JP4562913B2 - フォトクロミック層を有する光モジュレータ - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、制御光により光学的に活性化し得る信号光を変調するためのフォトクロミック層と、このフォトクロミック層のための光学的に透明な少なくとも1つの基板とを有する光変調器(光モジュレータ)に関する。
【0002】
(背景技術)
この種の光モジュレータは光学的にアドレス可能な(即ち、アドレスで呼び出せる、以下同様)空間的光モジュレータとも言われている。このフォトクロミック層は3次元的でなく2次元的でのみ光学的にアドレス可能であるが、平面的光モジュレータでなく空間的光モジュレータと通常、呼ばれている。このような光モジュレータを以下、OASLMと略記する。
【0003】
フォトクロミック層は制御光からの情報を信号光へ伝達する役割を果たすものである。所定の第1の光学的波長の制御光で照射されたとき、フォトクロミック層はその照射領域で反応し、特定の光学的特性の変化、特に光吸収性の変化がもたらされ、第2の光学的波長の信号光を生じさせる。例えば、制御光はフォトクロミック層に明暗のコントラスト画像を投影するのに使用することができる。この場合、フォトクロミック層はそのコントラスト画像に対応して、制御光により照射されて領域を超えて信号光に対する吸光能のセッティングを生じさせる。従って、このように制御光により光学的に活性化されたフォトクロミック層に対し、信号光が照射された場合、このフォトクロミック層から出て来る信号光は吸収コントラストパターンに対応する変調を有することになる。従って、この制御光からの情報は経時的変化を伴って平面的な形で信号光へ伝達されることになる。このフォトクロミック層に向けられる信号光はフォトクロミック層の全光入射領域を同時にカバーする拡張された光束であってもよい。これは制御光についても同様である。しかし、関連する情報を、偏向性制御光ビームの助けを借りてフォトクロミック層に書き込むことも可能である。同様に、情報の読込み又は削除を目的として信号光ビーム又は消去光ビームを用い、これをフォトクロミック層に対し行又は列毎に走査することも可能である。
【0004】
フォトクロミック材料の複合をこのような用途のために使用することも考慮されてきている。本質的なフォトクロミック材料の分類の概略およびそれらのよく知られた代表例が文献、Studies in Organic Chemistry,“Photochromism−Molecules and Systems”Elsevier、Vol.40,1990に開示されている。他のフォトクロミック材料、例えば合成無機又は有機フォトクロミックに加えて、紫膜の形態の細菌ロドプシン(以下、BRと略記する)がフォトクロミック層を形成するための特に興味深い物質として注目されている。この紫膜は細菌ロドプシンの天然の2次元結晶型について用いられる形態である。脂質および細菌ロドプシンからのいわゆる紫膜のデザインについては、文献、Quart.Rev.Biophys.,24(1991),425−478、Oesterheltら、に多くの例が示されており、これを参照することができる。
【0005】
とりわけ、以下の5つの理由により細菌ロドプシンは、ここに述べる適用に特に適している。
【0006】
(i)BRは幾つかの光活性状態を伴った非常に効率的な光化学反応の点で独特なものであり、これにより光化学的に書き込んだり削除したりすることが可能となる。
【0007】
(ii)BRは特に可逆性が高く、ダイナミックメモリでの使用に適している。 (iii)BRの長寿命の比吸光性およびこれらの状態間の屈折率の差が非常に大きく、信号光の良好な変調が達成される。
【0008】
(iv)細菌ロドプシンは強い異方性の発色団を有し、従って偏光選択性変調に適している。
【0009】
(v)BRの野生型(wild type)とは別に、遺伝子技術を使用して作られ異なったアミノ酸配列を有するBRの変異体および/又はレチニリデンラジカルとは化学的に異なった分子を発色団として含み、野生型とは異なった他のスペクトル特性および/又は他の光活動性、例えば異なる吸光特性および/又は実質的に長寿命のフォトインターメジエートを有する変異体の全シリーズが現在、入手可能である。
【0010】
上記(v)に特定した材料グループは以下にBR変異体として表す。この細菌ロドプシン又はBRの用語は細菌ロドプシンの野生型又はBR変異体の1つを意味するものとここでは理解されたい。更に、この細菌ロドプシン又はBRの用語は、ここではモノマー状BRおよび紫膜型のBRの双方を意味するものとして用いられている。BR変異体は種々の方法で得ることができる。突然変異細菌ロドプシンおよびBR類似体、すなわち、野生型のレチニリデンラジカルとは異なる発色団の存在で象徴されるものの公知の製造方法の概略については、文献、Birkhauser,Boston,第3章、“Biomolecular electronics−an introduction via photosensitive proteins”,N.Vsevoldov,(1988)に記載されている。技術的に関心のある典型的なBR変異体で野生型BRのアミノ酸組成物を変性させることにより得られるものは、いわゆるM状態の寿命が長くなったもの、例えば位置(position)96のアスパラギン酸が置き換えられ、除去され、あるいは他のアミノ酸の除去によりその位置で置き換えされたもの、又は高い確率で9−シス−レチナールの形成を伴ったもの、例えば位置(position)85のアスパラギン酸が置き換えられ、除去され、あるいは他のアミノ酸の除去によりその位置で置き換えされたものである。技術的に関心のある典型的なBR変異体で野生型BRのレチニリデンラジカルを類似分子により置き換えさせることにより得られるものは、例えば4−ケトレチナールおよびジヒドロレチナールである(Shevesら、Biochem.,24,1985,1260−1265)。なお、アミノ酸組成物の変性と発色団の置き換えの組合せも又、BR変異体の用語の範疇として理解されるべきことを明白に指摘することができる。
【0011】
BRの可能性および特性は当業者に公知であり、種々の光学的情報処理技術におけるBRの適用についての出願に影響を与えている。
【0012】
光学的活性成分はOASLM中のBR層により形成される。この光学的変調は、細菌ロドプシンが波長λBの光の照射により当初の状態B(約570nmの波長で最大吸収を示す)から少なくとも1つの他のスペクトル的に異なる状態へ転換されるという事実に基づくものである。野生型BRのフォトサイクルの最長寿命状態はM状態として示される(約410nmの波長で最大吸収を示す)。波長λMの光はその状態を光化学的に当初のBに変換させるのに使用することができる。従って、λBの波長領域の光は変化させられ、若しくは制御され、さもなくば、λMの波長領域の光でのBR層の同時の照射により逆となり、この場合BR層は媒介物として用いられる。
【0013】
この場合、変調の程度は、BR層における光照射によりもたらされるフォトクロミック光学的吸収の変化の度合い、B−M間のフォトトランスフォーメーションの量子収量、更にこれら2つの光照射の強度および波長に左右される。BRの偏光感応性光化学反応のため、2つの波長又は波長領域の偏光状態の相対位置も同様に変調のレベルにおいて役割を果たしている。更に、変調の目的のために同じく利用できる局所的屈折率は吸光変調に比例して変調される。
【0014】
OASLMは、長い間、ビーム路において画像および情報の光学的処理を目的とする活性の光学的部材として知られており、振幅、相、更にもし適当であれば、空間的に広がった光波領域の偏光を制御光源の強度の関数として制御ないし変調するために使用されて来た。
【0015】
BRおよび光学的情報処理におけるBRの適用可能性の概略については、とりわけ、文献、Quart.Rev.Biophys.,24(1991),425−478,D.Oesterheltら;J.Phys.Chem.,96(1992),7788−7792,D.ZeiselおよびN.Hampp;Proce.SPIE−Int.Soc.Opt.Eng.,1732(1993),260−270,N.Hamppら;および“Biomolecular electronics−an introduction via photosensitive proteins”,(1998),N.Vsevolodov,Birkhauser Bostonに記述がなされている。
【0016】
BR層に記憶されている光学的データのホログラフィ的書込みおよび読出しを目的としてビーム路での空間的光モジュレータの使用については、文献、Ann.Int.Conf.IEEE Eng.Med.Biol.Soc.12,No.4,(1990),1788−1789、R.R.Birgeら、に記載されている。
【0017】
BR層に基づいたもので、光学的画像修正のため、特に光学的エッジ強化のため空間的周波数フィルターとして使用されている空間的光モジュレータについては、同じく、文献、Opt.Lett.16(1991)651−653、R.Thomalら、に記載されている。
【0018】
BR層を活性素子として含むペロト−ファブリ(Perot−Fabry)共振器に基づく特定の空間的光モジュレータについては、米国特許No.5,618,654に記載されている。
【0019】
公知の光モジュレータは互いに対向して平行に設けられた2つの面平行半透明ミラーを有している。ミラー間隔Lおよびミラー間の媒体の屈折率nが与えられたとき、共振条件、L=N λir/2 nに相当するファブリ−ペロト干渉計は波長λirの光に対し実質的に完全に透明である。これは、個々に見ればミラーは共振波長λirの光に対し高い反射率を有しているに違いないであろうがそうなる。米国特許No.5,618,654に記載の課題の場合、共振器ミラー間のフォトクロミック層の屈折率は、波長λirの信号光のための共振条件を適宜満たすため波長λvの制御光で照射することにより変えられる。このようにして、干渉計光モジュレータの透光率は全体として信号光λirのために変えられ、従って、信号光は変調される。屈折率を変化させるのに必要な制御光がフォトクロミック層に到達し、機能するようにするため、公知のモジュレータでは共振ミラーが制御光に対してできるだけ高い透光率で透明であることが必要である一方、各共振ミラーの信号光に対する反射率はファブリ−ペロト干渉計の機能的原理に従ってできるだけ高くなければならなかった。
【0020】
ファブリ−ペロト干渉計の原理に従って機能する光モジュレータの例については、DE−A 1935881および米国特許No.4,834,511に記載されている。ファブリ−ペロト干渉計の原理を利用したこれら光モジュレータの全てを機能させるためには、部材の幾何学的関係が精密に厳守されることが要求され、特に、共振条件を満たすようにセットされた共振ミラー間の間隔は厳守されなければならない。これらミラーを相互に平行位置に維持すること、並びにモジュレータ全体に亘ってミラー間の間隔の変動を回避することも問題を生じさせていた。公知の光モジュレータにおいて厳守する必要のある上述の幾何学的条件として、上記の干渉計の原理を利用した光モジュレータの場合において無振動でかつ、サーモスタティック(恒温)な設計が通常、要求される。
【0021】
BR層を使用した光モジュレータについての更なる詳細については、文献、Proc.SPIE−Int.Soc.Opt.Eng.,1662(1992),186−196,R.B.Grossら;Opt.Lett.18(1994),1373−1375,Q.W.Songら;およびOpt.Lett.19(1994),248−250,H.TakeiおよびN.Shimizuから知ることができよう。
【0022】
(発明の概要)
本発明は、特性が改善された光学的にアドレス可能な空間的光モジュレータに基づいた一体的光学部材であって、光学的画像化、光学ディスプレイシステム、情報記憶および処理のための光学システム、およびホログラフィック測定および処理システムなどのためにビーム路において能動スイッチおよび/又は制御部材として様々な形で使用することができる光学部材を開発することを目的としてなされたものである。
【0023】
初めに述べた型の光モジュレータから始まって、この目的は以下の事実により本発明により達成される。すなわち、この光モジュレータは少なくとも1つのフィルター層を有し、このフィルター層はフォトクロミック層を透過した制御光を反射する目的のため波長選択的形式で制御光を反射させるものである。ここで、このフィルター層は制御光に関し少なくとも80%の反射率を有する。
【0024】
制御光は光モジュレータの制御光入口側からフォトクロミック層に達し、フォトクロミック層中を浸透する。反射フィルター層は制御光入口側とは反対のフォトクロミック層の側に位置し、制御光が再びフォトクロミック層に反射されるようになっている。その結果、制御光はフォトクロミック材料の光化学的変換(光変換)のためにより効果的に利用されることになる。なぜならば、制御光はフォトクロミック層を2度通過し、フォトクロミック層内の制御光路はそれにより二重のものとなる。このようにして、フォトクロミック層の強度依存的変調度が実質的に改善される。これにより経済的に有利となる。なぜならば、より低い出力の制御光源を用いることができ、コスト的により有効となる。これは特にレーザーを制御光源として使用する場合に当て嵌まる。その他、或る制御光源についての所定の変調度を達成するためのOASLMの面積当たりの必要なBR量が減少される。これにより経済的利点が得られる。なぜならば、特に遺伝子的に変えられた細菌ロドプシンは高価であるからである。
【0025】
しかし、この反射フィルター層は、フォトクロミック層の光学的活性化のための制御光の有効利用の機能に限られるものでなく、変調された信号光から制御光を大きく分離する機能をも有し、これはフォトクロミック層で変調された信号光を光モジュレータの光出口側へ向けて通過させ、制御光を反射率で左右されつつ反対方向へ反射させることによりなされる。従って、変調された信号光は殆ど干渉されずに制御光により利用することができる。この考えは、フォトクロミック層を“記述”する制御光ビームとして比較的強いレーザービームが使用され、フォトクロミック層の視覚観察が光モジュレータの信号光出口側から行われるようにした場合、あるいは光感応性媒体、例えば感光層が光モジュレータの下流側の信号光ビーム路に置かれた場合に特に有意義なものとなる。
【0026】
本発明の光モジュレータは、上述のような公知の光モジュレータ、即ちファブリ−ペロト干渉計の原理を利用して機能し、制御光の反射率をできるだけ小さくしたミラーを有するものと比較して多くの利点を有する。その利点としては、設計が簡単であり、層の寸法およびフィルター層間の間隔がそれほど厳密である必要がないことが挙げられる。
【0027】
本発明の光モジュレータによれば、恒温調整は要求されない。なぜならば、線膨脹作用が光モジュレータの機能にそれほど悪影響を与えないからである。従って、本発明の光モジュレータの機能は通常の温度変化により害されることはない。更に、本発明の光モジュレータの場合、フォトクロミック層の厚みを可なり自由に選択することができるため、誤差の厳守などに課せられる生産技術上の要求は僅かである。本発明の光モジュレータの各層の厚みの変動に関する大きな自由度は比較的大きな光モジュレータ面積の実現を容易にする。
【0028】
更に、本発明の構成の場合、多色信号光で操作することも可能である。
【0029】
制御光を反射するフィルター層は好ましくはフォトクロミック層と基板との間に配置され、フォトクロミック層に直接、接して設けられる。フォトクロミック層と反射フィルター層とが直接的に結合されているという事実により、OASLMの有用な解像度を減少させるようなビームの実質的ずれ(offset)を防止することを可能にする。従って、フォトクロミック層と反射フィルター層との直接的結合は光学的部材の節減を可能にし、経済的利点と本システム全体の寸法を減少させることになる。
【0030】
更に、干渉制御光がフォトクロミック層の下流側で直ちに除去されるため、下流の信号光ビーム路における制御光成分を実質的に減少させることができ、それにより信号−ノイズ比を改善することができる。更に、内部インターフェースの数、従って反射損失が減少するという事実からも信号−ノイズ比の更なる改善がもたらされる。
【0031】
反射フィルター層は最大反射率の波長について少なくとも99%の反射率を有することが好ましい。それにより変調信号光から制御光をほぼ完全に分離することが可能となる。
【0032】
フォトクロミック層は、活性成分として細菌ロドプシンを含むことが好ましい。フォトクロミック層として特に好ましいものは、細菌ロドプシンの野生型(wild form)の変異体を含むものであり、これはより高い感光性および/又は野生型の使用期間よりも長い最も長寿命の中間体の使用期間を有する。特に具体的には(1)アミノ酸位置(個数)85(amino acid position 85)が変性された変異体、(2)アミノ酸位置96(amino acid position 96)が変性された変異体、(3)ジヒドロレチナール若しくは4−ケトレチナールが発色団として機能している変異体、又は(4)ジヒドロレチナール若しくは4−ケトレチナールが発色団として機能し、かつ、前記アミノ酸位置85および/若しくは96が変性された変異体を含むものが好ましい。
【0033】
本発明によるOASLMは特に、少なくとも一側において可視光の広い帯域の亘って作用する抗反射層を有することができる。
【0034】
更に、少なくとも基板とは反対のフォトクロミック層の側に可視光に透明な保護層を適用することが好都合である。
【0035】
本発明の1つの展開として、第2の波長選択的反射層を設けることもできる。この第2の波長選択的反射層は上記第1の反射フィルター層と異なる波長選択的反射率を有するものとする。更に、はっきりした選択的反射がなされる2又はそれ以上の波長領域を有する塗布層の場合でも本質的に同様の結果を得ることができる。
【0036】
本発明の特に好ましい展開として、反射フィルター層と反対のフォトクロミック層の側に、信号光を波長選択的に反射させ、フォトクロミック層を浸透した信号光を反射させるフィルター層を光モジュレータが有するようにしてもよい。フォトクロミック層の両側にそれぞれ反射フィルターを有するそのような光モジュレータは、例えば後述のような非コヒーレント/コヒーレント変換、又は同じく後述のような振動数変換のような興味深い用途に適した光学的部材として用いることができる。
【0037】
種々の適用のため、最初に述べたタイプの光モジュレータは特に興味深いものである。これはフォトクロミック層を浸透した信号光を反射させるため、信号光を波長選択的に反射させる唯一のフィルター層を有するものである。従って、この光モジュレータは、光モジュレータへの無変調信号光導入側に変調信号光を出力するようになっている。
【0038】
本発明はディスプレイ部材として請求された請求項1−6のいずれかの光モジュレータを有する光学的ディスプレイ装置にも関係する。この光学的ディスプレイ装置は、それぞれ表示されるべき情報に従って、制御光の助けを以て光モジュレータのフォトクロミック層を活性化するための制御光源と、表示されるべき情報を可視化するため光モジュレータにより変調されるべき信号光を提供するための信号光源とを具備してなり、制御光および信号光が反射フィルター層と反対のフォトクロミック層の側からフォトクロミック層へ入射するようにして該光モジュレータが該制御光ビーム路および該信号光ビーム路に配置され、かつ、変調された信号光が、光入射側とは反対側の光モジュレータ側に出射されるようになっていることを特徴とする。表示情報又は変調信号光の可視観察は、光入射側とは反対の光モジュレータの側から行われるようになっている。この表示された情報は、制御光ビーム路に配置された対物(object)マスクのコントラスト像であってもよく、これは光モジュレータのフォトクロミック層に投影されたものである。
【0039】
光学的ディスプレイ装置の好ましい変形例において、上記制御光源はレーザー、であり、ここで偏光装置、特に2軸スキャナーが制御光ビームの偏光の制御のため、および平面的アドレス処理の目的のために設けられ、更に、表示されるべき情報に従ってフォトクロミック層上の制御光ビームの入射位置の関数として制御光ビームの強度を制御するための強度モジュレータが設けられている。
【0040】
好ましくは、レーザーは2つの波長λsとλLとの間を切り換えることができるものであり、ここで、これらの波長は、このフォトクロミック層が波長λsの光で書き込まれ、波長λLの光で削除できるように選択される。これに関連して、フォトクロミック層を書き込むとは、信号光のためその光学的特性を変化させるために活性化されることを意味する。また、フォトクロミック層を削除するとは、フォトクロミック層が再び当初の状態に戻されることを意味する。
【0041】
本発明は更に、制御光源、信号光源および請求項7記載の光モジュレータを具備してなり、制御光ビーム中の情報を信号光ビーム中に伝達するための光学的配置に関するものであって、ここで各情報を運ぶ制御光ビームは、制御光を波長選択的に反射させるフィルター層と反対のフォトクロミック層側からフォトクロミック層に導入され、信号光ビームは信号光を波長選択的に反射させるフィルター層と反対のフォトクロミック層側からフォトクロミック層に導入されるようになっている。
【0042】
このような光学的配置は、制御光が非コヒーレントで信号光がコヒーレントの場合、非コヒーレント/コヒーレント変換器として使用することができる。非コヒーレントな制御光ビームに含まれる情報は上述のような配置でコヒーレントな信号光へ伝達することができる。伝達されるべき情報は例えば制御光ビーム路に配置された対物マスクの像であってもよく、この像は光モジュレータのフォトクロミック層に投影される。
【0043】
上述の光学的配置についての更なる利用可能性として、波長λ1の制御光ビームに含まれる対象情報を波長λ2の信号光ビームに伝達することが挙げられる。この場合、制御光源は波長λ1のレーザーであり、信号光源は波長λ2のレーザーである。
【0044】
本発明の好ましい用途は以下の通りである。
【0045】
(i)高解像度光学的ディスプレイシステムであって、変調された信号光についてOASLMの光出口側から、制御光として用いられた強力なレーザー光により目をくらませられることなく、又障害を受けることなく、肉眼で見ることができる。
【0046】
(ii)高解像度データ投影のための投影ディスプレイ。
【0047】
(iii)種々の光学システムのための非コヒーレント/コヒーレント変換器。
【0048】
(iv)フォトリソグラフィにおける感光層の露光のための可変マスク。
【0049】
(実施例)
以下、本発明の具体例を図面を参照して説明する。
【0050】
図1は光学的にアドレス可能な光モジュレータ1であって、以下OASLMとして略記する。このOASLMに無変調の信号光2aが当てられる。このOASLM 1のフォトクロミック層の光学的特性、例えば吸収度および反射率、又は屈折率は制御光3により空間的に変調される。この光学的特性の空間的変調は信号光2aがフォトクロミック層を透過する際の信号光2aの対応する変調をもたらし、その結果、OASLM 1から出射される信号光2bはそれに対応して変調されることになる。図1に示す例では、制御光3aがOASLM 1に対し、無変調の信号光2aの場合と同じ側から当てられる。なお、幾つかの制御光源(多重変調)を同時に使用することも可能である。更に、OASLMの光化学的削除を目的として更なる光源を付加することもできる。
【0051】
図2は、以下に詳述するように図3に示す本発明のOASLM 1のための適用例を説明するものである。すなわち、図2は高解像ディスプレイシステムの該略図であって、ここでOASLM 1は肉眼4で見ることができるディスプレイ素子を形成している。細菌ロドプシンを含むOASLM 1は、光源としてのハロゲンランプ5から出射され、集光装置6、カラーフィルター7およびディフューザー8を通過した無変調信号光で照射されるようになっている。制御光は、高速強度モジュレータ10、2軸ミラースキャナー11および適当な偏光ミラー12からなる光学システムを介してレーザー9からOASLM 1に向けて照射される。この制御光の照射は具体的には上記信号光と同じ側からなされる。
【0052】
この制御光ビームについて大きな偏光角度を実行するため、図2に示す配置にいわゆるf−シータレンズ(図示しない)を追加することも可能である。上記強度モジュレータの目的は、所望のディスプレイにより決定されるOASLM 1における制御光ビームの各位置の関数として制御光強度を制御することである。この場合、制御装置(図示しない)が制御光ビームおよび強度モジュレータ10を移動させるためにミラースキャナー11を制御し、それにより各場合の制御光強度を設定する。好ましくは、このミラースキャナー11は特定の繰返し速度で制御光ビームがOASLMを走査するように制御される。つまり、これは表示されるべき情報をフォトクロミック層に書き込むためOASLMの側面全体に亘って行又は列ごとに走査しておこなわれる(ラスター化(rasterized)制御)。
【0053】
その他、ミラースキャナー11は、制御光ビームがそれぞれの場合に表示されるべき情報のトラックのみをフォトクロミック層へと引き寄せるように制御される(ベクトル制御)。OASLM 1に照射された信号光のスペクトルは、OASLM 1の吸光能が制御光により影響され得るスペクトル領域に相当する波長領域からなる。すなわち、BR材料の光化学的特定に従って、制御光はその強度パターンにより決定されるフォトクロミック層の吸光能の変化又は設定を生じさせ、従って、信号光の対応する変調を生じさせ、それが観察者4に知覚される。更に、図2の4の位置に例えば光検出器、感光性フィルムを加工物などに適用した状態で設け、変調された信号光を評価するようにしてもよい。フォトクロミック層を透過した後、制御光を波長選択的に反射させるフィルター層は、制御光が観察者4側に通過しないようにすること、又はいずれにしても大きく減衰させた状態にすることを確実にする。OASLM 1を透過した制御光の存在し得る残留成分を除去するため、直線偏光フィルターをOASLM 1の下流側に接続させてもよい(この例で直線的に偏光された制御光の偏光方向との関連で交差する位置に)。
【0054】
従って、本発明の好ましい用途はヒトの目で直接観察することができるディスプレイ、更に制御光の助けで数秒間の繰返し速度で高解像度でコンピュータ制御レーザースキャナーにより書き込むことができるディスプレイであって、この場合、観察者が伝達されたレーザー光(=制御光)、すなわち比較的強いレーザー光により目をくらませられることなく、又、観察者の視覚機能に損傷を与える危険性がないものである。好ましくは、このレーザー9は2つの波長の間を前後に切り換えることができるものである。その第1のものは、OASLM 1を書き込むためのものであり、第2のものはOASLM 1の特定のものを削除するためのものである。好ましくは、このOASLMには複数の高反射性誘電体層の組合せが備えられ、書込み波長の光と削除波長の光との双方がごく僅かにしか伝達されないようになっている(例えば5%未満の割合で)。このようなディスプレイは画像情報および文字情報を従前のコンピュータディスプレイスクリーンによっては現在まで達成し得なかった高解像度で表示させることができる。典型的には、本発明によるディスプレイの有用な解像度はレーザープリンターのものに相当する。このような高解像度のディスプレイの適用分野としては、建築、薬品、工学技術、その他、データを表示することができ、紙へのプリントアウトを要することなく非常に高い解像度で見ることができる多くの技術領域が含まれる。
【0055】
図2の配置で用いられるOASLM 1の基本的部材は図3に詳しく示されている。BR層15は、制御光の波長、もし適当であれば書込み光および削除光の波長のための波長選択的高反射コーティング14(反射フィルター14)を有する透明基板13に対し適用される。このような波長選択的高反射コーティングを施した基板は公知の堆積方法により製造することができる。このようなミラーは例えば高反射性レーザーミラーの名のもとで商業的に入手可能であり、広い波長領域について適用できる。このBR層15には透明カバー層16が設けられ、この透明カバー層16は必要な光学的平坦性を達成するため、高い引掻き抵抗を達成するため、環境に対しBR層を遮蔽するため(つまり、変動する空気の相対湿度など)に設けられている。このBR層15には、もし適当であれば、更に付加的フィルター機能を持たせることもできる。反射フィルターとしてのコーティング14の反射率は、1又は2以上の選択された波長について少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも99%とする。この反射フィルターのスペクトル帯域幅は、選択された各波長について一般的には100nm,好ましくはせいぜい70nm、特に好ましくは50nm未満とする。この反射層の形成方法はそれ自体公知であり、適当な厚みの異なった屈折率の複数の層を基板に堆積させることにより行われる。もし反射層が書込み光および削除光の双方について設けられる場合は、これらを組合せることもできる。上記基板13は可視光(400−800nm)の波長帯域のものを吸収しないか、又はごく僅かにしか吸収しない材料、例えばガラス、石英又は透明プラスチックなどからなる。制御光(変調光)は反射フィルター14により反射され、BR層15を2回通過し、それにより変調の向上に寄与する。これは書込み操作および削除操作の双方に共通するものである。更に吸収フィルターの使用と比較した場合、局所的な熱の発生がないという利点を有する。つまり、この局所的な熱の発生はコヒーレントビーム路の場合において周囲空気の屈折率の変動につながる。同時に、制御光はOASLM 1の下流側の変調信号ビーム路から遠ざけることができる。
【0056】
反射フィルター14に直接、接しているBR層15はBR野生型又はBR変異体又は1以上のBR変異体およびもし適当であればBR野生型を含む混合物からなるものであってもよい。このBR層は更にポリマーおよび他の補助剤、例えば層形成又は固定のための接着剤、あるいはフォトン有用性、水分、pH値を安定化させるため又は屈折率を適合させるための補助剤又は添加剤を含むものであってもよい。ここで用いられるBR層の作成は、例えば用意された基板上に3%のゼラチン又はポリビニルアルコールおよび8%の細菌ロドプシンを含む水性混合物を分配することにより達成することができる。なお、この場合、水分の蒸発後、細菌ロドプシンとマトリックス材料とからなるフィルムが残り、その厚みは1mm未満、具体的にはほぼ50μmないし250μmとなるようにする。この不動態化されたBRの光学的特性は従来公知の補助剤と複合化させることにより改良することができる。
【0057】
本発明によるOASLM 1の他の好ましい例が図4に示されている。フォトクロミック層15aの互いに反対側の両側には波長選択的反射性フィルター層14aおよび14bがそれぞれ設けられている。これらの波長選択的反射性フィルター層14aおよび14bは互いに異なる反射特性を有し、その内、フィルター層14aは制御光28aの波長選択的反射のために設けられ、フィルター層14bは信号光28bの波長選択的反射のために設けられている。反射性フィルター層14aは光学的透明基板13aに適用されている。同様にして、反射性フィルター層14bは光学的透明基板13bに適用されている。このOASLM 1は適宜、広帯域抗反射性コーティング又は波長選択的抗反射性コーティング17aおよび17bを外側に設け反射損失を減少させるようにしてもよい。フォトクロミック層15aは好ましくは、フォトクロミック材料として細菌ロドプシンを含む物とする。このフォトクロミック材料は制御光28aの波長並びに信号光28bの波長の双方と相互作用し得る。
【0058】
技術的に特に興味のあるものは、好ましくはB状態(例えば568nm)により吸収される第1の波長の光と、好ましくはM状態(例えば413nm)により吸収される第2の波長の光とを同時に適用することである。この双方の波長は例えばクリプトンガスレーザーを用いて発生させることができる。
【0059】
図3、4に示す部材間の“エアギャップ”は表現の便宜上のものであり、実際のものでは通常存在しない。
【0060】
図5は図4に説明した本発明のOASLMの可能な適用例を示している。即ち、図5は非コヒーレント/コヒーレント変換器として使用できる光学的設計を示している。このOASLM 1の左側には光学的装置18−22が設けられており、これら装置はOASLM 1を介して伝達されるべき情報を運ぶ非コヒーレント制御光光束28aを発生させるためのものである。この例の場合、制御光光束28aを発生させるための光学的装置18−22は、光源としてのハロゲンランプ18、集光器19、所望の制御光波長を透過させるカラーフィルター20、対物構造21および画像化光学システム22とからなっている。制御光光束28aは従って、対物構造21の情報像をOASLM 1に向けて投影させ、この情報像に従ってフォトクロミック層15aを活性化させる。OASLM 1のフィルター層14a(図5に示されていないが、図4に示されている)はフォトクロミック層15aを透過した制御光光束28aの成分を反射させ、その制御光成分がその2度目のフォトクロミック層15a通過の間に、フォトクロミック層15aの光学的活性化に寄与するようにする。更に、反射フィルター層14aは、図4に示すOASLM 1の右側にある信号光の空間的領域に制御光がOASLM 1を介して導入されないようにしており、導入されたとしても大きな減衰を伴ってOASLM 1を透過するようにしている。前記対物構造は例えば静的マスク又は動的マスクであって、例えば液晶ディスプレイスクリーンの形をなしたものを具備してなる。すなわち、これに制御光光束28aが透過することにより制御光光束28aへの対物情報の変調がなされる。OASLM 1は図5においてその右側から無変調コヒーレント光28b(信号光)で照射される。この無変調コヒーレント光28bは反射フィルター層14a(図4)によりフォトクロミック層15aへ導かれ、フォトクロミック層15aを透過した後、フィルター層14bで逆反射される。すなわち、このフィルター層14bは波長選択的に信号光28bを反射させる。反射したヒーレント信号光28b´は変調され、又は非コヒーレント制御光光束28aの対物情報がそれに載せられる。
【0061】
図4のOASLM 1の機能は、図5に示した非コヒーレント/コヒーレント変換器に限られるものではなく、OASLM 1の両側でコヒーレント光および/又は非コヒーレント光を用いることも可能である。このいずれの場合も、フォトクロミックBR層が制御光ビーム路から情報を信号光ビーム路へ伝達するのに用いられる。
【0062】
図4のOASLM 1の場合、仮に先に信号光として表された信号光28bが制御光の機能を取って代わるようにした場合は、先に制御光として表された制御光28aが信号光の機能を取って代わることができる。従って、図4のOASLM 1を制御光の助けを以て左側からおよび右側から交互に駆動させ、それぞれ他方の側で制御光中の情報をOASLM 1を介して信号光へ伝達することができるから、OASLM 1を双方向光学的データ伝達素子又は情報伝達素子として使用することができる。
【0063】
図5に示した配置は、図3に示す構造を有するOASLM 1の助けを借りた原理に基づいて操作することもできる。この場合、基板13の側から非コヒーレント光がBR層15に当てられるのに対し、変調されるべきコヒーレント光はその反対側から照射される。この場合、ミラー層14がコヒーレント光(信号光)を反射させるフィルター層となる。しかし、図3に示す光モジュレータを有する非コヒーレント/コヒーレント変換器の場合、干渉非コヒーレント光も多分、コヒーレント光のビーム路に発生することになる。このような状況を防止するため、偏光非コヒーレント光を用いて操作し、例えば偏光フィルターにより光モジュレータを通過した非コヒーレント光を阻止することも可能である。
【0064】
図6は図4に示したOASLM 1の更に可能な別の用途を示している。このOASLM 1は第1のレーザー34を用い、レンズ35により拡大され、中立濃度フィルター36で強度が変性されたビームで照射され、対象物としての静的又は可変マスク37により変調される。このマスク37の対物情報は画像化光学システム38の助けを以てOASLM 1に投影される。更に、λ/4プレート33が設けられ、これはレーザー34の直線的偏光光から円形偏光光を形成する。マスク37の手段により印加された情報はレーザー34から放射された制御光によりOASLM 1中に伝達される。フォトクロミック層15aを透過する制御光成分は波長選択的反射性フィルター層14aで反射される(図5)。
【0065】
第2のレーザー29から第2の拡張ビーム(信号光ビーム)が放射され、これは非変調形態でミラー30および偏光ビームスプリッター31を介してOASLM 1に向けて、特に制御光入射側とは反対側のOASLM 1の側に向けて放射される。偏光された信号光ビームはOASLM 1に当たる前に、λ/4プレート32を通過するようになっている。信号光を波長選択的に反射させるフィルター層14bで反射された後(図5)、この信号光ビームは当初の照射偏光方向に対し垂直な偏光方向を有することになり、それが偏光ビームスプリッターを通過することになる。それから出射する信号光ビーム39は第2のレーザー29の波長を有するが、制御光を以てOASLMに伝達された対物マスク37の情報を担持している。図6の光学的配置は波長λ1の第1の光ビームから波長λ2の第2の光ビームへ情報が変調されることを可能にする。従って、周波数コンバータの用語が使用されている。
【0066】
細菌ロドプシン(BR)の使用によって、このOASLMの特別の利点が得られる。このBRの効率的光化学特性のため、非常に迅速に操作し得る動的システムの実現が可能となり、この場合、伝達されるべき情報はミリ秒の範囲で時間的に変化させることができる。制御光および信号光についてそれぞれ568nmおよび413nm(又は逆)の適用の場合、OASLMの高時限的動力学との同期的関連で最大幅の変調が達成し得る。なぜならば、書込みおよび削除がいかなる箇所でも光化学的に実行することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 信号光又は第1次光、および制御光又は第2次光を有する光学的にアドレス可能な空間的光モジュレータの使用のためのビーム路の可能な形態を示す図。
【図2】 光モジュレータが可視ディスプレイ素子として機能するビーム路を示す図。
【図3】 図2の配置で用いられる光モジュレータの基本的部材を示す図。
【図4】 光モジュレータが非コヒーレント/コヒーレント変換器として機能するビーム路を示す図。
【図5】 図4に示した適用例に有利な光モジュレータの1例の構成を示す図。
【図6】 周波数コンバータのビーム路を示す図で、ここで光モジュレータは非コヒーレント/コヒーレント変換器として機能し、その助けを以て1つの波長が他の波長で制御されるようになっている。
【符号の説明】
1 光モジュレータ
2a 信号光
2b 信号光
3 制御光
3a 制御光
5 ハロゲンランプ
6 集光装置
7 カラーフィルター
8 ディフューザー
10 高速強度モジュレータ
11 2軸ミラースキャナー
12 偏光ミラー
13 基板
14 反射性フィルター層
15 フォトクロミック層
Claims (14)
- 光モジュレータ要素の制御光入力側に供給される制御光として、レーザー放射によって信号光を変調するための光モジュレータ要素であって、
信号光を変調するため制御光により光学的に活性化し得るフォトクロミック層(15;15a)と、該フォトクロミック層(15;15a)のための光学的に透明な基板(13;13a)とを有する光モジュレータ要素において、
該光モジュレータ要素(1)は、前記制御光入力側とは反対の前記フォトクロミック層(15;15a)側の更なる層として、信号光に透明であるものの、前記フォトクロミック層(15;15a)を透過した前記制御光を前記フォトクロミック層(15;15a)に反射させるため、せいぜい70nmのスペクトル帯域幅で前記制御光を波長選択的に反射させる反射フィルター層(14;14a)を有し、該反射フィルター層(14;14a)は前記制御光に関し少なくとも80%の反射率を有することを特徴とする光モジュレータ要素。 - 前記反射フィルター層(14;14a)は前記フォトクロミック層(15;15a)と前記基板(13;13a)との間に配置され、かつ、前記フォトクロミック層(15;15a)に直接、接している請求項1記載の光モジュレータ要素。
- 前記反射フィルター層(14;14a)は前記制御光に関し少なくとも99%の反射率を有する請求項1又は2記載の光モジュレータ要素。
- 前記反射フィルター層(14;14a)は、少なくとも1つの更なる波長領域において、少なくとも80%の反射率を有する請求項3記載の光モジュレータ要素。
- 前記フォトクロミック層(15;15a)が細菌ロドプシンを含有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の光モジュレータ要素。
- 前記フォトクロミック層(15;15a)が前記細菌ロドプシンの野生型の変異体を含み、前記変異体がより高い感光性および/又は前記野生型の使用期間よりも長い最も長寿命の中間体の使用期間を有する請求項5記載の光モジュレータ要素。
- 前記変異体が、
85個目のアミノ酸が変性された変異体、
96個目のアミノ酸が変性された変異体、
ジヒドロレチナール若しくは4−ケトレチナールが発色団として機能している変異体、 又はジヒドロレチナール若しくは4−ケトレチナールが発色団として機能し、かつ、前記85個目のアミノ酸および/若しくは前記96個目のアミノ酸が変性された変異体
を含む請求項6記載の光モジュレータ要素。 - 前記信号光を波長選択的に反射させるフィルター層(14b)が前記反射フィルター層(14a)とは反対のフォトクロミック層(15a)の側に設けられ、これにより該フォトクロミック層(15a)を浸透した信号光を反射させるようになっている請求項1ないし6のいずれかに記載の光モジュレータ要素。
- ディスプレイ素子として請求項1ないし7のいずれか1つに記載された光モジュレータと、それぞれ表示されるべき情報に従って、制御光の助けを以て前記光モジュレータ(1)のフォトクロミック層(15)を活性化するための制御光源(5)としてのレーザーと、表示されるべき情報を可視化するため光モジュレータ要素(1)により変調されるべき信号光を提供するための信号光源(9)とを具備してなる光学的ディスプレイ装置であって、
前記制御光および信号光が反射フィルター層(14)とは反対のフォトクロミック層(15)の側から該フォトクロミック層(15)へ入射するようにして前記光モジュレータ要素(1)が制御光ビーム路および信号光ビーム路に配置され、かつ、変調された信号光が、光入射側とは反対側の前記光モジュレータ要素(1)側に出射されるようになっている光学的ディスプレイ装置。 - 偏向装置(11)としての2軸スキャナーが制御光ビームの偏光の制御のために設けられ、更に、表示されるべき情報に従って前記フォトクロミック層(15)上の前記制御光ビームの入射位置の関数として前記制御光ビームの強度を制御するための強度モジュレータ(10)が設けられている請求項9記載の光学的ディスプレイ装置。
- 前記レーザー(9)が2つの波長λsとλLとの間を切り換えることができ、これらの波長は、前記フォトクロミック層(15)が波長λsの光で書き込まれ、波長λLの光で削除できるように選択される請求項10記載の光学的ディスプレイ装置。
- 制御光源(18;34)、信号光源(29)および請求項8記載の光モジュレータを具備してなり、制御光ビーム中の情報を信号光ビーム中に伝達するための光学的配置であって、
各情報を運ぶ前記制御光ビームが、制御光を波長選択的に反射させるフィルター層(14a)とは反対のフォトクロミック層(15a)側から該フォトクロミック層(15a)に導入され、信号光ビームが信号光を波長選択的に反射させるフィルター層(14b)とは反対のフォトクロミック層(15a)側から該フォトクロミック層(15a)に導入されるようになっている光学的配置。 - 前記制御光(28a)が非コヒーレントで、前記信号光(28b)がコヒーレントである請求項12記載の光学的配置。
- 前記制御光源(34)が波長λ1のレーザーであり、前記信号光源(29)が波長λ2のレーザーである請求項12記載の光学的配置。
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