JP4565114B2 - 透明材料のレーザー微細加工方法及び装置 - Google Patents

透明材料のレーザー微細加工方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザーを使用して透明基板等の透明材料に微細加工を行う加工装置、特に透明材料に光吸収の大きな流動性物質を接触させ、所定のフォトマスクを透過して特定のビーム形状を持ったレーザー光を透明材料の表面側から照射しながら、レーザー光をスキャンすることにより、透明材料に所定の3次元表面微細構造を加工する透明材料のレーザー微細加工方法及びその方法を実施する装置に関する。
半導体集積回路製造工程の要を担っているフォトリソグラフィー・プロセスにおいて、加工分解能が使用光源の波長に比例するため、光源の短波長化による高分解能化、高集積化が進められてきている。また、フォトリソグラフィー以外の短波長光加工プロセスにおいても、光源の短波長化により加工分解能の向上を図ることができる。このため、近紫外から深紫外、真空紫外といった、より短波長の光の制御に利用可能な光学素子の重要性は増すばかりである。特に、透明材料である透明基板に溝アレイ、溝アレイの湾曲構造、2次元アレイ構造といった3次元表面微細構造を加工し、必要に応じて公知の方法で誘電体膜や金属膜を塗布することにより作製される回折光学素子は、回折格子、偏光板、反射板、反射防止板、プリズムアレイ、ホログラム光学素子、フォトニック結晶素子などの機能を有し、従来の複数の光学部品の機能を1個で置き換えることが可能であり、光学系の小型化、簡略化、高機能化を図る上で重要な役割を果たす。このような観点から、可視光から深紫外光の制御に利用可能な石英ガラスやサファイア、さらに真空紫外光までの制御に利用可能なフッ化カルシウムなどのフッ化物結晶を用いた光学素子、特に回折光学素子が重要度を増している。
また、V溝及びV溝アレイは光ファイバー位置決め基板といった光通信素子として利用可能であり、紫外光を透過する石英ガラスなどの透明材料を用いることで、紫外光硬化樹脂による光ファイバーの接着、固定が簡便に行えるという利点を持つ。
さらに、溝構造、溝アレイ構造、溝及び溝アレイの湾曲構造は光導波路基板、液晶配向用基板としても利用可能である。
上記の理由から、簡便、高品位、高効率で、石英ガラス、サファイアなどからフッ化物結晶までの広範な透明材料を用いた透明材料の表面に三次元微細形状を加工して光学素子を作製する方法が望まれている。
しかし、光吸収率の少ない透明材料からなる透明基板は、レーザーアブレーションやレーザー溶融法によって直接的に透明基板表面に微細加工を行うことは困難である。また、上に挙げた透明材料は堅くてもろいため、研削などの機械加工では加工速度が非常に小さく、クラックや欠けが発生しやすいために加工効率が悪いという難点を持つ。さらに、複雑な三次元表面形状の精密微細加工を行うことは一段と困難である。
そこで、特許第3012926号公報(特許文献1)に示すようにレーザーの直接照射による加工が困難な透明材料からなる透明基板については、透明基板の裏面に光吸収率の大きな流動性物質を接触させ、流動性物質のレーザー吸収を利用した微細加工方法が提案されている。
また、装置に透明基板を保持する機構として、図17に示すように透明基板171の正面側をOリング172を介してホルダー173の保持プレート173aに当接させ、透明基板171の裏面にOリング174を介して光吸収率の大きな流動性物質175を収容したセル176の開口部176aを接触保持させている。図17に示す例では、セル176の裏面からホルダープレート177をボルト178で保持プレート173aに取付けている。つまり、透明基板171は、Oリング174とセル176を介して背面から押さえられている。また、透明基板171の裏面に流動性物質175を接触させてレーザー加工する技術は、特許文献1に記載されている。
他方、レーザー光を吸収する材料に対するレーザー光の直接照射による3次元微細表面加工方法として以下の方法が知られている。
(1)点集光したレーザー光を3次元的にスキャンしてアブレーション加工し、所定の3次元形状を加工する方法。[例えば、特開2000−317665号公報(特許文献2)]
(2)他種類のフォトマスクを準備し、レーザー照射によるアブレーション加工を段階的に行い、段階ごとにフォトマスクを取り替えて、所定の3次元形状を加工する方法。[例えば、特開平09−308942号公報(特許文献3)、特開平10−16215号公報(特許文献4)]
(3)光の二次元透過形状を自由に制御出来る液晶パネルをフォトマスクとして用い、レーザー加工を進めながらレーザー光のビーム形状を変化させて、所定の3次元形状を加工する方法。[例えば、特開平09−15867号公報(特許文献5)、特開2001−212687号公報(特許文献6)、特開2001−212798号公報(特許文献7)、特開2002−292488号公報(特許文献8)]
(4)光の透過量を連続的に変化させるグレー・フォトマスクを用い、透過するレーザー光強度の二次元分布を制御して、所定の3次元形状を加工する方法。[例えば、特開平07−58434号公報(特許文献9)、特開平08−224686号公報(特許文献10)、特開平2003−15275号公報(特許文献11)]
(5)フォトマスクを透過して所定のビーム形状を持ったレーザー光を照射してアブレーション加工しながら、集光レンズを照射方向に移動させ、縮小率を変えて3次元形状を加工する方法。[特開平08−221729号公報(特許文献12)]
(6)フォトマスクを透過してあるビーム形状を持ったレーザー光を加工物上でレーザー照射方向と垂直な一方向にスキャンすることにより、ランプ構造などの3次元表面形状を加工する方法。[Zimmerら:Appl.Surf.Sci.Vol.96−98,p.425(1996)(非特許文献1)]
しかし、前記(1)の方法では加工領域全てをスキャンして3次元加工を行っていくため、レーザーの繰返し周波数が高く、かつレーザー強度が非常に高い場合を除くと、時間効率が悪いという問題がある。前記(2)の方法では、頻繁にフォトマスクの交換を行う必要があって煩雑かつ時間効率が悪く、さらに階段状の加工断面になりやすいという問題がある。前記(3)の方法では、使用できるレーザー光の波長が液晶パネルを透過出来るものに限定されるという問題がある。前記(4)の方法では、グレー・フォトマスク、特に短波長レーザーで高いレーザー強度に耐えるグレー・フォトマスクの作製が大変困難であるという問題がある。前記(5)の方法では、縮小率の変化に伴うレーザー強度の変化による加工効率の変化も考慮する必要があり、加工形状の制御が困難を伴うという問題がある。前記(6)の方法は簡便であるが、Zimmerらはその用途について言及していない。
特許文献1の方法と前記(4)、(6)の方法を用いた、石英ガラスへの3次元表面加工例が報告されている。
(a)フレネルレンズ、ランダム位相板の加工
グレー・フォトマスクを用いることでレーザー光強度の2次元分布を制御し、石英ガラスの背面に流動性物質を接触させ、石英ガラスの表面側からレーザー光を照射して、フレネルレンズ、ランダム位相板の加工を行った。[Kopitkovasら:Microelectron.Eng.Vol.67−68,p.438(2003)(非特許文献2)。]
(b)シリンドリカル凹レンズ構造の加工
フォトマスクを通過したレーザー光を石英ガラスの表面から流動性物質に照射しながら、レーザー光をレーザー照射方向と垂直な一方向にスキャンすることにより、シリンドリカル凹レンズ構造を加工した。[Boehmeら:Appl.Surf.Sci.Vol.186,p.276(2002)(非特許文献3)。]
ただし、前記(a)の方法では、所定のレーザー光強度分布を得るためのグレー・フォトマスクの設計・作製が難しい。具体的には、レジスト塗布、リソグラフィーによるパターニング、イオンビーム・エッチング、レジスト剥離の複雑工程を複数回繰り返す必要があり、大変手間がかかる。このとき、工程数を減らすと、透過光量の変化が階段状になって滑らかさを欠くことになり、加工品位に影響を及ぼす。前記(b)の方法では、Boehmeの報告例は石英ガラス表面へのシリンドリカル凹レンズ構造のみであり、さらにその用途については何も言及していない。
特許第3012926号公報 特開2000−317665号公報 特開平09−308942号公報 特開平10−16215号公報 特開平09−15867号公報 特開2001−212687号公報 特開2001−212798号公報 特開2002−292488号公報 特開平07−58434号公報 特開平08−224686号公報 特開2003−15275号公報 特開平08−221729号公報 Zimmerら:Appl.Surf.Sci.Vol.96−98,p.425(1996) Kopitkovasら:Microelectron.Eng.Vol.67−68,p.438(2002) Boehmeら:Appl.Surf.Sci.Vol.186,p.276(2002)
前記従来の透明材料からなる透明基板等のレーザー微細加工法において、レーザー加工する加工部位が透明基板の裏面であり、流動性物質の入ったセルで覆われているために、直接観察することができない。したがって、加工に使用するレーザー光の焦点位置を正確に測定することは困難であった。また、透明基板の裏面を直接規制する部材が存在しなかったので、図17(b)に示すように微細加工を行うべき透明基板の裏面の位置が微妙にずれてしまい、微細加工に悪影響を与える場合が存在した。
その対策として、本発明者等により特願2004−000321号として、透明基板の裏面位置を直接規制する基準プレートを備えた透明基板の微細加工装置を提案している。この発明により、流動性物質の入ったセルで覆われた透明基板の裏面を再現性よくレーザー光の集光位置に保持することのできるようになったものであるが、更に再現性よく透明基板の裏面にレーザー光の集光を行うことができる装置の開発が望まれていた。
したがって本発明は、流動性物質の入ったセルで覆われた透明材料の裏面に対して、更により再現性よくレーザー光を集光することができるようにした透明材料のレーザー微細加工方法及びその方法を実施する装置を提供することを主たる目的とする。
本発明による透明材料のレーザー微細加工方法は、上記課題を解決するため、所定位置に固定した透明材料の裏面の位置を計測した後、前記透明材料の裏面に溶液セルを形成して、該溶液セル内でレーザー波長に対して高い吸収率を有する流動性物質を透明材料の裏面に接触させ、前記透明材料の表面側から該透明材料の裏面に対し、前記位置計測によるデータを用いて制御しながら透明材料の裏面にレーザーを集光させ、透明材料の裏面に所定の微細加工を行うことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工方法は、前記透明材料のレーザー微細加工方法において、前記裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面を解放して行うことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工方法は、前記透明材料のレーザー微細加工方法において、前記裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面に対向して配置した透明板を取り付けた状態で行うことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工方法は、前記透明材料のレーザー微細加工方法において、前記透明材料の裏面を解放するときには、溶液セルを形成するセル部材を透明材料の支持部材に固定しておき、セル部材に設けた蓋部材を解放することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工方法は、前記透明材料のレーザー微細加工方法において、前記透明材料の裏面を解放するときには、溶液セルを形成するセル部材を取り外すことによって解放することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工方法は、前記透明材料のレーザー微細加工方法において、前記透明材料は、該透明材料の裏面位置を直接規制する部材に当接させることを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工方法は、前記透明材料のレーザー微細加工方法において、前記透明材料を、スプリングによって押圧する基板押さえ具により、透明材料の裏面位置を直接規制する部材に押圧することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工方法は、前記透明材料のレーザー微細加工方法において、透明材料に光吸収の大きな流動性物質を接触させ、所定のフォトマスクを透過して特定のビーム形状を持ったレーザー光を透明材料の表面側から照射しながら、レーザー光または透明材料をスキャンすることにより、透明材料に所定の3次元表面微細構造を加工することを特徴とする。
本発明による透明材料のレーザー微細加工装置は、レーザー波長に対して高い吸収率を有する流動性物質を収容する溶液セルを透明材料の裏面に配置し、前記溶液セル内に流動性物質を収容しない状態で該透明材料の裏面の位置を計測する位置計測手段と、前記溶液セルに流動性物質を導入した状態で透明材料の表面側から裏面にレーザーを照射するレーザー照射手段とを備え、前記位置計測手段の計測データにより前記レーザー照射手段の集光位置を透明材料の裏面位置に制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記透明材料の裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面を解放して行うことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記透明材料の裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面に対向して配置した透明板を取り付けた状態で行うことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記溶液セルを形成するセル部材には前記透明材料に対向して開口を形成し、該開口には蓋部材を設け、前記蓋部材を解放することにより前記透明材料の裏面を解放することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、溶液セルを形成するセル部材を取り外すことにより前記透明材料の裏面を解放することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記透明材料を該透明材料の裏面位置を直接規制する部材に当接させるように構成したことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、スプリングによって押圧する基板押さえ具を備え、前記基板押さえ具により透明材料を該透明材料の裏面位置を直接規制する部材に押圧することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、所定形状の光透過部を備えたフォトマスクを用い、前記フォトマスクを透過して特定のビーム形状を持ったレーザー光を透明材料の表面側から照射しながら、レーザー光または透明材料をスキャンすることにより、透明材料に所定の3次元表面微細構造を加工することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記位置計測手段は、非接触式位置計測手段であることを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記位置計測手段は、接触式位置計測手段であることを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記蓋部材を開閉するレバーと、該レバーを蓋閉鎖位置で係止するレバー係止部材と、該レバー係止部材でレバーを係止するとき蓋部材を閉鎖方向に付勢する手段とを備えたことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記スプリングは、透明材料が中心に配置されるコイルスプリングであることを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記スプリングを透明材料の周囲に複数配置したことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記スプリングは、透明材料を押圧する基板押さえ具と基板押圧部材との間に縮設したものであり、ねじ込むことにより前記基板押圧部材を前記基板押さえ具に近づけるねじを中心としてコイルスプリングを配置したことを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記スプリングは、透明材料を押圧する基板押さえ具と基板押圧部材との間に縮設したものであり、基板押さえ部材は所定位置で係止する押圧保持具により設定される位置で、前記スプリングを介して透明材料を押圧することを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記透明材料として石英ガラス、一般ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、シリコンカーバイド、サファイア、アルミナ、水晶、ダイヤモンド、またはフッ素樹脂を用いることを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記レーザーとして、エキシマレーザー、またはYAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、色素レーザー、銅蒸気レーザー、チタンサファイアレーザーの基本発振波長あるいは高調波を用い、レーザー光強度として0.01J/cm/pulseから100J/cm/pulseまでを用いることを特徴とする。
本発明による他の透明材料のレーザー微細加工装置は、前記透明材料のレーザー微細加工装置において、前記流動性物質として、有機化合物、有機色素、無機顔料または炭素粉末を含む物質を用いることを特徴とする。
本発明によると、流動性物質の入ったセルで覆われた透明材料の裏面に対して、更により再現性よくレーザー光を集光することができるようにした透明材料のレーザー微細加工方法及び装置を提供することができる。
本発明によると、流動性物質の入ったセルで覆われた透明材料の裏面に対して、更により再現性よくレーザー光を集光することができるようにした透明材料の微細加工装置を提供するため、所定位置に固定した透明材料の裏面の位置を計測し、前記透明材料の裏面に溶液セルを形成して、該溶液セル内でレーザー波長に対して高い吸収率を有する流動性物質を透明材料の裏面に接触させ、前記透明材料の表面側から該透明材料の裏面に対し、前記位置計測によるデータを用いて制御しながら透明材料の裏面にレーザーを集光させ、透明材料の裏面に所定の微細加工を行う透明材料のレーザー微細加工方法とし、また、レーザー波長に対して高い吸収率を有する流動性物質を収容する溶液セルを透明材料の裏面に配置し、前記透明材料の裏面の位置を計測する位置計測手段と、前記溶液セルに流動性物質を導入した状態で透明材料の表面側から裏面にレーザーを照射するレーザー照射手段とを備え、前記位置計測手段の計測データにより前記レーザー照射手段の集光位置を透明材料の裏面位置に制御する制御手段を備えた透明材料のレーザー微細加工装置としたものである。
本発明は種々の態様で実施することができるものであるが、最初に図1及び図2に示される実施例を説明する。図1に示された透明材料としての透明基板等(以下透明基板と略称する)の微細加工装置においては、例えばXYZステージの支持基盤に固定される取り付け部材1に対して、図中L字型で示される基板保持部材2を固定する。図1(a)に示された例においては、取り付け部材1の所定位置に複数のピン3を突出し、基板保持部材2を所定の位置に正確に保持可能とし、更に前記のように基板保持部材2を所定の位置にセットした後、クランプレバー5を回動することにより、固定具6によって基板保持部材2を押さえ付ける固定機構4によって、基板保持部材2をその位置に強固に且つ容易に固定することができるようにしている。
基板保持部材2の保持孔7には、支持部材8の基部9を嵌合して保持しており、支持部材8の表面側には、内部に液体が流通できる流路10、11及び溶液セル12を形成したセル部材13を図示されていないねじ等で固定している。セル部材13の中央部分に形成される溶液セル12の外周面は傾斜面をなし、溶液セル12には透明基板14の裏面15が位置する基板側開口16と、蓋部材17によって蓋をされて計測時の窓として機能する計測側開口18を備えている。蓋部材17は図1に示されるように蓋固定具20により、図示されていないねじ等のよって液封状態で固定される。
図示実施例においては、蓋固定具20にも前記溶液セルの傾斜面と面一に開口21を形成し、蓋部材17を透明材料で形成して覗き窓とし、蓋部材17を固定して微細加工を行っているときにこの覗き窓から加工の状態を容易に目視することも可能となる。
セル部材13の基板側開口16に位置する透明基板14は、支持部材8の中心開口22内で円滑に摺動できる基板押さえ具23を備えており、基板押さえ具23には透明基板14の損傷を防ぎ透明基板14の厚さぶれを吸収する弾性シールを介して透明基板14をセル部材13側に押しつける押さえ部24と、スプリング25の一端を受けるスプリング受け部26を備えている。スプリング25の他端は、支持部材8の開口27内で円滑に摺動できる基板押圧部材28のスプリング受け部29に支持され、基板押圧部材28のねじ30を支持部材8に螺合することによって、全体として適切な力で透明基板14をセル部材13の基板側開口16側に押圧できるようにし、透明基板14は金属製のセル部材13の支持面19に当設し、前記先の出願と同様に透明基板の裏面の位置決めを確実にしている。
なお、上記実施例において使用する前記透明材料としては、石英ガラス、一般ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、シリコンカーバイド、サファイア、アルミナ、水晶、ダイヤモンド、またはフッ素樹脂等を用いることができる。
また、前記レーザーとしては、エキシマレーザー、またはYAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、色素レーザー、銅蒸気レーザー、チタンサファイアレーザーの基本発振波長あるいは高調波を用い、レーザー光強度として0.01J/cm/pulseから100J/cm/pulseまでを用いることができる。
更に、前記流動性物質としては、有機化合物、有機色素、無機顔料または炭素粉末を含む物質を用いることができる。
上記のような構成をなす透明基板の微細加工装置の使用に際しては、例えば図2に示すように、図1に示す装置における未だ蓋固定部20で蓋17を固定していない状態、即ち図2(a)に示すように溶液セル12の図中左側が解放した状態で、同図(b)に示すように変位センサ31で透明基板14の裏面の位置を計測する。その計測に際しては加工基板側をXYZステージに載せて移動させ、透明基板の所用部分全体にわたって位置計測を行う。その後、同図(c)に示すように蓋固定部材20によって蓋部材17を固定し、溶液セル12を密封する。その後、溶液セル12内に流動性物質を充填する。なお、前記計測に際しては、変位センサ31をXYZステージに取り付けて行うことも可能である。
流動性物質としては本件出願人による前記特許出願に記載しているように、使用するレーザー波長に高い吸収率を持つ物質であればよく、例えばピレンのアセトン溶液、ベンジルのアセトン溶液、ピレンのテトラヒドロフラン溶液、ローダミン6Gのエタノール溶液、フタロシアニンのエタノール溶液などの芳香族環を含む有機化合物、トルエン、ベンゼン、四塩化炭素等の液体状化合物、ピラニン水溶液、ナフタレン誘導体水溶液、有機化合物、有機色素、無機顔料、あるいは炭素などの微粒子などを分散して作った溶液等を使用することができる。更に、上記に挙げられた物質の二種類以上を混合して作られた流動性物質も使用することができる。
これらの物質は使用しているレーザー波長に対して高い吸収率を有することが必要で、例えば流動性物質と透明基板の界面から、流動性物質内部に0.1mmの深さで10%以上の吸収率を有することが望ましい。更に望ましいのは0.1mmの深さで50%以上の吸収率を有することである。吸収率が十分に高くない場合には、透明基板の表面加工の精密化及び微細化が十分には達せられない。なお、具体的な加工例、流動性物質の種類と濃度、レーザーの種類と波長、レーザー強度、フォトマスクにより投影・加工される形状の例は前記先の出願に詳述している。
このようにセル部材13の溶液セル12に流動性物質を貯留し、必要に応じて流体を流路11から流路10側に、或いはその逆に流すことによって流動性物質を流動させた状態で、図2(c)に示すように透明基板の裏面に対し透明基板の表側から、所定形状のフォトマスクを使用し、或いはフォトマスクなしで1点集光照射して、レーザー光または透明基板をスキャンしながら照射する。レーザーの照射に際してエキシマレーザーを用いる場合は、レーザービームの調整を行いつつ被加工物へのビーム照射を行い、その際アッテネーター(減光器)により、レーザー光の強度を調整し、さらに、ホモジナイザーにより、レーザー光強度分布を均一化する。レーザー光を、所定の形状がデザインされたフォトマスクを通過させ、プロジェクションレンズによって、レーザー光が加工基板裏面と流動性物質の界面に縮小投影され、所定の形状のエッチング加工が行われる。レーザーの照射に際してYAGレーザー、YVOレーザーなどでは、通常直線偏光しているため、ビームを偏光子に通し、その角度を変えてビーム強度を変えることが行われる。また、サイズ可変のピンホールを用いて、透過するレーザー強度を変えることも行われる。更にこれらのレーザーでは点集光して用いることが多く、ホモジナイザーでビーム強度分布を均一化してからレンズで集光することもある。
上記のように溶液セル12内の流動性物質を循環し、必要に応じて濾過等の処理を行うことにより、大面積の透明基板の加工を行うときに起こりうる、加工時に生じる溶液の劣化の影響を確実に防止することができるようになり、LIBWEのような透明基板の裏面加工において、より高い微細加工を行うことができるようになり、またその再現性の向上を図ることができる。
蓋部材17の着脱に際しては種々の手法を採用することができるが、例えば図3に示すように、蓋固定具20の両側面に突出したピン33を中心に回動できるレバー34を設け、レバー34の下部に係止用凹部35を形成し、このレバー34の握り部36を持って図3の実線で示す状態から二点鎖線で示す状態に回動する。ピン33はレバー34のピン係合長孔37と係合し、ピン33とレバーとは図示されないスプリングにより付勢しておき、常時係合長孔37の図中右上側端部に押しつける。それにより、前記レバー34の回動の最終段階において、そのスプリングに抗してレバー34を引っ張ることによりピン33は係止長孔37内で相対的に移動でき、レバーを移動させることができる。その状態で基板保持部材2に固定された支持部材8の側部に突出したピン38が、係止用凹部35の端面に係合させることができ、それにより、蓋固定具20によって固定される蓋部材17は、前記スプリングの所定の力によって確実に且つ容易に固定され、溶液セル12を密封することができる。その他の手法として、前記のようなスプリングを用いることなく、突出させるねじの突っ張り力を利用し、レバーの嵌り具合の強さを調節して、Oリング32を押しつぶし、溶液セルを密封しつつ、蓋機構の着脱時に基板保持部材の位置が狂わない条件を設定することもできる。
上記のように本発明においてはレーザーの照射に際して、前記変位センサ31で計測した透明基板14の裏面位置のデータを用い、またパルスレーザー照射数を変化させることにより立体的な形状を形成するに際してはその深さ方向の位置データと1パルス当たりの加工深さを加味して、レーザーを照射する部分のそれらの位置に応じた焦点位置の調節を行いながら、所用部分の全面にわたってスキャンをしつつ照射を行うようにしているため、透明基板14が傾斜して取り付けられている場合でも、正確にレーザーを透明基板の裏面に照射することができ、大面積の透明基板でもサブミクロン単位の水平分解能で透明基板の裏面に微細加工を行うことができるようになり、同様に再現性も向上する。なお、前記のように立体的な形状の形成に際しては、前記先の出願に開示しているような、所定形状の穴を備えたマスクを用いる手法も本発明に適用できる。
また、従来の装置においては透明基板と溶液セルをまとめて保持していたため、加工結果の精度と再現性が悪かったが、前記先の出願の発明と同様に前記実施例の装置においても、透明基板を2枚の金属板で保持し、透明基板の裏面を金属製のセル部材の表面に接触させて位置出しを行うことができるようにし、その状態で透明基板を固定保持すると共に、独立して溶液セルを保持することができるようにしているので、微細加工の精度が向上し、再現性も向上する。
更に前記先の出願の発明においては基板の保持にOリングを用いていたため、大型の加工基板に適用するのが困難であり、長方形のような縦横比の異なる透明基板に対応することも困難である。また、一辺が20mmの正方形で設計厚さが2.00mmの透明基板を取り扱う微細加工装置として設定されているときに、厚さが2.05mmの基板がこの装置の加工基板として持ち込まれた場合のように、厚さが設計値より大きく異なる基板ではOリングの弾性変形条件を超える場合が発生し、その後の加工に影響を与える等の問題も考えられる。それに対して上記実施例のような本発明においては、溶液セルに溶液を入れる前に非接触変位センサで透明基板裏面の精密位置測定を行うことによって、その測定データを用いて加工用レーザーの焦点位置を補正制御することができ、もしも透明基板が傾いて保持されても、レーザーを透明基板の裏面に沿って調節することができるので、超精密な微細加工を確実に行うことができるようになる。
また、この実施例に示されるように、透明基板と接する弾性シール部材は単に液漏れ防止のみに用いられ、その代わりにスプリングによって透明基板を押さえるように構成したことによって、前記のように大きな厚さ誤差を生じた透明基板がこの装置に持ち込まれ、設計厚さが2.00mmに対して誤差が±0.1mmの透明基板であっても、スプリングの伸縮性によって十分吸収することができるようになる。また、このようなスプリングを用いることにより、Oリングよりははるかに大型の基板や、長方形のような基板でも精密保持することができるようになる。
なお、レーザー光を透明基板の所用部分全体に照射するに際しては、透明基板側を固定してレーザー照射装置をXYZステージによってスキャンするか、或いはレーザー照射装置を固定して透明基板側をXYZステージによってスキャンすることによって行うことができる。
また、前記実施例では透明基板14の裏面の位置計測に際して、非接触型の位置計測器を用いた例を示したが、透明基板14の位置をずらさない程度の力によって計測することができるならば、接触式の位置センサを用いても良い。
前記図1の実施例においては、大径の1個のスプリング25によって基板押さえ具23を押圧し、それにより弾性シール部材を介して透明基板14をセル部材13の支持面19に押しつけている例を示したが、透明基板14を押しつけるスプリングとしては更に種々の態様で実施することができ、図4に示す実施例においては、基板押さえ具40の周囲に複数のスプリング受け部41を形成し、同様に基板押さえ部材42にも対向してスプリング受け部43を形成して、その間に各々スプリング44を配置する構成を採用している。
このように構成することにより、透明基板45が例えば1辺が長い長方形の場合や、特に大径の透明基板の時でも、またその透明基板が部分的に厚さの誤差が存在するときでも、その透明基板の全周囲を平均的に押圧することができるようになり、加工用レーザー光線に対する傾きをできるだけ小さく留めることができるようになる。
透明基板を押しつけるスプリングとしては更に、例えば図5に示すように基板押圧部材47に作用するねじ48の周囲を取り囲むように各々コイルスプリング49を配置しても良い。また前記実施例においては、透明基板の保持に際して、4個のねじ30を用いてねじ締めを行い固定していたものであるが、図5に示し実施例においては同図(b)に示すように、スプリング49を基板押さえ具50と基板押圧部材47との間に前記のように配置して挟み込み、各ねじの締め付けに際しては、それぞれのねじが所定のトルクになるように締め付けを行う。それにより、この微細加工装置で多数の透明基板の加工を行う際にでも、各加工において透明基板固定時における同一の条件を正確に再現することができるようになる。
図5に示す実施例においては、透明基板51を予め基板押さえ具50の凹部に収納し、透明基板51の周囲において基板押さえ具50にねじ込まれるねじ52を用い、ねじ52によって透明基板51の周囲の一部を押さえる爪部材53を固定することによって、同図(b)に示すように透明基板51が落下し、或いは回転することなく一体的に持ち運び可能な透明基板保持ユニット54としている。この爪部材53は必要に応じて適宜の形状に形成し、またこれを複数個用いることができ、2個用いるときには互いに対向する180度離れた位置に配置するほか、互いに90度離れた位置に配置するように構成しても良い。このように、透明基板51を保持する各種部材が一体的に取り扱うことができるので、再現性よく、同じ位置、角度で透明基板を保持することができるようになる。
このように一体的に取り扱うことができるようになった透明基板保持ユニット54を支持部材55に固定するに際しては、基板押さえ具50を支持部材55の中心開口56に嵌入し、セル部材57の支持面58に当接させる。その際には、セル部材57の支持面58の周囲において支持面58に平行に適宜の個数配置したピン59が、基板押さえ具50の外周面に形成した係合段部60に係合し、位置決めと回り止めを行うようにしている。
また、このようにして透明基板保持ユニット54が中心開口56内に嵌合した後は、図5(c)に示すような押圧保持具61によりスプリング49に抗して基板押圧部材47を押圧し、その状態を保持する。図示の例においてはリング状の押圧保持具61の周囲に例えば4個等の適宜個数のピン62を突設し、これを支持部材56の端部に形成したL字型溝63の開口64から押し込み、これを回転させることによってピン62がL字型溝63の係止部65に位置するようになり、スプリング49を所定の押圧力で透明基板51をセル部材66に押しつける状態を保持することができるようにしている。
図6には前記図5に示した実施例において特に1辺が他辺より大きい長方形の透明基板67に対して微細加工を行う時の例を示している。この場合も基板押さえ具71及び基板押圧部材72の外周は円形をなし、それにより図5に示す例と同様に取り扱うことができ、各種部材は図5に示す例と同様に作用するので、ここでの説明は省略する。
図7及び図8には本発明の更に他の実施例を示している。ここに示した実施例においては、特に蓋固定具74とその固定部分に特徴を有している。即ち蓋固定具74は図7(a)に示すような平面形状をなしており、外部から微細加工状態を監視できる透明材料からなる蓋75を支持可能としている。また、図8に示すようなL字型の基板保持部材76に対して透明基板73を支持する支持部材92とセル部材77とがねじ91によって固定され、セル部材77に対して図中左右に押さえ長ねじ78、79を螺合し突出させている。押さえ長ねじ78、79の大径軸80、81にはそれぞれ蓋固定具押圧スプリング82、83を備え、押圧板84、85をセル部材77側に押圧可能としている。
図7(b)に示す状態で基板保持部材76をXYZステージに保持し、前記実施例と同様に裏面側より変位センサで基板裏面の精密位置計測を行う。その後図7(a)に示されるような両側に引っ掛け部86、87を備えた蓋固定具74を用い、その引っ掛け部86、87を各々押さえ長ねじ78、79における押圧板84、85とセル部材77の裏面88間に上方から嵌入し、引っ掛け部86、87を各々押さえ長ねじ78、79の小径軸89、90に引っ掛ける。その後押さえ長ねじ78、79のつまみを持ってねじの締め付け方向に回転し、ほぼ所定の力で回動する状態になったとき回転を停止する。この締め付け状態は図7(c)及び図8に示されている。
このように大きなねじとスプリングを用いることにより、蓋の固定時のねじ締めによる位置ズレを回避することができる。その後、上記のように蓋がなされた溶液セルに溶液を注入し、前記計測データを用いて基板裏面の位置補正を行いながらレーザー照射を行い微細加工を行う点は前記各実施例と同様である。
上記のような手法は、例えば図9に示すように実施することもできる。図9に示す実施例においては、前記図7及び図8の実施例が位置センサによって透明基板の裏面の位置を計測するに際して、蓋固定具を取り外したセル部材を透明基板保持部材側と固定した状態で行ったのに対して、図9に示す例においては、L字型の基板保持部材94に透明基板95を支持する支持部材96を複数のねじ97で固定して、このように一体化した基板保持具98の状態でXYZステージにこれを保持し、変位センサ99によって透明基板95の裏面の位置を検出している。
位置検出後に前記一体化した基板保持具98をXYZステージから取り外し、その後セル部材100と蓋部材101を保持した状態で蓋固定具102とを一体的に、複数本のねじ103によって基板保持具98の部材に対してねじ込んで固定する。その後図9(b)に示すように基板保持部材76を微細加工作業を行うXYZステージの所定位置に固定保持し、更に溶液セルに溶液を流入して、先の位置計測の結果にしたがって透明基板の裏面が光学系のピント位置(加工用レーザーの縮小結像光学系の結像位置、点集光光学系の場合における集光位置)に来るようにXYZステージで基板の位置補正を行いながらレーザー照射を行って微細加工を行う。
このような手法を採用するに際しては、基板保持具98への溶液セルの装着が透明基板の位置をほとんど狂わせないことと、基板保持具98をXYZステージに2回取り付けるときの位置ずれ誤差を充分小さくすることができる場合に適用することができる。この手法が適用できるときには、変位センサを触針を用いた接触式変位センサを利用することが容易となる。但し、変位センサの触針により透明基板の位置がずれない程度の接触が行われなければならないことは当然であり、したがってできるならば前記各実施例に示したような非接触式変位センサを用いることが好ましい。なお、図9には上記の点を説明するため簡略化した概要図を示しているが、各構成部材は前記と同様の種々の態様の構成を採用することができ、特に図中の透明基板95或いはこれを支持する支持部材96とセル部材100との間、及びセル部材100と蓋部材101との間等には弾性シール部材を備え、液漏れを防止する等の手段を備えている。
前記実施例においては、透明基板の裏面を加工する前に、透明基板の裏面の正確な位置を検出するため、透明基板の裏側に設けられる例えば液体を収容するセル部材自体、或いはセル部材に設ける蓋部材を取り外して、透明基板の裏側を解放する例を示したが、その他例えば図10に示すように、前記実施例における蓋部材を設ける部分に透明板117を設けても良い。即ち図10に示す例においては前記図1の実施例とほぼ同様の構成をなし、図1の細部を省略して表した例を示している。
図10に示す例においては被加工部材としての透明基板114は支持部材108に支持され、透明基板114の裏面115側にセル部材113を図示していないボルト等で固定している。セル部材113には中心部に溶液セル112を備え、流路110及び111により外部から溶液セル112内に流動性物質を導入し、またこれを外部に排出可能としている。溶液セル112の片側は透明基板114の裏面115に開口し、それに対向する側には光学研磨されて面精度及び平行度が高いガラス等の透明板117を、図示されていない各種固定部材或いは接着剤により固定している。また、溶液セル112には、透明基板114から透明板117側に拡大する計測開口を形成している。
図10に示す例においては、透明板117はセル部材113に対してOリングによりシールを行う例を示しているが、接着剤を用いることもでき、粘性の低い液状接着剤を用い、固まったときに0.1ミクロン以下の状態でシールと固定を行うことも可能である。
上記構成からなる装置において、透明基板114の裏面に前記と同様にしてレーザーアブレーションによる加工を行うときには、溶液セル112に流動性物質を導入していない状態で、非接触式の変位センサ131により前記実施例と同様に透明基板114裏面の各位置の計測を行い、その後流路111から流動性物質を導入して貯留し、或いは循環した状態で透明基板114表側からレーザーを照射して前記と同様に加工を行う。加工終了後は溶液セル112から流動性物質を抜き、治具をXYZステージから外し、分解して加工された透明基板を外す。
上記のように透明基板114の裏面の位置測定を非接触センサによる変位計131で行うに際し、透明板117を介在させて測定を行うと誤差を生じることが予測されるが、実際に変位計131と測定物の間のセンシングエリアを設定して計測を行うと、その間に介在している透明板117を無視させることができるため、その誤差は極めて少ないことがわかった。また、前記実施例のように蓋部材の取り外しやセル部材の取り外し等の作業を行う必要がないので、その作業の際の各種部材の位置ずれや変形を生じることが無く、その面ではかえって精度が向上する面もある。
上記のような構成を採用することにより、加工後の透明基板114における加工状態の観察及び計測を、治具のXYZステージからの取り外し、更には分解することもなく行うことが可能となる。即ち、透明基板114の裏面に対して所定の加工を行った後、実際の加工状体を確かめるため、観察或いは測定を行うときには、前記のようにして流動性物質を溶液セル112から抜いた後、例えばアセトン等の有機溶媒系液体等の洗浄用液体を流路110或いは111から流路セル112内に導入して循環させ、透明基板114及び透明板117の流動性物質に接触していた部分を特に洗浄する。その後更に乾燥空気等の気体を循環させて内部を乾燥させる。
この状態において、透明基板114の裏面の加工部は透明板117を介して、適宜照明を用いることにより外部から明瞭に観察することができる。その際には、単に加工部を正面から観察できるだけでなく、斜め方向からも観察でき、更には透明基板114の側部に向けて支持部材108等に観察孔を形成しておくことにより、側方から観察することも可能となる。その観察に際しては、ルーペによって加工痕の観察を行うことができるが、モニター付の長焦点顕微鏡カメラをXYZステージに固定し、前記のような各方向からの観察を行うこともできる。
このような観察や計測を行った後、加工不十分な箇所の再加工、或いは加工が適正に行われた後の次の箇所の加工のため、再び溶液セル112にレーザー吸収液としての流動性物質を導入し、前記と同様の加工を継続することができる。
上記のように、前記実施例において蓋部材を設けていた部分に透明板を設けることにより、蓋部材の取り外しと取り付け作業を行うことなく、透明基板裏面の位置測定を行うことができるばかりでなく、広い透明基板に対して部分的に加工を行った後にその部分の観察や加工結果の計測を行い、必要に応じて再加工を行い、続いて他の箇所の同様の加工を継続することができ、生産性を向上させることができる。
本発明の前記各実施例においては上記のような構成をなし、本発明特有の効果を奏するものであるが、本発明による効果を確かめるために行った実験例を以下に示す。レーザー光の進行方向をY方向、レーザーの進行方向に垂直な面内における横方向をX方向、縦方向をZ方向と定義する。同実験においては、透明基板として20mm四方で厚さ2mmの加工用石英ガラス基板を用い、この透明基板をレーザー光の光軸に対して意識的に傾けて保持することにより、レーザー光の結像点が加工用基板のZ方向への5mmの移動によって約40ミクロン、X方向への4mmの移動によって約60ミクロンずれるように保持されたものを用いた。この透明基板に対して、縮小露光法による1mm角サイズの一括加工を5mm×4mmのXZ面内の各位置において行うことにより、全面に微細加工を試みた。前記のように傾いた透明基板のままでは結像点からのずれが集光レンズの焦点深度より大きく、従来の微細加工の手法では結像ぼけのため、加工位置による加工深さ、加工品位のばらつきが顕著で、均一な加工ができなかった。それに対して、本発明によると前記のように、XZ面内の各位置において基板裏面のY方向の位置を事前に精密計測したデータにより、XZ面内の各位置で基板裏面の位置と結像点のずれを補正するように加工用基板をY方向に移動した場合には、上記大面積に加工深さ、加工品位の均一な微細加工を行うことができた。このような実験及び更に各種の実験により、本発明は微細加工の大面積化に不可欠であることが確認された。
また、上記のような本発明による手法を、例えば図11に示すエキシマレーザー露光マスク縮小型の加工装置に対して用い、極めて正確な微細加工が可能となる。図11に示す露光マスク縮小型では水平分解能1μmまでの高い寸法精度が得られ、更にレーザーパルスを多数照射することで、例えば図12(a)(b)(c)に示すような高アスペクト比深溝加工を行うことができた。図12(a)は幅7μm、深さ420μmの深溝加工を行った試料の加工面、また(b)は同試料断面の顕微鏡写真で、アスペクト比60程度の良好な高アスペクト比加工が達成されていることがわかる。この加工には25,000パルスのレーザー照射が必要であったが、80Hzの繰り返し周波数で照射しているので、約5分間の照射時間で作製できる。この加工法においては、溝加工が進むにつれて深溝部分に色素溶液が入り込むにもかかわらず、光活性化領域が数μm厚しかないために、加工済の溝壁表面に損傷を与えないことに起因していると考えられる。この点、従来の手法ではこのような良好な加工は不可能である。図12(c)には露光マスク縮小型の加工法により、解析格子構造を作製した際の断面顕微鏡写真を示す。
マスク縮小型では投影露光法の特徴である高い寸法精度が得られ、図13(a)に示すような平面分解能の最高値として、1μmサイズの石英ガラス上の微細加工や、同図(b)に示すような0.75μm間隔の回折格子を1×1mmの面積に一括作製することができた。更に、同図(c)に示すような10×10μmで加工底面の面粗さが30nm以下と光学研磨レベルの平滑な微細表面加工も可能となる。
深溝内部の加工品位をより詳細に調べるため、本発明による手法で石英ガラスにマイクロ深溝アレイを作製し、ポリマーにレプリカ転写してSEM観察を行った。即ち、石英基板の背面にピレン/アセトン飽和溶液を配し、動的に結像位置を補正しながらKrFエキシマレーザー光をフルエンス0.7Jcm−2、繰り返し周波数50Hzで石英基板の表側から照射して、幅10μm、深さ100μmの深溝アレイの作製を行った。次に、これにシリコーン系ポリマーを充填し、硬化させてレプリカとし、その形状をSEM観察した。
図14(a)には前記のような石英ガラスの深溝アレイ加工結果を上から見たSEM写真として示している。同図に示すように幅10μmの溝がデューティー比1:10で設計通りに作製されていることが確認された。図14(b)にはレプリカのSEM写真を示す。これを拡大して観察した同図(c)に示すように、レプリカの上部及び壁面に若干の構造が見られるが、幅10μm、高さ100μmの列アレイ形状が等間隔で精密に形成されている事がわかる。このことから、本発明による手法によって作製された石英ガラス深溝アレイが高アスペクト比レプリカ構造の作製に有効である事がわかった。
上記のように精密な加工を行うことができる本発明を利用し、例えば石英ガラス表面に精密な溝加工を施し、各種の機能化を行うことができる。また、図15の石英ガラス基板を鋳型とするポリマー微細加工例に示すように、レーザー加工後の石英基板は熱エンボス法やインプリント法の金型(マスター)としても利用可能なので、高分子部材の鋳型表面加工にも使用することができる。同図中の(a)はポリスチレン加工表面を示し、(b)は2μmの石英鋳型を示す。
本発明による微細加工技術を用いることにより、例えば図16に示すようなマイクロ流体デバイスとしてのチャンネルアレイを精密に製作することができる。製作したチャンネルアレイの全体構成は図16(a)に示すようなものであり、中心部に10μm間隔の高集積チャンネルアレイを形成し、入口1、2及び出口1、2との間に流路部分も形成している。ここで、流路部分は幅200mm、深さ40μmであり、チャンネルアレイ部分は間隔1mmの平行な流路間を10μm間隔で深さ50nmの多数の溝で連通するように形成したものである。同図(b)は微分干渉顕微鏡を用いて撮影したものであり、加工条件はトルエン溶液を循環し、KrFエキシマレーザーを用いF=0.8Jcm−2、5Hzとしたものであって、加工部深さが50nmとごく浅く、かつ微分干渉顕微鏡で確認されるように、加工部が光学研磨レベルの平坦性をもっており、精密な加工が行われていることが確認された。
本発明による上記のような精密微細加工技術を用いると、更に種々の用途に用いることができ、既に本件発明者等が「マイクロ流路ビーズアレイデバイス及びその作成方法」として特許出願している技術にも適用することができ、その手法を用いて劣性遺伝子遺伝病診断を目指したマイクロ流体デバイスを製作し、所望のものが得られており、その他にも広範囲の用途に利用することができる。
前記各実施例では透明基板を垂直に支持して水平レーザーによって微細加工を行う例を示したが、透明基板を水平に支持して、垂直方向からレーザーを照射する落射方式によっても実施することができる。その際にはレーザーアブレーションによって発生する気泡を継続的に除去することが好ましいので、透明基板裏面に形成されている溶液セル内の液体を循環を行い、或いは攪拌を行い、更には透明基板裏面への溶液の吹きつけを行う等の手法で気泡の影響をなくすことが好ましい。
特に光吸収率の大きな流動性物質を利用してレーザー加工することのできる透明基板の微細加工装置、ならびに、透明基板に3次元表面微細構造を加工することにより、回折格子、偏光板、反射板、反射防止板、プリズムアレイ、ホログラム光学素子、フォトニック結晶素子などとして利用される可視〜紫外〜真空紫外光用回折光学素子、及び光通信素子、光導波路基板、液晶配向基板を作製する光学素子作製法等、広範な用途に適用できる。
(a)本発明の実施例の全体断面図であり、(b)は(a)の要部断面図である。 同実施例の装置の使用の態様を順に示す図である。 同実施例のレバー部分を主として示す側面図である。 本発明の他の実施例の断面図である。 本発明の更に他の実施例の要部断面図であり、(b)(c)は(a)の部材の一部を取り出して説明する断面図である。 本発明の更に他の実施例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 本発明の更に他の実施例を示す説明図である。 同実施例の説明図であり、(a)は断面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 本発明の更に他の実施例を示す説明図である。 本発明において裏蓋を外さずに実施する、更に他の実施例を説明する断面図である。 本発明の微細加工を(a)はエキシマレーザー露光マスク縮小型により行う加工装置の例を示す図である。 本発明の手法を用いることにより、高アスペクト比の深溝加工を行うことができた例を示す図である。 本発明の手法を用いて加工を行った例を示し、(a)は1μmサイズの石英ガラス上の微細加工例、(b)は0.75μm間隔の回折格子を1×1mmの面積に一括作製した例、(c)は10×10μmの精密な微細表面加工例を示す図である。 本発明の手法を用いて加工を行った他の例を示し、(a)は石英ガラスの深溝アレイ加工結果を上から見たSEM像であり、(b)は同図の深溝アレイから作製したレプリカのSEM像であり、(c)は(b)の部分拡大図である。 本発明の加工手法を用いる応用例であって、石英ガラス基板を鋳型とするポリマー微細加工例の写真である。 本発明の加工手法を用いる応用例としての、マイクロ流体デバイスの微細加工例を示す写真である。 従来例を示す図である。
符号の説明
1 取り付け部材
2 基板保持部材
3 ピン
4 固定機構
5 クランプレバー
6 固定具
7 保持孔
8 支持部材
9 基部
10 流路
11 流路
12 溶液セル
13 セル部材
14 透明基板
15 裏面
16 基板側開口
17 蓋部材
18 計測側開口
19 支持面
20 蓋固定具
21 開口
22 中心開口
23 基板押さえ具
24 押さえ部
25 スプリング
26 スプリング受け部
27 開口
28 基板押圧部材
29 スプリング受け部
30 ねじ
31 変位センサ
32 Oリング

Claims (26)

  1. 所定位置に固定した透明材料の裏面の位置を、前記透明材料の裏面に形成する溶液セル内に溶液を収容しない状態で計測した後、
    次いで、前記溶液セル内にレーザー波長に対して高い吸収率を有する流動性物質を収容して該流動性物質を透明材料の裏面に接触させ、
    前記透明材料の表面側から該透明材料の裏面に対し、前記位置計測によるデータを用いて制御しながら透明材料の裏面にレーザーを集光させ、透明材料の裏面に所定の微細加工を行うことを特徴とする透明材料のレーザー微細加工方法。
  2. 前記裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面を解放して行うことを特徴とする請求項1記載の透明材料のレーザー微細加工方法。
  3. 前記裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面に対向して配置した透明板を取り付けた状態で行うことを特徴とする請求項1記載の透明材料のレーザー微細加工方法。
  4. 前記透明材料の裏面を解放するときには、溶液セルを形成するセル部材を透明材料の支持部材に固定しておき、セル部材に設けた蓋部材を解放することを特徴とする請求項2記載の透明材料のレーザー微細加工方法。
  5. 前記透明材料の裏面を解放するときには、溶液セルを形成するセル部材を取り外すことによって解放することを特徴とする請求項2記載の透明材料のレーザー微細加工方法。
  6. 前記透明材料は、該透明材料の裏面位置を直接規制する部材に当接させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工方法。
  7. 前記透明材料を、スプリングによって押圧する基板押さえ具により、透明材料の裏面位置を直接規制する部材に押圧することを特徴とする請求項6記載の透明材料のレーザー微細加工方法。
  8. 透明材料に光吸収の大きな流動性物質を接触させ、所定のフォトマスクを透過して特定のビーム形状を持ったレーザー光を透明材料の表面側から照射しながら、レーザー光または透明材料をスキャンすることにより、透明材料に所定の3次元表面微細構造を加工することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工方法。
  9. レーザー波長に対して高い吸収率を有する流動性物質を収容する溶液セルを透明材料の裏面に配置し、
    前記溶液セル内に流動性物質を収容しない状態で該透明材料の裏面の位置を計測する位置計測手段と、前記溶液セルに流動性物質を導入した状態で透明材料の表面側から裏面にレーザーを照射するレーザー照射手段とを備え、
    前記位置計測手段の計測データにより前記レーザー照射手段の集光位置を透明材料の裏面位置に制御する制御手段を備えたことを特徴とする透明材料のレーザー微細加工装置。
  10. 前記透明材料の裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面を解放して行うことを特徴とする請求項9記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  11. 前記透明材料の裏面の位置計測は、前記透明材料の裏面に対向して配置した透明板を取り付けた状態で行うことを特徴とする請求項9記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  12. 前記溶液セルを形成するセル部材には前記透明材料に対向して開口を形成し、該開口には蓋部材を設け、
    前記蓋部材を解放することにより前記透明材料の裏面を解放することを特徴とする請求項10記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  13. 溶液セルを形成するセル部材を取り外すことにより前記透明材料の裏面を解放することを特徴とする請求項10記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  14. 前記透明材料を該透明材料の裏面位置を直接規制する部材に当接させるように構成したことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  15. スプリングによって押圧する基板押さえ具を備え、前記基板押さえ具により透明材料を該透明材料の裏面位置を直接規制する部材に押圧することを特徴とする請求項14記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  16. 所定形状の光透過部を備えたフォトマスクを用い、
    前記フォトマスクを透過して特定のビーム形状を持ったレーザー光を透明材料の表面側から照射しながら、レーザー光または透明材料をスキャンすることにより、透明材料に所定の3次元表面微細構造を加工することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  17. 前記位置計測手段は、非接触式位置計測手段であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  18. 前記位置計測手段は、接触式位置計測手段であることを特徴とする請求項9または10に記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  19. 前記蓋部材を開閉するレバーと、該レバーを蓋閉鎖位置で係止するレバー係止部材と、該レバー係止部材でレバーを係止するとき蓋部材を閉鎖方向に付勢する手段とを備えたことを特徴とする請求項12記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  20. 前記スプリングは、透明材料が中心に配置されるコイルスプリングであることを特徴とする請求項15記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  21. 前記スプリングを透明材料の周囲に複数配置したことを特徴とする請求項15記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  22. 前記スプリングは、透明材料を押圧する基板押さえ具と基板押圧部材との間に縮設したものであり、
    ねじ込むことにより前記基板押圧部材を前記基板押さえ具に近づけるねじを中心としてコイルスプリングを配置したことを特徴とする請求項15記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  23. 前記スプリングは、透明材料を押圧する基板押さえ具と基板押圧部材との間に縮設したものであり、基板押さえ部材は所定位置で係止する押圧保持具により設定される位置で、前記スプリングを介して透明材料を押圧することを特徴とする請求項15記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  24. 前記透明材料として石英ガラス、一般ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、シリコンカーバイド、サファイア、アルミナ、水晶、ダイヤモンド、またはフッ素樹脂を用いることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  25. 前記レーザーとして、エキシマレーザー、またはYAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、色素レーザー、銅蒸気レーザー、チタンサファイアレーザーの基本発振波長あるいは高調波を用い、レーザー光強度として0.01J/cm/pulseから100J/cm/pulseまでを用いることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
  26. 前記流動性物質として、有機化合物、有機色素、無機顔料または炭素粉末を含む物質を用いることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の透明材料のレーザー微細加工装置。
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