JP4565831B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両に搭載される無段変速機の変速制御装置に関する。
車両の動力伝達系に搭載される無段変速機(CVT)には、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機などがあり、いずれの変速機においてもその変速比は走行状態に応じて自動的に制御される。たとえば、ベルト式無段変速機は、入力軸に設けられるプライマリプーリと、出力軸に設けられるセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡される駆動ベルトとを備えており、駆動ベルトの巻き付け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させながら入力軸の回転を出力軸に伝達することができる。また、トロイダル式の無段変速機は、入力軸に設けられる入力ディスクと、出力軸に設けられる出力ディスクと、対面する入力ディスクと出力ディスクとに接触するパワーローラとを備えており、各ディスクに対するパワーローラの接触半径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させることができる。
これらの無段変速機を制御するコントロールユニットは、シミュレーションや試験などに基づいて設定された変速特性マップを備えており、アクセル開度、車速、実変速比などの車両情報に基づいて変速特性マップを参照することにより、プライマリプーリや入力ディスクの目標回転数を設定する。次いで、目標回転数に収束させるために必要な変速比を設定するとともに、この変速比に対応した駆動信号を無段変速機に対して出力する。
一般的に、このような変速特性マップは、アクセルペダルの踏み込みによりアクセル開度が増大するときには、変速比をダウンシフトつまりロー側に変化させるように設定される一方、アクセルペダルの解放によりアクセル開度が減少するときには、変速比をアップシフトつまりオーバードライブ側に変化させるように設定されることが多い。しかしながら、コーナが連続する山岳路などを走行する際には、アクセルペダルの踏み込みと解放とが繰り返されるため、アクセルペダルの操作に応じて変速比を切り換えると、運転者に違和感を与えるとともに車両の動力性能を低下させてしまうおそれがある。たとえば、下りのコーナ進入時に、アクセルペダルを解放することによって変速機がアップシフトされた場合には、エンジンブレーキが十分に作動せず、運転者に違和感を与えるおそれがある。また、上りのコーナ進入時に、アクセルペダルを解放することによって変速機がアップシフトされた場合には、コーナを抜けた後の再加速時に車両の動力性能を十分に発揮させることができないおそれもある。
そこで、アクセルペダルの操作速度を所定のサンプリング期間で平均処理することによってアクセルペダルの操作頻度を算出し、この操作頻度に基づいて変速特性マップを変更するようにした無段変速機の変速制御装置が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。この変速制御装置によれば、操作頻度が所定値を超えたときには、変速特性マップ内の目標回転数下限値を引き上げることにより、過度なアップシフトを防止することができ、運転者に与える違和感を抑制するとともに、車両の動力性能を向上させることができる。
特開平9−166206号公報(第3−4頁、図1)
しかしながら、1種類のサンプリング期間のみによってアクセルペダルの操作頻度を設定し、この操作頻度に応じて目標回転数の下限値を変更するか否かを判定する場合には、アクセル操作に対する応答性を向上させ、かつ下限値の変更タイミングを的確に判定することは困難となっていた。
つまり、アクセル操作に対する応答性を向上させるため、サンプリング期間を短く設定すると、短い期間にアクセルペダルを数回操作した場合には、下限値の変更が不要な走行状況であっても、アクセル操作に過敏に反応してしまい、下限値が引き上げられてしまうことになる。また、下限値が引き上げられるだけでなく、直ちに下限値は以前の状態に戻されてしまうため、制御ハンチングが生じて運転者に違和感を与えることになる。このように、応答性を向上させようとすると、逆に下限値を変更する際の確実性を損なうことになっていた。
一方、下限値を変更する際の確実性を向上させるため、サンプリング期間を長く設定すると、下限値を変更する際には長い期間に渡ってアクセル操作を続ける必要があり、アクセル操作に対する応答性を損なうことになっていた。このように、アクセル操作に対する応答性を損なうことなく、下限値を変更する際に必要な操作頻度の基準を的確に設定し、応答性と確実性とを高レベルで両立させることは大変困難であった。
本発明の目的は、アクセルペダルの操作状況を判定する際に、アクセル操作に対する応答性と確実性とを両立させることにある。
本発明の他の目的は、アクセルペダルの操作状況に応じて、適切な変速制御を実行することにある。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、動力伝達要素を介して入力側回転体の回転を無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の変速制御装置であって、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作検出手段と、前記アクセルペダルの操作速度を第1サンプリング期間で移動平均処理した第1操作頻度と、前記操作速度を前記第1サンプリング期間よりも長い第2サンプリング期間で移動平均処理した第2操作頻度とを算出する操作頻度算出手段と、前記第1操作頻度と所定の閾値とを比較するとともに前記第2操作頻度と所定の閾値とを比較して前記アクセルペダルの操作状況を判定し、この操作状況に応じて変速モードを切り換える切換判定手段とを有することを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記切換判定手段は、前記第1および第2操作頻度の一方または双方による判定要因に基づいて変速モードを切り換える際の操作状況を判定し、前記判定要因と異なる判定要因に基づいて変速モードの切り換えを解除する際の操作状況を判定することを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記切換判定手段は、前記第1操作頻度が所定の閾値を上回るとともに前記第2操作頻度が所定の閾値を上回るときに、変速モードを切り換えることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記切換判定手段は、前記第2操作頻度が所定の閾値を下回るときに変速モードの切り換えを解除することを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記閾値は車速が高い程に小さく設定されることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記操作頻度算出手段は、アクセルペダルを解放する際の前記操作速度に1以下の重み係数を乗じ、前記操作速度の絶対値を移動平均処理することにより、前記第1および第2操作頻度を算出することを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記重み係数は車速が高い程に大きく設定されることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記切換判定手段は、車速が所定値を上回る状態のもとで変速モードを切り換えることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記切換判定手段は、前記アクセルペダルの操作量が所定値を上回る状態のもとで変速モードを切り換えることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記切換判定手段は、車速、第1操作頻度、第2操作頻度、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクのうち、少なくともいずれか1つに基づいて前記入力側回転体の回転数領域を規定し、この回転数領域内における走行状態のもとで変速モードを切り換えることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、変速モードが切り換えられた状態のもとでは変速速度が通常変速モードに対して変更されることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、変速モードが切り換えられた状態のもとでは前記入力側回転体の目標回転数が通常変速モードに対して変更されることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、アクセルペダルの操作量、車速、エンジン回転数、第1操作頻度、第2操作頻度、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクのうち、少なくともいずれか1つに基づいて、前記変速速度または前記目標回転数の変更量が設定されることを特徴とする。
本発明によれば、運転者によるアクセルペダルの操作状況を、第1サンプリング期間で算出された第1操作頻度と、第1サンプリング期間よりも長い第2サンプリング期間で算出された第2操作頻度とを用いて判定するようにしたので、アクセルペダルの操作状況を判定する際に、アクセル操作に対する応答性と確実性とを両立させることができ、変速モードの切換タイミングや解除タイミングを様々な車両特性に合わせて適切に設定することができる。
また、変速モードが切り換えられた場合には、変速速度や目標回転数を変更するようにしたので、アクセル操作に対して入力側回転体の回転変動を緩やかにすることができる。これにより、運転者に与える違和感の抑制や、運転操作の軽減を達成することができる。
さらに、アクセル操作に対する入力側回転体の回転変動を緩やかにすることにより、アクセルペダルの解放に伴う過度のアップシフトを回避することができる。これにより、エンジンブレーキの作動を確保することができるとともに、再加速時には車両の動力性能を十分に発揮させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は車両に搭載される無段変速機10を示すスケルトン図である。図1に示すように、この無段変速機10はベルト式無段変速機であり、エンジン11に駆動されるプライマリ軸12と、これに平行となるセカンダリ軸13とを有している。プライマリ軸12とセカンダリ軸13との間には変速機構が設けられており、プライマリ軸12の回転は変速されてセカンダリ軸13に伝達される。そして、セカンダリ軸13の回転は、減速機構14やディファレンシャル機構15を介して左右の駆動輪16,17に伝達される。
プライマリ軸12には入力側回転体であるプライマリプーリ20が設けられており、このプライマリプーリ20はプライマリ軸12に一体となった固定プーリ20aと、これに対向してプライマリ軸12に軸方向に摺動自在となって装着される可動プーリ20bとを有している。また、セカンダリ軸13には出力側回転体であるセカンダリプーリ21が設けられており、このセカンダリプーリ21はセカンダリ軸13に一体となった固定プーリ21aと、これに対向してセカンダリ軸13に軸方向に摺動自在となって装着される可動プーリ21bとを有している。
プライマリプーリ20とセカンダリプーリ21との間には動力伝達要素である駆動ベルト22が掛け渡されており、プライマリプーリ20とセカンダリプーリ21との溝幅を変化させ、駆動ベルト22の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸12の回転が無段階に変速されてセカンダリ軸13に伝達される。駆動ベルト22のプライマリプーリ20に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ21に対する巻き付け径をRsとすると、変速比はRs/Rpとなる。
プライマリプーリ20の溝幅を変化させるために、プライマリ軸12にはプランジャ23が固定され、可動プーリ20bにはプランジャ23の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ24が固定されており、プランジャ23とプライマリシリンダ24とによって作動油室25が区画されている。一方、セカンダリプーリ21の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸13にはプランジャ26が固定され、可動プーリ21bにはプランジャ26の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ27が固定され、プランジャとセカンダリシリンダ27とによって作動油室28が区画されている。それぞれのプーリ20,21の溝幅は、プライマリ側の作動油室25に導入されるプライマリ圧Ppと、セカンダリ側の作動油室28に導入されるセカンダリ圧Psとを調整することにより設定される。
また、プライマリプーリ20にエンジン動力を伝達するため、クランク軸11aとプライマリ軸12との間にはトルクコンバータ30と前後進切換機構31とが設けられている。トルクコンバータ30はクランク軸11aに連結されるポンプシェル30aとこれに対面するタービンランナ30bとを備えており、タービンランナ30bにはトルクコンバータ軸32が連結されている。また、トルクコンバータ30内には、走行状況に応じてクランク軸11aとトルクコンバータ軸32とを締結するためのロックアップクラッチ33が組み込まれている。
前後進切換機構31は、ダブルピニオン式の遊星歯車列34、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36を備えており、前進用クラッチ35と後退用ブレーキ36とを作動させることで前後進切換機構31内の動力伝達経路を切り換えることができる。前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36を共に解放すると、トルクコンバータ軸32とプライマリ軸12とは切り離され、前後進切換機構31はプライマリ軸12に動力を伝達しないニュートラル状態に切り換えられる。また、後退用ブレーキ36を解放した状態のもとで前進用クラッチ35を締結すると、トルクコンバータ軸32の回転がそのままプライマリプーリ20に伝達される。さらに、前進用クラッチ35を解放した状態のもとで後退用ブレーキ36を締結すると、トルクコンバータ軸32の回転が逆転されてプライマリプーリ20に伝達される。
図2は無段変速機10の油圧制御系および電子制御系を示す概略図である。図2に示すように、プライマリプーリ20やセカンダリプーリ21に作動油を供給するため、無段変速機10にはエンジン11に駆動されるオイルポンプ40が設けられている。オイルポンプ40の吐出口に接続されるセカンダリ圧路42は、セカンダリプーリ21の作動油室28に接続されるとともにセカンダリ圧調整弁43の調圧ポート43aに接続されている。このセカンダリ圧調整弁43によって調圧されるライン圧つまりセカンダリ圧Psは、駆動ベルト22に対してトルク伝達に必要な張力を与える圧力に調整される。
また、セカンダリ圧路42はプライマリ圧調整弁44の入力ポート44aに接続されており、プライマリ圧調整弁44の出力ポート44bから延びるプライマリ圧路45はプライマリプーリ20の作動油室25に接続されている。プライマリ圧調整弁44によって、セカンダリ圧Psは目標変速比などに応じたプライマリ圧Ppに調圧され、プライマリ圧Ppによりプライマリプーリ20の溝幅が設定される。
ここで、プライマリ圧Ppはセカンダリ圧Psを減圧した圧力であるが、作動油室25の受圧面積は作動油室28に比べて大きく設定されるため、プライマリ圧Ppの供給制御によってプライマリプーリ20の溝幅を変化させるとともに、駆動ベルト22を介してセカンダリプーリ21の溝幅を変化させることができる。セカンダリ圧調整弁43とプライマリ圧調整弁44はそれぞれ電磁弁であり、CVT制御ユニット41からソレノイドコイル43b,44cに供給される電流値を制御することによって、セカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppとは調圧される。
プライマリプーリ20やセカンダリプーリ21を制御するCVT制御ユニット41は、図示しないマイクロプロセッサ(CPU)を備えており、このCPUにはバスラインを介してROM、RAMおよびI/Oポートが接続される。ROMは制御プログラム、変速特性マップ、エンジントルクマップなどを格納しており、RAMはCPUで演算処理したデータを一時的に格納するようになっている。また、I/Oポートを介してCPUには各種センサから車両の走行状態を示す検出信号が入力される。
CVT制御ユニット41に検出信号を入力する各種センサとしては、プライマリプーリ20の回転数を検出するプライマリ回転数センサ50、セカンダリプーリ21の回転数を検出するセカンダリ回転数センサ51、アクセルペダルの操作量つまりアクセル開度APを検出するアクセル操作検出手段としてのアクセルペダルセンサ52(以下、アクセルセンサという)、車速を検出する車速センサ53、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ54、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ55、車幅方向に作用する横加速度を検出する横Gセンサ56、車両の前後方向に作用する前後加速度を検出する前後Gセンサ57などがある。
図3はプライマリプーリ20の目標回転数Npと車速Vとの関係を示す変速特性線図である。図3に示すように、たとえば、車両を停止状態から加速させるため、アクセルペダルを全開まで踏み込んだ場合には、目標回転数Npは変速比が最大となる特性線LOWに沿ってA点に達する。次いで、変速比をオーバードライブ側に変化させるとともに目標回転数Npを若干上昇させながらB点に達し、変速比を更にオーバードライブ側に変化させるとともに目標回転数Npを低下させながらC点に達する。この状態からアクセルペダルを解放した場合には、変速比が最小となる特性線ODに沿ってD点まで減速した後に、D点からE点にかけて変速比をロー側に変化させながら更に減速する。そして、変速比をロー側に維持した状態で車両が停止することになる。
なお、図3に示す複数本の破線は、それぞれ所定のアクセル開度APに対応した車速Vと目標回転数Npとの関係を示す特性線であり、複数本の細線は、それぞれ所定の変速比に対応した車速Vと目標回転数Npとの関係を示す特性線である。実際の走行においては、CVT制御ユニット41が、車速Vやアクセル開度APなどに基づいて、A点からE点で示される太線の範囲内で適切な目標回転数Npを設定するとともに、この目標回転数Npに応じた変速比を得るためプライマリ圧調整弁44に対してプライマリ圧Ppに対応した駆動電流を供給する。これにより、車両は変速比を無段階に変化させながら、低速走行から高速走行まで滑らかに走行することが可能となる。
さらに、CVT制御ユニット41は、走行状況に応じて2つの変速モードを適宜選択しながら無段変速機10の変速比を制御する。CVT制御ユニット41は、通常走行時に適用される通常変速モードと、アクセルペダルが頻繁に操作されたときに切り換えられるアクセル操作モードとを備えており、CVT制御ユニット41には、これら2つの変速モードにそれぞれ対応する制御プログラムなどが格納されている。
以下、CVT制御ユニット41による変速モードの切り換え手順について説明する。図4はCVT制御ユニット41の変速制御系を示すブロック図である。図4に示すように、CVT制御ユニット41内の目標回転数設定部60には、車速センサ53から車速Vが入力されるとともに、アクセルセンサ52からアクセル開度APが入力される。入力された車速Vとアクセル開度APとに基づいて、目標回転数設定部60は変速特性マップを参照することにより、プライマリプーリ20の目標回転数Npを設定する。
一方、アクセルセンサ52からのアクセル開度APは、目標回転数設定部60だけでなく、CVT制御ユニット41内の操作頻度算出手段つまり操作頻度算出部61にも入力される。そして、操作頻度算出部61は、以下に示す手順に従って、アクセルペダルの第1操作頻度Af1と第2操作頻度Af2とを算出する。まず、操作頻度算出部61は、以下の式(1)に従ってフィルタ後のアクセル開度APFを算出する。ここで、APF(t-1)は所定時間(たとえば、1000ms)前に算出されたアクセル開度である。
APF=(AP+APF(t-1) )/2・・・・・(1)
また、操作頻度算出部61は開度変化量(操作速度)DAPを、以下の式(2)に従って算出する。この開度変化量DAPは、所定時間毎の変化量であるため、アクセルペダルの操作速度を示すことになる。なお、アクセル開度APFを微分処理することにより、操作速度を算出するようにしても良い。
DAP=APF−APF(t-1)・・・・・(2)
さらに、操作頻度算出部61は、操作速度DAPの絶対値DAPaを、以下の式(3),(4)に従って算出する。アクセルペダルを踏み込むことにより、操作速度DAPが正側に現れる場合には、そのままの値が維持される一方、踏み込んだアクセルペダルを解放することにより、操作速度DAPが負側に現れる場合には、1以下の重み係数Kが乗算されるとともに絶対値DAPaが算出される。なお、重み係数Kは車速Vが高い程に大きく設定されている。
DAPa=DAP (DAP≧0のとき)・・・・・(3)
DAPa=|DAP×K| (DAP<0のとき)・・・・・(4)
続いて、操作頻度算出部61は、アクセルペダルの操作頻度Af1,Af2を、以下の式(5)〜(7)に従って算出する。まず、式(5)に示すように、絶対値DAPaの平均値Ma1が算出される。この平均値Ma1は、第1サンプリング期間(500ms)に渡って抽出された絶対値DAPaの移動平均値であり、100ms毎にサンプリング期間をずらしながら算出される。そして、式(6)に示すように、平均値Ma1と前回算出された操作頻度Af1n-1とを平均処理することにより、アクセルペダルの操作頻度Af1が算出される。また、アクセルペダルの操作頻度Af2を算出する際には、式(7)に示すように、第2サンプリング期間(1000ms)に渡って抽出された絶対値DAPaの移動平均値Ma2が、100ms毎にサンプリング期間をずらしながら算出される。そして、式(8)に示すように、平均値Ma2と前回算出された操作頻度Af2n-1とを平均処理することにより、アクセルペダルの操作頻度Af2が算出される。
Ma1=(DAPa+DAPan-1+・・・・+DAPan-19)/20・・・・・(5)
Af1=(Ma1+Af1n-1)/2・・・・・(6)
Ma2=(DAPa+DAPan-1+・・・・+DAPan-19)/20・・・・・(7)
Af2=(Ma2+Af2n-1)/2・・・・・(8)
次いで、前述した操作頻度Af1,Af2の算出手順を図5に従って説明する。図5はアクセルペダルの操作状況から算出される各種数値を示す線図である。図5において、(A)はアクセル開度APFを示し、(B)は操作速度DAPを示し、(C)は重み係数Kを乗算した操作速度DAPを示している。また、(D)は操作速度DAPの絶対値DAPaを示し、(E)は操作頻度Af1,Af2を示している。なお、(A)〜(E)の時間軸は同一の経過時間を示している。
まず、図5(A)に示すように、運転者によりアクセルペダルの操作が行われたときには、アクセルセンサ52からの検出信号に基づいて、アクセル開度APFが算出される。続いて、図5(B)に示すように、操作速度DAPが算出され、図5(C)に示すように、負側の操作速度DAPに重み係数Kが乗算される。そして、図5(D)に示すように、操作速度DAPの絶対値DAPaが算出され、図5(E)に示すように、絶対値DAPaに基づいてアクセルペダルの操作頻度Af1,Af2が算出される。
操作頻度Af1は、第1サンプリング期間(500ms)に渡って抽出された絶対値DAPaを移動平均処理したものであるのに対し、操作頻度Af2は、第1サンプリング期間よりも長い第2サンプリング期間(1000ms)に渡って抽出された絶対値DAPaを移動平均処理したものであるため、図5(E)に示すように、操作頻度Af2は操作頻度Af1よりも変動量が少ない状態で算出される。
このように算出された操作頻度Af1,Af2は、図4に示すように、CVT制御ユニット41内の切換判定手段である切換判定部62に入力される。切換判定部62は、操作頻度Af1,Af2に基づいて、アクセルペダルの操作状況を判定するとともに、この操作状況から変速モードをアクセル操作モードに切り換えるか否かを判定する。また、切換判定部62には、操作頻度Af1と比較される閾値H1と、操作頻度Af2と比較される閾値H2とが格納されている。これらの閾値H1,H2は、シミュレーションや試験などにより予め設定されたものであり、車速Vが高い程に小さく設定されている。
まず、切換判定部62により比較を実行するための開始条件が判定される。この開始条件としては、アクセル開度APFが所定値以上であること、車速Vが所定値以上であること、アクセルセンサ52が正常に作動していること、そしてプライマリプーリ20の回転数が図3に示す規定領域ANp内であることなどが判定される。なお、アクセル開度APFと比較される所定値や、車速Vと比較される所定値は、シミュレーションや試験などにより予め設定されている。また、プライマリプーリ20の回転数領域つまり図3に示す規定領域ANpは、車速V、操作頻度Af1,Af2、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクなどの走行情報に応じて規定される領域である。
これらの各条件を満たすことにより、操作頻度Af1,Af2と閾値H1,H2との比較が開始され、アクセルペダルの操作状況が判定されることになる。図6は操作頻度Af1,Af2と閾値H1,H2とを比較した状態を示す説明図である。図6に示すように、操作頻度Af1が閾値H1を上回るとともに、操作頻度Af2が閾値H2を上回ることにより、変速モードの切り換えが必要なアクセルペダルの操作状況であると判定された場合には、変速モードが通常変速モードからアクセル操作モードに切り換えられる。そして、操作頻度Af2が閾値H2を下回ることにより、若しくはアクセルセンサ52から故障信号が入力されることにより、変速モードの切り換えが不要な操作状況であると判定された場合には、アクセル操作モードが解除され通常変速モードに切り換えられる。
なお、アクセル操作モードに切り換える際の判定要因として、操作頻度Af1と操作頻度Af2とを用いるようにしているが、操作頻度Af1,Af2の双方を用いることなく、操作頻度Af1,Af2のいずれか一方を用いることにより、切り換えに必要なアクセルペダルの操作状況を判定するようにしても良い。また、アクセル操作モードを解除する際の判定要因として、操作頻度Af2のみを用いるようにしているが、操作頻度Af1のみ若しくは操作頻度Af1,Af2の双方を用いることにより、解除に必要なアクセルペダルの操作状況を判定するようにしても良い。
このように、運転者によるアクセルペダルの操作状況を、第1サンプリング期間(500ms)で算出された操作頻度Af1と、第2サンプリング期間(1000ms)で算出された操作頻度Af2とを用いて判定するようにしたので、アクセルペダルの操作状況を判定する際に、アクセル操作に対する応答性と確実性とを両立させることができ、アクセル操作モードの切換タイミングや解除タイミングを様々な車両特性に合わせて適切に設定することができる。
つまり、長さの異なるサンプリング期間によって操作頻度を算出するようにしたので、同一のアクセル開度APであっても、それぞれに立ち上がり特性と落ち込み特性とが異なる2種類の操作頻度Af1,Af2を得ることができる。たとえば、アクセル操作モードを設定する際にはアクセル操作に対する応答性が要求される一方、アクセル操作モードを解除する際にはアクセル操作に対する確実性が要求される車両にあっては、それぞれの判定要因として操作頻度Af1と操作頻度Af2とを使い分けることにより、相反する応答性と確実性とを両立させることができる。このように、変速モードを切り換える際の判定要因と、この切り換えを解除する際の判定要因とを、操作頻度Af1,Af2を用いて異なる判定要因に設定することにより、アクセル操作に対する応答性と確実性とを両立させることができ、変速モードの切換タイミングや解除タイミングを的確に設定することが可能となる。
図示する場合には、操作頻度Af1が閾値H1を上回った場合であっても、操作頻度Af2が閾値H2を上回るまでは、通常変速モードが維持されるため、不用意にアクセル操作モードが設定されてしまうことはなく、アクセル操作モードに切り換える際の確実性を高めることができる。また、操作頻度Af2だけが閾値H2を上回った場合であっても、操作頻度Af1が閾値H1を上回るまでは、通常変速モードが維持されるため、直近の操作頻度を考慮してアクセル操作モードに切り換えることができ、アクセル操作に対する応答性を向上させることもできる。さらに、アクセル操作モードの解除を判定する際に、操作頻度Af2が閾値H2を下回ることを条件としたので、アクセル操作モードの不要な操作状況を確実に判定してから、アクセル操作モードを解除することができる。つまり、アクセル操作モードの継続性を高めることができる。
また、アクセルペダルを解放する際に検出される操作速度DAPに、1以下の重み係数Kを乗算するようにしたので、操作頻度Af1,Af2をより適切に算出することができる。一般的に、アクセルペダルを踏み込むよりも解放する際の操作速度が速いため、そのまま判定に使用するとアクセル解放側の比重が増してしまうことになるが、アクセル解放側に重み係数Kを乗算することにより、踏み込み操作と解放操作とを適切に判定することができる。
さらに、車速Vが高い程に重み係数Kを大きく設定するようにしたので、操作頻度Af1,Af2をより適切に算出することができる。つまり、運転者は高速走行になる程、アクセルペダルを解放側に操作することが少なくなるため、高速走行時に運転者が行う解放操作は重要な意味を持つことになる。従って、高速走行時においては、アクセル解放側の比重を高めることにより、アクセルペダルの操作判定をより適切に行うことができる。
さらに、車速Vが高い程に閾値H1,H2を小さく設定するようにしたので、アクセルペダルの操作状況をより適切に判定することができる。つまり、高速走行になる程、アクセルペダルの操作速度DAPは低下する傾向にあるため、算出される操作頻度Af1,Af2も減少することになる。従って、高速走行時においては、閾値H1,H2を小さく設定することにより、アクセルペダルの操作判定をより適切に行うことができる。
以下、アクセル操作モードに切り換えられた場合の変速制御について説明する。図4に示すように、切換判定部62においてアクセル操作モードへの切り換えが決定されると、切換判定部62から変速速度設定部63に判定信号が入力され、変速速度設定部63は変速速度の補正制御を開始する。変速速度設定部63は、通常変速モード用の変速速度Vaに対する変更量つまり補正量ΔVaを設定し、この補正量ΔVaに基づいてアクセル操作モード用の変速速度Va'を算出する。この変速速度Va'は変速速度Vaよりも低速となっており、変速速度Va'を算出する際の補正量ΔVaは、アクセル開度AP、車速V、エンジン回転数、操作頻度Af1,Af2、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクなどの走行情報に基づいて設定される。なお、路面勾配は、車速、スロットル開度、エンジン回転数などから求められる走行負荷に基づいて算出され、エンジントルクはスロットル開度やエンジン回転数などからエンジントルクマップを参照して算出され、車両駆動トルクは車速、エンジン回転数、エンジントルクなどに基づいて算出される。
このように設定された変速速度Va'は、目標回転数設定部60からの目標回転数Npとともに、CVT制御ユニット41内の電流制御部64に入力される。そして、電流制御部64から変速比を制御するプライマリ圧調整弁44に、目標回転数Npおよび変速速度Va'に対応した駆動電流が供給され、目標回転数Npに収束するように無段変速機10の変速比が制御される。
図7は、運転者によるアクセル操作と、このアクセル操作によるプライマリプーリ20の回転変動との相関を示す線図である。(A)は運転者の操作によるアクセル開度APの変動を示し、(B)はプライマリプーリ20の回転変動を示している。なお、(A)および(B)に示す時間軸は同一の経過時間を示している。
図7(A)および(B)に示すように、運転者によりアクセルペダルの操作が頻繁に行われる状況下においては、操作頻度Af1,Af2に基づいてアクセルペダルの操作状況が判定され、変速モードが通常変速モードからアクセル操作モードに切り換えられる。そして、アクセル操作モードにおいては、遅い変速速度Va'が設定されるため、頻繁なアクセル操作に対してプライマリプーリ20の回転変動を緩やかにすることができる。これにより、プライマリプーリ20の回転変動を抑制することができ、運転者に与える違和感の抑制や、運転操作の軽減を達成することができる。
たとえば、コーナが連続する山岳路を走行する際など、アクセルペダルの操作が頻繁に行われる場合には、アクセル操作モードに切り換えることにより、プライマリプーリ20の回転が緩やかに変動するため、アクセルペダルの解放に伴う過度のアップシフトが回避されることになる。このため、エンジンブレーキの作動を確保することができるとともに、再加速時には車両の動力性能を十分に発揮させることができる。
また、アクセル開度APFや車速Vが所定値を上回る状態のもとで、アクセル操作モードに切り換えるようにするため、運転者に違和感を与えることがない。
さらに、アクセル操作モードに切り換える際の規定領域ANpを、車速V、操作頻度Af1,Af2、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクなどの走行情報に応じて規定するようにしたので、車両の走行状態に応じて適切にアクセル操作モードに切り換えることができる。
さらに、アクセル操作モードに切り換えられた場合には、変速速度の低下補正を行うことにより、プライマリプーリ20の急激な回転数低下を抑制するようにしたので、回転数低下を抑制するために目標回転数Npの下限値を上昇させる必要はない。これにより、車両の走行状態を維持するアクセル開度AP以下の場合には、時間の経過に応じてプライマリプーリ20の回転数を最低回転まで落とすことができ、運転者に与える違和感を抑制することができる。
図8は変速制御装置による変速制御の手順を示すフローチャートである。以下、これまで説明した変速制御の手順を図8のフローチャートに従って説明する。図8に示すように、ステップS1では操作頻度Af1,Af2が算出され、続くステップS2では、車速Vが所定値を上回っているか否か、アクセル開度APFが所定値を上回っているか否か、アクセルセンサ52が正常に作動しているか否か、そしてプライマリプーリ20の回転数が規定領域ANp内であるか否かが判定される。ステップS2において、全ての開始条件を満たしていると判定された場合には、ステップS3に進み、操作頻度Af1が閾値H1を上回るとともに、操作頻度Af2が閾値H2を上回るか否かが判定される。
ステップS2において、全ての開始条件を満たしていないと判定された場合や、
ステップS3において、操作頻度Af1,Af2の少なくとも一方が、それぞれに対応する閾値H1,H2を下回ると判定された場合には、続くステップS4において通常変速モードの維持が決定され、続くステップS5において変速速度Vaの維持が決定される。そして、ステップS6に進み、変速速度Vaに基づき変速制御が実行される。
一方、ステップS3において、操作頻度Af1,Af2が、それぞれに対応する閾値H1,H2を上回ると判定された場合には、ステップS7に進み、通常変速モードからアクセル操作モードに切り換えられ、続くステップS8において、変速速度Vaよりも遅い変速速度Va'が設定される。そして、ステップS9において変速速度Va'に基づき変速制御が実行された後に、ステップS10において再び操作頻度Af2が算出される。続くステップS11では、操作頻度Af2が閾値H2を下回るか否か、そしてアクセルセンサ52が故障しているか否かが判定される。
ステップS11において、アクセルセンサ52が故障している場合や、操作頻度Af2が閾値H2を下回ると判定された場合には、ステップS12に進み、アクセル操作モードの切り換えが解除され通常変速モードに復帰する。一方、アクセルセンサ52が正常に作動しており、かつ操作頻度Af2が閾値H2を上回ると判定された場合には、ステップS8に進み、アクセル操作モードによる変速制御が継続されることになる。
次いで、アクセル操作モードによる他の変速制御について説明する。前述したように、アクセル操作モード時には変速速度Vaを補正することにより、プライマリプーリ20の回転変動を抑制しているが、アクセル操作モード時の変速制御としては、変速速度Vaの補正に限られることはなく、プライマリプーリ20の目標回転数Npを補正するようにしても良い。図9は変速制御において目標回転数Npを補正する際の手順を示すフローチャートであり、図10は目標回転数Npの補正例を示す説明図である。なお、図9において、図8のフローチャートに示す手順と同一の手順については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、アクセルペダルの操作状況を判定することにより、ステップS4において、通常変速モードが維持された場合には、ステップS5aに進み、アクセル開度APや車速Vに基づきプライマリプーリ20の目標回転数Npが設定される。そして、続くステップS6aにおいて、目標回転数Npに基づく変速制御が実行される。一方、操作状況の判定により、ステップS7において、通常変速モードからアクセル操作モードに切り換えられた場合には、続くステップS8aにおいて、目標回転数Npに変更量つまり補正量ΔNpを加味した目標回転数Np'が算出される。そして、ステップS9aにおいて目標回転数Np'に基づいて変速制御が実行される。ここで、ステップS8aにおいて目標回転数Npに加味される補正量ΔNpは、アクセル開度AP、車速V、エンジン回転数、操作頻度Af1,Af2、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクなどの車両情報に基づいて設定される補正量であり、目標回転数Npの変動を抑制するように設定される。
たとえば、図10に示すように、走行状態aから状態b相当までアクセルペダルが踏み込まれた場合には、状態bよりも低回転側の状態b'に目標回転数Np'が設定されるように補正量ΔNpが算出される。つまり、アクセルペダルが踏み込まれた場合には、補正量ΔNpは負の値に設定されることになる。一方、走行状態aから状態c相当までアクセルペダルが解放された場合には、状態cよりも高回転側の状態c'に目標回転数Np'が設定されるように補正量ΔNpが設定される。つまり、アクセルペダルが解放された場合には、補正量ΔNpは正の値に設定されることになる。
このように、変速速度Vaを補正する場合だけでなく、目標回転数Npを補正する場合であっても、変速速度Vaを補正した場合の効果と同様の効果を得ることができる。つまり、アクセルペダルの頻繁な操作に影響されることなく、プライマリプーリ20の回転変動を抑制することができ、運転者に与える違和感の抑制や、運転操作の軽減を達成することができる。特に、コーナが連続する山岳路を走行する場合には、プライマリプーリ20の回転変動を抑制して回転数を維持することができるため、エンジンブレーキの作動を確保することができ、再加速時には車両の動力性能を十分に発揮させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、アクセルセンサ52からの検出信号に基づいてアクセル開度APを算出するようにしているが、アクセルセンサ52に限られることはなく、他のアクセル操作検出手段つまりスロットル開度センサ54からの検出信号に基づいてアクセル開度APを算出するようにしても良い。
また、アクセル操作モードに切り換えられた場合には、変速速度Vaまたは目標回転数Npを補正することによって、新たな変速速度Va'または目標回転数Np'に変更しているが、予め設定された複数の変速速度Va'や目標回転数Np'を格納しておくことにより、変速速度Va'や目標回転数Np'を走行状況に応じて選択するようにしても良い。
また、アクセル開度APをフィルタ処理したアクセル開度APFに基づいて、各種制御を実行するようにしているが、フィルタ処理を施すことなく、アクセル開度APに基づいて各種制御を実行するようにしても良い。
さらに、CVT制御ユニット41は、走行状況に応じて2つの変速モードを適宜選択しながら無段変速機10の変速比を制御しているが、変速モードとしては通常変速モードとアクセル操作モードとに限られることはなく、更に多くの変速モードを使い分けるようにしても良い。
さらに、第1サンプリング期間は500msに限られることはなく、走行状況や変速特性などに応じて適宜変更しても良い。同様に、第2サンプリング期間も1000msに限られることはなく、適宜変更しても良いことはいうまでもない。
さらに、2種類の操作頻度Af1,Af2に限られることはなく、異なるサンプリング期間で算出される操作頻度を用いることにより、3種類以上の操作頻度によってアクセルペダルの操作状況を判定するようにしても良い。
さらに、操作頻度Af1,Af2と比較される閾値H1,H2は、それぞれ異なる値に設定されているが、同一の値に設定するようにしても良い。
なお、本発明の変速制御装置を適用する無段変速機としては、図示するベルト式無段変速機10に限られることはなく、トロイダル式無段変速機であっても良いことはいうまでもない。
車両に搭載される無段変速機を示すスケルトン図である。 無段変速機の油圧制御系および電子制御系を示す概略図である。 目標回転数と車速との関係を示す変速特性線図である。 CVT制御ユニットの変速制御系を示すブロック図である。 アクセルペダルの操作状況から算出される各種数値を示す線図である。 操作頻度と閾値とを比較した状態を示す説明図である。 運転者によるアクセル操作と、このアクセル操作によるプライマリプーリの回転変動との関係を示す線図である。 変速制御の手順を示すフローチャートである。 変速制御の手順を示すフローチャートである。 目標回転数の補正例を示す説明図である。
符号の説明
10 無段変速機
20 プライマリプーリ(入力側回転体)
21 セカンダリプーリ(出力側回転体)
22 駆動ベルト(動力伝達要素)
41 CVT制御ユニット
52 アクセルペダルセンサ(アクセル操作検出手段)
61 操作頻度算出部(操作頻度算出手段)
62 切換判定部(切換判定手段)
Af1 第1操作頻度(判定要因)
Af2 第2操作頻度(判定要因)
AP,APF アクセル開度(操作量)
ANp 規定領域(回転数領域)
DAP 操作速度
DAPa 絶対値
H1,H2 閾値
K 重み係数
Np,Np' 目標回転数
ΔNp 補正量(変更量)
Va,Va' 変速速度
ΔVa 補正量(変更量)
V 車速

Claims (13)

  1. 動力伝達要素を介して入力側回転体の回転を無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の変速制御装置であって、
    アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作検出手段と、
    前記アクセルペダルの操作速度を第1サンプリング期間で移動平均処理した第1操作頻度と、前記操作速度を前記第1サンプリング期間よりも長い第2サンプリング期間で移動平均処理した第2操作頻度とを算出する操作頻度算出手段と、
    前記第1操作頻度と所定の閾値とを比較するとともに前記第2操作頻度と所定の閾値とを比較して前記アクセルペダルの操作状況を判定し、この操作状況に応じて変速モードを切り換える切換判定手段とを有することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の変速制御装置において、前記切換判定手段は、前記第1および第2操作頻度の一方または双方による判定要因に基づいて変速モードを切り換える際の操作状況を判定し、前記判定要因と異なる判定要因に基づいて変速モードの切り換えを解除する際の操作状況を判定することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2記載の無段変速機の変速制御装置において、前記切換判定手段は、前記第1操作頻度が所定の閾値を上回るとともに前記第2操作頻度が所定の閾値を上回るときに、変速モードを切り換えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記切換判定手段は、前記第2操作頻度が所定の閾値を下回るときに変速モードの切り換えを解除することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  5. 請求項3または4記載の無段変速機の変速制御装置において、前記閾値は車速が高い程に小さく設定されることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記操作頻度算出手段は、アクセルペダルを解放する際の前記操作速度に1以下の重み係数を乗じ、前記操作速度の絶対値を移動平均処理することにより、前記第1および第2操作頻度を算出することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  7. 請求項6記載の無段変速機の変速制御装置において、前記重み係数は車速が高い程に大きく設定されることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記切換判定手段は、車速が所定値を上回る状態のもとで変速モードを切り換えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記切換判定手段は、前記アクセルペダルの操作量が所定値を上回る状態のもとで変速モードを切り換えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記切換判定手段は、車速、第1操作頻度、第2操作頻度、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクのうち、少なくともいずれか1つに基づいて前記入力側回転体の回転数領域を規定し、この回転数領域内における走行状態のもとで変速モードを切り換えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、変速モードが切り換えられた状態のもとでは変速速度が通常変速モードに対して変更されることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、変速モードが切り換えられた状態のもとでは前記入力側回転体の目標回転数が通常変速モードに対して変更されることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  13. 請求項11または12記載の無段変速機の変速制御装置において、アクセルペダルの操作量、車速、エンジン回転数、第1操作頻度、第2操作頻度、横加速度、前後加速度、路面勾配、エンジントルク、車両駆動トルクのうち、少なくともいずれか1つに基づいて、前記変速速度または前記目標回転数の変更量が設定されることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。

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