JP4565523B1 - 放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工面積又は第1,第2極間静電容量に基づき、放電パルス等の電気的な加工条件を設定し、極間状態に応じた適正な測定周期で加工条件を変更し、ジャンプ動作等の制御する。
【解決手段】電極Eを精密に移動可能なZ軸移動機構4と、電極Eの移動距離を検知する位置制御部16と、被加工物Wの加工部位と電極Eとの間の合計静電容量を測定可能な静電容量測定部12及び静電容量測定制御部17と、放電加工中に、Z軸移動機構4により電極Eを第1,第2移動位置に移動させ、位置制御部16により検知した第1,第2極間距離及び静電容量測定部12と静電容量測定制御部17により測定した第1,第2合計静電容量を用いて、加工面の加工面積を演算する加工面積演算部21と電極前進端面と加工面間の第1,第2極間静電容量を演算する静電容量演算部22を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電極と被加工物間に放電させることにより、電極の前進端面に対向する被加工物の加工面を放電加工する放電加工装置に関し、放電加工中に加工面の加工面積又は電極と加工面間の極間静電容量を精度良く演算し、適正な加工条件を設定可能にした放電加工装置に関する。
従来より、電極と被加工物とを対向させ、電極の加工進行方向前進端面と被加工物の加工面間の極間間隙に放電させて被加工物を電極と同じ形状に加工することが行われている。この放電加工処理では、放電電流のピーク電流値、放電パルス幅(パルスオン時間、オフ時間)等の電気的な加工条件によって加工速度、加工面粗度、加工形状精度、電極の消耗等に関わる加工特性が大きな影響を受ける。つまり、小さな加工面積に対して大きな加工電流を流した場合、電極の破損や異常消耗が生じ、また、大きな加工面積に対して小さな加工電流を流した場合、加工速度が極端に遅くなることから、加工条件は加工面積に基づいて設定されている。
特許文献1に記載された放電加工装置においては、予め被加工物の加工深さと加工幅のデータを準備し、加工中に電極を移動して加工部位のX軸方向の幅とY軸方向の幅を夫々検出することによって加工面積を算出し、この加工面積から放電ギャツプ(極間距離)を設定している。
特許文献2に記載された放電加工装置においては、電極と被加工物の加工部位(電極側面と電極下面に臨む部位)間の合計された静電容量を検出可能な静電容量検出手段を備え、静電容量が増大したとき、電圧極性を切換えるように構成してある。極間の印加電圧を低下させて極間距離を減少すると共に極間の静電容量を増加することによって、電極の消耗を抑制すると共に加工速度の低下を防止している。
特許文献3に記載された放電加工装置においては、有効放電パルスと無効放電パルスを判別するパルス判別部と、加工処理の軸方向の進み量Lを測定する進み量測定装置と、放電パルスの数nを単位時間の進み量Lによって除算する除算部と、単発放電による除去体積vと除算データn/Lに基づき加工面積Sを算出する加工面積演算部を備えている。加工面積演算部は、放電加工中において加工面積を単発放電による除去体積vと除算データn/Lと次式で表すことにより加工面積を算出し、加工電流値が加工面積に略比例するように加工条件を変更している。加工量をVとすると、V=S・L=v・n 即ち、S=v・n/Lと表すことができる。
特開2002−172526号公報 特開2000−84737号公報 特開平9−38829号公報
前記特許文献1の放電加工装置では、加工中において電極をX軸方向とY軸方向に移動させるため、放電加工処理に必要な加工動作とは別に加工面積を検出するための検出動作を行う必要がある。しかも、加工進行方向において電極が単純な形状の前進端面を備える場合、加工面積の誤差を少なく抑えることができるが、前進端面が複雑形状、つまり、前進端面に凹凸が形成された複雑な加工を行う場合、精度の良い加工面積を算出することが困難である。
前記特許文献2の放電加工装置では、電極と被加工物の加工部位との静電容量を検出しているため、実際に加工処理に寄与しない電極側面と被加工物間の静電容量が静電容量検出値に含まれている。つまり、精度の良い加工条件を設定するためには、誤差に相当する電極側面と被加工物間の静電容量を除いて、電極の加工進行方向の前進端面と被加工物の加工面との間の静電容量(極間静電容量)を検出する必要がある。
前記放電加工装置では、電極と被加工物間の間隙に加工液を流動させて加工屑の排出を図っているが、加工深さが深くなるほど加工屑が間隙から排出されにくくなる。
特許文献3の放電加工装置では、加工屑が加工面上に堆積している場合、加工屑と電極との間に有効放電が生じるため、除去体積vと有効放電パルス数nの誤差が大きくなる。そのため、加工深さが深くなるほど加工面積の誤差が大きくなり、その加工面積に基づいて設定される加工条件の適正値からのズレが大きくなる。
加工精度の良い放電加工を行うためには、被加工物の加工面上に堆積した加工屑や、電極移動手段のギア機構のバックラッシュ等の誤差要素を考慮して加工条件を設定することが必要である。しかし、これらの誤差要素を加味して電極と加工面間の極間距離を求め、加工条件を設定する技術について示唆するものは存在しない。
他方、電極の前進端面が凸凹を有する複雑形状の場合、放電加工中の加工面積が急変する部位において、加工面積を確実に検知することにより加工条件(放電電流や放電パルス)を急変させることが容易ではない。そこで、従来では、電極を複数分割し、複数回の放電加工により加工することも頻繁に採用されている。しかし、この場合、分割した電極の数と同数の回数だけ放電加工をしなければならないため、1つの被加工物に対する放電加工処理時間が増大し、電極のコストが増大する等の問題があった。
本発明の目的は、放電加工中に加工面の加工面積又は電極前進端面と加工面間の極間静電容量を精度良く演算できる放電加工装置、加工屑や、電極を移動させるための移動駆動機構におけるバックラッシュ等を加味した加工条件を設定可能な放電加工装置、加工不良を発生させることなく放電加工回数を低減可能な放電加工装置等を提供することである。
請求項1の放電加工装置は、電極と被加工物の間の間隙に加工液を供給し、前記電極から被加工物へ放電パルスを印加して前記被加工物を放電加工する放電加工装置において、前記電極を移動可能で且つ電極の加工進行方向前進端面から被加工物の加工面までの極間距離を変更可能な移動手段と、前記電極の移動距離を検知する移動距離検知手段と、前記電極に前記間隙を隔てて対向する被加工物の加工部位と前記電極との間の合計静電容量を測定可能な静電容量測定手段と、放電加工開始後の測定周期タイミング毎に、前記放電加工を中断した状態で、前記移動手段により前記電極を複数位置に移動させ、前記移動距離検知手段により検知した複数の極間距離及び前記静電容量測定手段により測定した複数の合計静電容量を用いて、前記加工面の加工面積又はこの加工面積に比例する極間静電容量を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された前記加工面積又は前記極間静電容量に基づいて放電加工パルスに関する加工条件を設定する加工条件設定手段とを備えたことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記加工条件設定手段は、前記加工面積をパラメータとして放電加工パルスに関するピーク電流とパルスON時間とパルスOFF時間を予め設定した第1の加工条件テーブルと、前記極間静電容量をパラメータとして放電加工パルスに関するピーク電流とパルスON時間とパルスOFF時間を予め設定した第2の加工条件テーブルを有することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記演算手段は、前記電極を第1移動位置に移動させた状態において測定した第1極間距離h1及び第1合計静電容量C1、前記電極を第2移動位置に移動させた状態において測定した第2極間距離h2及び第2合計静電容量C2、前記電極を第3移動位置に移動させた状態において測定した第3極間距離h3及び第3合計静電容量C3、加工液の誘電率εとし、前記加工面積Sとしたとき、S=h1・h2・h3(h1(C2−C3)+h2(C3−C1)
+h3(C1−C2)/(ε(h1−h2)(h2−h3)(h3−h1))
に表す式を用いて前記加工面積を演算することを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記演算手段は、前記電極を第1移動位置に移動させた状態において測定した第1極間距離h1と第1合計静電容量C1、前記電極を第2移動位置に移動させた状態において測定した第2極間距離h2と第2合計静電容量C2、前記電極を第3移動位置に移動させた状態において測定した第3極間距離h3と第3合計静電容量C3、前記電極を第4移動位置に移動させた状態において測定した第4極間距離h4と第4合計静電容量C4、極間距離の誤差距離α、加工液の誘電率εとし、加工面積Sとしたとき、
S=((h1+α)×(h2+α)×(h3+α)×(h1(C2−C3)+h2
(C3−C1)+h3(C1−C2)))/(ε(h1−h2)×(h1−h3)
×(h3−h2))
α=A/B
但し、A=h12 (h2(h3(C2−C3)+h4(C4−C2))
+h3h4(C3−C4))−h1(h22(h3(C1−C3)
+h4(C4−C1))+h2(h3+h4)(h3−h4)(C2−C1)+h3h4(h3(C1−C4)+h4(C3−C1)))−h2h3h4(h2(C3−C4)+h3(C4−C2)+h4(C2−C3))
B=h12 (h2(C3−C4)+h3(C4−C2)
+h4(C2−C3))−h1(h22 (C3−C4)+h32
(C4−C2)+h42 (C2−C3))+h22 (h3(C1−C4)
+h4(C3−C1))−h2(h32(C1−C4)+h42
(C3−C1))+h3h4(h3−h4)(C1−C2)
に表す式を用いて前記加工面積を演算することを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、前記演算手段は、前記電極を第1移動位置に移動させた状態において測定した第1極間距離h1及び第1合計静電容量C1、前記電極を第2移動位置に移動させた状態において測定した第2極間距離h2及び第2合計静電容量C2、前記電極を第3移動位置に移動させた状態において測定した第3極間距離h3及び第3合計静電容量C3、前記電極を第4移動位置に移動させた状態において測定した第4極間距離h4及び第4合計静電容量C4、電極前進端面と電極の軸心の間の角度θ、極間距離の誤差距離α、加工液の誘電率εとし、前記加工面積S、前記極間静電容量Cとしたとき、
S=( (h1+α)×(h2+α)×(h3+α)×(h1(C2−C3)+h2(C3−C1)+h3(C1−C2))×sinθ) /(ε(h1−h2)×(h2−h3)×(h3−h1))
α=A/B
但し、A=h1 2 (h2(h3(C2−C3)+h4(C4−C2))
+h3h4(C3−C4))−h1(h2 2 (h3(C1−C3)
+h4(C4−C1))+h2(h3+h4)(h3−h4)(C2−C1)+h3h4(h3(C1−C4)+h4(C3−C1)))−h2h3h4(h2(C3−C4)+h3(C4−C2)+h4(C2−C3))
B=h1 2 (h2(C3−C4)+h3(C4−C2)
+h4(C2−C3))−h1(h2 2 (C3−C4)+h3 2
(C4−C2)+h4 2 (C2−C3))+h2 2 (h3(C1−C4)
+h4(C3−C1))−h2(h3 2 (C1−C4)+h4 2
(C3−C1))+h3h4(h3−h4)(C1−C2)
C=εS/((h1+α)sinθ) 又は
C=εS/((h2+α)sinθ) 又は
C=εS/((h3+α)sinθ) 又は
C=εS/((h4+α)sinθ)
に表す式を用いて前記加工面積及び極間静電容量を演算することを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項2〜5の何れか1つの発明において、前記加工条件設定手段は、前記静電容量測定手段により電極と被加工物の加工部位間の合計静電容量を測定して放電加工条件を変更する測定周期を前記演算された加工面積又は極間静電容量に基づいて変更することを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項2〜6の何れか1つの発明において、前記加工条件設定手段は、前記演算された加工面積又は極間静電容量に略比例するように前記電極へ供給する加工電流を設定することを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記加工条件設定手段は、前記加工電流の電流密度を所定の電流密度以下に設定することを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記加工条件設定手段は、前記電極に供給する加工電流と、前記加工面積又は極間静電容量とに対応する放電パルスを設定する放電パルス設定手段を備えたことを特徴としている。
請求項10の発明は、請求項4の発明において、前記加工条件設定手段は、前記極間距離の誤差距離αに基づいてジャンプ動作のジャンプ周期とジャンプ量の少なくとも一方を設定するジャンプ動作演算手段を有することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、電極を移動可能な移動手段と、電極の移動距離を検知する移動距離検知手段と、電極と被加工物の加工部位間の合計静電容量を測定可能な静電容量測定手段と、放電加工開始後の測定周期タイミング毎に、放電加工を中断した状態で、電極を複数位置に移動させて検知された複数の極間距離及び測定された複数の合計静電容量を用いて加工面の加工面積又は加工面積に比例する極間静電容量を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された前記加工面積又は前記極間静電容量に基づいて放電加工パルスに関する加工条件を設定する加工条件設定手段とを設けたため、次のような効果が得られる。
電極の前進端面に対向する被加工物の加工面の加工面積又はこの加工面積に比例する極間静電容量を精度良く演算することができる。つまり、加工面積又は極間静電容量を、電極を移動させた複数位置における極間距離と電極と被加工物の加工部位間の合計静電容量を用いて演算するため、加工面積又はこの加工面積に比例する極間静電容量を精度よく演算することができ、放電加工開始後の放電加工を中断した状態で求めた加工面積又は極間静電容量の高精度の演算値に基づいて、加工面積の変化や加工屑の発生等の極間状態に応じて放電加工パルスに関する加工条件を適正に設定することができる。
また、実際に測定した合計静電容量と極間距離を用いるため、急激な加工面積の増加が生じた場合でも、精度の良い加工面積又は極間静電容量の演算が可能であり、電極を分割することなく且つ加工不良を発生させることなく精度よく加工することができ、しかも放電加工回数を低減することができる。
請求項2の発明によれば、放電加工条件設定手段により、第1,第2の加工条件テーブルに基づいて、放電加工パルスのピーク電流と、バルスON時間と、パルスOFF時間とを設定することができる。
請求項3の発明によれば、被加工物の表面から加工面までの距離が未知の場合であっても、加工面積を演算する演算処理の負荷を少なくできるため、演算処理速度が速く且つ正確な加工面積の演算を実行できる。
請求項4の発明によれば、被加工物の表面から加工面までの距離が未知の場合であっても、加工面積の演算と誤差距離の演算を実行できる。しかも、誤差距離の算出によって、加工屑やバックラッシュ等を考慮した加工条件を設定することができる。
請求項5の発明によれば、被加工物の表面から加工面までの距離が未知の場合であっても、複雑形状に形成された電極前進端と加工面間の極間静電容量であって正確に加工面積に比例する極間静電容量と誤差距離の演算を実行できる。しかも、誤差距離の算出によって、加工屑やバックラッシュ等を考慮した加工条件を設定することができる。
請求項6の発明によれば、前記静電容量演算手段により電極と被加工物の加工部位間の合計静電容量を測定して放電加工条件を変更する測定周期を加工面積又は極間静電容量に基づいて変更するため、電極前進端面の形状変化に追従するように測定周期を設定することができ、適正な放電加工条件を設定することができる。
請求項7の発明によれば、加工条件設定手段により演算された加工面積又は極間静電容量に略比例するように電極へ供給する加工電流値を制御するため、電流の過剰供給に起因する電極の異状消耗を防止することができる。
請求項8の発明によれば、加工条件設定手段は、電流密度を所定の電流密度以下に制御するため、加工速度低下等の不具合の発生を防止することができる。
請求項9の発明によれば、放電パルス設定手段により、電極に供給する加工電流値と、加工面積又は極間静電容量とに対応する放電パルスを設定することができる。
請求項10の発明によれば、極間距離の誤差距離に基づいてジャンプ動作のジャンプ周期とジャンプ量の少なくとも一方を設定するジャンプ動作演算手段を設けたため、加工によって発生する加工屑を加工面上から確実に排除することができ、加工処理速度の低下を防止することができる。
本発明の実施例1に係る放電加工装置の全体図である。 放電加工装置のブロック図である。 静電容量測定部を示す回路図である。 電極と被加工物の加工面間のコンデンサの電圧を説明する説明図である。 (a),(b)は夫々加工面積演算の為の諸元を説明する図である。 (a),(b)は加工液の誘電率の検出手順を説明する図である。 (a),(b)は夫々極間静電容量演算の為の諸元を説明する図である。 加工面積に基づく放電加工条件テーブルを示す図表である。 極間静電容量に基づく放電加工条件テーブルを示す図表である。 ジャンプ周期マップを示す線図である。 ジャンプ量マップを示す線図である。 加工条件設定処理のフローチャートである。 (a),(b),(c)は夫々実施例2に係る加工面積演算の為の諸元を説明する図である。 (a),(b),(c), (d)は夫々実施例3に係る加工面積演算の為の諸元を説明する図である。 (a),(b),(c), (d)は夫々実施例4に係る極間静電容量演算の為の諸元を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
以下、本発明の実施例について図1〜図12に基づいて説明する。
図1に示すように、放電加工装置Mは、電極Eと被加工物Wの間の間隙に加工液を供給し、前記電極Eから被加工物Wへ放電パルスを印加して被加工物Wを放電加工する装置である。この放電加工装置Mは、加工機本体1と、制御装置2と、加工液槽7等の周辺機器を有する。加工機本体1は、電極Eが装備されるヘッド3と、このヘッド3を上下方向(Z軸)に往復移動可能な送り装置としてのZ軸移動機構4(移動手段)と、被加工物Wを収容した加工液槽7を図1の左右方向(X軸)に水平に往復移動可能なX軸移動機構5と、加工液槽7を左右方向に直交する前後方向(Y軸)に水平に往復移動可能なY軸移動機構6と、被加工物Wを収容し且つ加工液を貯留可能な加工液槽7と、基台8と、ケーブル25等から形成されている。電極Eは、ヘッド3の下端部に脱着可能に装備された取付板に装着されている。
Z軸移動機構4は、基台8上に装備された、Z軸方向に沿って延びる1対のZ軸送りガイドとボールネジ機構とZ軸モータ等で構成され、制御装置2で数値制御されるZ軸モータの駆動によりヘッド3がZ軸方向へ移動駆動される。
X軸移動機構5は、X軸可動台と、基台8に装備されたX軸方向に沿って延びる1対のX軸送りガイドとボールネジ機構とX軸モータ等で構成され、制御装置2で数値制御されるX軸モータの駆動によりX軸可動台がX軸方向へ移動駆動される。Y軸移動機構6は、Y軸可動台と、X軸可動台に装備されたY軸方向に沿って延びる1対のY軸送りガイドとボールネジ機構とY軸モータ等で構成されている。制御装置2で数値制御されるY軸モータの駆動によりY軸可動台と加工液槽7がY軸方向へ移動駆動される。
加工液槽7は、Y軸移動機構6のY軸可動台の上端に固定されている。制御装置2は、加工機本体1に隣接して設置され、ケーブル25を介して電力と制御信号を加工機本体1へ供給している。以上によって、電極Eと被加工物Wは、Z軸方向と水平なX,Y軸方向へ相対移動可能に構成されている。
Z軸移動機構4は、ヘッド3をZ軸方向に移動することにより、電極EのZ軸方向位置を変更可能であり且つ電極Eの加工進行方向前進端面から被加工物Wの加工面までの極間距離を変更可能になっている。以下、電極Eの加工進行方向前進端面と対向する被加工物Wの面部分を被加工物Wの加工面と定義し、加工面の面積を加工面積と定義する。尚、電極Eは、銅製又はグラファイト製であるが、被加工物Wが超硬合金の場合には、銅タングステン製とすることもある。
図2に示すように、制御装置2は、CPUとROMとRAMとインターフェース等を含むコンピュータからなり各種演処理を実行する演算処理部9と、放電加工用の直流電力を供給する加工電源回路10と、電極Eと被加工物W間に発生した放電状態を検知する放電検知部11と、電極Eの側面及び下面に間隙を隔てて対向する被加工物Wの加工部位と電極E間の静電容量(以下、合計静電容量とする)を測定する静電容量測定部12と、放電加工のための放電パルスを電極Eと被加工物Wに供給する放電制御部13と、加工電流測定部14と、演算モード切換スイッチ15等を備えている。尚、電極Eの前進端面とこの前進端面と対向する被加工物Wの加工面との間の静電容量を極間静電容量として以下の説明を行う。
図3に示すように、静電容量測定部12は、電源Vcからの給電線に介装されたスイッチング用トランジスタ12sと、給電線に接続された定電流回路12aと、上記の給電線に接続されて一定周期のパルス(パルスON時間とOFF 時間が等しい)を出力可能なパルス出力回路12bと、トランジスタ12cと、抵抗12dと、電圧検出回路12e等を備えている。
前記トランジスタ12sのベース側端子12xと、電圧検出回路12eの出力端子12vは、静電容量測定制御部17に接続されている。静電容量測定制御部17からの駆動信号でトランジスタ12sをオンにし、静電容量測定部12を作動させる。そして、電圧検出回路12eの出力端子12vからの出力信号を静電容量測定制御部17で処理することで合計静電容量の測定を行うように構成してある。つまり、静電容量測定部12と静電容量測定制御部17とが「静電容量測定手段」に相当する。
電極Eと被加工物Wの加工部位とが間隙を隔てて対向しているため、両者間の間隙とその間隙内の加工液を介してコンデンサ12fを構成している。静電容量測定部12では、電極Eと被加工物Wの加工部位(電極側面と電極前進端面に対向する部位)とにパルス出力回路12bから周期的に直流電流iを供給し、電圧検出回路12eにより電極Eの電圧Vを検出し、静電容量測定制御部17において前記の電圧Vから演算される平均電圧Vmと、直流電流iと、コンデンサ12fに直流電流iを供給する時間toに基づいて、前記合計静電容量を演算する。
図4に示すように、パルス出力回路12bからパルスを出力すると、トランジスタ12cがオンして点Pは接地され、電圧検出回路12eで検出する電圧が零になり、コンデンサ12fから放電される。トランジスタ12cがオフになると、そのオフの間(時間to)コンデンサ12fに充電されていき、電圧検出回路12eにより検出する電圧Vがリニアに増大する。静電容量測定制御部17は、出力端子12vから供給される検出電圧Vの電圧信号を受けてA/D変換し、その平均電圧Vmを演算する。そして、コンデンサ12fの合計静電容量C、電気量Qとすると、Q=i×2toであるから、C=Q/Vm=i×2to/Vmの式により上記の合計静電容量Cを求めることができる。
尚、静電容量測定部12は、前述の構成に限られるものではなく、少なくとも電極Eと被加工物Wの加工部位との間の合計静電容量Cを測定可能であれば種々の構成を採用可能である。
放電制御部13は、電源回路10から給電されて、電極Eと被加工物Wに対して、後述の加工条件設定部19において設定された放電パルスを印加するものである。加工電流測定部14は、放電パルスで供給される電流を電流計14aを介して測定し、その検出電流を演算処理部9へ供給する。こうして、放電パルスを印加している場合、電極前進端面と被加工物Wの加工面間の極間間隙が放電可能な所定の距離になると、放電が始まり加工を開始する。
演算モード切換スイッチ15は、放電加工処理開始前に、演算処理部9において 加工面の加工面積に基づいて加工条件を設定する加工面積演算モードと、極間静電容量に基づいて加工条件を設定する静電容量演算モードとを択一的に選択設定可能に構成されている。尚、演算モード切換スイッチ15を省略し、最初に加工面の加工面積を演算し、加工面積の算出が困難な場合に自動的に極間静電容量を演算するように構成してもよい。
演算処理部9は、Z軸移動機構4を制御する位置制御部16(移動距離検知手段)と、静電容量測定制御部17と、演算手段18と、加工条件設定部19(加工条件設定手段)と、X,Y制御部20等から形成されている。
位置制御部16は、Z軸移動機構4によりヘッド3を上下方向に移動駆動することにより電極Eの前進端面から加工面までの極間距離を変更可能に形成されている。位置制御部16は、電極Eの前進端面から加工面までの極間距離を検出可能に形成されている。
静電容量測定制御部17は、前述した処理に加えて、後述する測定周期演算部24から静電容量測定部12により合計静電容量を測定する測定周期の信号を受けて、その測定周期毎にトランジスタ12sをオンすることで静電容量測定部12の作動時期を制御している。この放電加工装置Mは、一般的な放電加工装置と同様に、被加工物別の加工プログラムを用い、その加工プログラムを数値制御プログラムで解析しながら、位置制御部16によってZ軸移動機構4を数値制御し、X,Y制御部20によりX軸,Y軸移動機構5,6を数値制御することにより、被加工物Wに対して電極Eを、X,Y,Z軸方向に位置制御しながら放電加工するように構成されている。それらの構成については、本発明と直接関係しないので詳細な説明は省略する。X,Y制御部20は、上記のようにX軸移動機構5と、Y軸移動機構6を夫々駆動制御するものである。
演算手段18は、加工面積演算モードのとき加工面積を演算する加工面積演算部21と、静電容量演算モードのとき極間静電容量を演算する静電容量演算部22とを備えている。図5に示すように、加工面積演算部21は、放電加工中(放電加工の途中時点)において、Z軸移動機構4により電極Eを上下方向に異なる複数位置に移動させ、位置制御部16により検知した上下方向に異なる複数位置である第1,第2移動位置d1,d2(被加工物Wの表面から電極前進端面までの距離)における第1,第2極間距離h1,h2と、静電容量測定部12と静電容量測定制御部17によって測定した前記第1,第2極間距離h1,h2に対応した2位置の第1,第2合計静電容量C1,C2を用いて、被加工物Wの加工面Wfの加工面積Sを演算するように形成されている。尚、電極Eとして、例えば、略水平状の前進端面Efを備えた柱形状の電極を例にして説明するが、電極Eは必ずしも柱形状である必要はないし、放電加工の進行に応じて加工面積が連続的または不連続的に変化するような電極であってもよい。
上記について具体的に説明すると、電極Eを被加工物Wの加工面Wfに接触させて極間距離を零に初期化する。次に、図5(a)に示すように、Z軸移動機構4を駆動制御し、電極Eを第1移動位置d1まで移動する。このとき、第1合計静電容量C1、電極前進端面Efと加工面Wf間の極間静電容量Cp1、加工面Wfの加工面積S、第1極間距離h1、電極Eの側面Esと被加工物W間の静電容量Ca、加工液の誘電率εとすると、第1合計静電容量C1は次式(1)によって表すことができ、測定により検知される。
C1=Cp1+Ca …(1)
但し、Cp1=εS/h1である。
次に、図5(b)に示すように、Z軸移動機構4を駆動制御し、電極Eを第2移動位置d2まで移動する。このとき、第2合計静電容量C2、電極前進端面Efと加工面Wfとの極間静電容量Cp2、電極前進端面Efから加工面Wfまでの第2極間距離h2とすると、第2合計静電容量C2は次式(2)によって表すことができ、測定により検知される。
C2=Cp2+Ca・d2/d1 …(2)
但し、Cp2=εS/h2である。
前記式(1)と式(2)を加工面積Sについて求めると、加工面積Sは、次式(3)によって表すことができる。
S=(h1・h2(C2・d1−C1・d2))/(ε(d1・h1−d2・h2))
…(3)
尚、被加工物Wの表面から電極前進端面までの距離d1,d2は、被加工物Wの表面から加工面Wfまでの距離が位置制御部16において既知であるため、第1,第2極間距離h1,h2と誘電率εを用いて算出することができる。
加工液の誘電率εを検出する技術の一例について説明する。
加工液の誘電率εは、加工面積が既知である標準電極Eaを用いて求める。図6(a)に示すように、標準電極Eaを被加工物Wの表面と接触させて電極Eaの極間距離を零に初期化する。次に、図6(b)に示すように、標準電極Eaを被加工物Wの表面から距離h0の位置まで移動し、この位置における合計静電容量C0を静電容量測定部12と静電容量測定制御部17により測定する。標準電極Eaの被加工物Wに対向する面積をS0とすると、誘電率εは次式(4)で表すことができる。
ε=h0・C0/S0 …(4)
以上により、前記式(3)に対して第1,第2合計静電容量C1,C2、第1,第2極間距離h1,h2、被加工物Wの表面から電極前進端面Efまでの距離d1,d2及び誘電率εを代入することによって被加工物Wの加工面Wfの加工面積Sを演算する。
また、加工面積Sの演算値を用いて第1,第2極間静電容量Cp1,Cp2を演算することにより、極間静電容量の増減傾向から加工屑の有無等を検出することができる。つまり、Z軸移動機構4の駆動をバックラッシュの発生しないボールネジ機構やリニアモータ等によって行う場合、h1=h2/2としたとき、理論上、Cp1=2Cp2となる。それ故、第2極間静電容量Cp2が第1極間静電容量Cp1の1/2の値よりも小さいときは被加工物Wの加工面上に加工屑が堆積していることを検出でき、第2極間静電容量Cp2が1/2Cp1よりも小さいほど、被加工物Wの加工面上の加工屑の堆積量が大きいことを検出することができる。
次に、電極Eの前進端面が水平面に対して傾斜している場合など、静電容量演算モードにおいて、電極Eの前進端面Efと加工面Wf間の極間静電容量を演算する例について、図7に基づいて説明する。静電容量演算部22は、放電加工中において、Z軸移動機構4により電極Eを上下方向に異なる複数の位置に移動させ、位置制御部16により検知した複数位置、例えば、第1,第2移動位置d21,d22における第1,第2極間距離h21,h22と、静電容量測定部12及び静電容量測定制御部17によって測定した前記第1,第2極間距離h21,h22に対応した2位置の第1,第2合計静電容量C21,C22を用いて、電極EAの前進端面Efと被加工物Wの加工面Wfとの極間静電容量を演算するように構成されている。
電極EAは、例えば、電極前進端面Efと電極軸心の間に角度θ(0°<θ<90°)のある柱形状であり、被加工物Wの表面から加工面までの距離d21,d22は位置制御部16において既知である。
まず、電極EAを被加工物Wの加工面と接触させて極間距離を零に初期化する。次に、図7(a)に示すように、Z軸移動機構4を駆動制御し、電極EAを第1移動位置d21まで移動する。このとき、第1合計静電容量C21、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp21、加工面積SA、電極EAの前進端面から加工面までの第1極間距離h21、電極EAの側面と被加工物Wとの静電容量Ca、加工液の誘電率ε、鉛直面に対する電極前進端面の角度θとすると、第1合計静電容量C21は前記式(1)と同様に表すことができ、測定により検知される。そして、次式(5)に示す極間静電容量Cp21を式(1)へ代入すると、第1合計静電容量C21は次式(6)によって表すことができる。
Cp21=εSA/(h21・sinθ) …(5)
C21=εSA/(h21・sinθ)+Ca …(6)
次に、図7(b)に示すように、Z軸移動機構4によりヘッド3を上方向に移動駆動し、電極EAを第2移動位置d22まで移動する。このとき、第2合計静電容量C22、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp22、第2極間距離h22、第1,第2移動位置d21,d22とすると、第2合計静電容量C22は前記式(2)と同様に表すことができる。そして、次式(7)に示す極間静電容量Cp22を式(2)へ代入すると、第2合計静電容量C22は次式(8)によって表すことができ、測定により検知される。
Cp22=εSA/(h22・sinθ) …(7)
C22=εSA/(h22・sinθ)+Ca・d22/d21 …(8)
前記式(6)と式(8)を被加工物Wの加工面の加工面積SAについて解くと、加工面積SAは、次式(9)によって表すことができる。
SA=(h21・h22(C22・d21−C21・d22))
×sinθ/(ε(d21・h21−d22・h22)) …(9)
ここで、前記式(5)に前記式(9)を代入することによって、第1移動位置d21における極間静電容量Cp21は次式(10)によって表すことができる。
Cp21=h22(C22・d21−C21・d22)/(d21・h21−d22・h22)…(10)
前記式(7)に前記式(9)を代入することによって、第2移動位置d22における極間静電容量Cp22は次式(11)によって表すことができる。
Cp22=h21(C22・d21−C21・d22)/(d21・h21−d22・h22)…(11)
以上により、前記式(10)又は式(11)に対して第1,第2合計静電容量C21,C22、第1,第2極間距離h21,h22、被加工物Wから電極EAの先端までの距離d21,d22、誘電率εを代入することによって、電極前進端面と電極EAの軸心の間の角度θを備えるような複雑形状の前進端面を備えた電極EAの場合であっても、θを含まない式で第1,第2極間静電容量Cp21,Cp22を演算することができる。極間静電容量Cp21,Cp22は、加工面積SAに比例する物理量であるため、例えば、前記極間距離h21を目標極間距離に設定しておき、前記極間静電容量Cp22に基づいて加工条件設定部19により後述するように放電加工条件を設定する。また、前記と同様に、第1,第2極間静電容量Cp21,Cp22の少なくとも何れか一方の増減傾向から、加工屑の発生状況等の極間状態を検出できる。尚、図7に示す電極EAとしては、柱形状の電極を例にして説明したが、電極は必ずしも、柱形状である必要はないし、放電加工の進行に応じて加工面積が連続的に又は不連続的に変化するような電極であってもよい。また、電極の前進端面に等しい傾斜角又は異なる傾斜角の複数の傾斜面を有するような電極であってもよい。
加工条件設定部19は、放電パルス設定部23と、測定周期演算部24と、ジャンプ動作演算部25とを備えている。放電パルス設定部23は、図8に示す加工条件テーブルと、図9に示す加工条件テーブルとを備えている。尚、図8、図9は、銅製の電極、鋼製の被加工物、加工液の誘電率ε=15.9372×10−12の場合の加工条件であり、図9は極間距離5μmのときの極間静電容量である。
加工条件設定部19は、加工面積演算モードが設定されている場合には、図8に示す加工条件テーブルに、前記のように演算により求めた加工面積Sを適用することで、放電パルスのピーク電流と、放電パルスのON時間およびOFF 時間を設定する。ピーク電流は、加工面積Sにほぼ比例する値に設定してある。また、この電流密度が5A/cm2以下の値であって約5A/cm2に設定されている。尚、放電パルスの電圧は放電制御部13により適宜設定される。そして、上記のように設定した放電加工条件のデータを放電制御部13へ供給し、その放電パルスに基づいて放電加工が実行される。
加工条件設定部19は、静電容量演算モードが設定されている場合には、図9に示す加工条件テーブルに、前記のように演算により求めた第1,第2極間静電容量Cp21,Cp22のうちの好ましくは第1極間静電容量Cp21を適用することで、放電パルスのピーク電流と、放電パルスのON時間およびOFF 時間を設定する。ピーク電流は、極間静電容量にほぼ比例する値に設定してある。また、電流密度は25A/nF以下の値であって約25A/nFに設定されている。そして、上記のように設定した放電加工条件のデータを放電制御部13へ供給し、その放電パルスに基づいて放電加工が実行される。
尚、図8,図9に示す加工条件テーブルは、一例にすぎず、加工液の誘電率や電極の材質と被加工物の材質の組み合わせ、若しくは加工条件等によって適宜変更可能である。
測定周期演算部24は、静電容量測定部12と静電容量測定制御部17とによって、合計静電容量を測定し且つ加工条件を変更する測定周期を予め設定したマップを有している。このマップは加工面積S,SA(又は電極前進端面と加工面間の極間静電容量)をパラメータとして測定周期を設定してある。加工面積S,SAが小さいほど電極の前進速度が大きいことから、加工面積S,SA(又は上記の極間静電容量)が増大するほど測定周期を大きくするように、上記のマップが設定されている。
ジャンプ動作演算部25は、極間距離の誤差距離αに基づいて、電極E,EAのジャンプ動作のジャンプ周期とジャンプ量を設定するように形成されている。尚、電極のジャンプ動作とは、加工面上に堆積した加工屑を流動させて間隙外へ排出する為に、電極を上下運動させる動作のことである。被加工物Wの加工面上に堆積した加工屑の高さとしての誤差距離αとジャンプ周期とジャンプ移動量との関係は、図10、図11に示すように予めマップやテーブルの形で予め設定され、メモリに格納されている。
但し、極間距離の誤差距離αの算出技術については、実施例3、4において説明するが、図5や図7のように加工面積や極間静電容量を算出する場合であって、誤差距離αを算出しない場合には、デフォルト値の誤差距離(例えば、4μm)を適用してもよい。
図10のマップは、誤差距離αが増大するほどジャンプ周期が小さくなるように設定され、図11のマップは、誤差距離αが増大するほどジャンプ移動量が増大するように設定されている。尚、図10,図11に示すマップは、一例にすぎず、加工形状や加工条件等によって適宜変更可能である。
次に、前記加工条件設定部19が行う放電加工条件設定処理について図12のフローチャートに基づいて説明する。尚、Si(i=1,2…)は各ステップを示す。また、この放電加工条件設定処理は、図5に示す例について加工面積演算モードにおいて行う処理である。まず、放電加工装置Mが起動されると、加工液の誘電率εや選択された演算モードの種類等の各種信号を読込む(S1)。S2では、放電加工処理の開始スイッチがオン操作されたか否か判定する。S2の判定の結果、放電加工処理を開始する場合、S3に移行し、加工液の誘電率データを保有しているか否か判定する。S2の判定の結果、放電加工処理を開始しない場合、S1へリターンする。
S3の判定の結果、誘電率データを保有している場合、S4へ移行して極間距離と合計静電容量を測定する。S3の判定の結果、誘電率データを保有していない場合、S5へ移行し、前記標準電極を用いて前記のようにして加工液の誘電率εを検出した後、S4へ移行する。
S4では、位置制御部16とZ軸移動機構4によって電極前進端面を第1,第2移動位置に順次駆動し、夫々の移動位置における第1,第2極間距離h1,h2と被加工物Wの表面から加工面までの距離d1,d2を測定する。また、静電容量測定部12と静電容量測定制御部17によって第1,第2移動位置における第1,第2合計静電容量C1,C2を測定する。
次に、S6において、加工面積演算モードが選択されているか否か判定する。
S6の判定の結果、加工面積演算モードが選択されている場合、S7において加工面積演算処理を行う。加工面積演算部21は、式(3)に対して第1,第2合計静電容量C1,C2、第1,第2極間距離h1,h2及び距離d1,d2を代入することによって加工面積Sを演算する。加工面積の演算後、S9に移行する。
S9では、演算された加工面積に基づいて図8の加工条件テーブルを用いて加工条件を設定する。ここで設定される加工条件は、ピーク電流値等の放電加工の電気的条件、電極Eのジャンプ周期及びジャンプ移動量等を含む。加工条件の設定後、S10に移行して放電加工処理を開始する。尚、合計静電容量を測定する測定周期は静電容量測定制御部17により演算される。
放電加工処理開始後、測定周期タイミングか否か判定を行う(S11)。S11の判定の結果、測定周期タイミングの場合、S4へ移行し、極間距離と合計静電容量等の測定を行う。S11の判定の結果、測定周期タイミングではない場合、S12へ移行し放電加工処理終了の判定を行う。S12判定の結果、放電加工処理終了の場合、本制御を終了し、放電加工処理が終了しない場合、S10へ移行し放電加工処理を継続する。
尚、図7に示す例について、静電容量演算モードにおいて実行する放電加工条件設定処理についても前記とほぼ同様である。
S6の判定の結果、静電容量演算モードが選択されている場合、S8へ移行して静電容量演算処理を行う。静電容量演算部22は、式(10)又は式(11)に対して第1,第2合計静電容量C1,C2、第1,第2極間距離h1,h2及び距離d1,d2を代入することによって第1,第2極間静電容量Cp1,Cp2の少なくとも何れか一方について演算する。尚、第1極間距離h1は、目標極間距離である。
極間静電容量の演算後、S9に移行し、演算された極間静電容量に基づいて図9の加工条件テーブルを用いて加工条件を設定する。加工条件の設定後、S10に移行して放電加工処理を開始する。
次に、上記の放電加工装置Mの作用、効果について説明する。
測定した第1,第2極間距離h1,h2と、測定した電極と被加工物の加工部位間の第1,第2合計静電容量C1,C2を用いて加工面積を算出するため、被加工物Wの加工面の加工面積Sを精度よく求めることができる。また、電極前進端面が複雑形状のため、加工面積SAの演算が困難である場合でも、加工面積SAと略比例関係にある第1極間静電容量Cp21或いは第2極間静電容量Cp22を、上記と同様に精度よく求めることができる。
それ故、加工面積S( 又は、SA) 又は第1,第2極間静電容量Cp1,Cp2(又はCp21,Cp22)の高精度の演算値に基づいて放電加工条件を適正に設定することができる。しかも、前記演算に電極前進端面と加工面間の第1,第2極間距離h1,h2(又はh21,h22)、を用いるため、第1,第2極間静電容量Cp1,Cp2(又はCp21,Cp22)の値に対して加工面上に堆積した加工屑高さを誤差距離として反映することができ、適正な加工条件を設定することができる。
更に、実際に測定した第1,第2合計静電容量C1,C2(又はCp21,Cp22)と第1,第2極間距離h1,h2( 又はh21,h22) を用いるため、急激な加工面積S( 又はSA) の増加が生じた場合でも、精度の良い加工面積S( 又はSA) 又は第1,第2極間静電容量Cp1,Cp2(又はCp21,Cp22)の演算が可能であり、電極を分割することなく且つ加工不良を発生させることなく加工することができ、放電加工回数を低減することができる。
演算された加工面積S,SA又は加工面積SAの代わりの第1,第2極間静電容量Cp21,Cp22に基づいて放電加工の加工条件を設定する加工条件設定部19を備えているため、加工面積の大きさや加工面の極間静電容量に基づく極間状態に応じた適正な測定周期、放電加工の電気的条件、ジャンプ動作のジャンプ周期、ジャンプ移動量等を適切に設定することができる。
加工面積演算部21は、式(3)に基づいて加工面積Sを演算するため、演算のための制御負荷を少なくすることができ、加工面積の演算処理速度を速くすることができる。
静電容量演算部22は、式(9)〜式(11)に基づいて極間静電容量Cp21,Cp22を演算するため、電極前進端面が複雑形状であっても、加工面積SAに比例した極間静電容量Cp21,Cp22を正確に演算することができる。
加工条件設定部19は、加工面積S,SA(又は加工面積SAの代わりの第1,第2極間静電容量Cp21,Cp22)に基づいて測定周期を変更しているため、電極前進端面の形状変化に適した測定周期にて電気的条件を変更設定することができ、適正な加工条件を設定することができる。加工条件設定部19は、加工面積S,SA又は加工面積SAの代わりの第1,第2極間静電容量Cp21,Cp22に略比例するように電極E,EAへ供給する加工電流値を制御するため、電流の過剰供給に起因する電極E,EAの異常消耗を防止することができる。そして、電極E,EAへの供給電流を所定の電流密度以下になるように設定するため、加工速度低下等の不具合の発生を防止することができる。
次に、実施例2について図13に基づいて説明する。
実施例1との相違点は、実施例1では被加工物Wの表面から加工面までの距離Dが既知であったのに対して、実施例2では距離Dが未知としている。
柱形状の電極EBを被加工物Wの加工面と接触させて電極EBの移動位置(極間距離)を初期化する。次に、図13(a)に示すように、Z軸移動機構4により電極EBを上方に移動駆動し、電極EBを第1移動位置まで移動する。このとき、第1合計静電容量C31、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp31、加工面積SB、電極前進端面から加工面までの第1極間距離h31、電極EBの側面と被加工物Wとの静電容量Ca、加工液の誘電率ε、被加工物Wの表面から加工面までの距離Dとすると、第1合計静電容量C31は次式(12)によって表すことができ、測定により検知される。
C31=Cp31+Ca(D−h31)/D …(12)
但し、極間静電容量Cp31=εSB/h31である。
次に、図13(b)に示すように、Z軸移動機構4により電極EBを第1移動位置から更に上方に移動駆動し、電極EBを第2移動位置まで移動する。このとき、第2合計静電容量C32、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp32、電極前進端面から加工面までの第2極間距離h32とすると、第2合計静電容量C32は次式(13)によって表すことができ、測定により検知される。
C32=Cp32+Ca(D−h32)/D …(13)
但し、極間静電容量Cp32=εSB/h32である。
次に、図13(c)に示すように、Z軸移動機構4により電極EBを第2移動位置から更に上方に移動駆動し、電極EBを第3移動位置まで移動する。このとき、第3合計静電容量C33、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp33、電極前進端面から加工面までの第3極間距離h33とすると、第3合計静電容量C33は次式(14)によって表すことができ、測定により検知される。
C33=Cp33+Ca(D−h33)/D …(14)
但し、極間静電容量Cp33=εSB/h33である。
前記式(12)〜式(14)を加工面積SBについて解くと、加工面積SBは、次式(15)によって表すことができる。
SB=h31・h32・h33(h31(C32−C33)+h32(C33−C31)
+h33(C31−C32))/(ε(h31−h32)(h32−h33)(h33−h31))
…(15)
加工面積演算部21は、演算された加工面積SBに基づいて各極間静電容量Cp31,Cp32,Cp33及び被加工物Wの表面から加工面までの距離Dを演算している。
放電パルス設定部23は、加工電流測定部14によって検出された加工電流値と加工面積SBを用いて電流密度を演算し、この電流密度が所定の電流密度以下になるように制御している。加工条件設定部19は、実施例1と同様に、加工面積SBを図8の加工条件テーブルに適用することで、放電パルスなどの電気的加工条件を設定する。
次に、実施例2の放電加工装置Mの作用、効果について説明する。
基本的に実施例1と同様の作用、効果を奏する。しかも、被加工物Wの表面から加工面までの距離Dが不明の場合でも、第1〜第3移動位置の極間距離h31〜h33と合計静電容量C31〜C33の検出により適正な加工条件を設定することができる。
尚、図13に示す電極EBは柱形状の電極を例にして説明したが、電極EBは必ずしも柱形状である必要はないし、放電加工の進行に応じて加工面積が連続的に又は不連続的に変化するような電極であってもよい。
次に、実施例3について図14に基づいて説明する。
実施例1との相違点は、実施例1では被加工物Wの表面から加工面までの距離Dが既知であるのに対して、実施例3では距離Dが未知とされ、且つ測定した極間距離に誤差距離αを含む点である。尚、誤差距離αは、被加工物Wの加工面上に堆積した加工屑やZ軸移動機構4のギア系のバックラッシュ等に起因しており、バックラッシュが生じない場合、正の値として加工面上の加工屑の堆積量を表し、バックラッシュが生じる場合、負の値としてのバックラッシュ量と正の値としての加工屑の堆積量との合算値を表している。
柱形状の電極ECを被加工物Wの加工面と接触させて電極ECの移動位置(極間距離)を初期化する。次に、図14(a)に示すように、Z軸移動機構4により電極ECを上方に移動駆動し、電極ECを第1移動位置まで移動する。このとき、第1合計静電容量C41、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp41、加工面積SC、電極前進端面から加工面までの第1極間距離h41、電極ECの側面と被加工物Wとの静電容量Ca、加工液の誘電率ε、被加工物Wの表面から加工面までの距離D、誤差距離αとすると、第1合計静電容量C41は次式(16)によって表すことができ、測定により検知される。
C41=Cp41+Ca(D−h41−α)/D …(16)
但し、極間静電容量Cp41=εSC/(h41+α)である。
次に、図14(b)に示すように、Z軸移動機構4により電極ECを第1移動位置から更に上方に移動駆動し、電極ECを第2移動位置まで移動する。このとき、第2合計静電容量C42、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp42、電極前進端面から加工面までの第2極間距離h42とすると、第2合計静電容量C42は次式(17)によって表すことができ、測定により検知される。
C42=Cp42+Ca(D−h42−α)/D …(17)
但し、極間静電容量Cp42=εSC/(h42+α)である。
次に、図14(c)に示すように、Z軸移動機構4により電極ECを第2移動位置から更に上方に移動駆動し、電極ECを第3移動位置まで移動する。このとき、第3合計静電容量C43、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp43、電極前進端面から加工面までの第3極間距離h43とすると、第3合計静電容量C43は次式(18)によって表すことができ、測定により検知される。
C43=Cp43+Ca(D−h43−α)/D …(18)
但し、極間静電容量Cp43=εSC/(h43+α)である。
次に、図14(d)に示すように、Z軸移動機構4により電極ECを第3移動位置から更に上方に移動駆動し、電極Eを第4移動位置まで移動する。このとき、第4合計静電容量C44、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp44、電極前進端面から加工面までの第4極間距離h44とすると、第4合計静電容量C44は次式(19)によって表すことができ、測定により検知される。
C44=Cp44+Ca(D−h44−α)/D …(19)
但し、極間静電容量Cp44=εS/(h44+α)である。
前記式(16)〜式(19)を加工面積SCについて解くと、加工面積SCは、誤差距離αを含む次式(20)によって表すことができる。
SC=((h41+α)×(h42+α)×(h43+α)×(h41(C42−C43)+h42(C43−C41)+h43(C41−C42)))/(ε(h41−h42)×(h41−h43)×(h43−h42)) …(20)
誤差距離αについて求めると、次式(21)によって表すことができる。
α=A/B …(21)
但し、A=h412 (h42(h43(C42−C43)+h44(C44−C42))
+h43h44(C43−C44))−h41(h422(h43(C41−C43)
+h44(C44−C41))+h42(h43+h44)(h43−h44)(C42−C41)+h43h44(h43(C41−C44)+h44(C43−C41)))−h42h43h44(h42(C3−C4)+h43(C4−C2)+h44(C2−C3))
B=h412 (h42(C43−C44)+h43(C44−C42)
+h44(C42−C43))−h41(h422 (C43−C44)+h432
(C44−C42)+h442 (C42−C43))+h422 (h43(C41−C44)
+h44(C43−C41))−h42(h432 (C41−C44)+h442
(C43−C41))+h43h44(h43−h44)(C41−C42)
図10,図11に示すように、ジャンプ動作演算部25は、誤差距離αが大きいほど、電極ECのジャンプ周期を短く設定すると共に、誤差距離αが大きいほど、ジャンプによる移動量を大きく設定している。また、予めギア系のバックラッシュによる電極ECの位置誤差を測定することにより、このバックラッシュ量でもって誤差距離αを補正することによって、加工面上に堆積した加工屑の堆積量を精度よく算出することができる。
次に、実施例3に係る放電加工装置Mの作用、効果について説明する。
基本的に実施例1と同様の作用、効果を奏する。しかも、被加工物Wの表面から加工面までの距離Dが不明の場合でも、第1〜第4移動位置の極間距離h41〜h44と合計静電容量C41〜C44の検出によって加工面積SCを精度よく演算し、適正な加工条件を設定することができる。しかも、誤差距離αの算出によって、加工屑やバックラッシュ等を考慮して加工面積SCを精度よく演算し、加工条件を適切に設定することができる。
尚、図14に示す電極ECは柱形状の電極を例として説明したが、電極は必ずしも柱形状である必要はなく、放電加工の進行に応じて加工面積が連続的又は不連続的に変化する電極であってもよい。
次に、実施例4について図15に基づいて説明する。
実施例1との相違点は、実施例1では被加工物Wの表面から加工面までの距離Dが既知であるのに対して、実施例4では距離Dが未知とされ、測定した極間距離に誤差距離αを含むと共に電極前進端面が複雑形状とされる点である。
電極前進端面と電極軸心(鉛直面)間の角度θ(0°<θ<90°)を備えた柱形状の電極EDを被加工物Wの加工面と接触させて電極EDの移動位置(極間距離)を初期化する。次に、図15(a)に示すように、Z軸移動機構4により電極EDを上方に移動駆動し、電極EDを第1移動位置まで移動する。このとき、第1合計静電容量C51、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp51、加工面積SD、電極前進端面から加工面までの第1極間距離h51、電極EDの側面と被加工物Wとの静電容量Ca、加工液の誘電率ε、被加工物Wの表面から加工面までの距離D、誤差距離α、電極前進端面と電極の間の角度θとすると、第1合計静電容量C51は次式(22)によって表すことができ、測定により検知される。
C51=εSD/((h51+α)sinθ)+Ca(D−h51−α)/D …(22)
但し、極間静電容量Cp51=εSD/((h51+α)sinθ)である。
次に、図15(b)に示すように、Z軸移動機構4により電極EDを第1移動位置から更に上方に移動駆動し、電極EDを第2移動位置まで移動する。このとき、第2合計静電容量C52、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp52、電極前進端面から加工面までの第2極間距離h52とすると、第2合計静電容量C52は次式(23)によって表すことができ、測定により検知される。
C52=εSD/((h52+α)sinθ)+Ca(D−h52−α)/D …(23)
但し、極間静電容量Cp52=εSD/((h52+α)sinθ)である。
次に、図15(c)に示すように、Z軸移動機構4により電極EDを第2移動位置から更に上方に移動駆動し、電極EDを第3移動位置まで移動する。このとき、第3合計静電容量C53、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp53、電極前進端面から加工面までの第3極間距離h53とすると、第3合計静電容量C53は次式(24)によって表すことができ、測定により検知される。
C53=εSD/((h53+α)sinθ)+Ca(D−h53−α)/D …(24)
但し、極間静電容量Cp53=εSD/((h53+α)sinθ)である。
次に、図15(d)に示すように、Z軸移動機構4により電極EDを第3移動位置から更に上方に移動駆動し、電極EDを第4移動位置まで移動する。このとき、第4合計静電容量C54、電極前進端面と加工面との極間静電容量Cp54、電極前進端面から加工面までの第4極間距離h54とすると、第4合計静電容量C54は次式(25)によって表すことができ、測定により検知される。
C54=εSD/((h54+α)sinθ)+Ca(D−h54−α)/D …(25)
但し、極間静電容量Cp54=εSD/((h54+α)sinθ)である。
前記式(22)〜式(25)を加工面積SDについて解くと、加工面積SDは誤差距離αを含む次式(26)によって表すことができる。
SD=((h51+α)×(h52+α)×(h53+α)×(h51(C52−C53)
+h52(C53−C51)+h53(C51−C52))×sinθ)/
(ε(h51−h52)×(h52−h53)×(h53−h51)) …(26)
また、同様に式(22)〜式(25)を誤差距離αについて解くことによって、誤差距離αを求めることができる。
ここで、前記極間静電容量Cp51の式に前記式(26)を代入することによって、第1移動位置d51における極間静電容量Cp51は次式(27)によって表すことができる。
Cp51=((h52+α)×(h53+α)×(h51(C52−C53)
+h52(C53−C51)+h53(C51−C52)))/
((h51−h52)×(h52−h53)×(h53−h51)) …(27)
同様に、加工面積SDに基づいて極間静電容量Cp52〜Cp54を演算することができる。
以上により、電極前進端面と電極EDの軸心の間の角度θを備えるような複雑形状の前進端面を備えた電極EDの場合であっても、θを含まない式で極間静電容量Cp51〜Cp54を演算することができる。しかも、誤差距離αの算出によって、加工屑やバックラッシュ等を考慮した加工条件を設定することができる。尚、図15の電極EDとして、柱形状の電極を例として説明したが、電極は必ずしも、柱形状である必要はなく、放電加工の進行に応じて加工面積が連続的又は不連続的に変化するような電極でもよい。また、電極の前進端面に等しい傾斜角又は異なる傾斜角の複数の傾斜面を有する電極であってもよい。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、電極を上下方向に移動して加工処理を行う例を説明したが、本発明は電極を水平に左右方向又は前後方向へ移動して加工処理を行う放電加工装置にも適用可能である。
2〕前記実施例においては、X,Y,Z軸方向の電極の送り機構をボールネジ機構とモータ等によって構成した例を説明したが、少なくともX,Y,Z軸方向へ電極を移動可能であれば良く、送り機構をリニアモータ等によって構成することも可能である。
3〕前記実施例においては、加工条件設定部が所定の基準電流密度以下になるようにピーク電流値とパルスオン時間(パルス幅)とパルスオフ時間とを制御する例を説明したが、加工面粗度の安定化を狙いとして、パルスオン時間を一定幅(時間)としてパルスオフ時間の調整により基準電流密度以下に制御することも可能である。
4〕前記実施例においては、電極が銅、被加工物が鋼の組み合わせであったため、基準電流密度を5A/cm2と25A/nFとした例を説明したが、電極と被加工物の組み合わせが異なる材質の場合、別途加工条件テーブルを設定するものとする。また、予め、電極材質と被加工物の材質の組み合わせについて複数種類の加工条件テーブルを準備しておき、電極と被加工物の組み合わせに該当する加工条件テーブルを選択可能に構成してもよい。
5〕前記実施例においては、第1〜第4移動位置の極間距離及び合計静電容量を測定する例を説明したが、加工面形状によって測定回数を適宜設定することが可能であり、演算処理能力に応じて更に多くの移動位置における極間距離及び合計静電容量を測定することも可能である。
6〕前記実施例においては、加工面積演算モードと静電容量演算モードを切換可能な演算モード切換スイッチを設けた例を説明したが、加工面積と極間静電容量の両方を演算する構成にしてもよく、加工プログラム等に基づき何れか一方を自動選択する構成にしてもよい。
7〕前記実施例においては、合計静電容量の測定及び加工面積等の演算周期を演算結果としての加工面積等に基づいて設定した例を説明したが、被加工物に対する加工が一定距離進行する毎に測定及び演算を行うことも可能である。
8〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、電極と被加工物との間に放電させることで被加工物を放電加工する放電加工装置において、放電加工中に放電加工面の加工面積又は電極前進端面と被加工物の加工面間の極間静電容量を精度良く演算し、加工面積の変化や加工屑の発生等の極間状態に応じた適正な加工条件を設定することで、放電加工の生産性と加工品質を高める。
M 放電加工装置
W 被加工物
E〜ED 電極
1 加工機本体
2 制御装置
4 Z軸移動機構
9 演算処理部
12 静電容量測定部
13 放電制御部
16 位置制御部
17 静電容量測定制御部
18 演算手段
19 加工条件設定部
21 加工面積演算部
22 静電容量演算部
23 放電パルス設定部
24 測定周期演算部
25 ジャンプ動作演算部

Claims (10)

  1. 電極と被加工物の間の間隙に加工液を供給し、前記電極から被加工物へ放電パルスを印加して前記被加工物を放電加工する放電加工装置において、
    前記電極を移動可能で且つ電極の加工進行方向前進端面から被加工物の加工面までの極間距離を変更可能な移動手段と、
    前記電極の移動距離を検知する移動距離検知手段と、
    前記電極に前記間隙を隔てて対向する被加工物の加工部位と前記電極との間の合計静電容量を測定可能な静電容量測定手段と、
    放電加工開始後の測定周期タイミング毎に、前記放電加工を中断した状態で、前記移動手段により前記電極を複数位置に移動させ、前記移動距離検知手段により検知した複数の極間距離及び前記静電容量測定手段により測定した複数の合計静電容量を用いて、前記加工面の加工面積又はこの加工面積に比例する極間静電容量を演算する演算手段と、
    前記演算手段により演算された前記加工面積又は前記極間静電容量に基づいて放電加工パルスに関する加工条件を設定する加工条件設定手段と、
    を備えたことを特徴とする放電加工装置。
  2. 前記加工条件設定手段は、前記加工面積をパラメータとして放電加工パルスに関するピーク電流とパルスON時間とパルスOFF時間を予め設定した第1の加工条件テーブルと、前記極間静電容量をパラメータとして放電加工パルスに関するピーク電流とパルスON時間とパルスOFF時間を予め設定した第2の加工条件テーブルを有することを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置
  3. 前記演算手段は、前記電極を第1移動位置に移動させた状態において測定した第1極間距離h1及び第1合計静電容量C1、前記電極を第2移動位置に移動させた状態において測定した第2極間距離h2及び第2合計静電容量C2、前記電極を第3移動位置に移動させた状態において測定した第3極間距離h3及び第3合計静電容量C3、加工液の誘電率εとし、前記加工面積Sとしたとき、
    S=h1・h2・h3(h1(C2−C3)+h2(C3−C1)
    +h3(C1−C2)/(ε(h1−h2)(h2−h3)(h3−h1)) に表す式を用いて前記加工面積を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の放電加工装置。
  4. 前記演算手段は、前記電極を第1移動位置に移動させた状態において測定した第1極間距離h1と第1合計静電容量C1、前記電極を第2移動位置に移動させた状態において測定した第2極間距離h2と第2合計静電容量C2、前記電極を第3移動位置に移動させた状態において測定した第3極間距離h3と第3合計静電容量C3、前記電極を第4移動位置に移動させた状態において測定した第4極間距離h4と第4合計静電容量C4、極間距離の誤差距離α、加工液の誘電率εとし、加工面積Sとしたとき、
    S=((h1+α)×(h2+α)×(h3+α)×(h1(C2−C3)+h2(C3−C1)+h3(C1−C2)))/(ε(h1−h2)×(h1−h3)×(h3−h2))
    α=A/B
    但し、A=h12 (h2(h3(C2−C3)+h4(C4−C2))
    +h3h4(C3−C4))−h1(h22 (h3(C1−C3)
    +h4(C4−C1))+h2(h3+h4)(h3−h4)(C2−C1)+h3h4(h3(C1−C4)+h4(C3−C1)))−h2h3h4(h2(C3−C4)+h3(C4−C2)+h4(C2−C3))
    B=h12 (h2(C3−C4)+h3(C4−C2)
    +h4(C2−C3))−h1(h22 (C3−C4)+h32
    (C4−C2)+h42 (C2−C3))+h22 (h3(C1−C4)
    +h4(C3−C1))−h2(h32 (C1−C4)+h42
    (C3−C1))+h3h4(h3−h4)(C1−C2)
    に表す式を用いて前記加工面積を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の放電加工装置。
  5. 前記演算手段は、前記電極を第1移動位置に移動させた状態において測定した第1極間距離h1及び第1合計静電容量C1、前記電極を第2移動位置に移動させた状態において測定した第2極間距離h2及び第2合計静電容量C2、前記電極を第3移動位置に移動させた状態において測定した第3極間距離h3及び第3合計静電容量C3、前記電極を第4移動位置に移動させた状態において測定した第4極間距離h4及び第4合計静電容量C4、電極前進端面と電極の軸心の間の角度θ、極間距離の誤差距離α、加工液の誘電率εとし、前記加工面積S、前記極間静電容量Cとしたとき、
    S=( (h1+α)×(h2+α)×(h3+α)×(h1(C2−C3)+h2(C3−C1)+h3(C1−C2))×sinθ) /(ε(h1−h2)×(h2−h3)×(h3−h1))
    α=A/B
    但し、A=h1 2 (h2(h3(C2−C3)+h4(C4−C2))
    +h3h4(C3−C4))−h1(h2 2 (h3(C1−C3)
    +h4(C4−C1))+h2(h3+h4)(h3−h4)(C2−C1)+h3h4(h3(C1−C4)+h4(C3−C1)))−h2h3h4(h2(C3−C4)+h3(C4−C2)+h4(C2−C3))
    B=h1 2 (h2(C3−C4)+h3(C4−C2)
    +h4(C2−C3))−h1(h2 2 (C3−C4)+h3 2
    (C4−C2)+h4 2 (C2−C3))+h2 2 (h3(C1−C4)
    +h4(C3−C1))−h2(h3 2 (C1−C4)+h4 2
    (C3−C1))+h3h4(h3−h4)(C1−C2)
    C=εS/((h1+α)sinθ) 又は
    C=εS/((h2+α)sinθ) 又は
    C=εS/((h3+α)sinθ) 又は
    C=εS/((h4+α)sinθ)
    に表す式を用いて前記加工面積及び極間静電容量を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の放電加工装置。
  6. 前記加工条件設定手段は、前記静電容量測定手段により電極と被加工物の加工部位間の合計静電容量を測定して放電加工条件を変更する測定周期を前記演算された加工面積又は極間静電容量に基づいて変更することを特徴とする請求項2〜5の何れか1つに記載の放電加工装置。
  7. 前記加工条件設定手段は、前記演算された加工面積又は極間静電容量に略比例するように前記電極へ供給する加工電流を設定することを特徴とする請求項2〜6の何れか1つに記載の放電加工装置。
  8. 前記加工条件設定手段は、前記加工電流の電流密度を所定の電流密度以下に設定することを特徴とする請求項7に記載の放電加工装置。
  9. 前記加工条件設定手段は、前記電極に供給する加工電流と、前記加工面積又は極間静電容量とに対応する放電パルスを設定する放電パルス設定手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の放電加工装置。
  10. 前記加工条件設定手段は、前記極間距離の誤差距離αに基づいてジャンプ動作のジャンプ周期とジャンプ量の少なくとも一方を設定するジャンプ動作演算手段を有することを特徴とする請求項4に記載の放電加工装置。
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