JP4576007B2 - 粉砕・分散用メディアとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機系高機能材料の原料粉砕・分散に用いる窒化けい素質粉砕・分散用メディア及びその製造法に関する。なお、本発明でいう無機系高機能材料は、圧電体、誘電体、焦電体、半導体、磁性体、蛍光体の電子部品材料、光エレクトロニクス材料、磁気テープ、液晶、PDP用カラーフィルター、生体材料、触媒及び酸化物からなる構造用セラミックス材料を総称するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
近年、構造用・機能性セラミックス、顔料、塗料など多くの分野で、高性能化、小型化の要求においても有害不純物の混入が少ない微細な粉体粒子が求められている。また、同時にコスト面等から粉砕・分散の高効率化が要求されている。
【0003】
これらの要求を満足するためにサンドミルに代表される湿式媒体撹拌ミルや乾式のジェットミルが広く使用されるようになった。この媒体撹拌ミルは高速回転するドラムや撹拌翼で、粉砕・分散用メディア(ボールやビーズ)を運動させ、その運動エネルギーによる衝撃力、摩擦力、圧縮力を用いて被砕物を粉砕、分散するので、粉砕、分散効率はメディアの運動量、速度を大きくするほど高くなる反面、メディアの運動量、速度を大きくするほど被砕物スラリー温度の上昇と粉砕・分散用メディアに加わる負荷は大きくなるので、スラリー温度が高い場合においてもすぐれた耐衝撃性、耐摩耗性を有するメディアが求められている。
【0004】
一方、従来の窒化けい素質焼結体からなる粉砕・分散用メディアは主成分が
SiとNであるため高機能材料の原料粉に対してSiは有害不純物となり、また、Nも酸化雰囲気中でNガスとして蒸発し、気泡を残すため、非酸化物原料の粉砕・分散用以外には従来使用されることはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来、無機系高機能材料のための原料の粉砕・分散用メディアとして使用されることのなかった窒化けい素に注目し、従来品のように摩耗が大きくなったり、ある時点で突如摩耗が大きくなるというようなことがなく、長期間安定して使用できる耐摩耗性、耐久性、耐衝撃性に優れ、無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアとして十分満足して使用できる窒化けい素質焼結体からなるメディアとその製造法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記のような現状に鑑み、鋭意研究を重ねてきた結果、窒化けい素質焼結体からなる粉砕・分散用メディアにおいて、Al、Yを特定割合で含有する窒化けい素質焼結体からなる粉砕・分散用メディアで、かさ密度、ビッカース硬さ、圧壊強度及びメディア形状を適切な範囲に調整し、限定した条件で製造することによって無機系高機能材料のための原料粉砕・分散メディアとして極めてすぐれた耐摩耗性を有し、被処理原料の純度を維持することができ、さらには100℃程度かそれ以下の温水または高湿度雰囲気中で長期間安定した耐久性を有する窒化けい素質焼結体を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の第一は、(1)窒素ガス雰囲気中で1700〜1900℃で焼成して得られる窒化けい素質焼結体からなり、(2)Al2〜5wt%、Y3〜8wt%を含有し、(3)AlとYの合計量が6〜10wt%であり、(4)かさ密度が3.10g/cm以上、(5)ビッカース硬さが1300以上、(6)圧壊強度が400MPa以上、(7)メディアサイズがφ3mm以下であり、(8)メディアの円形度係数が0.9以上、であることを特徴とする無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアに関する。
【0008】
本発明の第二は、(A)α相を60wt%以上含み、含有酸素量が2wt%以下、平均粒子径が2μm以下、比表面積が3m/g以上、純度97%以上の窒化けい素粉体に、Alを2〜5wt%、Yを3〜8wt%添加し、成形粉体を得、(B)得られた成形用粉体を水を含有する溶媒を用いて湿式で成形し、(C)窒素ガス雰囲気中で1700〜1900℃で5〜10時間焼成し、(D)表面仕上げする、ことを特徴とする無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法に関する。
【0009】
以下に、本発明の窒化けい素質焼結体からなる粉砕・分散用メディアが充足すべき各要件について、詳細に説明する。
【0010】
本発明においては、Alが2〜5wt%含有することが必要であるが、とくに2.5〜4.5wt%含有することが好ましい。Al含有量が2wt%未満の場合は焼結性が低下するので好ましくない。一方、含有量が5wt%を超えると焼結体内部に含有するガラス相量が増加してビッカース硬さ等の機械的特性が低下し、耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0011】
本発明においては、Yが3〜8wt%含有することが必要であるが、とくに3.5〜7.5wt%含有することが好ましい。Y含有量が3wt%未満の場合はAlの場合と同様に焼結性が低下するので好ましくない。一方、含有量が8wt%を超える場合にも焼結性が低下するだけでなく、結晶が粒状になり、靭性の低下等が起こり、割れ、欠けの発生が起こったりして耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0012】
なお、Y添加量の50wt%まで、好ましくは30wt%までを他の稀土類酸化物の1種または2種以上で置換したものも用いることができる。このような稀土類酸化物としては、CeO、Nd、Yb、Dy等が安価な点で好ましい。
【0013】
本発明においては、AlとYの合計量が6〜10wt%であることが必要であるが、とくに6.5〜10wt%であることが好ましい。合計量が6wt%未満の場合は焼結性の低下が起こるので好ましくなく、10wt%を越える場合は、焼結体内部にガラス相が多く存在したり、機械的性質の低下が起こるので好ましくない。
【0014】
本発明においては、かさ密度は3.10/cm以上であることが必要であり、好ましくは3.15g/cm以上である。かさ密度が3.10g/cm未満の場合は摩擦、衝撃などの外部応力に対する抵抗性が劣ると同時に耐摩耗性及び耐久性の低下が起こるので好ましくない。
【0015】
本発明においては、ビッカース硬さは1300以上とすることが必要であり、好ましくは1350以上とする。ビッカース硬さが1300未満の場合は被粉砕・分散粉体硬さに対する比率が小さくなり、メディアの摩耗が大きくなるので好ましくない。
【0016】
本発明においては、圧壊強度は400MPa以上とすることが必要であり、より好ましくは500MPa以上である。圧壊強度が400MPa未満の場合は、焼結体内部の欠陥が多いため、摩耗が多くなって被粉砕・分散粉体中への摩耗粉の混入が多くなってしまうので好ましくない。また、衝撃による割れ、欠けが発生しやすくなる。これも摩耗粉の混入の増加やミルの損傷につながるので好ましくない。
【0017】
なお、圧壊強度の測定方法はメディア1個をWC(超硬合金)製の2枚の板の間に挟んで材料試験機にセットし、クロスヘッドスピード0.5mm/minで荷重を印荷し、試料が破壊した時点の荷重(W)を測定し、メディア断面積(A)で割った値(W/A)を強度とした。
【0018】
本発明においては、メディアの円形度係数が0.9以上であることが必要である。
【0019】
円形度係数の測定は下記の方法により行う。メディアをガラス、プラスチックなどの透明板の上に置き、透明板の下から光を当てて、メディアの投影像を観察する。観察した投影像からメディアの断面積:Sと周囲長:Lを求め、次式により円形度係数を算出する。100個のメディアを測定し、その平均値をメディアの円形度係数とする。
【数1】
円形度係数=(4π×S)/L
【0020】
円形度係数が0.9未満の場合は、粉砕粒度分布が広くなったり、分散効率が低下し、高精度の粉砕・分散が困難となるので好ましくなく、さらには、粉砕分散機のスラリーとメディアを分離するギャップセパレーターやスクリーンにメディアが挟まったり、メディアに高負荷が加わると割れ、カケの発生が起こるので好ましくない。より好ましくは、0.95以上とする。
【0021】
本発明の窒化けい素質焼結体からなる高機能材料粉砕・分散用メディアの製造法について説明する。
【0022】
使用する窒化けい素粉体はα相を60%以上、好ましくは70%以上含有し、好ましくは不純物として含有するFe、Ca、Mg、Cの合計量が1.0wt%以下であり、平均粒子径が2μm以下、好ましくは1.5μm以下、比表面積が3m/g以上、好ましくは6m/g以上、純度97%以上のものを用いる。
【0023】
α相が60%未満の場合は焼結性の低下や靭性等の機械的特性が低下するので好ましくない。粉体に含有する酸素量は2wt%以下であることが必要で、2wt%を超えると焼結体にガラス相が多く形成され、耐摩耗性の低下が起こるので好ましくない。さらに、平均粒子径が2μmを越え、比表面積が3m/g未満の場合は、焼結性の低下が起こるので好ましくない。
【0024】
以上の特性を有する窒化けい素粉体に、焼結助剤としてAlを2〜5wt%、Yを3〜8wt%添加し、必要に応じて公知の成形助剤[ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル樹脂、パラフィンワックスエマルジョン等]を添加し、湿式で粉砕混合し、乾燥させて成形粉体を得る。
【0025】
焼結助剤として用いるAlは純度が99%以上、平均粒子径が1μm以下、より好ましくは0.5μm以下であり、Yは純度が99%以上、平均粒子径が3μm以下、より好ましくは2μm以下であることが必要である。
【0026】
両粉体の純度が99%を下回る場合には、焼結体中に形成されるガラス相に不純物が多く含有するため、たとえ、かさ密度、硬さ及び圧壊強度に影響を与えなくても耐摩耗性及び耐久性の低下をきたすので好ましくない。
【0027】
平均粒子径及び比表面積がこれらの値を満足しない場合は、窒化けい素粉体中に均一に分散することが困難となり、焼結体組織が不均一となって満足するメディア特性が得られない。得られた成形粉体は平均粒子径が0.4〜0.6μm、比表面積が5〜13m/gである必要がある。これらの範囲を外れる場合は、焼結性の低下や後述する成形性の低下が起こり、得られたメディアに気孔や欠陥が多く存在してしまい、耐摩耗性及び耐久性に劣るので好ましくない。
【0028】
得られた成形粉体を用いて、アルコール類、パラフィン系炭化水素類等の有機溶剤に水を添加した溶媒、可溶性高分子に水を添加した溶媒、または水を用いて、転動造粒成形法、坏土成形法、鋳込成形及び液中造粒成形法などによりメディアを成形する。このようにして得られた成形体を窒素ガス雰囲気中、好ましくは10kgf/cm以下の圧力(常圧を含む)下で、1700〜1900℃で5〜10時間焼成し、焼成工程で汚染された表面を研磨(たとえば、バレル研磨)などにより除去して仕上げし、粉砕・分散用メディアが得られる。
【0029】
焼成工程で汚染された表面を除去しないと初期摩耗の発生や安定した摩耗特性が得られなくなったり、耐久性の低下を招くので好ましくない。
【0030】
成形時に用いる溶媒に水を含有していると、結晶粒界または近傍に適度なガラス相を形成し、結晶粒界強度が高くなって耐摩耗性及び耐衝撃性が向上するだけでなく、すぐれた耐久性を示す効果がある。成形時に用いる溶媒に水を含有していない場合には、結晶粒界強度が低下し、耐衝撃性の低下や粒子脱離摩耗が起きやすくなり、耐摩耗性や耐久性の低下をきたすので好ましくない。
【0031】
なお、本発明の窒化けい素質焼結体からなる高機能材料のための原料の粉砕・分散用メディアの温水中におけるメディア摩耗率は、下記の条件で評価した時、サイクル毎のメディア摩耗率の最大値が20ppm/時間以下とすぐれた耐摩耗性及び耐久性を示す。
【0032】
即ち、メディア1200ccを内容積1400ccのダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製:タイプKDL−PILOT、ベッセル及びディスクは株式会社ニッカトー製ジルコニア:YTZ)に入れ、60℃に保持した10リットルの温水を600cc/minで60〜65℃の範囲内で温度調整をしながら循環させ、ディスク周速8m/secで10時間を1サイクルとして21サイクル運転するテストを行い、下式によりサイクル毎の時間当たりのメディア摩耗率を測定する。
【数2】
メディア摩耗率(ppm/時間)
={(Wb−Wa)/Wb}×1,000,000÷10(時間)
Wb:各サイクルのテスト前メディア重量(g)
Wa:各サイクルのテスト後メディア重量(g)
【0033】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものでない。
【0034】
実施例1
表1に示す特性の窒化けい素粉体、表2に示すAl粉体及び表3に示すY粉体を使用し、表4〜5に示す配合で湿式粉砕混合した。得られた混合スラリーを乾燥、整粒し、成形用粉体とした。この成形用粉体に水を用いて転動造粒成形した。試料No.10(比較例)は粉砕混合したスラリーにワックスエマルジョンを粉体重量に対し、3wt%添加し、スプレードライヤー乾燥し、70MPaの圧力でCIP成形(乾式成形)により成形した(組成的には本発明の条件を満たすが湿式成形ではないから、本発明とは製造方法が異なる)。次いで表6〜7に示すように、得られた成形体を窒素雰囲気中で1600〜1950℃で5〜10時間焼成し、直径1mmの球状の粉砕・分散用メディアを得た。得られた粉砕・分散用メディアをバレル研磨によって仕上げ、評価用試料とした。
得られた評価用試料のかさ密度、ビッカース硬さ、圧壊強度と耐摩耗性を表6〜7に示す。試料No.1〜8は本発明の窒化けい素質焼結体からなる粉砕・分散用メディアである。
【0035】
耐摩耗性の評価方法は下記のようにして行った。すなわち高機能材料の中で代表的な電子部品材料であるBaTiO粉体を粉砕した時の耐摩耗性および耐久性(A)を評価した。テスト条件は、メディア1200ccを内容積1400ccのダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製:タイプKDL−PILOT、ベッセル及びディスクは株式会社ニッカトー製ジルコニア:YTZ)に入れ、平均粒子径が1.2μm、比表面積が1.8m/gのBaTiO粉体600gと水2400ccからなるスラリーを300cc/minで60〜65℃の範囲内で温度調整をしながら循環させ、ディスク周速8m/secで2時間粉砕・分散を1サイクルとして2サイクル、トータル4時間行い、時間当たりのメディア摩耗率をテスト前後の時間当たりの重量変化率として測定した。
【0036】
実施例2
試料No.3及び22を用いて、BaTiOを粉砕・分散処理した。得られたBaTiO粉体を1tonf/cmの圧力で金型によりφ15×3mmに成形し、大気中1400℃で焼成して焼結体を得た。得られた焼結体の室温における誘電率(1kHz)の測定を行った。本発明の範囲内のメディア(試料No.3)を用いて粉砕処理した粉体を用いて作製したBaTiO焼結体の誘電率は1500であったのに対し、本発明の範囲外のメディア(試料No.22)を用いて作製した焼結体の誘電率は本発明の範囲内のメディアを用いて得られた焼結体に比べ1050と低いものであった。本発明の範囲内のメディアで粉砕・分散して作製したBaTiO焼結体は、本発明の範囲外のメディアで粉砕・分散して作製したBaTiO焼結体に比べて不純物が少ないため高い誘電率を有していることが判る。
【0037】
実施例3
試料No.2、4、8、11、24及び25を用いて60℃温水中における耐摩耗性および耐久性(B)を評価した。テスト条件は、60℃に保持した10リットルの温水を600cc/minで60〜65℃の範囲内で温度調節しながら循環する以外は耐摩耗及び耐久性に関する実施例1および3と同条件とした。テスト時間は10時間を1サイクルとして21サイクル運転するテストを行い、サイクル毎の時間当たりのメディア摩耗率を測定し、このサイクル毎のメディア摩耗率の最大値を求めた。その結果を表8に示す。表8からも明らかなように本発明の範囲内の粉砕・分散用メディアは無機系高機能材料原料のための原料の粉砕・分散にすぐれた耐摩耗性を示すだけでなく、温水中での長時間の使用においてもすぐれた耐摩耗性と耐久性を有していることが判る。
【0038】
実施例4
実施例1に記載の試料No.3と表9に示す従来の窒化けい素製メディア(焼結助剤;MgO:1.0%、Y:4.0%、Al:3.0%)及びジルコンビーズを下記の条件で評価を行った。耐摩耗及び耐久性(A)及び(B)は実施例1および3と同様に行い、さらに耐摩耗及び耐久性(C)として20℃の水温で10時間テストした以外は耐摩耗及び耐久性(B)と同条件でテスト時の摩耗率を示す。
耐摩耗及び耐久性(B)のテスト結果を図1に示す。
【0039】
本発明の窒化けい素質焼結体からなる粉砕・分散用メディアはBaTiO粉砕・分散した時にすぐれた摩耗特性を示し、さらに温水下でもすぐれた耐摩耗性と耐久性を示すのに対し、従来の窒化けい素製メディア及びジルコンビーズはBaTiO粉砕・分散した時のメディア摩耗率が大きく、さらには水温が高くなると摩耗率は大きくなり、また、あるテスト時間になると急激に摩耗率の増加が見られる。
【0040】
【表1】
Figure 0004576007
【0041】
【表2】
Figure 0004576007
【0042】
【表3】
Figure 0004576007
【0043】
【表4】
Figure 0004576007
【0044】
【表5】
Figure 0004576007
【0045】
【表6】
Figure 0004576007
【0046】
【表7】
Figure 0004576007
【0047】
【表8】
Figure 0004576007
【0048】
【表9】
Figure 0004576007
【0049】
【発明の効果】
本発明の窒化けい素質焼結体からなる粉砕・分散用メディアは、極めてすぐれた耐摩耗性と耐久性を有することから、これを用いて、圧電体、誘電体、焦電体、半導体、磁性体、蛍光体の電子部品、磁気テープ、液晶、PDP用カラーフィルター、生体材料、触媒及び酸化物からなる産業用構造セラミック材料のための原料の粉砕・分散に好適で、特に水を含有する溶媒を用いて粉砕・分散する際にスラリー温度が高くなる場合に最適である。また、本発明のメディアはすぐれた耐摩耗性と耐久性を有しているためベアリングボール等の産業用耐摩耗構造部材としても十分利用できる。
【0050】
以下に本発明の実施態様項を列記する。
〔1〕 (1)窒素ガス雰囲気中で1700〜1900℃で焼成して得られる窒化けい素質焼結体からなり、(2)Al2〜5wt%、Y3〜8wt%を含有し、(3)AlとYの合計量が6〜10wt%であり、(4)かさ密度が3.10g/cm以上、(5)ビッカース硬さが1300以上、(6)圧壊強度が400MPa以上、(7)メディアサイズがφ3mm以下であり、(8)メディアの円形度係数が0.9以上、であることを特徴とする無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディア。
〔2〕 耐摩耗性が80ppm/hr以下である前項〔1〕記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディア。
〔3〕 (A)α相を60wt%以上含み、含有酸素量が2wt%以下、平均粒子径が2μm以下、比表面積が3m/g以上、純度97%以上の窒化けい素粉体に、Alを2〜5wt%、Yを3〜8wt%添加し、成形粉体を得、(B)得られた成形粉体を水を含有する溶媒を用いて湿式で成形し、(C)窒素ガス雰囲気中で1700〜1900℃で5〜10時間焼成し、(D)表面仕上げする、ことを特徴とする無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔4〕 前記α相が70%以上である前項〔3〕記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔5〕 前記平均粒子径が1.5μm以下である前項〔3〕〔4〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔6〕 前記比表面積が6m/g以上である前項〔3〕〔5〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔7〕 前記Alの平均粒子径が1μm以下である前項〔3〕〔6〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔8〕 前記Alの純度が99%以上である前項〔3〕〔7〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔9〕 前記Yの平均粒子径が3μm以下である前項〔3〕〔8〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔10〕 前記Yの純度が99%以上である前項〔3〕〔9〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔11〕 前記成形粉体の平均粒子径が0.4〜0.6μmである前項〔3〕〔10〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
〔12〕 前記成形粉体の比表面積が5〜13m/gである前項〔3〕〔11〕いずれか記載の無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の試料No.3の窒化けい素と表9に示す従来の窒化けい素およびジルコンビーズについての耐摩耗性と耐久性のテスト結果を示すグラフである。

Claims (2)

  1. (1)窒素ガス雰囲気中で1700〜1900℃で焼成して得られる窒化けい素質焼結体からなり、(2)Al2〜5wt%、Y3〜8wt%を含有し、(3)AlとYの合計量が6〜10wt%であり、(4)かさ密度が3.10g/cm以上、(5)ビッカース硬さが1300以上、(6)圧壊強度が400MPa以上、(7)メディアサイズがφ3mm以下であり、(8)メディアの円形度係数が0.9以上、であることを特徴とする無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディア。
  2. (A)α相を60wt%以上含み、含有酸素量が2wt%以下、平均粒子径が2μm以下、比表面積が3m/g以上、純度97%以上の窒化けい素粉体に、Alを2〜5wt%、Yを3〜8wt%添加し、成形粉体を得、(B)得られた成形用粉体を水を含有する溶媒を用いて湿式で成形し、(C)窒素ガス雰囲気中で1700〜1900℃で5〜10時間焼成し、(D)表面仕上げする、ことを特徴とする無機系高機能材料のための原料粉砕・分散用メディアの製造方法。
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