JP4575938B2 - メジャーテープ取付部材 - Google Patents

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本発明は、境界測量の測距、センター杭測設の測距、平板測量の測距、工事現場における張り出しの測距等の測量や工事現場において用いる測距装置であるメジャーテープ取付機に関するものである。
従来、工事現場における張り出しの測距等、比較的短い距離を測る場合において、メジャーテープを持つ人と目盛りを読む人との2人係りで行っている。測距作業にも省力化が求められているが、現在2人で行っている作業を、仮に一人で行うことができれば2倍の効率化(省力化)を実現することになる。
記載なし。
しかしながら、従来は、このような一人で測距する装置は見当たらず、前記効率化のために、本発明は、上記「仮に」を現実のものとして実現することにある。即ち、本発明が解決しようとする課題は、一人で且つ正確に作業可能な測距装置であるメジャーテープ取付機に用いられるメジャーテープ固定部材を提供することにある。
本発明の上記課題を解決するために、本発明は下記の手段を講じた。
即ち、本発明は、断面コ字形のメジャーテープ固定枠51の一面に、芯棒径大部53の頭部を有する回転心棒52が連結されたメジャーテープ固定部材において、前記断面コ字形の上部面には締付板56を有するメジャーテープ締付ねじ55を1個又は2個有し、該コ字形の下部面には糸位置決凸58、糸溝57及び該糸溝57の後方の背壁には糸孔54を有し、更に背壁の背面に糸止め59を有すると共にメジャーテープの一端を、測定する始点の直上部に配置・固定可能としたことを特徴とするメジャーテープ固定部材である
本発明は、上記構成により下記の効果を奏する。
本発明のメジャーテープ固定部材は断面コ字形のメジャーテープ固定枠51の一面に、芯棒径大部53の頭部を有する回転心棒52が連結されたメジャーテープ固定部材において、前記断面コ字形の上部面には締付板56を有するメジャーテープ締付ねじ55を1個又は2個有し、該コ字形の下部面には糸位置決凸58、糸溝57及び該糸溝57の後方の背壁には糸孔54を有し、更に背壁の背面に糸止め59を有することにより、メジャーテープ固定枠51にメジャーテープ62の端部をメジャーテープ締付ねじ55の操作によって固定しメジャーテープ62の端部(始端部)が固定されるので、メジャーテープの一端を、測定する始点の直上部に配置・固定可能とすることができる。そして、作業者はメジャーテープ62の他端部を水平に引き伸ばし錘球61の下端が第2杭3の上部に一致させたところでその水平距離を正確に測ることができるという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕以下、本発明に係るメジャーテープ固定部50、いわゆるメジャーテープ固定部材50を図面に基づいて説明する。図1は、メジャーテープ固定部50を含むメジャーテープ取付機を示す全体図、図2は、その概略説明図、図3は図1の水平位置調整部の縦断面図、図4は図1の巻尺固定部の正面図、図5は図4の巻尺固定部の縦断面図、である。
(全体構成)本発明のメジャーテープ固定部材を含むメジャーテープ取付機について図面に従って説明する。本装置は、大別して、装置全体を支持してその姿勢を安定させる支持重量部10と、メジャーテープ62の始端位置を水平方向において調整する水平位置調整部20と、メジャーテープ62の始端位置を上下・遠近に調整する上下・遠近位置調整部30と、メジャーテープ62の始端位置を鉛直方向において特定する鉛直方向調整部40と、メジャーテープ固定部50と、からなる。
(支持重量部10)先ず、支持重量部10について説明する。支持重量部10は、全体として直方体形状からなり、鉄ブロックから形成される「重石」としてウエイト11と、その上部の持ち運び用のハンドル12とからなる。ウエイト11は装置全体の姿勢を安定させる重量物で、全体の大きさ又は重さにもよるが、本実施例では、約10キログラム程度の重量物からなるのが好ましい。
(水平位置調整部20)次に、水平位置調整部20について説明する。水平位置調整部20は、調整部装着部13を有し、該調整部装着部13には水平断面円形の凹部が形成されており、前記調整部装着部13には縦棒支持部材21が嵌合され、固定具ねじ孔14を介して設けられた支持部材固定具25により固定されて水平位置調整部20を構成している。縦棒支持部材21の軸芯部に形成された水平断面円形の支持穴23には、水平断面円形の縦棒22が嵌合される。ここで、縦棒22が抜け出すのを防ぐ目的で支持部材固定具25を取り付けた。このように水平位置調整部20を構成することにより縦棒22を四角形にした場合でも縦棒22を回転させることができる。この実施例の場合は、縦棒22を調整部装着部13に直接回転・固定可能に支持させることで、縦棒支持部材21を省略することも可能である。なお、縦棒22を水平断面四角形とすることも可能である。このときには、縦棒支持部材21には四角形の支持穴23が必要である。また、この場合は、後述の上下・遠近位置調整部30において、移動枠31を上下方向に独立的に調整し易いというメリットがある。そして、上記縦棒22は、縦棒支持部材21に形成されている複数個の固定具孔14を通じて支持部材固定具25により固定される。また、縦棒支持部材21の周囲には、その円周面にそって凹部24が多数形成され、固定具孔26に螺合されている支持部材固定具25により固定される。
(水平位置調整部70)次に、図7に示される水平位置調整部70について説明する。水平位置調整部70は、支持重量部10の前方面にねじ73、74により固定される。該水平位置調整部70では、調整部装着部13は、縦棒支持部材71である球状体71aに対応した球状凹部13aからなり、該凹部13aに嵌合される水平断面角形の縦棒支持部材71からなる球状体71aが嵌合され、固定具ねじ孔を介して設けられた支持部材固定具72により固定される。この球状体71aの表面には、凹部71bが形成されていてもよく、この凹部71bにより縦角柱21aを前後左右に動かしたときに、断続的な動きをする。更に調整部装着部13に嵌合された球状体71aは、上部から蓋77により抑えられて、該蓋77はねじ75、76により固定して、球状体71aが外れるのを防止している。なお、本発明では、球状体71aは、中実のものについて説明したが、球状体71aは、中空であってもよいことは言うまでもない。更に縦棒22は、縦角柱で説明したが、縦円柱であってもよい。
また図8は、図7に示される水平位置調整部70の縦断面図である。水平位置調整部70が支持重量部10の長手方向の前方面にねじ74、74、73により固定されて設けられている。水平位置調整部70において、調整部装着部13は、縦棒支持部材71からなる球状体71aに対応した球状凹部13aを有し、該凹部13aに嵌合される水平断面角形の縦棒支持部材71からなる球状体71aが嵌合され、固定具ねじ孔を介して設けられた支持部材固定具72、72により固定される。この球状体71aの表面には、凹部71bが形成されていてもよく、この凹部71bにより縦角柱21aを前後左右に動かしたときに、断続的な動きをする。更に調整部装着部13に嵌合された球状体71aは、上部から蓋77により抑えられて、該蓋77はねじ76(75)、76(75)により固定して、球状体71aが外れるのを防止している。
(上下・遠近位置調整部30)次に、上下・遠近位置調整部30について説明する。上下・遠近位置調整部30は、上記縦棒22の適宜個所に設定されるものであり、上下に縦棒22に沿って移動・固定可能な移動枠31と、該移動枠31に横方向に貫通して配置される横棒32と、該横棒32を移動枠31に固定する横棒固定具33と、からなる。
(鉛直方向調整部40)次に、鉛直方向調整部40について説明する。鉛直方向調整部40を構成する球体41は、横棒32の一端部に一体に固定されており、該球体41は、外形が略直方体の鉛直調整枠42を略ユニバーサルに回転可能に支持している。即ち、鉛直調整枠42の中心部には、球体41を内包可能な球形の凹部が形成されており、この凹部を介して球体41に鉛直調整枠42が支持されているといえる。
また、前記球体41の全周には球体凹部41aが全周にわたって多数形成されており、また、球体41の下端部近傍にある鉛直調整枠42に下垂杆44が一体に設けられている。また、鉛直調整枠42には調整枠固定具45が付設されており、該調整枠固定具45により、球体41に対して鉛直調整枠42が固定される。また、下垂杆44の下端部には中間枠46着脱自在に連結されており、中間枠46は下垂杆44に対して下垂杆固定具43によって固定される。上記中間枠46の下部には、心棒受け部47が形成されており、該心棒受け部47に、芯棒径大部53が回転自在に嵌合されている。なお、上記実施例では、下垂杆44の鉛直姿勢を決める手段として、球体41及び球体41に外嵌される鉛直調整枠42を用いたが、複数の連結方向の違うヒンジ機構を組み合わせるなどの他の手段を採用してもよい。
(メジャーテープ固定部50)次に、メジャーテープ固定部50について説明する。中間枠46に対して回転自在に取り付けられている回転芯棒52の下部には、メジャーテープ固定部50が一体に取り付けられている。メジャーテープ固定部50を構成するメジャーテープ固定枠51は、特に図4、5に示すように、断面略コ字形に形成され、メジャーテープ締付板56がメジャーテープ締付ねじ55を介して上下に移動可能に配置されている。そして、メジャーテープ締付板56によりメジャーテープ62の端部をメジャーテープ固定枠51に押し付けて、固定することになる。また、メジャーテープ固定枠51の下部には、その直下部に糸位置決凸部58、該糸位置決凸部58に連動する糸溝57、及び糸孔54が形成され、その背面には糸止め59が形成されている。そして、錘球61連結されている糸60は糸位置決凸部58に案内され、糸溝57を介して糸止め59にその端部が固定されることになる。
(作用)次に、上記装置の使用方法について説明する。上記構成により、地形1上の第1杭2(基準点)に対して第2杭3の距離を測る場合には、図1、図2に示すように、地形1表面上に支持重量部10を任意に設置し、支持部材固定具25を緩めて縦棒22を回転自在の状態とし、また、横棒固定具33を緩めて横棒32を前後に進退自在の状態とし、また、調整枠固定具43を緩めて球体41に対して鉛直調整枠42が回転自在の状態となる。そして、錘球61が第1杭2の上部に一致するように配置する。その上で、支持部材固定具25により縦棒支持部材21を固定し、横棒固定具33により移動枠31を固定し、調整枠固定具43により鉛直調整枠42を固定する。上記操作により、メジャーテープ固定枠51の位置が特定される。そして、メジャーテープ固定枠51にメジャーテープ62の端部をメジャーテープ締付ねじ55の操作によって固定しメジャーテープ62の端部(始端部)が固定される。そして、作業者はメジャーテープ62の他端部を水平に引き伸ばし錘球61の下端が第2杭3の上部に一致させたところでその水平距離を正確に測ることができる。
この測定に当たって、メジャーテープ固定部50は回転芯棒52を中心に水平に回転自在であるから作業者は容易に第2杭3に対して錘球61を一致させることができる。上記構成により、メジャーテープ62を用いた2点間の距離を1人で行うことができるため作業が極めて効率的となった。特に図1、図2に示すように、測定すべき第1杭2及び第2杭3の地形がどのような傾斜地であっても1人で正確に測距することができるに至った。
〔実施例2〕図6は、実施例2を示しており、メジャーテープ62の幅方向を鉛直方向に立てることによって側面からメジャーテープ62の目盛りをみることができるようにしたもので、メジャーテープ62の固定に当たっては、メジャーテープ固定枠51を、図1、図2に比べて90度変更したものであって、メジャーテープ締付板56によりメジャーテープ62の側面から固定するようにしたものである。この実施例によりメジャーテープ62の読み取りは側方から行うことができるにいたった。
なお、上記実施例においてはあらゆる形状に対応させるため水平位置調整部20、上下・遠近位置調整部30等を設けたが、比較的平坦な位置で用いる場合あるいは支持重量部10を設置する載せ台側においてその高さや傾斜度が調整可能な場合は水平位置調整部20または上下・遠近位置調整部30を省略することも可能である。また、上記実施例ではメジャーテープ締付板56を2つ並置することによってメジャーテープ固定枠51の姿勢を変えて、いずれのメジャーテープ締付板56をも選択的に使用可能とすることで測定の容易性を向上させたが、位置が比較的平坦な状態においては1つのみとしてもよい。なお、
球体41には多数の球体凹部41aを形成させたが、調整枠固定具43の位置決め・固定が容易である場合は球体凹部41aを省略するか、或いはその表面を梨地状としてもよい。いずれにしても、上記実施例の測距装置によれば、作業者単独でメジャーテープ測距ができるので、小規模な測量の場合はその作業を1人で且つ何回でも行うことができる。また上記特許請求の範囲の項には、実施例との対応関係を明瞭にするために図面符号を付したが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例3〕図9は、メジャーテープ取付機の別の形態を示している。図9に示されるメジャーテープ取付機は、三脚に取り付けて使用するのに便利である。図9において、メジャーテープ取付機は、支持重量部10と水平位置調整部70とからなり、支持重量部10には、その中央部には、錘球61が容易に通り抜けることができる大きさの孔91が設けられている。ついで、支持重量部10の前方面に水平位置調整部70が設置される。該設置の仕方は、調整部装着部13がねじ固定具73、74により固定されている。そして、この調整部装着部13の凹部13aに嵌合された水平断面角形の縦棒支持部材71からなる球状体71aに縦角柱21aが一体に固定されており、またこの球状体71aの表面には、凹部71bが形成されていてもよく、この凹部71bにより縦角柱21aを前後左右に動かしたときに、断続的な動きをする。更に調整部装着部13に嵌合された球状体71aは、上部から蓋77により抑えられて、該蓋77はねじ75、76により固定して、球状体71aが外れるのを防止している。更にこの縦角柱21aには、鉛直方向調整部40を介してメジャーテープ固定部50が設けられていると共に、このメジャーテープ固定部50には、錘球61が糸60を介して垂下されている。
このメジャーテープ取付機の使用の仕方は、三脚の台にメジャーテープ取付機を取り付けた後、その台を貫通した糸孔54には、端部に錘球61が取り付けられた糸が通され、この糸の端部に錘球61が取り付けられている。このような状態で錘球61が第1杭の上部に一致するように配置した後、その位置で縦棒支持部材21、移動枠31及び鉛直調整枠42等を固定具により固定する。そしてメジャーテープ固定枠51にメジャーテープ62の端部をメジャーテープ締付ねじ55の操作によって固定しメジャーテープ62の端部(始端部)が固定される。そして、作業者はメジャーテープ62の他端部を水平に引き伸ばし錘球61の下端が第2杭3の上部に一致させたところでその水平距離を正確に測ることができる。この際、メジャーテープ62の幅方向を鉛直方向に立てることによって側面からメジャーテープ62の目盛りをみることができるようにすることもできる。
このように支持重量部10では、重量物からなるウエイトの中央部に貫通孔を有することにより、三脚を取り付けて使用し、三脚の台に設けられた孔を通じて錘球61をセットし易いばかりでなく、三脚の台の孔を通じてセットされているので、安定したセットが可能であり、その結果、メジャーテープの引張りに対する抵抗が強く、作業がし易いものとなった。
本発明に係る実施例1の全体側面図である。 図1の概略説明図である。 図1の水平位置調整部の縦断面図である。 巻尺固定部の正面図である。 図4の巻尺固定部の縦断面図である。 本発明に係る実施例2の要部説明図である。 本発明に係る水平位置調整部の断面図である。 図7に示される水平位置調整部の縦断面図である。 本発明に係る別のメジャーテープ取付機の部分断面図である。
符号の説明
1 地形 2 第1杭 3 第2杭 10 支持重量部
11 (鉄ブロック)ウエイト 12 ハンドル
13 調整部装着部 13a 球状凹部又は球状体嵌合凹部
14 固定ねじ孔 20 水平位置調整部
21 縦棒支持部材 21a 角柱 22 縦棒
23 支持穴 24 凹部 25 支持部材固定具
26 固定具孔 30 上下・遠近位置調整部 31 移動枠
32 横棒 33 横棒固定具 40 鉛直方向調整部 41 球体
41a 球体凹部 42 鉛直調整枠 45 調整枠固定具
44 下垂杆 43 下垂杆固定具 46 中間枠
47 心棒受け部 50 メジャーテープ固定部
51 メジャーテープ固定枠 52 回転心棒
53 心棒径大部 54 糸孔 55 メジャーテープ締付ねじ
56 メジャーテープ締付板 57 糸溝
58 糸位置決凸部 59 糸止め 60 糸
61 錘球 62 メジャーテープ 71 縦棒支持部材
71a 球状体 71b 凹部(曲面)
72、73、74 ねじ
75、76 ボルト
77 蓋 91 貫通孔

Claims (1)

  1. 断面コ字形のメジャーテープ固定枠51の一面に、芯棒径大部53の頭部を有する回転心棒52が連結されたメジャーテープ固定部材において、前記断面コ字形の上部面には締付板56を有するメジャーテープ締付ねじ55を1個又は2個有し、該コ字形の下部面には糸位置決凸58、糸溝57及び該糸溝57の後方の背壁には糸孔54を有し、更に背壁の背面に糸止め59を有すると共にメジャーテープの一端を、測定する始点の直上部に配置・固定可能としたことを特徴とするメジャーテープ固定部材
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