JP4565138B2

JP4565138B2 - Liquor and its production method

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Publication number: JP4565138B2
Application number: JP2000400852A
Authority: JP
Inventors: 隆之井上; 徹山内; 善久登田; 貞夫川北; 康次郎高橋
Original assignee: 宝ホールディングス株式会社
Priority date: 2000-02-08
Filing date: 2000-12-28
Publication date: 2010-10-20
Anticipated expiration: 2020-12-28
Also published as: JP2002065237A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は清酒、焼酎又はみりん及びそれらの製造方法に関する。更に詳細には米の風味が生き、香りの整った軽快でのど越し感の良い清酒若しくは焼酎、又は米の風味が生き、香りの整った上品なみりん、及びそれらの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、酒類に関しても嗜好が多様化している。特に清酒においては、消費者の嗜好に合せた製品が開発されおり、製品も多様化している。その一つに純米酒があり、濃醇で旨味や甘味がバランス良く、濃厚感のある酒質を有する清酒として親しまれている。また、原料を焙炒して仕込む焙炒清酒が開発され、超淡麗でスッキリとした辛口な酒質を有する清酒として親しまれている。しかし、日本酒本来の米の風味が生き、香りが整い、軽快で飲みやすいという両者の特徴を具備した酒質は、どちらかへ偏より、また酒質のバランスがくずれるので実生産において得るには困難である。
焼酎に関しては、連続蒸留して得られる純アルコールに近い甲類焼酎と、穀物や芋類を用いて単式蒸留して得られる原料由来の香味を生かした本格焼酎がある。この単式蒸留を用いて製造した焼酎の製造は古く、江戸時代中期にはこの焼酎を清酒の醪へ添加した清酒の造り方があり、その製法を「柱焼酎」と呼ばれていた。近年になり、特許公報（特開昭５２−９４４９９号）において、清酒の仕込みにおいて汲水の全部あるいは一部に清酒以外の酒類（焼酎を含む）を使用して、これを発酵させる技術が開示されている。
また、焼酎の製造においては焙炒造りが開発されている。すなわち、２００〜４００℃の熱風で数秒〜５分間焙炒した掛原料穀物を用いた米焼酎で淡麗な酒質にする技術（特公平５−２８５９１号）、原料の少なくとも一部を吸水させ、焙炒処理した原料を用いた米焼酎及び麦焼酎の技術（特許第２８８６２５２号）が開示されており、これらの技術により得られた焼酎は、主要香気エステル量が従来の蒸しの場合に比べて増加し、香味ともに良好で幅のある風味を有する酒質に仕上がることが示されている。
このように焙炒造りによる焼酎は、従来の本格焼酎とは差別化できる酒質が得られている。この焙炒造りによる焼酎は飲用に好適であるが、原料としての特性、すなわち清酒醪、焼酎醪への添加、みりん原料への利用は検討されていない。
また、焙炒造りの酒類へ、本格焼酎の利用も検討されていない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
多様化する嗜好を背景にして、従来にない酒質を有する酒類が求められている。本発明の目的は、多様化する嗜好に対応した、新規な酒質を有する清酒、焼酎又はみりん及びそれらの製造方法を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すると、本発明の第１の発明は清酒又は焼酎よりなる酒類の製造において、醪後期のアルコール生成が終了した時点から上槽前までの醪へ焙炒米焼酎を添加する、又は少なくとも一部に焙炒原料を用いた、醪後期のアルコール生成が終了した時点から上槽前までの醪へ一部が焙炒米焼酎である焼酎を添加する酒類の製造方法に関し、第２の発明は第１の発明の製造方法で得られる新規な酒質の酒類に関する。
【０００５】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決するため鋭意研究を行った結果、醪へ焙炒焼酎を添加することによって、又は少なくとも一部に焙炒原料を用いた醪へ焼酎を添加することによって、米の風味が生き、香りの整った軽快でのど越し感の良い清酒又は焼酎、及び米の風味が生き、中高沸点香気成分が増強され、香りの整った軽快な顕著に酒質が向上した上品なみりんを製造するできることを見出し本発明の完成に至った。ここでいう焙炒焼酎の留出液の低沸点香気成分としては、例えばアセトアルデヒド、酢酸エチル、エタノール、ｎ−プロパノール、ｉ−ブタノール、酢酸ｉ−アミル、ｎ−ブタノール、ｉ−アミルアルコール、カプロン酸エチル等が挙げられ、中高沸点香気成分としては、例えばヘキシルアルコール、カプリル酸エチル、ヘプチルアルコール、フルフラール、オクチルアルコール、カプリン酸エチル、コハク酸ジエチル、ラウリン酸エチル、β−フェネチルアルコール、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル等が挙げられる。
【０００６】
これは焼酎、特に焙炒焼酎の香味成分と、清酒、焼酎又はみりんの醪中の成分が、麹の酵素的反応や成分間の非酵素的反応、更には酵母による作用により、新たな香味成分が生成されると共に、味なれ等の作用で新規な香味に特徴のある優れた酒質の清酒、焼酎及びみりんになることを見出したものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
酒類とは、清酒、焼酎及びみりんが挙げられる。例えば、清酒の製造は原料処理、仕込み、糖化・発酵、上槽及び精製工程よりなり、焼酎の製造は、原料処理、仕込み、糖化・発酵、蒸留及び精製工程よりなる。また、みりんの製造は原料処理、仕込み、糖化・熟成、上槽及び精製工程よりなる。
【０００８】
本発明における酒類とは、清酒又は焼酎である。
【０００９】
本発明における醪とは、麹及び掛原料を含むが、麹及び掛原料のそれぞれの処理は蒸気による蒸し、又は焙炒を用いることができる。蒸気による蒸し処理は特に限定はなく、常圧（１００℃）及び加圧（１００℃〜１３０℃）条件下で、蒸し時間は１分〜２時間、好ましくは５分〜１時間である。焙炒処理は特に限定はないが、焙炒焼酎の原料処理に準ずる方法でよい。また、醪には掛米原料の少なくとも一部に液化処理したものを含有してもよい。液化処理は、常法の酵素又は酸による液化及び／又は糖化を行ってもよい。
【００１０】
本発明における焙炒焼酎とは、二つの特許公報（特公平５−２８５９１号、又は特許第２８８６２５２号）記載の製造方法で調製された焼酎であれば良い。すなわち、特公平５−２８５９１号公報に記載の掛用原料穀物のみを２００〜４００℃の熱風で数秒〜５分間焙炒する工程を含む製造方法により得られる焙炒焼酎、又は、特許第２８８６２５２号公報に記載の原料の少なくとも一部を吸水させ、次いで２００〜４００℃の熱風で数秒〜５分間焙炒処理した工程を含む製造方法により得られる焙炒焼酎である。
本発明における焼酎の原料として、穀類の米、麦、ヒエ、アワ、コーリャン、ソバ、トウモロコシ等、穀物以外にも地下茎、イモ類、例えばサツマイモ、ジャガイモ、タロイモ等、また焼酎の原料となるその他のものの利用も可能である。
しかしながら、本発明における焙炒焼酎について、その原料としては米を用いることが好ましく、更に本格焼酎であればより好ましい。米本来のふくよかな香味が増強され、コクのある旨み、飲みやすさが得られる。また、焙炒米焼酎を製造するに際の発酵温度は特に限定はないが、低温発酵が好ましい。
【００１１】
したがって、焙炒処理した原料を用いる組合せとして、▲１▼焙炒掛米、▲２▼焙炒した原料を用いた麹、▲３▼蒸し掛米、▲４▼蒸した原料を用いた麹、▲５▼焙炒焼酎、▲６▼通常の焼酎で表すと、原料の組合せとして、Ａ：▲１▼▲２▼▲５▼、Ｂ：▲１▼▲４▼▲５▼、Ｃ：▲３▼▲２▼▲５▼、Ｄ：▲３▼▲４▼▲５▼、Ｅ：▲１▼▲２▼▲６▼、Ｆ：▲１▼▲４▼▲６▼、Ｇ：▲３▼▲２▼▲６▼の７通りがあり、７通りのそれぞれ単独、及び７通りを組合せてもよい。いずれも焙炒原料を用いた特徴を有する酒類に仕上る。
【００１２】
検討例として、米焼酎を焙炒米と蒸米の両方で造り、比較を行った。
【００１３】
（検討例１）
７５％精米歩合のウルチ米を水分３０％になるよう吸水させた後、２５０℃で４５秒間焙炒した焙炒米を掛米として用いた。対照としては、焙炒せず通常の方法で蒸米を調製して掛米として用いた。麹米は蒸米を用い焼酎麹菌を使用して調製した。表１に仕込配合を示す。
【００１４】
【表１】

【００１５】
上記仕込配合の一次仕込時に焼酎酵母を添加し、３０℃で７日間発酵を行い、更に二次仕込で焙炒米を用いて常法通り発酵させた。得られた発酵醪の成分分析値と、それらを減圧ポットスチルで蒸留した低中高沸点香気成分の豊富な中留区分を２５％（ｖ／ｖ）アルコール濃度に調整した留液の香気エステル及び官能評価の結果を表２に示す。官能評価はパネラー１０名で行い、三段階（１：良、２：並、３：不良）で評価した平均値を示す。
【００１６】
【表２】

【００１７】
表２に示すごとく、焙炒を行ったものは、対照の蒸米に比べて発酵醪を蒸留して得られたアルコール収得量が向上した。また、留液においては、主要香気エステルが対照より増加し、官能検査の結果も米の風味が強くエステル香の優れた幅のある焼酎に仕上った。したがって、この優れた酒質を有する焙炒焼酎と清酒やみりんの醪と組合せることにより新規の酒質を有する清酒やみりんが得られるのではないかと考えた。
【００１８】
本発明で用いる焙炒焼酎は、特に限定はない。しかし、清酒及びみりんが米を原料としており、米由来の風味を清酒及びみりんの製品に醸し出すには、米由来の香味成分そのもの、又は先駆体が醪中の反応過程で必要となるので焙炒米焼酎が好ましい。本格米焼酎は掛米と麹米よりなるが、焙炒米焼酎は少なくとも一部の原料を焙炒したものであれば良い。また、使用する麹菌及び酵母は特に限定はないが、米の風味を強調する点から黄麹菌及び清酒用酵母が香味の点から好ましい。
【００１９】
本発明における清酒醪の種類は、特に限定はないが純米酒醪が好適である。また、醪の発酵温度も特に限定はないが、低温発酵、例えば１０℃〜１５℃の発酵が好ましい。
【００２０】
本発明における清酒醪、焼酎醪及びみりん醪への焙炒焼酎の添加量は、酒税法に準じる範囲内で行えば良く、醪中の成分の生成、香味や風味の調整を目的によって適宜選択することができる。例えば、使用する原料としてのアルコールや従来の焼酎の少なくとも一部に用いれば良く、香味のバランスを考慮して適宜選択することができる。また、必要に応じて焙炒焼酎はアルコール濃度４５％（ｖ／ｖ）以下で適当に希釈して使用することもできる。また、添加時期は特に限定はないが、清酒醪の場合には、醪初期及び中期に焙炒焼酎を添加すると、アルコール濃度の上昇を生じて酵母の発酵を抑制するので、醪後期のアルコール生成が終了した時点から上槽前までの添加が好ましい。みりん醪の場合については添加時期は特に限定はない。
【００２１】
本発明において、少なくとも一部に焙炒原料を用いた醪へ添加する焼酎とは、アルコール含有物を蒸留したものであれば特に限定はなく、例えば連続式蒸留機で蒸留した醸造用アルコールや、単式蒸留機で蒸留した本格焼酎などがある。特に醪が米を主原料としていれば、添加する焼酎も米を原料としたものを用いることが好ましい。例えば、醸造用の米アルコールや本格焼酎の中の米焼酎などを用いると、焙炒醪の風味が生きた上、味がよくなじみ、味の幅を広げることができる。更に、添加する焼酎の原料として焙炒処理した米を少なくとも一部に用いることがより好ましい。
【００２２】
清酒中に存在する溶存酸素は、清酒保存中に老香などの好ましくない香りや味などの品質劣化成分等を生成するので、清酒の品質保持のためにも溶存酸素の低減が求められるものであり、溶存酸素を制限することが望ましい。通常の清酒において、容器に充てん時に火入れを行わない場合、平衡状態になった清酒中の溶存酸素は７〜８ｐｐｍ前後であるが、常温長期流通時の品質保持の面からは１．１〜４．０ｐｐｍが好ましい。また、容器に充てん時に火入れを行った場合の清酒の溶存酸素濃度は３．５〜４．０ｐｐｍ前後であるが、清酒中の溶存酸素濃度を１．１〜２．９ｐｐｍの範囲にすると官能評価が良かった。
【００２３】
本発明における溶存酸素を低減させる方法とは、通常の清酒の製造方法、例えば、原料処理、仕込み、糖化・発酵、上槽、精製及び容器充てん工程において、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスによる溶存酸素の置換が行えればよく、特に限定はない。例えば、インラインミキサーを用いた連続的な流れの中で不活性ガスを混合して溶存酸素を低減させても良い。
【００２４】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【００２５】
実施例１
まず、焙炒米焼酎を調製した。精米歩合７５％の粳白米を用い、吸水させ、３０％含水量とした吸水米を２９５℃、４５秒焙炒処理した焙炒米を仕込みの掛米として用いた。麹は通常の蒸し米を用いて、常法に従って清酒用黄麹菌を用いて調製した麹を用いた。表３に示す仕込配合にて総米６００ｋｇの三段仕込による方法にて行った。酵母はＫ−７０１を用い、発酵は留後５日目より最高品温が１５℃となるようにし、留後１３日目より降温し、留後１８日目で減圧ポットスチルで蒸留して中留区分を得て、これを冷却ろ過して焙炒米焼酎を得た。
【００２６】
【表３】

【００２７】
得られた焙炒米焼酎を、２５％（ｖ／ｖ）アルコール濃度になるように調製した。成分分析結果を表４に示した。
【００２８】
【表４】

【００２９】
表４より、焙炒米焼酎は、米由来の香りや香気成分、全体にバランスが良く、また吟醸香として知られる酢酸イソアミル、カプロン酸エチルも多い良質な焼酎が得られた。ここでいう米由来の香りとは、米中のタンパク質がアミノ酸にまで酵素分解され、更にイソアミルアルコールやブチルアルコール等に変換されたものであり、また、米脂質は、麹や酵母によって脂肪酸エステル、例えば、カプロン酸エチルに変換されたものをいう。
【００３０】
次に焙炒米焼酎、粕取焼酎、通常方法で製造された米焼酎（減圧）、通常方法で製造された麦焼酎、及び醸造アルコール（対照）を用いて、通常の糖化・発酵を終了した純米酒の同一醪を１リットルずつに分け、その中へアルコール濃度４０％（ｖ／ｖ）に調製した前記の各焼酎や醸造アルコール３００ｍｌをそれぞれ添加し、充分混合、かくはんした後、上槽して搾汁と粕に分離した。搾汁は常法通り、火入れ、活性炭処理、滓下げして精製ろ過した後、割水してアルコール濃度を１５％（ｗ／ｗ）に調製して官能評価した。官能評価はパネラー１０名で行い、三段階（１：良、２：並、３：不良）で評価した平均値１．０〜１．５未満を◎、１．５〜２．０未満を○、２．０〜２．５未満を△、２．５〜３．０を×で示した。その結果を表５に示す。
【００３１】
【表５】

【００３２】
表５の結果より、各種の従来の焼酎を用いた場合には、焼酎の有するクセのある香味が清酒に適合せず、相性の悪いことがわかる。また、米焼酎（減圧）はなじみが良すぎて特徴がわかりづらいという評価であった。一方、焙炒米焼酎は米由来の香りが清酒に適合し、飲みやすく軽快な感じがするとの評価であり、評価値も最も優れていた。
【００３３】
実施例２
次に焙炒米焼酎の添加量については、使用原料の総米１トン当りの１００％（ｖ／ｖ）アルコールリットル数の比の１２０リットル／トン及び２８０リットル／トンの二水準について比較した。通常の糖化・発酵を終了した醪１リットルを用い、上記の条件に適合するように焙炒米焼酎を添加し、添加後は、実施例１と同様な処理を行い、割水してアルコール濃度を１５％（ｖ／ｖ）に調整して実施例１と同様な方法で官能評価を行った。
【００３４】
官能評価の結果、焙炒米焼酎の添加量は、１２０リットル／トン相当では、風味がやや弱く、スッキリして物足りなく醸造アルコールを用いた従来品と差別化できないが、２８０リットル／トン相当では、米由来の香りが適当量で生き生きした感じがし、飲みやすく軽快であった。
【００３５】
実施例３
焙炒米焼酎を用いた清酒を試醸した。精米歩合７０％の精白米を用い、表６に示す仕込配合にて、焙炒米焼酎を用いる総米６２．８ｋｇで、掛米が蒸米及び蒸米を用いた麹を使用して清酒を製造した。焙炒米焼酎の添加量は、総米１トン当り２８０リットル（１００％換算アルコール）であった。
【００３６】
【表６】

【００３７】
表６の仕込配合に示すように、酵母はＫ−７０１を用い、発酵は１３日目より最高品温が１５℃となるようにし、留後１３日目より降温し、留後発酵が停止し、アルコール生成を生じなくなった時点で４０％（ｖ／ｖ）アルコール濃度に調整した焙炒米焼酎を添加して、更に追水を追加し、混合、充分にかくはんして均一にした後上槽した。上槽により得られた清酒は、常法に従い、火入れ、活性炭処理、滓下げしろ過後、割水して製品を得た。一般的な分析値を表７に示す。
【００３８】
【表７】

【００３９】
得られた清酒は、米の風味が生き、香りの整った軽快でのど越し感の良いという官能評価を得て、実施例１の結果と同様な結果が再確認された。また、得られた清酒の香り成分について一般的な市販清酒を対照として比較分析した。表８にその結果を示す。
【００４０】
【表８】

【００４１】
表８の結果より、米の風味が生き、香りの整った軽快さを有する本発明の清酒は、低沸点香気成分値からも対照と比べ、全体にエステル、アルコール類が増強されており、いずれも米由来で清酒の風味を向上させる成分である。特に酢酸イソアミルやカプロン酸エチルの含量もバランス良く増加しているので、香り立ちの面からも優れているものである。
【００４２】
実施例４
焙炒米焼酎を用いた清酒を試醸した。精米歩合７０％の精白米を用い、表６に示す仕込配合にて、焙炒米焼酎を用いる総米６２．８ｋｇで、掛米が焙炒（実施例１と同様の処理後、２９５℃、４５秒）及び蒸米を用いた麹を使用して清酒を製造した。焙炒米焼酎の添加量は、総米１トン当り２８０リットル（１００％換算アルコール）であった。
【００４３】
【表９】

【００４４】
表９の仕込配合に示すように、酵母はＫ−７０１を用い、発酵は１３日目より最高品温が１５℃となるようにし、留後１３日目より降温し、留後発酵が停止し、アルコール生成を生じなくなった時点で４０％（ｖ／ｖ）アルコール濃度に調整した焙炒米焼酎を添加して、更に追水を追加し、混合、充分にかくはんして均一にした後上槽した。上槽により得られた清酒は、常法に従い、火入れ、活性炭処理、滓下げしろ過後、割水して製品を得た。一般的な分析値を表１０に示す。
【００４５】
【表１０】

【００４６】
得られた清酒は、米の風味が生き、香りの整った淡麗辛口でスッキリとしたのど越し感の良いという官能評価を得た。焙炒清酒の特徴を持ち、辛口傾向で香りの整った酒質に仕上った。
【００４７】
実施例５
実施例４の焙炒米焼酎を通常の米焼酎におきかえて清酒を試醸した。精米歩合７０％の精白米を用い、表１１に示す仕込配合にて、減圧して蒸留した米焼酎を用いる総米６２．８ｋｇで、掛米が焙炒（実施例１と同様の処理後、２９５℃、４５秒）及び蒸米を用いた麹を使用して清酒を製造した。米焼酎の添加量は、総米１トン当り２８０リットル（１００％換算アルコール）であった。
【００４８】
【表１１】

【００４９】
表１１の仕込配合に示すように、酵母はＫ−７０１を用い、発酵は１３日目より最高品温が１５℃となるようにし、留後１３日目より降温し、留後発酵が停止し、アルコール生成を生じなくなった時点で４０％（ｖ／ｖ）アルコール濃度に調整した米焼酎を添加して、更に追水を追加し、混合、充分にかくはんして均一にした後上槽した。上槽により得られた清酒は、常法に従い、火入れ、活性炭処理、滓下げしろ過後、割水して製品を得た。一般成分の分析値を表１２に示す。
【００５０】
【表１２】

【００５１】
得られた清酒は、米の風味が生き、淡麗辛口でスッキリしたのど越し感の良いという官能評価を得た。焙炒清酒の特徴を持ち、更に辛口傾向で米の風味の生きた酒質に仕上った。
【００５２】
実施例６
実施例３と同様な方法にて試醸して得られた搾汁は、インラインミキサー〔商品名：ノリタケスタティックミキサー、（株）ノリタケカンパニーリミテド製、サニタリー配管内径３インチ、４ユニット〕を用いて窒素ガスと混合し溶存酸素濃度を低減した。なお、容器に充てん後の溶存酸素濃度が０．５、１．０、１．５、２．０、２．５、３．０、３．５、４．０及び４．５ｐｐｍになるよう行った。清酒流量は１０リットル／分、窒素ガス流量は２．３リットル／分（ガスの体積は０℃、１気圧の値）にて行った。その後容器に移しヘッドスペースを窒素置換させた後、打栓して製品を得た。なお、インラインミキサー以降のライン（受けタンク、充てん機）も窒素置換をしておいた。対照として溶存酸素を低減させずに充てん及び打栓したものを対照製品とした。得られた該製品を３０℃、６ヵ月間保存して官能評価を行った。その結果、容器内の溶存酸素濃度が０．５、１．０では、味が渋く感じられ品質面で劣り、また４．５ｐｐｍの製品は、対照製品（容器内の溶存酸素濃度が８．０ｐｐｍ）と同等に老香等の劣化臭を感じ、品質保持の面では、溶存酸素濃度が１．１〜４．０ｐｐｍの範囲の製品と比べて品質保持の面で劣る。したがって、容器に充てん後、平衡状態になった清酒の溶存酸素濃度は、１．１〜４．０ｐｐｍの範囲が適切であった。
【００５３】
実施例７
実施例４の焙炒米の清酒醪を用い、焙炒米焼酎を米アルコールにおきかえて清酒を試醸した。表１３に示す仕込配合にて、連続蒸留で得られた米アルコールを用い、総米６２．８ｋｇで、掛米が焙炒（実施例１と同様の処理後、２９５℃、４５秒）及び蒸米を用いた麹を使用して清酒を製造した。米アルコールの添加量は、総米１トン当り２８０リットル（１００％換算アルコール）であった。
【００５４】
【表１３】

【００５５】
製造方法は実施例５と同様に行った。醪に４０％（ｖ／ｖ）アルコール濃度に調整した米アルコールを添加して、更に追水を追加し、混合、充分にかくはんして均一にした後上槽した。上槽により得られた清酒は、常法に従い、火入れ、活性炭処理、滓下げしろ過後、割水して製品を得た。一般成分の分析値を表１４に示す。
【００５６】
【表１４】

【００５７】
得られた清酒は、焙炒清酒の特徴を持ち、米の風味が生き、淡麗辛口でありながら味の幅が広がっているという良好な官能評価を得た。
【００５８】
実施例８
検討例１で調製した焙炒米焼酎（アルコール濃度４２％（ｖ／ｖ））を用いて、みりんの製造を行った。蒸糯米は、精米歩合８５％の糯白米を、常温で井水浸漬を２４時間行い、水切り後、加圧条件下ゲージ圧１．２ｋｇ／ｃｍ²（１２３℃）で２０分間蒸したものを用いた。米麹用の蒸米は精米歩合８５％の粳白米を糯白米の場合と同様にして、浸漬、水切り後、常圧１００℃で２０分間蒸した。
得られた蒸粳米は放冷後、みりん用種もやし（黄麹菌の胞子）を蒸糯米重量当り０．１％（ｗ／ｗ）接種して種付けを行った。製麹は、相対温度９０〜１００％の条件下で３０〜４０℃の温度管理下で４６時間静置培養して米麹を得た。表１５にみりんの仕込配合を示す。
【００５９】
【表１５】

【００６０】
表１５に示す仕込配合で、蒸糯米、米麹、及び原料アルコール又は焙炒米焼酎を混合して醪とした。時々、３〜５日間隔でかくはんした。この醪を３０℃で糖化・熟成を行った。３０日間の糖化・熟成後、試験室の小型圧搾機を用いて固液分離し、搾汁と粕を得た。
【００６１】
得られた搾汁は、常法に従い、火入れ７５℃、３０秒の加熱処理後、滓下げを行った。滓下げは柿渋（ボーメ１２、１０ｍｌ／ｋｇ搾汁）及び滓下げ剤（植物性タンパク質の活性グルテン主体）（１．９ｇ／ｋｇ搾汁）で行い、凝集沈殿させた３日後、上澄液をろ紙ろ過して清澄なみりんを得た。表１６には得られたみりんの一般成分値を示す。
【００６２】
【表１６】

【００６３】
表１６に示すごとく、焙炒米焼酎を使用した本発明品は、醸造用アルコールを使用した対照と比較してみると、みりん収率及び、全糖、直糖、全窒素、アミノ態窒素、アルコール分、酸度の分析値はほぼ同水準の値を示し、使用アルコールの種類による差異は認められなかった。
【００６４】
次に、官能評価を検討例１の場合と同様にして、パネラー１５名にて行った。
官能評価（パネラー１５名の平均値）の結果を表１７に示す。
【００６５】
【表１７】

【００６６】
表１７の結果から、対照のみりんに比べ、香りと味のバランスが良くなり、新規で上品な米由来の風味が付与されているとの評価であった。全体のアルコール使用量に対して、２５〜５０％の焙炒米焼酎を使用したものが最も好まれた。つまり、焙炒米焼酎を用いると、みりん特有の濃厚感のある香りに加え、米由来の香気が増強され香りに幅と奥行きがでた上品なみりんが得られた。
【００６７】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の、醪後期のアルコール生成が終了した時点から上槽前までの清酒醪又は焼酎醪中に焙炒米焼酎を添加して、又は少なくとも一部に焙炒原料を用いた、醪後期のアルコール生成が終了した時点から上槽前までの醪へ一部が焙炒米焼酎である焼酎を添加して清酒又は焼酎を製造することにより、従来にない米由来の風味が生き、香りが整った軽快で飲みやすい新規な品質の清酒及び焼酎を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to sake, shochu or mirin and methods for producing them. More particularly, the present invention relates to a refined, refined mirin with a lively, scented, refined sake or shochu with a lively and scented rice flavor, or a method for producing them.
[0002]
[Prior art]
In recent years, liquor has also diversified. Especially for sake, products that meet consumer preferences have been developed, and products are diversified. One of them is pure rice liquor, which is popular as a sake with a rich taste and a good balance of umami and sweetness. In addition, roasted sake that roasts and prepares raw materials has been developed, and it is popular as a refined sake that has an ultra-light and refreshing dry quality. However, the quality of sake that has the characteristics of both the sake's original rice flavor, fragrance, lightness, and ease of drinking can be obtained in actual production because the balance between the quality and the quality of sake is lost. Have difficulty.
As for shochu, there are shell shochu that is close to pure alcohol obtained by continuous distillation and authentic shochu that makes use of the flavor derived from raw materials obtained by simple distillation using cereals and straw. Shochu made using this simple distillation is old, and in the middle of the Edo period, there was a method of making sake by adding this shochu to sake lees, and the method was called “post shochu”. Recently, a patent publication (Japanese Patent Laid-Open No. 52-94499) discloses a technique for fermenting sake using sake other than sake (including shochu) in all or part of the pumped water in the preparation of sake. Has been.
In addition, roasting has been developed in the production of shochu. In other words, a technique for making a fresh liquor with rice shochu using a raw material grain roasted with hot air at 200 to 400 ° C. for several seconds to 5 minutes (Japanese Patent Publication No. 5-28591), and absorbing at least a part of the raw material The technology of rice shochu and barley shochu using the roasted raw material is disclosed (Japanese Patent No. 2886252), and shochu obtained by these technologies has a main fragrance ester amount as compared with the case of conventional steaming. It is shown that the quality of the liquor has a good flavor and a wide flavor.
As described above, shochu made by roasting has a quality of liquor that can be differentiated from conventional authentic shochu. This roasted shochu is suitable for drinking, but its properties as a raw material, that is, addition to sake lees and shochu, and use for mirin raw materials have not been studied.
The use of authentic shochu for roasted liquors has not been studied.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
There is a demand for alcoholic beverages with unprecedented liquor quality against the background of diversifying preferences. An object of the present invention is to provide a sake, shochu or mirin having a novel liquor quality corresponding to diversifying tastes and a method for producing them.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
To give a general description of the present invention, the first invention of the present invention is in the production of sake or shochu by Li Cheng liquor, adding roasted rice shochu from the time the mash late alcohol production has been completed to the mash up to the previous Ueso, Or a method for producing alcoholic beverages, in which at least a portion of the roasting raw material is used, and a portion of roasted rice shochu, which is partially roasted rice shochu, is added to the koji from the end of the last-stage alcohol production until the upper tank invention related to novel liquor Sakeshitsu obtained by the production method of the first aspect of the invention.
[0005]
As a result of diligent research to solve the problems of the prior art, the present inventors have added shochu to a koji using at least a part of a roasting koji by adding a roast yaki to koji. As a result, the rice flavor is alive, the scented light and smooth brewed sake or shochu, and the rice flavor is alive, the medium and high boiling point aroma components are enhanced, and the scented and light and distinctive sake quality. As a result, the present invention has been completed. Examples of the low boiling point aroma component of the distillate of roasted shochu here include acetaldehyde, ethyl acetate, ethanol, n-propanol, i-butanol, i-amyl acetate, n-butanol, i-amyl alcohol, and caproic acid. Examples of the medium-high boiling point aromatic component include hexyl alcohol, ethyl caprylate, heptyl alcohol, furfural, octyl alcohol, ethyl caprate, diethyl succinate, ethyl laurate, β-phenethyl alcohol, ethyl myristate, Examples include ethyl palmitate.
[0006]
This is because the flavor components of shochu, especially roasted shochu, and the components in sake, shochu, or mirin koji are new flavor components due to the enzymatic reaction of koji, the non-enzymatic reaction between the components, and the action of yeast. It has been found that, as a result of being produced, it becomes an excellent sake-quality sake, shochu and mirin, which is characterized by a new flavor by the action such as taste.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be specifically described below.
Examples of alcohol include sake, shochu and mirin. For example, sake production includes raw material treatment, preparation, saccharification / fermentation, upper tank and purification process, and shochu production includes raw material treatment, preparation, saccharification / fermentation, distillation and purification processes. The production of mirin consists of raw material processing, preparation, saccharification / ripening, upper tank and purification process.
[0008]
Liquor A in the present invention, a sake or shochu.
[0009]
The koji in the present invention includes koji and a hanging raw material, and each treatment of the koji and the hanging raw material can use steaming or roasting with steam. The steaming treatment is not particularly limited, and the steaming time is 1 minute to 2 hours, preferably 5 minutes to 1 hour under normal pressure (100 ° C.) and pressure (100 ° C. to 130 ° C.) conditions. The roasting treatment is not particularly limited, but may be a method according to the raw material treatment of roasted shochu. Moreover, you may contain what liquefied the rice bran raw material at least in part. In the liquefaction treatment, liquefaction and / or saccharification with a conventional enzyme or acid may be performed.
[0010]
The roasted shochu in the present invention may be a shochu prepared by a manufacturing method described in two patent publications (Japanese Patent Publication No. 5-28591 or Japanese Patent No. 2886252). That is, roast shochu obtained by a manufacturing method including a step of roasting only the raw material grains described in Japanese Patent Publication No. 5-28591 with hot air of 200 to 400 ° C. for several seconds to 5 minutes, or Japanese Patent No. 2886252 It is roasted shochu obtained by a production method including a step of absorbing at least a part of the raw material described in the publication and then roasting with hot air at 200 to 400 ° C. for several seconds to 5 minutes.
As a raw material of shochu in the present invention, grains such as rice, wheat, barnyard millet, millet, sorghum, buckwheat, corn, etc., in addition to grains, rhizomes, potatoes such as sweet potato, potato, taro, etc., and other raw materials for shochu The use of things is also possible.
However, for the roasted shochu in the present invention, it is preferable to use rice as the raw material, and it is more preferable if it is an authentic shochu. The original rich flavor of rice is enhanced, providing a rich taste and ease of drinking. Moreover, although the fermentation temperature in producing roasted rice shochu is not particularly limited, low-temperature fermentation is preferable.
[0011]
Therefore, as a combination using the roasted raw material, (1) roasted rice, (2) rice cake using roasted raw material, (3) steamed rice, (4) rice cake using steamed raw material, (5) Roasted shochu, (6) Ordinary shochu, A: (1) (2) (5), B: (1) (4) (5), C: (3) ▼ ▲ 2 ▼ ▲ 5 ▼, D: ▲ 3 ▼ ▲ 4 ▼ ▲ 5 ▼, E: ▲ 1 ▼ ▲ 2 ▼ ▲ 6 ▼, F: ▲ 1 ▼ ▲ 4 ▼ ▲ 6 ▼, G: ▲ 3 ▼ ▲ There are seven ways 2) and 6), and each of the seven ways may be used alone or in combination. Both are finished in alcoholic beverages with characteristics using roasting raw materials.
[0012]
As a study example, rice shochu was made with both roasted rice and steamed rice and compared.
[0013]
(Examination example 1)
75% polished rice ratio was absorbed to 30% moisture, and then roasted rice roasted at 250 ° C. for 45 seconds was used as the hanging rice. As a control, steamed rice was prepared by a conventional method without roasting and used as the rice. Sticky rice was prepared using shochu bacteria using steamed rice. Table 1 shows the charging composition.
[0014]
[Table 1]

[0015]
Shochu yeast was added at the time of the primary charge of the above-mentioned preparation, fermented at 30 ° C. for 7 days, and further fermented as usual using roasted rice in the secondary charge. Analytical values of the components of the fermented rice cake obtained, and odor esters and functionalities of the distillate adjusted to 25% (v / v) alcohol concentration in the middle distillate section rich in low, medium and high boiling aroma components obtained by distilling them with a vacuum pot still The evaluation results are shown in Table 2. Sensory evaluation is performed by 10 panelists, and shows an average value evaluated in three stages (1: good, 2: average, 3: poor).
[0016]
[Table 2]

[0017]
As shown in Table 2, the roasted rice was improved in alcohol yield obtained by distilling the fermented koji compared with the control steamed rice. In the distillate, the main aroma ester increased compared to the control, and the sensory test showed that the rice flavor was strong and the shochu with a wide ester flavor was finished. Therefore, it was thought that the combination of the roasted shochu having excellent sake quality and the sake and mirin koji could yield a sake and mirin having a novel sake quality.
[0018]
The roast shochu used in the present invention is not particularly limited. However, sake and mirin are made from rice, and in order to bring out the flavor derived from rice to the product of sake and mirin, the rice-derived flavor component itself or the precursor is required in the reaction process in the koji, so roasted rice Shochu is preferred. Authentic rice shochu consists of kake rice and glutinous rice, but roasted rice shochu may be prepared by roasting at least some of the raw materials. Moreover, although the koji mold and yeast to be used are not particularly limited, yellow koji mold and yeast for sake are preferable from the viewpoint of flavor because the flavor of rice is emphasized.
[0019]
The kind of sake lees in the present invention is not particularly limited, but pure rice liquor is preferred. Moreover, although the fermentation temperature of koji is not particularly limited, low-temperature fermentation, for example, fermentation at 10 ° C to 15 ° C is preferable.
[0020]
The amount of roasted shochu added to the sake lees, shochu and mirin lees in the present invention may be within the range according to the liquor tax law, and appropriately selected depending on the purpose of production of ingredients in the lees, adjustment of flavor and flavor be able to. For example, it may be used for alcohol as a raw material to be used or at least a part of conventional shochu, and can be appropriately selected in consideration of the balance of flavor. If necessary, the roasted shochu can be used after appropriately diluting at an alcohol concentration of 45% (v / v) or less. In addition, there is no particular limitation on the timing of addition, but in the case of sake lees, adding roast shochu in the early and middle stages of the koji causes an increase in alcohol concentration and suppresses yeast fermentation. The addition from the time when is completed to before the upper tank is preferable. In the case of mirin mochi, the addition time is not particularly limited.
[0021]
In the present invention, the shochu added to the koji using at least a portion of the roasting raw material is not particularly limited as long as the alcohol-containing material is distilled, for example, brewing alcohol distilled with a continuous distillation machine, There are authentic shochu distilled by a single distiller. In particular, if the rice bran uses rice as the main raw material, it is preferable to use the shochu added from the rice. For example, when using rice alcohol for brewing or rice shochu in authentic shochu, the flavor of the roasted rice cake is alive, the taste is familiar, and the range of taste can be expanded. Furthermore, it is more preferable to use at least a portion of roasted rice as a raw material for the shochu to be added.
[0022]
Dissolved oxygen present in sake produces undesired aromas such as scent and taste-degrading components during sake preservation, so it is required to reduce dissolved oxygen in order to maintain the quality of sake. Yes, it is desirable to limit dissolved oxygen. In normal sake, when the container is not filled with fire, the dissolved oxygen in the equilibrium sake is around 7-8 ppm, but from the aspect of quality maintenance during normal temperature long-term distribution 1.1-4 0.0 ppm is preferred. In addition, the dissolved oxygen concentration of sake in the case where the container is filled with fire is about 3.5 to 4.0 ppm, but the sensory evaluation is performed when the dissolved oxygen concentration in the sake is in the range of 1.1 to 2.9 ppm. Was good.
[0023]
The method for reducing dissolved oxygen in the present invention is a normal method for producing sake, for example, raw material treatment, charging, saccharification / fermentation, upper tank, purification and container filling processes, such as inert gases such as nitrogen, helium, and argon. There is no particular limitation as long as the dissolved oxygen can be replaced by the above. For example, the dissolved oxygen may be reduced by mixing an inert gas in a continuous flow using an in-line mixer.
[0024]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0025]
Example 1
First, roasted rice shochu was prepared. Using roasted rice having a rice polishing ratio of 75%, water-absorbed rice having a water content of 30% was roasted and subjected to roasting treatment at 295 ° C. for 45 seconds. As the koji, koji prepared using koji mold for sake according to a conventional method was used. It carried out by the method by the three-stage preparation of 600 kg of total rice with the preparation composition shown in Table 3. The yeast is K-701, and fermentation is carried out so that the maximum product temperature becomes 15 ° C. from the 5th day after the distillation, the temperature is lowered from the 13th day after the distillation, and distilled in a vacuum pot still on the 18th day after the distillation. A distillation section was obtained, and this was cooled and filtered to obtain roasted rice shochu.
[0026]
[Table 3]

[0027]
The obtained roasted rice shochu was prepared so as to have an alcohol concentration of 25% (v / v). The component analysis results are shown in Table 4.
[0028]
[Table 4]

[0029]
From Table 4, roasted rice shochu obtained a good quality shochu with a good balance of rice-derived aromas and fragrance components, isoamyl acetate and ethyl caproate known as ginjo incense. The rice-derived scent here is a protein in which rice protein is enzymatically decomposed to amino acids and further converted to isoamyl alcohol, butyl alcohol, etc., and rice lipids are fatty acid esters, For example, it is converted to ethyl caproate.
[0030]
Next, pure saccharification / fermentation was completed using roasted rice shochu, rice cake shochu, rice shochu produced by conventional methods (barley shochu), wheat shochu produced by conventional methods, and brewed alcohol (control). Divide 1 liter of the same rice wine liquor into each liter, add 300 ml each of the above shochu and brewed alcohol prepared to an alcohol concentration of 40% (v / v), mix well, stir, then top tank. Separated into squeezed juice and koji. The squeezed juice was fired, treated with activated carbon, refined and filtered after being subjected to water splitting and adjusted to an alcohol concentration of 15% (w / w) for sensory evaluation. The sensory evaluation was performed by 10 panelists, and the average value evaluated in three stages (1: good, 2: average, 3: poor) was ◎ for an average value of 1.0 to less than 1.5 and ○ for less than 1.5 to 2.0. 2.0 to less than 2.5 are indicated by Δ, and 2.5 to 3.0 are indicated by ×. The results are shown in Table 5.
[0031]
[Table 5]

[0032]
From the results of Table 5, it can be seen that when various types of conventional shochu are used, the savory flavor of the shochu is not compatible with sake and is incompatible. In addition, rice shochu (reduced pressure) was evaluated as being so familiar that it was difficult to understand its characteristics. On the other hand, roasted rice shochu was evaluated as having a rice-derived aroma that is suitable for sake and feels light and easy to drink, and the evaluation value was also excellent.
[0033]
Example 2
Next, the amount of roasted rice shochu added was compared between two levels of 120 liters / ton and 280 liters / ton, which are ratios of 100% (v / v) alcohol liters per ton of total rice used. Using 1 liter of koji finished with normal saccharification / fermentation, roasted rice shochu is added so as to meet the above conditions. After the addition, the same treatment as in Example 1 is performed, and water is split to reduce the alcohol concentration. Sensory evaluation was performed in the same manner as in Example 1 after adjusting to 15% (v / v).
[0034]
As a result of sensory evaluation, when the amount of roasted rice shochu added is equivalent to 120 liters / ton, the flavor is slightly weak and refreshing and unsatisfactory, and cannot be differentiated from conventional products using brewed alcohol. The scent of origin was alive with an appropriate amount, and it was easy to drink and light.
[0035]
Example 3
Tasted sake using roasted rice shochu. Refined sake was produced by using polished rice with 70% polished rice ratio, 62.8 kg of total rice using roasted rice shochu, and the koji using steamed rice and rice bran using steamed rice, with the charging composition shown in Table 6. The amount of roasted rice shochu added was 280 liters (100% equivalent alcohol) per ton of total rice.
[0036]
[Table 6]

[0037]
As shown in the charging composition of Table 6, the yeast uses K-701, the fermentation is such that the maximum product temperature is 15 ° C from the 13th day, the temperature is lowered from the 13th day after the distillation, and the fermentation after the distillation is stopped. When no alcohol production occurred, roasted rice shochu adjusted to 40% (v / v) alcohol concentration was added, and additional water was added, mixed, thoroughly stirred and homogenized, and then placed in the upper tank. . The sake obtained from the upper tank was fired, treated with activated carbon, suspended, filtered, and then split to obtain a product according to a conventional method. General analytical values are shown in Table 7.
[0038]
[Table 7]

[0039]
The obtained sake had a sensory evaluation that the flavor of rice was alive, light and fragrant, and the same result as in Example 1 was reconfirmed. In addition, the fragrance component of the obtained sake was comparatively analyzed using a general commercial sake as a control. Table 8 shows the results.
[0040]
[Table 8]

[0041]
From the results of Table 8, the sake of the present invention, which has a light and well-flavored rice flavor, has enhanced ester and alcohol as a whole compared to the control from the low boiling point aroma component value. It is also a component derived from rice that improves the flavor of sake. In particular, the contents of isoamyl acetate and ethyl caproate are also well-balanced, which is excellent in terms of fragrance.
[0042]
Example 4
Tasted sake using roasted rice shochu. Using polished white rice with 70% polished rice ratio, and 62.8 kg of total rice using roasted rice shochu with the charge composition shown in Table 6, the roasted rice was roasted (after the same treatment as in Example 1, 295 ° C., 45 Sec) and rice cake using steamed rice. The amount of roasted rice shochu added was 280 liters (100% equivalent alcohol) per ton of total rice.
[0043]
[Table 9]

[0044]
As shown in the charging composition of Table 9, the yeast uses K-701, the fermentation is such that the maximum product temperature is 15 ° C. from the 13th day, the temperature is lowered from the 13th day after the distillation, and the fermentation after the distillation is stopped. When no alcohol production occurred, roasted rice shochu adjusted to 40% (v / v) alcohol concentration was added, and additional water was added, mixed, thoroughly stirred and homogenized, and then placed in the upper tank. . The sake obtained from the upper tank was fired, treated with activated carbon, suspended, filtered, and then split to obtain a product according to a conventional method. General analysis values are shown in Table 10.
[0045]
[Table 10]

[0046]
The obtained sake gained a sensory evaluation that the flavor of rice was alive and that the fragrance was light and dry and had a refreshing throat feeling. It has the characteristics of roasted sake and finished with a dry and fragrant liquor quality.
[0047]
Example 5
The roasted rice shochu of Example 4 was replaced with ordinary rice shochu to try sake. Using polished white rice with 70% polished rice ratio, 62.8 kg of total rice using rice shochu distilled under reduced pressure in the preparation composition shown in Table 11, the roasted rice was roasted (after the same treatment as in Example 1, Sake was produced using 295 ° C., 45 seconds) and koji using steamed rice. The amount of rice shochu added was 280 liters (100% equivalent alcohol) per ton of total rice.
[0048]
[Table 11]

[0049]
As shown in the charging composition of Table 11, the yeast uses K-701, and fermentation is performed so that the maximum product temperature is 15 ° C. from the 13th day, the temperature is lowered from the 13th day after the distillation, and the fermentation after the stop is stopped. When no alcohol production occurred, rice shochu adjusted to 40% (v / v) alcohol concentration was added, additional water was added, and the mixture was mixed and thoroughly stirred to make it uniform. The sake obtained from the upper tank was fired, treated with activated carbon, suspended, filtered, and then split to obtain a product according to a conventional method. Table 12 shows the analysis values of the general components.
[0050]
[Table 12]

[0051]
The obtained sake had a sensory evaluation that the flavor of rice was alive and refreshed with a refreshing dry taste. It has the characteristics of roasted sake and has a dry taste and a lively quality of rice.
[0052]
Example 6
The juice obtained by trial brewing in the same manner as in Example 3 was nitrogenized using an in-line mixer [trade name: Noritake Static Mixer, manufactured by Noritake Co., Ltd., sanitary piping inner diameter 3 inches, 4 units]. The dissolved oxygen concentration was reduced by mixing with gas. Note that the dissolved oxygen concentration after filling the container is 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0, 3.5, 4.0 and 4.5 ppm. It was. The sake flow rate was 10 liters / minute, and the nitrogen gas flow rate was 2.3 liters / minute (the gas volume was 0 ° C. and 1 atm). Thereafter, the product was transferred to a container to replace the head space with nitrogen, and then plugged to obtain a product. The line after the in-line mixer (receiving tank, filling machine) was also purged with nitrogen. The control product was filled and plugged without reducing dissolved oxygen as a control. The obtained product was stored at 30 ° C. for 6 months for sensory evaluation. As a result, when the dissolved oxygen concentration in the container is 0.5, 1.0, the taste is astringent and the quality is poor, and the product of 4.5 ppm is the control product (the dissolved oxygen concentration in the container is 8.0 ppm). ) And feels a deteriorating odor such as old perfume, and in terms of quality maintenance, it is inferior in terms of quality maintenance compared to products having a dissolved oxygen concentration in the range of 1.1 to 4.0 ppm. Therefore, the range of 1.1-4.0 ppm was suitable for the dissolved oxygen concentration of the sake which became the equilibrium state after filling the container.
[0053]
Example 7
Using the roasted rice refined rice cake of Example 4, the roasted rice shochu was replaced with rice alcohol to try sake. Using the rice alcohol obtained by continuous distillation in the charging composition shown in Table 13, the rice was roasted (after the same treatment as in Example 1 at 295 ° C., 45 seconds) and steamed rice in 62.8 kg of total rice. Sake was produced using the koji using the koji. The amount of rice alcohol added was 280 liters (100% equivalent alcohol) per ton of total rice.
[0054]
[Table 13]

[0055]
The production method was the same as in Example 5. Rice alcohol adjusted to 40% (v / v) alcohol concentration was added to the koji, additional water was added, and the mixture was mixed and thoroughly stirred to make it uniform. The sake obtained from the upper tank was fired, treated with activated carbon, suspended, filtered, and then split to obtain a product according to a conventional method. Table 14 shows the analysis values of the general components.
[0056]
[Table 14]

[0057]
The obtained sake had the characteristics of roasted sake, obtained a good sensory evaluation that the flavor of rice was alive and the breadth of the taste was widened while being fresh and dry.
[0058]
Example 8
Using roasted rice shochu (alcohol concentration 42% (v / v)) prepared in Study Example 1, mirin was produced. For steamed rice, 85% polished rice white rice is immersed in well water at room temperature for 24 hours, drained, and steamed for 20 minutes at a gauge pressure of 1.2 kg / cm ² (123 ° C) under pressure. It was. The steamed rice for rice bran was steamed at a normal pressure of 100 ° C. for 20 minutes after dipping and draining, in the same manner as in the case of straw white rice, with 85% polished rice.
The obtained steamed rice was allowed to cool and then seeded by inoculating 0.1% (w / w) of bean sprout for mirin (spore of yellow koji mold) per weight of steamed rice. The rice bran was left to stand for 46 hours under temperature control of 30 to 40 ° C. under a relative temperature of 90 to 100% to obtain rice bran. Table 15 shows the preparation of mirin.
[0059]
[Table 15]

[0060]
Steamed rice, rice bran, and raw alcohol or roasted rice shochu were mixed to prepare rice cake with the charge composition shown in Table 15. Occasionally stirred at intervals of 3-5 days. This koji was saccharified and aged at 30 ° C. After saccharification and aging for 30 days, solid-liquid separation was performed using a small press in the laboratory to obtain squeezed juice and koji.
[0061]
According to a conventional method, the obtained juice was drastically lowered after heating at 75 ° C. for 30 seconds. The lowering is carried out with persimmon astringent (Boehme 12, 10 ml / kg juice) and a lowering agent (mainly active gluten of vegetable protein) (1.9 g / kg juice), and after 3 days of coagulation sedimentation, Filter paper was filtered to obtain a clear mirin. Table 16 shows the general component values of the obtained mirin.
[0062]
[Table 16]

[0063]
As shown in Table 16, the present invention product using roasted rice shochu, compared with the control using brewing alcohol, mirin yield, total sugar, straight sugar, total nitrogen, amino nitrogen, alcohol The analytical values of the acidity and the acidity were almost the same level, and no difference was found depending on the type of alcohol used.
[0064]
Next, sensory evaluation was performed by 15 panelists in the same manner as in Study Example 1.
The results of sensory evaluation (average value of 15 panelists) are shown in Table 17.
[0065]
[Table 17]

[0066]
From the results of Table 17, it was evaluated that the balance between aroma and taste was improved compared to the control phosphorus, and a new and refined rice-derived flavor was imparted. What used 25 to 50% roasted rice shochu with respect to the total amount of alcohol used was most preferred. In other words, when roasted rice shochu was used, in addition to the rich scent peculiar to mirin, a refined mirin with enhanced rice-derived aroma and a wide and deep scent was obtained.
[0067]
【The invention's effect】
As described above in detail, the present invention, the addition of Imai shochu roasting in sake mash or shochu mash from the time the mash late alcohol production is completed before Ueso, or at least a part roasted material used was, by producing shochu added sake or shochu is partially roasting parched rice shochu to moromi from when the mash late alcohol production is completed before Ueso flavor derived from unconventional rice Can provide fresh, easy-to-drink sake and shochu that is alive and fragrant.

Claims

In the production of alcoholic beverages consisting of sake or shochu, a method for producing alcoholic beverages comprising adding roasted rice shochu to koji from the time when alcohol production in the latter half of the koji is finished to before the upper tank.

In the production of alcoholic beverages consisting of sake or shochu, add shochu, which is partially roasted rice shochu, to the koji from the end of alcohol production at the end of the koji to before the upper tank, using at least a portion of roasted raw materials A method for producing an alcoholic beverage characterized by the above.

Liquor obtained by using the production method according to claim 1 in liquor consisting of sake or shochu.

Liquor obtained by using the production method according to claim 2 in liquor consisting of sake or shochu.