JP4579883B2 - 自励式プッシュプル電源 - Google Patents

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自励式プッシュプル電源の回路技術に関する。
CCFLの駆動用インバータやDC/DCコンバータ等の電源として、図3に示した共振型の自励式プッシュプル回路が一般的に知られている。
トランスTの1次巻線N1の両端に接続されたスイッチング素子Q1、Q2をオンオフさせて、2次巻線に誘起される電圧をダイオードD1、D2によって整流し、コンデンサC2によって直流出力を得るものである。特許文献1および特許文献2の図2参照。
C1 は入力端子1に接続された電源電圧平滑用のコンデンサ、Q1、Q2はエミッタを共通に接地しプッシュプル接続されたスイッチング・トランジスタである。トランスTは、1次巻線N1及び2次巻線N2、3次巻線N3を備えており、1次巻線N1の両端はそれぞれトランジスタQ1、Q2のコレクタに接続されている。入力端子1とトランジスタQ1のベース間にはバイアス抵抗R1が接続され、トランジスタQ1、Q2のそれぞれのベースは帰還発振用の3次巻線N3の両端に接続されている。
Coは1次巻線N1に並列接続された共振コンデンサであり、1次巻線N1の中間タップt1はインダクタLを介して入力端子1に接続されている。2次巻線N2は、両端をそれぞれダイオードD1、D2を介して出力端子2に接続し、2次巻線N2の中間タップt2は接地してあり、出力端子2は平滑用のコンデンサC2を介して接地されている。
このように構成された電源回路は、入力端子1に直流電圧Vinを加えることにより、3次巻線N3によって自励発振させ、トランジスタQ1、Q2を交互にスイッチングして2次巻線N2に交流電圧を発生させる。そして、この交流電圧を、ダイオードD1、D2によって全波整流し、コンデンサC2で平滑して出力端子2に直流電圧Voを出力するものである。
上記に示した回路は回路構成が極めてシンプルであり、低コストで構成できるという特徴を有している。しかし、入力電源Vinに直列にインダクタLを必要とするため、入力電源VinのスイッチSをオフした際、入力電源Vinがオン時にインダクタLに蓄えられた電磁エネルギが電気エネルギに変換され、インダクタLの両端にはパルス状の高い過度電圧を発生しスイッチング素子Q1、Q2を破損させる場合があった。
特開2001−078451号公報 特開2003−309972号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、入力電源のオンオフにより、入力電源に直列に挿入されたインダクタに発生する電気エネルギによるパルス状の高い過度電圧からスイッチング素子の破損を防止する自励式プッシュプル電源を提供するものである。
本発明は、インダクタを介して入力電源を供給する自励式プッシュプル電源において、該インダクタに発生するパルス状過度電圧を整流平滑もしくは整流器を介して、該パルス状過度電圧の波高値を抑制低減させて、上記の課題を解決するものである。
すなわち、直流電源の一端に接続された一対のスイッチング素子Q1、Q2と、中間タップt1を有する1次巻線N1及び負荷が接続される中間タップt2を有する2次巻線N2、帰還発振用の3次巻線N3を備えたトランスTと、1次巻線N1に並列接続された共振コンデンサCoを備え、1次巻線N1の両端をそれぞれスイッチング素子Q1、Q2を接続するとともに、1次巻線N1の中間タップt1にインダクタLを介して直流電源の他端に接続し、3次巻線N3の両端をスイッチング素子Q1、Q2のベースにそれぞれ接続して、3次巻線N3によりスイッチ素子Q1、Q2が交互に導通するように自励発振させ、1次巻線N1の中間タップt1から1次巻線N1の一方に流れる電流と1次巻線N1の他方に流れる電流を交互に断続させて2次巻線N2に交流電圧を供給する自励式プッシュプル電源において、インダクタLと並列にコンデンサC3とダイオードD3の直列回路を接続し、前記コンデンサC3とダイオードD3の接続点aから2次巻線N2の中間タップt2に接続したことを特徴とする。
本発明によれば、入力電源Vinをオフした直後にインダクタLに発生するパルス状の高い過度電圧(誘起起電力)をダイオードD3、コンデンサC3によって整流平滑してパルス状の高い過度電圧の波高値を抑制したため、スイッチング素子Q1、Q2に異常な高電圧が印加されることがなくなり、スイッチング素子Q1、Q2の耐電圧破壊を防止することができる。また、誘起起電力を出力電力の一部として利用することにより、効率を向上することができる。
図1に本発明の自励式プッシュプル電源の一実施例を示す。本発明は図2のスイッチング電源回路におけるインダクタLに整流平滑回路を付加したことを特徴とするもので、図2の従来例と対応する部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
入力端子1と接続されたインダクタLに、コンデンサC3の一端とダイオードD3のカソードを接続した直列回路からなる整流平滑回路を並列に接続し、前記コンデンサC3とダイオードD3の接続点aから二次巻線N2の中間タップt2に接続したものである。その他の構成は、図2の回路と同じであるため詳細な説明を省略する。
この電源回路は、入力端子1に直流電圧Vinが加えられたとき、3次巻線N3により一対のトランジスタQ1、Q2を自励発振させ、1次巻線N1の中間タップt1から1次巻線N1の片側に流れる電流と1次巻線N1の他方の片側に流れる電流を交互に断続させる。そして、2次巻線N2に現れた交流電圧を整流平滑して出力端子2に直流電圧Voを出力するものである。
例えば、入力端子1に直流電圧Vinがオンの状態からオフしたとき、オン状態の時にインダクタLに誘起した電気エネルギはダイオードD3とコンデンサC3の整流平滑作用により、高電圧となる波高値(パルス状の高い過度電圧)を抑制する。また、同時に該電気エネルギをトランスTの2次巻線N2の中間タップt2に印加することによって、その電力を出力電力の一部として利用することができる。このことにより、変換効率を向上させることができる。
また、インダクタンスLに発生したエネルギを出力電力の一部として利用しない、あるいは、利用する必要がない場合は、図2に示すように、該電気エネルギをコンデンサC3と並列に抵抗R3を設けて、その抵抗R3にエネルギを消費させてもよい。この場合、当該自励式プッシュプル電源が作動することによって、入力電源側に発生するリップル電圧は、出力電圧に影響与えないため入力側コンデンサC1を省略することもできる。
また、コンデンサC3を短絡し、ダイオードD3を介してインダクタンスLに発生した電圧を入力電源に重畳することによって、インダクタンスLに発生したエネルギを回生させることもできる。
実施例では、直流電圧Voを出力する自励式プッシュプル電源の例で説明したが、CCFLの駆動用インバータのように直流電圧を必要としない場合やインダクタLに誘起した電気エネルギを出力電力の一部として利用しない場合は、接続点aとトランスTの二次巻線N2の中間タップt2を接続しなくとも良い。また、整流平滑せずにそのまま交流電圧を出力するインバータに構成してもよい。
本発明の一実施例を示す自励式プッシュプル電源 本発明の他の実施例を示す部分回路 従来の自励式プッシュプル回路
符号の説明
1 入力端子
2 出力端子
Q1、Q2 スイッチング素子
D1、D2、D3 ダイオード
Co、C1、C2、C3 コンデンサ
L インダクタ
R1、R3 抵抗
T トランス

Claims (2)

  1. インダクタを介して入力電源を供給する自励式プッシュプル電源において、
    該インダクタと並列に整流・平滑用のコンデンサとダイオードの直列回路を接続し、該コンデンサの一端と該ダイオードの一端の接続点からトランスの2次巻線の中間タップに接続したことを特徴とする自励式プッシュプル電源。
  2. 前記整流・平滑用のコンデンサに並列に抵抗を設けたことを特徴とする請求項記載の自励式プッシュプル電源。
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