JP4572384B2 - 水素発生方法 - Google Patents
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ているが、水と接触すると一時的に多量の水素を発生して爆発的現象をもたらすために、取り扱いを慎重にする必要があり、やはり上記した燃料電池の水素供給源としては不適当である。
いるが、この方法では、アルカリ濃度(pH値)の制御が必要であり、しかも上記した通り、この化合物は取り扱いに注意が必要である(非特許文献1、2、特許文献1、2参照)。
S. C. Amendola 他、International Journal of Hydrogen Energy, 25 (2000), 969-975 ; Z. P. Li他、Journal of Power Source, 126 (2004) 28-33
その水溶液は高い安定性を有するが、これを特定の物質に接触させる場合には、水素を発生させることができ、しかも水素発生量、発生速度等の制御を容易に行うことができることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
1. 水の存在下に、化学式:NH3BH3で表されるボラン・アンモニアを、パラジウム、ニッケル、ロジウム、及びこれらの金属を含む化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒に接触させることを特徴とする水素発生方法。
2. 上記項1の方法によって発生させた水素を燃料電池の水素源とすることを特徴とする、燃料電池への水素供給方法。
金属触媒又は金属化合物触媒と接触させる方法
図1は、ボラン・アンモニアの0.3重量%水溶液を室温でアルゴン雰囲気下に放置した際の、放置直後、6日経過後、及び30日経過後のそれぞれの11B NMRスペクトルを
示す図面である。このスペクトルから明らかなように、11B NMR測定では、NH3BH
3に帰属されるピーク(δ=-24 ppm)はほとんど変化せず、1ヶ月経過後にも新たなピークは観測されなかった。この結果は、NH3BH3は室温で1ヶ月経過しても水とほとんど反応しないことを示すものである。
等を挙げることができる。
択することが可能であるが、反応速度、触媒コスト等のバランスを考慮すると、例えば、ボラン・アンモニア1モルに対して触媒量を0.001〜0.5モル程度とすればよい。
固体酸と接触させる場合にも、上記した化学反応式(1)に従って、ボラン・アンモニアと水が速やかに反応して水素が発生する。
ましくは0.1〜5mg当量/g程度の陽イオン交換容量を有する固体酸を用いることができる。
カル社の登録商標)等の商標名で市販されているものを用いることができる。フッ素系樹脂としては、例えば、下記構造式
酸点の当量数として、0.0001〜10当量程度とすることができ、0.01〜2当量程度とすることが好ましい。
本発明では、水の存在下に、ボラン・アンモニアを二酸化炭素に接触させる方法によっても、水素を発生させることができる。
本発明方法によって発生させた水素は、例えば、燃料電池用の燃料として燃料電池に直接供給することができる。特に、室温付近の温度で水素を発生させることができ、しかも水素発生速度、発生量等を制御可能であることから、自動車搭載用燃料電池;携帯電話用、パーソナルコンピュータ用等のポータブル燃料電池等の水素供給方法として有用性が高い方法である。
容量30 mlの二つ口フラスコに4.0 mgの酸化白金(PtO2)粉末を入れ、その一つの口にガ
スビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの
水溶液を入れた。
開始1分後に39ml、2分後に65ml、5分後に87ml、10分後に105ml、30分後に107mlの
ガス放出が観測された。
容量30mlの二つ口フラスコに4.0 mgの白金(Pt)粉末を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの水溶液を
入れた。
実施例2の反応終了後、白金(Pt)粉末をろ過して回収し、容量30mlの二つ口フラスコに入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
後に105 mlのガス放出が観測された。ガスクロマトグラフィ(GC)及び質量分析(MS)を行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニアに対して3倍モルであった。
容量30 mlの二つ口フラスコに4.8 mgのテトラクロロ白金(II)酸カリウム(K2PtCl4)粉
末を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純
度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
を行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.8倍モルであった。
容量30 mlの二つ口フラスコに5.0mgの硫酸パラジウム(PdSO4)粉末を入れ、その一つの
口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15
mlの水溶液を入れた。
析(MS)を行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2倍モルであった。
容量30 mlの二つ口フラスコに4.5 mgのパラジウム(Pd)粉末を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの
水溶液を入れた。
ラフィ(GC)及び質量分析(MS)を行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2倍モルであった。
容量30 mlの二つ口フラスコに4.3 mgの硫酸ニッケル(NiSO4)粉末を入れ、その一つの
口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15
mlの水溶液を入れた。
ラフィ(GC)及び質量分析(MS)を行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.6倍モルであった。
容量30 mlの二つ口フラスコに4.3mgの硫酸コバルト(CoSO4)粉末を入れ、その一つの口
にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15m
lの水溶液を入れた。
を行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.8倍モルであった。
容量30 mlの二つ口フラスコに5.0 mgのジ-μ-クロロビス(η-シクロオクタ-1,5-ジエ
ン)ロジウム(I) ([Rh(1,5-COD)(μ-Cl)]2)粉末を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた
。
また、ガスをそのまま固体高分子型燃料電池に導入し、燃料電池は作動することが確認できた。
容量50 mlの二つ口フラスコに1700mgのH型パーフルオロスルホン酸系樹脂(商標名:Nafion NR-50、デュポン社)(陽イオン交換容量約0.8mg当量/g樹脂)と15 mlの水を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
容量50 mlの二つ口フラスコに600mgのH型スチレン系イオン交換樹脂(商標名:DOWEX 50WX8-100、ダウケミカル社)(陽イオン交換容量約1.7mg当量/ml樹脂))と15 mlの水を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3,
純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
たボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.7倍モルであった。
容量50 mlの二つ口フラスコに600mgのH型スチレン系イオン交換樹脂(商標名:Amberlyst 15、Rohm and Haaas社)((陽イオン交換容量約4.7mg当量/g樹脂))と15 mlの水を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧
型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3,
純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
ボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.8倍モルであった。
実施例12の反応終了後、イオン交換樹脂(Amberlyst 15)をろ過して回収し、10 ml
の10%硫酸に1時間浸漬し、ろ過した後、水で5回洗浄し、90℃で30分乾燥した。
に100 mlのガス放出が観測された。ガスクロマトグラフィ(GC)及び質量分析(MS)を行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.8倍モルであった。
容量50 mlの二つ口フラスコに8mgのH置換Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3=4.8)と15 ml
の水を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3,
純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.4倍モルであった。
容量50 mlの二つ口フラスコに7mgのH置換β型ゼオライト(SiO2/Al2O3=25)と15 ml
の水を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、あらかじめ50mgボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.2倍モルであった。
容量50 mlの二つ口フラスコに5mgのH置換モルデナイト型ゼオライト(SiO2/Al2O3=15)と15 mlの水を入れ、その一つの口にガスビューレットを接続し、もう一つの口に50 ml
の等圧型分液ロートを接続した。等圧型分液ロートには、50mgのボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)を溶解した15mlの水溶液を入れた。
行った結果、放出ガスは水素であることが確認できた。水素放出量は、原料として用いたボラン・アンモニア(NH3BH3)に対して2.5倍モルであった。
容量400 mlのガスバッグに接続した容量200 mlの二つ口フラスコに、100 mgボラン・アンモニア(NH3BH3, 純度90%)と15mlの水(H2O)を入れ、攪拌して溶解させた後、一気圧(0.1MPa)の二酸化炭素を導入した。室温において攪拌し、経時的に11B NMR
を測定した。図5は、11B NMRスペクトルの経時変化を示すグラフである。このスペクト
ルから、3日後に70%のボラン・アンモニアの反応が確認できた。また、7日後の11B NMRスペクトルでは、ボラン・アンモニアに起因する-24 ppmのピークが完全に消失し、主にH3BO3に起因するピークのみが19.24 ppmに観測された。
Claims (2)
- 水の存在下に、化学式:NH3BH3で表されるボラン・アンモニアを、パラジウム、ニッケル、ロジウム、及びこれらの金属を含む化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒に接触させることを特徴とする水素発生方法。
- 請求項1の方法によって発生させた水素を燃料電池の水素源とすることを特徴とする、燃料電池への水素供給方法。
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