JP4570833B2 - 抗腫瘍活性及び抗転移活性を有するルテニウム(ii)錯体 - Google Patents

抗腫瘍活性及び抗転移活性を有するルテニウム(ii)錯体 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、諸ルテニウム(II)錯体の類を治療に使用する方法に関し、具体的には、高い転移能力を特徴とする腫瘍を治療するためにそれらを使用する方法に関する。
【0002】
(背景技術)
新たな抗腫瘍化合物のための研究は、絶え間なく展開されており、主として、選択率(selectivity)が高く、抗転移活性(antimetastatic activity)が高く、またホストに対する毒性が減少した新しい化合物を同定することに目標が定められている。
遷移金属を基礎とする諸化合物(例えば、シスプラチン)は、長い間、腫瘍の化学療法に使用されてきた;しかし、これらの生成物は、薬理学的に活性ではあるが、抗転移活性が低く、また、全身的毒性が高まることによって生じる著しい副作用を示す。
【0003】
最近、細胞毒性活性を持つ幾つかのルテニウム(II)錯体の適用可能性、及びそれら錯体を腫瘍性疾患の治療に用いることの可能性について検討されてきた。残念ながら、これらの化合物がたとえ、諸シスプラチン誘導体よりも一層高い、腫瘍向性を呈しようとも[サーバ(Sava)等:Anticancer Res.11,1103(1991)]、それら化合物は生物に対する毒性をも示す。
【0004】
活性及び毒性に関連する諸問題を改善するために、活性が一層高く毒性が一層低いプロドラッグ[サーバ等:Anticancer Res.11,1103(1991);サーバ等:in Topics in Biological Inorganic Chemistry,143(1999)]の形態の新たなルテニウム(III)錯体であって、該錯体のために、ルテニウム(III)錯体が、対応のルテニウム(II)反応化学種まで還元されることによる「生体内(in vivo)」活性化機構(activation mechanism)が工夫された該錯体が提案されてきた。
【0005】
この活性化機構は、腫瘍組織の低酸素還元性環境においては一層有効であるものと仮定されてきて、また、これによって、充実性腫瘍に対するルテニウム(III)錯体の高い選択率及び活性が与えられるのであろう[サーバ等:Anticancer Res.11,1103(1991);サーバ等:in Topics in Biological Inorganic Chemistry,143(1999)]。
【0006】
還元過程は、通常血管が通っている健全組織では、あまり生じないであろうし、また、その組織では、酸素分圧が腫瘍組織での酸素分圧(5mmHg)よりも高い(40mmHg)。健全組織と比べて腫瘍組織では、一層活性で一層毒性の化学種のルテニウム(II)の一層多くの量が形成され、蓄積効果によって充実性腫瘍に対する選択的細胞毒が生じることになる。
【0007】
上述のルテニウム(III)錯体の中のImH[トランス−RuCl4Im2],[B.K.ケプラー(Keppler)等:J. Cancer Res. Clin. Oncol.,111,166〜168(1986)]、式 Na[トランス−RuCl4(Me2SO)(L)]の錯体 (WO 90/13553号明細書)は、原発性腫瘍の成長を抑制するのに有効であることが分かった。また、式 (LH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(L)]の最新の錯体 (WO 98/00431号明細書)は、著しい抗転移活性を示す。
【0008】
しかし、化学療法において臨床的に適用して肯定的結果が得られたにもかかわらず、諸ルテニウム誘導体の分野における研究は依然として、これら化合物を一層安全に且つ一層有効に使用するために、腫瘍に対する細胞毒性及び選択性の最適特徴を有し且つ全身的毒性が低減した新規化合物を同定することに開かれている。
【0009】
(発明の概要)
本発明は、抗腫瘍活性及び抗転移活性を有するルテニウム(II)錯体であって、式I:
【化2】
[式中、R1、R2、R3は互いに同一であるか若しくは互いに異なり、H、線形若しくは枝分かれした、飽和若しくは不飽和のC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、アリールから成る群から選ばれ;
或いは、NR123は、好ましくは少なくとも1個のO、S、N原子、又はアルキル、アリール若しくはベンジル残基で置換されたN原子を含有する、飽和若しくは不飽和の五員〜七員の窒素複素環であり;前記窒素複素環は、好ましくはベンゾ縮合され及び/又はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、アリール又はベンジルで置換されており;
対イオンQ+は、+NHR123(式中、R123は上述の意義を保持する。)によって表わされ;
4及びR5は互いに同一であるか若しくは互いに異なり、H、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、アリールから成る群から選ばれ;又は、R4及びR5は、それらに結合しているS原子と共に、四員〜七員の複素環を形成する。]を有する該ルテニウム(II)錯体を治療に使用する方法に関する。
【0010】
本出願人は意外にも、本発明によるルテニウム(II)錯体が、活性及び治療指数の観点から予期しない抗腫瘍活性を示すことを発見した。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、活性化合物としての、式Iのルテニウム(II)錯体を、適切な賦形剤及び/又は希釈剤及び/又は安定剤と組み合せて含有する医薬組成物によって表わされる。
【0012】
更なる態様において、本発明は、式Iを有するルテニウム(II)化合物を調製するためのキット(kit 道具一式)を提供する。
【0013】
更なる態様において、本発明は、充実性腫瘍(とりわけ、高い転移特性を特徴としているもの)治療するための薬剤を調製するために、式Iのルテニウム(II)錯体を使用する方法を提供する。
【0014】
(発明の詳細な記述)
本発明の目的は、治療目的で、式I:
【化3】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びQ+の意義は、以下に記載する。)のルテニウム(II)錯体を使用する方法である。
1、R2、R3は互いに同一であるか若しくは互いに異なり、H、線形若しくは枝分かれした、飽和若しくは不飽和のC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、アリールから成る群から選ばれ;
或いは、NR123は、好ましくは(possibly)少なくとも1個のO、S、N原子、アルキル、アリール若しくはベンジル残基で置換されたN原子を含有する、飽和若しくは不飽和の五員〜七員の窒素複素環であり;前記窒素複素環は、好ましくは(possibly)ベンゾ縮合され及び/又はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、アリール又はベンジル基で置換される。
【0015】
NR123が五員窒素複素環である場合、それは好ましくは、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ピラゾール及びオキサゾールから成る群から選ばれる;より好ましくは、前記窒素複素環はイミダゾールである。
NR123が六員窒素複素環である場合、それは好ましくは、ピリジン、3,5−ルチジン及び4−メチルピリジンから成る群から選ばれる。
【0016】
NR123が七員窒素複素環である場合、それは好ましくは、アゼピン、ジアゼピン及びオキサゼピンから成る群から選ばれる。
【0017】
最後に、前記窒素複素環がベンゾ縮合している場合、それは好ましくは、インダゾール、イソキノリン、ベンゾイミダゾール及び1,5,6−トリメチル−ベンゾイミダゾールから成る群から選ばれる。
【0018】
本発明による錯体において、Q+は、NH+123の窒素基(式中、R1、R2及びR3は上述の意義を保持する。)を表わす。
【0019】
本発明による錯体において、スルホキシド配位子 R4−SO−R5はR4及びR5を有し、R4及びR5は互いに同一であるか若しくは互いに異なり、H、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、アリールから成る群から選ばれ;又は、R4及びR5は、それらに結合しているS原子と共に、四員〜七員の複素環を形成する。本発明による錯体において、スルホキシド配位子 R4−SO−R5は好ましくは、ジメチルスルホキシド(R4=R5=メチル)であるか、又はジエチルスルホキシド(R4=R5=エチル)である。
【0020】
これら生成物は、対応するルテニウム(III)錯体を還元することにより得ることができる。ここに、対応するルテニウム(III)錯体は、次の式II:
【化4】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びQ+基は、上述の意義を保持する)の化合物を意味する。式IIの化合物は、例えば、WO 98/00431号明細書に記述されているようにして得ることができる。この明細書は参考文献として本明細書に組み入れる。
【0021】
本発明によるルテニウム(II)錯体は意外にも、既知のルテニウム(II)錯体よりも、また、式IIの対応するルテニウム(III)化合物よりも一層活性であり、また、予期せぬことであるが、それら両方の錯体よりも毒性が低い。
【0022】
更なる態様において、本発明は、活性成分としての、式Iのルテニウム(II)錯体を、適切な賦形剤、希釈剤又は薬理学的に許容され得る安定剤と組み合せて含有する医薬組成物を提供する。
【0023】
それら医薬組成物は、溶液又は懸濁液の形態であるか、又はゲル、粒状粉、錠剤、ピル、カプセル剤又はインサートの形態である。
【0024】
本発明によるそれら医薬組成物は、式Iの化合物の他に、シスプラチン等の1種以上の抗腫瘍薬物(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、5−フルオロウラシル、シクロホスファミド、ブレオマイシン、アントラサイクリン、タクソール又は他の諸ルテニウム錯体)を含有する場合がある。好ましい態様において、本発明の医薬組成物は、使用時又は使用の直前に、還元剤(好ましくは、生理的に適合性のある諸還元剤から成る群から選ばれるもの)を用いて、対応する式IIのルテニウム(III)錯体を還元することによって調製される。
【0025】
これらの還元剤は、酸化還元電位を有する諸還元剤であって、2つの半電位(semipotentials)の合計(錯体の還元電位と、反対符号を持つ還元剤の電位との合計)が正であり、そのために有効な還元が確保される上記の諸還元剤から選定する。電位の測定は、[アレッショ(Alessio)等:Inorganica Chimica Acta.,203,205〜217(1993)]に記載されるようにして行う。
好ましい態様において、生理的に適合性のある諸還元剤は、アスコルビン酸、システイン及びグルタチオンから成る群から選定する。
【0026】
還元は、5:1〜1:2の範囲の[ルテニウム(III)錯体]対[還元剤]当量比を用いて行う(酸化還元反応が生じる物質の当量数は、その物質のグラムをそれの当量で割ることによって得た。それの当量は、その物質の分子量を酸化数の変化で割ることによって得た)。
【0027】
[ルテニウム(III)錯体]対[還元剤]の当量比は好ましくは1である。これらの条件下、ルテニウム(III)のルテニウム(II)への還元は、完全であり、即時的である。
式IIのルテニウム(III)錯体の還元は、無機還元剤(例えば、Sn2+若しくはCe3+)の存在下か、又は電気化学によって、又はH2の存在下で生じることがある。
【0028】
本発明の更なる態様の1つにおいて、本発明は、2つの成分を用いて式Iのルテニウム(II)錯体を調製するためのキット(kit道具一式)であって、第1の成分が対応する式IIのルテニウム(III)錯体であり、第2の成分が上述の還元剤である該キットを提供する。両者のキット成分は、別々の容器に入れられた溶液の状態で存在しており、使用時又は使用の直前に混合されるか、又は、単一の化合物として固形の状態で存在しており、使用時又は使用の直前に適切な溶媒で可溶性化される;もう1つの手段として、キットは2つの容器で構成されており、それらの内容物は使用時又は使用の直前に混合され、しかも、前者は乾燥形態で還元剤と混合されている式IIの化合物を含有し、また、後者は溶媒を含有する。
【0029】
ルテニウム(III)錯体の溶液と還元剤の両者を調製するために使用される溶媒は、水性溶媒(例えば、0.9%NaClの等張液)、又は緩衝溶液(例えば、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液)であり、また、好ましくは、両方の溶液中のものである。式IIのルテニウム(III)錯体は好ましくは、0.1〜20g/リットルの範囲の濃度で、3〜8の範囲のpHの水溶液に溶解する。
【0030】
更なる態様において、本発明は、腫瘍及び転移の予防と治療とに使用される薬剤を調製するために、式Iのルテニウム(II)錯体を使用する方法に関する。本発明に従ってこれらの化合物を使用することは、充実性腫瘍(とりわけ、転移能力の高いことを特徴とするもの、特に、結腸癌又は胃腸管の腫瘍、乳癌、肺腫瘍、又は浸潤性腫瘍からの肺転移部から成る群から選ばれるもの)に非常に効果的であることが分かった。
【0031】
非経口投与、経口投与、局所投与又は経皮投与が好ましい。ルテニウム(II)錯体は好ましくは、使用時又は使用の直前に、前述の通り、対応するルテニウム(III)錯体を還元剤と混合することによって調製する。
還元剤は好ましくは、アスコルビン酸、システイン及びグルタチオンから成る群から選定する。混合は、ゆるやかな機械的撹拌、又は当業者に知られている他の方法によって行うことができる。本発明を説明するために次の諸例を記載するが、本発明の目的を限定するものではない。
【0032】
(実験部分)
式Iのルテニウム (II) 錯体の調製
例1: アスコルビン酸を用いた{トランス−RuCl 4 (Me 2 SO)(Im)}ImH(Im=イミダゾール)の還元によるルテニウム (II) 錯体の調製
{トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)}ImH(Im=イミダゾール)(10g/リットル)の、pH=7.2に酸性度を調整した0.15M NaCl溶液に、等量のアスコルビン酸を添加した。混合した後直ちに、得られた溶液は、1H−NMRを用いて分析した。記録したスペクトルは、ルテニウム(III)核の全てが非常に速い反応速度でルテニウム(II)に還元されたことを示す。
【0033】
ルテニウムに配位結合しているMe2SOに対応する信号が3.60ppmで読まれるという事実(この事実から、ルテニウム(III)錯塩に配位結合するMe2SO信号は−15ppmに(at -15ppm)存在しなければならない)、及び、そのスペクトル幅が3Hzに等しいという事実(一方、ルテニウム(III) 錯塩のスペクトルにおける対応値は370Hzでなければならない)によって、ルテニウム核が常磁性体から反磁性体に転化したことが実証される。
【0034】
また、スペクトル中に、配位結合している更なるイミダゾリウム信号(8.53ppm,H2;7.83及び7.54ppm H4,H5)、並びに遊離のイミダゾリウム(8.46ppm,H2;及び7.39ppm H4,H5)が観察された。4.83、4.67、4.35ppmでの信号は、酸化されたアスコルビン酸の信号に対応した。
上記の情報によって、ルテニウム(III)錯塩の還元によって、ルテニウム(II)に対応するジアニオン化学種:{トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)}2-が生成されることが分かった。
【0035】
例2: アスコルビン酸を用いた{トランス−RuCl 4 (Me 2 SO)(Pyz)}PyzH(Pyz=ピラジン)の還元によるルテニウム (II) 錯体の調製
pH=7.4の0.1M リン酸塩緩衝液に入れたルテニウム(III)錯塩 {トランス−RuCl4(Me2SO)(Pyz)}PyzH(Pyz=ピラジン)の水溶液に、等量(1:1)のアスコルビン酸を添加した。混合した後直ちに、得られた溶液は、1H−NMRを用いて分析した。記録したスペクトルは、前の例で観察されたものに従って、Ru(III)の全てがRu(II)核に還元されたことを強調した。スペクトルの9.66及び8.70ppmでの多重信号は、{トランス−RuCl4(Me2SO)(Pyz)}2-ジアニオン(dianonic)化学種のルテニウムに配位結合しているピラジンが存在することを強調した。遊離のPyzH+の信号は、8.69ppmで読まれる。ルテニウム(II)に配位結合しているMe2SOのプロトンは、約3.65ppmで検出された。
【0036】
例3: アスコルビン酸を用いた{トランス−RuCl 4 (Me 2 Im)(Im)}ImHの還元によるルテニウム (II) 錯体の調製(当量比=2.5:1)
アスコルビン酸(1.41・10-2g/リットル)を含有する、ルテニウムのトランス−RuCl4(Me2Im)(Im)}ImH(1.832g/リットル)の水溶液を調製した。撹拌した後直ちに、その溶液は、石英キュベット(経路の長さ:1cm)に移し、次いで、UV/VISスペクトルを、規定の時間長さで記録した。390nm(主要吸収帯)での吸光度(Abs)の減少は、ルテニウム(III)錯体がルテニウム(II)に還元されたことを実証した。
【0037】
生物活性アッセイ
例4: MCa乳癌に冒されたマウスに対する、本発明のルテニウム (II) 錯体から成る組成物の生体内活性アッセイ:肺転移の形成に関する予防活性
第0日目、酸性度をpH=7.4に調整した、カルシウム及びマグネシウムを含有しないダルベッコ緩衝生理食塩水(D−PBS)(0.05ml)に入れた、MCa乳癌の106個の生存細胞を、6匹のCBA/Lac血縁の雌マウスで構成される6群(体重23±3g)に、殺菌済みインシュリン用注射器を用いた筋肉注射によって接種した。2週間前、同一の菌株のドナー由来の腫瘍細胞を、同一手順に従って、殺菌済みインシュリン用注射器で移植した。PBS懸濁液に入っている腫瘍細胞は、ドナーマウスから得られた腫瘍塊を機械的に切り刻み、また、滅菌ガーゼの二重層によって濾過し、次いで、250×gの遠心分離機で10分間分離することにより組織及び細胞破壊片を取り除くことによって調製した。それら血縁動物は、ロンドン(英国)のチェスター・ビーティ(Chester Beatthy)から得られたコロニー(colony; 群体)から取り出され、血縁動物を飼育するための手順に従って、トリエステ大学(the University of Trieste)の獣柵(pound)で成長させた。MCa乳癌の腫瘍線(tumour line)は、当初、ザグレブ(HR)のルジャ・ボスコビック学会から得られた腫瘍細胞を液体窒素で保持したストック(stock; 種族)に由来する。
【0038】
腫瘍を接種して後、第12日目〜第17日目に、マウスの6群にそれぞれ:
第1群:対照:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液(10mg/kg体重/die);
第2群:ASC:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れたアスコルビン酸(6.69mg/kg体重/die);
第3群:CYST:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れたシステイン(12mg/kg体重/die);
第4群:RUT:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体,(ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die);
第5群:RUT−ASC:滅菌かつ発熱物質のない生理的食塩溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体,(ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die)及びアスコルビン酸(12mg/kg体重/die);
第6群:RUT−CYST:滅菌かつ発熱物質のない生理的食塩溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体,(ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die)及びシステイン(12mg/kg体重/die);
で、殺菌済みインシュリン用注射器を用いて、腹腔内処置を行った。
【0039】
還元剤のアスコルビン酸及びシステインは、ルテニウム(III)錯体に対して1に相当する等量比で使用した。還元反応は、即時的であった。ルテニウム(III)錯体のルテニウム(II)への完全還元を解析的に制御した後、投与を行った。
【0040】
腫瘍を接種してから第17日目に、原発腫瘍の成長を評価し、それら動物をケタミンで全身麻酔を行って後、腫瘍を外科的に除去した。腫瘍の大きさは、口径(caliber)によって腫瘍の両直交軸を測定することによって決定した;これらの軸の周りに成長した回転固形物(rotation solid)の重量(g単位)は、腫瘍の密度を1に等しいものとみなし、式:(π/6)・a2・b (式中、aは短径であり、bは長径である)を使用して測定した。
【0041】
腫瘍を接種してから第21日目に、それらマウスは、頚部脱臼によって殺し、肺転移部を分析した。動物から取り出した肺は、殺してから直ちに単一葉(single lobes)に分割し、次いで、これら単一葉は、転移部サイズを測定するための接眼格子(ocular-grid)を備えた低倍率の顕微鏡で直ちに検査した。これによって、2つの直交軸a及びb(a≦b)が確認される。次いで、それら転移部は、それらの寸法に基づいてグループに分け、次いで、転移腫瘍の重量は、各々の単一転移部の重量の合計として計算した。回転固形物と見なされたそれら単一転移部の各々は、上述の軸の周りに成長し、体積は、原発腫瘍のために使用した式と同一の式によって計算した。その結果、得られた実験データは、適切な統計検定によって処理した。表1にそれら結果を示す。表1には、動物の各群で得られた肺転移部の数及び重量を示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に記載のデータから、システイン(第3群)及びアスコルビン酸(第2群)を単独で使用した場合、それらは肺転移に適切ないかなる効果も与えず、一方、ルテニウム(III)錯体(第4群)及び本発明によるルテニウム(II)錯体(第5群及び第6群)は、対照と比べて、数を著しく減少させ、また、肺転移部の重量を更に一層著しく減少させたことが分かる。転移部の数に関し、本発明によるルテニウム(II)の組成物(第5群及び第6群)が、対応するルテニウム(III)(第4群)よりも一層著しい効果を有することは明らかである。転移部の重量に関し、還元剤としてシステインを含有する組成物(第6群)において、一層大きな効果が見られた。更に、従来技術によるルテニウム(III)錯体(第4群)を用いた処置と比べて、本発明によるルテニウム(II)錯体(第5群及び第6群)を使用すれば、対照の処置と比べた[転移部が全くない動物の数]/[動物の全数]のap/at比により示されるように、また、統計解析[フィッシャー検定(Fisher test)]によって確認されるように、転移部の形成が防止されることは明白である。
【0044】
例5: MCa乳癌に冒されたマウスに対する本発明の組成物の生体内活性アッセイ:肺転移の形成に関する予防活性
前の実験に類似する更なる実験において、動物の6群であって、それらの各群が7匹のCBC/Lac血縁の雌マウスで構成されるそれら群(体重23±3g)に、第0日目、前の実験で記述したプロトコルに従って、MCa乳癌の諸細胞を接種した。腫瘍を接種して後、第10日目〜第15日目に、マウスの6群にそれぞれ:
第1群:対照:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液(10mg/kg体重/die);
第2群:GLU:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れたグルタチオン(23.5mg/kg体重/die);
第3群:CYST:滅菌かつ発熱物質のない生理的食塩溶液に入れたシステイン(12mg/kg体重/die);
第4群:RUT:滅菌かつ発熱物質のない生理的食塩溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体,(ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die);
第5群:RUT−GLU:滅菌かつ発熱物質のない生理的食塩溶液に入れた、ルテニウム(III)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die)及びグルタチオン(23.5mg/kg体重/die);
第6群:RUT−CYST:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体 (ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die)及びシステイン(12mg/kg体重/die);
で、殺菌済みインシュリン用注射器を用いて、腹腔内処置を行った。
【0045】
還元剤のグルタチオン及びシステインは、ルテニウム(III)錯体に対して1に相当する等量比で使用した。還元反応は、即時的であった。
ルテニウム(III)錯体のルテニウム(II)錯体への完全還元を解析的に制御した後、投与を行った。
腫瘍を接種してから第16日目に、前の実験で記述した通りに、原発腫瘍の成長を評価した。
【0046】
腫瘍を接種してから第23日目に、それらマウスは殺し、前の実験の通りに肺転移部を評価した。
得られた実験データは、適切な統計検定によって処理し、表2に示す。表2には、動物の処置済み群で得られた肺転移部の数及び重量をも示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表2に記載のデータから、本発明によるルテニウム(II)錯体(第5群及び第6群)の抗転移効果は、対応するルテニウム(III)の化合物(第4群)の効果に比べて明白に認識される;この効果は、転移部の数の減少にも当てはまるし、転移部の重量の減少にも当てはまり一層顕著である。
【0049】
例6: ルイススラットの肺癌(LLC)に冒されたBD2F1マウスに対する、当該技術の状況のルテニウム (III) 錯体及びルテニウム (II) 錯体の生体内活性アッセイ
7匹のBD2F1の雌マウスの諸群に、第0日目、筋肉注射により、ルイスの肺癌(LLC)の諸細胞を接種した。第8日目〜第13日目に、それら動物は、ルテニウム(III)錯体 [トランス−RuCl4(DMSO)(Im)](ImH)(式IIの化合物)、及びルテニウム(II)錯体 トランス−RuCl2(DMSO)4で処置した。両者は従来技術に属する。腫瘍接種から第20日目に、それらマウスを殺し、転移を評価した。これら実験の手順は全て、前の諸例に記載の通りに実施した。
【0050】
得られた実験データは、適切な統計検定によって処理し、表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
表3に記載のデータによって、従来技術に属する式IIのルテニウム(III)錯体 ([トランス−RuCl4(DMSO)(Im)](ImH))は、従来技術のルテニウム(II)錯体 (トランス−RuCl2(DMSO)4)よりも、肺転移部の減少が一層効果的であることが分かる。
【0053】
毒性アッセイ
例7: MCa乳癌に冒されたマウスに対する、本発明による組成物の生体内治療の効果
4群であってそれら群の各々が7匹のCBC/Lac血縁の雌マウスで構成されるそれら群(体重23±3g)に、第0日目、前の実験で記述したプロトコルに従って、MCa乳癌細胞を接種した。腫瘍を接種して後、第11日目〜第16日目に、マウスの4群にそれぞれ:
第1群:対照:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液(10mg/kg体重/die);
第2群:CYST:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れたシステイン(2mg/kg体重/die);
第3群:RUT:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体 (ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die);
第4群:RUT−CYST:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体 (ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die)及びシステイン(12mg/kg体重/die);
で、殺菌済みインシュリン用注射器を用いて、腹腔内処置を行った。
【0054】
還元剤(システイン)は、ルテニウム(III)錯体に対して1に相当する等量比で使用した。還元反応は、即時的であった。
ルテニウム(III)錯体のルテニウム(II)錯体への完全還元を解析的に制御した後、投与を行った。
腫瘍を接種してから第17日目に、それらマウスを殺し、原発腫瘍及び脾臓を取り除き、次いで、前の実験で記述した通りに解析した。表4に結果を示す。表4は、第11日目〜第17日目の原発腫瘍の重量の変動[対照と比べた変動(%)];第11日目〜第17日目の動物の体重;体重の変動(対照と比べた%で示される);及び第17日目の脾臓の重量;を示す。
【0055】
【表4】
【0056】
表4に記載のデータは、体重及び脾臓の重量がいくらかを示す。これら重量は、処置の全身的毒性の指標であり、それらマウスが、ルテニウム(III)のみで処置されたとき(第3群)よりも、本発明によるルテニウム(II)錯体で処置されたとき(第4群)の方が、対照(第1群)に一層近いことが分かった。これらのデータは、本発明によるルテニウム(II)錯体の全身的毒性が、対応する式のルテニウム(III)錯体に比べて一層低いことと一致する。
【0057】
例8: MCa乳癌に冒されたマウスに対する本発明による組成物の生体内処置の効果
4群であってそれら群の各々が6匹のCBC/Lac血縁の雌マウスで構成されるそれら群(体重23±3g)に、第0日目、前の諸実験で記述したプロトコルに従って、種々の腫瘍細胞を接種した。腫瘍を接種して後、第12日目〜第17日目に、マウスの4群にそれぞれ:
第1群:対照:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液(10mg/kg体重/die);
第2群:ASC:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れたアスコルビン酸(6.69mg/kg体重/die);
第3群:RUT:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体 (ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die);
第4群:RUT+ASC:滅菌かつ発熱物質のない生理溶液に入れた、ルテニウム(III)錯体 (ImH)[トランス−RuCl4(Me2SO)(Im)](35mg/kg体重/die)及びアスコルビン酸(6.69mg/kg体重/die);
で、殺菌済みインシュリン用注射器を用いて、腹腔内処置を行った。
【0058】
還元剤(アスコルビン酸)は、ルテニウム(III)錯体に対して1に相当する等量比で使用した。還元反応は、即時的であった。
ルテニウム(III)錯体のルテニウム(II)への完全還元を解析的に制御した後、投与を行った。
腫瘍を接種してから第18日目に、前述のように、原発腫瘍及び脾臓を取り除き秤量した。
表5に結果を示す。表5は、第12日目〜第18日目の原発腫瘍の重量の変動[対照と比べた変動(%)];第12日目〜第18日目の動物の体重;体重の変動[対照と比べた変動(%)];を示す。
【0059】
【表5】
【0060】
この実験によって、従来技術のルテニウム(III)錯体(第3群)と比べて、本発明のルテニウム(II)錯体(第4群)の毒性が一層低いことが確認される。
表4及び表5に記載のデータから、本発明による組成物は、対応する式IIのルテニウム(III)錯体よりも毒性が低いことは明らかである。実際は、体重の減少が低いだけでなく、ルテニウム(III)錯体を使用した第3群で生じたこととは反対に、脾臓の重量も実質的に変化しない。
【0061】
実施した活性試験及び毒性試験の結果として、本発明のルテニウム(II)化合物が、対応するルテニウム(III)錯体よりも、また、従来技術に属するルテニウム(II)錯体よりも一層著しく活性であると結論付けることができる。更に、予期せぬことに、本発明による錯体は、従来技術から予期されることに反して、全身的毒性が一層低い。
総合すると、それらの結果によって、腫瘍を治療するための新規な治療代替物であって、ルテニウム錯体に基づく既知のあらゆる治療と比べて、効き目が一層高く且つ効き目が一層選択的であり、また、全身的毒性が一層低い上記治療代替物が本明細書に開示されることが分かる。

Claims (22)

  1. 抗腫瘍治療又は抗転移治療に用いるための、式I:
    [式中、N 1 2 3 イミダゾールおよびピラゾールから成る群から選ばれる五員窒素複素環であり;また、Q+=NH+123(式中、NR 1 2 3 は上述の意義を保持する。)であり;更に、 4 −SO−R 5 がジメチルスルホキシドである。]のルテニウム(II)錯体を含む組成物
  2. 前記錯体が{トランス−Ru(II)Cl 4 (Me 2 SO)(Im)}ImHである、請求項1に記載の組成物
  3. 切な賦形剤及び/又は希釈剤及び/又は薬理学的に許容され得る安定剤と組み合せられている、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 溶液又は懸濁液の形態である、請求項に記載の組成物。
  5. ゲルクリーム、粒状粉、錠剤、ピル、カプセル剤又はインサートの形態である、請求項に記載の組成物。
  6. 前記ルテニウム(II)錯体が少なくとも1種の抗腫瘍薬と併用される、請求項に記載の組成物。
  7. 使用直前に、対応するルテニウム(III)錯体を生理的に適合性のある還元剤と混合することによって調製することのできる、請求項のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 還元剤が、アスコルビン酸、システイン及びグルタチオンから成る群から選ばれる、請求項に記載の組成物。
  9. ルテニウム(III)錯体が、5:1〜1:2の範囲の[ルテニウム(III)錯体]対[還元剤]当量比で使用される、請求項又はに記載の組成物。
  10. [ルテニウム(III)錯体]対[還元剤]当量比が1である、請求項に記載の組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を調製するためのキットであって、第1の成分が式I:
    [式中、NR 1 2 3 はイミダゾールおよびピラゾールから成る群から選ばれる五員窒素複素環であり;また、Q + =NH + 1 2 3 (式中、NR 1 2 3 は上述の意義を保持する。)であり;更に、R 4 −SO−R 5 がジメチルスルホキシドである。]のルテニウム(II)錯体に対応するルテニウム(III)錯体であり、第2の成分が還元剤である、上記キット。
  12. 両方の成分が別々の容器の中で固形の状態で存在しており、使用直前に適切な溶媒中で混合され、可溶性化される、請求項11に記載のキット。
  13. 両方の成分が溶液の状態で存在しており、使用直前に混合される、請求項11に記載のキット。
  14. 前記還元剤が、アスコルビン酸、グルタチオン及びシステインから成る群から選ばれる、請求項11に記載のキット。
  15. 両方の成分が、5:1〜1:2の範囲の[ルテニウム(III)錯体]対[還元剤]当量比で存在する、請求項1114のいずれか1項に記載のキット。
  16. 前記当量比が1である、請求項15に記載のキット。
  17. 腫瘍及びその転移を予防し治療するための薬剤を調製するために、請求項1〜10のいずれか1項に規定されるルテニウム(II)錯体を使用する方法。
  18. 前記腫瘍は充実性であり、高い転移能力を特徴としている、請求項17に記載の使用方法。
  19. 前記腫瘍は、結腸癌、乳癌、肺腫瘍、及び転移性腫瘍からの肺転移部から成る群から選ばれる、請求項18に記載の使用方法。
  20. 非経口投与、経口投与、局所投与又は経皮投与で行なわれる、請求項1719のいずれか1項に記載の使用方法。
  21. 前記ルテニウム(II)錯体は、使用直前に、対応するルテニウム(III)錯体を還元剤と混合することによって調製される、請求項1720のいずれか1項に記載の使用方法。
  22. 前記還元剤は、アスコルビン酸、システイン及びグルタチオンから成る群から選ばれる、請求項21に記載の使用方法。
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