JP4577213B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
ここでX線光軸(以後、X線光軸を光軸ともいう)とは、X線発生装置のX線出射点とX線検出器の受光面とを結ぶ法線軸をいい、受光面が平面であるときは、X線光軸は受光面に対して直交することになる。
このような検査では、撮影されたX線画像に含まれる注目部位の光軸方向の位置を特定し、その部位の透視拡大率を正確に求めたい場合がある。
すなわち、注目部位の移動量がδであるとき、受光面上での注目部位の移動量はΔに拡大されることになり、この移動量Δの値が検出器の受光面の幅よりも大きくなると、移動後に注目部位が受光面外に外れてしまい、注目部位を見失うとともに拡大倍率の計測ができなくなる。例えば受光面の幅が50mmであるとき、注目部位の移動量δは拡大倍率が10倍とすると移動量δは5mmが限度、50倍であるとすると1mmが限度となる。そのため、移動量δを十分に大きくとることができず、ステージなどの機械的誤差の影響を抑えて測定精度を保つことが困難である。
光軸方向位置算出部は、傾動させた傾動角度(θ)と画像から求めた移動量(D)に基づいて注目部位の光軸方向の位置を算出する。
上記発明において、光軸方向位置算出部は、所定の近似式(後述する)を用いて注目部位の光軸方向の位置を算出するようにしてもよい。
これによれば、所定の近似式に移動量を入力することにより、光軸方向の位置を算出することができる。
これによれば、注目部位の光軸方向の位置が既知である標準試料を用いて移動量と光軸方向の位置との関係を予め求めておくことにより、被測定物における移動量と、予め求めてある関係との比較により、光軸方向位置を算出することができる。
傾動方向により注目部位の移動方向は定まるので、その方向に探索領域を限定することにより、探索時間を短縮することができる。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、X線画像作成部31、X線画像表示制御部32、駆動信号発生部35(傾斜状態形成信号発生部33、ステージ追尾移動信号発生部34を含む)、基準画像記憶部36、傾斜画像記憶部37、特徴情報抽出部38、注目部位探索部39、移動量算出部40、光軸方向位置算出部41とに分けられる。
また、メモリ25は、基準画像記憶領域51と傾斜画像記憶領域52とを備えている。
なお、後述するように注目部位の光軸方向の位置が既知の標準試料により求めた移動量と光軸方向の位置との関係を利用する場合は、さらに校正データ記憶領域53も備えている。
X線検出器12は、X線管に対向するように配置されるIIと、このIIの後側に一体的に取り付けられたCCDカメラとからなり、IIが透視X線を検出することにより形成した蛍光像をCCDカメラで撮影することにより、透視X線像の映像信号が出力されるようにしてある。X線検出器12には傾動機構16が付設されており、X線発生装置11のX線管の位置を回転中心としてX線検出器12を旋回できるようにしてある。傾動機構16は、X線検出器12を旋回駆動するための駆動用モータが搭載され、CPU21からの傾動のための駆動信号(後述する駆動信号発生部35からの制御信号)に基づいてX線検出器12を傾動する。
X線画像作成部31は、X線検出器12から送られてきた透視X線像の映像信号を、次々とデジタル画像に変換し、画像データを作成する制御を行う。
X線画像表示制御部32は、X線画像作成部31により作成されたX線画像データを表示装置24に表示する制御を行う。
傾斜画像記憶部37は、図3で示した傾斜状態において、被測定物Sの注目部位Spを含んだX線画像を撮影し、傾斜画像記憶領域52に画像を蓄積する制御を行う。
基準状態では、被測定物Sの注目部位SpがX線検出器12の受光面のX線光軸通過点近傍に投影されるように位置調整してあり、また、X線検出器12は一般的にX線光軸が受光面の中心を通過するように形成してあるので、図4(a)に示すように、基準状態でのX線画像の注目部位Spは、ほぼ画面の中央付近に映し出されている。
これに対し、傾斜状態では、被測定物Sの注目部位Spについての光軸方向の位置(ステージ面からの垂直距離(図2のα))が遠ざかるにつれて、図4(b)に示すように、注目部位Spが中央から離れた位置に映し出されている。
図5は、図4(a)の基準画像および図4(b)の傾斜画像から算出する移動量(D)を説明する図である。パターン認識により求めた2つの画像上での注目部位Spの位置の差から移動量Dが算出される。
D=Bαcosθsinθ/(A+αcos2θ) (1)
被測定物についての移動量Dを計測したときに、記憶された校正データとの比較により、被測定物の注目部位の高さを計算により算出することができる。
まず、ステージ上に被測定物Sを載置し、表示装置24の画面を見ながら注目部位をX線光軸の通過位置(例えば画面中央)にくるように調整して基準状態を形成する(S101)。この位置調整は手動で行うことができるが、例えば、マウス23などで注目部位Spの位置を指定することにより、指定位置がX線光軸通過位置になるように自動的に移動させるようにしてもよい。
続いて、傾動機構16により角度θの傾動を行うとともに、ステージ14を追尾移動することにより、X線検出器12を傾斜状態に移行させる(S103)。
続いて、傾斜状態において、X線画像を撮影し(図4(b)参照)、これを傾斜画像として記憶する(S104)。
続いて、傾斜画像について、傾動により注目部位が移動する側の片側領域に対し、抽出した特徴情報と一致する部分の探索を行う(S106)。
そして、算出した移動量(D)に基づいて、近似式(1)により(あるいは校正データ記憶領域53を参照することにより)、注目部位SpのX線光軸方向の位置を算出する(S108)。
上記実施形態では、画像上の位置の比較により注目部位の移動量(D)を算出する際に、図5により説明したように、パターン認識により求めた2つの画像上での注目部位Spの位置の差から、直接、移動量Dを算出したが、これに代えて、画像上の位置の比較を行った上で注目部位Spの位置の差分がなくなるまでステージ14を移動させ、ステージの移動距離から注目部位の移動量(D)を求めることもできる。
11: X線発生装置(X線源)
12: X線検出器
13: X線測定光学系
15: ステージ駆動機構
16: 傾動機構
20: 制御系
25: メモリ
31: X線画像作成部
32: X線画像表示制御部
33: 傾斜状態形成信号発生部
34: ステージ追尾移動信号発生部
36: 基準画像記憶部
37: 傾斜画像記憶部
38: 特徴情報抽出部
39: 注目部位探索部
40: 移動量算出部
41: 光軸方向位置算出部
51: 基準画像記憶領域
52: 傾斜画像記憶領域
53: 校正データ記憶領域
Claims (4)
- 可動ステージを挟んでX線発生装置とX線検出器とが対向配置され、可動ステージに載置された被測定物の透視像を測定するX線検査装置において、
X線発生装置のX線出射点とX線検出器の受光面とを結ぶ法線軸であるX線光軸を傾動させる傾動機構と、
被測定物の注目部位がX線検出器の受光面のX線光軸通過点近傍に投影されるように可動ステージの位置を調整した基準状態にて撮影した基準画像を蓄積する基準画像記憶部と、
傾動機構を駆動してX線光軸を基準状態から旋回し注目部位がX線検出器の受光面に投影される角度範囲内で傾斜状態にする傾斜状態形成部と、
基準状態および傾斜状態におけるX線光軸と交差するステージ面上の交点の位置が一致するようにX線光軸の傾動動作に連動してステージを移動させるステージ追尾移動部と、
傾斜状態にて撮影した注目部位を含む傾斜画像を蓄積する傾斜画像記憶部と、
基準画像から注目部位を識別するための特徴情報を抽出する特徴情報抽出部と、
特徴情報に基づいて傾斜画像中の注目部位を探索する注目部位探索部と、
基準画像内に撮影された注目部位と傾斜画像内に撮影された注目部位との画像上の位置に基づいて注目部位の移動量(D)を求める移動量算出部と、
移動量(D)に基づいて注目部位の光軸方向の位置を算出する光軸方向位置算出部とを備えたことを特徴とするX線検査装置。 - 光軸方向位置算出部は、所定の近似式を用いて注目部位の光軸方向の位置を算出することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
- 注目部位の光軸方向の位置が既知である標準試料により求めた移動量(D)と光軸方向の位置との関係を蓄積した校正データ記憶領域をさらに備え、光軸方向位置算出部は移動量(D)とともに、校正データ記憶領域に蓄積された移動量(D)と光軸方向の位置の関係を参照することにより被測定物の注目部位の光軸方向の位置を算出することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
- 注目部位探索部は、基準状態からX線光軸を傾動させる方向に対応して探索領域を限定することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
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