JP4567745B2 - 通信システムにおける通信の切り替え方法 - Google Patents

通信システムにおける通信の切り替え方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4567745B2
JP4567745B2 JP2007537512A JP2007537512A JP4567745B2 JP 4567745 B2 JP4567745 B2 JP 4567745B2 JP 2007537512 A JP2007537512 A JP 2007537512A JP 2007537512 A JP2007537512 A JP 2007537512A JP 4567745 B2 JP4567745 B2 JP 4567745B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication
communication device
packet
destination
application
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007537512A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007037016A1 (ja
Inventor
英明 田草川
恵一 中津川
純一 須加
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Publication of JPWO2007037016A1 publication Critical patent/JPWO2007037016A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4567745B2 publication Critical patent/JP4567745B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/14Reselecting a network or an air interface
    • H04W36/142Reselecting a network or an air interface over the same radio air interface technology
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0011Control or signalling for completing the hand-off for data sessions of end-to-end connection
    • H04W36/0019Control or signalling for completing the hand-off for data sessions of end-to-end connection adapted for mobile IP [MIP]
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W40/00Communication routing or communication path finding
    • H04W40/02Communication route or path selection, e.g. power-based or shortest path routing
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W40/00Communication routing or communication path finding
    • H04W40/24Connectivity information management, e.g. connectivity discovery or connectivity update
    • H04W40/248Connectivity information update

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)

Description

本発明は、通信技術に関し、特に、通信ネットワークに接続可能な通信デバイスが周囲に複数存在するようなユビキタス環境において、利用する通信デバイスを切り替える技術に関する。
近年、パソコン、携帯電話やネット家電を始めとして、インターネットなどのグローバルIPネットワークに繋がる通信デバイスが急激なスピードで増加している。また、このようなネットワークと通信デバイスとを繋ぐ接続手段においても、xDSL回線、CATV網、LAN、セルラ通信網などと多様化している。その一方で、通信デバイス自身の周囲に存在する通信デバイス同士との通信を実現する通信規格として、RFID(Radio Frequency Identification)、無線LAN等のアドホックネットワーク、PLC(Power Line Communication)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band )などといった近距離通信規格も提案されており、今後、グローバルIP通信機能と近距離通信機能との双方に対応している通信デバイスの増加が予測される。
将来のユビキタス環境においては、これらのようなネットワーク接続機能を持つ通信デバイスがユーザの身の周りに複数存在するという状況も十分考えられる。例えば、ユーザの自宅という環境であれば、このような通信デバイスとして、パソコン、電話機、テレビ受像機、ステレオセット、PDA、携帯電話などの機器を挙げることができる。これらの通信デバイスは、プロセッサやメモリなどの性能、ディスプレイやタッチパネルなどの入出力機能、搭載アプリケーション、などの面で個々に異なる特徴を持っている。従って、各通信デバイスは、ユーザの目的(例えば「テレビ電話で会話する」など)に応じ、周囲の通信デバイス(以下、近隣通信デバイス)と自由自在に連携し、近隣通信デバイスを有効に利用することができると好ましい。更には、ユーザの移動などの要因により、利用可能である近隣通信デバイスが変化した場合においても、使用中のアプリケーションを継続して使用することをユーザは望むであろう。こういった要求を満たすために、今後のユビキタス社会では、通信デバイスが複数の近隣通信デバイスと動的に連携する技術が重要となってくる。
近隣通信デバイスの連携に関する技術として、例えば特許文献1では、例えばパソコンで行っていた通信を外出する際に携帯電話へ切り替えるなど、ユーザの移動や通信環境の変化に応じてユーザが利用する通信デバイスをシームレスに切り替える「デバイスシームレス」技術を提案している。
また、非特許文献1には、(株)富士通研究所が提案している「タスクコンピューティング」技術が開示されている。この技術では、例えば、携帯電話で受信した画像を周囲のテレビで表示させるなど、周囲の機器を自由に組み合わせて利用するというものである。
この他、本発明に関連する技術として、例えば特許文献2には、互いに異なる無線通信方式の無線通信モジュールの送受信タイミングを制御して通信効率を向上させる技術が開示されている。
国際公開第02/15630号パンフレット 特開2005−45330号公報 "Newテクノロジー ユビキタス世界を支える情報機器連携「タスクコンピューティング」"、富士通ジャーナル2005年2月・3月合併号(278号)、富士通株式会社、[平成17年8月31日検索]<URL:http://journal.fujitsu.com/278/newtechnology/>
上掲した特許文献1に開示されている「デバイスシームレス」技術では、シームレスデバイスが同時には1つのデバイスしか使用しないため、複数のデバイスが使用可能な環境においても、デバイス連携の効果が、ある1つのデバイスの性能、入出力機能、ネットワーク接続機能に限定されてしまう。この問題について、図1を用いて更に説明する。
図1において、ユーザは、携帯電話1000及びパソコン(PC)2000が通信デバイスとして利用可能であり、これらを用いてサーバ3000で提供されるサービスを利用する。ここで、携帯電話1000が通信に使用するセルラ通信網1100と、PC2000が通信に使用するxDSL回線2100とは、いずれもIPネットワーク3100に接続されており、サーバ3000との間での各種のデータの授受は、IPネットワーク3100を介して行われる。
この環境において、PC2000がサーバ3000から提供を受けているテレビ電話通信サービスを、音声入出力の利便性がPC2000よりも優れている携帯電話1000へと切り替えて利用する場合を考える。図1の左側のイラストはこの切り替え前の様子を示しており、同図右側のイラストはこの切り替え後の様子を示している。
テレビ電話通信サービスにおいては、ユーザは、通信デバイスを用いて、通信パケットである音声データパケット3001及び映像データパケット3002の両方の授受をサーバ3000との間で行う必要がある。しかし、上述した「デバイスシームレス」技術では、シームレスデバイスが同時には1つのデバイスしか使用しないため、通信デバイスを切り替えると音声データパケット3001及び映像データパケット3002の両方の授受処理がPC2000から携帯電話1000へと切り替わってしまう。このため、映像データパケット3002で表される映像の表示において携帯電話1000よりも良好な画質を期待できるPC2000の大型ディスプレイや、セルラ通信網1100よりも多い通信容量を確保できるxDSL回線2100を有効に活用することができない。
一方、上掲した非特許文献1に開示されている「タスクコンピューティング」技術では、複数のデバイスの同時利用が可能であるが、自己の周囲に存在している通信デバイスによるネットワーク接続を利用するということについての考慮はなされていない。この問題について、図2を用いて更に説明する。
図2において、携帯電話1000、PC2000、サーバ3000、セルラ通信網1100、xDSL回線2100、及びIPネットワーク3100は、図1に示したものと同様のものである。
「タスクコンピューティング」技術では、図1を用いて説明したもの同様の通信デバイスの切り替えを行うと、携帯電話1000は、サーバ3000から送られてくる音声データパケット3001及び映像データパケット3002のうち映像データパケット3002をPC2000へ転送して、映像データ3002で表される映像をPC2000の大型ディスプレイで表示させる「タスク」を実行させることはできる。しかし、この技術においても、PC2000で利用可能なxDSL回線2100は活用されず、ユーザは、セルラ通信網1100によって制限されている、通信コスト、通信速度、ネットワーク混雑度、電波状況、QoS(Quality of Service)機能の範囲でしか、テレビ電話通信サービスを享受することができない。
このように、「デバイスシームレス」技術と「タスクコンピューティング」技術とのどちらにおいても、グローバルIP通信機能を備える通信デバイスが自己の周囲に存在している場合に、通信デバイスを跨る複数のネットワーク資源(ネットワークリソース)を有効活用することはできていない。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、複数の通信デバイスが利用可能な環境において、通信デバイスを跨る複数のネットワークリソースを有効活用できるようにすることである。
本発明の態様のひとつである通信切り替え方法は、複数の通信デバイスを有する通信システムで行われる通信における通信の切り替えの方法であって、当該通信デバイスにおける環境変化を当該通信デバイスで検出し、当該環境変化を検出した通信デバイスにより、通信に利用する通信デバイス及び通信経路の選択を行い、当該選択の結果に従い、通信相手先から送られてくる通信パケットを、当該通信パケットに示されている宛先の通信デバイスと、当該宛先通信デバイスに物理的に近隣に位置している近隣通信デバイスとに振り分けて配送することにより、当該宛先通信デバイスのみを利用する通信から複数の通信デバイスを利用する通信へと切り替える、ことを特徴とするものである。
上記のようにして環境変化に応じて通信パケットを振り分けることにより、宛先通信デバイスと近隣通信デバイスとの両者が各々有しているネットワークリソースを共に有効に活用できるようになる。
なお、上述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該近隣通信デバイスは、例えば当該宛先通信デバイスと直接に通信パケットの授受が可能な通信デバイスである。
また、前述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該環境変化の検出では、当該近隣通信デバイスの変化、当該環境変化を検出する通信デバイスが接続されている通信ネットワークの状態変化、及び、当該通信デバイスにおいて実行中のアプリケーションの状態変化のうちのいずれをも検出可能である。
こうすることより、これらの変化をきっかけにして上述した通信の切り替えか行われるようになる。
また、前述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該通信デバイス及び通信経路の選択を、各通信デバイスの特性、各通信デバイスが接続されている通信ネットワークの特性、及び、各通信デバイスで実行されている通信アプリケーションの特性のうちのいずれか1以上に基づいて行うようにしてもよい。
上記の選択を上述した特性に基づいて行うことにより、これらの特性に応じて適切な選択を行うことができる。
ここで、上述した各通信デバイスの特性には、例えば、各通信デバイスの処理性能、各通信デバイスが備えている入出力機能、及び、各通信デバイスに搭載されている通信アプリケーション、のうちのいずれか1以上が含まれる。
また、上述した各通信デバイスが接続されている通信ネットワークの特性には、例えば、各通信デバイスにおける通信ネットワークとの接続状態、当該通信ネットワークを利用する際の通信コスト、当該通信ネットワークで各通信デバイスが利用可能な通信速度、各通信デバイスと通信ネットワークとの間を接続する転送路の状況、及び、各通信デバイスにおける通信パケットの転送機能の有無、のうちのいずれか1以上が含まれる。
また、上述した各通信デバイスで実行されている通信アプリケーションの特性には、例えば、当該通信アプリケーションが処理対象とするフローの種別毎の各通信デバイスでの再生可否、及び、当該通信アプリケーションが必要とする通信帯域、のうちのどちらか1以上が含まれる。
また、前述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該複数の通信デバイスを利用する通信では、当該近隣通信デバイスへ配送されてきた当該通信パケットを当該近隣通信デバイスが当該宛先通信デバイスへ転送するようにしてもよい。
こうすることにより、宛先通信デバイスへの通信パケットの中継装置として近隣通信デバイスが機能するので、近隣通信デバイスの有するネットワークリソースが有効活用される。
また、前述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該複数の通信デバイスを利用する通信では、当該近隣通信デバイスへ配送されてきた当該宛先通信デバイス宛の当該通信パケットを当該近隣通信デバイスが終端するようにしてもよい。
こうすることにより、宛先通信デバイスへの通信パケットの終端装置として近隣通信デバイスが機能するので、近隣通信デバイスの有するネットワークリソースが有効活用される。
さらに、前述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該複数の通信デバイスを利用する通信では、当該宛先通信デバイスへ配送されてきた当該通信パケットを当該宛先通信デバイスが当該近隣通信デバイスへ転送するようにしてもよい。
こうすることにより、宛先通信デバイスが中継装置として近隣通信デバイスへの通信パケットの転送を行うため、宛先通信デバイスより処理性能が高い近隣通信デバイスでのアプリケーションの再生も可能となる。
また、前述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該通信デバイス及び通信経路の選択を、各通信デバイスを使用するユーザ毎、通信アプリケーション毎、若しくは、当該通信アプリケーションが処理対象とするフローの種別毎で行うようにしてもよい。
こうすることにより、上述したユーザ毎、通信アプリケーション毎、若しくは、フローの種別毎に適切な上記選択がなされるので、ネットワークリソースがより有効に活用される。
また、前述した本発明に係る通信切り替え方法において、当該通信パケットの振り分けを、当該通信パケットに示されているパケット識別子を利用して行うようにしてもよい。
こうすることにより、通信相手側では特段の方策を施すことなく、ネットワークリソースの有効活用が可能となる。
なお、このとき、パケット識別子として、例えば、前記通信パケットに示されているレイヤ2アドレス、レイヤ3アドレス、ポート番号、QoSフィールド、及びセッションIDのうちの少なくとも1以上を利用して前記振り分けを行うことができる。
本発明の別の態様のひとつである通信システムは、複数の通信デバイスを有する通信システムであって、当該通信デバイスにおける環境変化を検出する検出手段と、当該環境変化の検出に応じ、通信に利用する通信デバイス及び通信経路の選択を行う選択手段と、当該選択の結果に従い、通信相手先から送られてくる通信パケットを、当該通信パケットに示されている宛先の通信デバイスと、当該宛先通信デバイスに物理的に近隣に位置している近隣通信デバイスとに振り分けて配送することにより、当該宛先の通信デバイスのみを利用する通信から複数の通信デバイスを利用する通信へと切り替える切り替え手段と、を有することを特徴とするものである。
上述した構成を有する通信システムによれば、環境変化に応じて通信パケットを振り分けることで、宛先通信デバイスと近隣通信デバイスとの両者が各々有しているネットワークリソースを共に有効に活用できるようになる。
また、本発明の更なる別の態様のひとつである通信システムは、複数の通信デバイスを有する通信システムにおける通信デバイスであって、当該通信デバイスにおける環境変化を検出する検出手段と、当該環境変化の検出に応じ、通信に利用する通信デバイス及び通信経路の選択を行う選択手段と、当該選択の結果に従い、通信相手先から送られてくる通信パケットを、当該通信パケットに示されている宛先の通信デバイスと、当該宛先通信デバイスに物理的に近隣に位置している近隣通信デバイスとに振り分けて配送させる指示を発することにより、当該宛先の通信デバイスのみを利用する通信から複数の通信デバイスを利用する通信へと切り替えさせる切り替え指示手段と、を有することを特徴とするものである。
上述した構成を有する通信デバイスを有する通信システムによれば、環境変化に応じて通信パケットを振り分けることで、宛先通信デバイスと近隣通信デバイスとの両者が各々有しているネットワークリソースを共に有効に活用できるようになる。
以上のようにすることにより、本発明によれば、複数の通信デバイスが利用可能な環境において、通信デバイスを跨る複数のネットワークリソースが有効活用できるようになるという効果を奏する。
従来技術の抱える課題を説明する図(その1)である。 従来技術の抱える課題を説明する図(その2)である。 本発明を実施する通信システムの構成を示す図である。 図3に示されている携帯電話の構成を示す図である。 図3に示されているPCの構成を示す図である。 図3に示した通信システムにおける自立型の通信経路の例を示す図である。 図3に示した通信システムにおける依存型の通信経路の例を示す図である。 図3に示した通信システムの携帯電話において行われる制御処理の処理内容をフローチャートで示した図である。 図3に示した通信システムのPCにおいて行われる制御処理の処理内容をフローチャートで示した図である。 自通信デバイスで行われる通信デバイス及び通信経路の選択処理の処理例をフローチャートで表した図(その1)である。 自通信デバイスで行われる通信デバイス及び通信経路の選択処理の処理例をフローチャートで表した図(その2)である。 実施例1によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を示す図である。 通信パケットの識別子の例を示す図である。 実施例2によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を示す図である。 実施例3によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を示す図である。 実施例4によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を示す図である。
符号の説明
10 携帯電話
11 制御部
12 セルラ網通信部
13 無線LAN通信部
14 入力部
15 出力部
16 バス
20 PC
21 MPU
22 ROM
23 RAM
24 HDD
25 入力部
26 出力部
27 xDSL通信部
28 無線LAN通信部
29 バス
30 通信相手端末
31 VoIP通信相手端末
32 ライブストリーミングサーバ
33 テレビ電話通信相手端末
34 中継装置
40 IPネットワーク
50 セルラ通信網
60 xDSL回線
1000 携帯電話
1100 セルラ通信網
2000 PC
2100 xDSL回線
3000 サーバ
3001 音声データパケット
3002 映像データパケット
3100 IPネットワーク
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず図3について説明する。同図は本発明を実施する通信システムの構成を示している。
図3に示す通信システムにおいて、自通信デバイスである携帯電話(テレビ電話機能搭載)10の周囲には、近隣通信デバイスであるPC20が存在している。通信相手端末30が通信に使用するIPネットワーク40には、携帯電話10が通信に使用するセルラ通信網50と、PC20が通信に使用するxDSL回線60とが各々接続されて通信ネットワークが構成されている。なお、携帯電話10及びPC20はいずれも無線LAN機能を搭載しており、当該無線LAN機能のアドホックモードを使用することによって両者間での通信データの授受を直接に行うことができるものとする。
次に図4について説明する。同図は携帯電話10の構成を示している。
図4において制御部11、セルラ網通信部12、無線LAN通信部13、入力部14、及び出力部15はいずれもバス16に接続されており、制御部11の管理の下で各種のデータを相互に授受することができる。
制御部11はマイクロプロセッサ(MPU)と記憶部とを備えており、記憶部に予め記憶されている制御プログラムをMPUが実行することによって、携帯電話10全体の動作を制御する。
セルラ網通信部12は、携帯電話10をセルラ通信網50へ接続してセルラ通信網50との間での各種のデータの授受を管理する。
無線LAN通信部13は、携帯電話10と周囲の無線LAN機器との間での各種のデータ授受を管理する。
入力部14は、携帯電話10のユーザからの入力の取得を行うものであり、例えば音声取得用のマイクロフォンや、操作指示取得用の各種の操作スイッチ群を備えている。
出力部15は、携帯電話10のユーザへ各種の情報を提示するものであり、例えば映像や文字情報の表示用のディスプレイや、音声出力用のスピーカを備えている。
次に図5について説明する。同図はPC20の構成を示している。
図5においてMPU21、ROM22、RAM23、HDD24、入力部25、出力部26、xDSL通信部27、及び無線LAN通信部28はいずれもバス29に接続されており、制御部11の管理の下で各種のデータを相互に授受することができる。
MPU21は、HDD24に予め記憶されている制御プログラムを読み出して実行することによって、PC20全体の動作を制御する。
ROM22は、MPU21によって実行される基本制御プログラムが予め格納されているメモリであり、PC20の起動時にMPU21がこの基本制御プログラムを実行することによってPC20全体の動作の基本的な制御がMPU21によって行なわれる。
RAM23は、各種の制御プログラムをMPU21が実行するときにワークメモリとして使用され、また各種のデータの一時的な格納領域として必要に応じて用いられるメインメモリとしても機能するメモリである。
HDD24はハードディスク装置であり、PC20で実行される各種の制御処理をMPU21に行わせるための制御プログラムが予め格納されている。
入力部25は、PC20のユーザからの入力の取得を行うものであり、例えば操作指示取得用のマウス装置・キーボード装置に加え、音声取得用のマイクロフォンを備えている。
出力部26は、PC20のユーザへ各種の情報を提示するものであり、例えば映像や文字情報の表示用のディスプレイや、音声出力用のスピーカを備えている。
xDSL通信部26は例えばモデムであり、PC20をxDSL回線60へ接続してxDSL回線60との間での各種のデータの授受を管理する。
無線LAN通信部27は、PC20と周囲の無線LAN機器との間での各種のデータ授受を管理する。
本発明を実施する通信システムの動作の概要を説明すると、まず、自通信デバイスにおける環境変化を検出する。ここで、自通信デバイスにおける環境変化とは、例えば、近隣通信デバイスの変化、自通信デバイスが接続しているネットワークの状態変化、自通信デバイスで実行中のアプリケーションの状態変化、をいう。
近隣通信デバイスの変化とは、ユーザの移動や電源のオン・オフなどによる近隣通信デバイスの新規加入や自通信デバイスの離脱のことである。このような変化は、自通信デバイス自身、センサ装置、無線LANアクセスポイント等のアクセス網終端装置、ユーザの位置を管理する位置管理サーバ、などで検知可能である。
また、ネットワークの状態変化とは、自通信デバイスにおけるネットワークの接続・切断、無線アクセスにおける電波強度の増減、ネットワーク混雑状態の変化、スループットの変化、QoSパス確保状態の変化などのことである。このような変化は、自通信デバイス、アクセス網終端装置や、QoSサーバなどで検出可能である。
また、自通信デバイスで実行中のアプリケーションの状態変化とは、Webブラウザ等のアプリケーションの起動・終了、テレビ電話などの通信セッションの開始・終了、などのことである。このような変化は、アプリケーションと直接関係している自通信デバイス、アプリケーションサーバ、通信相手の装置、パケットモニタによりアプリケーションの状態を入手可能な中継装置、などで検出可能である。
本発明を実施する通信システムは、このような変化の検出を契機に、通信デバイス及び通信経路の選択を、ユーザ毎、アプリケーション毎、若しくはフロー種別毎に行う。ここで、フローとは、一連の関連性のある通信パケットの流れを意味している。テレビ電話というアプリケーションを例にすると、このアプリケーションには音声フローと映像フローとがある。
通信デバイスの選択では、選択肢である通信デバイス各々の処理性能、入出力機能、搭載アプリケーション、ネットワーク接続機能、ネットワーク接続状態などを考慮し、ユーザによって指示されるアクション(アプリケーションの実行開始、アプリケーションへの入力、アプリケーションの出力)に対し、選択肢である通信デバイスの中から最適なデバイスを選択する。なお、この選択において、例えば、出力装置として常に最大のディスプレイを備えている装置を優先するなど、通信デバイスを選択する際にユーザの嗜好(プレファレンス)を加味するようにしてもよい。
通信経路の選択では、選択した通信デバイスのネットワーク接続機能や接続状態を考慮し、「自立型」若しくは「依存型」のどちらかの通信経路を選択する。
自立型の通信経路とは、自通信デバイスで終端する発信元からの通信パケットを、近隣通信デバイスを経由することなく受信する経路をいう。
図3に示した通信システムにおける自立型の通信経路の例を図6に示す。同図において、通信相手端末30が発信する携帯電話10宛の通信パケットを、PC20を経由することなく受信する通信経路、すなわち、図3において矢印で示されている、通信相手端末30からIPネットワーク40及びセルラ通信網50を経由して宛先通信デバイスである携帯電話10へと至る通信経路が自立型の通信経路である。
これに対し、依存型の通信経路とは、自通信デバイスで終端する発信元からの通信パケットを、近隣通信デバイスを経由して受信する経路、および、自通信デバイスで終端する発信元からの通信パケットを、近隣通信デバイスに転送する経路をいう。
図3に示した通信システムにおける依存型の通信経路の例を図7に示す。同図において、通信相手端末30が発信する携帯電話10宛の通信パケットを、PC20を経由して受信する通信経路、すなわち、図4において矢印で示されている、通信相手端末30からIPネットワーク40、xDSL回線60、及びPC20を経由し、更に無線LAN機能のアドホックモードを経て宛先通信デバイスである携帯電話10へと至る通信経路が依存型の通信経路である。
この通信経路の選択においては、各ネットワーク接続の通信コスト、通信速度、ネットワーク混雑度、電波状況、QoS機能等の各種情報や各通信デバイスの転送機能の特徴などを基にして行い、最適なものを選択する。なお、この選択において、通信デバイス選択と同様に、コスト優先、速度優先、などのユーザのプレファレンスを加味するようにしてもよい。
本発明を実施する通信システムでは、以上のようにしてなされた通信デバイス及び通信経路の選択結果に応じて、通信パケットを各通信デバイスへ振り分ける。この振り分けの際には、通信パケットに示されている各種の識別子、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス等のレイヤ2アドレス、IPアドレス等のレイヤ3アドレス、ポート番号、IPパケットのToS(Type Of Service)フィールド等のQoSフィールド、URL(Uniform Resource Locator)等のレイヤ7アドレス、SIP(Session Initiation Protocol)−URI(Uniform Resource Identifier )等のユーザ識別子、などを利用して行う。
なお、通信経路を依存型とする場合には、この転送機能は近隣通信デバイスで実行させる。一方、通信経路を自立型とする場合には、この転送機能はアクセス網終端装置、ルータやMobileIP(RFC3344)におけるホーム・エージェントなどの中継装置、アプリケーションサーバ、若しくは通信相手装置で提供する。
以下、本発明を実施する通信システムの動作の詳細について説明する。
まず、図8及び図9について説明する。同図は、図3に示した通信システムにおいて行われる制御処理の処理内容をフローチャートで示したもので、図8は携帯電話10の制御部11において行われるもの、図9はPC20のMPU21により行われるもの、をそれぞれ示している。
まず図8に示した処理について説明する。この処理は、携帯電話10の制御部11において、記憶部に予め格納されている制御プログラムをMPUが実行することによって実現されるものであり、一定の時間間隔で繰り返し開始される。
まず、S101では環境変化検知処理が行われる。この処理は、携帯電話10において環境変化が検知されたか否かを判定する処理である。ここで、環境変化が検知されたと判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS102に処理を進める。一方、環境変化が検知されなかったと判定されたとき(判定結果がNoのとき)には図8の制御処理を終了する。携帯電話10の制御部11は、このS101の処理を実行することによって検出手段として機能する。
S102では近隣通信デバイス特性取得処理が行われる。この処理は、近隣通信デバイス(図3のネットワーク構成ではPC20)の通信デバイス特性を取得する処理である。
続くS103では特性照合処理が行われる。この処理は、携帯電話10自身の通信デバイス特性及びS102の処理によって取得した近隣通信デバイスの通信デバイス特性と、携帯電話10自身で実行中のアプリケーションとを照合する処理である。そして、続くS104では通信デバイス選択処理が行われ、S105では通信経路選択処理が行われる。これらの処理は、S103の処理による照合結果に基づき、通信デバイスと通信経路とのうちで実行中のアプリケーションにおいて最適なものを選択する処理である。携帯電話10の制御部11は、このS102からS105の処理を実行することによって選択手段として機能する。
S106では近隣通信デバイス利用判定処理が行われる。この処理は、近隣通信デバイスを利用するか否かを、上述した選択結果に基づいて判定する処理である。ここで、近隣通信デバイスを利用する判定を下したときにのみ(判定結果がYesのときにのみ)、S107において、近隣通信デバイス設定通知送信処理、すなわち、近隣通信デバイスを利用して通信を行うために必要な設定を要請する通知を近隣通信デバイスへ送信する処理が行われる。
S108では、他機器利用判定処理が行われる。この処理は、上述した選択結果に係る通信デバイス及び通信経路を利用するためには、通信相手端末30やルータ等の中継機器へデータ転送の設定を要請する通知が必要か否かを判定する処理である。ここで、上記の通知が必要との判定を下したとき(判定結果がYesのとき)には、S109において、他機器転送設定通知処理、すなわち、データ転送の設定を要請する通知を、当該通知が必要な通信相手端末30若しくは中継機器へ送信する処理が行われ、その後はこの図8の制御処理を終了する。なお、S108において、上記の通知が不要との判定を下したときには、S109の処理を実行せずに、この図8の制御処理を終了する。
携帯電話10の制御部11は、このS106からS109の処理を実行することによって切り替え指示手段として機能する。
次に図9に示した処理について説明する。この処理は、PC20のHDD24に予め格納されている制御プログラムをMPU21が実行することによって実現されるものであり、一定の時間間隔で繰り返し開始される。
まず、S201において、近隣通信デバイス設定通知受信判定処理が行われる。この処理は、近隣通信デバイスを利用して通信を行うために必要な設定を要請する通知を、自通信デバイス(図3のネットワーク構成では携帯電話10)から受信したか否かを判定する処理が行われる。ここで、当該通知を受信したと判定したとき(判定結果がYesのとき)には、S202に処理を進める。一方、当該通知を受信していないと判定したとき(判定結果がNoのとき)には、図9の制御処理を終了する。
S202では、近隣通信デバイス設定処理が行われ、自通信デバイスにおいて行われた選択結果に係る通信デバイス及び通信経路を利用したデータ伝送を実現させるための機能をPC20自身に設定する処理が行われる。
S203では、他機器利用判定処理が行われる。この処理は、上述した選択結果に係る通信デバイス及び通信経路の利用するためには、通信相手端末30やルータ等の中継機器へデータ転送の設定を要請する通知をPC20から発することが必要か否かを判定する処理である。ここで、上記の通知が必要との判定を下したとき(判定結果がYesのとき)には、S204において、他機器転送設定通知処理、すなわち、データ転送の設定を要請する通知を、当該通知が必要な通信相手端末30若しくは中継機器へ送信する処理が行われ、その後はこの図9の制御処理を終了する。なお、S203において、上記の通知が不要との判定を下したときには、S204の処理を実行せずに、この図9の制御処理を終了する。
PC20のMPU21は、この図9の制御処理を実行することによって切り替え手段として機能する。
次に図10A及び図10Bについて説明する。これらの図は、自通信デバイスで行われる通信デバイス及び通信経路の選択処理の処理例をフローチャートで表したものであり、図8に示した制御処理においては、S103からS105にかけて実行される処理に相当するものである。なお、この選択処理は、フロー種別毎(音声フロー、映像フロー等)に実行される。
まず、図10AのS111において、まず、選択対象であるフロー種別のデータを近隣通信デバイスで再生させることの可否を判定する処理が行われる。ここで、再生可と判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS112に処理を進め、再生不可と判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS121に処理を進める。
S112では、近隣通信デバイスのデバイス特性(プロセッサの性能、入出力機能、搭載アプリケーション等)が、選択対象であるフロー種別のデータの再生に必要な条件を満たしているか否かを判定する処理が行われる。ここで、当該条件を満たしていると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS113に処理を進め、満たしていないと判定された(判定結果がNoのとき)ときにはS121に処理を進める。
S113では、近隣通信デバイスが自身で使用可能なネットワークと現在良好に接続中であるか否かを判定する処理が行われる。ここで、良好に接続中であると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS114に処理を進め、良好に接続中ではないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS117(図10B)に処理を進める。
S114では、自通信デバイスで使用可能なネットワークの通信コスト(通信費用)が、近隣通信デバイスで使用可能なネットワークの通信コストよりも高価であり劣っているか否かを判定する処理が行われる。ここで、高価であると判定したとき(判定結果がYesのとき)には、S115(図10B)に処理を進め、高価ではないと判定したとき(判定結果がNoのとき)にはS117(図10B)に処理を進める。
処理は図10Bに進み、S115では、近隣通信デバイスのネットワークを使用する際の通信速度が、実行するアプリケーションで必要とされる通信帯域を確保できるか否かを判定する処理が行われる。ここで、確保可能と判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS116に処理を進め、確保不能と判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS117に処理を進める。
S116では、近隣通信デバイスを通信デバイスとして選択すると共に、当該近隣通信デバイスで使用可能なネットワークを通信経路として選択する処理が行われ、その後はこの選択処理を終了する。
S117では、自通信デバイスと近隣通信デバイスとの両者が共にデータ転送機能を備えているか否かを判定する処理が行われる。ここで、データ転送機能を共に備えていると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS118に処理を進め、データ転送機能を共には備えていないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS119に処理を進める。
S118では、近隣通信デバイスを通信デバイスとして選択する一方で、自通信デバイスで使用可能なネットワークを通信経路として選択する処理が行われ、その後はこの選択処理を終了する。
S119では、自通信デバイスのデバイス特性(プロセッサの性能、入出力機能、搭載アプリケーション等)が、選択対象であるフロー種別のデータの再生に必要な条件を満たしているか否かを判定する処理が行われる。ここで、当該条件を満たしていると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS127に処理を進め、満たしていないと判定された(判定結果がNoのとき)ときにはS120に処理を進める。
S120では、選択対象であるフロー種別のデータの再生には無理があると推定し、当該データの再生を停止する処理が行われ、その後はこの選択処理を終了する。
図10Aの説明へ戻り、S121では、自通信デバイスのデバイス特性が、選択対象であるフロー種別のデータの再生に必要な条件を満たしているか否かを判定する処理が行われる。ここで、当該条件を満たしていると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS122に処理を進め、満たしていないと判定された(判定結果がNoのとき)ときにはS120(図10B)に処理を進める。
S122では、近隣通信デバイスが自身で使用可能なネットワークと現在良好に接続中であるか否かを判定する処理が行われる。ここで、良好に接続中であると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS123に処理を進め、良好に接続中ではないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS127(図10B)に処理を進める。
S123では、自通信デバイスで使用可能なネットワークの通信コスト(通信費用)が、近隣通信デバイスで使用可能なネットワークの通信コストよりも高価であり劣っているか否かを判定する処理が行われる。ここで、高価であると判定したとき(判定結果がYesのとき)には、S124(図10B)に処理を進め、高価ではないと判定したとき(判定結果がNoのとき)にはS127(図10B)に処理を進める。
処理は図10Bに進み、S124では、近隣通信デバイスのネットワークを使用する際の通信速度が、実行するアプリケーションで必要とされる通信帯域を確保できるか否かを判定する処理が行われる。ここで、確保可能と判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS125に処理を進め、確保不能と判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS127に処理を進める。
S125では、自通信デバイスと近隣通信デバイスとの両者が共にデータ転送機能を備えているか否かを判定する処理が行われる。ここで、データ転送機能を共に備えていると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS126に処理を進め、データ転送機能を共には備えていないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS127に処理を進める。
S126では、自通信デバイスを通信デバイスとして選択する一方で、近隣通信デバイスで使用可能なネットワークを通信経路として選択する処理が行われ、その後はこの選択処理を終了する。
S127では、自通信デバイスが自身で使用可能なネットワークと現在良好に接続中であるか否かを判定する処理が行われる。ここで、良好に接続中であると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS128に処理を進め、良好に接続中ではないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS120に処理を進める。
S128では、自通信デバイスのネットワークを使用する際の通信速度が、実行するアプリケーションで必要とされる通信帯域を確保できるか否かを判定する処理が行われる。ここで、確保可能と判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS129に処理を進め、確保不能と判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS120に処理を進める。
S129では、自通信デバイスを通信デバイスとして選択すると共に、当該自通信デバイスで使用可能なネットワークを通信経路として選択する処理が行われ、その後はこの選択処理を終了する。
以上のようにして通信デバイス及び通信経路の選択が行われる。なお、上述した制御処理におけるS111、S112、S119、及びS121はアプリケーションの特性に基づいて判定される処理であり、S113、S114、S117、S122、S123、S125、及びS127は通信デバイスの特性に基づいて判定される処理である。また、S115、S124、及びS128は、アプリケーションの特性と通信デバイスの特性との照合結果に基づいて判定される処理である。
以降、本発明を実施する通信システムの実施例として、ユーザ毎、アプリケーション毎、フロー種別毎といった、通信デバイス及び通信経路の選択の際における選択単位の異なる実施例を挙げる。この各実施例の一覧を下記の[表1]に示す。
Figure 0004567745
これらの実施例では、通信経路の選択肢において、前述した自立型及び依存型に、共存型(自立型+依存型)を加えた計3種類の通信経路のいずれかが選択されており、更に、環境変化の形態及び転送機能を提供する装置が各々異なっている。
なお、以下の各実施例においては、下記の[表2]に示す通信デバイス及びネットワーク通信手段を使用するものとし、ネットワーク通信手段には、[表2]に示すIPアドレスが割り振られているものとする。
Figure 0004567745
また、以下の各実施例においては、説明の際に特に断らない限り、自通信デバイスである携帯電話10が[表3]に示す通信デバイス特性及びネットワーク特性(携帯電話10が利用可能であるセルラ通信網50の特性)を有しているものとし、近隣通信デバイスであるPC20が[表4]に示す通信デバイス特性及びネットワーク特性(PC20が利用可能であるxDSL回線60の特性)を有しているものとする。
Figure 0004567745

Figure 0004567745
更に、自通信デバイスである携帯電話10で利用可能な各アプリケーションは、[表5]に示す特性を有しているものとする。
Figure 0004567745
以上を踏まえて各実施例を説明する。
本実施例の想定する場面(シナリオ)は、ユーザが携帯端末10でVoIP(Voice over Internet Protocol)とストリーミングとを利用するというものである。本実施例では、通信デバイス及び通信経路の選択がユーザ単位で行われるため、通信デバイス及び通信経路はユーザが利用する両方のアプリケーションにおいて共通のものが選択される。
図3に示した通信システムにおいて本実施例によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を図11に示す。なお、同図には、図3における通信相手端末30として、VoIP通信相手端末31とライブストリーミングサーバ32とが表されている。
図11に示す通信経路は、宛先通信デバイスである携帯端末10が自身宛の通信パケットを、PC20を経由して受信するので、「依存型」である。なお、本実施例においては、PC20は、転送機能として、通信パケットに示されているIPアドレスとポート番号とに基づいて当該通信パケットの転送を行うNAPT(Network Address Port Translation)機能を実行する。また、本実施例における携帯端末10の環境変化としては、携帯端末10の電源オンを想定する。
以下、本実施例における携帯電話10及びPC20での処理シーケンスを説明する。
まず、ユーザが携帯電話10の電源をオンにすると、携帯電話10はその環境変化を検知する(図8のS101)。すると、携帯電話10は無線LAN機能のアドホックモードを使用してPC20の特性情報を取得する(S102)。
ここで、携帯電話10は、PC20の通信デバイス特性([表4])及び携帯電話10の通信デバイス特性([表3])と、VoIP及びストリーミングのアプリケーションの特性([表5])とを照合する(S103)。ここで、VoIPのアプリケーションがPC20には搭載されていないため([表4]参照)、通信デバイスとしては携帯電話10が選択される。一方、IPネットワーク40へ携帯電話10を接続するための接続手段(グローバルネットワーク接続手段)として、ストリーミングのアプリケーションにおける映像フローの必要帯域を確保するための通信コストと通信速度との観点に基づき、セルラ通信網50より有利なxDSL回線60(ADSL回線)が通信経路として選択される。従って、ユーザが携帯電話10を用いてVoIP通信相手端末31及びライブストリーミングサーバ32との間で行う全てのデータ通信は、PC20で利用可能なxDSL回線60(ADSL回線)を経由して行うことが選択される(S104及びS105)。つまり、この場合は「依存型」の通信経路が選択される。
なお、本実施例の場合、図10A及び図10Bに示した選択処理においては、いずれのフロー(ストリーミングにおける音声フロー及び映像フローと、VoIPにおける音声フロー)においても、S111、S112、S121、S122、S123、S124、S125の順に判定処理が実行されて、S126の選択結果が得られる。
なお、このとき、携帯電話10でのデータ通信をxDSL回線60で行うようにするために、携帯電話10は、IPパケットを送信する際のゲートウェイとして、PC20を設定する。具体的には、携帯電話10自身が備えている経路表におけるデフォルト・ゲートウェイの設定を、[表2]に示されている無線LAN機能におけるPC20のIPアドレス(10.0.0.2)とする。
ここで、上述した選択結果はPC20へと通知される(S106及びS107)。この通知を受け取ったPC20は、NAPT機能の動作を開始させる(図9のS201及びS202)。
その後、ユーザが携帯電話10を操作してストリーミング及びVoIPの通信を開始すると、携帯電話10からの上り方向の通信パケットはPC20へと送られる。PC20は、NAPT機能により、送信元IPアドレスと送信元ポート番号とを、PC20のIPアドレス(20.0.0.1)とユニークなポート番号(例えばVoIPは2000番、ストリーミングは2500番)へと変換した上り通信パケットをVoIP通信相手端末31若しくはライブストリーミングサーバ32へと転送する。なお、この変換情報はPC20に備えられているNAPT変換テーブルで保存しておく。
その後、VoIP通信相手端末31若しくはライブストリーミングサーバ32からPC20のIPアドレス(20.0.0.1)が宛先とされている下り方向の通信パケットが送られてくる。この下り通信パケットにおいて、宛先ポート番号は、前述したユニークなポート番号(VoIPは2000番、ストリーミングは2500番)となっている。PC20のNAPT機能は、上述したNAPT変換テーブルを参照し、宛先IPアドレスと宛先ポート番号とを携帯電話10のIPアドレス(10.0.0.1)とポート番号とに戻し、携帯電話10へ転送する。このように、本実施例では、IPアドレスとポート番号といったパケット識別子を用いて転送先の通信デバイスを決定している。
なお、本実施例では、近隣通信デバイスにおける転送機能として、PC20のOS(オペレーティングシステム)が標準的に備えているIP処理部のNAPT機能を利用しているが、この転送機能として、NAPT機能を利用する代わりに、例えば、プロキシサーバなどのアプリケーション層での転送処理を利用するようにしてもよい。また、通信パケットの転送の際に転送先の通信デバイスを特定するために利用する通信パケットの識別子としては、図12に示すように、レイヤ2のアドレスであるMACヘッダ中のMACアドレス、IPヘッダ中に含まれている、QoSフィールドであるToSフィールドやレイヤ3のアドレスであるIPアドレス、TCPヘッダ中のポート番号などがあり、この他にもHTTP(HyperText Transfer Protocol)のパケットにおけるHTTPヘッダ中のクッキー情報などのセッションIDやSIPのパケットにおけるSIPヘッダ中のSIP URIも識別子として利用することができる。
実施例1では、以上のようにして通信デバイス及び通信経路が図11に示したように選択される。
本実施例のシナリオも、前述した実施例1と同様、ユーザが携帯端末10でVoIPとストリーミングとを利用するというものである。但し、本実施例では、通信デバイス及び通信経路の選択をアプリケーション単位で行うようにする。従って、アプリケーション毎に異なる通信デバイスと通信経路がネットワークを利用する。また、本実施例においては、[表4]の内容とは異なり、PC20が通信パケットの転送機能を搭載していないものとする。
なお、本実施例における携帯端末10の環境変化の検知としては、近隣通信デバイス(PC20)が無線LAN機能の利用圏内での新規検知を想定する。
図3に示した通信システムにおいて本実施例によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を図13に示し、以下、本実施例における携帯電話10及びPC20での処理シーケンスを説明する。
まず、前提として、宛先通信デバイスである携帯電話10においてVoIP及びストリーミングのアプリケーションが実行されており、通信経路としてセルラ通信網50が利用されているものとする。なお、このときにおけるセルラ通信網50での携帯電話10のIPアドレスは(30.0.0.1)である。
ここで、携帯電話10が、近隣通信デバイスとしてPC20を検出する(図8のS101)。すると、この環境変化を検知した携帯電話10は無線LAN機能のアドホックモードを使用してPC20の特性情報を取得する(S102)。
ここで、携帯電話10は、PC20の通信デバイス特性([表4])及び携帯電話10の通信デバイス特性([表3])と、VoIP及びストリーミングのアプリケーションの特性([表5])とを照合し(S103)、アプリケーション毎に最適な通信デバイス及び通信経路を選択する(S104及びS105)。
ストリーミングのアプリケーションについては、ストリーミングアプリケーションが携帯電話10のみにではなくPC20にも搭載されていること([表4]参照)、及び、ストリーミングのアプリケーションにおける映像フローの必要帯域を確保するための通信コストと通信速度との観点ではxDSL回線60(ADSL回線)がセルラ通信網50よりも有利であること、との理由により、通信デバイスとしてはPC20が選択され、通信経路としてはxDSL回線60が選択される。つまり、この場合には、ライブストリーミングサーバ32とのデータ通信はxDSL回線60を介してPC20が行うこととなるので、通信経路としては「自立型」が選択されたことになる。
一方、VoIPのアプリケーションにおいては、PC20にVoIPアプリケーションが搭載されていないため([表4]参照)、通信デバイスとして携帯電話10が選択される。また、通信経路については、前述したように本実施例ではPC20が転送機能を搭載していないため、セルラ通信網50を選択せざるを得ない。つまり、この場合には、VoIP通信相手端末31とのデータ通信は依然としてセルラ通信網50を介して携帯電話10が行うこととなるので、通信経路として「自立型」が選択されたことになる。
なお、本実施例の場合、図10A及び図10Bに示した選択処理においては、ストリーミングにおける音声フロー及び映像フローについては、S111、S112、S113、S114、S115の順に判定処理が実行されて、S116の選択結果が得られる。一方VoIPにおける音声フローにおいては、S111、S112、S121、S122、S123、S127、S128の順に判定処理が実行されて、S129の選択結果が得られる。
以上の選択結果に基づき、携帯電話10は、ストリーミング受信の開始をPC20に依頼すると共に、そのために必要な情報(ライブストリーミングサーバ32のURLなど)を通知する(S106及びS107)。
一方、この依頼及び通知を受信したPC20は、ストリーミングアプリケーションを起動し、ライブストリーミングサーバ32へストリーミングの開始を要求する(図9のS201及びS202)。ライブストリーミングサーバ32がこの要求を受け取ると、PC20(20.0.0.1)へ宛ててストリーミングを開始する。つまり、本実施例では、ライブストリーミングサーバ32がIPアドレスを用いて送り先の通信デバイスを振り分けることとなる。
実施例2では、以上のようにして、ストリーミングについての通信デバイス及び通信経路が図13に示したように切り替わる。
実施例3は、実施例1と実施例2を組み合わせたものである。すなわち、通信デバイス及び通信経路の選択をアプリケーション単位で行うようにするのであるが、このとき、VoIPの通信経路は「依存型」が選択され、一方ストリーミングの通信経路は「自立型」が選択される。このように、ストリーミング毎に異なっている通信デバイス及び通信経路の選択を「共存型」の選択と称している。
なお、本実施例では、携帯端末10の環境変化として、アプリケーションの起動と通信セッションの開始とを想定する。
図3に示した通信システムにおいて本実施例によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を図14に示し、以下、本実施例における携帯電話10及びPC20での処理シーケンスを説明する。
まず、ユーザが携帯電話10のストリーミングアプリケーションを起動する。すると、携帯電話10はこの環境変化を検知し(図8のS101)、無線LAN機能のアドホックモードを使用してPC20の特性情報を取得する(S102)。そして、宛先通信デバイスである携帯電話10は、実施例2と同様に、PC20及び携帯電話10の通信デバイス特性と、ストリーミングのアプリケーションの特性とを照合し(S103)、ストリーミングについて最適な通信デバイス及び通信経路を選択する(S104及びS105)。
ここでは、実施例2と同様の選択がなされる。すなわち、ストリーミングアプリケーションが携帯電話10のみにではなくPC20にも搭載されていること([表4]参照)、及び、ストリーミングのアプリケーションにおける映像フローの必要帯域を確保するための通信コストと通信速度との観点ではxDSL回線60(ADSL回線)がセルラ通信網50より有利であること、との理由により、通信デバイスとしてはPC20が選択され、通信経路としてはxDSL回線60が選択される。つまり、この場合には、通信経路としては「自立型」が選択される。
なお、図10A及び図10Bに示した選択処理においては、ストリーミングにおける音声フロー及び映像フローについては、S111、S112、S113、S114、S115の順に判定処理が実行されて、S116の選択結果が得られる。
以上の選択結果に基づき、携帯電話10は、ストリーミング受信の開始をPC20に依頼すると共に、そのために必要な情報(ライブストリーミングサーバ32のURLなど)を通知する(S106及びS107)。すると、PC20は、ストリーミングアプリケーションを起動し、ライブストリーミングサーバ32へストリーミングの開始を要求する(図9のS201及びS202)。ライブストリーミングサーバ32がこの要求を受け取ると、PC20(20.0.0.1)へ宛ててストリーミングを開始する。
その後、ユーザが携帯電話10を操作してVoIPのセッションを開始する。すると、携帯電話10はこの環境変化を検知し(図8のS101)、無線LAN機能のアドホックモードを使用してPC20の特性情報を入手する。そして、携帯電話10は、PC20及び携帯電話10の通信デバイス特性と、ストリーミングのアプリケーションの特性とを照合し(S103)、ストリーミングについて最適な通信デバイス及び通信経路を選択する(S104及びS105)。
VoIPにおいては、PC20にVoIPアプリケーションが搭載されていないため([表4]参照)、通信デバイスとして携帯電話10が選択される。但し、本実施例では、実施例2と異なり、PC20が転送機能を搭載しているので、VoIPのアプリケーションにおける音声フローの必要帯域を確保するための通信コストと通信速度との観点でxDSL回線60(ADSL回線)がセルラ通信網50より有利であるとの理由により、通信経路としてはxDSL回線60が選択される。つまり、この場合には、携帯端末10が自身宛の通信パケットを、PC20を経由して受信するので、通信経路としては「依存型」が選択されたこととなる。
なお、図10A及び図10Bに示した選択処理においては、VoIPにおける音声フローについては、S111、S112、S121、S122、S123、S124、S125の順に判定処理が実行されて、S126の選択結果が得られる。
なお、携帯電話10でのデータ通信をxDSL回線60で行うようにするために、携帯電話10は、実施例1と同様に、IPパケットを送信する際のゲートウェイとして、PC20を設定する。具体的には、携帯電話10自身が備えている経路表におけるデフォルト・ゲートウェイの設定を、[表2]に示されている無線LAN機能におけるPC20のIPアドレス(10.0.0.2)とする。
その後、ユーザが携帯電話10を操作してVoIPの通信を開始すると、携帯電話10からの上り方向の通信パケットはPC20へと送られる。PC20は、NAPT機能により、送信元IPアドレスと送信元ポート番号とを、PC20のIPアドレス(20.0.0.1)とユニークなポート番号(例えば2000番)へと変換した上り方向の通信パケットをVoIP通信相手端末31へと転送する。なお、この変換情報はPC20に備えられているNAPT変換テーブルで保存しておく。
その後、VoIP通信相手端末31からPC20のIPアドレス(20.0.0.1)が宛先とされている下り方向の通信パケットが送られてくる。PC20のNAPT機能は、上述したNAPT変換テーブルを参照し、宛先IPアドレスと宛先ポート番号とを携帯電話10のIPアドレス(10.0.0.1)とポート番号とに戻し、携帯電話10へ転送する。
実施例3では、以上のようにして、通信デバイス及び通信経路として、ストリーミング毎に異なるものが図14に示したように選択される。
本実施例のシナリオは、ユーザが携帯端末10でテレビ電話をしているというものである。本実施例では、通信デバイス及び通信経路の選択がフロー種別単位(音声フロー及び映像フロー)で行われ、フロー種別毎に異なる通信デバイス及び通信経路が利用される。
なお、本実施例においては、[表4]の内容とは異なり、PC20が通信パケットの転送機能を搭載していないものとする。また、本実施例では、携帯端末10の環境変化として、ネットワーク状態の変化(より具体的には、セルラ通信網50から送られてくる電波の強度低下)を想定する。
図3に示した通信システムにおいて本実施例によって選択される通信デバイス及び通信経路の選択結果を図15に示し、以下、本実施例における携帯電話10及びPC20での処理シーケンスを説明する。なお、同図には、図3における通信相手端末30としてテレビ電話通信相手端末33が表されており、更に、MobileIPにおけるホーム・エージェントである中継装置34がIPネットワーク40上に表されている。
まず、前提として、ユーザが携帯電話10を用い、セルラ通信網50を利用してテレビ電話をしているものとする。
ここで、宛先通信デバイスである携帯電話10が、セルラ通信網50から到来する電波の強度の低下を検出する(図8のS101)。すると、この環境変化を検知した携帯電話10は、無線LAN機能のアドホックモードを使用してPC20の特性情報を取得する(S102)。そして、携帯電話10は、他の実施例と同様に、PC20及び携帯電話10の通信デバイス特性と、ストリーミングのアプリケーションの特性とを照合し(S103)、フロー種別毎に最適な通信デバイス及び通信経路を選択する(S104及びS105)。
音声フローについては、音声入力機能としてのマイクロフォンをPC20が備えていないため([表3]及び[表4]参照)、通信デバイスとしては、携帯電話10を選択せざるを得ない。また、通信経路としては、通信コストの観点ではxDSL回線60(ADSL回線)がセルラ通信網50よりも有利であるが、前述したように本実施例ではPC20が転送機能を搭載していないため、セルラ通信網50を選択せざるを得ない。
一方、映像フローにおいては、映像を表示するディスプレイの大きさの観点において通信デバイスとしてPC20が携帯電話10よりも有利であるのでPC20が通信デバイスとして選択される。また、通信経路としては、通信コストの観点でxDSL回線60(ADSL回線)がセルラ通信網50よりも有利であるので、xDSL回線60が選択される。
なお、本実施例の場合、図10A及び図10Bに示した選択処理においては、音声フローについては、S111、S112、S121、S122、S123、S124、S125、S127、S128の順に判定処理が実行されて、S129の選択結果が得られる。一方、映像フローにおいては、S111、S112、S113、S114、S115の順に判定処理が実行されて、S116の選択結果が得られる。
以上のように、本実施例においては、音声フロー及び映像フローの双方において「自立型」の通信経路が選択される。
上述した選択結果は携帯電話10からPC20へと通知される(S106及びS107)。この通知を受け取ったPC20は、映像フローの受信のため、テレビ電話アプリケーションを起動する(図10のS201及びS202)。
また、このとき、携帯電話10は、中継装置34へ映像フローをPC20(20.0.0.1)へ転送するように要求する(図9のS108及びS109)。
通常のホーム・エージェントでは、通信デバイスのホーム・エージェント宛(1.0.0.1)に送られてきた通信パケットを気付アドレス(Care-of Address )へ転送するのであるが、本実施例における中継装置34は、フロー種別毎に通信パケットの転送先を切り替えるため、ポート番号の情報をも考慮に入れて気付アドレスを決定する。つまり、本実施例においては、携帯電話10から中継装置34へ送付する位置登録情報に、ポート番号の情報及び携帯電話10のホーム・アドレスの情報と、気付アドレスとの関連付けを表す情報を含めるようにし、中継装置34はこの情報をテーブルに登録しておく。
その後、中継装置34は、テレビ電話通信相手端末33から送られてくる下り方向の通信パケットの宛先IPアドレス(ホーム・アドレス)とポート番号とに基づき、上述したテーブルに従って通信パケットの転送先をフロー種別毎に振り分ける。その結果、音声フローはセルラ通信網50経由で携帯電話10へと転送される一方で、映像フローはxDSL回線60経由でPC20へと転送される。
実施例4では、以上のようにして、通信デバイス及び通信経路として、フロー種別毎に異なるものが図15に示したように選択される。
以上まで、ユーザ毎、アプリケーション毎、フロー種別毎といった、通信デバイス及び通信経路の選択の際における選択単位の異なる各実施例を説明した。
このように、本発明を実施する通信システムによれば、複数の通信デバイスが近隣に位置する通信システムにおいて、ユーザの目的に応じて適した通信デバイスを選択するだけでなく、最適な通信経路を選択することができるので、通信デバイスを跨る複数のネットワークリソースを有効利用することが可能となる。ここで、複数のネットワーク接続から通信コスト、通信速度、QoS機能、ネットワーク混雑度や電波状況など項目で有利なネットワークを選択することにより、安価、高速、高品質な通信が実現できるようになる。
その他、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。

Claims (14)

  1. 複数の通信デバイスを有する通信システムで行われる通信における通信の切り替えの方法であって、
    前記通信デバイスにおける環境変化を当該通信デバイスで検出し、
    前記環境変化を検出した通信デバイスにより、通信に利用する通信デバイス及び通信経路の選択を、当該通信デバイスで実行中の通信アプリケーション毎、若しくは当該通信アプリケーションが処理対象とするフローの種別毎に行い、
    前記選択の結果に従い、通信相手先から送られてくる同一の宛先の通信パケットを、当該通信パケットを処理する前記通信アプリケーション毎に、若しくは当該通信パケットが属している前記フロー種別毎に、当該通信パケットに示されている宛先の通信デバイスと、当該宛先通信デバイスに物理的に近隣に位置している近隣通信デバイスとに振り分けて配送することにより、当該宛先通信デバイスのみを利用する通信から複数の通信デバイスを利用する通信へと切り替える、
    ことを特徴とする通信切り替え方法。
  2. 前記近隣通信デバイスは、前記宛先通信デバイスと直接に通信パケットの授受が可能な通信デバイスであることを特徴とする請求項1に記載の通信切り替え方法。
  3. 前記環境変化の検出では、前記近隣通信デバイスの変化、当該環境変化を検出する通信デバイスが接続されている通信ネットワークの状態変化、及び、当該通信デバイスにおいて実行中のアプリケーションの状態変化のうちのいずれをも検出可能であることを特徴とする請求項1に記載の通信切り替え方法。
  4. 前記通信デバイス及び通信経路の選択を、各通信デバイスの特性、各通信デバイスが接続されている通信ネットワークの特性、及び、各通信デバイスで実行されている通信アプリケーションの特性のうちのいずれか1以上に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の通信切り替え方法。
  5. 前記各通信デバイスの特性は、各通信デバイスの処理性能、各通信デバイスが備えている入出力機能、及び、各通信デバイスに搭載されている通信アプリケーション、のうちのいずれか1以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の通信切り替え方法。
  6. 前記各通信デバイスが接続されている通信ネットワークの特性は、各通信デバイスにおける通信ネットワークとの接続状態、当該通信ネットワークを利用する際の通信コスト、当該通信ネットワークで各通信デバイスが利用可能な通信速度、各通信デバイスと通信ネットワークとの間を接続する転送路の状況、及び、各通信デバイスにおける通信パケットの転送機能の有無、のうちのいずれか1以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の通信切り替え方法。
  7. 前記各通信デバイスで実行されている通信アプリケーションの特性は、当該通信アプリケーションが処理対象とするフローの種別毎の各通信デバイスでの再生可否、及び、当該通信アプリケーションが必要とする通信帯域、のうちのどちらか1以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の通信切り替え方法。
  8. 前記複数の通信デバイスを利用する通信では、前記近隣通信デバイスへ配送されてきた前記通信パケットを当該近隣通信デバイスが前記宛先通信デバイスへ転送することを特徴とする請求項1に記載の通信切り替え方法。
  9. 前記複数の通信デバイスを利用する通信では、前記近隣通信デバイスへ配送されてきた前記宛先通信デバイス宛の前記通信パケットを前記近隣通信デバイスが終端することを特徴とする請求項1に記載の通信切り替え方法。
  10. 前記複数の通信デバイスを利用する通信では、前記宛先通信デバイスへ配送されてきた前記通信パケットを当該宛先デバイスが前記近隣通信デバイスへ転送することを特徴とする請求項1に記載の通信切り替え方法。
  11. 前記通信パケットの振り分けを、当該通信パケットに示されているパケット識別子を利用して行うことを特徴とする請求項1に記載の通信切り替え方法。
  12. 前記パケット識別子として、前記通信パケットに示されているレイヤ2アドレス、レイヤ3アドレス、ポート番号、QoSフィールド、及びセッションIDのうちの少なくとも1以上を利用して前記振り分けを行うことを特徴とする請求項11に記載の通信切り替え方法。
  13. 複数の通信デバイスを有する通信システムであって、
    前記通信デバイスにおける環境変化を検出する検出手段と、
    前記環境変化の検出に応じ、通信に利用する通信デバイス及び通信経路の選択を、当該通信デバイスで実行中の通信アプリケーション毎、若しくは当該通信アプリケーションが処理対象とするフローの種別毎に行う選択手段と、
    前記選択の結果に従い、通信相手先から送られてくる同一の宛先の通信パケットを、当該通信パケットを処理する前記通信アプリケーション毎に、若しくは当該通信パケットが属している前記フロー種別毎に、当該通信パケットに示されている宛先の通信デバイスと、当該宛先通信デバイスに物理的に近隣に位置している近隣通信デバイスとに振り分けて配送することにより、当該宛先通信デバイスのみを利用する通信から複数の通信デバイスを利用する通信へと切り替える切り替え手段と、
    を有することを特徴とする通信システム。
  14. 複数の通信デバイスを有する通信システムにおける通信デバイスであって、
    前記通信デバイスにおける環境変化を検出する検出手段と、
    前記環境変化の検出に応じ、通信に利用する通信デバイス及び通信経路の選択を、当該通信デバイスで実行中の通信アプリケーション毎、若しくは当該通信アプリケーションが処理対象とするフローの種別毎に行う選択手段と、
    前記選択の結果に従い、通信相手先から送られてくる同一の宛先の通信パケットを、当該通信パケットを処理する前記通信アプリケーション毎に、若しくは当該通信パケットが属している前記フロー種別毎に、当該通信パケットに示されている宛先の通信デバイスと、当該宛先通信デバイスに物理的に近隣に位置している近隣通信デバイスとに振り分けて配送させる指示を発することにより、当該宛先通信デバイスのみを利用する通信から複数の通信デバイスを利用する通信へと切り替えさせる切り替え指示手段と、
    を有することを特徴とする通信デバイス。
JP2007537512A 2005-09-29 2005-09-29 通信システムにおける通信の切り替え方法 Expired - Fee Related JP4567745B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2005/018032 WO2007037016A1 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 通信システムにおける通信の切り替え方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007037016A1 JPWO2007037016A1 (ja) 2009-04-02
JP4567745B2 true JP4567745B2 (ja) 2010-10-20

Family

ID=37899456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007537512A Expired - Fee Related JP4567745B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 通信システムにおける通信の切り替え方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8412184B2 (ja)
JP (1) JP4567745B2 (ja)
WO (1) WO2007037016A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2700502C (en) * 2007-09-25 2019-06-04 Fringland Ltd. Selecting a wireless communication technology according to application state
JP5112820B2 (ja) 2007-11-02 2013-01-09 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 移動通信システム、制御装置及び制御方法
US8699432B2 (en) * 2008-01-22 2014-04-15 Savox Communications Oy Ab (Ltd) Arrangement and method for connecting an ad-hoc communication network to a permanent communication network via a half-duplex communication link
JP5002565B2 (ja) * 2008-09-30 2012-08-15 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ セル選択方法及び制御装置
US8427957B2 (en) * 2008-10-15 2013-04-23 Panasonic Corporation Communication terminal and communication method
JP5685642B2 (ja) * 2010-04-16 2015-03-18 インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド 移動インターネットプロトコルを使用するue間転送サポート
KR101044476B1 (ko) * 2010-05-11 2011-06-27 엘에스산전 주식회사 에너지 표시장치 및 그 방법
US11184830B2 (en) 2016-06-21 2021-11-23 Huawei Technologies Co., Ltd. Systems and methods for user plane path selection, reselection, and notification of user plane changes
US10972552B2 (en) * 2016-09-30 2021-04-06 Huawei Technologies Co., Ltd. Method and system for user plane path selection
US10531420B2 (en) 2017-01-05 2020-01-07 Huawei Technologies Co., Ltd. Systems and methods for application-friendly protocol data unit (PDU) session management

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11234642A (ja) * 1998-02-19 1999-08-27 Sony Corp 通信システム、通信装置および方法、情報処理装置および方法、並びに提供媒体
WO2002006937A1 (en) * 2000-07-13 2002-01-24 Bakker & Elkhuizen Holding B.V. Support for and method for use of a portable computer
WO2002015630A1 (fr) * 2000-08-10 2002-02-21 Ntt Docomo, Inc. Systeme de communication mobile, son procede de commutation de ressources, dispositif et procede de controle de reseau compris dans ce systeme
JP2003319462A (ja) * 2002-04-26 2003-11-07 Toshiba Corp 無線通信装置および方法
JP2004104653A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Sony Corp 情報通信システム、情報通信装置及び情報通信方法、並びにコンピュータ・プログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004112597A (ja) * 2002-09-20 2004-04-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 基地局装置及びパケット品質推定方法
JP3817531B2 (ja) 2003-07-22 2006-09-06 キヤノン株式会社 無線通信装置の制御部、無線通信装置、及び制御方法
FI116592B (fi) * 2003-11-24 2005-12-30 Nokia Corp Päätelaitteen konfigurointi

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11234642A (ja) * 1998-02-19 1999-08-27 Sony Corp 通信システム、通信装置および方法、情報処理装置および方法、並びに提供媒体
WO2002006937A1 (en) * 2000-07-13 2002-01-24 Bakker & Elkhuizen Holding B.V. Support for and method for use of a portable computer
WO2002015630A1 (fr) * 2000-08-10 2002-02-21 Ntt Docomo, Inc. Systeme de communication mobile, son procede de commutation de ressources, dispositif et procede de controle de reseau compris dans ce systeme
JP2003319462A (ja) * 2002-04-26 2003-11-07 Toshiba Corp 無線通信装置および方法
JP2004104653A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Sony Corp 情報通信システム、情報通信装置及び情報通信方法、並びにコンピュータ・プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2007037016A1 (ja) 2009-04-02
US8412184B2 (en) 2013-04-02
WO2007037016A1 (ja) 2007-04-05
US20080153443A1 (en) 2008-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4567745B2 (ja) 通信システムにおける通信の切り替え方法
US11070970B2 (en) Apparatus and method for providing universal plug and play service based on Wi-Fi direct connection in portable terminal
EP2678992B1 (en) On the managed peer-to-peer sharing in cellular networks
JP4121959B2 (ja) 端末装置にサービスを行う移動局間の調整
KR101373877B1 (ko) 확장형 wlan 게이트웨이
EP1853004B1 (en) Access point supporting direct and indirect downstream delivery based on communication characteristics
US20080310611A1 (en) Control System of Communication Network
JP2003333080A (ja) リンク方式間の移行方法及びモバイル・コンピューティング装置
JPWO2006080267A1 (ja) 通信端末、端末切替システムおよび端末切替方法
KR20110021735A (ko) 확장형 wlan 게이트웨이
US20110182275A1 (en) Wireless communication device, router, wireless communication system, and wireless communication method
JP2005204001A (ja) データ配信サーバ、ソフトウェア、及びシステム
EP2043300A1 (en) Data transmission network, method, network element and pro-gram
US20130067083A1 (en) Transmitting Data Over Multiple Networks
JP6468560B2 (ja) 無線通信システム及びその制御方法、並びに、通信制御プログラム
KR100646383B1 (ko) 휴대 인터넷상에서 멀티캐스트 서비스 지원을 위한 세션관리 방법
JP2010113710A (ja) 少なくとも1つの基準に従ってネットワークを選択することによりピア間でデータを伝送する方法、関連する管理装置及び通信装置
EP1971109B1 (en) Method and device for event signaling and communication system comprising such device
JPWO2006095404A1 (ja) 無線通信システム
CN106304119B (zh) 基于无线多跳自组织网络的Wi-Fi覆盖系统及方法
Poderys et al. Streaming Multimedia via Overlay Networks Using Wi-Fi Peer-to-Peer Connections
Lee et al. Architectural perspective on collaborative multipath TCP in mobile environment
CN114126008B (zh) 一种提升传输性能的方法、装置、系统和可读存储介质
Siddarth et al. A cluster based QoS-aware service discovery architecture using swarm intelligence
JP4421419B2 (ja) 移動局、基地局及びこれらを備えた無線通信システム、並びに、移動局の基地局接続方法、基地局の移動局管理方法、これらを実行させるためのプログラム及びこのプログラムを記録した記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees