JP4572109B2 - 警報器 - Google Patents
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Description
まず、本発明の基本的概念について説明する。本発明は、監視領域における異常発生を検出して警報を行う故障判定機能を備えた警報器に関するものである。ここで、具体的な監視領域は任意であり、例えば、一般住宅の台所や寝室等の各部屋や、オフィスの各部屋に配置することができる。また、異常検出対象は任意であり、例えば、煙を検出して火災警報を発すること、ガスを検出してガス漏れ警報を発すること、又は、一酸化炭素(CO)を検出して不完全燃焼警報を発することができる。以下の各実施の形態では、火災を検出する火災警報器に本発明を適用した場合について説明する。
以下、本発明に係る警報器の各実施の形態について説明する。
まず、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、概略的に、(1)警報手段を起動した際における電源手段の出力電圧を所定の閾値と比較することによって、警報手段の故障の有無を判定する点、(2)所定の閾値として、短絡閾値及び断線閾値の両方を設定した点、(3)電源手段の出力電圧の電圧降下分に略対応して増分された故障判定信号を警報手段に入力する点、及び、(4)略正弦波または略三角波の故障判定信号を警報手段に入力する点等を主たる特徴とする。
まず、本発明の実施の形態1に係る警報器の外観構成について説明する。図1は実施の形態1に係る警報器の全体斜視図である。この図1に示すように、警報器1は、略方形の筐体2に、火災検出部3、スピーカ4、電源ランプ5、及び、火災警報ランプ6を備えて構成されている。
次に、このように構成された警報器1において行なわれる、音声警報部14の故障判定に関する処理の内容について説明する。図4は、この処理のフローチャートである。この図4に示すように、CPU15dは、音声警報部14の故障判定を行う時期が到来したか否かを監視する(ステップS−1)。具体的には、CPU15dは、当該CPU15dの電源が投入された時点で、最初の故障判定時期が到来したものと判定する。その後、CPU15dは、音声警報部14の故障判定を行う毎に、その日時を公知の方法で取得して、RAM15bに記憶する。
次に、上記ステップS−3における、アンプ電源電圧に基づく音声警報部14の故障判定について、より詳細に説明する。図6は、音声警報回路14aを介してCPU15dに入力されるアンプ電源電圧の波形を示す図である。ここで、図6のアンプ電源電圧の波形としては、アンプ電源電圧の定常時の電圧値Vregから、電圧降下ΔVが生じた状態を示
している。この電圧降下ΔVは、スピーカ4から正常に警報音が出力される場合に、このスピーカ4の消費電力が比較的大きいことから生じる初期電圧変動である。従って、この電圧降下ΔVが生じているか否か及びその程度を検出することで、スピーカ4から正常に警報音が出力されるか否かを検出することができる。
次に、上記のような故障判定をより適切に行うために行われる電圧降下ΔVの調整等について説明する。上記のように電圧降下ΔVに基づいた判定を行うためには、電圧降下ΔVがある程度大きいことが好ましい。このように電圧降下ΔVを大きくするためには、図3のチャージ電圧供給用のコンデンサーC1の容量を小さくすれば良い。すなわち、本実施の形態1においては、このコンデンサーC1の容量を調整することで、電圧降下ΔVを調整している。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2に係る警報器は、アンプ電源電圧に基づく故障判定に加えて、スピーカ4の出力電圧に基づく故障判定を組み合わせることで、スピーカ4の故障とスピーカアンプap1の故障とを区別できるようにした点において、アンプ電源電圧に基づく故障判定のみを行う実施の形態1と異なる。ただし、特に説明なき構成および処理については実施の形態1と同様であるものとし、実施の形態1と略同一の機能を有する構成要素については、実施の形態1で用いたのと同一の名称及び又は符号を用いて説明する。
次に、本実施の形態2における故障判定について、より詳細に説明する。図11は、音声警報回路14aを介してCPU15fに入力されるスピーカ4の出力電圧の波形を示す図である。ここで、図11のスピーカ4の出力電圧ΔVnormalは、スピーカアンプap1が正常な状態の出力電圧である。この出力電圧ΔVnormalに対して、アンプ故障閾値TH3は、出力電圧ΔVnormal>アンプ故障閾値TH3となるように設定されている。そして、概略的には、CPU15fは、出力電圧ΔVnormal>アンプ故障閾値TH3である場合には、スピーカアンプap1が正常であり、図12のように、出力電圧ΔVabnormal≦アンプ故障閾値TH3である場合には、スピーカアンプap1にゲイン異常等の何らかの異常があったものと判定する。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び方法は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
上記説明した各種の検出については、必要に応じてその一部のみを実行しても良い。例えば、実施の形態1において、短絡検出を省略し、スピーカ4の断線検出のみを実行しても良い。あるいは、この断線検出と、従来技術によるスピーカ4の短絡検出とを組み合わせても良い。
また、本発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、上記に記載されていない課題を解決したり、上記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、スピーカ4の断線や腐食等を完全に検知できない場合においても、従来よりわずかでもその検出の可能性が向上している限りにおいて、本発明の課題は達成されている。
2 筐体
3 火災検出部
5 電源ランプ
6 火災警報ランプ
10 電源部
11 火災検出回路
12 表示灯回路
13 火災移報回路
14 音声警報部
14a 音声警報回路
ap1 スピーカアンプ
R1〜R3 抵抗
C1〜C6 コンデンサ
4 スピーカ
15 制御回路
15a、15e ROM
15b RAM
15c A/Dコンバータ
15d、15f CPU
Claims (8)
- 監視領域における異常を検知して警報を発する故障判定機能を備えた警報器であって、
上記警報音を出力するための警報音出力手段と、当該警報音出力手段に入力する音声信号を増幅するためのスピーカアンプと、を備える警報手段と、
上記警報手段に対して電力を供給する電源手段と、
上記警報手段を起動することにより上記スピーカアンプに供給される上記電源手段の定常時の電圧に対する電圧降下が生じている時に当該スピーカアンプに供給される当該電源手段の電圧を、所定の閾値と比較することによって、上記警報手段の故障の有無を判定する故障判定手段と、
を備えることを特徴とする警報器。 - 上記所定の閾値として、上記スピーカアンプに供給される上記電源手段の定常時の電圧と、上記警報手段に故障がない場合において上記電圧降下が生じている時に当該スピーカアンプに供給される当該電源手段の電圧と、の間の値である断線閾値が設定され、
上記故障判定手段は、上記スピーカアンプに供給される上記電源手段の電圧が、上記断線閾値以下に電圧降下しない場合に、上記警報音出力手段が断線したと判定すること、
を特徴とする請求項1に記載の警報器。 - 上記所定の閾値として、上記警報手段に故障がない場合において上記電圧降下が生じている時に当該スピーカアンプに供給される上記電源手段の電圧よりも小さい値である短絡閾値が設定され、
上記故障判定手段は、上記スピーカアンプに供給される上記電源手段の電圧が、上記短絡閾値以下に電圧降下した場合に、上記警報音出力手段が短絡したと判定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の警報器。 - 上記故障判定手段は、上記スピーカアンプに供給される上記電源手段の電圧が、上記断線閾値以下且つ上記短絡閾値より大きい場合に、上記警報音出力手段が正常であると判定すること、
を特徴とする請求項2及び3に記載の警報器。 - 上記スピーカアンプにチャージ電圧を供給するコンデンサであって、上記故障判定手段による故障判定に十分な上記電圧降下を生じさせ、且つ上記警報音出力手段からの出力音に過大な歪みが生じないようにように容量を調整したコンデンサを備えること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の警報器。 - 上記故障判定手段は、上記電圧降下分に略対応して増分された故障判定信号を上記警報手段に入力すること、
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の警報器。 - 上記故障判定手段は、上記警報手段に対して故障判定用の故障判定信号を入力し、当該故障判定信号の入力により上記電圧降下が生じている時に上記スピーカアンプに供給される上記電源手段の電圧と上記所定の閾値との比較に基づく故障判定結果と、当該故障判定信号を入力した際の上記警報音出力手段の出力電圧と所定の故障判定用閾値との比較に基づく故障判定結果と、の組み合わせに基づき、上記警報手段の各故障を相互に区別して判定すること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の警報器。 - 上記故障判定手段は、上記故障判定信号を入力した際の上記警報音出力手段の出力電圧が上記所定の故障判定用閾値以下の場合に、上記スピーカアンプが故障していると判定すること、
を特徴とする請求項7に記載の警報器。
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