以下、本発明の位置検出機能付マイクロ波検出器のデータ更新システムおよびそのデータ更新システムにおけるダウンロードアダプタの一実施の形態を説明する。図1は、位置検出機能付マイクロ波検出器のデータ更新システムの基本構成を示している。図1において、位置検出機能付マイクロ波検出器のデータ更新システム1は、位置検出機能付マイクロ波検出器10と、ダウンロードアダプタ20と、サーバ30と、ユーザ側通信端末mtと、複数のサーバ側通信端末MTk(k=1,2,・・・,M)とを備えている。
位置検出機能付マイクロ波検出器10は、ダウンロードアダプタ20とともに、車両BCLに搭載されるもので、GPS端末としての機能を搭載している。また、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10に有線や無線(赤外線等)により接続(図1では有線接続)され、位置検出機能付マイクロ波検出器10と安定した通信を行なう。また、ダウンロードアダプタ20は、ユーザ側通信端末mtと有線や無線(赤外線等)により通信する機能を備えている。なお、図1では、ユーザ側通信端末mtとして携帯型電話機を使用した例を示してあるが、本発明はこれに限ることはなく、たとえば専用の端末装置を使用することもできる。
サーバ30は、サーバ側通信端末MTk(kは、1からMの整数の何れか)を介してユーザ側通信端末mtと通信できる。前述したようにユーザ側通信端末mtは、ダウンロードアダプタ20に接続されおり、ダウンロードアダプタ20にとって、サーバ30はホスト装置として機能する。サーバ30の記憶部(図4の符号33参照)には、目標物の位置情報,誤動作源の位置情報等が記憶されている。目標物は、典型的には車両速度計測装置(固定速度取締り装置)であり、誤動作源は、たとえばコンビニエンスストア等の自動ドアである。
図1では、ユーザ側通信端末mt(携帯型電話機)とサーバ側携帯端末MTkとの間の通信は、携帯型電話機回線網MNを介して行われる。したがって、サーバ30は、複数のダウンロードアダプタ20に、携帯型電話機回線網MNを介して同時にアクセスすることができるので、通信の秘密性・安全性が高くなり、また後述するように電話番号を用いたユーザの特定が容易となる。もちろん、本発明では、インターネットその他の通信網を利用することもでき、たとえば、通信網が通常の公衆回線である場合には、サーバ側通信端末MTkは据置き型電話機とすることができるし、1つまたは複数のサーバ側通信端末としての機能を持つモデム等とすることができる。
なお、図1では車両BCLを1台のみ示してあるが、実際のシステムでは、位置検出機能付マイクロ波検出器10およびダウンロードアダプタ20が搭載された多数の車両BCLがシステムの構成要素となる。
図2は、位置検出機能付マイクロ波検出器10の構成図である。この位置検出機能付マイクロ波検出器10は、受信部11と、位置測定部12と、誤動作源追加判定部13と、記憶部14と、範囲判定部15aと、近接判定部15bと、警報判定部16と、警報生成部17と、通信制御部18と、データ制御部19と、を備えている。なお、記憶部14には、後述する目標物位置情報LD1、誤動作源の位置情報LD2および追加位置情報LD3が登録されるとともに、マイクロ波検出器情報が記憶されている。マイクロ波検出器情報は、そのマイクロ波検出器に関する関連情報であり、認識番号(識別番号)となるRD−ID等がある。このRD−IDは、接続されるダウンロードアダプタ20により設定される。
受信部11は、マイクロ波アンテナA1を介して捕捉したマイクロ波に基づいて、所望の周波数(検出対象物から出射されるマイクロ波の周波数)のマイクロ波を検波し、その検波信号に基づいて目的のマイクロ波と同一周波数のマイクロ波を受信したか否かを判断する。例えば、マイクロ波の検波出力(検波していること=検波信号がHigh)と受信時間からマイクロ波を検出したことを判定することができる。つまり、検波信号がHighの状態が所定時間継続していると、目的のマイクロ波を受信したと判断する。さらに、係る目的のマイクロ波の受信の有無の判断に際し、マイクロ波アンテナA1で捕捉したマイクロ波の電界強度も考慮し、受信電界強度が一定以上の場合であることを条件に付加するようにしてもよい。なお、この受信部11では、検出対象の目標物が発射する所定周波数のマイクロ波の受信の有無を判定するため、同一周波数帯のマイクロ波を発射する誤動作源からのマイクロ波を受信した場合も受信したと判断する。そして、受信部11が、所定のマイクロ波を受信した場合には、受信信号を誤動作源追加判定部13および警報判定部16に受信通知を送出する。
また、位置検出機能付マイクロ波検出器10は、GPS受信アンテナA2を備え、そのGPS受信アンテナA2にて複数のGPS衛星から発せられるGPS信号を受信し、その受信した信号を位置測定部12に与える。位置測定部12は、受信情報に基づいて現在位置(経度,緯度情報)を算出する。なお、受信した信号(電波)に基づく現在位置の算出アルゴリズムは、公知のものをそのまま用いることができるので、その詳細な説明を省略する。この位置測定部12にて検出された現在位置は、測定結果情報を誤動作源追加判定部13、範囲判定部15a、および近接判定部15bに送出する。
誤動作源追加判定部13は、受信部11から送られた受信信号に基づき、その受信したマイクロ波が誤動作源からのマイクロ波か否かを判断する。そして、マイクロ波の発生源が誤動作源であると判定したときに当該誤動作源の位置情報を追加位置情報LD3として記憶部14に登録する。この追加位置情報LD3は、ユーザが誤動作源に関する位置情報として登録する情報であり、そのユーザ(位置検出機能付マイクロ波検出器10)固有の情報となる。
マイクロ波の発生源が誤動作源であると判定するためには、本実施の形態では、車両BCLが同じ場所でn回(nは2以上の正の整数)にわたり所定周波数帯域のマイクロ波を受信し、かつ、その受信した場所は目標物の位置情報LD1,誤動作源の位置情報LD2に登録されていないことを条件としている。
誤動作源追加判定部13における判断は、例えば、マイクロ波を発する検出対象の目標物(速度監視装置)が存在する位置情報を記憶部14の各位置情報LD1からLD3に格納しておき、マイクロ波を受信したときの現在位置に基づき各位置情報LD1からLD3を検索する。そして、検出した現在位置が未登録の場合には誤動作源の場合と、臨時に設置した検出対象の目標物の場合の両方の可能性があるが、連続して同一地点で未登録のマイクロ波を受信した場合には、誤動作源のおそれが高くなる。そこで、係る場合に、同一地点(一定の範囲内を含む)にて予め設定した回数だけ連続して検知した場合には、誤動作源と判断し、記憶部14の所定エリアに現在位置の情報を誤動作源の位置情報(追加位置情報LD3)として格納する。
具体的には、例えば誤動作源追加判定部13は、受信部11がマイクロ波を受信したときは、位置測定部12により測定された現在の自己位置情報が、目標物の位置情報LD1,誤動作源の位置情報LD2,追加位置情報LD3の何れにも含まれてないときは、現在の自己位置情報を所定の記憶エリア(たとえば、記憶部14の一部であってもよいし、所定のレジスタであってもよい)に登録する。所定の記憶エリアは、複数の位置情報を格納するエリアを備えるとともに、各位置情報についてのカウンタ値を保持する機能を持つ。そして、現在の位置情報と同一地点についてすでに登録されている場合には、カウンタCxのカウント値を1インクリメントとする。そして、カウンタ値がnx(たとえば、nx=3)に達したときは、当該位置情報を追加位置情報LD3として記憶部14に登録する。
例えば、もちろん、これ以外の各種の方法により、自動的,半自動的,手動により、追加情報記憶エリア16aに誤動作源についての位置情報を追加することができる。
誤動作源追加判定部13の判定アルゴリズムとしては、このように自動的に行なうものに限ることはなく、例えば操作パネル(図示せず)を用いたユーザの操作により行なうこともできる。たとえば、車両BCLが、ある場所を通過した際に受信信号に基づき警報判定部16が検出対象物が存在したと判断し、警報生成部17を動作させて所定の警報を発した場合に、ユーザが位置検出機能付マイクロ波検出器10に設けた所定の操作スイッチを押下すると、誤動作源と判断し、その現在位置の情報を誤動作源の位置情報(追加位置情報LD3)として記憶部14に格納するようにすることもできる。
記憶部14に登録された目標物の位置情報LD1および誤動作源の位置情報LD2は、メーカ側から供給されるデータである。つまり、まず、メーカ側にて製造時,出荷時等において格納されるとともに、定期的にまたは適時に、サーバ30による更新がなされるため、出荷後にユーザがサーバ30にアクセスし、そのサーバ30に格納されている最新のデータをダウンロードして格納する。
また、記憶部14に記憶される追加位置情報LD3は、各位置検出機能付マイクロ波検出器10ごとに、独自に登録される。本実施の形態では後述するように、この追加位置情報LD3は、適宜、サーバ30にアップロードされる。追加位置情報LD3は、サーバ30の記憶部33に追加位置情報LD03として記憶され、追加位置情報LD03は、適宜、誤動作源(非目標物)の位置情報LD02に加えられる。
範囲判定部15aは、位置測定部12により測定された現在の自己位置情報が示す点を中心にした所定範囲(たとえば、半径ra〔m〕の範囲)内の点が、誤動作源fの位置情報LD2および追加位置情LD3に含まれるか否か、すなわちマイクロ波の発生源が誤動作源であるか否かを判定し、その判定結果を警報判定部16に送出する。ここで誤動作源は、前述したように自動ドア等であり、マイクロ波の発生源が誤動作源である場合の判定結果は、典型的には後述するように警報制限指令であるが、後述するように近在に誤動作源が存在する旨の報知等の指令とすることもできる。
近接判定部15bは、位置測定部12により測定された現在位置の位置情報が示す点を中心にした所定範囲(たとえば、半径rb〔m〕の範囲)内の点が、目標物の位置情報LD1に含まれるか否か、すなわちマイクロ波の発生源が目標物であるか否かを判定し、判定結果を警報判定部16に送出する。ここで、目標物は、車両速度計測装置(固定速度取締り装置等)であり、マイクロ波の発生源が目標物である場合の判定結果は、警報指令である。警報指令には、目標物が存在する方向を示す情報や、速度を示す情報を含めることもできる。
なお、通常は、範囲判定部15aがマイクロ波の発生源が誤動作源であると判断するときは、近接判定部15bがマイクロ波の発生源が目標物であると判断することはないし、逆に近接判定部15bがマイクロ波の発生源が目標物であると判断するときは、範囲判定部15aがマイクロ波の発生源が誤動作源であると判断することはない。
範囲判定や近接判定は、少なくとも記憶部14に格納された各種の位置情報と、位置測定部12により検出された現在位置情報に基づいて行なうものであれば、上述した具体的な判定アルゴリズムに限らず、各種のものを適用することができる。
警報判定部16は、受信部11から与えられる所定のマイクロ波の受信判定結果と、近接判定部15bから与えられる固定速度取締り装置等の位置情報による近接判定結果と、範囲判定部15aから与えられる誤動作源情報による範囲判定結果を受けて警報の判定を行い、必要な情報のみ報知するようにしている。一例を示すと、下記の通りである。
例えば、受信部11からマイクロ波の受信信号が警報判定部16に与えられた場合に、範囲判定部15aから通常警報禁止範囲内との判定結果がなければ、通常の警報をする旨決定し、警報生成部17を動作させて通常の警報を発する。また、通常警報禁止範囲内との判定結果があった場合には、警報判定部16は、受信したマイクロ波は誤動作源からの可能性が高いため、警報を禁止したり、通常より警告レベルの低い警報を発するように決定する(どちらにするかは、予め設定しておく)。そして、係る低いレベルの警報を発する場合には、通常の警報をせず、低いレベルの警報を警報生成部17を介して発する。
このように、本実施の形態では、マイクロ波の受信信号に基づいて警報を発する場合には、位置情報に基づく近接判定の結果の如何に関わらず、誤動作源のみ考慮して警報を発するようにしている。
また、マイクロ波の受信信号がない場合でも、近接判定部15bから検出対象物に近接した旨の判定結果を受けた場合には、警報判定部16は所定の警報をすることを決定し、警報生成部17を動作させる。マイクロ波の受信判定に伴う警報と、位置情報に基づく近接判定に伴う警報は、それぞれ異ならせても良いし、同じでも良い。
警報生成部17は、上述した警報,報知,通知を表示するディスプレイ、または警報,報知,通知を音声出力するスピーカである。これらのディスプレイやスピーカは、カーナビゲーションシステムに備えられたものを利用することができる。
なお、上述した実施の形態では、警報判定部16は、マイクロ波の受信を優先に警報をするようにし、マイクロ波が検出できない場合に位置情報に基づく警報を行なうようにしたが、これとは逆に、位置情報に基づく警報を優先、すなわち、位置情報に基づく近接判定がされると、マイクロ波の受信の有無を問わず警報をするようにし、補助的にマイクロ波の受信に基づく警報をしたり、マイクロ波の受信による警報と、位置情報に基づく警報をそれぞれ独立して行なうようにしてもよく、各種の判定アルゴリズムがとれる。さらに、本発明では、上記の誤動作源に基づく通常警報禁止処理は必ずしも無くても良い。
通信制御部18は、ダウンロードアダプタ20との間で、例えばRS232Cなどの所定の通信プロトコルを実行する。通信制御部18は、端子TL1を介してダウンロードアダプタ20に接続されている。データ制御部19は、通信制御部18を介してダウンロードアダプタ20から各種情報を受け取り、これを記憶部14に記憶することができ、また記憶部14に記憶されている各種情報を読み出してダウンロードアダプタ20に送出することができる。
図3はダウンロードアダプタ20の構成図である。ダウンロードアダプタ20は、通信制御部21と、データ制御部22と、一時記憶部23とを備えている。さらに、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10と接続を図るための第1通信ケーブル25と、ユーザ側通信端末mtと接続を図るための第2通信ケーブル26を備えている。第1通信ケーブル25の先端には、ミニコネクタが接続され、そのミニコネクタをマイクロ波検出器10の側面に設けた接続端子TL1に接続することにより、データの送受が可能となる。また、第2通信ケーブル26の先端には携帯コネクタが接続され、その携帯コネクタを携帯電話機に設けた接続コネクタTL2に連結することにより、ユーザ側通信端末mtとの間でデータの送受が行なわれる。
通信制御部21は、前述した端子TL1を介して位置検出機能付マイクロ波検出器10の通信制御部18と情報のやり取りを行なうことができ、また、端子TL2を介してユーザ側通信端末mtを介してサーバ30のサーバ側通信端末MTkと通信を行なうことができる。通信制御部21は、図では、1つのブロックとして示しているが、それぞれ異なる別途の通信制御部を実装することもできる。なお、本実施の形態では、上記のように第1通信ケーブルを利用してダウンロードアダプタとマイクロ波検出器を接続したが、両者に赤外線通信機能を設け、赤外線通信によりデータの送受を行なうようにしてもよく、その他各種の通信形態をとることができる。
データ制御部22は、ユーザ側通信端末mtおよびサーバ側通信端末MTkを介してサーバ30の記憶部33からダウンロードした目標物の位置情報LD01,誤動作源の位置情報LD02等を一時記憶部23に記憶させることができ、適時に当該位置情報を通信制御部21により位置検出機能付マイクロ波検出器10の通信制御部18に送出する。
一時記憶部23は、EEPROM等の不揮発性記憶素子(電源バックアップされた揮発性記憶素子を含む)である。この一時記憶部23に、マイクロ波検出器10とサーバ30との間で転送するデータを一時的に記憶する。つまり、通信制御部21は、ユーザ側携帯電話機mtを介してサーバ30から受信した位置情報や誤動作源情報を、データ制御部22に渡し、データ制御部22が取得した位置情報ならびに誤動作源情報を一旦一時記憶部23に格納する。そして、サーバ30からデータを正常に受信終了したならば、データ制御部22は、一時記憶部23に一時的に格納した位置情報,誤動作源情報を一時記憶部23から読み出すとともに、通信制御部21に渡し、その通信制御部21を介してマイクロ波検出器10に位置情報,誤動作源情報を渡すようにしている。
なお、位置検出機能付マイクロ波検出器10側では、上記のようにして送られてきた位置情報,誤動作源情報は、通信制御部18が受信するとともに、データ制御部19に渡し、データ制御部19が、それぞれ記憶部14の所定の記憶エリアに書き込むことでデータの更新が完了する。
これにより、ダウンロードアダプタ20がユーザ側携帯電話機mtによるサーバ30との通信中に正常に更新できなかったとしても、マイクロ波検出器10のもつデータに影響を与えることなく、サーバ30からのデータがダウンロードアダプタ20の一時記憶部23に正常に受信できた段階で位置検出機能付きマイクロ波検出器10にデータを移動することができ、移動中の車両の中においてもデータ更新を確実に行なうことができる。
なお、一時記憶部23を経由して行なうダウンロードであるが、最終的に位置検出機能付きマイクロ波検出器10にダウンロードすべき情報の全てを一時記憶部23にダウンロードした後にマイクロ波検出器に送信するようにしても良いし、適宜分割し、複数回に分けて転送しても良い。
同様に、マイクロ波検出器10の追加情報記憶エリアに格納されたユーザが収集した誤動作源情報(ユーザデータ)である追加位置情報LD3は、データ制御部19が読み出すとともに、通信制御部18に渡す。そこで、通信制御部18は、ダウンロードアダプタ20の通信制御部21と通信をし、ユーザが収集した誤動作源情報(ユーザデータ:LD3)を送る。すると、通信制御部21は、一旦データ制御部22を介して一時記憶部23に一時的に格納し、位置検出機能付きマイクロ波検出器10から正常にデータを吸い上げたならば、一時記憶部23に格納したユーザデータを読み出して、ユーザ側携帯電話機mtを介してサーバ30に送る。
なお、サーバ30から位置検出機能付マイクロ波検出器10にデータを送る際のデータ量に比べ、ユーザデータのデータ量の方が小さい。従って、ユーザデータをサーバ30に送る場合には、一時記憶部23を用いることなく、リアルタイムで通信しても良い。
上述したように、本実施の形態では、基本的にはサーバ30から位置検出機能付マイクロ波検出器10に送出される目標物の位置情報LD01,誤動作源の位置情報LD02等は、ダウンロードアダプタ20が一旦受信するので、ダウンロードアダプタ20とサーバ30との通信が切断されても(ダウンロードが中断されても)、位置検出機能付マイクロ波検出器10は、記憶部14に格納された位置情報LD1,誤動作源の位置情報LD2、追加位置情報LD3等を使用できる。すなわち、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10と、安定した情報の送受信を行なうことができ、また、サーバ30から、更新するべき目標物の位置情報LD01、誤動作源の位置情報LD02を一時記憶部23に格納し終えた後に、当該一時記憶部23から位置検出機能付マイクロ波検出器10に当該位置情報を転送するので、車両の移動中等、サーバ30との通信状態が悪かったとしても、位置検出機能付マイクロ波検出器10の本来の機能が損なわれることはない。
図4はサーバ30の構成図である。サーバ30は、通信制御部31と、データ制御部32と、記憶部33とを備えている。通信制御部31は、本実施の形態では通信端末MTkを介して携帯電話回線網MNに接続されダウンロードアダプタ20と各種情報をやり取りできる。本実施の形態では、サーバ30と位置検出機能付マイクロ波検出器10とが、あるいはサーバ30とダウンロードアダプタ20とが携帯電話回線網MNを介して接続されているので(すなわち、インターネットを介することなく接続されているので)、情報の漏洩等に対する安全性が極めて高い。
データ制御部32は、通信制御部31と記憶部33との情報のやり取りを行なうことができ、たとえば、記憶部33から位置情報LD01,誤動作源の位置情報LD02等を読み出し通信制御部31に渡すことができるし、通信制御部31が受信した追加情報LD3等の各種情報を記憶部33に格納することができる。
記憶部33には、目標物の位置情報LD01、誤動作源の位置情報LD02、ユーザから受け取った追加位置情報LD03、着信電話番号RPN、データ状況CD、発信電話番号SPN、契約情報CIが格納されている。なお、本実施の形態では、追加位置情報LD03は、その信頼性(真に誤動作源であるか否か)が判断された後に、信頼性が高いものについて誤動作源の位置情報LD02に加えられる。
本実施の形態では、サーバ30は、ダウンロードアダプタ20からのアクセスを受けて、そのダウンロードアダプタ20と通信する。つまり、通信制御部31は、位置検出機能付マイクロ波検出器10から位置情報LD01,誤動作源の位置情報LD02等のダウンロード要求を受け取ることができる。通信制御部31が位置情報LD01,誤動作源の位置情報LD02等のダウンロード要求を受け取ったときは、受け取った情報に基づいてサーバ30は、どの種類の情報をダウンロードアダプタ20に送る必要があるか否かを判断し、必要があると判断した場合には、サーバ30のデータ制御部32は、記憶部33から必要な位置情報(目標物の位置情報LD01、誤動作源の位置情報LD02)を、通信制御部31を介して位置検出機能付マイクロ波検出器10に送信する。もちろん、ダウンロードアダプタ20からのダウンロード要求があった場合に、上記の判断をすることなくダウンロードをするようにしてもよいし、サーバ30側が所定タイミングで契約したダウンロードアダプタにアクセスし、データ更新をするようにすることもできる。
本実施の形態では、通信端末MTkは携帯型電話機であるので、ユーザが使用する携帯型電話機の番号(発信電話番号SPN)をユーザIDとして用いることができ、携帯型電話機の所有者のみからのアクセスにのみ位置情報を提供することができる。この場合には、発信電話番号SPNがアクセスのための「鍵」として利用することが可能となる。
サーバ30は、発信電話番号SPNに該当する通信端末mt(携帯型電話機)からの着信があったときは、契約情報CIと、ROM VERSION(現在格納されている各種の位置情報LD01,LD2等のデータのバージョン)や、RD受信可能データビット(位置検出情報付マイクロ波検出器10の機能)等のデータ状況CDから決定される送信すべき目標物位置情報LD01、誤動作源の位置情報LD02を、該当するダウンロードアダプタ20に送信し、必要であれば位置検出機能付マイクロ波検出器10の記憶部14に登録されている追加位置情報(図2のLD3)を記憶部33にアップロードする。
なお、契約情報CIは、電話番号に相当するユーザがメーカ等と交わした契約であり、たとえば目標物の位置情報のダウンロードだけを対象とした契約,誤動作源の位置情報のダウンロードを含めた契約等、契約態様に合わせたデータ提供を行なわせるようにしたものであり、データ制御部32は、この契約情報CIに応じて、ユーザへの情報の提供を行なう。
図5ないし図14は、位置検出機能付マイクロ波検出器10と、ダウンロードアダプタ20と、サーバ30との間の各種情報のやり取りを示すシーケンス図である。そして、通信制御部18,21,31や、必要に応じてデータ制御部19,22,32が、このシーケンス図を実行する機能を有する。以下、このシーケンス図を参照して位置情報等のやり取り等を説明する。なお、この例では、ダウンロードアダプタ20は、複数の位置検出機能付マイクロ波検出器10の接続に対応できるように構成されているものとする。
初期状態として、ダウンロードアダプタ20とサーバ30とは、待ち受け状態にあるものとする(F01)。ダウンロードの開始は、例えばダウンロードアダプタ20に設けた所定の操作スイッチ(ボタン)が押下されることをトリガとし、ダウンロードアダプタ20が位置検出機能付マイクロ波検出器10に関連情報の送信を要求する(F02)。
この関連情報の送信の要求を受信した位置検出機能付マイクロ波検出器10は、関連情報として以下の内容をダウンロードアダプタ20に送信する(F03)。
・接続対象の位置検出機能付マイクロ波検出器10が接続対象であるか否かを特定するための識別コード「RD−ID」
・位置検出機能付マイクロ波検出器10が持つデータ構造の種類を区別するための「ROM TYPE」;
・ROMのバージョン、すなわち、現在か記憶部14に格納された各位置情報LD1,LD2等のバージョンを示す「ROM VERSION」
・位置検出機能付マイクロ波検出器10が、その機種の機能上、目標物の位置情報、誤動作源の位置情報を受信可能か否か(対応しているか否か)を特定する「RD受信可能データビット」
・位置検出機能付マイクロ波検出器10がサーバ30に対して、ユーザにより追加される誤動作源の位置情報、固定速度取締り装置の位置情報が送信可能であることを示す「RD送信可能データビット」(1:送信可能,2:送信不可)
ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10から関連情報を受け取ると、その中の1つである「RD−ID」に基づき、位置検出機能付マイクロ波検出器10を新規登録するか否かをチェックする(F04)。
具体的には、「RD−ID」は8ビットの2進数から構成されており、本実施の形態では位置検出機能付マイクロ波検出器10が初めて使用されるとき(すなわち、工場出荷時等)においては、「RD−ID」の値は「0x00」としてある。
そこで、ダウンロードアダプタ20は、「RD−ID」の値が「0x00」である場合には、位置検出機能付マイクロ波検出器10を新規登録する旨を決定する。そして新規登録の場合は、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10に書込み要求を発行し(F05)、位置検出機能付マイクロ波検出器10からの書込み許可を受け取ったときは(F06)、ダウンロードアダプタ20はランダムなRD−ID(たとえば、「0x8A」)を生成し、これを位置検出機能付マイクロ波検出器10に書き込む(F07)。すなわち、位置検出機能付きマイクロ波検出器10の記憶部14の所定エリアに格納され、図示省略するが、この書き込み(格納)が完了すると、書き込み完了通知が位置検出機能付きマイクロ波検出器10からダウンロードアダプタ20に送られるようにするとよい。係る処理を行なうことにより、ダウンロードアダプタ20も、対応する位置検出機能付きマイクロ波検出器10にRD−IDが正しく格納されたことを確認できる。また、このとき生成し設定したRD−IDと同一のIDをダウンロードアダプタ20の認証用のID(DA−ID)としてダウンロードアダプタ20に保持する。従って、位置検出機能付きマイクロ波検出器10と、ダウンロードアダプタ20が正規の組み合わせであれば、それぞれに格納されたRD−IDとDA−IDは等しい値を採る。なお、RD−IDの認証等の処理の詳細については後述する。
一方、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10の新規登録の判断に続いて、携帯電話回線網MNを介してサーバ30に接続する。本実施の形態では、ダウンロードアダプタ20はユーザ側通信端末mt(携帯型電話機)を用いて、登録したサーバ側通信端末MTk(携帯型電話機)の電話番号に発呼して(F08)、着呼応答を受信し接続が確立されると(F09)、通信が開始される(F10)。なお、図5から明らかなように、F04の分岐判断で新規登録をすると判断した場合には、新規登録処理をした後に発呼(F08)し、新規登録をしないと判断した場合には、そのまますぐに発呼(F08)するようにしており、ダウンロードアダプタ20では、位置検出機能付きマイクロ波検出器10に登録されているRD−IDが正規のものか否か(ダウンロードアダプタ20に登録されているDA−IDとの一致/不一致)のチェックは行なわない。
ダウンロードアダプタ20は、サーバ30に対してダウンロードが可能である旨の通知(ダウンロード可能通知)を発行する(F11)とともに、位置検出機能付マイクロ波検出器10から受け取ったデータ、
・「RD−ID」
・「RD受信可能データビット」
・「RD送信可能データビット」
・「ROM VERSION」
・「ROM TYPE」
と、ダウンロードアダプタ20が持つ下記データ、
・ダウンロードアダプタ20のID「ダウンロードアダプタID」
・ダウンロードアダプタ20が持つサーバ側の「受信電話番号更新日付」
をサーバに伝送する。
サーバ30は、ダウンロード可能通知とともに送信された上記情報とサーバ30が持っている情報とを比較して、ダウンロードアダプタ20に必要な情報を送信する。たとえば、サーバ30は、ダウンロードアダプタ20からのダウンロード可能通知を受信した後に(F11)、受信した「受信電話番号更新日付」をサーバのデータ状況に保存されている日付と比較する。
サーバ30は、新しい着信番号(受信電話番号)を持っていると判断したときは、当該新しい着信番号をダウンロードアダプタ20に送信する旨の信号とともに送信する(F12:電話番号更新要求)。ダウンロードアダプタ20はこれを受け、EEPROM等の不揮発性記憶装置(以下、EEPROMと言う)への書込み処理を開始し(F13)、所定箇所に存在するサーバの着信電話番号を更新し、サーバ30に着信電話場更新通知を発行する(F15)。
この通知を受けたサーバ30は、着信電話番号更新通知を受け取ると、「受信電話番号更新日付」を更新する(F16)。これにより、現在通信中のダウンロードアダプタ20に対し、本日現在(更新日付として登録)で追加された着信電話番号については通知済みであることが分かり、その更新日付以降に新たに着信電話番号が追加された場合には、上記のF12の処理を行なうとともに通知し、それがなければF11を受けたならば、以下の処理を実行することになる。
続いて、サーバ30は、ダウンロードアダプタ20に開放エリアの読出し要求を発行する(F17)。開放エリアとは、サーバが直接管理するデータが記憶されている固定情報エリアとサーバ又は位置検出機能付マイクロ波検出器10からのデータをバッファリングするワークエリアから構成される、サーバ30が直接管理可能なサーバ30に開放されたエリアである。具体的には固定情報エリアにはダウンロードアダプタ20が固有に持つ「ダウンロードアダプタID」とダウンロードアダプタ20に接続する位置検出機能付マイクロ波検出器10の接続台数を管理する「接続制限データ」を持つ。ワークエリアは位置検出機能付マイクロ波検出器10の持つユーザが登録した目標物の位置情報やユーザ誤動作源の情報を位置検出機能付マイクロ波検出器10から受けてサーバ30に渡したり、逆にサーバ30から受け取った目標物データや誤動作源の位置情報を位置検出機能付マイクロ波検出器10に渡すためのバッファとして使用される。
ダウンロードアダプタ20は、EEPROMの開放領域(一時記憶部23)をサーチして(F18)、開放エリアからのサーチ結果を発行する(F19)。サーバ30は、開放エリアを修正する必要があるときは、開放エリアの書込み要求をダウンロードアダプタ20に発行する(F20)。ダウンロードアダプタ20はEEPROMの内容を書込み要求に応じて書き換え(F21)、書き換えた結果(書込み結果)をサーバ30に通知する(F22)。
サーバ30は、ダウンロードアダプタ20から得られた位置検出機能付マイクロ波検出器10のIDを示す「RD−ID」と、ダウンロードアダプタ20のIDを示す「DA−ID」が一致するか否かを判断し(F23)、一致した場合(F23の「YES」)には、継続して以降の処理を行なうが、一致しない場合(F23の「NO」)にはダウンロードアダプタ20に接続不能通知を発行する(F24)。
ダウンロードアダプタ20は、接続不能通知を受けたときは、位置検出機能付マイクロ波検出器10に対して接続不能通知を送り(F25)、自己は待ち受け状態となる(F27)。
このように、サーバ30にてIDの照合を行なうことで、もし「ダウンロードアダプタのID(DA−ID)」と「RD−ID」が一致しない場合においても、ダウンロードアダプタ20はサーバ30にアクセスすることができるため、例えば接続した後にサーバ30側から開放エリアのデータ「DA−ID」を書き換えることで対応することができる。この書き換えがあったときはその後の処理が実行される(F26の「YES」)。
すなわち、「DA−ID」と「RD−ID」との照合は、接続前にダウンロードアダプタ20内において実施することも可能であるが、IDが異なるときは、サーバ30に接続できなくなるので、例えばメーカ等において「DA−ID」の書き換えを行なう必要がある。これに対し、本実施の形態のように少なくとも、サーバ30に接続できれば、「DA−ID」の管理をメーカ等の監視下で行なうことができる。ダウンロードアダプタ20側に「DA−ID」の管理機能を設けておき、コマンド等でIDを管理することも可能であるが、その場合にはユーザは実質的に位置検出機能付マイクロ波検出器10のデータ書き換えの台数制限がなくなることになりメーカ等の利益を確保することができない。本実施の形態では、「ダウンロードアダプタID」と「RD−ID」との照合前に、着信電話番号を更新しているので、仮にIDの認証段階でIDが一致しないような状態に陥ったとしても、ダウンロードアダプタ20が呼び出すサーバ30の電話番号を最新の状態に保てるため、少なくともダウンロードアダプタ20がサーバ30と接続できないという最悪の状態を回避できる。
F23において、「DA−ID」と「RD−ID」とが一致したときは、サーバ30は、必要なデータについて、ダウンロードアダプタ20に対して更新要求することができる。すなわち、サーバ30は、ダウンロードアダプタ20から受信したデータを基に更新が必要なデータをダウンロードアダプタ20側に更新要求し、アップロードさせることができる。
たとえば、サーバ30は、以下に説明するように、ダウンロードアダプタ20経由で、位置検出機能付マイクロ波検出器10から追加誤動作源の位置情報の読出しを行なうことができる。この読出しにより、サーバ内の誤動作源の位置情報を充実させることができる。
まず、サーバ30は受信した「RD送信可能データビット」がユーザにより追加される誤動作源の位置情報を提供可能とすることを示す「1」であるか「2」であるか判断する(F28)。
「RD送信可能データビット」が「1」であるときは、ダウンロードアダプタ20が接続されている位置検出機能付きマイクロ波検出器10が、追加位置情報LD3の送信機能を持ち、送信可能であることを意味するので、サーバ30は、ダウンロードアダプタ20にユーザ情報の送信要求(可変長データ送信要求)を発行する(F29)。可変長データ送信要求を受けたダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10に可変長データ開始要求を発行する(F30)。位置検出機能付マイクロ波検出器10はEEPROMから可変長データを読み出し(F31)、これをダウンロードアダプタ20に送信する(F32)。ダウンロードアダプタ20は、この可変長データをEEPROMのワークエリアに書き込み(F34)、書込み結果を位置検出機能付マイクロ波検出器10に通知し、必要な可変長データを全て受信する(F34)。
ダウンロードアダプタ20は、この書込みが終了したときは、ワークエリアから可変長データ(誤動作源の位置情報)を読み出すとともに、サーバ30に対して送信する(F35,F36)。
次に、F28において「RD送信可能データビット」が「2」であるときは(F28の「NO」)、ダウンロードアダプタ20が接続されている位置検出機能付きマイクロ波検出器10からの追加位置情報LD3の送信がないので、追加情報読み出し処理はスキップする。
F29からF36までの追加情報読み出し処理を実行後、或いは、F28の分岐判断でNoとなり、上記の処理をスキップしたならば、サーバ30は、ダウンロードアダプタ20に誤動作源の位置情報を書き込むための要求(可変長データ送信要求)を発行するとともに誤動作源の位置情報を送信する(F37)。
ダウンロードアダプタ20が可変長データ送信要求を受けてサーバから誤動作源の位置情報をワークエリアで受信し終えたら(F38)、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10に可変長データ送信開始要求を発行し(F39)、位置検出機能付マイクロ波検出器10はダウンロードアダプタ20に可変長データ送信許可通知を送出する(F40)。
ダウンロードアダプタ20は、可変長データ送信許可通知を受けたときは、データをEEPROMから読み出す(F41)。これとともに、可変長データの送信通知を位置検出機能付マイクロ波検出器10に送出し(F42)、位置検出機能付マイクロ波検出器10ではEEPROMへの書込み(ダウンロードアダプタ20からのデータ受信)を行なう(F43)。位置検出機能付マイクロ波検出器10は、誤動作源の位置情報の全ての書込みが全て終了したときは、可変長受信が正常に書き込まれたことを意味する「可変調データ受信結果」をダウンロードアダプタ20に通知し(F44)、ダウンロードアダプタ20はさらに可変調データ受信結果をサーバ30に通知する(F45)。サーバ30は、可変調データ受信結果を受け取り、エラーがあればデータの送信をやりなおす。エラーが無ければ目標物情報の送信に移行する。
すなわち、サーバ30から、ダウンロードアダプタ20に目標物の位置情報を書き込むための要求(可変長データ送信要求)を発行するとともに目標物の位置情報を送信する(F46)。
ダウンロードアダプタ20が可変長データ送信要求を受けてサーバから目標物の位置情報をワークエリアで受信し終えたら(F47)、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10に可変長データ送信開始要求を発行し(F48)、位置検出機能付マイクロ波検出器10はダウンロードアダプタ20に可変長データ送信許可通知を送出する(F49)。
ダウンロードアダプタ20は、可変長データ送信許可通知を受けたときは、データをEEPROMから読み出す(F50)。これとともに、可変長データの送信通知を位置検出機能付マイクロ波検出器10に送出し(F51)、位置検出機能付マイクロ波検出器10ではEEPROMへの書込み(ダウンロードアダプタ20からのデータ受信)を行なう(F52)。位置検出機能付マイクロ波検出器10は、目標物の位置情報の全ての書込みが全て終了したときは、可変長受信が正常に書き込まれたことを意味する「可変調データ受信結果」をダウンロードアダプタ20に通知し(F53)、ダウンロードアダプタ20はさらに可変調データ受信結果をサーバ30に通知する(F54)。
サーバ30は、「可変長データ受信結果」を受信したときは、全ての処理が終了したことを示す「サーバ終了通知」をダウンロードアダプタ20に通知し(F55)、サーバ30はサーバ側通信端末MTkを、ダウンロードアダプタ20はユーザ側通信端末mtをそれぞれ切断し待ち受けモードとなる(F56)。
ダウンロードアダプタ20は全ての処理が完了したことを示す「マイクロ波検出処理終了通知」を、位置検出機能付マイクロ波検出器10に送出した後、位置検出機能付マイクロ波検出器10との接続を切断する(F57)。
上述した説明では、F37からF45までの誤情報書込処理ステップと、F46からF54までの目標物書込処理ステップでは、そのまま順次行なうようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、各処理ステップを実行するに先立ち、サーバ30側で位置情報の送受を行なうか否かを判断することができる。例えば、「ROM VERSION」を利用し、取得した「ROM VERSION」と、サーバ30側が保持している情報のバージョンをチェックし、「ROM VERSION」が古い場合のみ新しい情報を送信することもできる。これにより、同一内容の位置情報を再度ダウンロードすることを防止できる。
もちろん、RD受信可能データビットの内容にともない、対応していない情報を送信しないようにすることもできる。例えば、目標物位置情報のみに対応している機器に対しては、F37からF45の誤情報読込処理ステップをスキップし、F46から実行することにより、無駄なデータの送受信を省き、通信負荷の軽減を図ると良い。
以下、RD−IDの認証について、以下に説明する。ダウンロードアダプタ20は、EEPROMの開放エリア内の固定情報エリアに、ダウンロードアダプタ20の動作制限を表す制限コードと、n台分の位置検出機能付マイクロ波検出器10との通信を認証するためのダウンロードアダプタID記憶部を有している。
図11は、n=2の場合の固定情報エリアのデータ構造を示す図である。
制限コードは、
0x00:登録数制限なし(RD−IDを確認しない)
0x01:登録制限数1(RD−ID1のみ有効)
0x02:登録制限数2(RD−ID1,2のみ有効)
として定義されている。
また、ダウンロードアダプタID(DA−ID)は、
0x00:未登録
0x01〜0xFE:付与ID
0xFF:消去済みID
として定義されている。
一方、位置検出機能付マイクロ波検出器10側ではRD−IDの記憶領域を持っており、その構造はダウンロードアダプタIDと同じ構造で、以下のように定義されている。
0x00:未使用(初期値)
0x01〜0xFE:ダウンロードアダプタ20から付与されたID(RD−ID)
0xFF:ダウンロードアダプタ20により消去されたことを示すID
ダウンロードアダプタ20の初期状態において、制限コードは「0x01」、DA−IDには「0x00」が与えられている。
位置検出機能付マイクロ波検出器10が接続され、ダウンロードの開始指示が行われると、RD−IDの状態に関係なく、ダウンロードアダプタ20はIDをその範囲内においてランダムに生成し、これをDA−ID1としてダウンロードアダプタ20に書き込む。これとともに、同じIDをRD−IDとして位置検出機能付マイクロ波検出器10に書き込む。
制限コードが「0x02」である場合において、ダウンロードアダプタ20側にダウンロードアダプタID(DA−ID)が未使用(「0x00」)であるRD−IDエリア(RD−ID2)が存在すれば、上記と同様にIDを生成し、当該IDをRD−ID2に割り当てる。
なお、ダウンロードアダプタ20側のDA−IDが消去済みであることを示す「0xFF」がある場合であっても、RD−IDが新規であることを示す「0x00」であればID生成を行い割り当てる。
上記のようにダウンロードアダプタ20のDA−IDが「0x00」であるか、DA−IDが「0xFF」のときにRD−IDが「0x00」を示すときにはID生成を行った後、ダウンロードアダプタ20はユーザ側通信端末mtを用いてサーバ30のサーバ側通信端末MTkに発呼し、サーバ30との接続を行なう。この条件以外の場合においてはID生成を行なうことなくサーバに発信して接続する。
サーバ30には契約内容にしたがってユーザ毎の制限コードが記憶されており、ダウンロードアダプタ20はサーバからの制限コード値によりダウンロードアダプタ20の制限コードを書き換える。
また、サーバ30は、必要に応じてダウンロードアダプタ20のDA−IDを書き換える機能を持つ。これによりユーザが契約内容を変更し、ダウンロードアダプタ20の位置検出機能付マイクロ波検出器10の接続台数を変更したい場合に接続があったとき、ダウンロードアダプタ20の制限コードを新しい契約内容に書き換えることができる。また、ユーザが使用していた位置検出機能付マイクロ波検出器10を中古で購入する等、別のものに交換したとき、その交換した位置検出機能付マイクロ波検出器10に既にRD−IDが存在した場合はダウンロードアダプタIDとRD−IDが一致せずデータの更新ができなくなってしまう。このような場合にはメーカ等に連絡することで、メーカ等がサーバ30側の該当ユーザのダウンロードアダプタIDを初期化(「0x00」)すれば、ダウンロードアダプタ20とサーバ30との接続時にダウンロードアダプタ20側のダウンロードアダプタIDを書き換えることができる。
以降の動作では、ダウンロードアダプタIDが「0x00」であるため位置検出機能付マイクロ波検出器10にRD−IDが既に存在するとしてもID生成が行われ、認証が正常に行われるようになる。
ダウンロードアダプタ20は、ダウンロード開始の指示により位置検出機能付マイクロ波検出器10のRD−IDをダウンロードアダプタ20に読み込み、サーバ30にダウンロードアダプタ20の制限コード、ダウンロードアダプタIDおよびRD−IDを渡す。
サーバ30は上記のように、ダウンロードアダプタ20の制御コードと、DA−IDとを必要があれば更新し、接続断として処理を終了する。
更新を行なう必要が無い場合には、DA−IDとRD−IDとの比較を行い、一致していれば認証が正常に完了し次工程に移行する。この認証の際に、制限コードが位置検出機能付マイクロ波検出器10の接続台数を無制限とする「0x00」であった場合には認証作業は不要のため認証作業を終了し次工程に移行する。
認証作業の結果、接続ができないと判断した場合には接続断として処理を終了する。なお、ユーザが、対象とする位置検出機能付マイクロ波検出器10を変更したい場合は位置検出機能付マイクロ波検出器10とダウンロードアダプタ20を接続後、ダウンロードアダプタ20から消去を指示する。
ダウンロードアダプタ20は該当するダウンロードアダプタIDの値を「0xFF」に書き換えるとともに接続されている位置検出機能付マイクロ波検出器10のRD−IDも「0xFF」とする。
以降、ダウンロードアダプタ20はダウンロードアダプタ20および位置検出機能付マイクロ波検出器10のRD−IDが「0xFF」である場合にID生成が行われず、サーバ30での認証も通過するかことができない。
〔表1〕に、ダウンロードアダプタID(DA_ID)とRD−ID(RD_ID)との関係を示す。
(1)ダウンロードアダプタID(DA−ID)が初期値である「0x00」の場合には、ダウンロードアダプタ20についてIDを生成し、これをダウンロードアダプタIDとしてサーバ30に接続し、サーバ30側で認証作業を行なう。
(2)ダウンロードアダプタIDが既に生成されていることを示す「0x01」〜「0xFE」である場合には、既にIDは生成されているので、RD−IDが0x00の場合を除きダウンロードアダプタ20について新たにIDの生成を行なうことなくサーバ30に接続する(RD−IDが0x00の場合には、ダウンロードアダプタIDの数値の如何に関わらず、IDを生成するため)。
(3)ダウンロードアダプタIDが消去されたことを示す「0xFF」でありRD−IDがIDを記憶していない「0x00」である場合には、ダウンロードアダプタ20についてIDを生成した後、サーバ30に接続する。それ以外の場合には、ダウンロードアダプタ20についてIDの生成を行なわずにサーバ30に接続する。
(4)RD−IDが0x00の場合には、ダウンロードアダプタIDの数値の如何に関わらず、IDを生成する。
〔表1〕からわかるように、ダウンロードアダプタID,RD−IDの値によらず、ダウンロードアダプタ20は、サーバ30に接続することになるので、サーバ30はダウンロードアダプタ20の制限コード、ダウンロードアダプタIDを制御可能とすることができる。
位置検出機能付マイクロ波検出器10がユーザに渡された後は、メーカ等においては、RD−IDはどの値になるかは不定であり、ダウンロードアダプタ20と位置検出機能付マイクロ波検出器10がどのような組み合わせになるかはわからない。
そのため、仮に位置検出機能付マイクロ波検出器10がどのようなRD−IDを持っていたとしてもダウンロードアダプタIDをサーバによって「0x00」に変更すれば使用できることになり、ユーザが装置をメーカ等に送ることなく対応することができる。これとともにメーカ等は契約により定められる更新可能な位置検出機能付マイクロ波検出器10のみ更新できるようになり利益の損失を防ぐことができる。
これに対して、上記のような態様をとらないことも可能である。ただし、この場合には、通常、位置検出機能付マイクロ波検出器10に固有のRD−IDを予め工場出荷時に設定し、契約時にサーバ30にダウンロード可能なRD−IDを記憶させておく必要があり、工場における工数が増える。
さらに、本実施の形態では、サーバ30側でRD−IDやDA−IDを持つ必要がなく、RD−ID等は、あくまでユーザが所有する位置検出機能付マイクロ波検出器10やダウンロードアダプタ20に記憶されているため、サーバ30に不正アクセスがされても、IDが盗まれことはないので、セキュリティ上においても有利である。
図12,図13は、ダウンロードアダプタ20側の登録ID数nが「1」である場合の、RD−IDの認証処理と登録処理を示すシーケンスである。図12,図13では、ダウンロードアダプタ20にダウンロード要求の指示がされると(G01の「スタート」)、ダウンロードアダプタ20は、位置検出機能付マイクロ波検出器10にRD−IDを要求し(G02)、位置検出機能付マイクロ波検出器10からRD−IDを得る(G03)。
つぎに、ダウンロードアダプタ20側の制限コードが無制限を示す「0x00」である場合(G04の「YES」)、ダウンロードアダプタ20のユーザ側通信端末mtからサーバ30のサーバ側通信端末MTkに発呼し(G10)、接続を行なう(G11)。
ダウンロードアダプタ20側の制限コードが「0x00」以外の場合(G04の「NO」)は、ID生成の必要性を判断してサーバ30に接続する。すなわち、制限コードが、「0x00」以外にある場合において、ダウンロードアダプタ20側にDA−IDが初期状態を示す「0x00」である場合(G05の「YES」)には、ダウンロードアダプタ20はIDをランダムに生成して(G08)、ダウンロードアダプタ20と位置検出機能付マイクロ波検出器10に生成したIDを記憶させそのIDをダウンロードアダプタID、RD−IDとして更新し(G08)、サーバ30に接続する(G10)。
上記の初期状態に無いときには(G05の「NO」)、ダウンロードアダプタ20にIDが登録されている状態か消去状態を示すが、RD−IDが新規であることを示す「0x00」であるときは(G07の「YES」)、IDを生成し(G09)サーバ30に接続する(G10,G11)。RD−IDが「0x00」以外のときは(G07の「NO」)、IDは生成せずにサーバ30に接続する(G10,G11)。
サーバ30に接続後、ダウンロードアダプタ20は制限コード、ダウンロードアダプタID、RD−IDをサーバ30に送信し、ダウンロードアダプタ20の制限コードとダウンロードアダプタIDとがサーバ30が変更の必要がある場合には(G12の「YES」)、ダウンロードアダプタ20の開放データに存在する制限コードとダウンロードアダプタIDとを更新する(G13)。内容が異ならない場合(G12の「NO」)にはダウンロードアダプタ20とサーバをこのまま接続して次工程への移行を認可するかを判断し(G14)、移行を認可しない場合は(G14の「NO」)、次工程に移行することなく切断して終了する(G15)。
また、開放データの更新が行われた場合も(G12の「YES」,G13)、次工程に移行することなく切断して終了する(G15)。これは開放データの書き換えによりダウンロードアダプタIDが「0x00」になった場合には、ダウンロードアダプタ20が行なうべきID生成処理を行なうようにする必要があるからである。
なお、更新を行なう場合に、接続を切断せずにダウンロードアダプタ20内部による作業を行なわせるように構成してもよいことはもちろんである。
接続判定(G14)において、制限コードが「0x00」の場合(位置検出機能付マイクロ波検出器10の接続台数を制限無しとする場合)には(G14の「YES」)、IDの比較作業を行なうことなく接続を許可し次工程に移行する。
図14は、IDの消去に関する詳細なシーケンス図である。図14では、ダウンロードアダプタ20には消去指示手段を設け、消去指示が行われると(H01)、位置検出機能付マイクロ波検出器10に対してRD−IDを要求し(H02)、RD−IDをダウンロードアダプタ20側に読み出す(H03,H04)。
ダウンロードアダプタ20と位置検出機能付RD−IDが一致しなければ(H05の「NO」)、対象外の位置検出機能付マイクロ波検出器10であるとして消去を中止する。
一致した場合は(H05の「YES」)、対象とする位置検出機能付マイクロ波検出器10であるためダウンロードアダプタ20と位置検出機能付マイクロ波検出器10に消去済みであることを示す「0xFF」を書き込む(H06,H07,H08、H09)。