JP4574879B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナ台座部材にアンテナ部材が取り付けられてなる室内用のアンテナ装置に関するものである。なお、本発明に係るアンテナ装置は、高速無線用のアクセスとして、送受信に用いることができ、データの伝送用の信号を取り扱うことも可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来、図7(a)〜(c)に示すように、アンテナ台座部101Aに対し、アンテナ素子(図示せず)が内蔵された棒状のアンテナ部101Bが鉛直上方に突出するように設けられた合成樹脂製のアンテナ装置101は知られている。そのアンテナ装置101においては、アンテナ台座部101Aの側部より、アンテナ部101Bに内蔵されるアンテナ素子に接続される給電線102が導き出されている。給電線102の端部には、外部機器(例えば通信用モデム)に接続されるコネクタ103が設けられ、アンテナ台座部101Aの下面には底板101Cが設けられている。なお、底板101Cの下面には、3つの支持脚101Dが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような構造であると、アンテナ部101Bを、送受信側のアンテナの方向に向けたいという要求があるにもかかわらず、アンテナ部101Bは、アンテナ台座部101Aに対し回転したり、傾けたりすることができず、アンテナ部101Bの向きを自由に調整することができなかった。
【0004】
また、回転機構をもち方向を調整できるアンテナ装置としてはロッドアンテナ(金属製)が知られているが、それを回転させる手順としては、ロッドアンテナを伸ばし、傾斜させ、それから回転するという具合に三段階で調整するものであり、一度にスムーズに方向を調整するものではなかった。
【0005】
本発明は、アンテナの向きの調整をスムーズにできるアンテナ装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、アンテナ台座部材にアンテナ部材が取り付けられてなるアンテナ装置であって、前記アンテナ部材は、棒状のアンテナ部と、このアンテナ部に連設された球形状のアンテナ基端部とを有し、前記アンテナ台座部材は、前記アンテナ部材のアンテナ部が挿通可能で前記アンテナ基端部の挿通不能である貫通穴部を有する外側台座枠と、この外側台座枠の貫通穴部を前記アンテナ部材のアンテナ部が挿通された状態で前記外側台座枠との間で前記アンテナ基端部を回転可能に挟持する内側台座枠と、この内側台座枠の下側に位置し前記内側台座枠を前記外側台座枠側に付勢する弾性部材とを備え、前記弾性部材は、先端部が前記内側台座枠に接触する板ばね部と、この板ばね部の基端部が内周部分に連設され前記外側台座枠に取付固定されている環状の本体部とを有することを特徴とする。ここで、アンテナ部材やアンテナ台座部材に用いる材料は特に制限されないが、合成樹脂で成形する場合には、アンテナ部とアンテナ基端部とを一体に成形することができるし、それぞれ別々に成形してから結合することもできる。
【0007】
このようにすれば、アンテナ台座部材の内側台座枠が弾性部材にて外側台座枠側に付勢され、その両台座枠の間にアンテナ部材のアンテナ基端部が回転可能に挟持されているので、アンテナ部を把持してアンテナ基端部を回転することで、アンテナ部材を傾斜させたり、アンテナ部材の角度を変更したりすることができる。よって、アンテナの向きがスムーズにかつ自由に調整される。特に、内側台座枠が弾性部材にて外側台座枠側に付勢されているので、アンテナ部材の角度を調整した後は、その調整後の角度を維持する状態に保持される。
また、環状の本体部を外側台座枠に取り付けるだけで、前記内側台座枠が前記外側台座枠側に板ばね部(弾性部材)によって付勢される状態に簡単にすることができる。また、アンテナ基端部が内側台座枠と一緒に変位する場合であっても、その変位が一定量を超えると、内側台座枠の端縁が弾性部材の本体部に当接し、それ以上変位することが規制される。そして、この規制によって、板ばね部の破損が防止される。
【0008】
請求項2に記載のアンテナ装置のように、前記弾性部材は、対称に配置された複数の前記板ばね部を有し、通常時は前記内側台座枠を前記外側台座枠に対し一定の範囲内で変位可能に弾性的に支持している構成することができる。
【0009】
このようにすれば、アンテナ部材に何らかの外力が作用して、外側台座枠に対しアンテナ基端部と内側台座枠とが一緒に相対変位しても、内側台座枠は複数の板ばね部によって弾性的に支持されているので、前記外力が解除されればもとの状態に復帰することになる。
【0012】
請求項に記載のアンテナ装置のように、前記外側台座枠の貫通穴部は、それの内側面が前記アンテナ部材のアンテナ基端部の外側面に対応した湾曲面であり、前記内側台座枠は、前記貫通穴部に対応する貫通穴部を有し、この貫通穴部の内側面が、前記アンテナ基端部の外側面に対応した湾曲面とされているようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、外側台座枠および内側台座枠の貫通穴部の内側面がアンテナ基端部に対応した湾曲面に形成されているので、両台座枠によって挟持された状態でアンテナ部材(アンテナ基端部)の回転がスムーズに行える。
【0014】
請求項に記載のアンテナ装置のように、前記外側台座枠の貫通穴部の上側開口は、アンテナ部を最大限傾斜させたときに、前記内側台座枠の貫通穴部の下側開口から給電線が引き出し可能な大きさとされている。
【0015】
このようにすれば、アンテナ部(アンテナ部材)をどのような状態に回転しても、内側台座枠の貫通穴部の下側開口から給電線が引き出し可能な状態とされ、送受信機能が損なわれるおそれもない。
【0016】
請求項に記載のアンテナ装置のように、前記アンテナ部材は、前記アンテナ部がその軸線回りに回転可能に前記アンテナ基端部に対し挿入され、前記アンテナ部材に内蔵されるアンテナ素子用基板が、前記アンテナ部内に挿入されるアンテナ素子部と、前記アンテナ基端部内に圧入され給電線が接続される給電部とを有し、前記給電部より前記アンテナ素子部が延びるようにそれらが一体に形成されている。
【0017】
このようにすれば、アンテナの向きを調整する際に、使用者がアンテナ部をアンテナ基端部に対して回転しようとしても、アンテナ基端部は回転することなく、アンテナ部のみがその軸線回りに回転するだけであるので、アンテナ素子用基板は回転せず、その基板の給電部に接続されている給電線が絡まるということがなくなる。
【0018】
請求項に記載のアンテナ装置のように、前記外側台座枠は、下部に錘部材が設けられているようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、下方に重心が位置することになるので、机上などに載置した場合に、安定した載置状態となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0021】
図1は本発明に係るアンテナ装置のアンテナ部材が直立している状態を示す斜視図、図2は同アンテナ装置のアンテナ部材を傾け回転させる状態を示す斜視図、図3はアンテナ支持部を分解して示す分解斜視図、図4(a)は本発明に係るアンテナ装置の従断面図、図4(b)はアンテナ部材を傾斜させた状態の要部断面図、図4(c)は図4(a)のX部の拡大図である。
【0022】
図1および図2に示すように、アンテナ装置1は、テーブルなどの上に載置されるもので、下側に位置するアンテナ台座部材2と、そのアンテナ台座部材2によって支持されるアンテナ部材3とを備える。アンテナ台座部材2とアンテナ部材3とはいわゆるボールジョイント機構Sを介して連結され、アンテナ部材3をアンテナ台座部材2に対し傾斜したり、回転したりして、アンテナの向きを調整することができるように構成されている。なお、これらのアンテナ台座部材2およびアンテナ部材3は合成樹脂によって成形される。
【0023】
前記アンテナ部材3は、一端部が半球形状の棒状のアンテナ部4と、このアンテナ部4の他端部に連設された球形状のアンテナ基端部5(ボールジョイントボール部)とを備える。なお、このアンテナ部4とアンテナ基端部5とは、合成樹脂を用いて一体に成形されている。
【0024】
このアンテナ部材3は、中空形状で、内部にアンテナ素子用基板6が内蔵されている。このアンテナ素子用基板6は、一体に形成されたアンテナ素子部6aと給電部6bとを有し、アンテナ素子部6aがアンテナ部4内に挿入されるように、前記アンテナ基端部5内に給電部6bが圧入される。給電線8は給電部6bに、外部にさらされることなしに、アンテナ台座部材2とアンテナ部材3との内部でそれらが電気的に接続されている。
【0025】
一方、前記アンテナ台座部材2は、図3に詳細を示すように、このアンテナ部材3のアンテナ部4が挿通可能で前記アンテナ基端部5が挿通不能である貫通穴部9aを有する外側台座枠9を備える。この外側台座枠9は、中空のほぼ円錐台形状の筒状体とされている。
【0026】
この外側台座枠9の内側には、アンテナ部材3のアンテナ基端部5を回転可能に挟持するように内側台座枠10が設けられ、このようにアンテナ基端部5を両台座枠9,10によって挟持することで、ボールジョイント機構Sが形成されている。前記内側台座枠10の下側に位置する弾性部材11が固定ねじ12にて外側台座枠9に取付固定され、それによって内側台座枠10が、上下方向において一定の範囲で変位可能に取り付けられる。
【0027】
弾性部材11は、環状の本体部11aと、この本体部11aの内周部分に基端部が連設され、本体部11aの中心側に向けて先端部が上方に傾斜して延びる複数の板ばね部11bとを有し、図4(a)〜(c)に示すように、板ばね部11bの先端が内側台座枠10に当接し、前記内側台座枠10を前記外側台座枠9側に付勢するようになっている。すなわち、外側台座枠9と内側台座枠10とが、弾性部材11の弾性力によって圧接する方向に付勢されている。つまり、特に固定ねじなどで内側台座枠10を外側台座枠9に対し締め付けるという作業を行うことなく、内側台座枠10は、外側台座枠9と弾性部材11との間に保持されている。本体部11aには、取付のための取付孔11cが設けられ、この取付孔11cを通じて下側から適用されるねじ12が、外側台座枠9(スカート部9b)の内側面側に設けられた取付ボス部9cにねじ込まれるようになっている。
【0028】
ここで、通常の状態では、内側台座枠10の下面と弾性部材11の本体部11aとの間に隙間W1が形成されており(図5(a)参照)、アンテナ基端部5が下方に押されたときには、アンテナ基端部5と共に前記内側台座枠10が下方に一体的に変位するので、前記内側台座枠10の上端面と外側台座枠9の内側面との間に隙間W2が形成されるようになる(図5(b)参照)。このように、内側台座枠10は、外側台座枠9に対し一定の範囲内で上下方向において変位可能に弾性的に支持されている。
【0029】
前記外側台座枠9は、中空の円錐台形状であり、アンテナ部材3のアンテナ部4が挿通可能で前記アンテナ基端部5の挿通不能である貫通穴部9aを中央位置に有し、その中央位置の貫通穴部9aの上側周縁より斜め下方かつ外方に延びるスカート部9bが連設されている。外側台座枠9のスカート部9bの内側面側には、内側台座枠10が落下しないように弾性部材11(本体部11a)を取り付けるための取付ボス部9cが設けられている。
【0030】
また、前記内側台座枠10は、前記アンテナ基端部5を受ける筒状の貫通穴部10aと、その中央の貫通穴部10aの上側周縁より斜め下方かつ外方に延びるスカート部10bとを有する。このスカート部10bは、前記外側台座枠9のスカート部9bに対応した形状をしており、ほぼ等しい傾斜角度をなしている。なお、前記外側台座枠9の貫通穴部9aの下端部周縁に、板ばね部11bの先端部が接触する係合段差部10cが形成されている。
【0031】
前記内側台座枠10のスカート部10bには、外側台座枠9のスカート部9bにおける取付ボス部9cに対応してそれが係脱可能に係合する切り欠き部9dが形成され(図3参照)、それらが係合した状態では、外側台座枠9に対し内側台座枠10が周方向に回転しないようにされている。
【0032】
そして、前記外側台座枠9の貫通穴部9aを前記アンテナ部材3のアンテナ部4が挿通された状態で、内側台座枠10が外側台座枠9との間でアンテナ基端部5を回転可能に挟持するようになっている。
【0033】
つまり、外側台座枠9の貫通穴部9aは、それの内側面が前記アンテナ部材3のアンテナ基端部5の外側面に対応した湾曲面となっており、前記内側台座枠10の貫通穴部10aの内側面が、前記アンテナ基端部5の外側面に対応した湾曲面とされている。よって、両台座枠9,10によってアンテナ基端部5が弾性的に挟持された状態では、両貫通穴部9a,10aの湾曲面に沿ってアンテナ基端部5を、小さな力でもって自由に回転できるようになっている。
【0034】
そして、前記外側台座枠9の貫通穴部9aの上側開口は、アンテナ部4を最大限傾斜させたときに、前記内側台座枠10の貫通穴部10aの下側開口から給電線8が引き出し可能な大きさとされている。よって、アンテナ部4(アンテナ部材3)をどのような状態に回転しても、送受信機能が損なわれるおそれもない。
【0035】
上記の装置によれば、アンテナ部材3のアンテナ基端部5が回転可能に挟持されているので、アンテナ部4を把持して傾斜させることで、図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態にすることができ、また、図2に示すように、360度の範囲でアンテナの向きを変更するために回転(旋回)させることもできる。
【0036】
この場合、外側台座枠9と内側台座枠10との間にアンテナ基端部5を回転可能に挟持し、弾性部材11にて外側台座枠9側に内側台座枠10を付勢しているので、アンテナの向きを調整するために、アンテナ台座部材2に対するアンテナ部材3を傾動したり、回転させたりすることを無理なく行うことができる。特に、外側台座枠9および内側台座枠10の貫通穴部9a,10aの内側面がアンテナ基端部5に対応した湾曲面とされていることから、両台座枠9,10に挟持され状態であっても、アンテナ部材3(アンテナ基端部5)の回転がスムーズに行うことができる。
【0037】
また、内側台座枠10が弾性部材11にて外側台座枠9側に付勢され、アンテナ基端部5は弾性的に挟持されているので、アンテナ部材3の向きを調整した後は、その調整後の状態に保持される。
【0038】
しかも、前記外側台座枠9の貫通穴部9aの上側開口が、アンテナ部4を最大限傾斜させたときに、内側台座枠10の貫通穴部10aの下側から給電線8が引き出し可能な大きさとなるようにしているので、アンテナ部4(アンテナ部材3)をどのような状態にしても、内側台座枠10の貫通穴部10aの下側から給電線8が引き出し可能な状態を確保でき、送受信が損なわれることはない。
【0039】
そして、アンテナ部材3(アンテナ基端部5)が、何らかの外力により下方(アンテナ台座部材2側)に変位せしめられても、弾性部材11の板ばね部11bによって弾性的に支持されつつ一定の範囲内で変位し、その一定の範囲を超えると、環状の本体部11aに内側台座枠10の下端縁が当接し、それ以上の変位を規制するので、板ばね部11bの弾性力が損なわれることはないし、アンテナ装置1が破損するおそれもない。
【0040】
前記実施の形態においては、アンテナ装置1を卓上載置型として使用するものについて説明しているが、その場合において、アンテナ台座部材2の外側台座枠9の下部に錘部材を設け、全体の重心が下方に位置するようにして容易に転倒しないようにすることができる。例えば、外側台座枠9の下面開口を、重量があって錘(金属板)として機能する底板(図示せず)にて閉塞するようにすれば、その底板を錘部材として利用することができる。
【0041】
また、そのような底板を設ける場合であっても、例えば、前記底板を合成樹脂などで形成し、底板の下面を粗面として摩擦により容易に動かないようにすることも可能である。
【0042】
さらに、そのように底板を合成樹脂などで形成する場合には、底板に係止孔を設けて、その係止孔を壁面などのフックに移動不能に係止させたり、両面テープなどの固着手段を用いて、壁面などに移動不能に固定するようにして、壁面用として用いることもできる。このように壁面などに対してアンテナ台座部材を固定することができれば、アンテナの向きを調整した後に、アンテナ台座部材が動いてアンテナの向きが変わってしまうということがないからである。
【0043】
前記実施の形態においては、アンテナ部材3のアンテナ部4とアンテナ基端部5とを一体に成形しているが、必ずしも一体に成形する必要はなく、それぞれ別々に成形し、成形後にそれら結合してアンテナ部材3’とすることもできる。また、アンテナ部とアンテナ基端部とを別々に成形する場合には、アンテナ部をその軸線回りに回転可能に前記アンテナ基端部に挿入することもできる。この場合、具体的には、図6に示すように、アンテナ素子部6aを収納する中空棒状のアンテナ部4’において本体部4aの下端に周回鍔部4bを形成する一方、アンテナ基端部5’に形成する貫通穴5aを、給電部6bが圧入される大径の下側穴部5bと、アンテナ部4’の本体部4Aが間隙をもって挿通される小径の上側穴部5cとでもって構成するようにすればよい。アンテナ部4’は、周回鍔部4bが上側穴部5cと下側穴部5bとの間に形成される段差部5dに係止され、アンテナ基端部5’より抜けるということはない。なお、アンテナ素子部6aは、前述したように、アンテナ素子用基板6の給電部6bと一体に形成され、その給電部6bからアンテナ部4’(本体部4a)内に延びるが、アンテナ部4’(本体部4a及び周回鍔部4b)には固定されていない。
【0044】
このようにアンテナ部4’のみを回転可能にすれば、アンテナの向きを調整する際に、使用者がアンテナ部4’をアンテナ基端部5’に対して回転しても、アンテナ基端部5’は回転することなく、アンテナ部4’のみがその軸線回りに回転するだけであるので、アンテナ素子用基板6は回転せず、その基板6の給電部6bに接続される給電線8が絡まるということがなくなる。
【0045】
前記実施の形態においては、外側台座枠9および内側台座枠10の貫通穴部9a,10aの内側面をアンテナ基端部5,5’の外側面に対応した湾曲面とし、その湾曲面でもってアンテナ基端部5,5’をほぼ面接触状態で回転可能に挟持するようにしているが、本発明においては必ずしもその必要はなく、外側台座枠および内側台座枠の貫通穴部の内側面を円筒面として、外側台座枠の貫通穴部(円筒面)の内側周縁と内側台座枠の貫通穴部(円筒面)の外側周縁とをアンテナ基端部5,5’に線接触させ、その線接触状態でアンテナ基端部5,5’を回転可能に挟持するようにしてもよいし、さらには、外側台座枠および内側台座枠の貫通穴部の内側面に複数の突起(先端が丸い)を設け、それらの突起の先端部をアンテナ基端部5,5’に点接触させ、その点接触状態でアンテナ基端部5,5’を回転可能に挟持するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0047】
請求項1の発明は、アンテナ台座部材の内側台座枠を弾性部材にて外側台座枠側に弾性的に付勢し、それら両台座枠の間にアンテナ部材の球形状のアンテナ基端部を挟持するようにしているので、アンテナ基端部を、外側台座枠と内側台座枠との間に挟持された状態で自由に回転して、アンテナ部の向きをスムーズに調整することができる。特に、内側台座枠を弾性部材にて外側台座枠側に弾性的に付勢しているので、アンテナ部材の角度を調整した後は、その状態に弾性的に保持することができる。
さらに、前記弾性部材は、先端部が前記内側台座枠に接触する板ばね部と、この板ばね部の基端部が内周部分に連設され前記外側台座枠に取付固定されている環状の本体部とを有するので、前記本体部を外側台座枠に取り付けるだけで内側台座枠も取り付けることができ、しかも板ばね部の先端部を前記内側台座枠に接触させて、前記内側台座枠を前記外側台座枠側に板ばね部(弾性部材)によって付勢する状態に簡単にすることができる。また、アンテナ基端部が内側台座と一緒に変位する場合であっても、その変位が一定量を超えると、内側台座枠の端縁が弾性部材の本体部に当接し、それ以上の変位を規制するので、破損を防止することができる。
【0048】
請求項2に記載のように、先端部が内側台座枠に接触し対称に配置された複数の板ばね部によって、前記内側台座枠を外側台座枠に対し一定の範囲内で変位可能に弾性的に支持するようにすれば、アンテナ部材に何らかの外力が作用して、外側台座枠に対しアンテナ基端部と内側台座枠とが一緒に相対変位しても、内側台座枠を複数の板ばね部によって弾性的に支持することができ、前記外力が解除されれば、もとの状態に復帰させることができる。
【0050】
請求項に記載のように、外側台座枠および内側台座枠の貫通穴部の内側面をアンテナ基端部に対応した湾曲面に形成すれば、両台座枠によって挟持された状態でアンテナ部材(アンテナ基端部)の回転をスムーズに行うことができる。
【0051】
請求項に記載のように、外側台座枠の貫通穴部の上側開口が、アンテナ部を最大限傾斜させたときに、内側台座枠の貫通穴部の下側から給電線が引き出し可能な大きさとなるようにすれば、アンテナ部(アンテナ部材)をどのような状態にしても、内側台座枠の貫通穴部の下側から給電線が引き出し可能な状態を確保でき、アンテナ部の向きの調整に際し、アンテナとしての送受信機能を損なうおそれもない。
【0052】
請求項に記載のように、アンテナ部材のアンテナ部をその軸線回りに回転可能に前記アンテナ基端部に対し挿入すれば、アンテナの向きを調整する際に、使用者がアンテナ部をアンテナ基端部に対して回転しても、アンテナ基端部は回転することなく、アンテナ部のみがその軸線回りに回転し、アンテナ素子用基板が回転しないので、その基板の給電部に接続されている給電線が絡まるということがなくなる。
【0053】
請求項に記載のように、前記外側台座枠の下部は錘部材を設けるようにすれば、下方に重心が位置することになるので、机上などに載置した場合に、安定した載置状態を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンテナ装置のアンテナ部材が直立している状態を示す斜視図である。
【図2】同アンテナ装置のアンテナ部材を傾け回転させる状態を示す斜視図である。
【図3】アンテナ支持部を分解して示す分解斜視図である。
【図4】図4(a)は本発明に係るアンテナ装置の縦断面図、図4(b)はアンテナ部材を傾斜させた状態の要部断面図、図4(c)は図4(a)のX部の拡大図である。
【図5】図5(a)はアンテナ部材が通常の状態を示す図、図5(b)はアンテナ部材を下方に変位させた状態を示す図である。
【図6】本発明に係るアンテナ装置の他の実施の形態についての要部縦断面図である。
【図7】従来のアンテナ装置を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
【符号の説明】
1 アンテナ装置
2 アンテナ台座部材
3,3’ アンテナ部材
4,4’ アンテナ部
5,5’ アンテナ基端部
6 アンテナ素子用基板
6a アンテナ素子部
6b 給電部
8 給電線
9 外側台座枠
9a 貫通穴部
9b スカート部
10 内側台座枠
10a 貫通穴部
10b スカート部
11 弾性部材
11a 本体部
11b 板ばね部

Claims (6)

  1. アンテナ台座部材にアンテナ部材が取り付けられてなるアンテナ装置であって、
    前記アンテナ部材は、棒状のアンテナ部と、このアンテナ部に連設された球形状のアンテナ基端部とを有し、
    前記アンテナ台座部材は、前記アンテナ部材のアンテナ部が挿通可能で前記アンテナ基端部の挿通不能である貫通穴部を有する外側台座枠と、この外側台座枠の貫通穴部に前記アンテナ部材のアンテナ部が挿通された状態で前記外側台座枠との間で前記アンテナ基端部を回転可能に挟持する内側台座枠と、この内側台座枠の下側に位置し前記内側台座枠を前記外側台座枠側に付勢する弾性部材とを備え、
    前記弾性部材は、先端部が前記内側台座枠に接触する板ばね部と、この板ばね部の基端部が内周部分に連設され前記外側台座枠に取付固定されている環状の本体部とを有することを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記弾性部材は、対称に配置された複数の前記板ばね部を有し、前記内側台座枠を前記外側台座枠に対し一定の範囲内で変位可能に弾性的に支持している請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記外側台座枠の貫通穴部は、それの内側面が前記アンテナ部材のアンテナ基端部の外側面に対応した湾曲面であり、
    前記内側台座枠は、前記貫通穴部に対応する貫通穴部を有し、この貫通穴部の内側面が、前記アンテナ基端部の外側面に対応した湾曲面とされている請求項1または2記載のアンテナ装置。
  4. 前記外側台座枠の貫通穴部の上側開口は、アンテナ部を最大限傾斜させたときに、前記内側台座枠の貫通穴部の下側開口から給電線が引き出し可能な大きさとされている請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 前記アンテナ部材は、前記アンテナ部がその軸線回りに回転可能に前記アンテナ基端部に対し挿入され、
    前記アンテナ部材に内蔵されるアンテナ素子用基板が、前記アンテナ部内に挿入されるアンテナ素子部と、前記アンテナ基端部内に圧入され給電線が接続される給電部とを有し、前記給電部より前記アンテナ素子部が延びるようにそれらが一体に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記外側台座枠は、下部に錘部材が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ装置。
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