JP4581438B2 - 暦表示機能付時計 - Google Patents
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また、この種の暦表示機能付電子時計には、単に一日分送るだけでは、ひと月の日数が31日に満たない小の月(2月、4月、6月、9月、11月)の月末において、実際には存在しない非存在日が残留表示されてしまうため、かかる残留表示を回避する月末修正機能を備えたものがある。
また、従来の年、月、日付け表示を行う機構では、カレンダ送り機構の構造が複雑になり、時計全体が厚型化するという問題がある。
さらに、カレンダ機構が厚くなると、リューズ位置が時計の裏蓋側に下がってしまうため、モデルの断面バランスが悪くなるという外観上の問題がある。特に、年、月、日付け表示を行う時計では、コンプリケーションウォッチとしてデザインが重視されるので、モデルの断面バランスの崩れは重大な欠点になるという問題がある。
これに対し、月表示は常時表示せずIC上に年、月の状態を記憶し、これを外部操作部材で操作することで、秒針等を用いて年、月の状態を修正することにより、オートカレンダ機能をなすものが提案されている。
しかし、これでは年、月の状態が常時表示されないため、年、月の確認をすぐに行うことができないといった問題がある。
この場合において、前記制御車が、送り車に対応する制御歯車と、各暦表示車に夫々対応する複数の表示車送り部とを同軸上に備えていてもよい。また、前記制御歯車が、31分割の歯形又は31のn倍(n:自然数)の歯形で構成されていてもよい。前記表示車送り部が、1位の日車に対応する送り爪と、10位の日車に対応する送り爪とを備えていてもよい。前記表示送り部の送り爪で回転される前記1位日車と前記10位の日車とが略同軸上で回転してもよい。また、前記アクチュエータ、ロータ、歯車輪列、送り車、制御車、並びに暦表示車が平面的に略U字状に配置されていてもよい。各暦表示車が平面的に重ならないように配置されていてもよい。運針機構の筒車により駆動される24時車を備え、この24時車が、各暦表示車と平面的に重ならないように配置されていてもよい。
このオートカレンダ機構は、上記地板303の一方の面(時計1の表側)に支持され、その駆動源は、圧電アクチュエータ(駆動手段)71である。この圧電アクチュエータ71は、後述するリューズ100の近傍に配置されると共に、振動子である圧電素子を備え、この圧電素子の振動により、圧電ロータ72の外周部を突っつき、これによって、当該圧電ロータ72を回転させる。この圧電ロータ72は圧電ロータかな72aを一体に備え、この圧電ロータかな72aには、中間車73が噛み合い、その中間車かな73aには中間車74が噛み合う。この中間車74の中間車かな74aには、中間車75が噛み合い、その中間車かな75aには、後述する制御車78を回すための送り車76が噛み合う。
この送り車76は、制御歯車77に噛み合い、この制御歯車77は制御車78と同軸上に一体的に形成される。ここで、制御歯車77は、31分割の歯形又は31のn倍の歯形で構成され、1周で1回の月送りが行われる。ここまでは制御車78を回すための減速輪列である。なお、211は、修正感(いわゆるクリック感)を発生するために用いられるジャンパである。
尚、本構成では、制御歯車77と制御車78とが一体に形成されているが、これに限定されず、これらを別部材で構成してもよい。
ここで、1位の日車89の外周表面には「0」〜「9」の数字が周方向に等間隔に表示され、10位の日車92の外周表面には「空領域」と「1」〜「3」の数字が周方向に等間隔に表示される。なお、「空領域」とは数字の記載がない領域で、該当日が一桁の「日」(即ち、1日〜9日)に相当するとき、10位に位置付けられる。上述した日表示窓204には、1位の日車89上の数字「0」〜「9」と、10位の日車92上の「空領域」或いは数字「1」〜「3」との組み合わせにより、暦の「日」を示す「1」乃至「31」のいずれかの数字が表示される。本説明では「空領域」で説明を行ったが、これは「0」数字で表すことも可能である。
上記構成において、年表示中間車83の中間車かな83aには、年検出車86が噛み合い、この年検出車(検出車)86には上記ばねスイッチ300と略同様のばねスイッチ320が設けられる。具体的には、図2および図7に示すように、年検出車86には、ばね接点96が設けられ、このばね接点96と対向する回路基板上には、年検出車86の回転に応じて、年検出車86と共に回転するばね接点96を介して導通する導通端子部96Tが設けられる。この導通端子部96Tは、表示される年が「閏年」か否かで導通(閉状態)或いは非導通(開状態)となるように形成され、後述する制御部Aの端子CS2と接続されている。この制御部Aは、端子CS2を介してばねスイッチ320の開閉(HレベルかLレベルか)を検出することにより、図8に示す年情報検出パターンに基づいて該当年が「閏年」か「非閏年(平年)」のいずれかを検出するようになっている。即ち、年情報の検出パターン数は2となっている。
同図に示すように、腕時計1は、制御部Aと、発電部Bと、電源部Cと、指針駆動部Dと、運針機構Eと、日付機構駆動部Fと、オートカレンダ機構(圧電ロータ72のみを示す)とを備えている。
そして、圧電ロータ72の送り量が1日分の送り量となり、圧電ロータ72の送り量検出用のばねスイッチ300が開から閉に切り替わり、このばねスイッチ300に接続された端子がHレベルからLレベルに切り替わったことを検出すると、日付機構駆動部Fに対してストップ信号を出力してオートカレンダ機構の駆動を停止させる(ステップS3)。以上が1日送り処理である。このように、圧電アクチュエータ71の駆動時にばねスイッチ300で圧電ロータ72の送り量を検出するように構成しているので、時計駆動をする中で比較すると、消費電力が非常に多いフォトリフレクタで圧電ロータ72の送り量を検出する場合に比して、圧電アクチュエータ71の駆動と、圧電ロータ72の送り量検出とを同時に行う場合の消費電力を低くすることが可能となっている。
この復帰の際、節電モードの期間が例えば2年以下の場合は通常のカレンダ送りと同回転方向の正回転でオートカレンダ機構を駆動する一方、例えば、2年以上4年以下の場合は逆回転でオートカレンダ機構を駆動し、これにより、オートカレンダ機構の回転駆動量が少ない回転方向に回転駆動させて高速復帰と低消費電力との両立を図るようになっている。しかしながら、このオートカレンダ機構の復帰は、月末修正を考慮せずに、単に節電モードの経過日数分だけ日付を進めるものであるため、「2月31日」、「2月30日」、および平年の「2月29日」を表示してしまう場合が生じる。
本構成では、かかる復帰動作を行った場合にもステップS4移行の処理が実施され、この場合も考慮してカレンダ補正処理が規定される。
なお、上記節電モードの機能を具備しない腕時計にあっては、ステップS27〜S29の処理を省略することができる。
また、本説明では節電モード時はカレンダ送りも停止し時刻復帰時に合せカレンダ復帰をする説明を行ったが、節電モード時は時刻送りを停止させカレンダ送りのみ1日毎に実施してもよい。この場合、最初の24時検出を電気接点により検出後は24時間のカウンタをIC上で持たせ、節電モードのみこのカウンタにより24時間毎にカレンダ送りを実施しステップS4移行の処理を実施すればよく、長期間放置後の節電モード復帰時にカレンダ送りに懸かる長い復帰時間の回避や復帰時間中の操作制限を回避できる。
これに対し、本実施形態では、上述したように、圧電ロータ72の回転力を、減速輪列を介して送り車76に伝達させると共に、この送り車76の回転力を制御車78に伝達し、この制御車78を回転させることで、1位の日車89、10位の日車92、月車82及び年車85を、夫々個別に回転させるため、減速比が数値限定されことがなく、しかも、1位の日車89、10位の日車92、月車82及び年車85などを任意の位置にレイアウトすることが容易になり、設計時におけるレイアウト上の制約、並びにデザイン上の制約が極めて少ないものになる。また、制御車78を回転させることで、上述したように、個別の第1〜第3の歯車輪列を介して、1位の日車89、10位の日車92、月車82及び年車85を、夫々個別に回転させるため、第1〜第3の歯車輪列群が重なり合うことがなくなり、カレンダ送り機構の薄型化が図られる。
これにより、この腕時計1の消費電流が2次電池(大容量コンデンサ48)の定格電流を超えてしまう場合をほぼ確実に回避することが可能となる。また、このばねスイッチ300を圧電ロータ72と制御車78との間の減速輪列の中間車75に設けているので、このばねスイッチ300の負荷トルクがオートカレンダ機構の駆動に与える影響を支障がない程度に低く抑えることができる。
図17は、この場合の日情報検出パターンの一例を示す図である。かかる場合、上記カレンダ送り処理において、ステップS7およびS9の処理に代えて、端子PT1およびPT0の検出結果に基づいて「1〜28日」か否かを判定し、「1〜28日」の場合は年検出を行うことなく、カレンダ送り処理を終了するようにすればよい。これにより、表示している日が「1〜28日」の場合は年検出を行う必要がなくなり、その分、消費電力を節約することが可能となる。
例えば、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS5の処理をステップS9の処理の後に行うようにしてもよい。この場合も、現在表示されている日が「1〜28日」の場合は、月や年の検出を行わないですみ、その分、カレンダ検出に要する消費電力を節約することができる。
また、上述の実施形態では、日車に光検出用パターンを設け、このパターンをフォトリフレクタで読みとって日検出を行う場合について述べたが、日車に磁気検出用パターンを設け、このパターンを磁気ヘッドなど(磁気読取手段)で読みとって日検出を行うようにしてもよく、また、光検出及び磁気検出以外の静電容量検出等の様々な非接触検出方式を適用してもよい。磁気検出の場合には、時計用歯車に複数の硬磁性膜パターンを設け、これと対向した基板上にはホール素子を配置して、磁化情報を硬磁性膜パターンから検出する。ボンディングワイヤの配線でホール素子制御電流をホール素子に流し、ホール素子起電力を測定する。ホール素子と硬磁性膜パターンとは非接触であり、運針への影響をなくしている。特に、GaAsホール素子はノンパッケージ品で300μm×300μm×150μm厚と非常に小さく、時計のムーブメントに容易に入れこむことができ、時計の厚みを変える必要もない。
また、上述の実施形態では、日表示窓204と、24時表示部205と、月表示部206と、年表示部208とを有する時計に本発明を適用する場合について例示したが、日だけを表示する時計や曜日を表示する時計にも適用可能であり、いずれの表示部を設けるかは任意である。そして、いずれの表示部も、指針表示でも、円板を用いた表示でもよい。なお、本発明の実施形態では、太陽暦を使用したもので説明したが、太陰暦に使用してもよい。また、上述の実施形態では、圧電アクチュエータ71によりオートカレンダ機構を駆動する場合について例示したが、通常時刻表示輪列を日送り車77に連動させた(オートカレンダ機構でない)暦表示機構に適用してもよく、デザイン制約,小型薄型化など効果は同様である。
さらに、上述の実施形態では、本発明を腕時計に適用する場合を例示したが、懐中時計などの携帯型の時計や置き時計などの固定型の時計にも適用可能である。また、携帯型、固定型を問わず、標準時刻を示す電波(例えばJJY)を受信して時刻を修正する電波時計にも適用可能である。
Claims (14)
- 現在時刻を表示する現在時刻表示部と、少なくとも日の表示を行う暦表示部と、前記暦表示部あるいは前記現在時刻表示部を駆動する駆動源と、暦表示部および現在時刻表示部の表示内容の修正を行う外部操作部材とを備えた暦表示機能付時計において、
前記駆動源を構成するアクチュエータにより駆動される制御車を備え、
前記制御車は、月表示車と、1位の日車と、10位の日車とを含む複数の暦表示車をそれぞれ個別の歯車輪列を介して回転させる複数の送り爪を備え、
前記複数の送り爪は、薄板で構成され、前記制御車の外周に軸方向に配列されていることを特徴とする暦表示機能付時計。 - 前記制御車が、
送り車に対応する制御歯車と、
各暦表示車に夫々対応する複数の表示車送り部とを同軸上に備えたことを特徴とする請求項1に記載の暦表示機能付時計。 - 前記制御歯車が、
31分割の歯形又は31のn倍(n:自然数)の歯形で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の暦表示機能付時計。 - 前記表示車送り部が、
1位の日車に対応する送り爪と、10位の日車に対応する送り爪とを備えたことを特徴とする請求項2又は3のいずれか一項に記載の暦表示機能付時計。 - 前記表示送り部の送り爪で回転される前記1位日車と前記10位の日車とが略同軸上で回転することを特徴とする請求項4項に記載の暦表示機能付時計。
- 前記アクチュエータ、ロータ、歯車輪列、送り車、制御車、並びに暦表示車が平面的に略U字状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の暦表示機能付時計。
- 前記各暦表示車が平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の暦表示機能付時計。
- 運針機構の筒車により駆動される24時車を備え、この24時車が、前記各暦表示車と平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の暦表示機能付時計。
- 前記外部操作部材はリューズであり、前記リューズで操作される暦表示修正機構を備え、この暦表示修正機構を構成する輪列の一部が、前記送り車に噛み合う構成としたことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の暦表示機能付時計。
- 前記暦表示修正機構の輪列の一部が送り車に噛み合った場合、前記アクチュエータで駆動されるロータ側の輪列を当該送り車から離脱させる機構を備えたことを特徴とする請求項9に記載の暦表示機能付時計。
- 前記離脱させる機構がすべり手段であることを特徴とする請求項10に記載の暦表示機能付時計。
- 現在時刻を表示する現在時刻表示部と、少なくとも日の表示を行う暦表示部と、前記暦表示部あるいは前記現在時刻表示部を駆動する駆動源と、暦表示部および現在時刻表示部の表示内容の修正を行う外部操作部材とを備えた暦表示機能付時計において、
前記駆動源は、アクチュエータと、このアクチュエータで駆動されるロータと、このロータに歯車輪列を介して噛み合う送り車と、この送り車に噛み合う制御車とを備え、
前記制御車は、月表示車と、1位の日車と、10位の日車とを含む複数の暦表示車をそれぞれ個別の歯車輪列を介して回転させる複数の送り爪を備え、
前記複数の送り爪は、薄板で構成され、前記制御車の外周に軸方向に配列されていることを特徴とする暦表示機能付時計。 - 前記各暦表示車に暦表示車の状態検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の暦表示機能付時計。
- 前記送り車、制御車、並びに暦表示車のいずれかに係合し前記表示内容の修正時の修正感を発生させる弾性部材を備えたことを特徴とする請求項2乃至13のいずれか一項に記載の暦表示機能付時計。
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