JP4566803B2 - 動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法及び装置 - Google Patents
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Description
また、不要な画質劣化を生じさせずに空間方向の同期回復を実現することを目的とする。
図1は、この発明の実施の形態1を説明するために利用する電子透かし埋め込み装置の一例を示すブロック図である。
図1に示す電子透かし埋め込み装置11は、拡散符号列を発生する時間方向拡散符号発生部12と、電子透かしのビット数に応じたN個分のブロックに対応する領域に含まれる画素の位置を示すアドレスを発生するアドレス発生部13と、アドレス発生部13で発生された画素位置に関する情報に基づいて電子透かしのビット数(N)に応じたN個の画素値集合(ブロック)を抽出するブロック化部14と、電子透かし情報のビットごとのデジタル値に応じて対応するブロック内の各画素値をあらかじめ決められた変位だけ加算あるいは減算等の変更を行う情報埋め込み部15と、電子透かし情報のビットごとのデジタル値(埋め込み情報)を発生するビット発生部16と、電子透かしを埋め込んだ情報を画像信号に戻す処理を実行し、電子透かし埋め込み済みの拡散フレーム列として出力するブロック解除部17と、入力映像のフレームを構成する各画素値に対して対応する拡散符号を積算する第1の積算手段100と、入力映像を構成する各フレーム毎に対応させて第1の積算部100で積算したものと同一の拡散符号列を、ブロック解除部17から出力された拡散フレーム列の1つ1つに同じ順番に対応させ、拡散フレームを構成する各画素値に対してその符号を積算する第2の積算手段101とから構成される。
以下の説明では、映像に埋め込む電子透かし情報は、所定のビット数のビット列からなるデジタル情報であって、ここではビット数N(Nは正の整数)であるものとする。
ここで、電子透かしを検出するための時間方向同期の回復とは、動画像を構成する各フレームに対し、時間方向にスペクトラム拡散を施した電子透かし信号を繰り返し埋め込むことによって生成された電子透かし埋め込み動画像から、埋め込んだ電子透かしを検出するための前処理であって、検出対象動画像の各フレームに、埋め込み時と同じ拡散符号を対応させることである。
まず、フレーム1〜フレームNの全画素について、同一座標(i,j)の輝度データYijを積算する。この際、フレーム毎に時間方向の拡散符号ST(t±τ)(−M≦τ≦M)を掛けてから積算し、2M+1個のフレーム積分データを取得する。時間方向の拡散符号に周期Tがある場合、M≦Tとする。図4にフレーム積算データFij(τ)の作成イメージを示す。こうして作成した2M+1個のフレーム積算データでは、時間方向の同期が回復した場合だけ図3に示したように電子透かし信号が浮かび上がる。
時間方向の同期が回復されると、図3に示したように、フレーム積算データには電子透かし信号の幾何学パターンが浮かび上がる。この幾何学パターンは、矩形ブロックの集まりで構成され、このブロックが4つ集まり、図7に示す基本パターンを構成する。ここで述べる例では、基本パターンは、図7における2種類の基本パターン71あるいは72となる。基本パターン71あるいは72におけるブロックの色はフレーム積分により現れた電子透かし信号の符号を表し、白は正、黒は負である。このブロックの規則性を使い、以下の手順で空間方向の同期を回復する。
実施の形態1において生成したLOG適用後のフレーム積算データにおいて、データ中の符号反転箇所(零交差点)について水平・垂直方向の出現頻度を調べ、零交差累積度数データを生成したあと、この零交差累積度数データを離散フーリエ変換(DFT)する。このとき、ブロック幅Wと2Wの周期を表す点(すなわち1/Wと1/2Wの周波数)にピークが現れると期待できる。このとき、以下の条件を満たす周波数k(k≠0)からブロックのエッジ周期を算出する。ただし、f(k)をDFT変換後の周波数kにおける振幅値とする。
(条件a) f(k/2)<f(k)
(条件b) 条件aを満たすkについてf(k/2)+f(k)が最大となるk
このように算出したブロックの水平方向および垂直方向のエッジ周期は、それぞれブロックの幅と高さに相当する。
実施の形態1及び2において生成した、LOG適用後のフレーム積算データ中の符号反転箇所(零交差点)について、符号反転箇所(零交差点)だけを抽出した零交差点データを生成し、零交差点データから直線を抽出する。直線を抽出するアルゴリズムは、Hough変換など多くのアルゴリズムが提案されているので、それらを用いればよい。次に、抽出した直線の角度を算出することによって画像の回転角度を算出し、LOG適用後のフレーム積算データの回転を元に戻す。その後、実施の形態1あるいは2に記載したエッジ点抽出処理以降を実施する。
実施の形態1〜3において、フレーム積分データに出現した電子透かし信号を構成する個々の幾何学ブロックを特定したあと、フレーム積分データの特徴値として、フレーム積分データの分散値を計算する。計算した分散値に応じて、空間同期回復に利用するビット数の値を定める。次に、フレーム積分データを上下左右にずらした個々のデータから、電子透かしのi(1≦i≦N)ビット目の情報が埋め込まれた位置にあるブロックの値を使ってiビット目の情報を表す値を計算し、iビット目についての、その値の絶対値が最も大きくなる水平・垂直方向のずらし位置を登録しておく。次に、水平・垂直方向それぞれについて、1〜Nビット目の登録されたずらし位置の多数決により、水平・垂直方向それぞれのずらし位置を決定する。
次に、図11は、この発明の実施の形態5に係る動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置の構成を示すブロック図である。
図11に示す動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置は、空間同期を回復するための動画像(電子透かし信号がスペクトラム拡散して埋め込まれている)と、逆拡散のための時間方向拡散符号を入力しこれらの入力からフレーム積分データを生成するフレーム積分データ生成部51と、フレーム積分データ生成部51で生成されたフレーム積分データに二次微分フィルタを適用する二次微分フィルタ適用部52と、二次微分フィルタ適用部52からの零交差点データについて水平・垂直方向にそれぞれ累積度数データを作成する零交差累積度数データ生成部53と、水平・垂直方向それぞれにしきい値を設定し、零交差累積度数データ生成部53から累積度数データからしきい値以上の値を持つ行と列を抽出するブロック境界特定部54と、ブロック境界特定部54から入力された行列番号を使いフレーム積分データ上に現れている個々のブロックを特定すると共にブロックのサイズが異なっている場合にブロックサイズが一定になるように正規化するブロック特定部55と、フレーム積分データとフレーム積分データに存在するブロックの位置情報とを入力してフレーム積分データを少しずつずらし、ずらすたびに1ビット目の情報を検出し、検出された複数の検出値の中でその絶対値が最も大きくなるずらし位置で空間同期が回復したものとする空間同期回復部56とを備えている。
空間同期を回復するための動画像には、電子透かし信号がスペクトラム拡散して埋め込まれている。フレーム積分データ生成部51には、空間同期を回復するための動画像と、逆拡散のための時間方向拡散符号が入力される。フレーム積分データ生成部51では、これらの入力からフレーム積分データを生成する。二次微分フィルタ適用部52は、入力としてフレーム積分データ生成部51で生成されたフレーム積分データを受け取り、このフレーム積分データに二次微分フィルタを適用する。二次微分フィルタとしては、たとえばラプラスフィルタなどを利用できる。これにより、エッジ成分付近ではデータの符号が反転して零交差点になる。零交差点だけを含む「零交差点データ」を生成し、それを出力する。
次に、図12は、この発明の実施の形態6に係る動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置の構成を示すブロック図である。
図12において、図11に示す構成と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号を付して追加されたローパスフィルタ適用部57は、フレーム積分データ生成部51で生成されたフレーム積分データを受け取り、このフレーム積分データにローパスフィルタを適用する。ローパスフィルタとしては、たとえばガウシアンフィルタを利用できる。これにより、電子透かし信号とは関係のない高域成分雑音が除去され、後の処理の精度が向上し、空間同期回復の精度が向上する。
次に、図13は、この発明の実施の形態7に係る動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置の構成を示すブロック図である。
図13において、図12に示す構成と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号を付して追加されたDFT境界特定部58は、図12に示すブロック境界特定部54の代わりに置き換えられたものであり、図11に示す構成にも適用できる。
(条件1) f(k/2)<f(k)
(条件2) 条件1を満たすkのうち、f(k/2)+f(k)が最大になるk
ただし、kが奇数の場合、
f(k/2)=f((k+1)/2)+f((k−1)/2)とする。
次に、図14は、この発明の実施の形態8に係る動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置の構成を示すブロック図である。
図14において、図12に示す構成と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号を付して追加された回転補正部59は、前述した各実施の形態の空間同期回復装置にも適用できる。
Claims (8)
- 動画像を構成する各フレームに対し時間方向にスペクトラム拡散を施した電子透かし信号を繰り返し埋め込むことによって生成された電子透かし埋め込み動画像から埋め込んだ電子透かしを検出するための前処理としての時間方向同期回復が行われた後に実施される動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法であって、
時間方向同期が回復された検出対象動画像について隣接フレームを使ってフレーム積分を実施しフレーム積分データを生成するフレーム積分データ生成ステップと、
前記フレーム積分データ生成ステップで生成したフレーム積分データに対し二次微分フィルタを施してエッジ成分部分のデータの符号を反転させた二次微分フィルタ適用データを生成する二次微分フィルタ適用データ生成ステップと、
前記二次微分フィルタ適用データ中の符号反転箇所について水平・垂直方向の出現頻度を調べ水平・垂直方向それぞれの零交差累積度数データを生成する零交差累積度数データ生成ステップと、
前記零交差累積度数データ生成ステップで生成した零交差累積度数データから累積度数があるしきい値以上の点を抽出することにより、水平・垂直方向のエッジ点を特定するエッジ点特定ステップと、
前記エッジ点特定ステップで特定した水平・垂直方向のエッジ点を使い、前記フレーム積分データ生成ステップで生成したフレーム積分データに出現した電子透かし信号を構成する個々の幾何学ブロックを特定する同期回復ステップと、
フレーム積分データを上下左右にずらした個々のデータから電子透かしの1ビット目の情報が埋め込まれた位置にあるブロックの値を使って1ビット目の情報を表す値を計算し、その値の絶対値が最も大きくなるずらし位置にて空間方向の同期が回復されたと決定する回復決定ステップと
を備えたことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法。 - 請求項1に記載の動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法において、
前記フレーム積分データ生成ステップでの処理の後に、ローパスフィルタを用いて高域成分の雑音を除去する
ことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法。 - 請求項1または2に記載の動画像用電子透かし検出のための空間方向同期回復方法において、
前記零交差累積度数データ生成ステップの処理後に、生成した零交差累積度数データを離散フーリエ変換したピーク点から埋め込まれた電子透かし信号を構成する最小ブロックのエッジ周期を算出し、算出したエッジ周期と零交差累積度数データとの相関を計算することによりフレーム積分データに出現した電子透かし信号を構成する個々の幾何学ブロックを特定する
ことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法において、
前記二次微分フィルタ適用データ生成ステップの処理後に、二次微分フィルタ適用データ中の符号反転箇所だけを抽出した零交差点データを生成し、零交差点データから直線を抽出し、抽出した直線の角度を算出することによって画像の回転角度を算出し、生成した二次微分フィルタ適用データの回転を元に戻したあとに、零交差累積度数データ生成ステップ以降の処理を行う
ことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復方法。 - 動画像を構成する各フレームに対し時間方向にスペクトラム拡散を施した電子透かし信号を繰り返し埋め込むことによって生成された電子透かし埋め込み動画像から埋め込んだ電子透かしを検出するための前処理としての時間方向同期回復が行われた後に空間方向同期回復を実施する動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置であって、
時間方向同期が回復された動画像と、逆拡散のための時間方向拡散符号とを入力し、フレーム積分データを生成するフレーム積分データ生成部と、
生成されたフレーム積分データに二次微分フィルタを適用する二次微分フィルタ適用部と、
前記二次微分フィルタ適用部からの零交差点データについて水平・垂直方向にそれぞれ累積度数データを作成する零交差累積度数データ生成部と、
水平・垂直方向それぞれにしきい値を設定し、前記零交差累積度数データ生成部で作成された前記累積度数データからしきい値以上の値を持つ行と列を抽出するブロック境界特定部と、
前記ブロック境界特定部から入力された行列番号を使いフレーム積分データ上に現れている個々のブロックを特定すると共にブロックのサイズが異なっている場合にブロックサイズが一定になるように正規化するブロック特定部と、
フレーム積分データとフレーム積分データに存在するブロックの位置情報とを入力してフレーム積分データを上下左右にずらし、ずらすたびに1ビット目の情報を検出し、検出された複数の検出値の中でその絶対値が最も大きくなるずらし位置で空間同期が回復したと決定する空間同期回復部と
を備えたことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置。 - 請求項5に記載の動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置において、
前記フレーム積分データ生成部で生成されたフレーム積分データにローパスフィルタを適用してローパスフィルタ処理されたフレーム積分データを前記二次微分フィルタ適用部に出力するローパスフィルタ適用部をさらに備えた
ことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置。 - 請求項5または6に記載の動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置において、
前記ブロック境界特定部は、前記零交差累積度数データ生成部から水平方向・垂直方向の累積度数データを入力し、それぞれの累積度数データをDFTし、所定の条件を満たす周波数を水平方向・垂直方向それぞれのDFT結果から抽出するDFT境界特定部でなる
ことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置。 - 請求項5ないし7のいずれか1項に記載の動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置において、
前記零交差累積度数データ生成部からの水平方向・垂直方向の累積度数データを入力し、累積度数データの回転角度を検出し、回転が戻された累積度数データを前記ブロック境界特定部に出力する回転補正部をさらに備えた
ことを特徴とする動画像用電子透かし検出のための空間同期回復装置。
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