しかし、従来の給水装置においては、図17において示すように、給水ポンプの運転時は給水システムに応じた所定の回転数を一定に維持するようにして運転され、タンクが満たされてくると給水ポンプを停止するという、ON・OFF制御が行われている。このため、従来の所定の一定回転数N’を維持したままでの運転・停止されるような給水ポンプの運転方式では、例えば、図17において示すように、給水ポンプのONからOFFまでの時間T’x、T’y、T’zが短時間となり、各時間間隔t’1、t’2、t’3、t’4、t’5、t’6も短時間となることがある。このように、従来の給水装置では、給水ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。一方、近年の給水装置においては、圧力計測器や流量計測器等を設けて給水ポンプをインバータ制御することにより、省エネ運転を実現させているものがある。しかし、このような近年の給水装置では、圧力計測器や流量計測器等の計測器が余分に必要となるため、従来の給水装置よりも給水システムの設置コストが高くなってしまう。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、システムコストを抑えて省エネ運転することが可能な排出装置を提供することにある。
請求項1に記載の排出装置は、タンクから流体を外部に排出する排出装置であって、ポンプと、流体検知部と、制御部とを備えている。流体検知部は、タンクにおける第1点と第1点以外の第2点とにおいて流体の有無を検知することができる。ここでの流体検知部は、光の反射等を利用した光センサ等によって第1点と第2点との2カ所を検知できる1つのセンサで構成されていても、第1点の検知を行うセンサと第2点の検知を行うセンサとの2つのセンサで構成されていてもよい。制御部は、流体検知部における検知時間間隔に基づいて、ポンプが運転時において単位時間当たりに流す流体の量であるポンプ流量を調整する。なお、ここでの検知時間間隔には、第1点と第2点とを交互に検知するのに要する時間だけでなく、第1点や第2点を連続して検知するのに要する時間等も含まれる。そして、制御部は、流体検知部が上限点を検知した後下限点を検知してさらに上限点を検知した場合に、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整する。ここでの調整ポンプ流量とは、所定ポンプ流量に対して第3時間を乗じて、さらに第3時間と第4時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量のことである。制御部がポンプ流量を調整ポンプ流量に調整するのは、流体検知部が上限点を検知した後下限点を検知してさらに上限点を検知した場合であるが、この調整時点は、さらに上限点を検知してからしばらく時間が経過した後であってもよいし、さらに上限点を検知した直後であってもよい。また、第3時間とは、上限点を検知した時から下限点を検知するまでに要する時間をいい、第4時間とは、下限点を検知した時から上限点を検知するまでに要する時間のことをいう。なお、所定ポンプ流量とは、第3時間におけるポンプ流量のことをいい、設置されたポンプの有する最大能力によるポンプ流量であってもよいし、タンクに対して供給されている流体量やタンクの容量等に基づいて定まる適当な値であってもよい。
従来の排出装置では、所定の一定出力を維持したままでポンプが運転されてタンクから一定排出流量で流体を排出し、タンクが枯渇しそうになるとポンプを停止するというON・OFF制御を行うことで、タンク内の流体量を調整している。しかし、このように一定の排出流量で流体の排出を行う従来の排出装置では、ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。一方、圧力計測器や流量計測器等を設けてポンプの出力を調整する排出装置では、タンク内の流体量の調整を省エネ運転によって実現することができる。しかし、このような排出装置では、圧力計測器や流量計測器等の計測器が必要となるため、システムの設置コストが高くなってしまう。
しかし、請求項1に係る排出装置では、流体検知部が設けられており、制御部は、流体検知部における検知から検知までに要する検知時間間隔の情報を得ることができる。すなわち、制御部は、圧力計測器や流量計測器等のセンサを設けることなく、システムコストを抑えながら、タンク内の流体量の変動状況に関する情報を得ることができる。また、排出装置は、制御部が検知時間間隔に基づいてポンプ流量を調整することにより、タンク内の流体量の変動状況を反映させたタンク内の流体量の調整を行うことができるようになる。例えば、タンク内の流体が短時間で少なくなる等により検知時間間隔が比較的短時間であるという情報を制御部が得た場合等においては、制御部によるポンプ流量の調整において、タンクから排出される流体量の過剰度合い等をその検知時間間隔に基づいて反映させることが可能となり、ポンプ流量を低く抑える等の調整を行うことが可能となる。このように、制御部は、ポンプ流量を調整することにより、ポンプの運転における余分なエネルギーを低減させることができるようになる。したがって、ここでの排出装置は、タンク内の流体量の調整を、システムコストを抑えつつ省エネ運転によって実現することが可能となる。
なお、例えば、制御部におけるポンプ流量の調整においては、検知時間間隔のうち最新のものを反映させるようにしてもよい。この場合には、タンクに対して供給される流体量について最新の状況を反映させたポンプ流量の調整が可能となり、タンク内の流体量をより安定化させることができる。
また、例えば、第1点や第2点の検知があった際に、あらかじめ定められた固定停止時間の間だけ臨時にポンプを運転させたり停止させたりする制御を行い、タンク内における流体量をより迅速に安定化させることも可能である。
そして、ここでは、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整することにより流体供給量に近づけることが可能となり、ポンプ流量が流体供給量に対して過剰になっている状態での運転時間を減少させることが可能になる。このため、ポンプの運転制御において不必要なエネルギーをより効果的に減少させることが可能となる。
請求項2に記載の排出装置は、請求項1に記載の排出装置であって、制御部は、所定時間の間、ポンプ流量を調整ポンプ流量よりも流量の多い臨時ポンプ流量に調整する。ここでの所定時間の間とは、第4時間の経過後であって調整ポンプ流量に調整されるまでの時間をいう。ここでの臨時ポンプ流量は、調整ポンプ流量よりも流量が多ければよく、ポンプの有する最大能力によるポンプ流量であってもよい。
ここでは、第4時間の経過後、すなわち上限点で検知されてタンク内の流体量が多くなっている状態の時に、制御部が、ポンプ流量を調整ポンプ流量よりも流量の多い臨時ポンプ流量に調整して、所定時間の間タンクから流体の排出を行う。このため、上限の検知によってタンク内の流体量が多くなっている状態からより迅速にタンク内の流量を減少させることができ、タンク内の流体量をより迅速に安定化させることが可能となる。
なお、第4時間の経過時に上限点を検知して所定時間の間の臨時ポンプ流量に調整して運転した後の第3時間については、当該第4時間の経過時の上限点の検知からカウントするのではなく、所定時間の経過時からカウントを開始して後に下限点の検知があるまでに要する時間としてもよい。この場合には、所定時間の間の臨時ポンプ流量によって運転することでタンク内の流体量を安定化させることができ、毎回の検知時間間隔のカウント開始時のタンク内の流体量を、上限点の検知時における流体量よりも少ない流体量にすることができるようになる。このため、毎回の検知時間間隔のカウントに際して条件の隔たりを少なくすることができ、より的確な検知時間間隔の情報に基づいて効率的な制御を行うことが可能になり、より早く流体利用量に近づける制御を行うことが可能となる。
請求項3に記載の排出装置は、請求項2に記載の排出装置であって、制御部は、流体検知部が上限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を再調整ポンプ流量に調整する。ここでの再調整ポンプ流量とは、臨時ポンプ流量に所定時間を乗じた値と調整ポンプ流量に所定時間の経過後から連続した検知のうちの後の検知までに要した時間を乗じた値との和を、連続した検知に要した時間で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量のことをいう。
ここでは、流体供給量の変動によって上限点の検知が続いてタンクから流体が溢れそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏ったポンプ流量と臨時ポンプ流量とのバランスをとった再調整ポンプ流量に調整することで、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
請求項4に記載の排出装置は、請求項1に記載の排出装置であって、制御部は、流体検知部が上限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を第3時間における所定ポンプ流量に調整する。
ここでは、流体利用量の変動によって上限点を連続して検知してタンク内が枯渇しそうになる場合であっても、ポンプ流量を、下限点が検知された際のポンプ流量である第3時間における所定ポンプ流量に戻すように調整することができる。このため、簡易な制御方法によってタンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
請求項5に記載の排出装置は、請求項1に記載の排出装置であって、制御部は、流体検知部が上限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を直接再調整ポンプ流量に調整する。制御部がポンプ流量を直接再調整ポンプ流量に調整するのは、流体検知部が上限点を連続して検知した場合であるが、この調整時点は、上限点を検知してからしばらく時間が経過した後であってもよいし、上限点を検知した直後であってもよい。ここでの直接再調整ポンプ流量とは、所定ポンプ流量に対して第3時間を乗じた値と調整ポンプ流に対して連続した検知に要した時間を乗じた値との和を、第3時間と連続した検知に要した時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量のことをいう。
ここでは、タンクへの流体供給量の変動によって上限点を連続して検知してタンク内の流体が溢れそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏った調整ポンプ流量と所定ポンプ流量とのバランスをとった直接再調整ポンプ流量に調整することで、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
請求項6に記載の排出装置は、タンクから流体を外部に排出する排出装置であって、ポンプと、流体検知部と、制御部とを備えている。流体検知部は、タンクにおける第1点と第1点以外の第2点とにおいて流体の有無を検知することができる。ここでの流体検知部は、光の反射等を利用した光センサ等によって第1点と第2点との2カ所を検知できる1つのセンサで構成されていても、第1点の検知を行うセンサと第2点の検知を行うセンサとの2つのセンサで構成されていてもよい。制御部は、流体検知部における検知時間間隔に基づいて、ポンプが運転時において単位時間当たりに流す流体の量であるポンプ流量を調整する。なお、ここでの検知時間間隔には、第1点と第2点とを交互に検知するのに要する時間だけでなく、第1点や第2点を連続して検知するのに要する時間等も含まれる。そして、制御部は、流体検知部が下限点を検知した後上限点を検知してさらに下限点を検知した場合に、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整する。ここでの調整ポンプ流量とは、所定ポンプ流量に対して第3時間を乗じて、さらに第3時間と第4時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量のことである。制御部がポンプ流量を調整ポンプ流量に調整するのは、流体検知部が下限点を検知した後上限点を検知してさらに下限点を検知した場合であるが、この調整時点は、さらに下限点を検知してからしばらく時間が経過した後であってもよいし、さらに下限点を検知した直後であってもよい。また、第3時間とは、上限点を検知した時から下限点を検知するまでに要する時間をいい、第4時間とは、下限点を検知した時から上限点を検知するまでに要する時間のことをいう。なお、所定ポンプ流量とは、第3時間におけるポンプ流量のことをいい、設置されたポンプの有する最大能力によるポンプ流量であってもよいし、タンクに対して供給されている流体量やタンクの容量等に基づいて定まる適当な値であってもよい。
従来の排出装置では、所定の一定出力を維持したままでポンプが運転されてタンクから一定排出流量で流体を排出し、タンクが枯渇しそうになるとポンプを停止するというON・OFF制御を行うことで、タンク内の流体量を調整している。しかし、このように一定の排出流量で流体の排出を行う従来の排出装置では、ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。一方、圧力計測器や流量計測器等を設けてポンプの出力を調整する排出装置では、タンク内の流体量の調整を省エネ運転によって実現することができる。しかし、このような排出装置では、圧力計測器や流量計測器等の計測器が必要となるため、システムの設置コストが高くなってしまう。
しかし、請求項6に係る排出装置では、流体検知部が設けられており、制御部は、流体検知部における検知から検知までに要する検知時間間隔の情報を得ることができる。すなわち、制御部は、圧力計測器や流量計測器等のセンサを設けることなく、システムコストを抑えながら、タンク内の流体量の変動状況に関する情報を得ることができる。また、排出装置は、制御部が検知時間間隔に基づいてポンプ流量を調整することにより、タンク内の流体量の変動状況を反映させたタンク内の流体量の調整を行うことができるようになる。例えば、タンク内の流体が短時間で少なくなる等により検知時間間隔が比較的短時間であるという情報を制御部が得た場合等においては、制御部によるポンプ流量の調整において、タンクから排出される流体量の過剰度合い等をその検知時間間隔に基づいて反映させることが可能となり、ポンプ流量を低く抑える等の調整を行うことが可能となる。このように、制御部は、ポンプ流量を調整することにより、ポンプの運転における余分なエネルギーを低減させることができるようになる。したがって、ここでの排出装置は、タンク内の流体量の調整を、システムコストを抑えつつ省エネ運転によって実現することが可能となる。
なお、例えば、制御部におけるポンプ流量の調整においては、検知時間間隔のうち最新のものを反映させるようにしてもよい。この場合には、タンクに対して供給される流体量について最新の状況を反映させたポンプ流量の調整が可能となり、タンク内の流体量をより安定化させることができる。
また、例えば、第1点や第2点の検知があった際に、あらかじめ定められた固定停止時間の間だけ臨時にポンプを運転させたり停止させたりする制御を行い、タンク内における流体量をより迅速に安定化させることも可能である。
そして、ここでは、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整することにより流体供給量に近づけることが可能となり、ポンプ流量が流体供給量に対して過剰になっている状態での運転時間を減少させることが可能になる。このため、ポンプの運転制御において用いられるエネルギーをより効果的に減少させることが可能となる。
請求項7に記載の排出装置は、請求項6に記載の排出装置であって、制御部は、流体検知部が下限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を直接再調整ポンプ流量に調整する。ここで直接再調整ポンプ流量とは、調整ポンプ流量に対して連続した検知に要した時間を乗じて得た値を、第4時間と連続した検知に要した時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められる。
ここでは、タンクへの流体供給量の変動によって下限点を連続して検知してタンク内が枯渇しそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏った調整ポンプ流量とその時間間隔および第4時間とのバランスをとった直接再調整ポンプ流量に調整することで、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
その他1に記載の供給装置は、タンクに対して流体を供給する供給装置であって、ポンプと、流体検知部と、制御部とを備えている。流体検知部は、タンクにおける第1点と第1点以外の第2点とにおいて流体の有無を検知することができる。ここでの流体検知部は、光の反射等を利用した光センサ等によって第1点と第2点との2カ所を検知できる1つのセンサで構成されていても、第1点の検知を行うセンサと第2点の検知を行うセンサとの2つのセンサで構成されていてもよい。制御部は、流体検知部における検知時間間隔に基づいて、ポンプが運転時において単位時間当たりに流す流体の量であるポンプ流量を調整する。なお、ここでの検知時間間隔には、第1点と第2点とを交互に検知するのに要する時間だけでなく、第1点や第2点を連続して検知するのに要する時間等も含まれる。
従来の供給装置では、所定の一定出力を維持したままでポンプが運転されてタンクに一定供給流量で流体を供給し、タンクが満たされてくるとポンプを停止するというON・OFF制御を行うことで、タンク内の流体量を調整している。しかし、このように一定の供給流量で流体の供給を行う従来の供給装置では、ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。一方、圧力計測器や流量計測器等を設けてポンプの出力を調整する供給装置では、タンク内の流体量の調整を省エネ運転によって実現することができる。しかし、このような供給装置では、圧力計測器や流量計測器等の計測器が必要となるため、システムの設置コストが高くなってしまう。
しかし、その他1に係る供給装置では、流体検知部が設けられており、制御部は、流体検知部における検知から検知までに要する検知時間間隔の情報を得ることができる。すなわち、制御部は、圧力計測器や流量計測器等のセンサを設けることなく、システムコストを抑えながら、タンク内の流体量の変動状況に関する情報を得ることができる。また、供給装置は、制御部が検知時間間隔に基づいてポンプ流量を調整することにより、タンク内の流体量の変動状況を反映させたタンク内の流体量の調整を行うことができるようになる。例えば、タンク内部が短時間で満たされて検知時間間隔が比較的短時間であるという情報を制御部が得た場合等においては、制御部によるポンプ流量の調整において、タンクに供給される流体量の過剰度合い等をその検知時間間隔に基づいて反映させることが可能となり、ポンプ流量を低く抑える等の調整を行うことが可能となる。このように、制御部は、ポンプ流量を調整することにより、ポンプの運転における余分なエネルギーを低減させることができるようになる。したがって、ここでの供給装置は、タンク内の流体量の調整を、システムコストを抑えつつ省エネ運転によって実現することが可能となる。
なお、例えば、制御部におけるポンプ流量の調整においては、検知時間間隔のうち最新のものを反映させるようにしてもよい。この場合には、タンク内の流体量の最新の利用状況を反映させてポンプ流量の調整を行うことが可能となり、タンク内の流体量をより安定化させることができる。
また、例えば、第1点や第2点の検知があった際に、あらかじめ定められた固定停止時間の間だけ臨時にポンプを運転させたり停止させたりする制御を行い、タンク内における流体量をより迅速に安定化させることも可能である。
その他2に記載の供給装置は、その他1に記載の供給装置であって、ポンプは、回転数を変動することによりポンプ流量の調整が可能なモータを有している。また、制御部は、ポンプのモータの回転数を制御することで、ポンプ流量を調整する。
ここでは、電源をON・OFFすることによりモータを回転させたり止めたりするのではなく、ポンプが有しているモータの回転数を制御するために、ポンプ流量を詳細に調整することが可能になる。
その他3に記載の供給装置は、その他1または2に記載の供給装置であって、第1点はタンクの上方に位置する上限点であり、第2点はタンクの下方であって上限点よりも下に位置する下限点である。また、制御部は、流体検知部において下限点の検知があった後から上限点の検知までの間の少なくともいずれかの時間でポンプを運転する運転制御を行い、上限点の検知があった後から下限点の検知までの間の少なくともいずれかの時間でポンプを停止する停止制御を行う。なお、ここでの運転制御は、下限点の検知があった後から上限点の検知までの間常に行われている場合であっても、下限点の検知があった後から上限点の検知までの間の一時的な時間に行われている場合であってもよい。また、ここでの停止制御についても、上限点の検知があった後から下限点の検知までの間常に行われている場合であっても、上限点の検知があった後から下限点の検知までの間の一時的な時間に行われている場合であってもよい。
ここでは、タンク内の流体量が少なく下限点を検知した場合にポンプを運転する運転制御を行いタンク内に流体を供給することで、タンク内が枯渇しないように制御することができる。また、タンク内の流体量が多く上限点を検知した場合にポンプを停止する停止制御を行うことでポンプ流量をゼロにして、タンク内の流体量を増加させないようにして流体がタンクから溢れ出さないように制御することができる。このように、ここではタンク内の流体量を安定化させることが可能となる。
なお、流体の検知を行う流体検知部としては、例えば、上限点に配置されて流体を検知する上限センサと、下限点に配置されて流体を検知する下限センサとから構成されるものであってもよい。この場合には、流体の接触の有無等によって検知を行うような簡易なセンサであっても、流体が上限点を満たしていることや、下限点を満たしていないこと等の検知が可能になる。このため、タンク内の流体量の調整は、このような簡易なセンサを配置することで、より安価なシステムによっても実現することができるようになる。
また、制御部によってポンプ流量を調整したとしても、利用されることによってタンクから出ていく流体量(流体利用量)の変動等により、下限点の検知から後に再び下限点が検知されるまでに要する下限検知時間間隔が短くなってしまう場合がある。この場合には、下限点の検知がある毎にポンプの運転を開始するという比較的多くのエネルギーを要する動作を頻繁に行わなければならない。しかし、例えば、流体利用量が比較的安定しておりその変動が小さい場合には、ポンプ流量の調整制御によって流体利用量に近づけるような調整を行うことにより、後の下限検知時間間隔をより長期化させることが可能になる。この場合には、下限点の検知頻度が減少するため、ポンプの運転を開始する動作の頻度を少なく抑えることができるようになる。したがって、このような場合には、単位時間当たりにおけるポンプの運転開始制御に必要なエネルギーを低減させることができ、効果的に省エネ運転を実現することができるようになる。
その他4に記載の供給装置は、その他3に記載の供給装置であって、流体検知部は、流体の有無について、タンクにおける上限点よりもさらに上方の上警報点と、下限点よりもさらに下方の下警報点との少なくともいずれか一方における検知が可能である。
ここでは、制御部は、上限・下限点だけでなくさらに上警報・下警報点に関してもタンク内の流体の検知情報を得ることができるようになるため、ポンプ流量の調整態様について多様化させることが可能になる。例えば、急激な流体利用量の変動により、上限点を所定の高さだけ越えたり、下限点を所定の高さだけ下回ったりすることがあっても、流体検知部が上警報点もしくは下警報点において流体を検知することによって、給水装置において故障や異常が発生していることを制御部に認識させることが可能になる。これにより、制御部に警報表示機能等を設けることで、給水装置において故障や異常が発生していることを利用者等に知らせることが可能となる。また、例えば、上警報点と下警報点との少なくともいずれか一方の検知を検知時間間隔に反映させることで、制御部にポンプ流量をより多様に調整させることができるようになる。また、制御部に警報装置や表示装置等を接続させることで、タンク内部が満ち足りた状態・枯渇状態である旨等の警報を発したり表示したりさせることも可能となる。
その他5に記載の供給装置は、その他1から4のいずれかに記載の供給装置であって、制御部は、流体検知部が下限点を検知した後上限点を検知してさらに下限点を検知した場合において、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整する。ここでの調整ポンプ流量とは、所定ポンプ流量に対して第1時間を乗じて、さらに第1時間と第2時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量である。制御部がポンプ流量を調整ポンプ流量に調整するのは、流体検知部が下限点を検知した後上限点を検知してさらに下限点を検知した場合であるが、この調整時点は、さらに下限点を検知してからしばらく時間が経過した後であってもよいし、さらに下限点を検知した直後であってもよい。また、第1時間とは、下限点を検知した時から上限点を検知するまでに要する時間であり、第2時間とは、上限点を検知した時から下限点を検知するまでに要する時間のことをいう。なお、所定ポンプ流量とは、第1時間におけるポンプ流量のことをいい、設置されたポンプの有する最大能力によるポンプ流量であってもよいし、利用される流体量やタンクの容量等に基づいて定まる適当な値であってもよい。
ここでは、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整することにより流体利用量に近づけることが可能となり、ポンプ流量が流体利用量に対して過剰になっている状態での運転時間を減少させることが可能になる。このため、ポンプの運転制御において不必要なエネルギーをより効果的に減少させることが可能となる。
その他6に記載の供給装置は、その他5に記載の供給装置であって、制御部は、所定時間の間、ポンプ流量を調整ポンプ流量よりも流量の多い臨時ポンプ流量に調整する。ここでの所定時間の間とは、第2時間の経過後であって調整ポンプ流量に調整されるまでの時間をいう。ここでの臨時ポンプ流量は、調整ポンプ流量よりも多い流量であればよく、ポンプの有する最大能力によるポンプ流量であってもよい。
ここでは、第2時間の経過後、すなわち下限点で検知されてタンク内の流体量が少なくなっている状態の時に、制御部が、ポンプ流量を調整ポンプ流量よりも流量の多い臨時ポンプ流量に調整して、所定時間の間タンク内に流体の供給を行う。このため、下限の検知によってタンク内の流体量が少なくなっている状態からより迅速にタンク内が満たされていき、タンク内の流体量をより迅速に安定化させることが可能となる。
また、第2時間の経過時に下限点を検知して所定時間の間の臨時ポンプ流量に調整して運転した後の第1時間については、当該第2時間の経過時の下限点の検知の際からカウントするのではなく、所定時間の経過時からカウントを開始して後に上限点の検知があるまでに要する時間としてもよい。この場合には、所定時間の間の臨時ポンプ流量で運転することでタンク内の流体量を安定化させることができ、毎回の検知時間間隔のカウント開始時のタンク内の流体量を、下限点の検知時における流体量よりも多い流体量にすることができるようになる。このため、毎回の検知時間間隔のカウントに際して条件の隔たりを少なくすることができ、より的確な検知時間間隔の情報に基づいて効率的な制御を行うことが可能となり、より早く流体利用量に近づける制御を行うことができるようになる。
その他7に記載の供給装置は、その他6に記載の供給装置であって、制御部は、流体検知部が下限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を再調整ポンプ流量に調整する。ここでの再調整ポンプ流量とは、臨時ポンプ流量に所定時間を乗じた値と調整ポンプ流量に所定時間の経過後から連続した検知のうちの後の検知までに要した時間を乗じた値との和を、連続した検知に要した時間で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量のことをいう。
ここでは、流体利用量の変動によって下限点を連続して検知してタンク内が枯渇しそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏ったポンプ流量と臨時ポンプ流量とのバランスをとった再調整ポンプ流量に調整することで、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
その他8に記載の供給装置は、その他5に記載の供給装置であって、制御部は、流体検知部が下限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を第1時間における所定ポンプ流量に調整する。
ここでは、流体利用量の変動によって下限点を連続して検知してタンク内が枯渇しそうになる場合であっても、ポンプ流量を、上限点が検知された際のポンプ流量である第1時間における所定ポンプ流量に戻すように調整することができる。このため、簡易な制御方法によってタンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
その他9に記載の供給装置は、その他5に記載の供給装置であって、制御部は、流体検知部が下限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を直接再調整ポンプ流量に調整する。制御部がポンプ流量を直接再調整ポンプ流量に調整するのは、流体検知部が下限点を連続して検知した場合であるが、この調整時点は、下限点を検知してからしばらく時間が経過した後であってもよいし、下限点を検知した直後であってもよい。ここで、直接再調整ポンプ流量とは、所定ポンプ流量に対して第1時間を乗じた値と調整ポンプ流に対して連続した検知に要した時間を乗じた値との和を、第1時間と連続した検知に要した時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量のことをいう。
ここでは、流体利用量の変動によって下限点を連続して検知してタンク内が枯渇しそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏った調整ポンプ流量と所定ポンプ流量とのバランスをとった直接再調整ポンプ流量に調整することで、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
その他10に記載の供給装置は、その他1から4のいずれかに記載の供給装置であって、制御部は、流体検知部が上限点を検知した後下限点を検知してさらに上限点を検知した場合に、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整する。制御部がポンプ流量を調整ポンプ流量に調整するのは、流体検知部が上限点を検知した後下限点を検知してさらに上限点を検知した場合であるが、この調整時点は、さらに上限点を検知してからしばらく時間が経過した後であってもよいし、さらに上限点を検知した直後であってもよい。ここで調整ポンプ流量とは、所定ポンプ流量に対して第1時間を乗じて、さらに第1時間と第2時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められるポンプ流量である。また、第1時間とは、下限点を検知した時から上限点を検知するまでに要する時間であり、第2時間とは、上限点を検知した時から下限点を検知するまでに要する時間のことをいう。なお、所定ポンプ流量とは、第1時間におけるポンプ流量のことをいい、設置されたポンプの有する最大能力によるポンプ流量であってもよいし、利用される流体量やタンクの容量等に基づいて定まる適当な値であってもよい。
ここでは、ポンプ流量を調整ポンプ流量に調整することにより流体利用量に近づけることが可能となり、ポンプ流量が流体利用量に対して過剰になっている状態での運転時間を減少させることが可能になる。このため、ポンプの運転制御において用いられるエネルギーをより効果的に減少させることが可能となる。
その他11に記載の供給装置は、その他10に記載の供給装置であって、制御部は、流体検知部が上限点を連続して検知した場合に、ポンプ流量を直接再調整ポンプ流量に調整する。ここでの直接再調整ポンプ流量とは、調整ポンプ流量に対して連続した検知に要した時間を乗じて得た値を、第2時間と連続した検知に要した時間との和で除することによって得られる値に基づいて定められる。
ここでは、流体利用量の変動によって上限点を連続して検知してタンク内の流体が溢れそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏った調整ポンプ流量およびその運転時間と第2時間とに基づいてバランスをとった直接再調整ポンプ流量に調整することで、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
その他12に記載の供給方法は、ポンプが流体をタンクに対して供給する供給方法であって、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップとの3つのステップからなる。
第1ステップでは、タンクにおける第1点と第1点以外の第2点とのいずれかにおいて流体の有無を検知する。第2ステップでは、第1ステップの検知の後に、第1点と第2点とのいずれかにおいて流体の有無を検知する。第3ステップでは、第1ステップにおける検知から第2ステップにおける検知にまで要する検知時間間隔に基づいて、ポンプが運転時において単位時間当たりに流す流体の量であるポンプ流量を調整部が調整する。なお、ここでの検知時間間隔には、第1点と第2点とを交互に検知するのに要する時間だけでなく、第1点や第2点をそれぞれ連続して検知するのに要する時間等も含まれる。
従来の供給方法では、所定の一定出力を維持したままでポンプが運転されてタンクに一定供給流量で流体を供給し、タンクが満たされてくるとポンプを停止するというON・OFF制御を行うことで、タンク内の流体量を調整している。しかし、このように一定の供給流量で流体の供給を行う従来の供給方法では、ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。一方、圧力計測器や流量計測器等を設けてポンプの出力を調整する供給方法では、タンク内の流体量の調整を省エネ運転によって実現することができる。しかし、このような供給方法では、圧力計測器や流量計測器等の計測器が必要となるため、システムの設置コストが高くなってしまう。
しかし、その他12に係る供給方法では、制御部は、第1点および第2点における流体の検知が可能な簡易な検知装置等によって、第1ステップにおける検知から第2ステップにおける検知までに要する検知時間間隔の情報を得ることができる。すなわち、第3ステップにおいて、制御部は、圧力計測器や流量計測器等のセンサを設けることなくシステムコストを抑えながら、タンク内の流体量の変動状況に関する情報を得ることができる。また、ここでの供給方法は、制御部が検知時間間隔に基づいてポンプ流量を調整することにより、タンク内の流体量の変動状況を反映させたタンク内の流体量の調整を行うことができるようになる。例えば、タンク内部が短時間で満たされて検知時間間隔が比較的短時間であるという情報を制御部が得た場合等においては、制御部によるポンプ流量の調整において、タンクに供給される流体量の過剰度合い等をその検知時間間隔に基づいて反映させることが可能となり、ポンプ流量を低く抑える等の調整を行うことが可能となる。このように、制御部は、ポンプ流量を調整することにより、ポンプの運転における余分なエネルギーを低減させることができるようになる。したがって、ここでの供給方法では、タンク内の流体量の調整を、システムコストを抑えつつ省エネ運転によって実現することが可能となる。
なお、例えば、制御部におけるポンプ流量の調整においては、検知時間間隔のうち最新のものを反映させるようにしてもよい。この場合には、タンク内の流体量の最新の利用状況を反映させてポンプ流量の調整を行うことが可能となり、タンク内の流体量をより安定化させることができる。
また、例えば、第1点や第2点の検知があった際に、あらかじめ定められた固定停止時間の間だけ臨時にポンプを運転させたり停止させたりする制御を行い、タンク内における流体量をより迅速に安定化させることも可能である。
その他13に記載の排出装置は、タンクから流体を外部に排出する排出装置であって、ポンプと、流体検知部と、制御部とを備えている。流体検知部は、タンクにおける第1点と第1点以外の第2点とにおいて流体の有無を検知することができる。ここでの流体検知部は、光の反射等を利用した光センサ等によって第1点と第2点との2カ所を検知できる1つのセンサで構成されていても、第1点の検知を行うセンサと第2点の検知を行うセンサとの2つのセンサで構成されていてもよい。制御部は、流体検知部における検知時間間隔に基づいて、ポンプが運転時において単位時間当たりに流す流体の量であるポンプ流量を調整する。なお、ここでの検知時間間隔には、第1点と第2点とを交互に検知するのに要する時間だけでなく、第1点や第2点を連続して検知するのに要する時間等も含まれる。
従来の排出装置では、所定の一定出力を維持したままでポンプが運転されてタンクから一定排出流量で流体を排出し、タンクが枯渇しそうになるとポンプを停止するというON・OFF制御を行うことで、タンク内の流体量を調整している。しかし、このように一定の排出流量で流体の排出を行う従来の排出装置では、ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。一方、圧力計測器や流量計測器等を設けてポンプの出力を調整する排出装置では、タンク内の流体量の調整を省エネ運転によって実現することができる。しかし、このような排出装置では、圧力計測器や流量計測器等の計測器が必要となるため、システムの設置コストが高くなってしまう。
しかし、その他13に係る排出装置では、流体検知部が設けられており、制御部は、流体検知部における検知から検知までに要する検知時間間隔の情報を得ることができる。すなわち、制御部は、圧力計測器や流量計測器等のセンサを設けることなく、システムコストを抑えながら、タンク内の流体量の変動状況に関する情報を得ることができる。また、排出装置は、制御部が検知時間間隔に基づいてポンプ流量を調整することにより、タンク内の流体量の変動状況を反映させたタンク内の流体量の調整を行うことができるようになる。例えば、タンク内の流体が短時間で少なくなる等により検知時間間隔が比較的短時間であるという情報を制御部が得た場合等においては、制御部によるポンプ流量の調整において、タンクから排出される流体量の過剰度合い等をその検知時間間隔に基づいて反映させることが可能となり、ポンプ流量を低く抑える等の調整を行うことが可能となる。このように、制御部は、ポンプ流量を調整することにより、ポンプの運転における余分なエネルギーを低減させることができるようになる。したがって、ここでの排出装置は、タンク内の流体量の調整を、システムコストを抑えつつ省エネ運転によって実現することが可能となる。
なお、例えば、制御部におけるポンプ流量の調整においては、検知時間間隔のうち最新のものを反映させるようにしてもよい。この場合には、タンクに対して供給される流体量について最新の状況を反映させたポンプ流量の調整が可能となり、タンク内の流体量をより安定化させることができる。
また、例えば、第1点や第2点の検知があった際に、あらかじめ定められた固定停止時間の間だけ臨時にポンプを運転させたり停止させたりする制御を行い、タンク内における流体量をより迅速に安定化させることも可能である。
その他14に記載の排出装置は、その他13に記載の排出装置であって、ポンプは、回転数を変動することによりポンプ流量の調整が可能なモータを有している。制御部は、ポンプのモータの回転数を制御して、ポンプ流量を調整する。
ここでは、電源をON・OFFすることによりモータを回転させたり止めたりするのではなく、ポンプの有するモータの回転数を制御するために、ポンプ流量を詳細に調整することが可能になる。
その他15に記載の排出装置は、その他13または14に記載の排出装置であって、第1点はタンクの上方に位置する上限点であり、第2点はタンクの下方であって上限点よりも下に位置する下限点である。また、制御部は、流体検知部において下限点の検知があった後から上限点の検知までの間の少なくともいずれかの時間でポンプを停止する停止制御を行い、上限点の検知があった後から下限点の検知までの間の少なくともいずれかの時間でポンプを運転する運転制御を行う。なお、ここでの運転制御は、上限点の検知があった後から下限点の検知までの間常に行われている場合であっても、上限点の検知があった後から下限点の検知までの間の一時的な時間に行われている場合であってもよい。また、ここでの停止制御についても、下限点の検知があった後から上限点の検知までの間常に行われている場合であっても、下限点の検知があった後から上限点の検知までの間の一時的な時間に行われている場合であってもよい。
ここでは、タンク内の流体量が多く上限点を検知した場合にポンプを運転する運転制御を行いタンクから流体を排出することで、タンクから流体が溢れ出さないように制御することができる。また、タンク内の流体量が少なく下限点を検知した場合にポンプを停止する停止制御を行うことでポンプ流量をゼロにして、タンクから流体量を排出しないようにしてタンク内が枯渇しないように制御することができる。このように、ここではタンク内の流体量を安定化させることが可能となる。
なお、流体の検知を行う流体検知部としては、例えば、上限点に配置されて流体を検知する上限センサと、下限点に配置されて流体を検知する下限センサとから構成されるものであってもよい。この場合には、流体の接触の有無等によって検知を行うような簡易なセンサであっても、流体が上限点を満たしていることや、下限点を満たしていないこと等の検知が可能になる。このため、タンク内の流体量の調整は、このような簡易なセンサを配置することで、より安価なシステムによっても実現することができるようになる。
また、制御部によってポンプ流量を調整したとしても、タンクに対して供給される流体量(流体供給量)の変動等により、上限点の検知から後に再び上限点が検知されるまでに要する上限検知時間間隔が短くなってしまう場合もある。この場合には、上限点の検知がある毎に、ポンプの運転を開始するという比較的多くのエネルギーを要する動作を頻繁に行わなければならない。しかし、例えば、流体供給量が比較的安定しておりその変動が小さい場合には、ポンプ流量の調整制御によって流体供給量に近づけるような調整を行うことにより、後の上限検知時間間隔をより長期化させることが可能になる。この場合には、上限点の検知頻度が減少するため、ポンプの運転を開始する動作の頻度を少なく抑えることができるようになる。したがって、このような場合には、単位時間当たりにおけるポンプの運転開始制御に必要なエネルギーを低減させることができ、効果的に省エネ運転を実現することができるようになる。
その他16に記載の排出装置は、その他15に記載の排出装置であって、流体検知部は、流体の有無について、タンクにおける上限点よりもさらに上方の上警報点と、下限点よりもさらに下方の下警報点との少なくともいずれか一方における検知が可能である。
ここでは、制御部は、上限・下限点だけでなくさらに上警報・下警報点からもタンク内の流体の検知情報を得ることができるようになるため、ポンプ流量の調整態様について多様化させることが可能になる。例えば、急激な流体利用量の変動により、上限点を所定の高さだけ越えたり、下限点を所定の高さだけ下回ったりすることがあっても、流体検知部が上警報点もしくは下警報点において流体を検知することによって、排出装置において故障や異常が発生していることを制御部に認識させることが可能になる。これにより、制御部に警報表示機能等を設けることで、排出装置において故障や異常が発生していることを利用者等に知らせることが可能となる。また、例えば、上警報点と下警報点との少なくともいずれか一方の検知を検知時間間隔に反映させることで、制御部にポンプ流量をより多様に調整させることができるようになる。また、制御部に警報装置や表示装置等を接続させることで、タンク内部が満ち足りた状態・枯渇状態である旨等の警報を発したり表示したりさせることも可能となる。
その他24に記載の排出方法は、タンクから流体をポンプによって外部に排出する排出方法であって、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップとの3つのステップからなる。
第1ステップでは、タンクにおける第1点と第1点以外の第2点とのいずれかにおいて流体の有無を検知する。第2ステップでは、第1ステップの検知の後に、第1点と第2点とのいずれかにおいて流体の有無を検知する。第3ステップでは、第1ステップにおける検知から第2ステップにおける検知にまで要する検知時間間隔に基づいて、ポンプが運転時において単位時間当たりに流す流体の量であるポンプ流量を調整部が調整する。なお、ここでの検知時間間隔には、第1点と第2点とを交互に検知するのに要する時間だけでなく、第1点や第2点を連続して検知するのに要する時間等も含まれる。
従来の排出方法では、所定の一定出力を維持したままでポンプが運転されてタンクから一定排出流量で流体を排出し、タンクが枯渇しそうになるとポンプを停止するというON・OFF制御を行うことで、タンク内の流体量を調整している。しかし、このように一定の排出流量で流体の排出を行う従来の排出方法では、ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。一方、圧力計測器や流量計測器等を設けてポンプの出力を調整する排出方法では、タンク内の流体量の調整を省エネ運転によって実現することができる。しかし、このような排出方法では、圧力計測器や流量計測器等の計測器が必要となるため、システムの設置コストが高くなってしまう。
しかし、その他24に係る排出方法では、制御部は、第1点および第2点における流体の検知が可能な簡易な検知装置等によって、第1ステップにおける検知から第2ステップにおける検知までに要する検知時間間隔の情報を得ることができる。すなわち、第3ステップにおいて、制御部は、圧力計測器や流量計測器等のセンサを設けることなくシステムコストを抑えながら、タンク内の流体量の変動状況に関する情報を得ることができる。また、ここでの排出方法は、制御部が検知時間間隔に基づいてポンプ流量を調整することにより、タンク内の流体量の変動状況を反映させたタンク内の流体量の調整を行うことができるようになる。例えば、タンク内の流体量が短時間で少なくなる等によって検知時間間隔が比較的短時間であるという情報を制御部が得た場合等においては、制御部によるポンプ流量の調整において、タンクから排出される流体量の過剰度合い等をその検知時間間隔に基づいて反映させることが可能となり、ポンプ流量を低く抑える等の調整を行うことが可能となる。このように、制御部は、ポンプ流量を調整することにより、ポンプの運転における余分なエネルギーを低減させることができるようになる。したがって、ここでの排出方法では、タンク内の流体量の調整を、システムコストを抑えつつ省エネ運転によって実現することが可能となる。
なお、例えば、制御部におけるポンプ流量の調整においては、検知時間間隔のうち最新のものを反映させるようにしてもよい。この場合には、タンクに対して供給される流体量について最新の状況を反映させたポンプ流量の調整が可能となり、タンク内の流体量をより安定化させることができる。
また、例えば、第1点や第2点の検知があった際に、あらかじめ定められた固定停止時間の間だけ臨時にポンプを運転させたり停止させたりする制御を行い、タンク内における流体量をより迅速に安定化させることも可能である。
請求項1に係る排出装置では、ポンプの運転制御において不必要なエネルギーをより効果的に減少させることが可能となる。
請求項2に係る排出装置では、下限の検知によってタンク内の流体量が少なくなっている状態からより迅速にタンク内が満たされていき、タンク内の流体量をより迅速に安定化させることが可能となる。
請求項3に係る排出装置では、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
請求項4に係る排出装置では、簡易な制御方法によってタンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
請求項5に係る排出装置では、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
請求項6に係る排出装置では、ポンプの運転制御において用いられるエネルギーをより効果的に減少させることが可能となる。
請求項7に係る排出装置では、タンク内部の流体量をより安定化させることが可能となる。
<第1実施形態における給水装置の全体構成>
本発明の第1実施形態が採用された給水装置100の概略構成を図1に示す。
給水装置100は、各利用者の居住する所定の場所等に対して所定の量の水を配送するためにビル等に設置されている。この給水装置100は、タンク1と、タンク1に対して供給される水の流路である給水流路3と、タンク1から排出される水の流路である排水流路4と、給水流路3に設けられた給水ポンプ2と、タンク内の水位を測定するセンサ10と、給水ポンプ2の流量を調節するコントローラ20とを備えている。
[タンクの構成]
タンク1は、図1において示すように、給水流路3を介して上方から水が供給され、排水流路4を介して下方から水が排出されるようになっている。
[給水ポンプの構成]
給水ポンプ2は、図1において示すように、給水流路3に設けられている。給水ポンプ2は、図示しないモータを有しており、このモータが回転駆動されることによって運転し、水を汲み上げてタンク1に供給する。ここでの給水ポンプ2においては、コントローラ20によってモータの回転数がインバータ制御されて、単位時間当たりに流す水の量であるポンプ流量(P)を変化させることができる。ここでの給水装置100に対する給水ポンプ2の選定は、給水ポンプ2の有する能力に従って定められ、設置場所等において想定される最大利用水量に対応できるような一定の能力を有するものが選ばれる。
[センサの構成]
センサ10は、上限センサ11と、下限センサ12とから構成されている。
上限センサ11は、図1において示すように、タンク1の上限H1付近に設けられており、水位が上限H1を超えている場合に検知(上限検知)する。下限センサ12は、タンク1の下限H2付近に設けられており、水位が下限H2を下回っている場合に検知(下限検知)する。なお、ここでの上限H1および下限H2は、それぞれ高さの値を入力することによって自由な高さに設定することができるようになっている。
[コントローラの構成]
コントローラ20は、図1に示すように、上限センサ11および下限センサ12の両方と接続されており、各センサから検知の有無についての情報を得る。このコントローラ20は、センサ10による検知によって給水ポンプ2の運転時間や停止時間のカウントをしたり、運転時における給水ポンプ2のモータの回転数(N)を計測したりする。また、このコントローラ20は、給水ポンプ2のモータ部分に対して接続されており、センサ10から得られる情報等に基づいて給水ポンプ2のモータの回転数を制御する。給水ポンプ2のモータの回転数は、コントローラ20に設けられたインバータ回路(図示せず)によってインバータ制御され、目的の回転数に調整することができる。これによって、給水ポンプ2のポンプ流量(Q)が調整され、タンク1に対する供給流量を調節することができるようになっている。
なお、コントローラ20は、センサ10から得られた情報等を格納するためのメモリ(図示せず)を備えている。このメモリには、カウント・計測された情報等、例えば、給水ポンプ2の運転時におけるモータの回転数、下限センサ12の検知から上限センサ11の検知がなされるまでの時間間隔(以下、「下上検知時間Ta」という)、上限センサ11の検知から下限センサ12の検知がなされるまでの時間間隔(以下、「上下検知時間Tb」という)や下限センサ12が連続して検知した場合の時間間隔(以下、「下下検知時間Tc」という)についての情報が格納されている。
<コントローラによる給水ポンプのインバータ制御>
ここでのコントローラ20による検知時間のカウントや給水ポンプ2の制御は、以下のようにして行われる。
コントローラ20は、下限センサ12で検知があった時、すなわち水位が下限H2を下回った時にカウントを開始し、下限センサ12の検知状態が続いている間カウントを続ける。また、図2において示すように、下限センサ12で検知があった際に、コントローラ20は、給水ポンプ2のモータの回転数が設定回転数Nd(最大回転数)となるように制御することで、ポンプ流量Qが設定ポンプ流量Qd(最大ポンプ流量Qmax)になるように調整する。この給水ポンプ2のモータの設定回転数Ndは、給水装置100の運転開始前にデフォルト値としてあらかじめ設定することができる値であり、ここでは設置される給水ポンプ2の能力が最大限に発揮される値に設定される。そして、コントローラ20は、下限センサ12で検知によって給水ポンプ2のモータの回転数を設定回転数Ndに制御した時点から後に上限センサ11で検知がされるまでに要する時間、すなわち下上検知時間Taをカウントする。また、図3に示すように、利用水量が変化した場合において、下限センサ12で検知があった時から後に下限センサ12で検知がされるまでに要する時間、すなわち下下検知時間Tcをカウントする。
一方、コントローラ20は、上限センサ11についても同様に、上限センサ11で検知があった時、すなわち水位が上限H1を超えた時から時間のカウントを開始して、上限センサ11の検知状態が続いている間カウントを続ける。また、コントローラ20は、図2において示すように、上限センサ11で検知があった際に、給水ポンプ2のモータの回転数ゼロにする制御を行い給水ポンプ2の運転を停止する。そして、給水ポンプ2を停止した時点すなわち上限センサ11で検知があった時から後に下限センサ12で検知がされるまでに要する時間、すなわち上下検知時間Tbをカウントする。
(通常制御)
ここでは、排水流路4から排出される利用水量の変化が比較的小さい場合のコントローラ20による給水ポンプ2の通常制御について説明する。
まず、図2において示すように、下限検知された場合に、コントローラ20が、給水ポンプ2のモータの回転数を設定回転数Ndにする制御を行い、ポンプ流量Qを設定ポンプ流量Qdに調整してタンク1への給水流量が最大となるようにする。この場合、利用水量に対してポンプ流量Qが過剰な状態となるため、タンク1内の水位が上昇していき、タンク1内は短時間で満たされて、図2において示すように、上限センサ11が検知する。そして、コントローラ20は、この上限検知された際に、給水ポンプ2のモータの回転数をゼロにして給水ポンプ2の運転を停止する制御を行う。これにより、タンク1内の水位の上昇を止めることができる。そして、タンク1内の水が利用されて排水流路4を介して排出されることによってタンク1内の水位が下降していき、タンク1の水位が上限H1を越えなくなった時点で上限センサ11の検知がなくなる。そして、さらにタンク1内の水位が下降していき、水位が下限H2を下回った時に下限センサ12が検知し始め、タンク1内の水量が不足している状態となる。
この下限検知の際に、コントローラ20は、給水ポンプ2のモータの回転数を臨時回転数Nt(最大回転数)に上げる制御を行い、ポンプ流量Qを臨時ポンプ流量Qt(最大ポンプ流量Qmax)に調整する。ここで、給水ポンプ2のモータの臨時回転数Ntは、設定回転数Ndと同様に、給水装置100の運転開始前にあらかじめ設定することができる値であり、ここでは設置される給水ポンプ2の能力が最大限に発揮される値に設定される。このように、下限検知されてタンク1内の水が少ない状態となった時点で、ポンプ流量Qを最大ポンプ流量Qmaxにしてタンク1内に迅速に水を供給することで、タンク1内が枯渇しないように制御される。すなわち、コントローラ20は、このようにポンプ流量Qを最大ポンプ流量Qmaxとした運転状態であらかじめ設定された固定運転時間Teの間だけ、臨時に運転する。なお、固定運転時間Teは、特に何分何秒と具体的に定められた時間でなくてもよく、例えば、下限センサ12における下限検知が終了するまでの間、すなわち下限H2よりもタンク1内の水位が高い状態になるまでの間として設定したり、また、給水ポンプ2のモータの臨時回転数Ndの値やタンク1の容量、底面積や高さ等のパラメータから求まる時間として設定したりすることも可能である。なお、ここでの固定運転時間Teは、給水装置100の設置場所における利用水量の平均値を反映させて、臨時ポンプ流量Qt(最大ポンプ流量Qmax)での運転によって水位をタンク1内の上限H1と下限H2の中間程度に調整することができるような時間を設定している。
その後、コントローラ20は、タンク1内の水位が安定してくる固定運転時間Te経過時において、図2に示すように、給水ポンプ2を運転させていた下上検知時間Ta1と、この下上検知時間Ta1の間の給水ポンプ2のモータの設定回転数Ndと、給水ポンプ2を停止している上下検知時間Tbとに基づいて、給水ポンプ2のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行い、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q1に調整する。具体的には、図2において示すように、コントローラ20では、給水ポンプ2のモータの回転数をN1=Nd×Ta1÷(Ta1+Tb1)によって求まる調整回転数N1にする制御を行い、ポンプ流量Qを臨時ポンプ流量Qt(最大ポンプ流量Qmax)から調整ポンプ流量Q1に調整する最適化制御が行われる。このように給水ポンプ2のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行った後から次に上限センサ11における検知がある時まで、給水ポンプ2のモータは調整回転数N1で運転される。この調整回転数N1で運転されている時間は、コントローラ20によってカウントされて、上下検知時間Ta2としてコントローラ20のメモリに格納される。
そして、図2において示すように、給水ポンプ2のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行った後に、上限センサ11での検知があると、この上限検知時に、コントローラ20は、再びモータの回転数をゼロにして給水ポンプ2の運転を停止する制御を行う。これによって、タンク1内の水が利用されてタンク1の水位が下降していき、上下検知時間Tb2の経過時において再び下限センサ12での検知がなされる。この下限検知の際に、コントローラ20は、上述した制御と同様に、給水ポンプ2のモータの回転数を臨時回転数Nt(最大回転数)に上げる制御を行い、固定運転時間Teの間ポンプ流量Qを最大供給流量Qに調整して運転する。
この固定運転時間Teが経過すると、コントローラ20は、最新の下上検知時間Ta2および上下検知時間Tb2に基づいて、再び給水ポンプ2のモータの回転数を制御して、ポンプ流量Qの最適化制御を行い、モータの回転数を調整回転数N2になるように調整する。具体的には、コントローラ20では、図2において示すように、給水ポンプ2のモータの回転数をN2=N1×Ta2÷(Ta2+Tb2)によって求まる調整回転数N2に調整して、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q2に再調整することで最適化制御が繰り返される。
なお、給水ポンプ2のモータの回転数は、上述した算出方法によって調整回転数N1、N2が算出された場合であっても、コントローラ20によって、あらかじめ設定さられた最低回転数Nmin以下にはならないように制御される。これによって下限センサ12の検知が必要以上に頻繁に繰り返される状況が生じることを防いでいる。
ここでは、上述したように、コントローラ20によって給水ポンプ2のモータの回転数をインバータ制御することによりタンク1に対する供給流量が調整され、給水ポンプ2のモータの回転数を最大回転数よりも低い調整回転数N1やN2に落とした制御を実現することができる。また、ポンプ流量Qを調整することによって、給水ポンプ2の運転開始時についての時間間隔(運転開始時間間隔Tx)について、後の運転開始時間間隔Tyをより長期化させることが可能になる。これによって、比較的多くの電力が必要とされる給水ポンプ2の運転開始の制御頻度を減少させている。このように、給水装置100におけるポンプ流量Qの調整によって、省エネ運転制御を実現することができる。
(連続検知制御)
ここでは、排水流路4から排出される利用水量の変化が比較的大きい場合のコントローラ20による給水ポンプ2の連続検知制御について説明する。
この連続検知制御においても、コントローラ20によって給水ポンプ2のモータの回転数を調整回転数N1になるように制御する段階までは通常制御と同様である。
連続検知制御では、図3に示すように、下限検知によって上下検知時間Tb1が経過した後に臨時ポンプ流量Qtによって運転されて調整ポンプ流量Q1による運転がなされていても、利用水量が急激に増加した場合等によって、上限センサ11が検知する前に再度下限センサ12が検知する場合がある。このような場合に、コントローラ20によって連続検出制御が行われる。下限センサ12の検知が連続した状態とは、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q1に調整した運転を行ったとしてもなお利用水量の増加分によってタンク1内の水位が下がってしまい、再び下限検知をしたという状態である。
このため、図3に示すように、コントローラ20は、再び給水ポンプ2のモータの回転数を臨時回転数Nt(最大回転数)にする制御を行い、臨時ポンプ流量Qtによって固定運転時間Teの間給水ポンプ2を運転する。また、コントローラ20は、固定運転時間Teが経過した時から後の下限検知があるまでの下下検知時間Tc2をカウントして、メモリに格納する。
そして、この固定運転時間Teが経過すると、コントローラ20は、固定運転時間Teおよび下下検知時間Tc2に基づいて、再び給水ポンプ2のモータの回転数を制御してポンプ流量Qの最適化制御を行い、給水ポンプ2のモータの回転数を再調整回転数N3に調整する。具体的には、コントローラ20では、図3において示すように、給水ポンプ2のモータの回転数をN3=(Nt×Te+N1×Tc2)÷(Te+Tc2)によって求まる再調整回転数N3に調整して、ポンプ流量Qを再調整ポンプ流量Q3に調整する。このようにして、ポンプ流量Qについての最適化制御が繰り返される。これにより、給水ポンプ2のモータの回転数は、下限センサ12が検知した時点の回転数である調整回転数N1よりも大きい値に調整することができ、タンク1内の水位を上昇させてタンク1内の水量を安定化させることができる。この場合においても、再調整回転数N3は、最大回転数よりも回転数を少なくすることができる。また、ポンプ流量Qを調整することによって、連続運転制御においても、図3に示すように、給水ポンプ2の運転開始時についての時間間隔(運転開始時間間隔Tx)について、後の運転開始時間間隔Tyをより長期化させることが可能になる。これによって、比較的多くの電力が必要とされる給水ポンプ2の運転開始の制御頻度を減少させている。このように、連続運転制御においても、給水装置100におけるポンプ流量Qの調整によって、省エネ運転制御を実現することができる。
以上の給水装置100の運転制御により、タンク1内の水量の調整を行い、タンク1から水が溢れ出したりタンク1が渇水したりすることのないように調整することができる。
<特徴>
(1)
従来の供給装置では、図17において示すように、所定の一定出力を維持したままでポンプが運転されてタンクに一定供給流量で流体を供給し、タンクが満たされてくるとポンプを停止するというON・OFF制御を行うことで、タンク内の流体量を調整している。しかし、このように一定の供給流量で流体の供給を行う従来の供給装置では、ポンプのON・OFFが頻繁に繰り返されてより多くのエネルギーを消費してしまうことがある。
これに対して、上記第1実施形態の給水装置100においては、上限センサ11と下限センサ12の検知による検知時間間隔に基づいてコントローラ20が、給水ポンプ2のモータの回転数を制御している。これにより、給水ポンプ2のモータの回転数を、ポンプ流量Qができるだけ利用水量を越えることのないようにより低い回転数にすることができる。これによって、給水装置100の省エネ運転制御を実現することができる。
なお、モータの回転数に対する消費電力はおよそ3乗の関係にあるため、モータの回転数を上昇させた場合に必要となる消費電力は、急激に上昇してしまう。このため、モータの回転数を下げることにともなって給水ポンプ2の運転時間が多少長くなる恐れがあっても、運転時間の長期化による消費電力の増加分よりもモータの回転数を下げることによる消費電力の減少分のほうが大きく上回るため、結果的に十分な省エネ運転制御することができる。
なお、上記第1実施形態における給水装置100では、給水ポンプ2がON・OFF制御されている場合と比べて、給水ポンプ2のポンプ流量Qが最大供給流量Qmaxで運転される時間を短くすることが可能になる。このため、上記同様に、給水装置100の運転制御において、消費電力を抑えることが可能になる。
例えば、2.2kWの能力を有する給水ポンプを用いて、利用水量が一定であるとして従来の給水装置と上記第1実施形態における給水装置100との消費電力を比べると、およそ以下のようになる。すなわち、従来の給水装置において、ON時間とOFF時間の比率が7:3となるようなON・OFF制御を24時間行った場合の消費電力は約37kWhとなる。一方、上記第1実施形態の給水装置100を用いた場合で、モータの回転数が最大回転数である場合の運転時間を仮に10%とすると、24時間の運転で2.4時間は従来と同等の消費電力となり、残りの21.6時間は、(7/10)3程度の消費電力となり約22kWhとなる。これにより、44%程度の省エネを実現できる。
また、上記第1実施形態の給水装置100は、比較的大きなポンプ2が選定されており下上検知時間Taが微小時間となるような状況のシステムに適応することにより、特に効果的な省エネ運転が実現される。
(2)
また、近年の給水装置においては、圧力計測器や流量計測器等を設けることで、給水ポンプにおける流量を調整して省エネ運転が行われている。このような従来の給水装置では、タンク内の水量の状況を計測するために圧力計測器や流量計測器等の計測器が必要となり、給水システムの設置コストが高くなってしまう。
これに対して、上記第1実施形態の給水装置100においては、上限センサ11と下限センサ12とからなる簡易なセンサ10を採用して、給水ポンプ2のモータの回転数を制御することができる。この上限センサ11や下限センサ12は、単に水との接触の有無によって検知できるような簡単な構成のセンサで足りる。このため、上記第1実施形態の給水装置100においては、給水システムの設置コストを抑えることができる。
(3)
従来の給水装置では、図17に示すように、給水ポンプのモータの回転数を所定の一定回転数N’かゼロに制御して運転するON・OFF制御が行われている。このような従来の給水装置では、タンク内が短時間で満たされて給水ポンプのON・OFF制御が頻繁に繰り返されることがある。このため、最も多くの電力を消費する給水ポンプの運転開始制御が頻繁に行われてしまうと、給水ポンプの運転制御に大量のエネルギーが必要となっている。
給水装置においては、本来は、利用水量と同じだけのポンプ流量によってタンク内に水を供給する場合に、最もエネルギー効率の良い運転制御を行うことができる。ところが、この利用水量は、各家庭・季節・時間帯等によって不規則に変動する量であるため、給水装置における給水ポンプの選定においては、このように変動する利用水量のうち予想される最大利用水量に対応可能な能力を有する給水ポンプを選定しなければならない。このため、このような供給ポンプが選定されて、最大利用水量に対応可能な最大供給流量の能力でON・OFF運転制御が実行されると、エネルギー効率上好ましくない。
これに対して、上記第1実施形態の給水装置100においては、コントローラ20が、最新の下上検知時間Taや上下検知時間Tbに基づいて給水ポンプ2のポンプ流量Qを調整している。これによって、最新の利用水量の状況を最新の検知時間によって制御に反映させながら、給水ポンプ2のポンプ流量Qを調整することができるようになる。したがって、利用水量の変化が著しい場合を除き、図2および図3において示すように、給水ポンプ2の運転開始時についての時間間隔(運転開始時間間隔Tx)について、後の運転開始時間間隔Tyをより長期化させることが可能になる。これによって、比較的多くの電力が必要とされる給水ポンプ2の運転開始の制御の頻度を減少させることができ、給水装置100を省エネ運転することができるようになる。
(4)
上記第1実施形態における給水装置100においては、上限センサ11と下限センサ12との検知による検知時間間隔Ta、Tb等に基づいて、コントローラ20が給水ポンプ2のポンプ流量Qを調整している。このため、給水装置100では、コントローラ20によるポンプ流量Qの調整において、ポンプ流量Qがどの程度過剰・過少であったのかについての過剰度合い・過少度合いを反映させることができるようになる。このため、利用水量が多少変動したとしても、タンク1から水が溢れ出したりタンク1内が渇水したりすることを防いで、タンク1内の水位を安定化させることができるようになる。
(5)
上記第1実施形態の給水装置100においては、コントローラ20は、下限検知があった場合に、給水ポンプ2のモータの回転数を臨時回転数Nt(最大回転数)に調整して固定時間間隔Teの間給水ポンプ2を運転させる。このため、給水ポンプ2は、タンク1が渇水状態の際に素早く水を供給することができ、タンク1内の渇水状況を迅速に改善することができる。
また、ポンプ流量Qの最適化制御を積み重ねていくにあたって、後の下上検知時間Ta2のカウントを、固定運転時間Teの経過後であるタンク1内の水位がある程度中央付近において安定している状態から開始することができる。このため、後の下上検知時間Ta2やそれ以降の下上検知時間間隔Ta3、Ta4、Ta5・・・のカウント条件をできるだけ均一に保つことができ、信頼性の高い下上検知時間間隔に基づいたポンプ流量Qの調整を積み重ねていくことができる。このため、より迅速に利用水量に近づけることができ、エネルギー効率の良い流量制御をより効果的に実現できるようになる。
<第1実施形態における給水装置の変形例>
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は上記第1実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記第1実施形態では、システムコストを抑えた省エネ運転を可能にするために、検知時間間隔Ta、Tb等に基づいてコントローラ20が給水ポンプ2のポンプ流量Qを調整する給水装置100を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、利用水量が急激に増加して下限検知の状態が続いた場合において、第1実施形態にようにポンプ流量Qを再調整ポンプ流量Q3に調整するのではなくて、図4に示すように、コントローラ20が、給水ポンプ2を初期化制御してモータの回転数を設定回転数Nd(最大回転数)に戻す制御を行い再び設定ポンプ流量Qd(最大ポンプ流量Qmax)に調整する給水装置であってもよい。また、図4に示すように、下上検知時間Ta3および上下検知時間Tb3が経過して、さらにモータを臨時回転数Nt(最大回転数)で固定運転時間Teの間運転した後は、上記第1実施形態と同様に、コントローラ20は、給水ポンプ2のモータの回転数を、以下のようにして算出される調整回転数N4に制御する。具体的には、コントローラ20は、給水ポンプ2のモータの回転数をN4=Nd×Ta3÷(Ta3+Tb3)で求まる調整回転数N4になるように制御を行う。このようにして、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q4に調整して、最適化制御が繰り返される。
なお、他の制御は上述した第1実施形態における制御とほぼ同様であり、このような変形例(A)による制御によっても、上述の効果と同様の省エネ運転制御を実現できる。また、図4において示すように、ポンプ流量Qを調整することによって、給水ポンプ2の運転開始時についての時間間隔(運転開始時間間隔Tx)について、後の運転開始時間間隔Ty、Tzをより長期化させることも可能となる。
(B)
また、上記第1実施形態における給水ポンプ2のモータの調整回転数N1、N2・・・の算出方式は同様にして、上記第1実施形態とは異なる以下のような制御をしてもよい。
すなわち、上記第1実施形態において行われている固定運転時間Teの間の臨時回転数Ntによる運転制御を行わないで、図5において示すように、下限検知時の直後から、給水ポンプ2のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行い調整ポンプ流量Q1によって運転するようにしてもよい。さらに、利用水量が急激に増加する等によって下限検知が連続した際には、下限検知時の直後において、以下のようにして算出される調整回転数N5に制御するようにしてもよい。具体的には、コントローラ20は、図5において示すように、給水ポンプ2のモータの回転数を、最新の下上検知時間Ta1と下下検知時間Tc2と調整回転数N1とによって、N5=(Nd×Ta1+N1×Tc2)÷(Ta1+Tc2)のように算出して求まる調整回転数N5にする制御を行う。このように、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q5に調整して、最適化制御が繰り返される。
このように、第1実施形態の変形例(B)に係る給水装置100では、流体利用量の変動によって下限点を連続して検知してタンク内が枯渇しそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏った調整ポンプ流量と所定ポンプ流量とのバランスをとった直接再調整ポンプ流量に調整することで、タンク内部の流体量をより安定化させることができる。
なお、下限検知時(変形例Bでいう調整回転数N5に制御される時)のコントローラ20の運転制御としては、一般的には、4つの要素に基づいて調整回転数を算出してポンプ流量Qの調整が行われる。この4つの要素とは、具体的には、最新の上限検知時からその過去の下限検知時までの下上検知時間Taと、この下上検知時間Taにおける給水ポンプ2のモータの回転数と、当該下限検知時から最新の下限検知時までの下下検知時間時間Tcと、この下下検知時間Tcにおける給水ポンプ2のモータの回転数との4つである。
(C)
上記第1実施形態の給水装置100における給水ポンプ2の運転制御では、上限検知時に給水ポンプ2の運転を停止してその後にタンク1内の水位が下がることで下限検知時となった際に給水ポンプ2の運転を開始する制御を行うことで、タンク1内の水位を調整している。
しかし、図6において示すように、第1実施形態のように給水ポンプ2の運転制御を行うタイミングを下限点H2における検知時に限定するのではなく、上限検知時においてコントローラ20によって給水ポンプ2のモータの回転数を調整回転数N6に調整することも可能である。
なお、このように上限検知時にポンプ流量Qの調整を行う場合であっても、図6において示すように、上記第1実施形態における固定運転時間Teに対応するような時間、すなわち上限検知時からあらかじめ定められた給水ポンプ2の運転を停止する固定停止時間Te’を設け、臨時ポンプ流量Qt’をゼロとして、タンク1から水が溢れ出さないように調整する制御を行ってもよい。具体的には、コントローラ20は、図6において示すように、給水ポンプ2のモータの回転数をN6=Nd×Ta1÷(Tb1+Ta1)のように算出して求まる調整回転数N6に制御する。このようにして、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q6に調整して、最適化制御が行われる。ここで、上限センサ11の検知から上限センサ11の検知がなされるまでの時間間隔(以下、「上上検知時間Td」という)は、第1実施形態における下下検知時間Tcと同様に、固定停止時間Te’の経過時からカウントして、次に上下検知される時までとする。さらに、コントローラ20は、給水ポンプ2のモータの回転数を、上上検知時間Tdや固定停止時間Te’に基づいて、N7=N6×Td2÷(Te’+Td2)のように算出して求まる調整回転数N7にする制御を行う。このようにして、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q7に調整して、最適化制御が繰り返される。
このように、上限検知時でタンク1内の水位が高くなった際に、臨時に給水ポンプ2の運転を固定停止時間Te’の間停止することで、タンク1から水が漏れだす危険性を抑えながら省エネ運転制御を行うことができる。
(D)
上述の第1実施形態の変形例(B)において示した下限検知時の直後に行う制御と同様に、上限検知時の直後においてポンプ流量Qを制御するような構成にしてもよい。すなわち、図7において示すように、上限検知時の直後において固定停止時間Te’を設けること無く、給水ポンプ2のモータを調整回転数N8にする制御を行い、ポンプ流量Qを調整流量Q8に調整するようにしてもよい。具体的には、コントローラ20は、図7において示すように、給水ポンプ2のモータの回転数をN8=Nd×Ta1÷(Tb1+Ta1)のように算出して求まる調整回転数N8にする制御を行う。このようにして、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q8に調整して、最適化制御が繰り返される。さらに、コントローラ20は、給水ポンプ2のモータの回転数を、最新の上上検知時間Td2および上下検知時間Tb1に基づいて、N9=N8×Td2÷(Tb1+Td2)のように算出して求まる調整回転数N9にする制御を行い、ポンプ流量Qを調整ポンプ流量Q9に調整して最適化制御を繰り返していってもよい。
このように、第1実施形態の変形例(D)の係る給水装置100では、利用水量の変動によって上限点を連続して検知してタンク1から水が溢れそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏った調整ポンプ流量Q8およびその際の上上検知時間Td2と運転が停止されている時間とに基づいてバランスをとった調整ポンプ流量Q9に調整することで、タンク1内部の流体量をより安定化させることができる。
なお、上限検知時(変形例D(図7)でいう調整回転数N9に制御される時)のコントローラ20の運転制御としては、一般的には、4つの要素に基づいて調整回転数を算出してポンプ流量Qの調整が行われる。この4つの要素とは、具体的には、最新の下限検知時からその過去の上限検知時までの上下検知時間Tbと、この上下検知時間Tbにおける給水ポンプ2のモータの回転数と、当該上限検知時から最新の上限検知時までの上上検知時間時間Tdと、この上上検知時間Tdにおける給水ポンプ2のモータの回転数との4つである。
(E)
上記第1実施形態における給水装置100のコントローラ20の給水ポンプ2の運転制御は、センサ10の検知時に行われている。給水装置100において、利用水量は不規則に変動する量であるため、センサ10が一瞬だけ検知したとしても、その後の利用水量の変化により何らポンプ流量Qの調整を行わなくてもタンク1内の水位が安定化することもあり、センサによる一時的な検知で直ちにコントローラ20が流量調整を行うと、その調整が不必要なものであったり、さらには無駄な消費電力使うことになったりする恐れがある。
これに対して、コントローラ20による給水ポンプ2の運転制御は、センサ10の検知があった後から所定の確認時間の間を待ってから行われるようにしてもよい。なお、ここでの確認時間については、給水装置100の運転開始前にコントローラ20によって設定することができるようにしてもよい。
このように、センサ10の検知があった直後に制御を行うのではなく所定の確認時間を待って制御を開始することにより、利用水量の微妙な変化に伴う煩雑で不必要な制御を無くして、不必要な制御動作回数を少なくすることができる。これによって給水ポンプの制御における安定性を向上させることが可能になる。
また、このようにコントローラ20の制御の開始において、センサ10の検知状態で確認時間待つことにより、運転開始時間間隔Txに対して後の運転開始時間間隔Tyをより長くすることができるようになる。このため、給水装置の運転をさらに省エネで実現することができるようになる。
(F)
上述した変形例の他に、上記第1実施形態の給水装置100に対してさらに圧力計測器や流量計測器等を備えさせて、上記制御以外のさらに詳細な制御を可能にさせるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態におけるセンサ10は上限センサ11と下限センサ12との上下2つのセンサから構成されているが、水面の光反射等を利用することによってタンク1内の水位の計測が可能なセンサ等を用いてもよい。これによれば検知を行うためのセンサの数が1つの場合であっても、2つの点の検知が可能になり、上記第1実施形態の給水装置100と同様の効果が得られるようになる。
さらに、上下にセンサを設けて検知を行うような給水装置100とするだけではなくて、チューブやホースのように曲がりくねった形状の流体保持体において2箇所を検知ポイントとしてそれぞれの箇所の検知が可能なセンサを設けた給水装置とすることも可能である。
(G)
本発明は、給水装置100が複数台数連なって構成されるような給水システムであってもよい。この場合に、各給水装置100においてポンプ流量の変化を把握できるような相互状態監視機能を備えさせたり、上位の給水装置100から下位の給水装置100に対して制御指令を送ってポンプ流量Qを調整させたりするような強調制御機能を備えさせたシステムとしてもよい。
また、給水装置100の故障検出のための機能として、定期的に給水ポンプ2をモータの回転数が最高回転数となるように運転して、下上検知時間Taや上下検知時間Tbの整合性を見て故障か否か判断することができるようにしてもよい。また、故障検出時においては、アラーム出力通知がされるような機能を備えさせてもよい。なお、複数の給水ポンプ2で協調制御する場合には、いくつかの給水ポンプ2が故障した際においても、故障していない給水ポンプ2によって流量調整することで連続運転を行うことで対処する。
(H)
また、図8に示すように、タンク1の内部において上限H1よりもさらに上方における上警報点H1’の水位の検知が可能な上警報センサ13や、タンク1の内部において下限H2よりもさらに下方における下警報点H2’の水位の検知が可能な下警報センサ14を設けてもよい。
この場合には、コントローラ20は、さらに上・下警報センサ13、14からもタンク1内の水の検知情報を得ることができるようになるため、ポンプ流量Qの調整態様について多様化させることが可能になる。例えば、急激な利用水量の変動により、上限点H1を大幅に越えたり、下限点H2を大幅に下回ったりすることがあっても、上・下警報センサ13、14が上警報点H1’もしくは下警報点H2’において水の有無を検知することによって、給水装置100において故障や異常が発生していることをコントローラ20に認識させることが可能になる。これにより、コントローラ20に警報表示機能等を設けることで、給水装置100において故障や異常が発生していることを管理者等に知らせることが可能となる。
なお、上・下警報センサ13、14の検知があった場合には、外部からタンク1内部の水位を制御できるように、コントローラ20によって当該外部に指令を送信できるように構成されていてもよい。また、上警報点H1’と下警報点H2’との検知を検知時間間隔に反映させることで、コントローラ20にポンプ流量を詳細に調整させることができるようになる。
<第2実施形態における排水装置>
本発明の第2実施形態が採用された排水装置200の概略構成を図9に示す。
排水装置200は、各利用者の居住する所定の場所等に対して所定の量の水を配送するためにビル等において設けられている。この排水装置200は、タンク201と、タンク201に対して供給される水の流路である給水流路203と、タンク201から排出される水の流路である排水流路204と、排水流路204に設けられた排水ポンプ202と、タンク201内の上限G1の水位を検知する上限センサ211と下限G2の水位を検知する下限センサ212とからなるセンサ210と、排水ポンプ202の流量を調節するコントローラ220とを備えている。
第2実施形態における排水装置200においては、給水流路203を通過してタンク201に対して供給される水の流量が不規則に変動する場合において用いられる。第2実施形態における排水装置200においても、上記第1実施形態における給水装置100と同様にコントローラ220が排水ポンプ202の流量制御を行うことで、システムコストを抑えて省エネ運転しながらタンク201内の水位を安定に維持することができるようになる。
(通常制御)
ここでは、給水流路203からタンク201に対して供給される水量の変化が比較的小さい場合のコントローラ220による排水ポンプ202の通常制御について説明する。なお、上記第1実施形態とほぼ同様の部分については省略する。
まず、図10において示すように、上限検知された場合に、コントローラ220が、排水ポンプ202のモータの回転数を設定回転数Ndにする制御を行い、ポンプ流量Pを設定ポンプ流量Pdに調整してタンク201からの排出流量が最大となるようにする。この場合、タンク201への供給水量に対してポンプ流量Pが過剰な状態となるため、タンク201内の水位が下降していき、タンク201内は短時間で渇水しそうになり、図10において示すように、下限センサ212が検知する。そして、コントローラ220は、下限検知された際に、排水ポンプ202のモータの回転数をゼロにして排水ポンプ202の運転を停止する制御を行う。これにより、タンク201内の水位の下降を留めることができる。そして、タンク201内の水位は、給水流路203を介してタンク201に供給される水の分量だけ上昇していき、水位が下限G2を越えた時に下限センサ212が検知しなくなる。そして、さらにタンク201内の水位が上昇していき、水位が上限G1を超えた時に上限センサ211が検知し始め、タンク201内の水量が過剰な状態となる。
この上限検知の際に、コントローラ220は、排水ポンプ202のモータの回転数を臨時回転数Nt(最大回転数)に上げる制御を行い、ポンプ流量Pを臨時ポンプ流量Pt(最大ポンプ流量Pmax)に調整する。ここで、排水ポンプ202のモータの臨時回転数Ntは、設定回転数Ndと同様に、排水装置200の運転開始前にあらかじめ設定することができる値であり、ここでも設置される排水ポンプ202の能力が最大限に発揮される値に設定される。このように、上限検知されてタンク201内の水が過剰な場合に、ポンプ流量Pを最大ポンプ流量Pmaxとすることで、タンク201から水が溢れ出さないようにすることができる。すなわち、コントローラ220は、このようにポンプ流量Pを最大ポンプ流量Pmaxとした運転状態であらかじめ設定された固定運転時間Tqの間だけ、臨時に運転する。なお、固定運転時間Tqは、特に何分何秒と具体的に定められた時間でなくてもよく、例えば、上限センサ211における上限検知が終了するまでの間、すなわち上限G1よりもタンク201内の水位が低い状態になるまでの間として設定したり、また、排水ポンプ202のモータの臨時回転数Ndの値やタンク201の容量、底面積や高さ等のパラメータから求まる時間として設定したりすることも可能である。なお、ここでの固定運転時間Tqは、排水装置200の設置場所における利用水量の平均値を反映させて、臨時ポンプ流量Pt(最大ポンプ流量Pmax)での運転によってタンク201内の水位を上限G1と下限G2の中間程度にすることができるような時間を設定している。
その後、コントローラ220は、タンク201内の水位が安定してくる固定運転時間Tq経過時において、図10に示すように、排水ポンプ202を運転させていた上下検知時間Tm1と、この上下検知時間Tm1の間の排水ポンプ202のモータの設定回転数Ndと、排水ポンプ202を停止している下上検知時間Tnとに基づいて、排水ポンプ202のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行い、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P1に調整する。具体的には、図10において示すように、コントローラ220では、排水ポンプ202のモータの回転数をN1=Nd×Tm1÷(Tm1+Tn1)によって求まる調整回転数N1にする制御を行う。このようにして、ポンプ流量Pを臨時ポンプ流量Pt(最大ポンプ流量Pmax)から調整ポンプ流量P1に調整して、最適化制御が行われる。このように排水ポンプ202のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行った後から次に下限センサ212における検知がある時まで、排水ポンプ202のモータは調整回転数N1で運転される。この調整回転数N1で運転されている時間は、コントローラ220によってカウントされて、上下検知時間Tm2としてコントローラ220のメモリに格納される。
そして、図10において示すように、排水ポンプ202のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行った後に、下限センサ212での検知があると、この下限検知時に、コントローラ220は、再びモータの回転数をゼロにして排水ポンプ202の運転を停止する制御を行う。これによって、タンク201に対して供給される水量にしたがってタンク201内の水位は上昇していき、下上検知時間Tn2の経過時において再び上限センサ211での検知がなされる。この上限検知の際に、コントローラ220は、上述した制御と同様に、排水ポンプ202のモータの回転数を臨時回転数Nt(最大回転数)に上げる制御を行い、固定運転時間Tqの間ポンプ流量Pを最大供給流量Qに調整して運転する。
この固定運転時間Tqが経過すると、コントローラ220は、最新の上下検知時間Tm2および下上検知時間Tn2に基づいて、再び排水ポンプ202のモータの回転数を制御して、ポンプ流量Pの最適化制御を行い、モータの回転数を調整回転数N2になるように調整する。具体的には、コントローラ220では、図10において示すように、排水ポンプ202のモータの回転数をN2=N1×Tm2÷(Tm2+Tn2)によって求まる調整回転数N2に調整する。このようにして、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P2に再調整して、最適化制御が繰り返される。
なお、排水ポンプ202のモータの回転数は、上述した算出方法によって調整回転数N1、N2が算出された場合であっても、コントローラ220によって、あらかじめ設定さられた最低回転数Nmin以下にはならないように制御される。これによって上限センサ211の検知が必要以上に頻繁に繰り返される事態を防いでいる。
ここでは、上述したように、コントローラ220によって排水ポンプ202のモータの回転数をインバータ制御することによりタンク201からの排出流量が調整され、排水ポンプ202のモータの回転数を最大回転数よりも低い調整回転数N1やN2に落とした制御を実現することができる。また、ポンプ流量Pを調整することによって、排水ポンプ202の運転開始時についての時間間隔(運転開始時間間隔Tx)について、後の運転開始時間間隔Tyをより長期化させることが可能になる。これによって、比較的多くの電力が必要とされる排水ポンプ202の運転開始の制御頻度を減少させている。このように、排水装置200におけるポンプ流量Pの調整によって、省エネ運転制御を実現することができる。
(連続検知制御)
ここでは、給水流路203から供給される水量の変化が比較的大きい場合のコントローラ220による排水ポンプ202の連続検知制御について説明する。
この連続検知制御においても、コントローラ220によって排水ポンプ202のモータの回転数を調整回転数N1になるように制御する段階までは通常制御と同様である。ところが、図11に示すように、上限検知によって下上検知時間Tn1が経過した後に臨時ポンプ流量Ptによって運転されて調整ポンプ流量P1による運転がなされていても、タンク201に対する供給水量が急激に減少した場合等によって、下限センサ212が検知する前に再度上限センサ211が検知する場合がある。このような場合に、コントローラ220によって連続検出制御が行われる。上限センサ211の検知が連続した状態とは、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P1に調整した運転を行ったとしてもなお供給水量の減少分によってタンク201内の水位が上がってしまい、再び上限検知をしたという状態である。
このため、図11に示すように、コントローラ220は、再び排水ポンプ202のモータの回転数を臨時回転数Nt(最大回転数)にする制御を行い、臨時ポンプ流量Ptによって固定運転時間Tqの間排水ポンプ202を運転する。また、コントローラ220は、固定運転時間Tqが経過した時から後の上限検知があるまでの上上検知時間To2をカウントして、メモリに格納する。
そして、この固定運転時間Tqが経過すると、コントローラ220は、固定運転時間Tqおよび上上検知時間To2に基づいて、再び排水ポンプ202のモータの回転数を制御してポンプ流量Pの最適化制御を行い、排水ポンプ202のモータの回転数を再調整回転数N3に調整する。具体的には、コントローラ220では、図11において示すように、排水ポンプ202のモータの回転数をN3=(Nt×Tq+N1×To2)÷(Tq+To2)によって求まる再調整回転数N3に調整する。このようにして、ポンプ流量Pを再調整ポンプ流量P3に調整して、ポンプ流量Qの最適化制御が繰り返される。これにより、排水ポンプ202のモータの回転数は、下限センサ212が検知した時点の回転数である調整回転数N1よりも大きい値に調整することができ、タンク201内の水位を下降させてタンク201内の水量を安定化させることができる。この場合においても、再調整回転数N3は、最大回転数よりも回転数を少なくすることができる。また、ポンプ流量Pを調整することによって、連続運転制御においても、図11に示すように、排水ポンプ202の運転開始時についての時間間隔(運転開始時間間隔Tx)について、後の運転開始時間間隔Tyをより長期化させることが可能になる。これによって、比較的多くの電力が必要とされる排水ポンプ202の運転開始の制御頻度を減少させている。このように、連続運転制御においても、排水装置200におけるポンプ流量Pの調整によって、省エネ運転制御を実現することができる。
以上の排水装置200の運転制御により、タンク201内の水量の調整を行い、タンク201から水が溢れ出したりタンク201が渇水したりすることのないように調整することができる。
<第2実施形態における排水装置の変形例>
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は上記第2実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記第2実施形態では、システムコストを抑えた省エネ運転を可能にするために、検知時間間隔Tm、Tn等に基づいてコントローラ220が排水ポンプ202のポンプ流量Pを調整する排水装置200を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、タンク201に対する供給水量が急激に増加して上限検知の状態が続いた場合において、第2実施形態にようにポンプ流量Pを再調整ポンプ流量P3に調整するのではなくて、図12に示すように、コントローラ220が、排水ポンプ202を初期化制御してモータの回転数を設定回転数Nd(最大回転数)に戻す制御を行い再び設定ポンプ流量Pd(最大ポンプ流量Pmax)に調整する給水装置であってもよい。また、図12に示すように、上下検知時間Tm3および下上検知時間Tn3が経過して、さらにモータを臨時回転数Nt(最大回転数)で固定運転時間Tqの間運転した後は、上記第2実施形態と同様に、コントローラ220は、排水ポンプ202のモータの回転数を、以下のようにして算出される調整回転数N4に制御する。具体的には、コントローラ220は、排水ポンプ202のモータの回転数をN4=Nd×Tm3÷(Tm3+Tn3)で求まる調整回転数N4になるように制御を行う。これにより、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P4に調整して、最適化制御が繰り返される。
なお、他の制御は上述した第2実施形態における制御とほぼ同様であり、このような変形例(A)による制御によっても、上述の効果と同様の省エネ運転制御を実現できる。また、図12において示すように、ポンプ流量Pを調整することによって、排水ポンプ202の運転開始時についての時間間隔(運転開始時間間隔Tx)について、後の運転開始時間間隔TyやTzをより長期化させることも可能となる。
(B)
また、上記第2実施形態における排水ポンプ202のモータの調整回転数N1、N2・・・の算出方式は同様にして、上記第2実施形態とは異なる以下のような制御をしてもよい。
すなわち、上記第2実施形態において行われている固定運転時間Tqの間の臨時回転数Ntによる運転制御を行わないで、図13において示すように、上限検知時の直後から、排水ポンプ202のモータの回転数を調整回転数N1にする制御を行い調整ポンプ流量P1によって運転するようにしてもよい。さらに、給水流路203からタンク201に対して供給される水量(供給水量)が急激に減少する等によって上限検知が連続した際には、上限検知時の直後において、以下のようにして算出される調整回転数N5に制御するようにしてもよい。具体的には、コントローラ220は、図13において示すように、排水ポンプ202のモータの回転数を、最新の上下検知時間Tm1と上上検知時間To2と調整回転数N1とによって、N5=(Nd×Tm1+N1×To2)÷(Tm1+To2)のように算出して求まる調整回転数N5にする制御を行う。このように、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P5に調整して、最適化制御が繰り返される。
このように、第2実施形態の変形例(B)に係る排水装置200では、供給水量の変動によって上限点を連続して検知してタンク201内の水が溢れそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏ったポンプ流量Pである調整ポンプ流量P1と設定ポンプ流量Pdとのバランスをとった調整ポンプ流量P5に調整することで、タンク201内の水量をより安定化させることができる。
なお、上限検知時(変形例Bでいう調整回転数N5に制御される時)のコントローラ220の運転制御としては、一般的には、4つの要素に基づいて調整回転数を算出してポンプ流量Pの調整が行われる。この4つの要素とは、具体的には、最新の下限検知時からその過去の上限検知時までの上下検知時間Tmと、この上下検知時間Tmにおける排水ポンプ202のモータの回転数と、当該上限検知時から最新の上限検知時までの上上検知時間時間Toと、この上上検知時間Toにおける排水ポンプ202のモータの回転数との4つである。
(C)
上記第2実施形態の排水装置200における排水ポンプ202の運転制御では、下限検知時に排水ポンプ202の運転を停止してその後にタンク201内の水位が上がることで上限検知時となった際に排水ポンプ202の運転を開始する制御を行うことで、タンク201内の水位を調整している。
しかし、図14において示すように、第2実施形態のように排水ポンプ202の運転制御を行うタイミングを上限検知時に限定しないで、下限検知時において、コントローラ220によって排水ポンプ202のモータの回転数を調整回転数N6に調整することも可能である。
なお、このように下限検知時にポンプ流量Pの調整を行う場合であっても、図14において示すように、上記第2実施形態における固定運転時間Tqに対応するような時間、すなわち下限検知時からあらかじめ定められた排水ポンプ202の運転を停止する固定停止時間Tq’を設け、臨時ポンプ流量Pt’をゼロとして、タンク201内の水が枯渇しないように調整する制御を行ってもよい。具体的には、コントローラ220は、図14において示すように、排水ポンプ202のモータの回転数をN6=Nd×Tm1÷(Tn1+Tm1)のように算出して求まる調整回転数N6に制御する。これによって、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P6に調整して、最適化制御が繰り返される。ここで、下限センサ212の検知から下限センサ212の検知がなされるまでの時間間隔(以下、「下下検知時間Tp」という)は、第2実施形態における上上検知時間Toと同様に、固定停止時間Tq’の経過時からカウントして、次に下上検知される時までとする。さらに、コントローラ220は、排水ポンプ202のモータの回転数を、下下検知時間Tpや固定停止時間Tq’に基づいて、N7=N6×Tp2÷(Tq’+Tp2)のように算出して求まる調整回転数N7にする制御を行い、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P7に調整して、最適化制御を繰り返していってもよい。
このように、上限検知時でタンク201内の水位が低くなった際に、臨時に排水ポンプ202の運転を固定停止時間Tq’の間停止することで、タンク201内の水が枯渇してしまう危険性を抑えながら省エネ運転制御を行うことができる。
(D)
上述の第2実施形態の変形例(B)において示した上限検知時の直後に行う制御と同様に、下限検知時の直後においてポンプ流量Pを制御するようにしてもよい。すなわち、図15において示すように、下限検知時の直後において、変形例(C)の固定停止時間Tq’(図14等参照)を設けること無く、排水ポンプ202のモータを調整回転数N8にする制御を行い、ポンプ流量Pを調整流量P8に調整するようにしてもよい。具体的には、コントローラ220は、図15において示すように、排水ポンプ202のモータの回転数をN8=Nd×Tm1÷(Tn1+Tm1)のように算出して求まる調整回転数N8にする制御を行う。このようにして、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P8に調整して、最適化制御が繰り返される。さらに、コントローラ220は、排水ポンプ202のモータの回転数を、最新の下下検知時間Tp2および下上検知時間Tn1に基づいて、N9=N8×Tp2÷(Tn1+To2)のように算出して求まる調整回転数N9にする制御を行い、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P9に調整して最適化制御を繰り返していってもよい。
このように、第2実施形態の変形例(D)に係る排水装置200では、ポンプ流量Pを調整ポンプ流量P9に調整することにより供給水量に近づけることが可能となり、ポンプ流量Pが流体水量に対して過剰になっている状態での運転時間を減少させることが可能になる。このため、排水ポンプ202の運転制御において用いられるエネルギーをより効果的に減少させることができる。また、タンク201への供給水量の変動によって下限点を連続して検知してタンク201内が枯渇しそうになる場合であっても、連続して検知された際の偏った調整ポンプ流量P8をその調整ポンプ流量P8で運転した時間と直近の排水ポンプ202の運転停止時間とでバランスをとった調整ポンプ流量P9にポンプ流量Pを調整することで、タンク201内部の水量をより安定化させることができる。
なお、下限検知時(変形例Dでいう調整回転数N9に制御される時)のコントローラ220の運転制御としては、一般的には、4つの要素に基づいて調整回転数を算出してポンプ流量Pの調整が行われる。この4つの要素とは、具体的には、最新の上限検知時からその過去の下限検知時までの下上検知時間Tnと、この下上検知時間Tnにおける排水ポンプ202のモータの回転数と、当該下限検知時から最新の下限検知時までの下下検知時間時間Tpと、この下下検知時間Tpにおける排水ポンプ202のモータの回転数との4つである。
(E)
また、図16に示すように、タンク201の内部において上限G1よりもさらに上方における上警報点G1’の水位の検知が可能な上警報センサ213や、タンク201の内部において下限G2よりもさらに下方における下警報点G2’の水位の検知が可能な下警報センサ214を設けてもよい。
この場合には、コントローラ220は、さらに上・下警報センサ213、214からもタンク201内の水の検知情報を得ることができるようになるため、ポンプ流量Pの調整態様について多様化させることが可能になる。例えば、急激な利用水量の変動により、上限点G1を大幅に越えたり、下限点G2を大幅に下回ったりすることがあっても、上・下警報センサ213、214が上警報点G1’もしくは下警報点G2’において水の有無を検知することによって、排水装置200において故障や異常が発生していることをコントローラ220に認識させることが可能になる。これにより、コントローラ220に警報表示機能等を設けることで、排水装置200において故障や異常が発生していることを管理者等に知らせることが可能となる。
なお、上・下警報センサ213、214の検知があった場合には、外部からタンク201内部の水位を制御できるように、コントローラ220によって当該外部に指令を送信できるように構成されていてもよい。また、上警報点G1’と下警報点G2’との検知を検知時間間隔に反映させることで、コントローラ220にポンプ流量を詳細に調整させることができるようになる。