JP4555984B2 - 金属回収装置及び金属回収方法 - Google Patents

金属回収装置及び金属回収方法 Download PDF

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Description

本発明は,金属を含有する溶液から金属を回収する装置及び方法に関するものである。
例えば電子部品等に金めっき加工を施す際,金(Au)を含有するめっき液を使用しためっき浴が行われている。めっき液を廃液する際には,めっき液中に残留している金を回収する処理が行なわれている。
従来,金属が含有されている溶液から金属を回収する方法として,陽極と陰極とを設けた電解槽に溶液を貯留して電気分解し,金属を陰極に電着させる方法が知られている。かかる電気分解を行う装置として,電解槽中の陰極に円板を形成し,陰極を回転させるものが提案されている(例えば,特許文献1参照。)。
特開平10−18074号公報
しかしながら,従来の装置にあっては,金属の回収効率に限界があり,回収効率を向上させるためには,通電量を増加させるか,陰極の円板を大型化して表面積を増加させる必要があった。通電量を増加させる場合,電源装置の増設や通電コストの増加を招く懸念があった。また,陰極を大型化させると,装置全体が大型化する問題があった。
本発明の目的は,装置の大型化や通電コストの増加を招くことなく,金属の回収効率を向上させることができる金属回収装置及び金属回収方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明によれば,溶液から金属を回収する金属回収装置であって,溶液を入れる容器を備え,前記容器内に陽極と陰極を備え,前記陽極と陰極のいずれか一方を,略鉛直方向に向けた回転中心軸を中心として回転させる回転駆動機構を備え,前記回転駆動機構によって回転させられる陽極又は陰極は,前記回転中心軸に対して略垂直に配置された板を備え,前記板の上面又は下面に攪拌羽根を設け,前記陽極と陰極は、前記回転中心軸の軸方向に対向して平行に配置され,前記陽極又は陰極のうち少なくとも攪拌羽根が設けられていない方は、編み目又は穴を有することにより前記溶液が通過可能であることを特徴とする,金属回収装置が提供される。ここで,溶液とは,例えばめっき廃液などの金属溶解液である。
この金属回収装置にあっては,前記攪拌羽根は,板状に形成され,回転中心軸に対して略平行に,前記回転中心軸から間隔を空けて,かつ,半径方向に沿って設けられていることが好ましい。前記陰極の材質はチタンであることが好ましい。
また,本発明によれば,溶液から金属を回収する方法であって,陽極と陰極を内側に備えた容器に溶液を入れ,前記陽極又は陰極を,略鉛直方向に向けた回転中心軸を中心として回転させ,前記回転させる陽極又は陰極は,前記回転中心軸に対して略垂直に配置された板を備え,攪拌羽根が前記板の上面又は下面に取り付けられ,前記陽極と陰極は、前記回転中心軸の軸方向に対向して平行に配置され,前記陽極又は陰極のうち少なくとも攪拌羽根を設けない方は、編み目又は穴を有することにより前記溶液が通過可能であり,前記攪拌羽根によって溶液を攪拌しながら,前記陽極と陰極に通電させることを特徴とする,金属回収方法が提供される。
この金属回収方法にあっては,前記攪拌羽根は,板状に形成され,回転中心軸に対して略平行に,前記回転中心軸から間隔を空けて,かつ,半径方向に沿って設けられていることとしても良い。なお,前記陰極の材質はチタンであることが好ましい。
本発明によれば,回転させる陰極又は陽極に攪拌羽根を設けたことにより,電解槽内の溶液が効率的に攪拌されるので,電解効率を向上させることができる。電極上での電着する金属の厚さの均一性が良好になる。装置の大型化や通電コストの増加を招くことなく,金属の回収効率を向上させることができる。
以下,本発明の好ましい実施の形態を,金めっきに使用されるシアン系のめっき液の廃液から金を回収する処理を行う金属回収装置に基づいて説明する。図1に示すように,本実施の形態にかかる金属回収装置1は,めっき液の廃液である溶液2を貯留して電気分解する電解槽3を備えている。電解槽3は,容器としての槽本体5を備え,槽本体5の内側には,陰極6と2つの陽極7,8とが配置されており,溶液2中の金の陽イオンを陰極6の表面に電着させる構成となっている。電解槽3の上方には,陰極6を略鉛直方向に向けた回転中心軸Aを中心として回転させる回転駆動機構10と,電解槽3において発生した蒸気等を回収するガス回収部11とが備えられている。陰極6と陽極7,8に通電させる電気は,直流の電源12によって供給される。
槽本体5は,耐薬品性と耐熱性を有する材質によって形成されている。槽本体5の側壁5aは,円筒状に形成されていることが好ましく,また,槽本体5の底面5bは,平面状に形成されていることが好ましい。この場合,溶液2の液流が円滑に形成され,また,液流が周方向において均等に形成される。
陰極6は,軸部21と,板としての円板22と,槽本体5内の溶液2を攪拌する12個の攪拌羽根23とによって構成されている。また,陰極6は,耐薬品性,耐熱性,不溶性,導電性を有する材質によって形成されている。陰極6の材質としては,例えばチタン(Ti)を使用することが好ましい。この場合,陰極6に電着した金を回収する際,王水を用いて陰極6を腐食させずに金を溶解させて回収することができる。このようにすると,金を剥ぎ取り用の刃物等を用いて陰極6から機械的に剥離させる方法よりも,金を効率的に回収することができる。
軸部21は,断面略円形をなす棒状に形成され,側壁5aの内側の空間の中心部に配置されている。軸部21の上端部は電解槽3の上方に突出しており,回転駆動機構10に接続されている。回転駆動機構10を駆動させると,軸部21の中心に位置する回転中心軸Aを中心として,軸部21が回転するようになっている。軸部21の上端部には,電源12の負極に接続された配線25が接続されている。
円板22は,軸部21の下端に取り付けられている。また,円板22の中心が軸部21の回転中心軸A上に配置されるように,かつ,円板22が軸部21の回転中心軸Aに対して略垂直な姿勢になるように備えられており,槽本体5内を上下に仕切るように配置されている。円板22と槽本体5の底面5bとは略平行になっている。円板22の外周縁と槽本体5の側壁5aとの間には環状に隙間が形成されており,溶液2が上下に通過できるようになっている。なお,円板22の表面には鋭角な箇所が無いので,電流密度が局所的に高くなるおそれがなく,溶液2中の金を円板22の表面に均等に電着させ易い効果がある。
攪拌羽根23は,円板22の上面周縁部と下面周縁部にそれぞれ6個ずつ取り付けられている。各攪拌羽根23は,長方形の平板状に形成されており,円板22の上面又は下面に対して略垂直に,即ち,軸部21の回転中心軸Aに対して略平行になるように設けられている。また,図2に示すように,各攪拌羽根23は,半径方向に沿って,即ち,回転中心軸A側から外周側に向かって延びるように配置されている。円板22の上面及び下面において,6個の攪拌羽根23は,円板22の中心部を囲むように放射状に配置されており,隣り合う攪拌羽根23同士の間の間隔がほぼ同じになるように配置されている。また,円板22の上面に形成された攪拌羽根23と下面に形成された攪拌羽根23とは,円板22を挟んで対称な位置にそれぞれ配置されている。なお,円板22の上面及び下面において,円板22の中心部と攪拌羽根23との間は,適当な間隔を空けて離隔させることが好ましい。この場合,陰極6を回転させたときに,6個の攪拌羽根23に囲まれた中心側の空間に溶液2が流れ込み易く,各攪拌羽根23の回転によって溶液2が中心側から外周側に効率良く放出されるので,溶液2を効率良く攪拌することができる。
図1に示すように,回転駆動機構10を駆動させると,回転中心軸Aを中心として軸部21が回転し,軸部21と一体的に円板22,攪拌羽根23が回転する。即ち,溶液2が各攪拌羽根23の回転によって攪拌される。円板22の上方において,各攪拌羽根23は,軸部21の周りを回転するように移動する。これにより,円板22の上方には,軸部21側から各攪拌羽根23同士の間を流れて外周側に向かって放出される液流F1が形成される。また,軸部21の周囲には,内側において陰極6の回転方向に回転しながら円板22に向かって下降し外側において陰極6の回転方向に回転しながら上昇する渦状の液流F2が形成される。また,円板22の下方において,各攪拌羽根23は,円板22の中心部の周りを回転するように移動する。これにより,円板22の下方には,円板22の中心側から各攪拌羽根23同士の間を流れて外周側に向かって放出される液流F3が形成される。また,円板22の中心側において陰極6の回転方向に回転しながら円板22に向かって上昇し外側において陰極6の回転方向に回転しながら下降する渦状の液流F4が形成される。
このようにして,槽本体5内の溶液2が攪拌羽根23によって効率的に攪拌されるので,溶液2の流れを速くすることができ,また,槽本体5内の溶液2に含まれる金の濃度の均一性が良好になる。即ち,攪拌羽根23により,陰極6付近の溶液2に攪拌流のような急激な流れを発生させ,溶液2に含まれる金属イオンの動き(挙動)を活性化させる作用を有する。また,軸部21,円板22,攪拌羽根23の各表面に沿って溶液2が円滑に流れるので,軸部21,円板22,攪拌羽根23の各表面に,金がむらなく均等に電着する。従って,電解効率を向上させることができる。特に,槽本体5の側壁5aが円筒状に形成されていることにより,液流が周方向において均等に形成されるので,溶液2中の周方向における金の濃度の均一性,及び,陰極6に電着する金の厚さの周方向における均一性がより良好になる。
さらに,回転駆動機構10の駆動を制御することにより,陰極6の回転数を変化させることができるようになっている。この場合,陰極6の回転数に応じて金の電着速度を制御することが可能である。
陽極7は,略円形に形成された陽極本体31と,陽極本体31を支持する支持部32によって構成されている。また,陽極7は,耐薬品性,耐熱性,不溶性,導電性を有する材質によって形成されている。陽極7の材質としては,例えばチタン(Ti)の表面を白金(Pt)によってめっきしたものを使用することが好ましい。
陽極本体31は,円板22及び攪拌羽根23の上方に配置されており,円板22と平行に,また,円板22の上面と対向するように備えられている。このように,円板22と対向するように陽極本体31を配置すると,通電が広い領域で行われ,電解を効率良く行うことができる。従って,通電量を抑え,通電コストを低減することができる。陽極本体31は,周縁部を支持部32の下端によって支持されている。
図3に示すように,陽極本体31は,多数の編み目35を有する網状(メタルラス状)に形成されている。槽本体5内の液流は,これらの編み目35を通過して上下に円滑に流れるようになっている。陽極本体31の中心部には,陰極6の軸部21を内側に配置するための孔36が形成されている。軸部21は,孔36を上下に貫通するようにして配置される。
図1に示すように,支持部32は,陽極本体31の周縁部から上方に延びるように形成され,槽本体5の側壁5aに沿って配置され,槽本体5の上方に突出するように備えられている。槽本体5の上方において,支持部32の上端部には,電源12の正極に接続された配線38が接続されている。
陽極8は,略円形に形成された陽極本体41と,陽極本体41を支持する支持部42によって構成されている。また,陽極8は,耐薬品性,耐熱性,不溶性,導電性を有する材質によって形成されている。陽極8の材質としては,例えばチタン(Ti)の表面を白金(Pt)によってめっきしたものを使用することが好ましい。
陽極本体41は,円板22及び攪拌羽根23の下方に配置されており,円板22と平行に,また,円板22の下面と対向するように備えられている。このように,円板22と対向するように陽極本体41を配置すると,通電が広い領域で行われ,電解を効率良く行うことができる。従って,通電量を抑え,通電コストを低減することができる。陽極本体41は,周縁部を支持部42の下端によって支持されている。
図4に示すように,陽極本体41は,多数の編み目45を有する網状(メタルラス状)に形成されている。槽本体5内の液流は,これらの編み目45を通過して上下に円滑に流れるようになっている。
図1に示すように,支持部42は,陽極本体41の周縁部から上方に延びるように形成されており,槽本体5の側壁5aに沿って配置され,円板22の外周縁と側壁5aとの間を通過して,槽本体5の上方に突出するように備えられている。槽本体5の上方において,支持部42の上端部には,電源12の正極に接続された配線38が接続されている。
次に,以上のように構成された金属回収装置1を用いた金の回収方法について説明する。図1に示すように,槽本体5内に,金とシアンを含有しためっき廃液である溶液2を入れて,陽極7の陽極本体31,陰極6の円板22,攪拌羽根23,陽極8の陽極本体41を溶液2に浸漬させる。そして,回転駆動機構10を駆動させて陰極6を回転させ,溶液2を攪拌させながら,陰極6と陽極7,8にそれぞれ通電させる。
陰極6を回転させると,円板22の上方には,液流F1,F2が形成される。即ち,溶液2は,軸部21の周囲を回転しながら渦状に下降し,陽極7の陽極本体31を通過して円板22に向かって流れる。そして,円板22の上面に沿って,軸部21側から各攪拌羽根23同士の間を流れて外周側に向かって放出される。あるいは,槽本体5の側壁5aに沿って回転しながら渦状に上昇する。上昇した液流は,再び軸部21側に流れ,軸部21の周囲を回転しながら下降する。また,円板22の下方には,液流F3,F4が形成される。即ち,溶液2は,中心側において回転しながら渦状に上昇し,陽極8の陽極本体41を通過して円板22に向かって流れる。そして,円板22の下面に沿って,中心側から各攪拌羽根23同士の間を流れて外周側に向かって放出される。あるいは,槽本体5の側壁5aに沿って回転しながら渦状に下降する。下降した液流は,再び中心側に流れ,回転しながら円板22に向かって上昇する。このようにして,槽本体5内の溶液2全体が効率的に攪拌される。
陰極6と陽極7,8の通電により,溶液2中の金が陰極6の表面に電着する。なお,シアン系の溶液2中では,金が陰イオンの化合物として存在し,陰極6に対して反発力が生じるが,溶液2を陰極6の回転によって攪拌することにより,溶液2の電気分解を促進させることができる。即ち,金を陰極6に効率的に電着させることができる。
溶液2中の金が陰極6の表面に電着することにより,陰極6の表面付近では,溶液2中の金の濃度が減少するが,溶液2を陰極6の回転によって攪拌することにより,溶液2中の金の濃度を均一化することができる。即ち,陰極6の表面付近において金の濃度が減少した部分を陰極6から離隔させ,金の濃度が高い部分を陰極6の表面に接触させることができる。従って,金を陰極6に効率的に電着させることができる。特に,上下方向に循環する液流F2,F4により,円板22及び攪拌羽根23の近傍と,円板22及び攪拌羽根23から離隔した槽本体5の上部及び下部との金の濃度の差を低減することができ,また,円板22の半径方向に液流F1,F3が形成されることにより,円板22,攪拌羽根23の表面近傍において電着により金の濃度が減少した部分を円板22,攪拌羽根23の表面近傍から素早く排除して,金の濃度が高い部分を供給することができる。従って,円板22及び攪拌羽根23に金を効率的に電着させることができる。
また,溶液2を陰極6の回転によって攪拌することにより,軸部21,円板22,攪拌羽根23の各表面に沿って溶液2が円滑に流れるので,軸部21,円板22,攪拌羽根23の各表面に,金がむらなく均等に付着する。従って,電解効率を向上させることができる。特に,円板22の上面及び下面に沿って液流F1,F3が形成されることにより,円板22,攪拌羽根23に金を半径方向において均一に電着させることができる。
さらに,溶液2を陰極6の回転によって攪拌して溶液2の流れを速くすることで,電着速度を向上させ,また,軸部21,円板22,攪拌羽根23の各表面に電着する金の厚さの均一性を向上させることができる。陰極6の回転数は,例えば約100〜500rpm程度が好ましい。
こうして電解槽3において溶液2を電解し,陰極6の表面に金が十分に電着したら,陰極6の回転,及び,陰極6と陽極7,8の通電を停止させ,陰極6の表面から金を回収する。なお,陰極6に電着した金を回収する際は,陰極6を王水に浸して金を溶解させた後,王水から金を還元させて回収することが好ましい。これにより,金を効率的に回収することができる。
かかる金属回収装置1によれば,陰極6に攪拌羽根23を設けて回転させる構成としたことにより,電解槽3内の溶液2が効率的に攪拌されるので,電解効率を向上させることができる。また,陰極6の表面に電着した金の厚さの均一性が向上する。従って,陰極6や金属回収装置1を大型化させたり通電量を増加させたりすることなく,溶液2から金を効率的に回収することができる。
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。例えば,回収する金属は,金以外のものであっても良い。溶液は,金めっきに使用されるめっき液の廃液以外のものであっても良く,本発明は,種々の溶液から金属を回収する処理に適用することが可能である。
槽本体5の側壁5aは円筒状に形成され,底面5bは平面状に形成されていることとしたが,かかるものに限定されない。また,陽極7,8の位置,形状,材質は,実施の形態に示すものに限定されない。例えば,陽極本体31,41は,網状でなく,薄板に複数の穴を形成したものとし,複数の穴を通過して液流が上下に流れるようにしたものであっても良い。
陰極6の形状や材質は,実施の形態に示すものに限定されない。例えば,本実施の形態では,陰極6に設ける板は円板22としたが,かかるものに限定されず,板は円形状や平板状でなくても良い。また,円板22には,液流を上下に通過させるための穴を設けても良い。この場合,溶液2をより効率的に攪拌することができる。陰極6に形成された攪拌羽根23の配置は,実施の形態に示すものに限定されない。攪拌羽根23の個数は,円板22の上面又は下面において5個以下又は7個以上であっても良い。また,攪拌羽根23は,円板22の上面又は下面のいずれか一方にのみ備えても良い。攪拌羽根23の形状は長方形状をなし円板22と垂直であることとしたが,かかるものに限定されず,攪拌羽根23を円板22や回転中心軸Aに対して傾斜させて設けたり,曲面状に形成したりしても良い。例えば攪拌羽根23をタービン等に使用されるインペラの形状に形成しても良い。
例えば,図5に示すように,攪拌羽根を三角形状の平板状に形成しても良い。図5において,各攪拌羽根51は,略直角三角形状をなす平板状に形成されており,実施の形態に示した攪拌羽根23と同様に,円板22の上面又は下面に対して略垂直に設けられ,さらに,円板22の半径方向に沿うように配置されている。また,各攪拌羽根51の斜辺を内側に向けて備えられている。即ち,円板22の外周縁側から中心側に向かうに従い,攪拌羽根51の上辺が下方に傾斜するように設けられている。この場合も,陰極6によって電解槽3内の溶液2を効率的に攪拌することができる。
図6に示すように,陰極6に板を複数枚備えても良い。図6において,軸部21の下端部には,6枚の平板55が設けられている。各平板55は,軸部21を中心として放射状に配置されており,隣り合う平板55同士の間の間隔がほぼ同じになるように配置されている。また,各平板55は,軸部21の回転中心軸Aに対して略垂直に備えられており,回転中心軸A方向において互いに同じ高さに配置されている。攪拌羽根23は,各平板55の上面にそれぞれ1つずつ支持されており,合計6個の攪拌羽根23が陰極6に備えられている。各平板55において,攪拌羽根23は,軸部21の回転方向に対して後側の縁部に沿って設けられている。かかる陰極6によれば,各平板55同士の間において液流が上下に流れ,電解槽3内の溶液2を効率的に攪拌することができる。
攪拌羽根が取り付けられる位置は,板の上面又は下面に限定されない。例えば,図7に示すように,攪拌羽根を板の外周縁によって支持するようにしても良い。図7において,各攪拌羽根56は,略長方形の板状に形成されており,内側の辺が円板22の外周縁に固着され,円板22側から外側に向かうように備えられている。攪拌羽根56の上辺は円板22の上面より上方に配置され,攪拌羽根56の下辺は円板22の下面より下方に配置されている。この場合も,電解槽3内の溶液2を効率的に攪拌することができる。
また,攪拌羽根は,板から離隔させて備えても良い。例えば,図8に示すように,円板22の上方において,攪拌羽根23を軸部21の外周面に取り付けるようにする。この場合も,電解槽3内の溶液2を攪拌することができる。また,図9に示すように,攪拌羽根を支持する支持部材を設けても良い。図9において,円板22の上方には,6本の支持部材57が,軸部21の外周面によって支持されている。各支持部材57は,軸部21から外周側に向かって延びるように放射状に配置されている。各支持部材57の先端には,攪拌羽根23がそれぞれ1つずつ取り付けられている。このようにしても,電解槽3内の溶液2を攪拌することができる。
図10に示すように,円板22の下面周縁に沿って円筒状の側壁61を形成し,側壁61の内側に攪拌羽根23を備えるようにしても良い。この場合,円板22には,上下に貫通させた複数の貫通穴62を形成することが好ましい。これにより,液流が貫通穴62を通過して上下に流れ,電解槽3内の溶液2を効率的に攪拌することができる。
本実施の形態では,陰極6に板としての円板22と攪拌羽根23とを形成し,陰極6を槽本体5の中心部において回転させることとしたが,陰極に代えて陽極に板と攪拌羽根を形成し,陽極を槽本体の中心部において回転させることとしても良い。この場合も,電解槽3内の溶液2を効率的に攪拌することができ,電解効率を向上させることができる。
(実施例)
金を含有するシアン系のめっき廃液を溶液として用意し,図1に示す金属回収装置1を用いて電解を行った。電解槽本体5は,本実施の形態に示した形状と同様に,側壁5aが円筒状で底面5bが平面状の容器とし,容積は5リットルとした。溶液に含有される金の濃度は1g/Lとし,溶液の体積は3リットルとした。溶液の温度は常温とした。また,陰極6はチタン製とし,円板22の直径は90mmとした。攪拌羽根23は,本実施の形態に示したものと同様に,長方形の平板状とし,円板22の上面周縁部と下面周縁部にそれぞれ6個ずつ配置した。各攪拌羽根23の高さは25mm,横方向の長さは35mmとした。陽極7,8の材質は,チタンを白金によってめっきしたものとした。陽極本体31,41は,本実施の形態に示したものと同様に網状とし,陽極本体31,41の直径は130mmとした。陰極6の電流密度は,5A/dmとした。以上のような金属回収装置1を用いて,陰極6の回転数を125rpm,250rpm,375rpmとした場合において,それぞれ所定時間の間,電解を行った。そして,電解の効率を,通電量(A・hr)と陰極6に電着した金の質量(g)から,電着速度(g/Ahr)として求めた。その結果,回転数125rpmのとき電着速度は1.3g/Ahr,回転数250rpmのとき電着速度は1.5g/Ahr,回転数375rpmのとき電着速度は1.7g/Ahrとなった。また,電解後の陰極6を観察したところ,金が陰極6の表面全体にほぼ均一に電着していた。
(比較例)
図11に示す金属回収装置70を用いて,電解を行った。金属回収装置70は,電解槽73の槽本体75の内側に,陰極76と8本の陽極77とを備え,回転駆動機構80によって陰極76を回転中心軸Aを中心として回転させる構成となっている。槽本体75は,側壁が円筒状で底面が平面状の容器とした。溶液は実施例と同様にシアン系のめっき廃液とし,溶液に含有される金の濃度は1g/Lとし,溶液の温度は常温とした。陰極76は,軸部81と円板82とによって構成されるものとし,攪拌羽根は設けなかった。各陽極77は棒状に形成し,陰極76の円板82を囲むように配置した。陰極76の材質はSUS鋼とし,陽極77の材質はフェライト材とした。このような金属回収装置70において,陰極76の回転数を125rpmとして,所定時間の電解を行った。その結果,電着速度は0.7g/Ahrであった。また,電解後の陰極76を観察したところ,円板82の周縁部に金が最も厚く電着しており,厚さの均一性が保てなかった。
このように,実施例に示した金属回収装置1によれば,比較例に示した従来の金属回収装置70を使用した場合より,陰極6,76の回転数が同一であっても電着速度が約2倍程度大きくなり,電解効率が大幅に向上することがわかった。また,陰極6の回転数を増加させるほど,電着速度が向上し,より効率良く金を回収できることがわかった。
本実施の形態にかかる金属回収装置の概略縦断面図である。 陰極の斜視図である。 陰極の上方に配置した陽極の平面図である。 陰極の下方に配置した陽極の平面図である。 攪拌羽根の形状を変更した陰極の別の実施形態を示す斜視図である。 板の形状を変更した陰極の別の実施形態を示す斜視図である。 攪拌羽根の配置を変更した陰極の別の実施形態を示す斜視図である。 攪拌羽根の配置を変更した陰極の別の実施形態を示す斜視図である。 攪拌羽根の配置を変更した陰極の別の実施形態を示す斜視図である。 陰極の別の実施形態を示す斜視図である。 比較例において使用した金属回収装置の概略縦断面図である。
符号の説明
A 回転中心軸
1 金属回収装置
2 溶液
3 電解槽
5 槽本体
6 陰極
7,8 陽極
10 回転駆動機構
21 軸部
22 円板
23 攪拌羽根

Claims (6)

  1. 溶液から金属を回収する金属回収装置であって,
    溶液を入れる容器を備え,
    前記容器内に陽極と陰極を備え,
    前記陽極と陰極のいずれか一方を,略鉛直方向に向けた回転中心軸を中心として回転させる回転駆動機構を備え,
    前記回転駆動機構によって回転させられる陽極又は陰極は,前記回転中心軸に対して略垂直に配置された板を備え,前記板の上面又は下面に攪拌羽根を設け
    前記陽極と陰極は、前記回転中心軸の軸方向に対向して平行に配置され,
    前記陽極又は陰極のうち少なくとも攪拌羽根が設けられていない方は、編み目又は穴を有することにより前記溶液が通過可能であることを特徴とする,金属回収装置。
  2. 前記攪拌羽根は,板状に形成され,回転中心軸に対して略平行に,かつ,前記回転中心軸から間隔を空けて,半径方向に沿って設けられていることを特徴とする,請求項1に記載の金属回収装置。
  3. 前記陰極の材質はチタンであることを特徴とする,請求項1又は2に記載の金属回収装置。
  4. 溶液から金属を回収する方法であって,
    陽極と陰極を内側に備えた容器に溶液を入れ,
    前記陽極又は陰極を,略鉛直方向に向けた回転中心軸を中心として回転させ,前記回転させる陽極又は陰極は,前記回転中心軸に対して略垂直に配置された板を備え,攪拌羽根が前記板の上面又は下面に取り付けられ,
    前記陽極と陰極は、前記回転中心軸の軸方向に対向して平行に配置され,
    前記陽極又は陰極のうち少なくとも攪拌羽根を設けない方は、編み目又は穴を有することにより前記溶液が通過可能であり,
    前記攪拌羽根によって溶液を攪拌しながら,前記陽極と陰極に通電させることを特徴とする,金属回収方法。
  5. 前記攪拌羽根は,板状に形成され,回転中心軸に対して略平行に,前記回転中心軸から間隔を空けて,かつ,半径方向に沿って設けられていることを特徴とする,請求項4に記載の金属回収方法。
  6. 前記陰極の材質はチタンであることを特徴とする,請求項4又は5に記載の金属回収方法。
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