JP4579444B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材搬送装置およびこれを備える、複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、像担持体上に形成した像を転写材上に転写して利用する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置としては、たとえば、電子写真法等にて感光体等の像担持体上に現像々を形成し、その現像々を転写材に転写して利用するものがある。
【0003】
これらの画像形成装置においては、転写材給紙部より転写材を給紙搬送する転写材給紙搬送装置、像担持体転写位置へ転写材を搬送する搬送部材、搬送された転写材に画像を転写して画像を形成する画像形成部、転写後に転写材に転写された画像を永久固着させるための定着装置、定着後の転写材を排紙する定着排紙ローラ、排紙トレイに転写材を送り出す排出ローラが配置されている。さらに、両面印字ユニットが搭載されている画像形成装置は、裏面工程へ転写材を搬送する両面時搬送ローラ等さまざまな転写材搬送部材が配置されている。
【0004】
図7は従来の画像形成装置の構成例を示す概略構成の断面図である。図7に示す画像形成装置M′においては、前記転写材給紙部として給紙カセット7が、前記転写材給紙搬送装置として給紙ローラ15が、前記搬送部材として搬送ローラ8が配置されている。
【0005】
そして、前記画像形成部においては、前記像担持体としての感光ドラム1が配置され、感光ドラム1を中心としてその周囲には、帯電ローラ2、露光手段3、現像装置4、転写ローラ5、クリーニング装置6が各々配置されている。従来例としての代表的な画像形成装置M′は上記のような構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。この様な装置にて転写材を挟持搬送した場合、転写材は各々の搬送部材との接触摩擦により、多かれ少なかれ帯電されることになる。この帯電量が大きいと画像形成過程において摩擦帯電により画像が乱れ、画像飛び散り等の画像不良を発生させてしまう。特に、低湿環境での使用や、転写材が低湿環境下に放置されている場合にこの傾向が著しかった。
【0007】
一方、両面印字機能を備えていない場合は定着工程後の排紙部において摩擦帯電が発生しても画像上の問題は発生しなかったが、両面機能を備えている場合、定着排紙ローラにおいて帯電されると、その帯電電位を持ったまま裏面の画像形成工程に入っていくためその摩擦帯電部において、裏面の転写時に画像が飛び散ってしまうという問題が発生する場合があった。また、この現象は装置が高速化された場合や、転写すべき現像剤が流動性の高い現像剤の場合にもまた発生しやすくなる。
【0008】
このように、両面印字機能を備えている場合、定着排紙後にいくつかの搬送ローラを経由して再度、給紙部に紙を搬送し、裏面印字されることになるが、このときに定着排紙ローラにより転写材が大きく摩擦帯電される場合がある。定着排紙後においては、定着工程で加熱された転写材が高抵抗化することにより、より摩擦帯電が発生しやすい傾向があった。
【0009】
さらに、低温低湿環境下における場合や転写材を開封放置しているような場合には、より摩擦帯電がおきやすく、特にその帯電量が大きい場合、転写材が大きく帯電したまま裏面の画像形成に入り、裏面の画像形成時の転写ニップで画像が乱される場合があった。
【0010】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、定着排紙後の転写材の帯電量を制御、緩和することによって、両面画像形成時においても裏面時転写画像乱れを生じない転写材搬送を可能とする画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にあっては、
転写材の搬送経路上に配置され、互いに対向圧接する一対の搬送部材を複数有し、
現像剤像を担持する像担持体から現像剤像が転写材上に転写される転写部と、
転写された現像剤像を転写材上に定着させる定着装置と、
を備え、
前記定着装置において現像剤像が定着された転写材の表裏を反転させた状態で、該転写材を前記転写部、及び前記定着装置に再び搬送することで、転写材の両面に画像を形成可能な画像形成装置において、
複数の前記搬送部材は、
転写材を挟持して該転写材を前記転写部に搬送する一対となる転写前搬送ローラが転写材の搬送方向に直交する直交方向に沿って間隔を空けて複数設けられることで構成された一対の転写前搬送部材と、
前記定着装置で現像剤像が定着された転写材を挟持して、該転写材を前記定着装置から排出させる一対となる定着排出ローラが前記直交方向に沿って間隔を空けて複数設けられることで構成された一対の定着排出部材と、を含み、
転写材において、前記定着排出ローラに挟持される領域が、前記転写前搬送ローラに挟持される領域に含まれるように、前記直交方向における前記定着排出ローラと前記転写前搬送ローラとの位置が位置決めされていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照し、この発明の実施の形態について詳細を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の図面において、前述の従来技術の説明で用いた図面に記載された部材、および既述の図面に記載された部材と同様の部材には同じ番号を付す。
【0021】
(第1の実施形態)
図1、図2を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1は両面ユニットを搭載した場合の画像形成装置の構成例を示す断面図である。まず、図1を参照して画像形成装置Mの構成を説明する。同図に示す画像形成装置Mは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(感光ドラム1)を備えている。感光ドラム1は装置本体Mによって回転自在に支持されており、駆動手段(図示せず)によって反時計方向(図中矢印R1方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0022】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光手段3、現像装置4、転写ローラ(転写部、転写装置)5、クリーニング装置6が配置されている。また、装置本体Mの下部には、紙等のシート状の転写材Pを収納した給紙カセット7が配置されている。そして、転写材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ15、搬送ローラ(搬送部材、転写前搬送部材)8、トップセンサ9、搬送ガイド10、定着装置11、定着排紙ローラ(排紙部材、)12、排出ローラ13、排紙トレイ14が配置されている。
【0023】
次に、上記構成の画像形成装置Mの動きを説明する。駆動手段(図示せず)によって矢印R1方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラに所定の極性、所定の電圧に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム1は、その表面に対しレーザ光学系等の露光手段3によって画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像ローラ4aを有しており、この現像ローラ4aに現像バイアスを印加して感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させトナー像(現像材像)として現像(顕像化)する。
【0024】
トナー像は、転写ローラ5によって紙等の転写材Pに転写される。転写材Pは、給紙カセット7に収納されており、給紙ローラ15によって給紙され、搬送ローラ8によって搬送され、トップセンサ9を介して、感光ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ5aに搬送される。このとき転写材Pは、トップセンサ9によって先端が検知され、感光ドラム1のトナー像と同期がとられる。転写ローラ5には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム1上のトナー像が転写材P上の所定の位置に転写される。
【0025】
転写によって表面に未定着画像を担持した転写材Pは、搬送ガイド10沿って定着装置11に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱、加圧されて転写材P表面に定着される。トナー像定着後の転写材Pは、定着排紙ローラ12により搬送され、排出ローラ13によって装置本体M上面の排紙トレイ14上に排出される。
【0026】
一方、トナー像転写後の感光ドラムは、転写材Pに転写されないで表面に残ったトナー(転写残トナー)がクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去され、次の画像形成に供される。以上の動作を繰り返すことで、次々と転写材Pに画像形成を行うことができる。
【0027】
次に、その先の工程として本構成を用いた場合の両面印字時の画像形成工程を説明する。図1のように、両面印字用に転写材Pを反転して裏面工程に搬送する反転ローラ20、反転搬送ローラ(中間部搬送部材)21を備えている。表面の定着排紙工程終了後、転写材P後端が定着排紙ローラ12から抜け出る。そして、反転ローラ20に転写材Pが挟持された状態で反転ローラ20が停止し、表面の画像形成は終了する。
【0028】
表面画像形成後、反転ローラ20を逆回転させ裏面の画像形成工程に入る。転写材Pは反転搬送ローラ21へ送られ、裏面の画像形成タイミングと同期をとり裏面の給紙工程へと入る。裏面給紙後は上記表面画像形成時と同様の画像形成工程を経て裏面定着排紙され、両面印字が終了する。
【0029】
従来装置において、両面印字をした場合、転写材Pの抵抗が高い場合、表面時の定着排紙ローラや、その直後の搬送ローラ部において転写材Pが帯電され、そのローラの箇所において裏面時の画像飛び散りが観測される場合があった。これは表面の定着時に転写材Pが乾燥し、さらに高抵抗化するためであり、転写材Pの抵抗が高い場合により発生しやすく、さらに装置の使用環境が低湿環境の場合により顕著になる。
【0030】
このように高抵抗紙の場合や、低湿環境下での使用の場合、表面の定着排紙直後は極端に転写材Pの表面抵抗が高くなり、そこで排紙ローラで挟持搬送、摺擦された場合は非常に帯電しやすくなる。環境、紙種にもよるが、軽く+3.0kVを超える場合がある。
【0031】
一旦帯電した場合、そのまま転写材Pが搬送されていても帯電電位が減衰せず、裏面の画像形成時にも帯電されたままになる場合がある。この様な状態で転写材Pが転写位置へ送り込まれると、像担持体上に負極性の現像々が担持されていた場合、像担持体と転写材Pが密着する以前のニップ近傍で、転写材P表面の正電荷から受ける力によって現像々の転写が開始してしまう。特に流動性の高い現像剤の場合に、この現象は顕著である。そして、密着前の上記ニップ近傍での間隙のある状態での現像剤の転移は、現像々が密着状態で転写される所定の位置とはずれ、また、飛散を生じやすいので、結果的に画像乱れを生ずることとなる。
【0032】
これにより、転写材Pの定着排紙ローラ当接部において、転写材Pの先端から後端にかけて画像が飛び散り、定着排紙ローラ12跡として画像に顕著に現れる。画像パターンとしては、ハーフトーン等の1ドットパターンの場合に非常に顕著に目立つ。
【0033】
図2は本実施形態で用いた画像形成装置のローラの位置関係を表したものであり装置を上方向から見た投影概略図である。図2において、定着排紙ローラ12の長手位置と転写前の搬送ローラ8の長手位置を一致させてある。これにより定着排紙ローラ部において帯電された転写材Pの帯電部を転写前搬送ローラ8において再度通過するように構成している。これにより、定着排紙ローラ12によって一度帯電した転写材Pの帯電部が裏面画像形成時に再度、転写前搬送ローラ8を通過することによって帯電量を制御、緩和させ、裏面時の画像不良としての飛び散りを抑えることを可能にしている。
【0034】
具体的には、定着排紙直後は転写材が高抵抗になり、その状態で定着排紙ローラを通過することにより摩擦帯電によるチャージアップがより発生しやすい傾向にあるが、特に従来の構成の場合には、定着排紙ローラによって一旦帯電した部分がそのままどのローラにも接触することなく両面時の画像形成工程に入っていくため、その過帯電部分がそのまま保持され、結果として両面時画像形成工程においても十分電荷が維持され、画像不良を発生させやすい。
【0035】
一方、定着排紙直後では高抵抗であった転写材も、両面工程時の転写材搬送工程においてはある程度抵抗は下がるため、電荷が不安定状態になり、また、転写材搬送中の転写材ばたつき等によっても電荷は不安定状態になるため、このような状態に於いて再度帯電部分を両面画像形成時の転写前の搬送ローラで挟持搬送させることで、再度電荷のやり取りが生じ、結果として定着排紙直後の高抵抗状態でのチャージアップよりも少ない帯電量に抑えることが可能になる。
【0036】
表1、2は従来装置を用いた場合と本実施形態の装置を用いた場合の転写材Pの帯電量の変化を表面時における定着排紙ローラからの排紙直後(A)と裏面時転写ニップ5a直前(B)の2箇所で測定、比較したものである。
【0037】
実験環境は、15℃/10%の低温低湿環境(以降L/L環境と記載する)で行った。また、以降に説明する第2の実施形態、第3の実施形態に於いても同様の実験環境に於いて行っている。また、紙種においては、薄紙や高抵抗紙、再生紙等がよりチャージアップしやすくローラ跡が顕著であり、本実施例に於いては薄紙であるBadger Bond 60g紙(PAPER MILLS,INC)の開封直後(紙種1)、及びL/L−24時間放置後(紙種2)の2種類で比較を行った。第2の実施形態、第3の実施形態に於いても同様の紙種において比較を行っている。
【表1】
【表2】
【0038】
上記表の結果が示すように、従来装置の場合には定着排紙部で帯電された電位がほとんどそのまま維持され、帯電した状態で裏面時の転写ニップ5aに導入されるのに対して、本実施形態の装置では、裏面画像形成時の転写前搬送部において、帯電が援和されることがわかった。
【0039】
次に、表3、4は従来装置と本実施形態で用いた画像形成装置のそれぞれの場合に対する紙種、画像パターン差による画像飛び散りの評価結果である。ここで、画像飛び散りの評価として、ランク1:全域に濃く発生、ランク2:全域に薄く発生、ランク3:一部に薄く発生、ランク4:軽微な発生、ランク5:発生なし、の5段階評価を用いた。
【表3】
【表4】
【0040】
上記表の結果として、特に裏面時ハーフトーン画像において本実施形態の装置と従来装置との画像飛び散りの発生状況の差は顕著なものとなった。このように、本実施形態の構成を採用することで裏面時の飛び散りを抑え良好な画像を維持することが可能となる。
【0041】
なお、本実施形態では図2に示したように、搬送ローラ8における長手方向の幅は、定着排紙ローラ12における長手方向の幅と同一に設定しているが、これに限定する趣旨ではない。搬送ローラ8における長手方向の幅は、定着排紙ローラ12の長手位置をカバーしていれば、他の搬送のローラにおける長手方向の幅よりも広くなるように構成してもよい。この構成により、定着排紙ローラ12によって密接帯電された領域をすべて転写前の搬送ローラ8の当接領域内に収めることができ、帯電部を長手当接部全域にわたってより確実に帯電量を制御、緩和させることが可能となる。
【0042】
(第2の実施形態)
図3、図4には第2の実施形態が示されている。第2の実施形態では、搬送ローラ8にバイアス印加手段を設けた構成としている。その他の構成および作用については第1の実施形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0043】
従来の技術において、低温低湿環境下で且つ開封放置された転写材Pを用いて両面印字した場合、定着排紙部で摩擦帯電された転写材Pが裏面形成時にその帯電電荷を維持しながら転写ニップ5aへ導入されやすくなり、画像飛び散りの発生がより顕著になることがわかっている。このような環境下においては、第1の実施形態の構成においても裏面時における定着排紙ローラ12の摩擦帯電電位を転写前の搬送ローラ8で緩和させることが困難な場合も生じてくる。
【0044】
一方、転写前搬送ローラの帯電電位を制御し画像飛び散りを抑制する手段として、本出願人による先の発明として搬送ローラ8を導電ローラとし、一対のローラの一方を接地し、他方にバイアス印加手段(電源22)、もしくはダイオード24等の電荷制御手段を設け、搬送ローラ8での電荷をコントロールし過帯電を防ぐことによって画像不良を回避する方式を提案している。
【0045】
図3は第2の実施形態を説明する概略断面図である。本実施形態においては、図2に示したように定着排紙ローラの長手位置と転写前の搬送ローラの長手位置を一致させて且つ、ここでは転写前の搬送ローラを先に述べた理由により導電ローラ対とし、搬送ローラ8a、8bをともに導電ローラとし、8aにバイアス印加手段としての電源22を設け、8bにアース23を接続して接地している。
【0046】
転写前の搬送ローラ8にこのように電流経路を設け、転写材Pが搬送ローラニップ通過中にバイアスを印加し、転写材Pを介し電流を流すことで、常に搬送ニップにおいて電荷を付与でき、転写ニップ5aまで転写材Pの画像形成面、および非画像形成面を所定の電位に維持することができる。
【0047】
ここでは印加バイアスとして搬送ローラ8aに−500Vの電源22を接続し、搬送ローラ8bにアース23を接続して接地した。ここで印加バイアスを−500Vとした理由は、これより小さい場合は、効果が不十分である場合があり、また、必要以上に大きくするとリーク等のその他の画像問題が発生する場合があるためである。なお、この設定値は、装置構成が異なれば最適なバイアス値は異なってくる。
【0048】
表5、6は従来装置、第1の実施形態で用いた画像形成装置と本実施形態の画像形成装置の場合の転写材Pの帯電量の変化を表面時における定着排紙ローラ12からの排紙直後(A)と裏面時転写ニップ5a直前(B)の2箇所で測定、比較したものである。
【表5】
【表6】
【0049】
上記表の結果が示すように、従来装置の場合には定着排紙部で帯電された電位がほとんどそのまま維持され、帯電した状態で裏面時の転写ニップ5aに導入されるのに対して、本実施形態の装置では、裏面画像形成時の転写前搬送部において、帯電が援和されることがわかった。さらに、裏面時転写ニップ5a直前での転写材Pの帯電量について、第1の実施形態の装置と本実施形態の装置とを比較すると、何れの紙種の場合にも本実施形態の装置の方が帯電量が軽減されている結果となった。
【0050】
このように、定着排紙ローラ12において帯電された転写材Pの帯電部を電荷制御手段を設けた裏面転写前の搬送ローラ8において再度通過するように構成していることにより、第1の実施形態以上の帯電制御効果が得られ、その結果より画像不良を抑制することができる。
【0051】
次に表7、8は従来装置、第1の実施形態の画像形成装置と本実施形態で用いた画像形成装置のそれぞれの場合に対する紙種、画像パターン差による画像飛び散りの評価結果である。ここで画像飛び散りの評価として、ランク1:全域に濃く発生、ランク2:全域に薄く発生、ランク3:一部に薄く発生、ランク4:軽微に発生、ランク5:発生なし、の5段階評価を用いた。
【表7】
【表8】
【0052】
上記表の結果として、特に裏面時ハーフトーン画像において本実施形態の装置と従来装置との画像飛び散りの発生状況の差は顕著なものとなった。さらに、第1の実施形態の装置と本実施形態の装置とを比較すると、本実施形態の装置においては何れの紙種でも画像飛び散りは全く発生しておらず、より画像飛び散りを防止できる結果となった。このように、本構成を採用することにより、低温低湿環境において、開封放置された高抵抗紙を用いた場合においても、裏面時の画像の飛び散りのない良好な画像を維持できる画像形成装置を提供することができた。
【0053】
一方、本実施形態においては搬送ローラ8a側の非画像形成面側に負(マイナス)バイアスを印加し、搬送ローラ8b側の画像形成面側をアース23に接続して接地することにより転写材Pの画像形成面側に負(マイナス)電荷を誘起させることにより未定着画像を転写前に転写材Pに引き付けないようにし、画像乱れを防止しているが、図4のように、搬送ローラ8a側の非画像形成面側をアース23に接続して接地し、搬送ローラ8b側の画像形成面側にバイアス印加手段としての電源22を設け、正(プラス)バイアスを印加することによっても同様の効果が得られ、画像乱れを防止できる。
【0054】
(第3の実施形態)
図5、図6には第3の実施形態が示されている。第3の実施形態では、搬送ローラ8にダイオード24を設けた構成としている。その他の構成および作用については第1および第2の実施形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
図5、図6は、本実施形態で用いた画像形成装置の概略断面図である。図5においては、第2の実施形態の場合と異なり、非画像形成面側に配置された搬送ローラ8aに、搬送ローラ8aからアース23との間に、搬送ローラ8aからアース23にかけて電流が流れる向きにダイオード24を接続することを特徴とする。
【0056】
この搬送ローラ8aに接続されたダイオード24により、搬送ローラ8aには常に負(マイナス)電荷が注入され、その結果、転写材Pの非画像形成面に正(プラス)電荷、非画像形成面側には負(マイナス)の電荷が誘起される。
【0057】
このため、第2の実施形態と同様、表面時の定着排紙部で帯電された転写材Pの過帯電部に裏面時の転写前搬送ローラ通過時にマイナス電荷が誘起され、過帯電部の帯電量を緩和できることにより転写前の感光ドラム1上のトナーを、転写部に到達する前に不用意に転写させることを防ぎ、結果的に画像の飛び散りが抑制され、これにより第2の実施形態と同様の効果が得られた。このように搬送ローラ8にバイアスを印加するかわりにダイオード24を接続することで、第2の実施形態の場合よりも、より簡単、且つ安価な構成で、画像の飛び散りの発生を抑えた、良好な画像を得ることが可能となる。
【0058】
一方、図6は、画像形成面に配置された搬送ローラ8bに、搬送ローラ8bからアース23との間に、アース23から搬送ローラ8bにかけて電流が流れる向きにダイオード24を接続することを特徴とする。この搬送ローラ8bに接続されたダイオード24により、搬送ローラ8bには正(プラス)電荷が注入され、その結果、転写材Pの画像形成面に負(マイナス)電荷が誘起される構成としている。
【0059】
これにより、図5の場合と同様に表面時の定着排紙部で帯電された転写材Pの過帯電部に裏面時の転写前搬送ローラ8通過時にマイナス電荷が誘起され、過帯電部の帯電量を制御、緩和できることにより転写前の感光ドラム1上のトナーを、転写部に到達する前に不用意に転写させることを防ぎ、結果的に、画像の飛び散りが抑制された。また、第2の実施形態と同等の効果をより簡単な構成で達成でき、低コスト化も同時に達成できた。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特に大きな機構を必要とせずに、定着後の排紙部材の長手位置と転写前の搬送部材の長手位置を一致させ、前記排紙ローラにおいて帯電された転写材の帯電部を転写前搬送部材において再度通過するような構成として定着排紙後の前記転写材の帯電量を制御、緩和することができたので、定着排紙後の転写材の帯電量を制御、緩和することによって、両面画像形成時においても裏面時転写画像乱れを生じない転写材搬送を可能とする画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を説明する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態を説明するローラ位置関係を示す概略図である。
【図3】第2の実施形態を説明する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態を説明する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態を説明する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態を説明する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】従来例を説明する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光手段
4 現像装置
4a 現像ローラ
5 転写ローラ
5a 転写ニップ
6 クリーニング装置
6a クリーニングブレード
7 給紙カセット
8 搬送ローラ(対)
8a (図中下方の)搬送ローラ
8b (図中上方の)搬送ローラ
9 トップセンサ
10 搬送ガイド
11 定着装置
12 定着排紙ローラ
13 排出ローラ
14 排紙トレイ
15 給紙ローラ
20 反転ローラ
21 反転搬送ローラ
22 電源(バイアス印加手段)
23 アース
24 ダイオード
L 画像露光
M 装置本体
M′ (従来例の)装置本体
P 転写材
Claims (4)
- 転写材の搬送経路上に配置され、互いに対向圧接する一対の搬送部材を複数有し、
現像剤像を担持する像担持体から現像剤像が転写材上に転写される転写部と、
転写された現像剤像を転写材上に定着させる定着装置と、
を備え、
前記定着装置において現像剤像が定着された転写材の表裏を反転させた状態で、該転写材を前記転写部、及び前記定着装置に再び搬送することで、転写材の両面に画像を形成可能な画像形成装置において、
複数の前記搬送部材は、
転写材を挟持して該転写材を前記転写部に搬送する一対となる転写前搬送ローラが転写材の搬送方向に直交する直交方向に沿って間隔を空けて複数設けられることで構成された一対の転写前搬送部材と、
前記定着装置で現像剤像が定着された転写材を挟持して、該転写材を前記定着装置から排出させる一対となる定着排出ローラが前記直交方向に沿って間隔を空けて複数設けられることで構成された一対の定着排出部材と、を含み、
転写材において、前記定着排出ローラに挟持される領域が、前記転写前搬送ローラに挟持される領域に含まれるように、前記直交方向における前記定着排出ローラと前記転写前搬送ローラとの位置が位置決めされていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記直交方向において、
前記転写前搬送ローラの幅が、前記定着排出ローラの幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記一対の転写前搬送ローラは導電性を有し、
前記一対の転写前搬送ローラのうち、
一方はバイアスを印加するバイアス印加手段に接続され、
他方はアースに接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 前記一対の転写前搬送ローラは導電性を有し、
前記一対の転写前搬送ローラのうち、
一方はダイオードに接続され、
他方はアースに接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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