JP4573505B2 - 樹脂発泡体の製造方法及び樹脂発泡体 - Google Patents

樹脂発泡体の製造方法及び樹脂発泡体 Download PDF

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Description

本発明は、高発泡倍率を有し且つ表面外観の優れた樹脂発泡体を製造する方法、及び該製造方法により得られる樹脂発泡体に関する。前記樹脂発泡体は、例えば、電子機器等の内部絶縁体、緩衝材、遮音材、遮光材、断熱材、食品包装材、衣用材、建材用等として有用である。
熱可塑性樹脂発泡体の製造方法として、化学発泡剤を用いる化学的発泡法、物理的発泡剤を用いる物理的発泡法(ガス発泡法)が知られている。化学発泡法は、一般に、原料樹脂と、成形温度で分解してガスを発生する低分子量の有機発泡剤とを混合し、該発泡剤の分解温度以上に加熱することにより発泡成形する方法である。この方法は、ガスの発生が分解温度に対してシャープであり、分解温度も発泡助剤等を添加することによって容易に調整できる上に、独立気泡を有する発泡体を得ることができるという利点を有する。しかし、化学発泡法は、特殊な発泡剤を用いるため、発泡体中に残存する発泡剤の分解残留物によって発泡体の変色、臭気の発生、食品衛生上の問題などを生じる。また、化学発泡剤が原因である成形機の汚れ、及びそれに伴う成形不良についても問題となっている。特に、電子部品用途などの分野においては低汚染性の要求が高く、腐食性ガスや不純物による汚染が問題となる。
これに対し、物理的発泡法は、成形機で樹脂を溶融したところに、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタンのような低沸点有機化合物を供給し、混練した後、低圧域に放出することにより発泡成形する方法である。この方法に用いられる低沸点有機化合物は、樹脂に対して親和性があるため溶解性に優れ、また保持性にも優れていることから、高倍率発泡体を得ることができるという特徴を持っている。しかし、物理的発泡法の発泡剤の多くは可燃性や毒性等の危険性を有しており、大気汚染の問題を生じる可能性を持っている。また、ジクロロジフルオロメタンをはじめとするフロン系ガスはオゾン層破壊の環境問題から、全廃の方向へ進んでいる。
このような従来法の問題点を解決するために、クリーンでコストがかからない炭酸ガス(二酸化炭素)、窒素等の不活性ガスを発泡剤とする方法が数多く提案されている。しかしながら、該不活性ガスは樹脂との親和性が低いことから、溶解性に乏しい。このため発泡体は、気泡径が大きく、不均一で、セル密度が小さいため、外観性、機械的強度、断熱性、発泡倍率の点に問題があった。
そこで発泡剤として超臨界流体を用い、これを熱可塑性樹脂に含浸させることにより、極めて微細なセル径と大きなセル密度を有する発泡体を得る技術も開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような超臨界流体を発泡剤として用いた場合であっても、熱可塑性樹脂への溶解度が低いため、高発泡倍率の樹脂発泡体を製造するには、高圧を維持する必要がある。
特表平6−506724号公報
このように高圧を維持するためには、ダイリップ間で高圧を維持する必要があり、そのため、ダイリップ間の間隔を狭くすることが必要である。その結果、薄肉の板状の樹脂発泡体は容易に得られても、厚肉の板状の樹脂発泡体は製造することが困難であるのが現状である。
反対に、厚さの厚い樹脂泡体を製造するために、ダイリップ間の間隔を広げると、高圧を維持できず、「ダイ内発泡」と呼ばれるダイス内部で発泡剤が気化し、吐出前に発泡を開始してしまう現象が発生し、高発泡倍率の樹脂発泡体を製造することができない。
さらに、高発泡倍率の樹脂発泡体を製造するため、ダイリップ間の間隔を狭くすれば、樹脂発泡体の幅方向に、いわゆる「コルゲート」と呼ばれる無数の「ひだ」が発生することが知られている。それゆえ、表面外観の優れた高発泡倍率の樹脂発泡体を製造することが非常に困難であった。
従って、本発明は、表面外観に優れ、且つ高発泡倍率を有する樹脂発泡体を容易に製造することができる樹脂発泡体の製造方法及び樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の構造を有するダイを用いて樹脂発泡体を形成すると、表面外観に優れた高発泡倍率の樹脂発泡体を得ることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、(I)熱可塑性樹脂組成物を加熱により溶融させる溶融工程と、(II)溶融樹脂組成物に定量的に不活性ガスを供給するガス供給工程と、(III)不活性ガスと、溶融樹脂組成物とを混合・混練する混練工程と、(IV)混練物を冷却する冷却工程と、(V)冷却された混練物を発泡させる発泡工程とを具備する樹脂発泡体の製造方法であって、前記発泡工程(V)が、(V-a)セルを生成させるセル生成工程と、(V-b)生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成工程とを有しており、前記発泡工程(V)で冷却された混練物を発泡させる際に、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部とを有しているとともに、該発泡体形成部がセル生成部側から連続的に幅が大きくなっている構成を有し、さらにセル生成部におけるギャップ(GA)と、発泡体形成部におけるギャップ(GB)との比(GB)/(GA)が、5〜20であって、セル生成部における幅(WA)と、発泡体形成部における幅(WB)との比(WB)/(WA)が、2〜5である円環状ダイが用いられており、発泡倍率が17倍以上の樹脂発泡体を得ることを特徴とする樹脂発泡体の製造方法を提供する。
本発明は、さらに、前記樹脂発泡体の製造方法により樹脂発泡体を製造する際に用いられる円環状ダイであって、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部とを有しているとともに、該発泡体形成部がセル生成部側から連続的に幅が大きくなっている構成を有し、さらにセル生成部におけるギャップ(GA)と、発泡体形成部におけるギャップ(GB)との比(GB)/(GA)が、5〜20であって、セル生成部における幅(WA)と、発泡体形成部における幅(WB)との比(WB)/(WA)が、2〜5であることを特徴とする円環状ダイを提供する。本発明は、さらにまた、樹脂発泡体を製造する装置であって、前記円環状ダイを具備していることを特徴とする樹脂発泡体の製造装置を提供する。


本発明の樹脂発泡体の製造方法によれば、表面外観に優れ、且つ高発泡倍率を有する樹脂発泡体を容易に製造することができる。
以下に、本発明を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の樹脂発泡体の製造方法では、熱可塑性樹脂と、発泡剤としての不活性ガスとを含有する熱可塑性樹脂組成物を用いるとともに、下記の工程(I)〜(V)を利用した発泡装置を用いて、樹脂発泡体を製造しており、工程(V)[発泡工程(V)]としては、(V-a)セルを生成させるセル生成工程と、(V-b)生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成工程とを有していることが重要である。
工程(I):熱可塑性樹脂組成物を加熱により溶融させる溶融工程
工程(II):溶融樹脂組成物に定量的に不活性ガスを供給するガス供給工程
工程(III):不活性ガスと、溶融樹脂組成物とを混合・混練する混練工程
工程(IV):混練物を冷却する冷却工程
工程(V):冷却された混練物を発泡させる発泡工程
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、いずれの熱可塑性樹脂であっても使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン(線状ポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニルなどのハロゲン原子含有ポリマー;アルケニル芳香族樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12などのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ビスフェノールA系のポリカーボネートなどのカーボネート系樹脂;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィド;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のエチレン共重合体や、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、これらの水素添加物ポリマーなどのスチレン系エラストマー;熱可塑性ポリエステル系エラストマー;熱可塑性ポリウレタン系エラストマー;熱可塑性アクリル系エラストマーなどの各種熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
[他の成分]
熱可塑性樹脂組成物中には、必要に応じて各種添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、特に制限されないが、例えば、加硫剤、顔料、染料、表面処理剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、界面活性剤、可塑剤などが挙げられる。添加剤の使用量は、セルの形成等を損なわない範囲で適宜選択することができる。
[発泡剤(不活性ガス)]
発泡剤(不活性ガス)としては、発泡剤として公知乃至慣用の不活性ガスであれば特に制限なく用いることができるが、環境保護の観点、セル径が小さくセル密度の高い発泡体が得られる点などからすると、二酸化炭素、窒素、およびこれらの混合ガス等の不活性ガス(超臨界流体を含む)が好適である。
[溶融工程(I)]
溶融工程(I)では、熱可塑性樹脂組成物を加熱により溶融させており、これにより、溶融された熱可塑性樹脂を含む組成物(溶融樹脂組成物)が調製されている。このような溶融工程(I)を利用した装置としては、前記機能(熱可塑性樹脂組成物を供給する樹脂供給機能、熱可塑性樹脂を溶融させる樹脂溶融機能など)を有していれば特に制限されないが、例えば、2軸押出機や3軸以上の多軸押出機、シングルタイプの単軸押出機、タンデム押出機、3台以上連結された単軸押出機等の各種の押出機を用いることができ、なかでもタンデム押出機や、3台以上連結された単軸押出機を好適に用いることができる。
従って、溶融工程(I)は、熱可塑性樹脂組成物を押出機内に供給し、該組成物中の熱可塑性樹脂を加熱により溶融させる溶融工程であってもよい。
溶融工程(I)において、熱可塑性樹脂を溶融させる際の加熱温度としては、特に制限されず、熱可塑性樹脂の溶融温度又はガラス転移温度などに応じて適宜選択することができる。
[ガス供給工程(II)]
ガス供給工程(II)では、前記溶融工程(I)により得られた溶融樹脂組成物に定量的に不活性ガスを供給している。このようなガス供給工程(II)を利用した装置としては、前記機能(不活性ガスを供給するガス供給機能)を有していれば特に制限されないが、例えば、プランジャーポンプ、ダイアフラムポンプ、ブースターポンプなどのポンプ(ガス供給ポンプ)が用いられるが、何れのポンプを用いる場合でも、圧力と流量の制御を行うことが望ましい。
なお、前記溶融工程(I)で押出機が用いられている場合、ガス供給工程(II)は、押出機内の溶融樹脂組成物に定量的に不活性ガスを供給するガス供給工程となる。
ガス供給工程(II)において、不活性ガスの供給量としては、特に制限されず、熱可塑性樹脂組成物の使用量、目的とする発泡倍率や発泡の気泡径などに応じて適宜選択することができる。
[混練工程(III)]
混練工程(III)では、前記ガス供給工程(II)により供給された不活性ガスと、前記溶融工程(I)により得られた溶融樹脂組成物とを混合・混練しており、混練物が調製されている。このような混練工程(III)を利用した装置としては、前記機能(不活性ガスと、溶融樹脂組成物とを混合・混練する混練機能)を有していれば特に制限されないが、前記溶融工程(I)と同様に、例えば、2軸押出機や、3軸以上の多軸押出機、シングルタイプの単軸押出機、タンデム押出機、3台以上連結された単軸押出機等の各種の押出機を用いることができ、なかでもタンデム押出機や、3台以上連結された単軸押出機を好適に用いることができる。
従って、混練工程(III)は、不活性ガスと、溶融樹脂組成物とを、押出機により混合・混練する混練工程であってもよい。
なお、混練工程(III)において、混練の際の温度等の条件としては、特に制限されない。
[冷却工程(IV)]
冷却工程(IV)では、前記混練工程(III)により得られた混練物を冷却しており、冷却された混練物が調製されている。このような冷却工程(IV)を利用した装置としては、前記機能(混練物の冷却機能)を有していれば特に制限されないが、冷却機構を備えた2軸押出機や、冷却機構を備えた3軸以上の多軸押出機、冷却機構を備えたシングルタイプの単軸押出機、冷却機構を備えたタンデム押出機、冷却機構を備え且つ3台以上連結された単軸押出機等の各種の押出機を用いることができ、なかでも冷却機構を備えたタンデム押出機や、冷却機構を備え且つ3台以上連結された単軸押出機を好適に用いることができる。
従って、冷却工程(IV)は、混練物を、冷却機構を備えた押出機により冷却する工程であってもよい。
冷却工程(IV)において、混練物を冷却させる際の冷却温度としては、特に制限されず、不活性ガスの種類や、熱可塑性樹脂組成物の種類などに応じて適宜選択することができる。
従って、溶融工程(I)〜冷却工程(IV)は、冷却機構を備え且つガス供給ポンプを備えた押出機(2軸押出機や、3軸以上の多軸押出機、シングルタイプの単軸押出機、タンデム押出機、3台以上連結された単軸押出機;なかでもタンデム押出機、3台以上連結された単軸押出機)を用いることにより、連続的に実施することができる。
なお、押出機内の圧力は、ガスの種類や操作性等を考慮して適宜選択できるが、例えば、ガスが二酸化炭素である場合には、5〜100MPa程度、好ましくは6〜60MPa、さらに好ましくは7.4〜30MPa程度である。
また、押出機内の温度[溶融工程(I)〜混練工程(III)における押出機内の温度;すなわち、溶融樹脂組成物の温度]は、用いるガスの種類や熱可塑性樹脂のガラス転移温度等によって異なり、広い範囲で選択できるが、操作性等を考慮した場合、10〜300℃程度が好ましい。
[発泡工程(V)]
発泡工程(V)では、冷却された混練物を発泡させており、樹脂発泡体(熱可塑性樹脂発泡体)が作製されている。この発泡工程(V)は、前述のように、(V-a)セルを生成させるセル生成工程と、(V-b)生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成工程とを有していることが重要である。
このような発泡工程(V)において、冷却された混練物を発泡させる際には、ダイを好適に用いることができる。従って、発泡工程(V)は、冷却された混練物を、ダイから吐出させて発泡させる工程であってもよい。このように、発泡工程(V)で発泡させることにより、樹脂発泡体(熱可塑性樹脂発泡体)が作製されている
なお、冷却工程(IV)で冷却機構を備えた押出機[特に、溶融工程(I)〜冷却工程(IV)で、冷却機構を備え且つガス供給ポンプを備えた押出機]が用いられている場合、発泡工程(V)は、冷却された混練物を、押出機先端部に取り付けられたダイから吐出させ発泡させる発泡工程とすることができる。すなわち、発泡工程(V)は、押出機先端に取り付けたダイで行うことができる。
前記ダイとしては、Tダイ、ハンガーコートダイ、フィッシュテールダイ等のフラットダイ(平ダイ)や、円環状ダイ(円筒ダイ)などの各種形状のダイを用いることができ、円環状ダイが好適である。前記円環状ダイとしては、例えば、スパイダーレスタイプの円環状ダイ、スパイダータイプの円環状ダイ、スパイラルタイプの円環状ダイなどが挙げられる。ダイとしては、圧力損失の小さいダイが好ましい。この観点から、円環状ダイのなかでも、スパイダーレスタイプの円環状ダイが好適である。
ダイとしては、発泡工程(V)が、セル生成工程(V-a)と発泡体形成工程(V-b)とを有しているので、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部とを有する構成とすることができる。このように、ダイが、セル生成部と発泡体形成部とを有している場合、セル生成工程(V-a)は、ダイにおける樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部で、セルを生成させる工程となり、発泡体形成工程(V-b)は、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部で、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う工程となる。
このように、ダイに、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部が形成されていると、該セル生成部まで高圧状態を効果的に維持又は保持することができ、しかも、前記セル生成部を通過後、それまで高圧に維持又は保持されている圧力が、一気に開放され、セルが生成され成長する(すなわち、発泡する)。
なお、セルの成長(すなわち、発泡)は、基本的には三次元方向(すなわち、厚み方向、幅方向、流れ方向の3つの方向)に進むと考えられており、セルの成長が、通常のダイを用いた場合のように、自由に行われた場合(例えば、セル生成部の端部が開放端部となっている場合)、幅方向に十分に広がりきれずに、形成される発泡体(発泡シート)が干渉しあうことで、「コルゲート」と呼ばれる「しわ」が発生すると考えられている。
しかしながら、本発明では、セルの成長(すなわち、発泡)をある程度拘束して、セルの成長とともに表面の平滑化を行う発泡体形成部を設けているので、コルゲートを発生させずに、平滑な表面を有する樹脂発泡体を形成することが可能となっている。従って、高発泡倍率を有し且つ表面外観の優れた樹脂発泡体を容易に製造することができる。
具体的には、このような構成を有するダイとしては、例えば、図1〜2で示される構成を有するダイが挙げられる。図1は、本発明の樹脂発泡体の製造方法において用いられているダイの一例を示す概略図である。なお、図1(a)は斜視図、図1(b)は上面図、図1(c)は側面図である。図1において、11はダイ、21はセル生成部、31は発泡体形成部である。また、GA1はセル生成部21のギャップ、GB1は発泡体形成部31のギャップ、WA1はセル生成部21の幅、WB1は発泡体形成部31の幅、Tは厚み方向、Wは幅方向、Lは流れ方向、Xは樹脂流路である。図1におけるダイ11は、平ダイ(フラットダイ)であり、樹脂流路Xが絞られた形態のセル生成部21と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部31とを有している。発泡体形成部31は、セル生成部21側から連続的に幅が大きくなっている構成を有しており、開放端部(セル生成部21側に対して反対側の端部)側で、一定の幅となっている。また、樹脂は、流れ方向Lの方向に流れる。
また、図2は、本発明の樹脂発泡体の製造方法において用いられているダイの他の例を示す概略図である。図2において、12はダイ、22はセル生成部、32は発泡体形成部である。また、GA2はセル生成部22のギャップ、GB2は発泡体形成部32のギャップ、DA2はセル生成部22の直径(外周面側の直径)、DB2は発泡体形成部32の直径(外周面側の直径)であり、L、Xは、前記と同様に、それぞれ、流れ方向、樹脂流路である。図2におけるダイ12は、円環状ダイであり、樹脂流路Xが絞られた形態のセル生成部22と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部32とを有している。発泡体形成部32は、セル生成部22側から連続的に幅が大きくなっている構成を有しており、その末端が、最も幅が大きく、開放端部(セル生成部21側に対して反対側の端部)となっている。また、円環状ダイであるダイ12において、厚み方向Tは、外周面から内周面への方向と平行な方向であり、一方、幅方向Wは、それぞれの部位での円周方向と平行な方向である。さらにまた、樹脂は、流れ方向Lの方向に流れる。
なお、図2に示されるダイ12は円環状ダイであるので、セル生成部22の幅WA2としては、セル生成部22の外周面側の円周の長さとすることができる。また、発泡体形成部32の幅WB2としては、発泡体形成部32の外周面側の円周の長さとすることができる。すなわち、WA2=π×DA2であり、WB2=π×DB2である。
このようなダイ(11,12;「1」と総称する場合がある)では、セル生成部(21,22;「2」と総称する場合がある)は、厚み方向Tおよび幅方向Wの両方向に連続的に絞られた形態(すなわち、厚み方向Tおよび幅方向Wの両方向の長さが、ともに、連続的に減少している形態)を有しており、そのため、該セル生成部2まで高圧状態を効果的に維持又は保持することができる。なお、ダイ1としては、厚み方向Tおよび幅方向Wのうちの一方の方向のみ(特に、厚み方向Tのみ)に絞られた形態を有していてもよい。また、連続的に絞られている形態を有していることが好ましいが、非連続的に絞られている形態を有していてもよい。
また、セル生成部2の後には、発泡体形成部(31,32;「3」と総称する場合がある)が設けられている。具体的には、発泡体形成部3は、セル生成部2の後に設けられ、厚み方向Tおよび幅方向Wの両方向に連続的に広がった形態(すなわち、厚み方向Tおよび幅方向Wの両方向の長さが、ともに、連続的に増加している形態)を有している。そのため、冷却された混練物(発泡剤含有樹脂組成物)がセル生成部2を通過後、発泡体形成部3で、それまで高圧に維持又は保持されている圧力が、厚み方向T、幅方向Wおよび流れ方向Lの3次元的な方向に(特に、厚み方向Tおよび幅方向Wの2次元的な方向に)一気に開放され、これにより、セルが、3次元的な方向に(特に、2次元的な方向に)成長する(発泡する)ことができる。このように、高い圧力が急激に開放されるため、高発泡倍率の樹脂発泡体を作製することが可能となっている。しかも、発泡体形成部3は、セルの成長がある程度拘束された状態となっているので、幅方向Wの方向にも成長しているセルが、幅方向Wに十分に成長できず広がりきれなかったとしても、発泡体形成部3で、表面を平滑化しながらセルが成長することになる。従って、コルゲートを発生させずに、表面が平滑な樹脂発泡体を形成することができる。
なお、発泡体形成部3は、厚み方向Tおよび幅方向Wのうちの一方の方向のみ(特に、厚み方向Tのみ)に広がった形態を有していてもよい。また、連続的に広がった形態を有していることが特に好ましいが、非連続的に広がった形態を有していてもよい。発泡体形成部3は、内面は平らな面又は滑らかな曲面となっていることが重要である。
発泡体形成部の機械的寸法は、セル生成部の機械的寸法、樹脂発泡体の発泡倍率、目的とする樹脂発泡体の製品寸法などにより適宜選択することができる。
例えば、セル生成部2におけるギャップ(GA1,GA2;「GA」と総称する場合がある)と、発泡体形成部3におけるギャップ(GB1,GB2;「GB」と総称する場合がある)との比(GB)/(GA)としては、2〜40であることが好ましく、さらに好ましくは5〜20である。(GB)/(GA)が2より小さい場合は、厚み方向の拘束(厚み方向へのセルが成長する際の拘束)が強くなり、発泡体形成部3を出た後に、コルゲートが発生してしまう場合がある。一方、(GB)/(GA)が40より大きい場合は、十分に厚み方向の拘束を行うことができず、発泡体形成部3内で、コルゲートが発生してしまう場合がある。
なお、セル生成部におけるギャップとしては、セル生成部の最小のギャップを採用することができる。また、発泡体形成部におけるギャップとしては、発泡体形成部の最大のギャップ、または発泡体形成部の開放端部(セル生成部側に対して反対側の端部)におけるギャップを採用することができる。
また、セル生成部2における幅(WA1,WA2(=π×DA2);「WA」と総称する場合がある)と、発泡体形成部3における幅(WB1,WB2(=π×DB2);「WB」と総称する場合がある)との比(WB)/(WA)としては、1.5〜10であることが好ましく、さらに好ましくは2〜5である。(WB)/(WA)が1.5より小さい場合は、幅方向の拘束(幅方向へのセルが成長する際の拘束)が強くなり、発泡体形成部3を出た後に、コルゲートが発生してしまう場合がある。一方、(WB)/(WA)が10より大きい場合は、十分に幅方向の拘束を行うことができず、発泡体形成部3内で、コルゲートが発生してしまう場合があり、また、幅方向の寸法変動を引き起こし、寸法精度が低下して安定した寸法の樹脂発泡体を得ることが困難になる。
なお、セル生成部における幅としては、ダイが平ダイである場合、セル生成部の最小の幅を採用することができ、ダイが円環状ダイである場合、外周面側の円周の長さを採用することができる。また、発泡体形成部における幅としては、ダイが平ダイである場合、発泡体形成部の最大の幅、または発泡体形成部の開放端部(セル生成部側に対して反対側の端部)における幅を採用することができ、ダイが円環状ダイである場合、発泡体形成部の外周面側の円周の最大長さ、または発泡体形成部の開放端部(セル生成部側に対して反対側の端部)における外周面側の円周の長さを採用することができる。
なお、本発明では、発泡体形成部は、図1で示されるように、開放端部側(セル生成部側に対して反対側の端部側)で、幅が一定となっている構成を有していてもよく、図2で示されるように、セル生成部側から開放端部まで連続的に幅が広がった構成を有していてもよい。また、セル生成部と、発泡体形成部との間には、なにも設けられておらず、セル生成部と、発泡体形成部とが直接つながっており、幅が、最も小さくなっているセル生成部から、連続的に幅が広がって発泡体形成部が形成されている構成を有していることが好ましい。しかし、セル生成部と、発泡体形成部との間に、一旦セルが大きく成長するセル成長部が形成されていてもよい。
このように、樹脂発泡体を製造する装置としては、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部とを有しているダイを具備している樹脂発泡体の製造装置を用いることができる。もちろん、該樹脂発泡体の製造装置は、前記ダイが用いられていることによりセル生成工程(V-a)および発泡体形成工程(V-b)を有する発泡工程(V)を具備していればよいが、該発泡工程(V)とともに、前記溶融工程(I)、ガス供給工程(II)、混練工程(III)および冷却工程(IV)を具備している樹脂発泡体の製造装置が好適である。
本発明の樹脂発泡体は、前記製造方法により得られるため、発泡倍率が高く、微細なセル径と大きなセル密度を有しており、しかも、表面が平滑であり、表面外観に優れている。また、樹脂として適宜選択することにより、機械的強度、断熱性、柔軟性などに優れる樹脂発泡体を得ることもできる。従って、本発明の樹脂発泡体は、例えば、電子機器等の内部絶縁体、緩衝材、遮音材、遮光材、断熱材、食品包装材、衣用材、建材用等として有用である。
なお、樹脂発泡体には、適宜な加工を施すことができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、発泡倍率は下記の式により算出した。
発泡倍率={発泡前の密度(発泡させる前のペレットの密度)(g/cm3)}÷{発泡後の密度(発泡体の密度)(g/cm3)}
(実施例1)
密度が0.9g/cm3、メルトフローレート(230℃)が0.4g/10分であるポリプロピレン:50重量部、JIS−A硬度が69であるエチレン−プロピレン共重合体系エラストマー:50重量部、及び平均粒子径1μmの水酸化マグネシウム:10重量部を、二軸混練押出機を用いて混練した後、押出してペレット化した。
得られたペレットを、図2で示される円環状ダイ(円筒状ダイ)を備えたタンデム押出機(φ65−φ75)を用いて押出成形(発泡成形)したところ、図3で示されるような樹脂発泡体を得た。この樹脂発泡体は、外観(特に、表面の外観)を目視により観察したところコルゲートが見られず、良好であった。また、樹脂発泡体の発泡倍率は23倍であり、高い発泡倍率を有していた。なお、図3は、実施例1で得られた樹脂発泡体の表面形状に関する写真を示す図である。
なお、発泡剤として二酸化炭素を用い、一段目の押出機に圧入した。操作条件は、押出機内の温度200〜240℃、押出機内の圧力15〜20MPa、ダイ内部の樹脂の温度174℃、ダイ圧力10MPaであり、処理量は50kg/時である。
また、用いられた円環状ダイの形状としては、セル生成部におけるギャップ(GA)が0.3mm、発泡体形成部におけるギャップ(GB)が4.0mm、セル生成部における幅(WA=π×DA2)が62mm、発泡体形成部における幅(WB=π×DB2)が188mmである。
(実施例2)
密度が0.9g/cm3、メルトフローレート(230℃)が0.5g/10分であるポリプロピレン:50重量部、JIS−A硬度が69であるエチレン−プロピレン共重合体系エラストマー:50重量部、及び平均粒子径1μmの水酸化マグネシウム:50重量部を、二軸混練押出機を用いて混練した後、押出してペレット化した。
得られたペレットを、図2で示される円環状ダイ(円筒状ダイ)を備えたタンデム押出機(φ65−φ75)を用いて押出成形(発泡成形)し、樹脂発泡体を得た。この樹脂発泡体は、外観(特に、表面の外観)を目視により観察したところコルゲートが見られず、良好であった。また、樹脂発泡体の発泡倍率は、17倍であり、高い発泡倍率を有していた。
なお、発泡剤として二酸化炭素を用い、一段目の押出機に圧入した。操作条件は、押出機内の温度200〜240℃、押出機内の圧力15〜20MPa、ダイ内部の樹脂の温度174℃、ダイ圧力10MPaであり、処理量は50kg/時である。
また、用いられた円環状ダイの形状としては、セル生成部におけるギャップ(GA)が0.3mm、発泡体形成部におけるギャップ(GB)が2.5mm、セル生成部における幅(WA=π×DA2)が62mm、発泡体形成部における幅(WB=π×DB2)が188mmである。
(比較例1)
図2に示す円環状ダイを備えたタンデム押出機の代わりに、図4で示されるような従来の円環状ダイを備えたタンデム押出機を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂発泡体を形成させたところ、図5で示されるように、多数のコルゲートが発生した樹脂発泡体が得られた。従って、該樹脂発泡体の表面外観は不良であった。また、該樹脂発泡体の発泡倍率は、11倍であった。なお、図5は、比較例1で得られた樹脂発泡体の表面形状に関する写真を示す図である。
図4は、従来の円環状ダイの一例を部分的に示す概略図である。図4で示される従来の円環状ダイは、発泡体形成部を有していない。具体的には、図4で示される従来のダイ4は、セル生成部41の後は、開放されている構成を有している(セル生成部41の末端は開放端部となっている)。なお、図4で示される従来の円環状ダイでは、セル生成部41におけるギャップが0.3mm、セル生成部における幅(外周面側の円周の長さ)が188mm(外周面側の直径60mm)である。
(比較例2)
図4におけるセル生成部41におけるギャップが0.5mmである円環状ダイを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、樹脂発泡体を形成させたところ、ダイ内部で発泡してしまい、セル生成部41以降では発泡せず、また、樹脂発泡体の表面外観は不良であった。さらにまた、該樹脂発泡体の発泡倍率は、1.5倍と小さかった。
なお、実施例1〜2および比較例1〜2で用いられているダイの形状や、実施例1〜2および比較例1〜2で得られた樹脂発泡体について、表1に示す。
Figure 0004573505
表1より、実施例に関する樹脂発泡体の製造方法では、ダイとして、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部とを有するダイを用いているので、安全で環境への負荷も少なく、高発泡倍率を有し且つコルゲートのない平滑な表面を有する樹脂発泡体を得ることができる。
本発明の樹脂発泡体の製造方法において用いられているダイの一例を示す概略図である。 本発明の樹脂発泡体の製造方法において用いられているダイの他の例を示す概略図である。 実施例1で得られた樹脂発泡体の表面形状に関する写真を示す図である。 従来の円環状ダイの一例を部分的に示す概略図である。 比較例1で得られた樹脂発泡体の表面形状に関する写真を示す図である。
符号の説明
11,12 ダイ
21,22 セル生成部
31,32 発泡体形成部
GA1,GA2 セル生成部(21,22)のギャップ
GB1,GB2 発泡体形成部(31,32)のギャップ
WA1 セル生成部21の幅
WB1 発泡体形成部31の幅
DA2 セル生成部22の外周面側の直径
DB2 発泡体形成部32の外周面側の直径
T 厚み方向
W 幅方向
L 流れ方向
X 樹脂流路

Claims (3)

  1. (I)熱可塑性樹脂組成物を加熱により溶融させる溶融工程と、(II)溶融樹脂組成物に定量的に不活性ガスを供給するガス供給工程と、(III)不活性ガスと、溶融樹脂組成物とを混合・混練する混練工程と、(IV)混練物を冷却する冷却工程と、(V)冷却された混練物を発泡させる発泡工程とを具備する樹脂発泡体の製造方法であって、前記発泡工程(V)が、(V-a)セルを生成させるセル生成工程と、(V-b)生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成工程とを有しており、前記発泡工程(V)で冷却された混練物を発泡させる際に、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部とを有しているとともに、該発泡体形成部がセル生成部側から連続的に幅が大きくなっている構成を有し、さらにセル生成部におけるギャップ(GA)と、発泡体形成部におけるギャップ(GB)との比(GB)/(GA)が、5〜20であって、セル生成部における幅(WA)と、発泡体形成部における幅(WB)との比(WB)/(WA)が、2〜5である円環状ダイが用いられており、発泡倍率が17倍以上の樹脂発泡体を得ることを特徴とする樹脂発泡体の製造方法。
  2. 請求項1記載の樹脂発泡体の製造方法により樹脂発泡体を製造する際に用いられる円環状ダイであって、樹脂流路の絞りにより形成されたセル生成部と、生成したセルの成長及び表面の平滑化を行う発泡体形成部とを有しているとともに、該発泡体形成部がセル生成部側から連続的に幅が大きくなっている構成を有し、さらにセル生成部におけるギャップ(G A )と、発泡体形成部におけるギャップ(G B )との比(G B )/(G A )が、5〜20であって、セル生成部における幅(W A )と、発泡体形成部における幅(W B )との比(W B )/(W A )が、2〜5であることを特徴とする円環状ダイ。
  3. 樹脂発泡体を製造する装置であって、請求項2記載の円環状ダイを具備していることを特徴とする樹脂発泡体の製造装置。
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