する装置として考えられる、位置制御、力制御が可能な6軸ロボットは多く存在する。例えば垂直多関節型ロボットなどが該当するものの、これは、片持ち梁構造のため出力が小さく、また負荷位置において等方的な出力特性が得られない。これを材料試験機として用いるためには、試料に加わる力の検出、および試料に6軸の力が適切に加わるような制御方法および把持方法を開発する必要があり、材料試験機への適用は容易ではなかった。
特開2002−286608号公報(特許請求の範囲)
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、材料試料、特に脊椎などの生体試料に対し6軸の試験力を負荷し、その機械的強度などを精度よく測定することのできる6軸材料試験機を提供することを目的とする。
本発明の6軸材料試験機は、試料に対し最大で6軸の試験力を負荷し該試料の機械的特性を試験する6軸材料試験機であって、並列に配置された6個の駆動源をそれぞれ独立に駆動させ、該駆動源とリンクを介して連結されたエンドエフェクタ部の運動を制御する6軸並列機構と、上記エンドエフェクタ部に付設される6軸力センサと、上記エンドエフェクタ部に付設され試料の一端部を把持する試料上部把持具と、上記6軸並列機構とは独立して静止状態で試料の他端部を把持する試料下部把持具とを備えてなり、該6軸材料試験機は、上記6軸並列機構により、上記試料上部把持具と上記試料下部把持具とにより固定把持された試料に対し力および/またはモーメント、または変位および/または回転角を与えたときに、上記6軸力センサおよび上記駆動源に付属するエンコーダにより、試料に発生する力および/またはモーメント、または変位および/または回転角を計測することで該試料の機械的特性を試験することを特徴とする。
なお本発明において、試験力を負荷するとは、所定の力および/またはモーメント、または所定の変位および/または回転角を与えることをいう。ここで、力および/またはモーメントとは、力のみ、モーメントのみ、および力とモーメントの両方、のいずれかであることを意味し、変位および/または回転角とは、変位のみ、回転角のみ、および変位と回転角の両方、のいずれかであることを意味する。
また、上記6軸力センサおよび上記駆動源に付属するエンコーダにより、試料に発生する力および/またはモーメント、または変位および/または回転角を計測するとは、6軸力センサにより該センサ位置での力および/またはモーメントを、試料に発生する力として計測し、駆動源に付属するエンコーダから求められるエンドエフェクタ部の変位および/または回転角を、試料に発生する変位および/または回転角として計測するものである。
上記6軸並列機構は、各軸ごとに、上記駆動源によりエンドエフェクタ部に所定の力および/またはモーメントを指令値として与えたときに、発生するエンドエフェクタ部の変位および/または回転角を測定することで制御を行なう力制御と、エンドエフェクタ部に所定の変位および/または回転角を指令値として与えたときに、該エンドエフェクタ部で発生する力および/またはモーメントを計測することで制御する位置制御とのいずれかを選択して用いて、または両制御を用いて制御されることを特徴とする。
上記試料上部把持具および試料下部把持具は、その把持部形状が6軸並列機構により試料に負荷される力方向に対して非対称形状であることを特徴とする。これは、試料と試料把持具との界面において、あらゆる方向に発生が想定される負荷によっても、すべりが生じないようするためである
上記試料が生体試料であることを特徴とする。特に、該生体試料が脊椎であることを特徴とする。また、生体試料以外にもあらゆる構造物に利用ができる。
本発明の6軸材料試験機は、試験空間中で等方性に優れた特性をもつ6軸並列機構を備えるので、試料に対し6軸の試験力を負荷し試験を行なうことができる。また、試料に対し任意に6軸の試験力を発生させることができ、該力および/またはモーメントと変位および/または回転角の関係を測定することができる。
この時、試料の把持部形状が、負荷される力方向に対して非対称形状であるので、負荷時に把持部での滑りなどが生じず機械的特性を正確に測定できる。
また、生体試料として6軸の運動が知られているものの、従来その計測が困難であった脊椎の6軸の運動特性を評価でき、脊椎の変形や損傷による程度や、治療に用いるインプラント器具がもたらす補強効果の程度などが、脊椎の運動機能にどのような影響を与えるかを試験できる。この試験から得られる情報は、脊椎すべり症などの脊椎の変形、損傷に起因する疾患を治療する上で極めて効果の高いものである。
本発明の6軸材料試験機は、脊椎のような生体材料や構造物の多軸力学的特性を測定するために、6軸の並進運動及び回転運動を与え、該材料にかかる力またはモーメントを検出する試験機である。
本発明の6軸材料試験機を図1および図2を参照して説明する。図1(a)は、直動型並列機構を用いた6軸材料試験機の模式図を、図1(b)は図1(a)において試料に負荷がかかった状態の図をそれぞれ示す。また、図2(a)は、本発明の一実施例に係る6軸並列機構の斜視図を、図2(b)は、図2(a)においてエンドエフェクタの位置と姿勢を与えた状態の図をそれぞれ示す。
図1(a)および図2(a)に示すように、6軸の運動自由度を持つ6軸並列機構2は、並列に垂直で配置された6個の駆動源3と、該駆動源3とリンク4および回転対偶を介して連結されたエンドエフェクタ部5とを備えてなる。該並列機構とすることにより、力およびモーメントの測定位置であるエンドエフェクタ部5で、発生できる力やモーメントが極力等方的となる。6軸並列機構2は、最大で6軸の運動自由度の負荷を発生させることができ、設定により1〜6軸の運動自由度の負荷も発生させることができる。
6軸並列機構は、駆動源を傾斜配置することを特徴とした工作機械(例えば、特開平8−150526公報など)が知られているが、本発明では図2(a)に示すように駆動源を垂直に配置することを特徴とする。駆動源を垂直に配置することにより、装置の設置面積を小さくすることができ、各駆動源の動きが平行になるため制御計算が容易になるなどの効果がある。
また、実際の6軸材料試験機のグレースケール写真図を図3および図4に示す。
6軸材料試験機1は、上記6軸並列機構2と、エンドエフェクタ部5に付設される6軸力センサ6と、エンドエフェクタ部5に付設され試料7の上端部を把持する試料上部把持具8と、6軸並列機構2とは独立した固定台9に付設され、試料7の下端部を把持する試料下部把持具10とを備えてなる。図1および図3に示すように、試料7は、試料上部把持具8と試料下部把持具10とにより固定把持される。また試料上部把持具8はエンドエフェクタ部側に付設されていればよく、エンドエフェクタ部5に直接付設、または図1および図4に示すようにエンドエフェクタ部5に6軸力センサ6を介して付設されていてもよい。
6軸力センサ6は、6軸力(力および/またはモーメント)を検出できるものであればよく、市販品を用いることができる。また、並列構造の各リンク4の内部に発生する力および駆動源3に要求されるモーメントを数学的に変換してエンドエフェクタ部5の6軸の試験力に変換する手法も用いることができる。
6軸並列機構2を用いて試料7に、任意方向へ変位および/または回転角、または力および/またはモーメントなどの試験力を負荷した(図1(b))ときに、該試料に発生する力および/またはモーメント、または変位および/または回転角を計測する。6軸力センサにより力および/またはモーメントの計測を行ない、駆動源に付属するエンコーダにより、変位および/または回転角の計測を行なう。なお、上記6軸センサ以外に、レーザー変位計などの任意の外部センサを用いて変位などを計測してもよい。
試験時においては、駆動源3のエンコーダおよび6軸力センサ6に接続された測定装置(図示省略)により表示、記録を行なう。測定装置としては、通常のパーソナルコンピューターなどを用いた6軸力センサや変位センサの出力を記録するものや、ビデオカメラ等による画像を記録するものが該当する。計測および記録した結果より、その多軸変位−力関係などを解析する。
次に本発明の6軸並列機構2の制御方法を説明する。制御方法としては、(1)駆動源3によりエンドエフェクタ部5に所定の力および/またはモーメントを負荷したときに発生するエンドエフェクタ部5の変位および/または回転角を測定することで制御を行なう方法(力制御)、(2)エンドエフェクタ部5に所定の変位および/または回転角を与えたときに該エンドエフェクタ部5で発生する力および/またはモーメントを6軸力センサ6により測定することで制御する方法(位置制御)、(3)各軸ごとに力制御と位置制御のいずれかを行なうかを選択して用いる方法(ハイブリッド制御:中村達也、ロボットの基礎工学、コロナ社、P.172-175、(2000);日本ロボット学会編、ロボット工学ハンドブック、コロナ社、P.249-258、(1990) など参考)がある。脊椎の強度評価を行なう場合では、(1)〜(3)を適宜選択して用いる。
ハイブリッド制御方法の手順を以下に説明する。構築した制御系の内、力制御手法に関しては、下記式(1)で示すように、発生する抗力に応じて物体の速度を修正するダンピング制御を用いる。
エンドエフェクタが自由空間中を移動している場合、エンドエフェクタに作用する抗力 F=0 なのでこれを式(1)に代入すると、エンドエフェクタの速度は V=Vd となる。
エンドエフェクタが外部環境に接触した場合、6軸力センサが抗力を検出する。抗力が F= -Vd/B になったときに、これを式(1)に代入するとエンドエフェクタの速度 V=0となり、エンドエフェクタは静止する。
Vd および B は機構の動作前に設定するので、この設定により、外部環境に設定した場合の押しつけ力を任意に設定できる。
多自由度系を用いた制御では、全ての自由度(軸)に対して力制御が必要とされることは少なく、ある方向には力制御を行ない、他の方向に対しては位置制御を行なうことが多い。本発明では、ダンピング制御を多自由度系に拡張し、さらにSelection Matrixを導入してハイブリッド制御系としている。
具体的には、6軸並列機構2の各軸方向、各軸周りの速度ベクトルVについて式(1)を適用して、下記式(2)で表わされる制御系とする。なお、本制御系におけるベースは、並列に配置した駆動源3の上部保持枠11である。
ここで、Fx 、Fy 、Fz はベース座標系の各軸方向の力を、Mx 、My 、Mz はベース座標系の各軸周りのモーメントを、Vx 、Vy 、Vz はエンドエフェクタ部の各軸方向の速度指令値(ベース座標系)を表わす。また、Selection Matrix(S)は、力制御を行なう座標系を選択するために導入した行列である。Sの各要素Si(i=fx,fy,fz,mx,my,mz)について対応する座標軸iが力制御を行なう場合は、Si=1 、それ以外の場合には Si=0 とする。
エンドエフェクタ部5の姿勢を変えると、エンドエフェクタ座標系とベース座標系の軸方向が一致しなくなる。6軸力センサ6で検出する各軸方向の力、各軸周りのモーメントはエンドエフェクタ座標系のものなので、これらをベース座標系の各軸方向の力、各軸周りのモーメントに変換して用いる。
なお、力制御方法に関しては、ダンピング制御以外にも、インピーダンス制御などいくつかの手法が提案されており、本発明ではそれらを用いることも可能である。
本発明では、逆運動学計算が容易であるという並列機構の利点を生かし、ヤコビ行列を用いずに制御系を構築した。制御手順を図5を参照して説明する。図5は、本発明の6軸並列機構2の制御フローチャート図を示す。
式(1)において、所定方向に適当な力およびモーメントを与えることにより、エンドエフェクタ部の各軸方向の速度(Vx 、Vy 、Vz)および各軸周りの速度(Rx 、Ry 、Rz )が算出される(S1、S2)。ここで、各軸周りの速度については、オイラー角の微小変動量(δRoll,δPitch,δYaw)に変換する(S3)。
機構の操作時間をTとして、得られた各軸方向の速度(Vx 、Vy 、Vz)およびオイラー角の微小変動量(δRoll,δPitch,δYaw)より位置変動量を算出し、該位置変動量を元のエンドエフェクタ位置に加算することで、エンドエフェクタ部5の新位置を算出する(S4)。
以上より所定の力およびモーメントを与えた場合のエンドエフェクタ部5の位置(x,y,z,Roll,Pitch,Yaw)が決定されるので、該位置より駆動源3の制御量を逆運動学計算により算出する。
算出される制御量は、上記逆運動学計算により求められた6つの駆動源3の位置(c1,c2,c3,c4,c5,c6)(S5)と、該位置と機構の操作時間Tから求められる駆動源3の速度である(S6)。
次に、上記6軸並列機構2を用いた6軸材料試験機1の試験手順を図6を参照して説明する。図6は、本発明の6軸材料試験機1の制御および計測フローチャート図を示す。
Selection Matrix(S)、目標の力および/またはモーメント(Ft)、目標の変位および/または回転角(Pt)を入力制御値として付与する(S7)。また、初期速度(Vd)、アドミッタンス行列(B)を動作前設定パラメータとして付与する(S8)。
次に、エンドエフェクタ運動の計算を行なう。式(1)における力および/またはモーメントの値は、6軸力センサより計測された値を用いる。図4の(S1)〜(S6)の手順に従って、駆動源への速度指令値を算出する(S9、10)。 該速度指令に基づき駆動源を駆動させると、6軸力センサから力データ( F )が、駆動源に付属するエンコーダより位置データ( P )が得られるので、これをフィードバックし、再度エンドエフェクタ運動の計算を行なう。最終的に、F または P が、(S7)で設定した目標値( Ft または Pt )となるまで反復して(S9)および(S10)の計算が行なわれる。
上記6軸力センサにより得られる試料に発生する力情報、駆動源に付属するエンコーダより得られるエンドエフェクタの位置姿勢情報、およびカメラ等の外部センサより得られる画像情報から試料の力学的特性を調べることができる(S11)。
本発明の試験機は、前述した脊椎などの生体材料以外にも、工業材料、構造物製品などの材料試料の試験が可能である。
これらの試料に、任意の変位またはモーメントなどを発生させるには、その両端で加わる力方向に対して滑りなどが生じないように把持する必要がある。よって、試料上部把持具8と試料下部把持具10に把持部形状が、6軸並列機構により負荷される力方向に対し非対称形状であることが好ましい。これは、試料と試料把持具との界面において、あらゆる方向に発生が想定される負荷によっても、すべりが生じないようにするためである。
通常の1軸の材料試験機では、くさび式の把持具を用い、引張試験で嵌め合う構造となっているが、この方式は圧縮力が加わった時には試料把持ができない。また、脊椎のような生体材料は外形が自由曲面で構成されており、機械的な嵌め合いは困難と思われる。
本発明での把持方式としては、例えば、ねじやクランプで試料を固定するなどの方法が挙げられる。
把持部形状の具体例を図7を参照して説明する。図7は試料として脊椎を用いた場合の把持部形状を示す図である。
図7に示すように把持具12aは、試料として脊椎7aを、基礎台またはエンドエフェクタに直接ネジ等で締結するものである。把持具12bは、幾何的に6軸に対して非対称なカップ状の型に、液相から固相に相変態する石膏や硬化性樹脂などを流し込み固定したものである。これらの把持具は、試料上部把持具および試料下部把持具のいずれとしても用いることができる。また、試料上部把持具と試料下部把持具とで同じ形態の把持具を用いても、異なる形態の把持具を用いてもよい。
脊椎の運動機能の特徴的な現象の一つに上述したカップリング現象がある。脊椎のカップリング現象とは、脊椎にある方向への変位や負荷を与えた時に、椎間に構造上の干渉が起こり、別の方向への負荷や変位が発生する状態である。具体的な現象として、人間は、体躯を横方向に曲げる側屈ときに、自然に体をひねったり回転させたりすることで発生する内部負荷を緩和する動作をとることが知られている。病気により脊椎に変形が生じたり、手術により脊椎の一部を削除したり、また埋め込み器具を装着したりした場合、脊椎の運動機能は当然変化すると考えられる。
以前より、このカップリング現象は、生ずることは知られていても変形や加工の程度に応じたその力学的な特性を定量的に把握することは困難であった。それは、脊椎が6自由度の運動自由度を持つため、同時多軸の強度評価が必要となり、そのような試験機が存在しなかったためである。
本装置では、6軸並列機構を用い、位置制御と力制御を軸ごとに選択できる上記のハイブリッド制御手法を使い、上記カップリング現象を定量的に計測することができる。具体的には、図7に示すように、試料の上下端をどの方向にもすべることなく把持し、下側を固定し、上側に6自由度運動を与えるような6軸材料試験を実施する。この時、試料に与える指令値は、行列成分表記で、{ X 軸方向の並進成分の変位または力、Y軸方向の並進成分の変位または力、Z 軸方向の並進成分の変位または力、X 軸周りの回転成分の回転またはモーメント、Y 軸周りの回転成分の回転またはモーメント、Z 軸周りの回転成分の回転またはモーメント}を各軸それぞれ選択するものである。各軸ごとの制御方法の選択は、SelectionMatrix( S =( X 軸方向 Y 軸方向 Z 軸方向 X 軸周り Y 軸周り Z 軸周り))で選択する。
以下に具体的にカップリング現象を計測する例を示す。
参考例1
(カップリング現象で生ずる変位を測定する方法)
試験条件:X軸周りのモーメントだけに任意のモーメント(トルク)を与え、それ以外の軸は力を 0 N (軸方向)または 0 N・m (軸周り)に制御する。ここで、Selection Matrixは S = (111111) である。
結果:エンドエフェクタの位置と姿勢の情報や、外部ステレオカメラなどにより画像処理で得られる立体形状の変形情報から、カップリング現象で生ずる変位が測定される。
参考例2
(カップリング現象で生ずる負荷を測定する方法)
試験条件:X軸周りのモーメントだけに任意のモーメント(トルク)を与え、X軸方向の変位を 0 mm に拘束し、Y、Z軸は並進力を 0 N にし、軸周りの回転角を 0 rad に制御する。ここで、Selection Matrixは S = (011100) である。
結果:カップリング現象で生した負荷であるX軸方向、Y軸周り、Z軸周りに発生した力が、6軸力センサにより測定される。
上記参考例2の具体的な試験手順を以下に説明する。
(1)Vd = [0 0 0 5 0 0]Tに設定。自由空間中での速度を指定。
x軸方向の速度:0[mm/s],y軸方向の速度:0[mm/s],z軸方向の速度:0[mm/s]
x軸周りの角速度:5[rad/s],y軸周りの角速度:0[rad/s],z軸周りの角速度:0[rad/s]
(2)S = diag[0 1 1 1 0 0 ]に設定。各軸の制御方法を指定。
X軸方向:位置制御,Y軸方向:力制御,Z軸方向:力制御,
X軸周り:トルク制御,Y軸周り:姿勢制御,Z軸周り:姿勢制御
(3)B = [0 1 1 1 0 0]に設定。B(mm/s/N)とVd,S の関係により、静止時の力とトルクが決定される。
X軸方向:位置制御なのでBfxの値は無視される。
Y軸方向:Fy=-Vdy/Bfy=0[N]になったときにVy=0となる。
Z軸方向:Fz=-Vdz/Bfz=0[N]になったときにVz=0となる。
X軸周り:Mx=-Rdx/Bmx=-5[N・m]になったときにRx=0となる。
Y軸周り:姿勢制御なのでBmyの値は無視される。
z軸周り:姿勢制御なのでBmzの値は無視される。
(4)以上を設定した後、試料の一端を固定、もう一端をエンドエフェクタの把持部で固定する。機構を動作させ、エンドエフェクタの位置および姿勢と、力センサに検出される力およびトルクを計測。
(5)計測される結果
静止したときのエンドエフェクタの位置及び姿勢
X座標:位置制御なので、初期座標と変わらず。
Y座標:力制御なので、動作前に指定した力(0N)になった位置で静止。
Z座標:力制御なので、動作前に指定した力(0N)になった位置で静止。
X軸周りの角度:トルク制御なので、動作前に指定したトルク(5N・m)になった角度で静止。
Y軸周りの角度:姿勢制御なので、初期角度と変わらず。
Z軸周りの角度:姿勢制御なので、初期角度と変わらず。
静止したときに力センサに検出される力及びトルク
X軸方向の力:脊椎のように非等方的な材料の場合、力が検出される場合がある。
Y軸方向の力:動作前に指定した力( 0 N)。
Z軸方向の力:動作前に指定した力( 0 N)。
X軸周りのトルク:動作前に指定したトルク(5 N・m)。
Y軸周りのトルク:非等方的な材料の場合、トルクが検出される場合がある。
Z軸周りのトルク:非等方的な材料の場合、トルクが検出される場合がある。
本発明では、上述のように6軸の運動を生成することができる6軸並列機構によるメカニズム機能と、6軸に発生する力を測定する6軸力センサなどによるセンシング機能と、試料を両端2ヶ所で安定して固定保持できる構造とを持つことから、脊椎の6軸の運動特性を正確に測定することができる。よって、医学的に重要な課題である脊椎の変形や損傷による程度が、脊椎の運動機能にどのような影響を与えるかを定量的に測定することができる。
本発明の6軸材料試験機は、工業材料、構造物製品などの材料試料、脊椎などの生体試料など任意の試料に対し、6軸の運動自由度を負荷する試験が可能である。
本発明の直動型6軸並列機構を用いた6軸材料試験機の模式図である。 本発明の一実施例に係る直動型6軸並列機構の模式図である。 本発明の6軸材料試験機のグレースケール写真図である。 本発明の6軸材料試験機のグレースケール写真図である。 本発明の6軸並列機構の制御フローチャート図である。 本発明の6軸材料試験機の制御および計測フローチャート図である。 試料として脊椎を用いた場合の把持部形状を示す図である。
符号の説明
1 6軸材料試験機
2 6軸並列機構
3 駆動源
4 リンク
5 エンドエフェクタ部
6 6軸力センサ
7 試料
8 試料上部把持具
9 固定台
10 試料下部把持具
11 上部保持枠

Claims (4)

  1. 試料に対し最大で6軸の試験力を負荷し該試料の機械的特性を試験する6軸材料試験機であって、
    該6軸材料試験機は、並列に配置された6個の駆動源をそれぞれ独立に駆動させ、該駆動源とリンクを介して連結されたエンドエフェクタ部の運動を制御する6軸並列機構と、前記エンドエフェクタ部に付設される6軸力センサと、前記エンドエフェクタ部に付設され前記試料の一端部を把持する試料上部把持具と、前記6軸並列機構とは独立して静止状態で前記試料の他端部を把持する試料下部把持具とを備えてなり、
    前記6軸材料試験機は、前記6軸並列機構により、前記試料上部把持具と前記試料下部把持具とにより固定把持された前記試料に対し力および/またはモーメント、または変位および/または回転角を与えたときに、前記6軸力センサおよび前記駆動源に付属するエンコーダにより、前記試料に発生する力および/またはモーメント、または変位および/または回転角を計測することで該試料の機械的特性を試験することを特徴とする6軸材料試験機。
  2. 前記6軸並列機構は、各軸ごとに、前記駆動源により前記エンドエフェクタ部に所定の力および/またはモーメントを指令値として与えたときに、発生する前記エンドエフェクタ部の変位および/または回転角を測定することで制御を行なう力制御と、前記エンドエフェクタ部に所定の変位および/または回転角を指令値として与えたときに、該エンドエフェクタ部で発生する力および/またはモーメントを計測することで制御する位置制御とのいずれかを選択して用いて、または両制御を用いて制御されることを特徴とする請求項1記載の6軸材料試験機。
  3. 前記試料上部把持具および前記試料下部把持具は、その把持部形状が前記6軸並列機構により前記試料に負荷される力方向に対して非対称形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の6軸材料試験機。
  4. 前記試料が脊椎であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の6軸材料試験機。
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