JP4560231B2 - アラーム情報収集方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
基幹エネルギの供給異常を各別に検出可能な複数の異常検出装置との間で、ネットワークを介して通信可能に構成され、且つ、前記異常検出装置において検出された供給異常に関するアラーム情報を収集可能に構成されたアラーム情報収集システム、及び、そのアラーム情報収集システムで実行されるアラーム情報収集方法に関する。
尚、基幹エネルギとは、顧客側の施設等に供給されるガス、電気、水等である。
【0002】
【従来の技術】
近年、公衆回線等を利用したネットワークによって、各顧客宅に設置されているガスメータに接続された通信端局と、ガス会社等の検針センタのサーバコンピュータとを結び、サーバコンピュータの遠隔操作で各顧客宅のガス(基幹エネルギの一例)の使用量を測定し、検針作業の効率化を図る自動検針システムが実現されている。また、この自動検針システムにおいては、サーバコンピュータの遠隔操作によって、顧客宅のガス使用状況、ガス圧力値等を測定して、ガスの供給異常を検出することも可能で、このような供給異常を検出した場合に、サーバコンピュータの遠隔操作によりガスメータの遮断弁の開閉操作をすることも可能である。
このような自動検針システムのネットワークは、ガスメータに通信端局を接続し、電柱や建物にその通信端局と特定小電力無線により通信可能な集中制御局を設置して、その集中制御局と検針センタのサーバコンピュータとを公衆回線等の通信回線で接続して構成される。
【0003】
自動検針システムのサーバコンピュータ側等において、上記のような顧客宅のメータ装置等に内蔵された異常検出装置から圧力低下等のガスの供給異常に関するアラーム情報を受けた場合に、ディスプレイに表示される地図上に、そのアラーム情報を発した異常検出装置の位置等を重畳して表示するアラーム情報表示機能を有するアラーム情報収集システムの構築が検討されている。
このようなアラーム情報表示機能は、例えば、通報者等から電話等により緊急通報を受けたオペレータ等が、サーバコンピュータにより、その通報者の位置周辺の地域等におけるすべての通信端局にアクセスして、全てのガスメータにおけるアラーム情報を取得し、そのアラーム情報をディスプレイ等の表示部に表示するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ガス漏れ等に関する緊急通報においては、早期にその状況を把握して、より迅速に復旧作業を行う必要があるのは言うまでもない。
しかし、上記のようなアラーム情報収集システムにおいては、サーバコンピュータが甚大な数の通信端局にアクセスして全ての異常検出装置におけるアラーム情報を取得するように構成されているので、全てのアラーム情報がディスプレイの地図上に表示されるまでに時間がかかり、全体の状況把握及び復旧作業のための出動に遅れが生じるおそれがある。
よって、本発明は、上記の事情に鑑みて、アラーム情報収集システムにおいて、迅速にアラーム情報の状況が把握できる技術を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
本発明に係るアラーム情報収集方法は、請求項1に記載したごとく、基幹エネルギの供給異常を各別に検出可能な複数の異常検出装置との間で、ネットワークを介して通信可能に構成され、且つ、前記異常検出装置において検出された供給異常に関するアラーム情報を収集可能に構成されたアラーム情報収集システムで実行されるアラーム情報収集方法であって、
前記アラーム情報の収集開始に関する収集指令信号を受付ける受付工程と、
前記複数の異常検出装置のうち、特定条件に基づいて選択された一部の異常検出装置を、通信対象に設定する設定工程と、
前記設定工程において前記通信対象に設定された前記異常検出装置における前記アラーム情報を、前記ネットワークを介して収集するアラーム情報収集工程と、
前記アラーム情報収集工程において収集された前記アラーム情報を表示部に表示する表示工程とを実行する構成からなり、
前記設定工程が、前記複数の異常検出装置のうち、第1の前記特定条件として、地理的に分散するように所定の間引き率で間引くことによって選択された前記異常検出装置を、前記通信対象に設定する工程であることを特徴とする。
【0006】
〔作用効果〕
本構成のアラーム情報収集方法によれば、検針センタに設けられたサーバコンピュータや、その他の上記ネットワークに接続されたサーバコンピュータ等で構成されるアラーム情報収集システムが、上記受付工程を行って、例えば通報者からの緊急通報等を電話等で受付けたオペレータ等が手動により入力した前記収集指令信号を受付け、又は、自動検針システムのサーバコンピュータ等により構成されたアラーム情報収集システムにおいて、ある異常検出装置から発せられたアラーム情報を受信したときに自動的に入力される収集指令信号を受付け、又は、所定の時間又は期間毎に自動的に入力される収集指令信号を受付ける。
そして、アラーム情報収集システムは、上記受付工程において収集指令信号を受付けた後、上記設定工程を行って、所定の地域における全ての異常検出装置のうち、予め設定されている前記特定条件に基づいて、一部の異常検出装置を抽出し、その抽出した異常検出装置を前記通信対象に設定する。
【0007】
次に、アラーム情報収集システムは、アラーム情報収集工程を行って、上記設定工程において通信対象に設定された一部の異常検出装置に、上記ネットワークを介してアクセスし、その異常検出装置のアラーム情報を収集し、次の上記表示工程において収集したアラーム情報をディスプレイ等に表示されている地図上に重畳して表示するのである。
従って、本構成のアラーム情報収集方法により、特定条件に基づいて抽出された一部の異常検出装置のアラーム情報を収集するので、すべての異常検出装置のアラーム情報を収集するよりも迅速にアラーム情報を収集してディスプレイの地図上等に表示することができ、アラーム情報収集システムのオペレータ等は、表示されたアラーム情報に基づいて、次の緊急出動の命令等の対応の決定を迅速に行うことができる。
【0009】
また、本構成のアラーム情報収集方法によれば、アラーム情報収集システムは、上記設定工程において、第1の特定条件としての予め設定された間引き率に基づいて、すべての異常検出装置から、一部の異常検出装置を地理的に分散するように間引いた異常検出装置を、上記通信対象として設定することができ、このように一部を分散させて間引いた異常検出装置のアラーム情報を収集してディスプレイの地図上等に重畳して表示することで、アラーム情報収集システムは、迅速且つ全体的に均等にアラーム情報を収集してディスプレイの地図上等に表示することができるうえに、アラーム情報収集システムのオペレータは、所定の地域において、全体的なアラーム情報の状況を迅速に把握することができる。
【0010】
〔構成2〕
本発明に係るアラーム情報収集方法は、請求項2に記載したごとく、上記構成1のアラーム情報収集方法の構成に加えて、前記設定工程が、前記複数の異常検出装置のうち、第2の前記特定条件としての所定のエリア内にある、又は前記基幹エネルギの所定の供給路線上にある前記異常検出装置を、前記通信対象として設定する工程であることを特徴とする。
【0011】
〔作用効果〕
本構成のアラーム情報収集方法によれば、上記受付工程において情報収集指令信号と共に、例えば緊急通報を通報してきた通報者の所在地や、最初にアラーム情報をアラーム情報収集システム側に発信した異常検出装置の所在値等を受付けて、上記設定工程において、全ての異常検出装置のうち、その所在値からの所定の距離範囲又はその所在値がある区画等の第2の特定条件としてのエリア内にある異常検出装置を、通信対象として設定することができ、このように特定のエリア内にある異常検出装置のアラーム情報のみを収集してディスプレイの地図上等に重畳して表示することで、アラーム情報収集システムのオペレータは、アラーム情報を発する異常検出装置が多いと考えられる特定のエリアの異常検出装置のアラーム情報の状況を迅速に把握することができる。
また、上記設定工程において、予め設定されている所定のガスの導管等の第2の特定条件としての供給路線上にある異常検出装置のみを通信対象に設定することができ、例えば、工事中のガスの導管や、最初にアラーム情報を発した異常検出装置と同一の導管上に設けられた複数の異常検出装置においては、ガスの供給異常を検知する可能性が高いので、上記設定工程において、その所定の導管等の供給路線上にある異常検出装置を通信対象として設定することができ、ディスプレイに迅速に表示される所定の供給路線上の異常検出装置のアラーム情報を的確に把握することができる。
【0012】
〔構成3〕
本発明に係るアラーム情報収集方法は、請求項3に記載したごとく、上記構成1又は2のアラーム情報収集方法の構成に加えて、前記複数の異常検出装置は、異常検出性能が高く設定された高設定異常検出装置と、前記高設定異常検出装置より異常検出性能が低く設定された低設定異常検出装置とから構成されており、前記複数の異常検出装置のうち、前記高設定異常検出装置が、前記低設定異常検出装置よりも早く、前記供給異常を検知して前記アラーム情報収集システムに前記アラーム情報を発するように構成され、
前記受付工程が、前記異常検出装置から発せられた前記アラーム情報を前記収集指令信号として受付ける工程であることを特徴とする。
【0013】
〔作用効果〕
すべての異常検出装置において、ガス等の基幹エネルギの供給異常を検出するに、その検出性能が同じである場合、近接する複数の異常検出装置が同時にアラーム情報を発することがある。
そこで、本構成のアラーム情報収集方法のごとく、例えば1000個の異常検出装置のうち1個の異常検出装置においては、その他の異常検出装置よりも上記の供給異常検出の検出性能を高く設定して、アラーム情報を他の異常検出装置よりも即座にセンタに発するように構成することで、アラーム情報収集システムは、受付工程において、その供給異常の検出性能を高く設定された異常検出装置から発せられるアラーム情報を収集指令信号として受付けることができ、即座に設定工程及びアラーム情報収集工程を行って、例えばすべての異常検出装置のうち、最初にアラーム情報を発した異常検出装置周辺のエリア内の異常検出装置、又はその異常検出装置の一部を間引いた異常検出装置、又はその異常検出装置と同一の供給路線上にある異常検出装置等のように、特定条件に基づいて設定された通信対象の異常検出装置におけるアラーム情報を収集して、表示工程において迅速にディスプレイの地図上等に表示することができる。
よって、アラーム情報収集システムのオペレータは、自動的且つ迅速に表示されるアラーム情報を把握して、迅速に緊急出動等の命令を発することができる。
【0014】
〔構成4〕
本発明に係るアラーム情報収集方法は、請求項4に記載したごとく、上記構成1から3の何れかのアラーム情報収集方法の構成に加えて、前記設定工程が、前記受付工程で受付けた収集指令信号の属性に基づいて前記特定条件を決定し、前記決定した特定条件に基づいて選択された一部の異常検出装置を、前記通信対象に設定する工程であることを特徴とする。
【0015】
〔作用効果〕
本構成のアラーム情報収集方法によれば、受付工程で受付ける収集指令信号として、通報者から電話通報によるもの、ある異常検出装置から発せられたアラーム情報によるもの、所定の時間又は期間毎に自動的に入力されるもの、又は情報提供者又は地震検知装置等からの地震情報によるものなどを利用し、その収集指令信号により、設定工程において一部の異常検出装置を選択するのに利用される特定条件を、例えば、予め設定されている数種類の特定条件から、その収集指令信号の属性に対して適切なものに決定することができる。即ち、例えば収集指令信号がある異常検出装置から発せられたアラーム情報である場合には、設定工程において、そのアラームを発した異常検出装置が設けられているガスの導管を特定条件として決定して、その導管上にある異常検出装置のみを通信対象に設定することができ、又、収集指令信号が地震情報によるものである場合には、設定工程において、その地震が発生したエリアを特定条件として決定して、そのエリア内にある異常検出装置を通信対象に設定することができ、夫々の状況に合わせて適切にアラーム情報を収集することができる。
【0016】
〔構成5〕
本発明に係るアラーム情報収集方法は、請求項5に記載したごとく、基幹エネルギの供給異常を各別に検出可能な複数の異常検出装置との間で、ネットワークを介して通信可能に構成され、且つ、前記異常検出装置において検出された供給異常に関するアラーム情報を収集可能に構成されたアラーム情報収集システムで実行されるアラーム情報収集方法であって、
前記アラーム情報の収集開始に関する収集指令信号を受付ける受付工程と、
前記複数の異常検出装置のうち、特定条件に基づいて選択された一部の異常検出装置を、通信対象に設定する設定工程と、
前記設定工程において前記通信対象に設定された前記異常検出装置における前記アラーム情報を、前記ネットワークを介して収集するアラーム情報収集工程と、
前記アラーム情報収集工程において収集された前記アラーム情報を表示部に表示する表示工程とを実行すると共に、
予め設定された前記供給異常の原因に関連する工事情報を、前記表示部に表示する工事情報表示工程を実行する構成で、
前記設定工程が、前記複数の異常検出装置のうち、第1の前記特定条件として、地理的に分散するように所定の間引き率で間引くことによって選択された前記異常検出装置を、前記通信対象に設定する工程であることを特徴とする。
【0017】
〔作用効果〕
本構成のアラーム情報収集方法によれば、検針センタに設けられたサーバコンピュータや、その他の上記ネットワークに接続されたサーバコンピュータ等で構成されるアラーム情報収集システムが、上記受付工程を行って、例えば通報者からの緊急通報等を電話等で受付けたオペレータ等が手動により入力した前記収集指令信号を受付け、又は、自動検針システムのサーバコンピュータ等により構成されたアラーム情報収集システムにおいて、ある異常検出装置から発せられたアラーム情報を受信したときに自動的に入力される収集指令信号を受付け、又は、所定の時間又は期間毎に自動的に入力される収集指令信号を受付ける。
そして、アラーム情報収集システムは、上記受付工程において収集指令信号を受付けた後、アラーム情報収集工程を行って、一部又は全部の異常検出装置に、上記ネットワークを介してアクセスし、その異常検出装置のアラーム情報を収集し、次の上記表示工程において収集したアラーム情報をディスプレイ等に表示されている地図上に重畳して表示するのである。
さらに、このようにアラーム情報を表示部に表示するアラーム情報収集システムは、工事情報表示工程を行い、予め認識している基幹エネルギとしてのガス等の供給路線上における工事情報等を表示部のアラーム情報が表示されている地図上等に表示することができ、アラーム情報収集システムのオペレータ等は、表示部に表示されたアラーム情報の原因を、表示部に表示された工事情報から推定することができ、次にアラーム情報の収集対象とする異常検出装置の設定や、緊急出動の命令等の対応の決定を迅速に行うことができる
【0018】
〔構成6〕
本発明に係るコンピュータプログラムは、請求項6に記載したごとく、上記構成1から5の何れかのアラーム情報収集方法に含まれる前記各工程を前記アラーム情報収集システムにおいて実行する場合に、前記アラーム情報収集システムを構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されることを特徴とする。
【0019】
〔作用効果〕
本構成のコンピュータプログラムによれば、アラーム情報収集システムを構成するコンピュータが読み取り可能な記憶装置上に、当該プログラムを書き込み、
当該プログラムの各工程に関するプログラムステップを読み出し実行することで、アラーム情報収集システムが上記構成1から5の何れかのアラーム情報収集方法の各工程を実行することができ、上記した各構成の作用効果が奏されることになる。
【0020】
〔構成7〕
本発明に係るプログラム記憶媒体は、請求項7に記載したごとく、上記構成1から5の何れかのアラーム情報収集方法に含まれる前記各工程を前記アラーム情報収集システムにおいて実行する場合に、前記アラーム情報収集システムを構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されるコンピュータプログラムを記録した、前記コンピュータが読み取り可能なプログラム記憶媒体であることを特徴とする。
【0021】
〔作用効果〕
本構成のプログラム記憶媒体によれば、アラーム情報収集システムを構成するコンピュータが、上記構成1から5の何れかのアラーム情報収集方法の各工程に関するプログラムステップを書く記憶媒体から読み出し実行することで、アラーム情報収集システムが当該アラーム情報収集方法の各工程を実行することができ、上記した各構成の作用効果が奏されることになる。
【0022】
〔構成8〕
本発明に係るアラーム情報収集システムは、請求項8に記載したごとく、基幹エネルギの供給異常を各別に検出可能な複数の異常検出装置との間で、ネットワークを介して通信可能に構成されたアラーム情報収集システムであって、
請求項1から5の何れか1項に記載のアラーム情報収集方法に含まれる前記各工程を実行可能な各手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
〔作用効果〕
本構成のアラーム情報収集システムによれば、上記構成1から5の何れかのアラーム情報収集方法を実行することができる。前記アラーム情報収集方法を実行することで、同様の作用効果を奏することができる。即ち、アラーム情報収集システムは、上記受付手段により前記収集指令信号を受付ける上記受付工程を行い、上記設定手段及びアラーム情報収集手段により、上記設定工程及びアラーム情報収集工程を行う。
そして、アラーム情報収集システムには、表示手段が設けられており、上記アラーム収集手段により収集されたアラーム情報を、例えばディスプレイの地図上に重畳して表示することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係るアラーム情報収集方法(以下、適宜「本発明方法」という。)の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明のアラーム情報収集システム10は、複数の顧客に供給されるガス(基幹エネルギの一例)の供給量を測定するガスメータ1(異常検出装置の一例)に設けられた通信端局2との間で、公衆回線等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。また、このようなネットワーク5は、本来、検針センタが、ガスメータ1の指針値に関する検針データを収集して自動検針を行うためのものである。
さらに、ガスメータ1は、所謂マイコンメータとして構成されており、ガスの供給量の測定の他に、ガスの圧力低下やガスの漏洩等の供給異常を各別に検出可能に構成され、その供給異常に関するアラーム情報をネットワーク5を介してアラーム情報収集システム10側に送信可能である。
【0026】
また、アラーム情報収集システム10は、サーバコンピュータ20、アラーム情報データベース(DB)31、顧客情報データベース(DB)32、地図サーバ40、導管図サーバ45、表示端末50等が備えられている。
サーバコンピュータ20には、情報処理を行うCPUと、CPUを動作させるプログラム等を記憶しているROM22とワークエリアとしてのRAM23とが設けられ、さらに、上記ガスメータ1の端局2とネットワークを介して通信可能な通信部21と、上記の各データベースやサーバ等に情報を出力する出力部24とが設けられている。
【0027】
顧客情報DB32には、各ガスメータ1が設けられている顧客に予め付与されているID番号、住所、後述の地図上の座標、ガスメータ1が設けられている後述の導管番号等の顧客情報が格納されている。
アラーム情報DB31には、各ガスメータ1から発せられてサーバコンピュータ20の通信部21で受信した、ガスメータ1が設けられている顧客のID番号やアラーム種別等のアラーム情報及びそのアラーム情報の受信時刻等が格納される。アラーム種別としては、圧力上昇遮断、圧力低下遮断、遮断弁異常遮断、漏洩警報、電池電圧低下警報等が予め想定されている。
【0028】
地図サーバ40は、地図データベース(DB)41に接続されている。地図DB41には、アラーム情報収集システム10における管轄範囲内の地区の地図情報が格納されている。地図サーバ40は、サーバコンピュータ20の指示に基づいて、所定の地区の地図を表示端末50に接続されているディスプレイ52に表示することができる。
導管図サーバ45は、導管情報データベース(DB)46に接続されている。導管情報DB46には、上記の管轄地区におけるガスの導管の地図情報や、夫々の導管に付与されている導管番号等の導管に関する情報が格納されている。導管図サーバ45は、サーバコンピュータ20から出力される導管番号を受けて、導管情報サーバ46からその導管番号の地図情報を検索し、その導管の地図を、表示端末50のディスプレイ52に表示されている地図上に重畳して表示することができる。
【0029】
このように構成されたアラーム情報収集システム10において実行される本発明方法では、ネットワーク5に接続された複数のガスメータ1の通信端局2との間で、ガスメータ1が発するアラーム情報に関する通信を含むコンピュータ・ソフトウェア処理によって実行される。具体的には、後述する本発明方法の各工程の処置を実行するためのプログラムを、磁気又は光記憶装置等の記憶媒体に格納しておき、その記憶媒体に格納されたプログラムをアラーム情報収集システム10を構成するサーバコンピュータ20のROM22にロードした上で、サーバコンピュータ20がそのプログラムを実行することで、本発明方法が実現され、このようなプログラム及びそのプログラムを実行するCPU等が本発明のアラーム情報収集システム10における後述する各手段を構成する。ここで、上記記憶媒体は、固定型の記憶媒体であっても、可搬型の記憶媒体であってもよい。また、上記ROM22も、上記プログラムがロードされれば、上記プログラムを記憶した記憶媒体となる。
【0030】
以下、本発明方法の各工程について、以下に説明する。
本発明に係るアラーム情報収集システム10において、サーバコンピュータ20には、オペレータにより手動で又は、その他の手段により自動で入力された収集指令信号を受付ける受付手段25と、受付手段25により入力された収集指令信号に従って、複数のガスメータ1のうち、特定条件に基づいて選択された一部のガスメータ1を、ネットワーク5による通信対象に設定する設定手段26と、設定手段26により設定された通信対象のガスメータ1におけるアラーム情報を、ネットワークを介して収集し、収集したアラーム情報をアラーム情報DB31に格納するアラーム情報収集手段30とが設けられている。さらに、表示端末50には、アラーム情報収集手段30により収集されアラーム情報DB31に格納されたアラーム情報を、ディスプレイ52に表示されている地図上に重畳して表示する表示手段51が設けられている。
【0031】
そして、本発明方法において、まず、アラーム情報収集システム10のサーバコンピュータ20は、図2に示すように受付工程を実行する。受付工程においては、受付手段25により、例えば通報者からの緊急通報等を電話等で受付けたアラーム情報収集システム10のオペレータが手動により入力し、又は、あるガスメータ1から発せられたアラーム情報をネットワーク5を介して通信部21で受信した後に、自動的に入力された収集指令信号を受付ける。
【0032】
また、上記の受付手段25における収集指令信号の受付を自動的に行う場合は、アラーム情報収集システム10の管轄内の全てのガスメータ1のうち、例えばID番号の下3桁が「000」であるもの等の一部のガスメータ1において、ガスの異常検知性能を、その他のガスメータ1よりも高く設定して、そのガスメータ1がアラーム情報を他のガスメータ1よりも即座にアラーム情報収集システム10の通信部21に発するように構成することができ、サーバコンピュータ20の受付手段25は、上記のように他よりも早くアラーム情報を発するガスメータ1からのアラーム情報を受信することで収集指令信号を自動的に受付けるように構成することができ、その他のガスメータ1におけるアラーム情報収集等を迅速に開始することができる。
【0033】
次に、上記の受付工程において収集指令信号を受付けた後に又は前に、サーバコンピュータ20は、設定手段26を働かせて設定工程を実行する。設定工程においては、設定手段26により、アラーム情報収集システム10の管轄内のすべてのガスメータ1のうち、後述する予め設定された特定条件に基づいて、一部のガスメータ1を抽出し、その抽出したガスメータ1を通信対象に設定する。
【0034】
設定手段26としては、間引き率設定手段27及びエリア設定手段28及び導管設定手段29とがある。
間引き率設定手段27は、管轄内のすべてのガスメータ1、又は後述するその他の設定手段28,29により通信対象に設定されたガスメータ1の内、第1の特定条件として、地理的に分散するように所定の間引き率で間引くことによって選択されたガスメータ1を、通信対象に設定するように構成されている。
このような第1の特定条件としての間引き率は、図3のディスプレイ52の表示イメージ図に示すように、表示端末50におけるマウス操作等により、画面下に表示されている「通信端局選択」の枠内のa部にあるドロップダウンフィールドと「間引き」ボタンを操作することで設定可能となっている。即ち、上記ドロップダウンフィールドに間引き率を入力し、「間引き」ボタンを押すことで、間引き率は入力された値に設定される。
また、このように入力された間引き率に基づいて、地理的に分散するようにガスメータ1を選択するには、夫々のガスメータ1及び顧客に各別に付与されたID番号が利用される。即ち、例えば間引き率を10%に設定した場合、ID番号の下3桁が、001から010までのガスメータ1、又はID番号の下1桁が0等のガスメータ1、又はID番号の下3桁において10置きに選択された数のガスメータ1等を選択することで、この間引かれたガスメータ1は、管轄内のすべてのガスメータ1、又は後述するその他の設定手段28,29により通信対象に設定されたガスメータ1において、全体的に且つ均等に間引かれたものとなる。
【0035】
エリア設定手段28は、アラーム情報収集システム10の管轄内の全てのガスメータ1のうち、予め設定された第2の特定条件としてのエリア内にある一部のガスメータ1を、前記通信対象として設定するように構成されている。
このような第2の特定条件としてのエリアは、図3のディスプレイ52の表示イメージ図に示すように、表示端末50におけるマウス操作等により、画面下に表示されている「通信端局選択」の枠内のb部にある「エリア」及び「終了」及び「解除」ボタンを操作することで設定可能となっている。即ち、「エリア」ボタンを押した状態で、表示されている地図上のエリアをマウスのドラッグ操作により選択し、「終了」ボタンを押して、選択されたエリアを上記の第2の特定条件として設定することができ、第2の特定条件として設定されたエリアは、ディスプレイ52に表示されている地図上の重畳して表示される。またこのエリア設定を解除するときは、「解除」ボタンをおすことで可能である。
【0036】
導管設定手段29は、アラーム情報収集システム10の管轄内の全てのガスメータ1のうち、予め設定された第2の特定条件としての所定の導管(供給路線の一例)上にある一部のガスメータ1を、通信対象として設定するように構成されている。
このような第2の特定条件として導管は、図4のディスプレイ52の表示イメージ図に示すように、表示端末50におけるマウス操作等により、画面下に表示されている「通信端局選択」の枠内のc部にある「特定路線登録」及び「路線リスト表示」ボタンを操作することで設定可能となっている。即ち、「路線リスト表示」ボタンを押すと、導管情報DB46に格納された、導管の地図情報や、夫々の導管に付与されている導管番号等の導管に関する情報の路線リストが表示され、そのリストから任意の導管を選択し、「特定路線登録」ボタンを押すことで、その選択した導管を、上記の第2の特定条件として設定することができ、第2の特定条件として設定された導管は、ディスプレイ52に表示されている地図上の重畳して表示される。
【0037】
これらの設定手段26により、通信対象として設定するガスメータ1を縮小することで、全てのガスメータ1を通信対象としたときよりも、後述するアラーム情報収集における通信時間を短くすることができる。また、上記の夫々の設定手段28,29,30は併用して働かせることができる。
【0038】
そして、サーバコンピュータ20は、アラーム情報収集手段30を働かせて上記の設定手段26により設定された通信対象のガスメータ1におけるアラーム情報をネットワーク5を介して収集するアラーム情報収集工程を実行する。即ち、アラーム情報収集手段30は、通信部21から、ネットワーク5を介して、前記通信対象のガスメータ1にアラーム情報の送信指令信号を送信し、この送信指令信号を受信した通信対象のガスメータ1は、顧客のID番号と共にそのガスメータ1における圧力上昇遮断、圧力低下遮断、遮断弁異常遮断、漏洩警報、電池電圧低下警報等のアラーム情報を、サーバコンピュータ20の通信部21に送信する。
【0039】
そして、アラーム情報収集手段30は、通信部21において受信したアラーム情報をアラーム情報DB31に格納し、アラーム情報収集システム10において、表示工程を実行して、表示端末50の表示手段51により、図3及び図4のディスプレイ52の表示イメージ図に示すように、このアラーム情報(図には、圧力低下に関するアラーム情報が表示されている。)がディスプレイ52の地図上に重畳して表示されるのである。
また、上記のアラーム情報収集手段30は、図3及び図4のディスプレイ52の表示イメージ図に示すように、表示端末50におけるマウス操作等により、画面右下に表示されている「取得アラーム情報」の枠内の「アラーム確認」及び「圧力低下」ボタンを操作することで働かせることができる。
また、例えば、通信対象に設定されたガスメータ1の圧力値等の測定を自動的且つ定期的に行いたい場合は、「取得アラーム情報」の枠内の「定期圧力測定」ボタンを操作して、その測定間隔等を設定することで、自動的に定期的な圧力測定を実行させることができる。
【0040】
さらに、本アラーム情報収集システム10の表示端末50は、ガスメータ1における供給異常検知によるアラーム情報発信の原因となり得るガスの導管上における工事情報等を、前述のようにアラーム情報が表示されるディスプレイ52の地図上に重畳して表示する工事情報表示工程を行うように構成されている。即ち、表示端末50は、工事情報表示工程を行って、予めオペレータ等により登録された、現時点で導管等の工事が行われている対象又はその付近の導管を、ディスプレイ52の地図上において識別表示しており、オペレータ等は、ディスプレイ52にアラーム情報が表示された場合に、そのアラーム情報と工事情報を比較して、アラームの原因を即座に推定し、次のアラーム情報収集の対象とする通信対象のメータ装置の設定や、緊急出動の命令等の対応の決定を迅速に行うことができる。
【0041】
また、上記のようなアラーム情報収集システム10において、サーバコンピュータ20の通信部21にあるガスメータ1からアラーム情報が送信されてきたときに、エリア設定手段28において通信対象のガスメータ1を設定するための第2の特定条件としてのエリアを例えばそのアラーム情報を発信したガスメータ1の所在地から半径500m(任意)以内のエリア等に自動的に設定し、又は導管設定手段29において通信対象のガスメータ1を設定するための第2の特定条件としての導管を例えばそのアラーム情報を発信したガスメータ1が存在する導管等に設定して、本発明方法を自動的に実行させるように構成することができる。
【0042】
また、これまでは、本発明のアラーム情報収集システムを既存の自動検針システムとは別に構成した例を説明したが、当然ネットワームを介してガスメータの自動検針を行う自動検針システムを構成するサーバコンピュータ側に、本発明のアラーム情報収集システムを構成しても構わない。
【0043】
また、これまではガスメータ1を本願における異常検出装置としたが、ガス、電気、水等の基幹エネルギの供給異常を検出するための異常検出装置としては、例えば、ガスメータ1に内蔵された又は別に設けられたガス圧力計測装置や、電力線上に設けられた電圧計測装置や、水道管に設けられた水圧計測装置等がある。
【0044】
上記実施の形態においては、受付手段25において、他よりも早くアラーム情報を発するガスメータ1からのアラーム情報を受信することで収集指令信号を自動的に受付けたが、別に、通報者からの緊急通報等を電話等で受付けたオペレータ等が手動により入力した収集指令信号を受付ける、又は、所定の時間又は期間毎に自動的に入力される収集指令信号を受付ける、又は、インターネット上の情報提供サイト又は地震検知装置等からの地震情報を受信することで収集指令信号を自動的に受付けることもできる。
また、このように、数種の属性の収集指令信号を受付ける場合には、設定手段26において、その収集指令信号の属性に基づいて、上記特定条件を、所定のエリア又は所定の導管とするか等を決定し、このように決定した特定条件に基づいて選択されたガスメータ1を通信対象に設定することもできる。即ち、例えば受付手段25により受付けた収集指令信号が、あるガスメータ1から発せられたアラーム情報である場合には、設定手段26において、そのアラームを発したガスメータ1が設けられているガスの導管を特定条件として決定して、その導管上にある異常検出装置のみを通信対象に設定する。一方、受付手段25により受付けた収集指令信号が地震情報によるものである場合には、設定手段26において、その地震が発生したエリアを特定条件として決定して、そのエリア内にあるガスメータ1を通信対象に設定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アラーム情報収集システムの概略構成図
【図2】本発明に係るアラーム情報収集方法のフロー図
【図3】ディスプレイの表示イメージ図
【図4】ディスプレイの表示イメージ図
【符号の説明】
1 ガスメータ(異常検出装置)
2 通信端局
5 ネットワーク
10 アラーム情報収集システム
20 サーバコンピュータ
21 通信部
22 ROM
24 出力部
25 受付手段
26 設定手段
30 アラーム情報収集手段
51 表示手段
Claims (8)
- 基幹エネルギの供給異常を各別に検出可能な複数の異常検出装置との間で、ネットワークを介して通信可能に構成され、且つ、前記異常検出装置において検出された供給異常に関するアラーム情報を収集可能に構成されたアラーム情報収集システムで実行されるアラーム情報収集方法であって、
前記アラーム情報の収集開始に関する収集指令信号を受付ける受付工程と、
前記複数の異常検出装置のうち、特定条件に基づいて選択された一部の異常検出装置を、通信対象に設定する設定工程と、
前記設定工程において前記通信対象に設定された前記異常検出装置における前記アラーム情報を、前記ネットワークを介して収集するアラーム情報収集工程と、
前記アラーム情報収集工程において収集された前記アラーム情報を表示部に表示する表示工程とを実行する構成からなり、
前記設定工程が、前記複数の異常検出装置のうち、第1の前記特定条件として、地理的に分散するように所定の間引き率で間引くことによって選択された前記異常検出装置を、前記通信対象に設定する工程であるアラーム情報収集方法。 - 前記設定工程が、前記複数の異常検出装置のうち、第2の前記特定条件としての所定のエリア内にある、又は前記基幹エネルギの所定の供給路線上にある前記異常検出装置を、前記通信対象として設定する工程である請求項1に記載のアラーム情報収集方法。
- 前記複数の異常検出装置は、異常検出性能が高く設定された高設定異常検出装置と、前記高設定異常検出装置より異常検出性能が低く設定された低設定異常検出装置とから構成されており、前記複数の異常検出装置のうち、前記高設定異常検出装置が、前記低設定異常検出装置よりも早く、前記供給異常を検知して前記アラーム情報収集システムに前記アラーム情報を発するように構成され、
前記受付工程が、前記異常検出装置から発せられた前記アラーム情報を前記収集指令信号として受付ける工程である請求項1又は2に記載のアラーム情報収集方法。 - 前記設定工程が、前記受付工程で受付けた収集指令信号の属性に基づいて前記特定条件を決定し、前記決定した特定条件に基づいて選択された一部の異常検出装置を、前記通信対象に設定する工程である請求項1から3の何れか1項に記載のアラーム情報収集方法。
- 基幹エネルギの供給異常を各別に検出可能な複数の異常検出装置との間で、ネットワークを介して通信可能に構成され、且つ、前記異常検出装置において検出
された供給異常に関するアラーム情報を収集可能に構成されたアラーム情報収集システムで実行されるアラーム情報収集方法であって、
前記アラーム情報の収集開始に関する収集指令信号を受付ける受付工程と、
前記複数の異常検出装置のうち、特定条件に基づいて選択された一部の異常検出装置を、通信対象に設定する設定工程と、
前記設定工程において前記通信対象に設定された前記異常検出装置における前記アラーム情報を、前記ネットワークを介して収集するアラーム情報収集工程と、
前記アラーム情報収集工程において収集された前記アラーム情報を表示部に表示する表示工程とを実行すると共に、
予め設定された前記供給異常の原因に関連する工事情報を、前記表示部に表示する工事情報表示工程を実行する構成で、
前記設定工程が、前記複数の異常検出装置のうち、第1の前記特定条件として、地理的に分散するように所定の間引き率で間引くことによって選択された前記異常検出装置を、前記通信対象に設定する工程であるアラーム情報収集方法。 - 請求項1から5の何れか1項に記載のアラーム情報収集方法に含まれる前記各工程を前記アラーム情報収集システムにおいて実行する場合に、前記アラーム情報収集システムを構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されるコンピュータプログラム。
- 請求項1から5の何れか1項に記載のアラーム情報収集方法に含まれる前記各工程を前記アラーム情報収集システムにおいて実行する場合に、前記アラーム情報収集システムを構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されるコンピュータプログラムを記録した、前記コンピュータが読み取り可能なプログラム記憶媒体。
- 基幹エネルギの供給異常を各別に検出可能な複数の異常検出装置との間で、ネットワークを介して通信可能に構成されたアラーム情報収集システムであって、
請求項1から5の何れか1項に記載のアラーム情報収集方法に含まれる前記各工程を実行可能な各手段を備えたアラーム情報収集システム。
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