JP4579171B2 - 光照射装置 - Google Patents

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本発明は、観察点と観察対象領域とを結ぶ観測軸線と同じ方向から光を照射する同軸照明が可能な光照射装置に関するものである。
同軸照明が可能な光照射装置としては、図1に示すような無影照明装置100が知られている。この種の無影照明装置100は、製品等を表面検査などの目的から無影で照明するときなどに用いられるもので、例えば製品等の観察対象領域Sを覆うように配置されるドーム型の発光面(第1発光部)101を備えており、その頂天部分に観察対象領域Sを外部から視認するための観察孔101aが設けられている。そして、この観察孔101aからも観察対象領域Sに光が照射されるようにするため、同軸照明機構を設けている。この同軸照明機構は、前記観察孔101aのほぼ直上に45°の傾斜姿勢でハーフミラー103を配置するとともに、そのハーフミラー103の側方に平面状の発光面(第2発光部)102を配置し、当該第2発光部102から射出された光が、前記ハーフミラー103で反射し前記観察孔101aを通って、観察対象領域Sに照射されるように構成したものである。
特開2001−215115公報
しかしながら実際には、このような構成にしてもなお観察対象領域の一部に暗いムラ部分ができる場合があり、精密な表面検査等ではそれが問題になる。
このムラ部分が生じるのは、第2発光部が観察孔を完全には覆っておらず、周囲に隙間が生じているのが原因と考えられる。すなわち、ハーフミラーを介在させた場合と等価な直接光学系を考えると、図2、図3に示すように、仮想第2発光部102’は、ハーフミラー103を対称軸として実際の第2発光部102とは対称な位置に存在することになる。
そこで、観察対象領域の周縁部から観察孔101aを見ると、発光部の存在しない領域H1が生じていることがわかる。一方、観察対象領域Sの中央部から観察孔101aを見ると、図3の斜線領域H2に示すように、観察孔101aは、第2発光部102(102’)に完全に覆われて見える。
つまり、領域Sの周縁部では全天方向から光が照射されておらず、領域Sの中央部では、全天方向から光が照射されていることとなり、領域Sの周縁部では、領域Sの中央部に比べて暗いということになる。これが観察対象領域Sに照度ムラができる原因である。
これを解消するには、観察孔を塞ぐように第2発光部を配置すればよいが、現実にはハーフミラーがあって、これと等価な光学系を、ハーフミラーを介在させて構築するのは不可能である。また、第2発光部の面積を大きくして前記斜線領域H1をもカバーする構成も考えられる。しかしこのようにすると、装置が肥大化するうえに、光量ロスが大きくなって効率が悪くなる。
そしてかかる不具合は、ドーム型照明装置のみならず、リング型照明装置や、かまぼこ型の照明装置など、観察孔から観察軸と同軸の光を観察対象物に向かって照射する構成のものに共通する。
そこで本発明は、この問題点を、構成の複雑化や肥大化などを招くことなく一挙に解決すべく図ったものであって、観察対象領域から観測孔を見たときの発光部の無い領域を減少させ、無影照明等をより好適に行える光照射装置を提供することをその所期課題とするものである。
すなわち、本発明に係る光照射装置は、外部の観察点と観察対象領域との間であってそれらを結ぶ観測軸線上に配置される観察孔と、前記観察孔の周囲に配置されて前記観察対象領域に光を照射する第1発光部と、前記観察孔と観察点との間であって前記観測軸線に対して斜めに配置したハーフミラーと、前記ハーフミラーに向かって光を照射する位置であって、その光が当該ハーフミラーで反射し、前記観察孔を通って観察対象領域に照射される位置に配置した第2発光部と、前記第2発光部からハーフミラーまでの光路を覆う光路形成内面と、を備え、前記光路形成内面における光軸に略平行な領域が鏡面又は拡散反射面であることを特徴とするものである。
このようなものであれば、前記鏡面によって第2発光部が大面積になったと同様の効果を得られるため、肥大化や大幅な構造複雑化を招くことなく、観察対象領域から観測孔を見たときの発光部の無い領域を減少させることができ、より照度ムラのない少ない同軸照明機構を構築できる。
既存の光照射装置の構成にわずかな改良を施すだけで本発明を実現するためには、前記光路壁内面のうち、第2発光部の頂辺からハーフミラーの頂辺に至るまでの頂部光路壁内面、第2発光部の底辺から観測孔に至るまでの底部光路壁内面、第2発光部の各側辺からハーフミラーの各側辺に至るまでの対向する側部光路壁内面のいずれか又は全部を鏡面又は拡散反射面にした構成が好ましい。
観察孔からほぼ隙間無く光が降り注ぐようにするには、観測孔における第2発光部とは反対側の縁部からハーフミラーに向かって観測軸と略平行に壁体を立ち上げ、その壁体内面を鏡面又は拡散反射面にしておくことが望ましい。
このような構成の本発明によれば、前記鏡面又は拡散反射面によって第2発光部が大面積になったと同様の効果を得られるため、肥大化や大幅な構造複雑化を招くことなく、観察対象領域から観測孔を見たときの発光部の無い領域を減少させ、無影照明等をより好適に行えるようになる。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る光照射装置1の全体を示している。この光照射装置1は、例えば光沢ある表面を有した製品(ワーク)を無影照明し、その表面の傷やマーク等を自動検査する際に用いるためのもので、図5に示すように、主照明機構2と同軸照明機構6とを備えている。
主照明機構2は、図5、図6に示すように、メインボディ4とそのメインボディ4に取り付けた主光源3とからなる。
メインボディ4は、溝状の凹部41を底面に開口させた長尺形状をなすもので、前記凹部41をワークの表面における観測対象領域Pに向けて配置される。この凹部41は、その内周面41aが半割円柱凹面状をなしており、その頂上部分には前記長尺方向に延びる帯状の観測孔42が厚み方向に貫通させてある。
主光源3は、前記凹部41の開口端近傍に設けられた複数のLED31を具備したものである。これらLED31は、メインボディ4の長尺方向に沿って1列乃至複数列並び設けてあり、前記凹部内周面41aに向かって光を射出するように配置されている。そしてこれらLED31から射出された光が凹部内周面41aで反射し、その間接光が観測対象領域Pに照射される。すなわち、この凹部内周面41aはLED光を受けて光るものであり、前記観察孔42の周囲を取り囲むようにして配置される第1発光部としての役割を果たす。なお、凹部内周面41aは、例えば白色塗料を塗布するなどした拡散反射面であり、LED31からの光はこの凹部内周面41aで拡散反射するように構成されている。
同軸照明機構6は、図5、図6に示すように、サブボディ7と、そのサブボディ7に取り付けられたハーフミラー8、第2光源9及び拡散板10からなる。
サブボディ7は、前記メインボディ4に設けられた観測孔42を覆うように、当該メインボディ4上に取り付けられる長尺形状のもので、前記観測孔42の直上にあたる天板71には撮像手段6を取り付けるための取り付け部72が設けてある。このサブボディ7に取り付けられ、所定の外部観察点に位置づけられた撮像手段6は、前記観測孔42を介して観測対象領域Pを撮像する。なお、取り付け部72には、撮像手段6を取り付けることなく、例えば、透明樹脂板や透明ガラス板などを嵌めつつ、撮像手段6を、照明装置よりも観測方向上流側の観測軸線C上に配置するようにしても良い。
ハーフミラー8は、前記観察孔42と撮像手段6との間の観測軸線C上に、当該観測軸線Cに対して斜め45度の角度で配置してある。
第2光源9は、ハーフミラー8の側方に配置された矩形状をなす基板91上に複数(多数)のLED92を並べ設けてなるものである。前記基板91は観測軸線Cと平行に設定してあり、各LED92はハーフミラー8に向かって光を照射する。
拡散板10は、前記第2光源9とハーフミラー8との間に介在させた矩形薄板であり、前記第2光源9の発光面と平行に配置してある。この拡散板10は、透光性と光拡散性を有した言わばくもりガラスのようなものであり、一方の面10aから入射した第2光源9からの光をより均一化して第2発光部である他方の面10bからハーフミラー8に向かって射出する。そしてこの他方の面10bから出た光がハーフミラー8で反射して観測孔42を通り、観測対象領域Pに照射される。
しかしてこの実施形態では、このサブボディ7の内面のうち、前記第2発光部9からハーフミラー8までの光路及びハーフミラー8から観察孔42までの光路を覆う光路壁内面を鏡面にしている。
具体的には、図5、図6に示すように、他方の面10bの頂辺からハーフミラー8の頂辺に至るまでの頂部光路壁内面A2、第2発光部10bの底辺から観測孔42に至るまでの底部光路壁内面A1、第2発光部10bの各側辺からハーフミラー8の各側辺に至るまでの対向する側部光路壁内面A3及びハーフミラー8の底辺から観測孔42に至るまでの底部光路壁内面A4に電解研磨等を施して非常に面精度のよい鏡面としている。
このようなものであれば、この同軸照明機構6において、図7にハーフミラー8を等価な直接光学系に置き換えた場合を示すように(等価光学系には符号’を付けている)、他方の面10bから出た光が、光路壁内面A1、A2、A3、A4で1回以上反射し、特に観測対象領域Pの周縁部において、従来であれば照射されなかった方向(背景技術で述べた斜線部分)からも光を照射することができるようになる。そのため観測対象領域Pの周縁部で生じていた照射ムラを大きく軽減でき、全観測対象領域Pに亘ってより均一な光照射をすることができるようになる。
また、光路壁内面を鏡面にするだけでよいので、既存の照明装置に構造的な改造を施す必要がなく、構成が非常に簡単で肥大化を招くこともない。
さらに、この実施形態では、長尺の製品検査を行うための長尺形のものであるがゆえに、前記反射面A3がない従来のものでは、観測対象領域Pの部位によってはそこから長手方向に沿って天をみると、大きな角度で暗い部分が存在し、観測対象領域Pにおける照度ムラが顕著に出る場合があったが、この実施形態によれば前記反射面A3がその暗い部分を覆い隠すため、照度ムラをより好適に抑制できる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、光路壁内面A1、A2、A3、A4の全てを鏡面にするのではなく、そのいずれか1つ以上を鏡面にしてもよい。また、図8に示すように、観測孔42における他方の面10bとは反対側の縁部からハーフミラー8に向かって観測軸線Cと略平行に壁体を立ち上げ、その壁体内面A5を鏡面にすれば、観測対象領域Pから見て光が照射されない方向がさらに減少し、本発明の効果がより顕著になる。なお、この図で前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付している。
また、メインボディの内周面(第1発光面)は半球凹面でもよいし、リング型照明のように、平面で環状のものや、円錐内面状のものでも構わない。さらにはこれを反射面にせず、メインボディを透過させて発光させる導光方式のものにしてもかまわない
LEDに単色のものを用いてもよいし、色の違うLEDを複数設けても構わない。LEDは3原色のものに限られず、その他の波長帯域、例えば近赤外や近紫外光、その他の電磁波を照射するものでもよい。また、LEDの他に半導体レーザ等を用いたり、白色光からフィルタを用いて所望の波長とした光を用いても構わない。
また鏡面のみならず、白色塗装面のように、鏡面よりは表面が若干粗い拡散反射面にしてもよい。
その他本発明は、上記図示例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
以上に詳述したように、本発明によれば、構成の複雑化や肥大化などを招くことなく、観察対象領域から観測孔を見たときの発光部の無い領域を減少させ、無影照明等をより好適に行なうことができる光照射装置を提供することができる。
従来の光照射装置を示す模式的構造図。 従来の光照射装置の光路を説明する光路説明図。 従来の光照射装置の光路を説明する光路説明図。 本発明の一実施形態における光照射装置を示す全体斜視図。 図4におけるA−A線断面図。 図4におけるB−B線断面図。 同実施形態における光照射装置の光路を説明する光路説明図。 本発明の他の実施形態における光照射装置の横断面図。
符号の説明
1・・・光照射装置
P・・・観察対象領域
C・・・観測軸線
42・・・観察孔
41a・・・第1発光部(凹部内周面)
8・・・ハーフミラー
10b・・・第2発光部
A1、A2、A3、A4・・・光路壁内面の鏡面
A5・・・壁体の鏡面

Claims (5)

  1. 外部観察点と観察対象領域との間であってそれらを結ぶ観測軸線上に配置される観察孔と、
    前記観察孔の周囲に配置されて前記観察対象領域に光を照射する第1発光部と、
    前記観察孔と外部観察点との間であって前記観測軸線に対して斜めに配置したハーフミラーと、
    射出された光が前記ハーフミラーで反射し、前記観察孔を通って観察対象領域に照射される位置に配置した第2発光部と、
    前記ハーフミラーが内部に取り付けられており、前記観察孔を覆うように設けられたボディと、を備え、
    前記ボディの内面の一部又は全部が鏡面又は拡散反射面であることを特徴とする光照射装置。
  2. 前記ボディの内面のうち、頂部を鏡面又は拡散反射面にしている請求項1記載の光照射装置。
  3. 前記ボディの内面のうち、底部を鏡面又は拡散反射面にしている請求項1又は2記載の光照射装置。
  4. 前記ボディの内面のうち、側部を鏡面又は拡散反射面にしている請求項1、2又は3記載の光照射装置。
  5. 観測孔における第2発光部とは反対側の縁部からハーフミラーに向かって観測軸と略平行に壁体を立ち上げ、その壁体内面を鏡面又は拡散反射面にしている請求項1、2、3又は4記載の光照射装置。
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