JP4561402B2 - 土壌の浄化システムおよび土壌の浄化監視装置 - Google Patents

土壌の浄化システムおよび土壌の浄化監視装置 Download PDF

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Description

本発明は、微生物を利用して、汚染された土壌及び地下水を浄化するシステムおよび土壌の浄化監視装置に関する。
近年、分析技術の進歩と化学物質の毒性評価基準が確立されてくるにつれて、かつて大量に使用された化学物質の貯蔵装置等の破損事故などによる漏洩と、人為的な廃棄による環境汚染が世界中で問題となってきている。なかでも、ガソリンなどの有機化合物、PCBやトリクロロエチレンなどの有機塩素化合物による土壌や地下水の汚染は顕著であり、汚染井戸水の利用を通した生態系への障害が強く懸念されている。さらに今後の調査により汚染箇所は飛躍的に増大し、将来における環境規制物質の増加により有害物質の種類もますます増えるものと考えられ、汚染された環境を浄化修復するための技術についての開発が求められている。
有害物質で汚染された土壌や地下水を浄化する方法としては、物理化学的方法と微生物学的方法(バイオレメディエーション)に大別でき、特に近年、微生物を用いる微生物学的な方法は物理化学的な方法と比較して経済的かつ環境調和型の浄化方法として注目されている。
そして汚染現場における原位置で微生物学的浄化を行う場合には、汚染土壌や地下水に元来生息している土着の分解微生物を利用する方法(バイオスティミュレーション)と分解能力を有する微生物を外部から接種する方法(バイオオーギュメンテーション)に分けられる。
しかし、微生物を用いて汚染物質、特に有機塩素化合物での汚染を浄化する場合、回収した汚染物質の後処理の問題が無く、低コストであるというメリットがある反面、外来微生物を修復領域の土壌に注入をおこなっても微生物は土壌粒子間に捕捉され、微生物が分配される領域は限定され、十分広がらないという問題があり、環境中へ広く拡散してしまった汚染物質を分解するために、汚染分解活性を持つ微生物をその隅々にまで行き渡るよう導入することは通常困難である。
これに対し、微生物の生息領域を広げるため、地下水の流れを利用する方法が考えられる。しかし、地下水に微生物とその栄養塩を注入する場合、微生物やその栄養塩が水中に拡散してしまうため、多量の微生物やその栄養塩が必要となるという問題があった。
上記の問題を解決するため、土壌の汚染から発生する地下水の汚染を浄化することにより実質的に土壌汚染の弊害を除去する浄化方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法を用いた浄化装置について、図5を用いて説明する。
図5において、分解微生物の保持用基材21は回転可能な駆動ローラー23により直線的あるいは曲線的に一方向に移動されて、その基材21の表面あるい表面部位に分解能力を有する微生物を供給する手段22に向かって移動する。
微生物を供給する手段22としては、浸漬法で、液体プール24中に基材21をローラー23により順次移動せしめて浸し、基材21の表面部位に微生物を付着又は含浸させることにより微生物の供給がなされる。移動速度をコントロールすることにより基材21に供給される微生物の量を調整することができる。
こうして表面部位に微生物を付着あるいは含浸させた基材21はさらにローラー23により直線的あるいは曲線的に一方向に移動され、次に汚染土壌25中に形成された水平井戸26内に進む。井戸内26で汚染地下水と微生物とが接触し汚染地下水の分解が始まる。
ローラー23及び各供給ポンプを駆動するモーターをマイクロコンピューターなどにより制御して、適用する微生物・誘導物質の量や地下水中の汚染物質と分解微生物との接触時間などをコントロールすることができる。
また、浮上性の粒状担体を用いた浄化方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この浄化方法は、浮上性の粒状担体に有害物質を分解する微生物を固定し、この担体を水性媒体の付与によって適度な流動性を付与してある土壌中の処理領域内を浮上させ、微生物と有害物質との接触効率を高めている。
特開2000−197881号公報 特開平11−179337号公報
しかしながら、上記特許文献1のような浄化方法では、微生物を保持した基材を地下水流入域に設置するため、大掛かりな工事や費用を要する。さらに、水平井戸内の帯状基材だけでは、微生物と汚染地下水との接触面積は少なく、広範囲の土壌汚染、地下水汚染には対応できないという課題があった。
また、特許文献2の浄化方法では、微生物を固定した浮上性の粒状担体と水性媒体を汚染土壌中に注入するため、広範囲の土壌汚染に対しては、多量の微生物等が必要となる。さらに、遮水壁、注入管等の工事、設備に費用を要する。
また、上記2文献を含め、従来技術で、微生物の生息環境に着眼し、微生物等を注入する地層あるいは深度に特徴のある浄化方法は提案されていない。
そこで本発明は、微生物の生息しやすい地層あるいは深度に着眼し、大掛かりな工事や費用を要することなく、注入微生物量も多量には必要とせず、汚染された土壌及び地下水の浄化性能を高めることを目的とするものである。
本発明の土壌の浄化システムは上記目的を達成するために、上部難透水層に微生物を拡散させて、この上部難透水層およびこの上方の表層の汚染物質を処理するものであり、少なくとも透水層とその上の上部難透水層、およびこの上部難透水層上部の表層に亘り縦井戸を形成するとともに、この縦井戸に流入した地下水の水面上に微生物を担持した担体を浮かべて構築され、前記担体に担持した微生物を上部難透水層に拡散させて前記上部難透水層およびこの上方の表層の汚染物質を処理するようにしたものである。
本発明は、微生物を上部難透水層内に拡散させることにより、大掛かりな工事や費用を要することなく、注入微生物量も多量には必要とせず、汚染された土壌の浄化性能を高めることが可能となる。
本発明の浄化方法は、微生物を上部難透水層の間隙を利用して拡散させることが最大の特徴であり、着眼点について、まず説明する。ここで、難透水層には、粘土層、シルト層等があり、下部難透水層は上部難透水層より、水を透しにくい。
汚染土壌内の菌量を測定した結果、表層中には600から1000CFU/ml、表層と透水層の間にある上部難透水層中には1500から3000CFU/ml、地下水中には40から60CFU/mlとなった。ここで、CFUとは、Colony Forming Unitの略で、コロニー形成単位と呼ばれる、寒天培養した菌量を表す単位である。
この結果より、上部難透水層は、この上方にある表層の約3倍、微生物が生息しやすい環境であり、この上部難透水層内に微生物を拡散させれば、表層に拡散させる場合より約3倍の速さで、微生物の生息範囲が広がる。その微生物が、汚染表層から上部難透水層に拡散してきた汚染物質を分解するため、表層から地下水への汚染を早期に防止できる。
次に上部難透水層の位置、深さは、地質調査を行えば決定できるが、縦井戸を利用すれば、簡単に決定できる。すなわち、縦井戸を掘削した場合、その水面は、水面にかかる圧力差で地下水の水位よりも若干高くなっており、その水面と同じ深さには、上部難透水層が存在すると判断できる。
以上より、土壌の汚染領域内に、少なくとも透水層とその上の上部難透水層、およびこの上部難透水層上部の表層に亘り縦井戸を形成するとともに、この縦井戸に流入した地下水の水面上に微生物を担持した担体を浮かべ、上記担体に担持した微生物を担体から上部難透水層に移行、さらに上部難透水層に拡散させて上記表層の汚染物質を処理できる。すなわち微生物が汚染表層から上部難透水層に拡散してきた汚染物質を分解するため、表層から地下水への汚染を早期に防止できる。
なお、微生物の生育には、周囲の土壌中に約30wt%以上の水分が必要であるとともに、上部難透水層と透水層の層間には、栄養源が付着しやすく豊富であるため、上部難透水層内でも、透水層に近い層が、特に好ましい。
また、微生物の担体から上部難透水層への移行については、活性炭や生分解性プラスチックのような経時的な担体の変化、すなわち、分解・消滅等に対する、微生物の環境適応力により起こると考えられる。また、担体が浮かぶ透水層では地下水の流れの影響で、微生物の栄養源が少ないのに対し、上部難透水層と透水層の層間には、栄養源が付着しやすく豊富であるためと考えられる。
本発明の浄化システムにおいて、微生物を担持させる担体は、独立気泡からなる多孔質状の発泡体であることが好ましい。その理由は、独立気泡の発泡体で内部に空気を保持できることにより、密度が大きな材料でも水面に浮かべることができるからである。
また、本発明の浄化システムにおいて、縦井戸の形成を下部難透水層までにする場合、微生物を担持させる多孔質状の担体は、連続気泡からなる多孔質状の発泡体であることが好ましい。その理由は、投入時水面上に浮かんでいた担体は、表面上の孔から水を吸収し、次第に水との密度差がなくなり、ある時間経過後、沈んでいく。すなわち、沈んだ担体から透水層下方の下部難透水層に微生物が拡散していき、地下水を上下、両側から浄化することができるからである。
本発明の浄化システムにおいて、微生物を担持させる担体は、活性炭で構成することが好ましい。その理由は、活性炭は多孔質状で微生物を担持しやすく、安価であるからである。さらに、水面上に浮かぶことにより、活性炭から出た微生物が縦井戸の周囲の上部難透水層内に拡散しやすく、経時変化により風化も起こるからである。活性炭以外では、多孔質ガラス、セラミックス、金属酸化物、カオリナイト、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、アンスラサイトなどの、医薬品工業や食品工業あるいは廃水処理システムなどのバイオリアクターで利用されている多くの微生物固定用の粒状担体を用いることができる。ただし、水面に浮かぶという前提条件があるため、水より密度が小さな材料はそのまま用いることができるが、密度が大きな材料は多孔質化あるいは中空化してみかけの密度を小さくする必要がある。
さらに、本発明の浄化システムにおいて、微生物を担持させる担体は、生分解性プラスチックで構成することが好ましい。その理由は、生分解性プラスチック製の担体は、土中または水中の微生物に分解され、最終的に水と二酸化炭素になり、固形物として残らず、土壌や地下水を汚染しないからである。この生分解性プラスチックとしては、微生物産出系のバイオポール、ビオファン、ビオグリーン等、天然高分子系のノボン、マタービー、ドロン等、化学合成系のセルグリーン、ビオノーレ、PCL、ラクティ、ルナーレ、レイシア等があげられる。ただし、上記と同様に水面に浮かぶという前提条件があるため、水より密度が小さな材料はそのまま用いることができるが、密度が大きな材料は多孔質化あるいは中空化してみかけの密度を小さくする必要がある。
本発明の浄化システムにおいて、縦井戸は導管で構成し、その導管は上部難透水層及び透水層と対応する部位を多孔質状とすることが好ましい。その理由は、縦井戸を掘削しただけでは、周囲の土砂の落下により縦井戸内の水位が変わり、水面が上部難透水層の深さと一致しなくなる場合があるからである。また、多孔質状でない、不透水性の導管では、上部難透水層の深さによっては、圧力差が大きくなり、縦井戸内の水面が透水層より、はるかに高くなってしまう場合があり、上部難透水層内の透水層に近い層へ微生物を拡散できなくなるからである。
本発明の浄化システムにおいて、縦井戸の水平位置は、汚染土壌水平面の中心付近が好ましい。その理由は、微生物が上部難透水層内を縦井戸を中心とした放射線状に広がり、汚染土壌から地下水への汚染の広がりを効率的に抑制することができるからである。
なお、土壌の汚染領域内に、最初から縦井戸が上記汚染土壌水平面の中心付近に掘削されている場合には、この縦井戸を利用し、新たに縦井戸を掘削する必要はない。
本発明の浄化システムにおいて、上記のような縦井戸と担体を使用せず、直接微生物を上部難透水層に供給することも可能である。すなわち、地表から上部難透水層まで配管を通し、直接この配管を介して微生物を上部難透水層に供給・拡散させて表層の汚染物質を処理する、すなわち微生物が汚染表層から上部難透水層に拡散してきた汚染物質を分解するため、表層から地下水への汚染を早期に防止できる。
なお、この場合、配管は上部難透水層の下部、透水層との境界近くまで到達させることが好ましい。前述のように、微生物の生育には、周囲の土壌中に約30wt%以上の水分が必要であるからである。
本発明の浄化システムにおいて、多孔質状の担体に固定させる微生物は、有用微生物群であることが好ましい。その理由は、有用微生物群(Effective Microorganisms、英語の頭文字をとって通称EM菌)とは、通常、乳酸菌、酵母菌、光合成菌、放線菌、糸状菌等を含み、有機物分解機能もあり、地下水中のBOD、CODも低下することができるからである。
また、本発明の浄化システムにおいて、微生物を使用する場合は、微生物とともに活性液を供給することが好ましい。その理由は、活性液とは、微生物の原液を培養して得られた代謝液をさらに培養して製造される、微生物の活性維持に必要な栄養源を含む液であるからである。さらに、バイオオーギュメンテーションの場合、微生物が投入された土壌に合わず、活性を維持しにくい可能性があるため、より必要となるからである。
また、本発明の浄化システムにおいて、微生物として乳酸菌、担体としてポリ乳酸エステルの組合せが最適である。ポリ乳酸エステルは乳酸菌の栄養源となるため、活性液が不要となり、最終的に固形物として残らず、土壌や地下水を汚染しないからである。
本発明は、上記した土壌の浄化システムによる浄化部位を基点として、地下水の流れ方向下流側に透水層まで達する監視管を配置し、上記監視管を介して透水層の水質を水質計測手段で計測することで土壌の浄化状態を監視するようにした。このことにより、汚染状態の確認、すなわち、投入微生物量の増減により、汚染の拡大を防止できるとともに、微生物の過剰な投入も防止できる。
また、担体への微生物の固定、または活性液の固定は、前記縦井戸への投入直前に行うことが好ましい。微生物の乾燥が防止でき、活性度が維持できる。
以下本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1において、土壌は、地表に近い上層から順に、表層1と、その下の水を透しにくい上部難透水層2と、砂礫等からなる透水層3と、その下の水を透しにくい下部難透水層4の4層からなる。汚染は、表層1から上部難透水層2を通過し、透水層3へ到達し、透水層3内を流れる地下水に感染、地下水の流れに乗って、汚染区域が拡大して行くのである。
地下水は、透水層3内を、矢印で示す方向に流れている。
このような汚染土壌に対し、縦井戸5を掘削し、その中に多孔質の導管を埋設している。縦井戸5の深さは、図1に示すように、下部難透水層4に到達する深さで、その水位6は、透水層3の水位より高くなる。また、縦井戸5は、図3に示すように、汚染領域の中心付近に位置している。
上記の構成において、有用微生物群とその活性液を担持させた、独立気泡の発泡体である、多孔質状の担体7を、縦井戸5に投入する。多孔質状の担体7は、その密度が水より小さく、水面に浮かぶ。
多孔質状の担体7の大きさは直径1mm程度で、投入量は縦井戸5内の水面6を数層覆い尽くす程度である。この投入後の状態を示したのが図2である。
この図2に示すように、多孔質状の担体7は縦井戸5内の水面6を数層覆い、多孔質状の担体7に担持されていた有用微生物群は、図中の矢印で示すように、生息しやすい上部難透水層2に移行し、上部難透水層2内で繁殖、生息域を放射状に拡大していく。
すなわち、汚染域全域に上部難透水層2内で生息域を拡大した有用微生物群により、汚染された表層1からの透水層3への汚染を防止できると共に、上部難透水層2内から汚染された表層1に拡散して行った一部の有用微生物群(上部難透水層2と表層1との微生物量比は、前述のように、3:1)により、汚染された表層1も浄化される。また、少しではあるが、上部難透水層2と透水層3の境界面で、地下水の浄化も行われる。
また、多孔質状の担体7が、連続気泡の発泡体で構成された場合、水面6に浮かんでいた最下層の多孔質状の担体7は、その気泡に水を含有し、気泡内の密度が水とほぼ同じになり、素材の比重が水より重い場合、次第に沈んでいく。
水底に沈んだ場合も、図2と同様、多孔質状の担体7内に残っていた有用微生物群が下部難透水層4へ移行し、下部難透水層4内で繁殖、特に上面で接する地下水を浄化する。
このように、透水層3を挟む上部難透水層2と下部難透水層4の両層に繁殖した有用微生物群により、透水層3を流れる地下水の浄化が促進される。
また、有用微生物群とその活性液を多孔質状の担体7に担持させる方法としては、有用微生物群活性液に多孔質状の担体7を含浸させる方法が好ましい。装置が簡単であり、井戸への投入直前に行えるので、有用微生物群の乾燥が防止でき、活性度が維持できる。
なお、本実施例では、縦井戸5の深さを下部難透水層4までとしたが、多孔質状の担体7が独立気泡の発泡体の場合、深さは透水層3に到達すればよい。その理由は、多孔質状の担体7は水面6上に浮かんだままであり、微生物が多孔質状の担体7から下部難透水層4へ移行できないからである。
(実施例2)
図4に示すように、縦井戸5から、地下水の流れの下流側に監視管8を配置する。監視管3の深さは、透水層3に到達する深さで、その水位9は、透水層3の水位より高くなる。
監視管8には、浄化監視装置10が設けられ、土壌及び地下水の浄化状態を監視している。浄化監視装置10は、透水層3の水質を計測する水質計測手段11と、地上に設けた水質監視手段12より構成されている。
浄化の度合いは、浄化監視装置10により確認できる。多孔質状の担体7を投入当初、汚染は、汚染された表層1から上部難透水層(不透水層)2を通過し、透水層3へ到達し、地下水に感染するため、地下水の水質は悪化していく。その後、上部難透水層2内で繁殖した有用微生物群により、汚染された表層1からの透水層3への汚染が防止され、まず悪化の度合いが低下する。
次に、土壌の汚染領域全体へ上部難透水層2内で生息域を拡大した有用微生物群により、悪化から良化へ移行、その後徐々に汚染された表層1の浄化が進み、土壌処理が完了する。
以上のような浄化状態の変化を透水層の水質で確認することにより、微生物の質、量の適否が判断できる。
なお、図1と同じ作用・動作を行う構成については、同一符号を付し、詳細な説明は実施例1のものを援用する。
本発明における微生物による汚染土壌及び地下水の浄化方法は、高い浄化性能を有するため、土壌浄化、地下水浄化に利用できる。
本発明の実施例1における浄化方法を示す断面図 同X部拡大断面図 同平面図 本発明の実施例2における浄化監視装置の断面図 従来の実施例を示す構成図
符号の説明
1 表層
2 上部難透水層
3 透水層
4 下部難透水層
5 縦井戸
6,9 水位
7 担体
8 監視管
10 浄化監視装置
11 水質計測手段
12 水質監視手段

Claims (8)

  1. 透水層上方の上部難透水層に微生物を拡散させて、前記上部難透水層およびこの上方の表層の汚染物質を処理するようにした土壌の浄化システムにおいて、少なくとも透水層とその上の上部難透水層、およびこの上部難透水層上部の表層に亘り縦井戸を形成するとともに、この縦井戸に流入した地下水の水面上に微生物を担持した担体を浮かべて構築され、前記担体に担持した微生物を上部難透水層に拡散させて前記上部難透水層およびこの上方の表層の汚染物質を処理するようにした土壌の浄化システム。
  2. 前記担体は独立気泡からなる多孔質状の発泡体で構成した請求項記載の土壌の浄化システム。
  3. 前記担体は連続気泡からなる多孔質状の発泡体で構成した請求項記載の土壌の浄化システム。
  4. 前記担体は活性炭で構成した請求項記載の土壌の浄化システム。
  5. 前記担体は生分解性プラスチックで構成した請求項記載の土壌の浄化システム。
  6. 前記縦井戸は導管で構成し、その導管は、少なくとも上部難透水層及び透水層と対応する部位を多孔質状とした請求項記載の土壌の浄化システム。
  7. 浄化部位は、汚染土壌水平面の中心付近に位置するように設定した請求項記載の土壌の浄化システム。
  8. 請求項記載の土壌の浄化システムによる浄化部位を基点として、地下水の流れ方向下流側に前記透水層まで達する監視管を配置し、前記監視管を介して前記透水層の水質を水質計測手段で計測することで土壌の浄化状態を監視するようにした土壌の浄化監視装置。
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